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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』 その2

1『星見町案内板』:2020/06/04(木) 14:10:32
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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899仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/26(月) 23:31:05
>>898
 「…『森林浴』かあ…私は…う〜ん わたしは…」

 ガシッ      ブ ラ~~~ン

 同じ木、 両手で幹を掴み、ぶら下がる。

 「…木登りしにきてる! 危ないし まだちょっと怖いんだけど」
 「見て見て!これ! こないだ鉄棒覚えたんだ だからこういう事も……」
  
    ドサッ
 
 着地。疲れたのか腕が震えている。

 「はぁ〜〜〜……………できたぁ !」
 「……いつか登るっ!ぶらさがるんじゃなくて登る!」

900小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/27(火) 00:12:05
>>899

木に掴まる少女。
その無邪気な姿を、穏やかな微笑を湛えて見守る。
震えている腕を見て手を差し伸べようとしたが、
無事に着地した所を見届けて、安堵の表情を浮かべた。

  「……無理はしないで下さいね」

  「『ご家族』も、きっと心配しますから……」

  「ゆっくり……少しずつ出来るようになりましょう」

少女に声を掛け、木を見上げる。
彼女にとって、それは『大きな目標』なのだろう。
人それぞれに『背景』があり、
それぞれの『目指すもの』がある。

  「私にも――叶えたい『目標』があります」

『彼』の分まで『生きる事』。
この『命』を全うする事が、自分の『目標』であり、
『彼』と交わした『約束』だ。
『その先』で『彼』と再会するために、私は『今』を生きている。

  「――『一緒』ですね……」

        ニコ……

人の数だけ『想い』があり、それらには様々な形がある。
どのような形であっても、『想い』は純粋。
『町』で生きる内、それを実感してきた。
この少女の『想い』も、また純粋なものだと思える。
だからこそ、彼女に『慈しみ』を覚えるのだろう。

901仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』:2021/07/27(火) 00:59:52
>>900
「お姉さんほどになると、
 木登りなんかよりもっとずっと難しい『目標』なんでしょ?」
「まあ、でも一緒なのかな?わかんないや」

木の幹を撫でてみている。
これって何か楽しいのか?という表情だ。

 「あ!…そういえば確かに 
  そろそろパパママが心配しそうな時間になってきたかも 
  急でごめんね!  帰るっ  ばいばーい!」

バイバーイ、と手を振り、

「……あ!『心配』で言うと 手首!あんまり切り過ぎないでね」
「体も気持ちも、だめそうなら病院行こうね 
 病院いいよ ここの東の『アポロン』は腕がいい! 
 常連のわたしが言うんだから間違いない!」

ちょっとだけ言い残し、来襲者は立ち去る。
木登りとか、目標、親、森林浴、残虐な折り方、友達、水筒ほしい、などなど考えながら。

902小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』:2021/07/27(火) 18:26:19
>>901

『病院』に通い慣れているらしい少女。
彼女にも、自分と『通じる部分』があるのかもしれない。
人と人は時として争い合う。
反対に、人は分かり合う事も出来る。
立ち去っていく少女を見届けながら、
心の中に生じた『想い』を感じていた。

  「……ありがとうございます」

       ニコ……

  「さようなら……」

緩やかに手を振り返し、
小さくなっていく少女の後ろ姿を見守り続ける。
それが見えなくなった後、触れている木に視線を移した。
木は何も言わず、ただそこにあるだけ。
けれど、確かに『生きている』。
だからこそ、そこに触れていると、
『生きる力』を分けてもらえるように思える。

         スッ

やがて、包帯が巻かれた手を幹から離し、
静かな足取りで森の中を歩き出した――。

903甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/07/31(土) 07:52:12
爽やかな緑風が吹く森の中
ハンモックに揺られて森林浴

ホーホケキョ

森に住む鳥の鳴き声をBGMにうたた寝

>>904は共に森林浴に来た同士か、ただの通りすがりか

904ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/07/31(土) 21:52:07
>>903

「ねえねえ、この前はわたしのお陰で助かったでしょ」

生意気そうな顔立ちの幼稚園児がいた。
いつも通り、『有名私立幼稚園』の制服を着ている。
三つ編みにしたプラチナブロンドの髪と、
エメラルドグリーンの瞳が特徴的だ。
テディベアを枕にして、同じくハンモックに揺られていた。
寝転んだまま、湖周辺を指差す。

「ねえ、ちゃんと聞いてる?『ここ』よ!『ここ』!」

「この場所で『二度』も極悪非道のスタンド使いに……!」

一度目は湖に叩き落された。
二度目は大岩を落とされて泥だらけにされた。
忌まわしい記憶だ。

「あいつら……!!絶対に泣かせてやる……!!」

         バババババババババッ

『オンリー・ガール』を発現し、シャドーボクシングを始める。

905甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 05:51:23
>>904
「ん…」

うとうとしていた所をダイアナの大声に叩き起こされてしまう
寝惚け眼を擦りながら、彼女の声に耳を傾ける

>ねえねえ、この前はわたしのお陰で助かったでしょ

突然のアッパーカットで気絶させられた事を思い出す
あれは痛かった、意識がぶっ飛ぶくらいに…

「えぇ、この前はありがとう」

>あいつら……!!絶対に泣かせてやる……!!

「…どうどう」

身を起こして、冷えた麦茶を入れてダイアナに差し出す
これでも飲んで頭を冷やせという事だろうか

>この場所で『二度』も極悪非道のスタンド使いに……!

「そんな凶悪な奴らがいるのね…」

この前は良い勝負をしたと聞いた気がするが、
この様子だと惨敗だったように見える
あま公は訝しんだ

906ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/08/01(日) 06:20:14
>>905

「ふぅー…………」

「――――もらっておくわ」

      ズズズズズ

渡された麦茶を飲んでクールダウンした。
喉越し爽やかだ。
お陰で少し落ち着いてきた。

「片方は『あきは』っていう名前なの。
 あま公と同じくらいの年のヤツよ。
 もう片方は分からないけど、『変な格好した女』だったわ」

「とにかく悪いヤツらよ。
 子供に暴力を振るうくらいだから。
 わたしだから切り抜けられたけど、
 あなたも気を付けなさい」

多分に主観が含まれた『氷山』と『八瀬』の悪評を吹聴する。

「『ブラックリスト』に載せてあるから、今度は退治するわ。
 そのためにトレーニングしなきゃ!」

         ドシュッ!

下の方では、『オンリー・ガール』が蹴りを放っている。
『空間の歪み』のような半透明の人型スタンド。
動きは速いが大振りなので、それだけで当てられる状況は、
相手が記憶喪失にでもなっていなければ難しい。

907甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 06:58:02
>>906
「あきは…」

そういえば、この前海岸で会った
鮫を殴ってた少女があきはという名前だった事を思い出す
感じの良い奴で悪い奴には見えなかったが、別人か?

「…そうね、気を付けるわ」

取り合えずダイアナの言葉に相槌を打つが
あま公は、この目で見て確かめるまでは鵜吞みにしない
本当に悪人かどうかは自分で判断する

>ドシュッ!

これでは落ち着いて静かに森林浴が出来ない…
木々の間から差す木漏れ日を浴びて、鳥の鳴き声を聴きながら
自然の空気に包まれてゆっくりと寝たいのに

「特訓、付き合おうか?」

ダイアナを静かにさせるためにも、もっと疲れさせる事にする

908ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/08/01(日) 07:13:27
>>907

「それから、もう一人いるの。
 あま公よりも年下に見えたけど、そいつも悪いヤツよ。
 だって、自分で『悪の首領だ』って言ってたもの」

さらに『朝山』にも風評被害を及ぼす。
彼女については自称しているので、必ずしも間違いではない。
これに関しては『くすぐられた』だけだが、
しっかりと『ブラックリスト入り』している。

「いいの?じゃあ、お願いするわ。
 言っておくけど、本気で行くわよ」

       ザッ

「――かかって来なさい!」

『オンリー・ガール』が構えを取った。
とはいえ素人なので、『やる気の表明』以上の意味はない。
適当に付き合っていれば、
その内疲れて勝手に寝るかもしれない。

909甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 07:33:52
>>908
ダイアナによってどんどん風評被害が
しかし悪を名乗っているなら、本人にとっては本望なんじゃないだろうか
それにしても、『悪の首領』とは…痛い奴だ!

>――かかって来なさい!

特訓に付き合うのはいいが、普通に殴るんじゃ芸が無い
少しは工夫でもするか?

「行くわよ」

人型スタンド『BSS』を発現し、
まずはまっすぐ行ってぶっ飛ばす
右ストレートでぶっ飛ばす(パス精DCC)

910ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/08/01(日) 07:49:06
>>909

「フフン!甘いわ!そんなスピードじゃ当たらないわよ!」

         ヒュッ

殴りかかってきたのを見るなり、
得意顔で横に避けようとする(スB)。
『何かあるんじゃないか』とか、そういう発想は一切存在しない。
ダイアナは思慮も経験も浅く、
とりあえず回避できればいいという考えだ。

(『避けてからパンチ』!フフン!我ながら完璧な作戦だわ!)

