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【場】『 大通り ―星見街道― 』 その3
849
:
宗像征爾『アヴィーチー』
:2025/09/10(水) 07:40:04
>>848
仕事柄、『水』と関わる機会は事欠かない。
蛇口を捻れば当たり前のように水が出てくる。
だが、こうした大規模な打ち水において、
上水道から供給される水を使わないことが慣例になっている。
節水の意味だけではなく、水の重要性を改めて知ろうとする意図も含んでいる。
今回の打ち水に使われている水も、下水に高度処理を施した『再生水』であり、
H市の水道局から委託されて現地に運んできた。
──────バシャッ
軽く柄杓を振って、乾いた地面に水を撒く。
飲用には適さないものの、『汚れた水』にも使い道がある。
どのような代物にも、それなりの活かし方は残されているものだ。
そのように考えながら、通り過ぎる人々を眺めていた時、『ある事実』に思い至った。
「――――――『水』だ」
歩き去る通行人は、誰もが地面を踏む。
少しばかり路面が濡れていたとしても、強いて注意を向ける者は少ない。
言い換えれば、彼らは『地面と同時に水を踏んでいる』。
もし、それらが『俺の水』だったとしたら、どのような結果に繋がり得るか。
あらかじめ広範囲に水を撒いておけば、容易に『ノコギリザメ』の発動が可能になる。
たとえ追尾が終了しても、相手が濡れた地面を踏んだ瞬間、
再び発動条件を満たすことになり、大幅に動きを制限できるだろう。
元来、『鮫』は水の中で生きる生物だ。
水と好相性であることに対しては、自然の摂理に近い印象を覚えた。
『試す機会』が巡ってくるかどうかは不透明だが、事前に確かめるべきかもしれない。
──────バシャッ
『穢れた血』にも、それなりの使い道は残されている。
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