至って底の浅い作戦を脳内で展開しつつ、ほくそ笑む。
本人としては、これ以上ないくらいの知略のつもりなのだ。
ちなみに『あきは』の時は、
次の瞬間には『湖』まで吹っ飛ばされていた。

911甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 08:02:44
>>910
『オンリー・ガール』の動きは素早く、
『BSS』のパンチなど容易くかわせるだろう

>>909メ欄
地面に触れる事で『お菓子』を出せるようにしておいた
トリックでもなんでもないが…

予めタッチしておいた箇所から、
でっかい『ウェディングケーキ』を作成する
(ttps://tabi-labo.com/283029/lenovellecake)

『ケーキ』の一部を蹴り飛ばして、
『オンリー・ガール』への目潰しを行う

912ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/08/01(日) 08:26:49
>>911

「フフン!さぁ、反撃を――――ブッ!?」

パンチをかわした所で、『巨大なケーキ』が現れる。
それに驚いた直後、『ケーキの目潰し』が飛んできた。
全くの予想外。
目潰しは見事に命中した。
当然、頭の中で思い描いていた『作戦』は、
止む無く中断せざるを得ない。

「こ、このッ…………!」

「そっちが『その気』なら、こっちだって!」

         ダンッ!

何を思ったか、『巨大なケーキ』に向かって突撃を敢行。
目が見えない状態でも、
位置が分かっていれば飛び込めるだろう。
『オンリー・ガール』の能力は『固形の無生物』への『潜伏』。
その能力を使い、『ウェディングケーキへの潜入』を試みる。
最大サイズは『2m』なので、
それ以上デカいと失敗するが……。

(わたしだって、それくらい出来るのよ!フフン!)

特に深い意味はなく、相手が能力を使ったので、
それと張り合おうという考えだ。
『ビター・スウィート・シンフォニー』のお菓子は、
『スタンド物質』ではあるが、『実体化』しているなら、
もしかすると入れるかもしれない。
その辺りは、後で『確認』しておく必要がありそうだった。

913甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 08:42:44
>>912
「?」

『ケーキ』に突撃をかます『オンリー・ガール』
あま公にはダイアナが何をしたいのか分からない
自分から入っていくのか…くらいにしか

しかし、ダイアナも何の考えも無しに突っ込んで来る馬鹿ではないだろう
それくらいはあま公も分かる
『ケーキ』を利用して何かをするつもりか?

ならば―――

『オンリー・ガール』が『ケーキ』に『潜伏』する直前に
『ケーキ』を解除する

標的を失った『オンリー・ガール』は、
勢い余って素っ転ぶかもしれない
その場合、『オンリー・ガール』を『BSS』で支えてやる

914ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/08/01(日) 09:11:51
>>913

『ウエディングケーキ』はスタンドの産物。
解除して消す事は簡単に出来る。
そして、『オンリー・ガール』が飛び込むよりも、
『ケーキ』を解除する方が早い。

            「はッ!?」

      ズザァッ!

(なんで!なんで触れないのよ!
 あんな大きいものを、あんな一瞬で動かしたの!?)

『突入した後』の事は何も考えていなかったため、
その前に消されてしまうとどうにもならない。
そもそも目潰しされているので、
消されている事にさえ気付いていなかった。
だから、なぜ『当たらないのか』が分からない。

「あッ――――」

            ガシッ

あわや転びかけた瞬間、
『ビター・スウィート・シンフォニー』に支えられた。
相変わらず見えていないので、
何が起きているのか全く把握できない。
そのせいで、軽くパニックに陥っていた。

(なに!?なに!?なんなのよ!?)

      「もォォォォォ〜〜〜〜〜ッ!!」

            ドヒュゥッ!

癇癪を起こしつつ、
『オンリー・ガール』が拳を繰り出す(パス精CBE)。
本来の精度は平均的だが、視界は塞がれている。
しかも、適当に放っているため、狙いは非常に雑だ。

915甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 10:05:29
>>914
癇癪を起し、感情のままに殴りかかる『オンリー・ガール』
スピードは速いが、狙いが雑なら受け止める事は可能だろう
『BSS』の腕で受け止めてやろう(パス精CCC)

「…」

パニックになり暴れるダイアナを見て、
やり過ぎたかと反省するあま公

「ごめんなさい、やり過ぎた」

顔のクリームを拭きとってやる

「凄いスピードね、まともにやりあったら勝てないわ」

ダイアナの性格は大体分かってきた
こういう時は褒めて機嫌を取るべきか

「そろそろ、休憩にしない?」

916ダイアナ『オンリー・ガール』:2021/08/01(日) 10:26:40
>>915

       ――――パシッ

ただ闇雲に殴りかかるだけの雑な攻撃。
普通に立っていても当たらなかったかもしれない。
当然、それを受け止める事は造作もなかった。

  「もう!!もう!!もう!!」

                  ダンッ!ダンッ!ダンッ!

クリームを拭ってもらいながらも、地団駄を踏む。
見るからに不機嫌そうだ。
このままでは収まりがつかなかったかもしれないが――。

「フフン!そうでしょ!『オンリー・ガール』は強いのよ!」

褒められた事で、コロッと態度を変える。
気位は高いが、乗せられやすい性格のようだ。
分析は的中した。

「ちょっと疲れたし、今日はこの辺で許してあげるわ」

               ドヒュンッ

          シュバッ

『オンリー・ガール』を近くの木に飛び込ませる。
そこを経由して、ハンモックの上に出現させた。
最終的に、枕にしている『テディベア』の中に入り込む。

「ふぁ…………」

           スヤァ…………

眠たげな表情で、小さく欠伸をする。
そして、まもなく寝息を立て始めた。
思惑通り、『静か』にする事が出来たようだ。

917甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/01(日) 11:01:13
>>916
ようやく静かになった
中々狂暴だが、子供らしくかわいいものだ
もう少し心に余裕を持つべきだと思うが、
それはこれから身に付けていけばいい

ハンモックに揺られ眠りについた事を確認して

「おやすみ」

自分もハンモックに身を預け、夢の世界に旅立つことにする


                ピーヒョロロー


流れる川の音 木々の騒めき 鳥の鳴き声 澄んだ森の空気
とても快眠だった
ダイアナと一緒だった事もあってか、子供の頃の夢を見た
まだ何も失っていない、単純に世界を楽しめていた頃だった
今みたいな乾ききったつまらない人間になったのは、いつ頃だったかな…


目を覚ました時、そこは真っ暗闇の世界だった

イヒヒヒヒヒヒ
アーヒャッヒャッヒャッヒャ

鳥の鳴き声が、不気味な笑い声に聞こえる
ここはまるで
―――迷いの森だ

918小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/03(火) 01:16:59

「……この森の周辺には、蝙蝠は やはり少ないな」

あの『通り魔事件』で、終盤に見かけた『蝙蝠』

街周辺を散策してみたが、それらしき影はスタンドを使って改めて
捜索してみたが影の形も無かった。

自然豊かな、こちらの湖畔付近には野生の蝙蝠が住める樹洞は幾つかある。
しかし森林性の蝙蝠が、あの時歓楽街周辺に一匹のみ迷い込んでいたとは
考えにくい。何より、あの野生動物の瞳には確固たる意志が見え隠れした気がした。

「……っ」  グラ……。

意識が怠い。ここ最近、眠りが浅く頭痛は波が大きくなる事はあれど一定の水位より
下がりきらず波は続いている。

「少し、座ろうか……」

眩しい日差しを遮る梢に背中を預けて座る。
誰かが>>919通るのを目にするかも知れない。

919円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/08/03(火) 02:22:10
>>918

       スタスタスタスタ

バス停のある方向から、
パンダのような帽子を被った少女が歩いて来た。

「……あれあれ!!
 ちょっとちょっとー、大丈夫ですかーっ?」

そして小林に気付いて、
手を広げて、大きな身振りで驚いた。

今日は暑い。熱中症で倒れていると思ったのだ。

920小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/03(火) 09:30:59
>>919

瞼を閉じると、木々の枝と葉のカーテンを掻い潜った上空からの線条が
薄く隔たった一枚の肉皮を照らし褪せた真白のような色合いを灼け映す。

かつて 何処か遠い場所でも眩い一条の何かが過った気がする。

>ちょっとちょっとー、大丈夫ですかーっ?

うつら うつらと沈みかけた意識が唐突に飛び込んだ声で
海中の魚が釣り針で引き揚げられたかのような重苦しさを肺に生じさせ
開いた眼前には白と黒が混ぜ合わさった被り物の少女を目にした。

「……えぇ、えぇ。大丈夫ですよ」 ニコッ

「ただ……えぇ、少々 探し物をしてたのですが」

「その手掛かりが掴めず……ほんのちょっとだけ、腰を下ろしたかっただけなんです」

僅かに顔を伏せた。土の香りが鼻をくすぐる。

私は何をしてるのだろう。見知らぬ少女にも気を遣われ
あてもなく意図も目的も定かでないものを追い続けている。

「ですので……ね。ご心配には及びませんよ」 ニコッ・・・

何時もの微笑を浮かべ、何でもないと少女に声をかける。

921円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/08/03(火) 23:28:04
>>920

           キュ

パンダ柄のキャップのズレを直しながら、
日差しを背負って青年に笑みを向ける。

「へーっ、そーなんですねー!
 大丈夫なんだったらよかったよかった!
 今日ってお日様ギラギラですっごい暑いからー、
 倒れちゃったのかと思ったんでーす」

明らかな憔悴があるならともかく、
そうでもないなら、内心には気付かない。
心配しなくていいなら、しないだろう。

「ねえねえ、きみの探し物ってなーに?
 よかったらあたし、探すの手伝ったげますよー?
 この後しばらくヒマだから! あはーっ」

だが、セララには素朴な善性があった。
深い気遣いはしない時にも、浅い協力は迷わない。

922小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/04(水) 16:45:21
>>921

>よかったらあたし、探すの手伝ったげますよー?

「はは、ご好意は嬉しいですが」

ご迷惑に、そう告げようとして思案が浮かんだ。

彼女が一般人として、日常の街中で『蝙蝠』。あれがスタンドであれ
スタンドで操作してた実際の生物か実体化していたのであれ
普通の人間に見えないものならば、目撃情報だけでも知らせてくれれば
こちらとしても有難い。街の深部で蠢く悪意を、少しでも早く感知できるのなら。

「……そうですね。私が探してるのは『蝙蝠』なんです。
ですが、普通の蝙蝠と違って……なんと言うか普通のと異なって
街中で人間を観察するようなもの」

それを、探してるんです。と円谷に説明する。

「……街中でも幾らか探してるんですが、どうも影や姿形一切見られず。
こうして、蝙蝠が群生する場所で何かしら似た個体がいれば手がかりに
なるかと考えて湖畔の方に足を運ん……そこで、少し疲労が襲って」

こうして貴方と会ったわけです。と自身が座る事情を穏やかに説明し終えた。

923円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/08/04(水) 19:04:05
>>922

「えーっ、コウモリー!? なーんだ!
 落とし物とかじゃないんですねーっ。
 コウモリって汚くって病気持ってたりするから、
 触っちゃダメって聞いたことありますよ!
 顔はちょっとかわいーけど」

    「豚さんに似てるんだよネ」

          スタスタ

炎天下で話す趣味は無いので、
木陰の、少し離れた位置で立ち止まり、
くるっと身を翻して木に背を預けた。

「しかも、人を見てるコウモリなんて初耳ー!
 ねえねえ、なんでそんなの探してるの?
 あ! もしかしてー、きみのペットだったりとか!
 どうどう? 当たってる?」

           ケラ

「それともそれともー、
 その子に噛まれて怒ってるとか? あはーっ」

       ケラ

笑いながら話を聞く。
今のところ、さほど重要だとは思ってもいない顔だ。
こだわる理由も無い話だと思っている。

924小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/04(水) 22:46:50
>>923

「いえ、私のペットでも噛まれたわけでもないですよ……ただ」

「…………そうですね。
ただ、私の身の回りで『不幸』がありました。
とは言え、死んだとかでは無いです。身内でも無いですが
色々と抱えていた知人だったんです。
 その内の二人が倒れた際に『蝙蝠』は居たんです。
無関係かも知れませんが、仮に私の知人二人が倒れる原因と
なった原因に近いものなのなら、何としてでも正体なりを知りたい」

そう言う話なんですよ、と寂れた微笑で心中を吐露する。

「とは言え、荒唐無稽にも近い話でしょう?
ですから、手伝ってくれるなら有難いですが、そこまで深入り
するような事では無いんです」

ただ声を掛けてくれただけの善意の人間に、スタンドまで含めた
あらましを伝える気はない。

ただ、ぼかした言い方だが内容は事実だ。

あの『蝙蝠』には確かに、何らかの『意思』を見え隠れした。
 本当に、ただの蝙蝠であったのなら良い。
だが、そうでないとは勘が囁くのだ。

925円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/08/05(木) 01:45:17
>>924

「なにそれなにそれーっ!
 えーっ、なんか不気味ー!怖ーい!」

怪談話でも聞いたような、
笑い混じりのテンションだった。

「そんな趣味悪ーいコウモリいたら、
 たしかにあたしも探そうと思っちゃうかもでーす」

円谷が本気にするには、実際に、荒唐無稽すぎた。
勿論それは小林の配慮が届いたという事でもある。

とはいえ――――

「でもでも、コウモリはコウモリだしー、
 その時いたのと、別のコウモリと、
 ちゃんと見分けるのってすっごい難しそーっ」

それでも協力――――
という程ではなくとも、話を聞く興味は残る。

「だって、ずっと人を見てるって、
 決まってるわけじゃないですよねー?」

「うーんうーん、見た目が珍しい子だったら良かったのにネ」

あるいはセララも『スタンド使い』で、
そうした不思議の存在を信じているからかもしれない。

926小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/05(木) 02:14:56
>>925(お気になさらず)

「そうですね……特殊な個体であったり、外見に特徴があれば……」

そう言えば、リュウカさん達には刀傷があったと村田さんが述べてた。
蝙蝠と関連した話で説明しようと思ったが。それだとどうしても
齟齬のある内容に至ると考えて、別の話として会話にのせる。

「……あ、それと。これは蝙蝠の話とは関係ないのですが。
まぁ、こんな事は当たり前なんですが刀を、刃物を持った不審者らしき人物が
街のほうで出没してたとの事ですから」

「唐突かも知れませんが、どうも其の蝙蝠の一件と。その周辺で見かけられた
凶器を持った不審者の目撃情報の位置が結構近いようだったのでね」

もし、あの事件の首謀者がスタンド使いで、その形が蝙蝠を操る系統なのなら
この説明が伝播して他の星見街の善意あるスタンド使い達に知られて警戒に
及べるなら良い傾向だ。

だから、これは推測も交えた虚偽だが……彼女を通して誰かの注意喚起となって
悪意から逃れられる事を願う。

927円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/08/05(木) 02:37:49
>>926

「え! なになに急に! えーっそっちも怖ーい!
 じゃあじゃあー、そのコウモリって、
 不審者の人のペットかも……ってことー!?
 『ハリポタ』のフクロウみたいに、
 コウモリにお使いさせたりするんでしょーか!?」

短絡的な結論をつけるセララだが、
それが外れているかは分からない。
なにせ、全てが謎の中だからだ。

「……あ! そういえばそういえば!  
 ねえねえ、あたしも耳寄り情報持ってまーす!
 あたしの知り合いの人が言ってたんだよね、
 歓楽街で通り魔があったんだーって!」

   「女の人でー、あたしより背が高くてー」

小林の知る限り『刃のスタンド使い』は男だ。
恐らくは別件と思われる。

「それとはまた別の人なのかなー!?
 怖いねーっ、暑いからバカな人増えてるのかもネ」

セララはやはりあまり深刻ではなさそうに、
笑顔のままでそんなことを言っていた。

928小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/05(木) 02:55:20
>>927(次レスで〆たいと思います)

「通り魔……」

もしかしたら、と思い聞いた所、女性。
(リュウカさんの事件が、遅れて耳にされたのだろうか?)

「えぇ、物騒ですね。ですので、危ない場所は一人で居ない。
これが鉄則です」

もしかすれば黒羽さんの友人だったりするかも知れないが
ここで変に追及して話を拗らせる事もないだろう。

話を続けてる内に体調も回復してきた。
 立ち上がり、頭を振ってから、私や彼女も自己紹介など
してなかったなと思い出す。

「そう言えば自己紹介遅れました。
小林。小林 丈と思います。清月の高校三年ですよ」

「作家崩れでしてね……話のネタを探して散策も日課に含まれてますから
こうして、また会う事があるかも知れませんよ」 ニコッ

929円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2021/08/05(木) 03:38:06
>>928

「うんうん、弱い通り魔ならいーけど、
 すっごい強ーいかもしれませんもんねーっ!」

       コクコク

「ヘンタイとかだとやっつけても気持ち悪いし!
 あはーっ、友達と一緒にいるのが一番いーですネ」

分かったような分からないような、
そんなリアクションで、笑っていた。

「わーっ! 清月三年! それじゃあ先輩だったんだ!
 あたし、一年の円谷 世良楽って言いまーす。
 作家ってことは小説書く人ですよねー?
 じゃあタケル先生だ! あははーっ!」

           タンッ

「あたしの事はセララちゃんって呼んでいーですよ。
 みんなあたしの事そうやって呼ぶから!」

木を軽く蹴るようにして体を前に押し出し、
軽やかに小林と、その木陰から離れた。
 
「今日はもうあたし帰るけどさー、
 次会ったら、書いてるお話読ませて!
 あ! タケル先生も一人だし、帰り気を付けてネ」

       「それじゃーまたね、ばいばーい!」

そしてそのまま、風が吹くようにして去っていく。
また会う事があれば、その時は作品をせがむのだろう……

930小林 丈『リヴィング・イン・モーメント』:2021/08/05(木) 17:56:25
>>929

「はは。はい、それじゃあ また」

夏の熱気を一時忘れさせるような涼やかさと勢いを秘める娘だった。
こう言った娘と話すと、一時的に頭に過る錐で突かれたような痛みも
忘れられそうになる。

使い手であるにしろ、ないにしろ。あぁ言う子は人好きになるだろう。
 応援された手前、手掛けている文集にも今日は腰を入れて取りかかろうか。
少なくとも、今日一日で刀傷の首謀者に行きつくのは難しいのだから。

「……そうだ、千草さんのゴミ処理の仕事の件について。
今度話してみるのも良いかも知れないな。
きっと、良い知り合いになれる」

   フラッ・・・。

「親友に、今日の事を話そうか。
また会った時に、彼だと冗談通じると思って行き成り口説くような
つまらないパフォーマンスをするかも知れないしな」

 頭痛の中に、蝕むように睡魔も出没する。

嗚呼 しかし私はまだ止まる訳にはいかない。
 見つけなくては。木偶の坊として終わる訳にはいかぬのだ。

でなければ・・・『あの子』に・・・申し訳が立たない。

「…………そし て」

「ああ……そし……………………」



そして、小林 丈は倒れた。
 ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1625483444/194


                      To be continued...

931七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 20:04:53
 その日、手にビニール袋を持った少女が湖畔付近にやってきたのは偶然だった。
 焦げ茶の髪を暑いからかポニーテールにし、ラフなGパン姿で歩いている。

――…どこにしよう…。
――『オジロ』、プレゼントは嬉しいんだけど…やっぱり『コウモリ』は…。

 どうやら時折自室に届けられる『コウモリ』を埋めに来たようで、七篠はきょろきょろと周囲を見渡す。



 そんなときだった。
 木陰に年上の男性が倒れているのを見かけたのは。

「……!?
 だ、大丈夫ですか!?」

 慌てたように駆け寄った七篠に対し、返答はない。
 どうやら男性は意識がないようだった。

「も、もしかして…熱中症…!?
 病院、救急車…!」

 七篠は手に持ったスマホで119番にかける。
 救急車が到着するまでの間、どうにか冷やしたいようだが手段が思いつかないようだった。

「冷たい木なんてないし…ひとまず葉で『うちわ』を…。
 あ…でも大きい葉は『落葉樹』ばっかり…ど、どうしよう…」

932度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 20:22:12
>>931

       コツ コツ コツ コツ コツ

『アジト』を出て、久しぶりに太陽の下にいた。
懐刀である『御影』は大学に行っているため、一人だった。
杖をつきながら歩いている最中に、その光景が視界に入る。

(『病人』か?この時期なら有り得る)

(何にしても放ってはおけないな)

         スッ

「――良ければ、『これ』を使って下さい」

目深にフードを被った男が、『ミネラルウォーター』を差し出す。
買ったばかりらしく、よく冷えている。
それを掴む手は傷だらけだった。

933七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 20:41:50
>>932

 杖をついた男性が差し出した『ミネラルウォーター』を七篠は頭を下げながら受け取った。
 ちらりと手の傷に心配そうに目をやるが、倒れている男性を介抱することを優先するようだ。

「あ、ありがとうございます!」

 流石に気を失っている相手に飲ませるわけにもいかず、氷枕のように首筋に当てるようだ。
 ひとまず、今できることをやりきった七篠は一呼吸し、改めて度会に向き合った。

「すみません、助かりました。
 ……『ミネラルウォーター』、その、買ってすぐだったんですよね…。
 よく冷えてましたし…。すみません、いただいてしまって…」
「なにかお礼ができればいいんですが…」

 七篠が今持っている物はポケットに入れたスマホと財布、そして手に持ったビニール袋だけだった。
 植物さえあれば『埋める』ためのスコップ代わりの枝は生やせる。それ故の軽装だ。

934度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 21:01:23
>>933

フードに隠れて顔はよく見えないが、
二十台半ば程の男性である事は分かる。

「いえ、大した事じゃありません。熱射病は命にも関わる。
 これが助けになるなら安い出費だ」

より重いのは当然『人命』。
苦しむ人間は救われるべきだ。
『費用対効果』としても効率はいい。

       ジッ

少女が持つ『ビニール袋』に視線を移す。

「なら――少しの間だけ『話し相手』になってくれませんか?」
 
「『救急車が来るまでの間』さ」

       コツ コツ コツ

                 ザッ

手近な木陰に移動し、そこに座る。

「君は、『ここ』へは何をしに?」

935七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 21:11:03
>>934

「ありがとうございます。そう言ってくれると…」

 七篠はそう言ってまた頭を下げた。
 そして、『ビニール袋』に視線が向いていることに気付き言葉を返す。

「『話し相手』くらいでしたら是非。こっちの木陰でお話ししますか…?」

「ここに来た理由…ですか?
 私がここに来たのは…この『ビニール袋』の中身を埋めるためなんです。
 ……あんまり見て気分がいいものじゃないと思いますが、見ますか…?」

 もし『ビニール袋』の中身を確認するのであれば、『噛み跡のあるコウモリの死体』が入っているのがわかるだろう。

――『野犬』だって話したらまた『オジロ』が困ることになるかもしれないし…。
――どうしよう…。

936度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 21:30:29
>>935

「これは…………」

          ガサッ

覗き込んだ『袋の中身』に、意外そうな呟きを漏らす。
何かと思えば、まさか『コウモリの死骸』とは。
次に関心が向けられるのは、死体に見られる『噛み傷』だ。

「いや、驚いたよ。
 そんなものが入っているとは思わなかったものだから」

「コウモリを見かける機会は割と多いけど、
 こんな風にお目に掛かるのは初めてだ」

           ザッ

      「聞いてもいいかな」

袋から視線を外し、改めて少女に向き直る。

「――どういう経緯で『これ』を?」

そこらで死んでいたのか、それとも『駆除』か何かか。
いずれにせよ話のタネにはなりそうだ。
あるいは、『それ以上』にも。

937七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 21:40:55
>>936

 驚いた様子の度会に対し、七篠も『ビニール袋』の中身を覗いたことに驚いていた。
 差し出したのは自分とはいえ、『気分がいいものではない』と言っているものを躊躇なく――七篠には見えた――覗き込んだのだ。

「『これ』、は……その、『寮』の部屋の前に時々置いてあるんです。
 ちょっと前に『猫』を助けたんですが、その子の『お土産』なんだと思います」

 七篠は『オジロ』のことを話さないことにしたようだ。
 『猫』と『犬』では体格も違う。当然、噛み跡も違うため、疑われる可能性もある。
 だが、疑われることより『オジロ』の安全を取るようだった。

938度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 21:55:25
>>937

目の前の男は、躊躇なく袋の中身を覗いた。
特に躊躇う様子も見せなかった。
『慣れている』のかもしれない。

「なるほど、そういう事だったのか」

「『猫がネズミを取ってくる』というのは、よく聞く話だ。
 『コウモリを取ってくる』事もあるのかもしれないね」

しかし、ネズミはともかく、
『コウモリを取ってくる猫』など聞いた事がない。
そもそも取れるのだろうか?
通常、ネズミは地上にいるが、
コウモリは地面の上にはいない。

「それで君は、『猫』から『コウモリ』が届けられる度に、
 こうして埋めに来ている」
 
「――そういう訳だね?」

これは『誘導尋問』だった。
実際は、届けられるのが『コウモリだけ』とは限らない。
もしかすると普段は『ネズミ』で、
たまたま今日は『コウモリ』になっただけかもしれない。
だが、敢えて『コウモリ』に限定して尋ねる。
置き土産が『毎回コウモリなのかどうか』を確認するためだ。

939七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 22:10:59
>>938

「確かに、『ネズミ』を飼い主に見せに来るのはよく聞きますよね。
 『コウモリ』なのは珍しいのかも…」

 七篠は『オジロ』の食生活に思いを馳せているようで、首を傾げている。
 犬のスタンド使いである『オジロ』が『コウモリ』を捕ることができるのは納得できる。
 だが、なぜ『コウモリ』を選ぶのか。そう疑問に思ったようだった。

「はい、流石に『寮』の近くで埋めちゃうと問題になりそうですから。
 ゴミに出しちゃうのもあんまりよくないだろうし、こうして『埋め』に来ています」

 『埋め』に、と言うが手にはシャベルもなにもない。

940度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 22:28:40
>>939

「人に好みがあるのと同じで、
 『猫』にも好みがあるんじゃないかな」

「僕の知り合いにも『変わった好みの奴』がいるんだ」

(『否定』しなかった、か)

これは『毎回コウモリである可能性』が高くなった。
普通の猫には難しいだろうが、
『スタンド使い』なら不可能ではない。
そうだとしても、
さすがに『能力』まで推し量る事は難しいが……。

「確かに、その通りだ。わざわざ大変だね」

何も『人間の死体』を埋める訳ではない。
コウモリを埋める程度の穴なら、
そこらの石でも枝でも使えば、
さして労せずに用意できるだろう。
そう考えた上での発言だった。

「僕も手伝おうか。
 そんなに深い穴は必要ないだろうけど、
 こういう事は人手が多い方が早い」

少女に『協力』する旨を告げる。
現状、『猫』には『スタンド使い』の可能性を疑っているが、
この少女に対しては、まだ疑念がない。
よって、この申し出は、
『猫』について更に知るためのものだった。

941七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 22:46:35
>>940

「なるほどです。
 あの子は確かにちょっと『変わってた』のでそういう好みだったのかもしれないです」

 個性的な人間が多いらしい『スタンド使い』なのだから、『スタンド使い』の犬もおそらくそうなのだろう。
 七篠は内心そう納得したようだった。

「そう、ですね…。お願いしてもいいですか…?
 それならちょっと…んと…」

 七篠はそう言うときょろきょろと周囲を見回した。
 そして近くの『大きな葉』を2枚気付かれないように拾うと『リルトランク』を発現させ、こっそりとそこから『樫の枝』を太めに生やした。

「あの、これ使ってください。
 これくらい太ければ掘りやすいと思います」

 度会の前に『端に葉が張り付いた太い樫の枝』が差し出される。ここは木陰のため、枝そのものは不自然ではないかもしれない。

942度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 23:06:04
>>941

『一般人』の度会に『リルトランク』は見えない。
反応がないことから、
『スタンド使い』ではない事が分かるだろう。
だが、度会は『スタンド』を知っている。

「ありがとう。それじゃあ、どこにしようか…………」

枝を受け取ると、杖で体を支えながら立ち上がり、
周囲を見渡す。

「あぁ、『ここ』が良さそうだよ」

        ガッ ガッ ガッ

柔らかい地面を見つけて、そこを『樫の枝』で掘り始めた。

「さっき『寮の部屋』って言ったけど、
 もしかして『学生寮』に住んでるのかな」

「ひょっとして――――『清月館』?」

        ガッ ガッ ガッ

「そういえば、最近『清月学園』の辺りで、
 『ちょっとした事件』があったとか」

『御影』からの報告では、
音楽室で『光を使うスタンド使い』と遭遇したらしい。
『危険性がある』と判断したため、
深夜の校内で『情報拡散』を行わせた。
しかし、偶然にも『赤月』が居合わせたせいで、
『仕事』を邪魔されたようだが。

943七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/05(木) 23:30:04
>>942

「あ、確かにここなら掘りやすそうですね!」

 七篠はそう言い、すこしだけ緊張した様子で地面を掘り始めた。
 おそらく倒れていた人物を見つけてから気が動転していたのが抜けたのだろう。
 改めて今こうして話している相手が男性であることを認識したようだった。
 とはいえ、水を分けてくれた上にこうして掘るのを手伝ってくれていることからあまり警戒はしていないようだ。

「はい、『清月館』です。
 ……もしかして、『OB』の方でしたか…?」
「事件…。たまに不審者情報なんかは『寮』に時々チラシが貼ってありますけど…。
 この間見たのは『ビルで通り魔が…』なので違いますね」
「なんだか…物騒で嫌ですね…。
 ちなみにどんな事件なんですか?」

 七篠は身近で起きた何某かがどのような内容なのか疑問に思い、身を守るためにも情報は知りたいようだった。

944度会一生『一般人』:2021/08/05(木) 23:51:56
>>943

清月館には『御影』を潜り込ませている。
コウモリの事も、何か掴めるかもしれない。
寮の部屋の前なら、そこそこ目立つだろう。

「そうだよ。『元生徒』という事になるかな」

それは事実である。
ただし、まともに通っていたのは『13年前』までだ。
『アリーナ』と『エクリプス』の抗争に巻き込まれて、
全身に重傷を負い、以後は病院でリハビリの毎日だった。
今では自分の足で歩けるまでに回復したが、
未だに後遺症は残っている。
そのせいで、外出時には杖が欠かせない。

「『ビルで通り魔』…………」

「いや、それは知らないなぁ」

『ビラ』をバラ撒かせたのは他でもない自分だが、
あくまでもシラを切った。

「12歳か13歳くらいの女の子が、
 学校の近くで人を襲っていたそうなんだよ。
 両目が、それぞれ『金色』と『銀色』だったらしい」
 
「場所から考えて、
 襲われたのは『生徒の一人』なんだろうね。
 『犯罪の低年齢化』なんて言われてるけど、
 何というか……『ここまで来たか』という感じがするよ」

途中で『ビラ配り』が中断されてしまったため、
この件については、まだ拡散しきれていない。
正体が露見する恐れを考慮すると、
すぐに残りをバラ撒くのも危険があった。
よって、『ほとぼりが冷めるのを待つ』という結論に至った。

945七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/06(金) 00:08:25
>>944

「『元生徒』…。それなら先輩なんですね。
 この街、『清月』の人が多いんでしょうか。
 他の学校の人は全然見なくって」

 そう言いながら穴を掘り進めていく。
 そろそろ埋めるにはいい深さになっただろうか。

「そんな小さい子が…。
 ……ご家族さんはなにをしてるんでしょう」

 七篠はすこし怒ったように言う。
 冷房を求めて部屋に来る一抹や一人暮らしのナイ、記憶喪失の人を殴る幼稚園児、更に人を襲う『オッドアイ』の少女。
 七篠が知る限り、この街の子供たちは厳しい境遇であったり攻撃的だったりしすぎるように思えた。

「小さい子には普通に…幸せに笑っていてほしいです…。
 苦しかったり悲しかったり、そんなことがないのが一番です…」

 七篠は静かにそう言いながらできた穴にコウモリを埋め、手で土を被せた。

946度会一生『一般人』:2021/08/06(金) 00:36:15
>>945

「…………あぁ」

枝を下ろし、身じろぎ一つせずに、
『コウモリの埋葬』を見つめていた。

「そう――――思うよ」

少女の言葉に、自分と『従姉妹』の過去を思い出した。
『力のある者』に傷付けられた時、
『同じ力を持つ者』なら抵抗できる。
だが、『力のない者』はそれすら出来ない。
ただ泣き寝入りする以外にないのだ。
それをいい事に、奴らは『力のない者』を塵芥のように扱う。

「だから、せめて君は『その気持ち』を忘れないで欲しい」

(『アリーナ』も『エクリプス』も『住人』も関係ない。
 『スタンド使い』は等しく『怪物』だ。
 『力のない者』にとっては『危険な敵』でしかない)

「苦しんだり悲しんだりする子供達にとって、
 それが『救い』になるはずだ」

(思い上がった『化け物共』――――
 この街を貴様らの自由にはさせておくものか)

         コツ

「――なんていうのは、ちょっと説教臭かったかな」

(『決して』だ)

杖をつき、体の向きを変える。
救急車のサイレンが、遠くから聞こえてきた。
おそらく、ここに向かっているのだろう。

947七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/06(金) 00:44:14
>>946

「……忘れないで、いたいです。
 こうして悲しんだり怒ったりできないようになれば私は私ではなくなるので」

――私は、『名無しの』じゃなくて私でいたいから。
――『この気持ちを忘れないこと』は…たぶん子供たちにというよりも私自身に『救い』なのかも。
――……初対面の人に流石に言えないけど。

「説教だなんて、そんなことないです。心に留めておきます。
 ……あ…救急車、来ましたね」

 七篠は先程の人物が倒れていたところまで戻り、救急隊員に事情を説明するつもりのようだ。

948度会一生『一般人』:2021/08/06(金) 01:07:26
>>947

「――――『僕も忘れない』」

救急車を眺めながら呟いた言葉は、
サイレンの音に溶けて消えた。
それは少女――『七篠』が持つ決意とは異なる。
全く違う方向を備えた意思だ。

「もう出来る事はないかな。
 悪いけど、『説明』は宜しく頼むよ」

    コツ コツ コツ

       「話し相手になってくれてありがとう」

            コツ コツ コツ

                 「『いい時間』だった」

杖をつき、片足を引きずりながら、その場を立ち去っていく。
ここで出来る事はないが、『やるべき事』は山積みだった。
直接ぶつかったなら『一般人』に勝ち目はないが、
頭を使えば十分に『勝てる』。
スタンド使い達の『秘密』を探り出し、
それを使って奴らの動きを封じるのだ。
『力を持たない者』にとっては、
『情報』こそが最大の武器となる。

(俺は――――『忘れはしない』)

949七篠 譲葉『リルトランク』:2021/08/06(金) 01:22:05
>>948

「こちらこそお手伝いとお水、ありがとうございました!
 今日も暑いので、お気をつけてください」

 『呟いた言葉』は聞こえなかったのだろう。
 七篠は度会に頭を下げてから救急隊員に説明に向かった。



「あ、はい、呼んだのは私です。ここに倒れているのを見つけて…たぶん熱中症じゃないかなと思って119番しました」
「面識がないので病歴とかも…すみません…」
「あ、救急車…もしかして一緒に乗った方がいいですか…? ……そうなんですね、わかりました」

 いくらか会話をし、どうやら救急車に乗る必要はなさそうだと理解した七篠は救急隊員から離れ『寮』に戻ることにした。
 途中、『木の枝』をそのままにしてしまっていたことに気付いたが、『リルトランク』の枝は30m離れれば解除される。
 誰かが『枝』の近くにいて解除を目の当たりにしない限り特に問題にはならないだろう。

 救急隊員に七篠は名乗りもしなかった。
 倒れていた人物>>930が熱中症から回復し、病院で目覚めたとしてもなぜ病院にいるのか等、知ることはないはずだ。

950甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 06:47:30
湖畔のキャンプ場
>>951とBBQを楽しむあま公

「…そろそろマシュマロ焼いていい?」

951村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/12(木) 14:39:33
>>950

ジャッ ジャッ  ジャッ ジャッ ・・・

 「・・・おお。」

一旦川魚の鱗を剥ぐ手を止め、木柄の金串を手渡す。
放射状に亀裂をいれた丸太の焚火が、ぱちぱちと音を立てて爆ぜる。

 「火傷するなよ。薬の類はねぇからな。」

ジャッ ジャッ  ジャッ ジャッ  ジャッ ジャッ ・・・

952甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 16:15:23
>>951
「そんなヘマはしない」

ちょっと離れた所でチェアに座ってるあま公
焼いてるのはスタンドだから安心!

ぴょん ぴょん
ビャッ!(飛んで来たバッタ君が焼かれる音)

飛んで火にいる夏の虫とはまさにこの事

「食べる?」

953村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/12(木) 16:48:15
>>952

 パラ パラ

川魚に塩をふる。この時鰭にもしっかりと塩をまとわせるのがコツなのだ。


グ  グィ   グイ

口から金串を刺し入れ鰓へ。そのあとは背骨を縫うようにして串を打つ。
『のぼり串』、「『うねり刺し』などと言われる、基本の串打ちだ。

 「おれにはこれがあるからいい。
 ・・・このへんの生け簀で養殖されてる『鮎』だ。」

火にかけると、皮目の脂が焼ける香ばしい匂いと音が聞こえてくる・・・

954甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 18:00:12
>>953
誰にも食べられずに無駄死にしたバッタ君
彼(?)の虫生は一体何だったんだ…
次回作(来世)には期待しよう

「『鮎』ね…
 夏の魚といえばこれね」

夏が旬の魚といえば、やはり鮎だ
若い鮎ならばじっくり焼けば骨まで丸ごと食べられる
やっぱり鮎は塩焼きがいいなぁ、などと考えるあま公

鮎の塩焼きに思いを馳せながら、自分の焼いたマシュマロを拾い上げる
そこにチョコレートとグラハムビスケットを合わせて、スモアを完成だ

バクッ

「ん…?」

何か異物が混入しているのを感じる

955村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/12(木) 18:36:33
>>954

 「これがなきゃあ、夏って感じがしないからな。
 夏が過ぎたら『落ち鮎』も美味い。一度で二度美味しいわけだ。」

じゅうじゅうと音を立てて脂がしたたり、火に落ちて爆ぜる。
遠火で皮目からじっくりと火を通す。
直火の遠赤外線によって、ふっくらと柔らかく、香り高く仕上がる…

 「…どうした?まさか、舌でも火傷したか?」

956甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 20:23:48
>>955
「いや…」

さっくりしたビスケットにサンドされた、
あま〜いチョコレートとかりふわな焼きマシュマロ
そこに混じる動物性たんぱく質
カリッと香ばしく、海老のような風味、そして草のような青臭さ

そう、さっき自殺したバッタが混入していたのだ

「…」

バリッ
モグモグモグ

虚無の表情でバッタスモアを食べるあま公
恐らく、こんな組み合わせで食べた人類は、世界でただ一人だろう

「…ショウリョウバッタ」

バッタを食べながら思い出す
そういえば、そろそろお盆だなぁ

957村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/12(木) 20:43:20
>>956

 「バッタ?…あぁ、なるほどな。」

虚無感溢れる表情で甘味を頬張る甘城を見て納得する。
野外の料理ではありがちなことだ。

 「何かの番組で、昆虫のタンパク質含有量は同量の肉の3.5倍だと言っていたな。
 カルシウムも牛乳の2倍とかなんとか…ま、口に入ってしまえば身体にはいいだろうさ。
 もっとも、自分から口に入れるのはごめんだけどな。」

ガ ブ!

にやりと意地悪そうに笑って、焼き上がった鮎にかぶりつく。
ほろりとほどける旨みの強い身と、ほんのりとしたワタの苦味が食欲をそそる。何匹でも食えてしまえそうだ。

 「『口直し』が必要か?」

958甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 21:26:16
>>957
「…昆虫は古来から食されてきた、
 優れた食材だからね」

昆虫食に忌避感を示す傾向にある日本人だって
昔から蜂の子やイナゴを食べて来たんだ
近年ではコオロギが食材として注目を集めているし、
長野にはバッタソフトなる物が存在する
これも似たようなものだと思えば食えなくもない

「…食用の物が食べたかったけど」

とはいえ、野生のきたねぇバッタなど食うもんじゃない
だがまぁ、ゴキブリよりはマシだろう

>『口直し』が必要か?

「口直し…?」

何だ、何かくれるというのか?
もしかしたら村田はあま公に更なる虫を食わせてくるつもりかもしれない…

959村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/12(木) 21:43:47
>>958

 「大したもんじゃないが、ちょっと待ってな。」

焚火の上にスキレットを載せ、その上に弁当などに使う『アルミカップ』を置く。
『アルミカップ』に『砂糖』と、それが浸るくらいの水を入れて熱する。

フツ  フツ

砂糖がすべて溶け、カラメル状に色づいたあたりで引き上げて冷ませば・・・

 「これが『べっこう飴』だ。ま、『バッタ』よりはマシだろうさ。」

冷ました『べっこう飴』を甘城に差し出す。

960甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 22:06:14
>>959
「どうも」

『べっこう飴』を受け取り、口に入れてみる
なんて事はない、ごく普通のべっこう飴
砂糖と水だけというシンプル過ぎる材料だからこそ、
素材の質に大きく味が左右される

「美味い」

砂糖が良かったのか、水が良かったのか、両方良かったのか
このべっこう飴は美味い
バッタに侵された舌を素朴な甘さが癒してくれる

「何かお返し、いる?」

要求すれば何か貰えるかもしれない
まぁ、大した物は出て来ないだろうが

961村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/12(木) 22:48:28
>>960

 「『お返し』か・・・そうだな。じゃあ、こいつを喰ってみてもらおうかな。」

いつの間に焼いたのやら、焚火の周りには何種類かの魚が炙り焼きにされていた。
そのうちひと串を手に取り、甘城のほうへ差し出す。

差し出された焼き魚は丸のままではなく、開きのようになっていた。
焼き目はこんがりと色付き、焼けた『みりん』と『胡麻』の香ばしい匂いがする。
・・・おそらく何かの『みりん干し』だろう。
ほぐれた身の色合いから、『赤身』であることがわかる。

 「おれはうまいと思うんだが、他人に勧める気にはなれなくてな。
 せっかくだから毒見・・・いや、味見してもらおうかと思うんだが。」

962甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/12(木) 22:57:40
>>961
「貰ってばかりな気がするわね…」

何の魚とは言われてはいない、謎の赤身魚
謎の魚なので多少の不安はあるが…
毒見役を引き受けた以上、食べる他あるまい

「…いただきます」

ガブリ

意を決したあま公は、みりん干しを口に入れる
みりんと胡麻の香りが食欲を引き立てるが、その味は果たして…?

963村田瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/08/13(金) 10:41:39
>>962

ガブ !

赤身の干物にかぶりつくと、歯応えのある身がそれに応じた。
しっかりとした肉付きと脂にみりんが絡み、噛むほどに旨味と甘味が引き立つ。
身は弾力があって硬めではあるが、食すのに難儀するというほどでもない。
脂はしっかりとしていて、特に腹と皮目に乗っている。旬の『鰻』を連想させるような、つよい脂だ。
・・・ここまでなら『うまい』と言っていて良かっただろうが・・・

モグ  モグ ゴクン

・・・すこし顔をしかめる程度には『コケくさい』、『泥臭い』。
後味に『ザリガニの水槽』のような、『夏場の用水路』のような・・・そんな匂いが、すこし後味に残る。
そしてやたらと『小骨』が多い。少々食べづらい・・・

 「・・・なんの『干物』なんだ?って顔してるからネタバラシするが・・・それは『鯉』だ。」

意外ッ!それは『鯉』!

 「そのしかめっ面を見るに、どうも『ニオうみたいだな・・・
 食性的に仕方がないんだが・・・『酢』をつかって臭みぬきをするべきだったか・・・?」

964甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2021/08/13(金) 14:21:36
>>963
「……」

食において匂いは重要だ
どんなに味が良くても、これが悪ければ食欲を減衰させてしまう
中には、くさやのように強烈な臭いを売りとしている食品も存在するが

『鯉』は天皇陛下の料理として献上された事もある由緒ある食材だ
然るべき場所で、食用として育てられた鯉を、正しく調理すればちゃんと美味しく食べられる
ただし、そこら辺のどぶ川で釣ったような鯉は注意が必要だ
臭いは勿論、肝吸虫のリスクも高い
あま公は鯉料理なら洗いが好きだが、食中毒は勘弁
とはいえ、これは臭いはともかく寄生虫のリスクは取り除かれているだろう
一度口にした物は最後まで責任を持って食べるのがあま公の流儀だ

「味は良いけど臭いが全てを台無しにしてる」
「これはどこで獲った?綺麗な川なら獲ってすぐ正しい下処理をすれば臭わない」

口の中の泥臭さを洗い流すために爽健美茶を飲みながら感想を言う

ビュオオオオオオオオオ

風が強くなってきた
ここの所、強風や大雨が続いている
困ったものだ
そろそろBBQもお開きにしなくてはならない

「お盆は晴れるといいんだけど」

墓参りにも行かなきゃいけないし、灯篭流しが出来なくなったら寂しい
そう考えながら後片付けを始めるあま公だった

965氷山『エド・サンズ』:2021/08/16(月) 20:23:49

膝丈程の草花が青々と生い茂る湖畔の一角
そこに一玉の『スイカ』がぽつんと置かれていた

966眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 16:41:02
>>965

「こんなところにぃ、『スイカ』…?」
「今年は『スイカ』のネイルがよく出たけどぉ…食べれなかったのよね…」

 前下がりショートの黒髪を揺らし、背の高い女性――眠目が『スイカ』を見つけしゃがみ込んで観察しはじめた。
 時折身の詰まり具合をみるようにコンコンと叩いている。

967氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 19:04:28
>>966

ゆらぁりぃ・・・・
          ザリィ!
眠目が草むらに無造作に置かれた『スイカ』に触れた瞬間!
眠目の背後から『殺気』とともに土を擦るような足音が聞こえる!

       ビュオオオォォォ・・・・!

振り返ると大上段に木刀を構え、目隠しをした少女の姿が見えるだろう!
彼女は眠目の耳元を掠めるような軌跡で木刀を振り下ろす!

968眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 19:23:54
>>967

「ひぃい!!?」

 眠目は普段の気怠げな様子が嘘のように後ろに素早く飛び退――こうとし、転ぶように尻餅をついた。

――目隠し…もしかしてぇ『スイカ割り』…?
――てことはぁ…『見えてない』…? このままだとまた…!?

「ご、ごめんなさいぃ。『スイカ』が落ちてたからどうしたのかとぉ!!
 叩かないでぇ…!」

 眠目は慌てて言い訳するように声を上げた。

969氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 19:57:46
>>968

後ろに飛び退こうとして体勢を崩す眼目
命乞いの様なその声を聞き木刀を構えた少女は・・・・・

「え?」

ビュオオォォォ―――――ッ!!

何という事か! その言葉に思わず振り下ろす木刀の軌道が逸れる!
手振れにより歪んだ軌跡は眼目の頭上へと迫り・・・・・そして!

   ガッシィィイイ――――ッ!!

『ア・・・・ 危ネェ、危ネェ・・・・・』

その木刀は眼目の眼前で『止められた』
            ヴィジョン
和風の意匠を持つ人型の『 像 』・・・・
何者かの『スタンド』が目の前で木刀を握りしめている!

970眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 20:26:07
>>969

「す、『スタンド』ぉ…!」

 眠目は慌てたように自身も『ノワール・デジール』を出し、近くにある『小石』を『強化硝子の瓶』に封じた。
 即席の武器であり、また叩かれそうになったら盾にできるかもしれないと考えているようだ。

「……貴方もぉ『スタンド使い』…なんですか…?」

 眠目はゆっくりと立ち上がりながら警戒するように声をかける。

971氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 20:39:52
>>970

「え・・・・ えぇ・・・・!?」

ぺろり、と目隠しを取る少女
日本人らしい黒い瞳が中から現れ、その眼は驚きと焦りに満ちていた
よく見ると、清月学園高等部の制服を着ている(これで学校にクレームを入れる事も出来るだろう)

「ご、ごめんなさい!
『スイカ割り』をしていたらうっかりと巻き込んじゃってて!
 お怪我は・・・・え? 『スタンド使い』・・・・?」

『和風のスタンド』が苦笑するように肩をすくめながら右手を離す
すると木刀がドサッという音を立てて地面へと落下した

だが、氷山は木刀には視線を向けずに、ただただ『ノワール・デジール』を見つめていた

972眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 20:56:18
>>971

――うーん…目はちょっと残念…でも若い目玉ねぇ…。
――っと…そんなじゃなくて…。

「怪我はぁ…ちょっとお尻を打ったくらいね。
 大丈夫、こちらこそ急にごめんなさいねぇ」

 眠目は落ち着いたふりをしながら言葉を返す。
 よく見れば黒猫ネイルをした指先が細かく震えているのがわかるかもしれない。

「……見えてるのよね…。
 『スタンド使い』同士だからぁ、仕方ないけど…」

 眠目は硝子瓶を手にしたままの『黒い人型のスタンド』をちらりと見ながら会話を続ける。

「私が『スイカ割り』にぃ割り込んじゃったせいだから、気にしないで。
 ……わざとじゃあないんでしょう?」

973氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 21:29:04
↓ところで遅ればせながらこんな感じです!
【対応してくださる方々へ】
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1617983099/150-151

>>972

自身の眼が値踏みされているとは知らずに
あわあわとした感じに瞼をぱしぱしとする氷山

「わざとじゃないんです・・・・でも・・・でも・・・・」

ガバッ!と宙を舞うくらいに大きな動きで飛び跳ねる様に『体勢』を変える
そして体は地面へと落下し・・・・・この体勢は『土下座』だ!

「すいませんでした―――ッ!」

額を土に擦り付けるくらいに下げ、膝をつきながら謝罪の言葉を口にした
見れば『スタンド』の方も腰を直角に曲げて頭を下げている

      クスクス
             クスクス

遠くの方で黒い影が笑い声をあげたかもしれない・・・・

974眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 21:43:21
>>973

「だ、だめよ…??
 女の子がそんな簡単に頭下げたら、それも『土下座』なんて…。
 変な人にぃ、利用されちゃうかもしれないし…」

「『スタンド』までぇ、そんな風に動かさなくていいから…。
 ほら、立って立って? 『スイカ割り』するんでしょう…? 」

 眠目は土下座した氷山に面食らったような顔で立つように促す。

「ほらぁ、あっちで笑われてるし…」

 眠目は黒い影を指差しながら話す。

975氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 21:57:03
>>974

「変な人・・・・?    ア リ ー ナ
 うーん・・・ 確かに『変な人達』には利用されたり、利用したりしましたけど・・・・
 ですが、私からの謝罪の気持ちは伝える事が出来たみたいで・・・」

立ち上がり、膝に着いた土を払う
スタンドの方も頭を上げて、少女の傍に控える様にして立ちつくす

「うん? あっち・・・・?
『さんずさん』、何か見えますか?」

『イヤ? 全然何モ見エナイガ・・・・?』

さて、眼目の指差す方向に向く二人(?)だが、何も気づいていないようだ
目が悪いのか・・・・ふざけているのか


     クスクスクスクス・・・・

976眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 22:10:01
>>975

「うんうん…ちゃんと伝わったからぁ…。
 ……既に利用され済みなのね…」

 眠目は頭が痛いとばかりに『ノワール・デジール』の持っていた『硝子瓶』をおでこに当て冷やした。

「見えないのぉ …? あそこでまだ笑ってるのに…」
「もしかしてぇ、お話しできる『スタンド』なの…?
 『フニクラ』と同じような感じ…?」

 眠目はぼそりとつぶやいた。
 以前出会ったスタンドを連れた少女のことを思い出しているようで続けて言葉が漏れる。

「……あのあとふらふらして怠くなったしぃ…」

 また『血』を抜く話になるとは限らないが眠目は警戒しているようだ。

977氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 22:28:39
>>976

「大丈夫ですか・・・?
 やっぱり、さっきの一撃でどこか怪我を・・・・?」

『硝子瓶』をおでこに当てる眼目を見て、何を勘違いしたのか
心配そうに顔を見つめる

「あ、すいません、自己紹介がまだでした
 私は『氷山あきは』と言います
 そして、こっちにいるのが・・・・」

『「エド・サンズ」ダ 「フニクラ」ッテノガ何ナノカハ知ラネェガ
 多分、俺ト同ジ「半自立型」ッテタイプの「スタンド」ダロウナァ・・・・
 嬢ちゃんモお察シノ通リニ、俺ハ意思ヲ持ッタ「スタンド」ッテェヤツダ』

「ところで、本当にあちらに何かが?
 私には何も見えませんが・・・・もしかして、本物の『悪霊』・・・・とか?」

『悪霊』の可能性を考えて全身がぶるっと震える

978眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 22:46:18
>>977

「ああぁ、頭を打ったとかそういうんじゃなくて…。
 『変な人たち』に利用されたりしてるみたいだから心配でぇ…」

――…名乗ってくれた…。
――本気で心配してるしぃ、攻撃とか心配しなくてもよさそう…?

「私はぁ『眠目(サッカ)』といいます」
「『スタンド』は『ノワール・デジール』。『エド』さんのようにお話はできません」

 眠目はすこし警戒を解いたようで、軽く自己紹介をした。
 『ノワール・デジール』は名前から能力が推察しやすいスタンドではない。『硝子瓶』そのものは見られているがどのようなことができるかはおそらく未知数だろう。


「『悪霊』かはわかりませんがぁ…さっきから笑い声が聞こえて…。
 ほらぁ、あそこに『黒い影』が…」

 そう言って眠目は一度首を傾げ、改めて『黒い影』の方向に目をやり口を開いた。

「……? そういえば、ここは『湖畔』の近くで開けているのにぃ…。
 どうしてあの子はぁ、『 黒 い 影 』なの…?」

979氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 22:55:31
>>978

「あ、ああ〜〜・・・・なるほど!
 う〜ん・・・・心配をしてくれてありがたいのですが、
『変な人達』とはそれなりに仲良くやってるから・・・・多分、大丈夫、かな?」

『お前ノ「大丈夫」ハサッパリ当てニナンネェケドナァ・・・・
 ソレヨリモ、「黒い影」ダッテ?』

「そういえば、海に行った時もそんな風に言われた事がありましたね
 うーん・・・・やっぱり何かが突いてきてるのかな?
『さんずさん』・・・・ちょっとアレを出してください」

『オウ』

そう言うと、氷山の手の中に一つの白い塊が『出現』した
何もない空間から湧き出る様にして物体が出現するさまは『ノワール・デジール』の『硝子瓶』にも似ている
それは卵の殻を和紙で蓋したような物体で・・・・

「えい!」

氷山はおもむろに『それ』を投げた!
『黒い影』の周囲にもうもうと煙の様に謎の粉末が広がる

980眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 23:11:02
>>979

「仲良くやれてるならよかったけどぉ…。
 女の子なんだからぁ油断はしちゃだめだし、
 『土下座』はしないようにね」

 そう言ってから氷山の行動を見守る。
 『スタンド能力』だろうか、なにかを作り出して…投げた。


「『ノワール・デジール』!」


 眠目は慌てたように『ノワール・デジール』で投げられた『粉塵』らしきなにかを触れた。
 すると『粉塵』は姿を消し、代わりに『ノワール・デジール』の手には『硝子瓶』が握られていた。

「……『黒い影』、ちっちゃい子供みたいに見えるの。
 これがぁ…なにかはわからないけど、『子供』にぶつけたら危ないでしょう…?」

 眠目がちらりと『黒い影』の方向に目をやると『膝丈ほどの草むら』の影に隠れているのかすぐに見つけることはできなかった。

981氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 23:24:09
>>980

「は、はい・・・・」

今一つ忠告されている事がわかっていない表情で答える
とはいえ、悪そうな連中(『アリーナ』)との付き合いもここ最近多くなった氷山にとっては
割と今更な忠告なのかもしれないが・・・・

「『ちっちゃい子供』・・・・?」

ふっ、と硝子瓶に詰められた『粉塵』が姿を消す
破裂による使用が終了して解除されたのだ

「え? それは本当ですか?
 私が出会った『悪霊』の中には小さな子供はいなかったから・・・・
 そうなるとまさか、本物の『幽霊』・・・・・・?」

それまでそこそこ強気だった表情に怯えが混じる
サーッと顔が青ざめて、震えが強くなってきた

982眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/17(火) 23:46:18
>>981

「……?
 『悪霊』ってぇ…実在するの…?」

 眠目は『出会った悪霊』という言葉に顔を青くする。
 『ホラー映画』を見るのは好きだが、それが実在するのであれば話は違うといった表情だ。
 それ故か『ノワール・デジール』に持たせていた『粉塵入り硝子瓶』を落としてしまう。

  パリンッ
    ふわっ…

 『硝子瓶』が割れ、解除される音と中に入っていた『粉塵』が一瞬広がり『強制解除』されたように消えた。

「……き、気のせいか、なんだか肌寒くなってきた気がしませんかぁ…?」

 クスクスクス クスクスクス

「ま、また『声』がぁ…!」

 『スタンド使い』が二人揃って顔を青くして話しているのが面白いのだろうか、
再度現れた『黒い影』はなにかにこの様子を書き連ねているようだった。

983氷山『エド・サンズ』:2021/08/17(火) 23:57:54
>>982

「え、ええ・・・・ 私が遭った事のある『悪霊』は下品で恨みがましくて・・・
 悪意に満ちた嫌な連中ですけど、『倒す』事は出来ました!」

正確に言えば勝手に消えていっただけなのだが、
打倒する事が出来たという点では間違いない
割れた『硝子瓶』とともに『粉塵』が消失していく・・・・

「こっちの『黒い影』は・・・全然見えないし、子供だし、声もかけてこないし・・・・
 ホラー映画とか怪談話に出て来る『幽霊』みたいで・・・」

恐怖のあまり、眼目の腕をぎゅっと掴む

『ン〜〜〜? 俺ニハ全然ミエナイシ、笑い声モ聞コエナイケドナァ?』

「わからないから怖いんですよ!」

震える二人を護るかのように『エド・サンズ』が前に出る
だが、『黒い影』の姿が見えないせいか、視線を向ける方角がだいぶズレている

984眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/18(水) 00:11:35
>>983

「……本当に『悪霊』って感じなんですねぇ…。
 だとするとぉ…『黒い影』は本当に『幽霊』とか『お化け』って感じがしますね…」

「遠くからぁ、私たちを見て笑ってるだけみたいですし…。
 なにか物が動いたり、するわけでもなくぅ…
 ただそこにいて『観察』してるみたいな…」

 腕を掴む氷山をそのままに、改めて『黒い影』の方向を指さして眠目は言葉を続ける。

「『エド』さん、こっちです。すこしズレてます。
 ……『スタンド使い』だからぁ見えてるわけじゃないのが…不気味ですねぇ…。
 『スタンド使い』なら見えるなら氷山さんも見えるはずですし…」

985氷山『エド・サンズ』:2021/08/18(水) 00:25:11
>>984

「『観察』・・・・? うう・・・・怖い・・・・
 わからないっていう点が一番怖い! 何が目当てなんでしょうか・・・・?」

「でもここは・・・・『さんずさん』!」

『ウーン・・・・コッチカ? マア、ヤルダケヤッテミルカ!』

その瞬間、『エド・サンズ』の手元に『さすまた』が出現した
眼目の言葉を聞いて修正した方向に対して『さすまた』を構え・・・・そして!

『トオオッ!』

『さすまた』を前方に突き出すようにして突進した!
狙いは眼目の微調整により『黒い影』に直接向かっている!

986『サマー・フォーエヴァー!』:2021/08/18(水) 22:49:30
>>985(氷山)

『氷山』は眠目の言うとおりの場所に『さすまた』を突き出し突進する!
『眠目』が言うことが正しければ、『さすまた』は『黒い影』をしっかりと捉えているはずだ!

 ………

            だが、手ごたえは、ない。

いや、正確には『地面』に『さすまた』がぶつかった手ごたえはあった。
しかし、それは当然の事………『黒い影』を仕留めたという感覚はまるでない。

………そもそも、『少年の姿の黒い影』とやらは『氷山』には認識できない。
     本当に、そんなもの居るのだろうか?
     今、それを主張しているのは、ふと現れた正体不明の眼前の女性だけ。
     『エド・サンズ』を数に入れれば、多数派は『いない』派である。

>>984(眠目)

『眠目』に時々見えているのは『影絵』のような『少年』の『シルエット』だ。
当人―――いや『当影』は、『草むら』に隠れているつもりだろうが、
『草むら』の大きさが微妙に小さいため、ちらちらと『眠目』に見えている形だ。

『氷山』の『さすまた』は『影少年』に当たった。
しかし、普通の『影』にいくら攻撃しても無駄なように、
『影少年』にはなんの影響も与えていないようだ。

『草むらの影』に隠れて完全には見え辛いが、
『影少年』はもっている筆記用具で何かを熱心に書いているようだ。
その視線はおそらくだが、『氷山』の方を向いているように思える。

987眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/18(水) 23:03:36
>>985-986

「あっ…」

 眠目は指さした方向に『槍のようななにか』を持って突進する『エド・サンズ』を見て声を漏らした。
 『黒い影』は当たった『槍』にも痛痒を感じないようでなにかを書き連ねている。

「……当たってますけどぉ…。
 全然効いてませんねぇ…なにか書いてるのかな…?」
「……『スタンド』で攻撃しても効かない…『スタンド使い』にも見えない…。
 『スタンド』じゃないなにか…本当に『お化け』なのかもぉ…」

 眠目はまた顔を青くしながら話している。
 声がすこし震えているかもしれない。

988氷山『エド・サンズ』:2021/08/18(水) 23:19:52
>>986-987

『さすまた』が地面を抑える感触はあるが、
眼目の言う『黒い影』をどうこうした手ごたえはまったくない
氷山は眼目の腕に抱き着きながら震えているが、『エド・サンズ』はそうでもないようだ

『第一ヨォ・・・・「黒い影」ナンテ本当ニ居ルノカネェ?
「スイカ割り」に巻キ込マレタ事ニ腹が立ッテ、カラカワレタダケナンジャアネェノォ?』

「え・・・・ まさか、眼目さん・・・・ 本当は・・・・?」

それまで眼目の腕に巻き付いていた手が離れる
申し訳なさそうに眉を顰めながら、すすす・・・と距離が離れていく

989氷山『エド・サンズ』:2021/08/18(水) 23:20:22
>>988メール欄途中送信失礼しました

990眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/18(水) 23:35:45
>>988

「えっ…もしかしてぇ…疑われてますか…?」
「ほらぁ、『海』でも言われたんですよね? 『お化け』はやっぱりいるんですよぉ…」

 >>979で言及していたことを眠目は覚えていたようで『お化け』の存在を主張する。
 だが、離れていった氷山を見て、一度ため息をついて諦めたように言葉を続けた。

「……警戒も当然ですね…。
 私も『スタンド使い』相手ならぁ…罠の可能性も考えますし…」

991氷山『エド・サンズ』:2021/08/18(水) 23:46:53
>>990

「い、いえ! 罠だなんて思ってはいないですよ!?
 確かに『海』でも同じような事を言われましたし、なんか自分でも変だなぁ〜って感じはしますけど
 でも・・・・なんだか実感がわかないというか・・・・?」

自身の迂闊な言動で眼目を傷つけてしまった事に対して、慌てて弁解をしようとする
だが、どうにも上手い言葉が思い浮かばずにむなしい言葉だけが出ていく

「う・・・わかりました! 家で少し『黒い影』について調べてみます!
 私も変な『幽霊』に憑りつかれているとしたら怖いですし・・・・」

992眠目倫『ノワール・デジール』:2021/08/19(木) 00:02:30
>>991

「……複数回言われてもぉ『実感がわかない』…?」

 眠目は眉を顰めながらも言葉を止めた。

 なにかが『おかしい』。
 だがおかしなものが見えているのは自分だ。氷山ではない。
 『おかしい』のは自身か氷山か判断がつかない以上、追及は混乱の元にしかならないだろうという考えのようだ。

「……『黒い影』についてぇ、なにかわかるといいですね。
 『お化け』でなければいいんですがぁ…」

「……話し込んじゃいましたねぇ。
 それではまたぁ、『スイカ割り』の邪魔をしてしまってすみませんでした」

 眠目はそう言うと氷山から離れ、スーパーにスイカを買いに行こうと歩き出した。

――……しばらく『黒い影』がいないか気をつけてみないとぉ…。

993氷山『エド・サンズ』:2021/08/19(木) 00:16:48
>>992

「え、ええ・・・・それでは
 何かわかりましたらお伝えします」

そう言うと、この場を離れる眼目に別れを告げて、
草むらに放置された『スイカ』を回収する
・・・・暑い夏の盛り、周囲ではけたたましく蝉の声が鳴り響くが『影』の気配はまるで感じない

「『黒い影』・・・・私には全然見えないのですが、まだここにいるのでしょうか?」

『気ニハナルケドヨォ・・・・ヤッパリ、皆ガからかってるダケナンジャネェカ?
「さすまた」持ッテツッコンデミタケドヨ、手ごたえモ歯ごたえモナカッタゼ?』

「うーん・・・・気になります
『悪霊』とは違う本物の『お化け』だったら・・・・どうしましょう」

一人になるとやはり少し怖くなったので
『清めの塩』の代わりに『投卵子』の目つぶし粉を体中に振りかけて帰って行った

994『星見町案内板』:2021/08/28(土) 08:42:54
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