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【場】『 湖畔 ―自然公園― 』 その2

1 『星見町案内板』 :2020/06/04(木) 14:10:32
『星見駅』からバスで一時間、『H湖』の周囲に広がるレジャーゾーン。
海浜公園やサイクリングロード、ゴルフ場からバーベキューまで様々。
豊富な湿地帯や森林区域など、人の手の届かぬ自然を満喫出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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853 衣笠『コックサッカー・ブルース』 :2021/07/10(土) 19:26:58
>>852

「!」

「いや、僕は…『帰り』だ。
街の外の『漁港』で食材をたっぷり買って…その帰りだよ。」

口端を歪め、ぽんと戦利品の入っているであろうクーラーボックスを叩くと、クーラーボックスが僅かに震える。
中のものはまだ生きているらしい。
サングラスで定かではないが、おそらく笑っているのだろう。

「蒸し暑いのならまだいいのだけどね。
日差しが強いのは辛くてね…この頭だからかな。」

854 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/10(土) 20:17:00
>>853

「あーっお買い物だったんだ!
 間違えちゃった、間違えちゃった。
 お買い物お疲れ様でーす」

        ペコ

「あたしは蒸し暑いよりはこっちの方がマシかも!
 そろそろ夏が来るんだーって思いますしー。
 蒸し暑い時も、ジュース飲むといつもより美味しいけど」

父親の友達が釣った魚を持って来る時、
クーラーボックスに入れていたのだ。
よくあるというわけではないが、
それは楽しい記憶なので、覚えている。

「あははーっ、そっか! 直射日光だもんねー!
 おじさんって面白ーい!
 でもでもちゃんと似合ってますよー。あはーっ!」

自分から頭髪のことをネタにするなら、
セララとしても迷わず乗れるものがあった。
ひとしきり笑った後、クーラーボックスを見て。

「すっごいたくさん入ってそーだけどー、
 バーベキューでもするんですかー?
 あたし、バーベキューで焼く大きいエビ大好き!」

         「それともぜーんぶお刺身?」

855 衣笠『コックサッカー・ブルース』 :2021/07/10(土) 20:31:29
>>854

  「ふふ。こういう季節ばかりは髪の毛が恋しいよ。日焼けも結構困るんだ。」

丸めた頭をつるりと撫でる。
スキンヘッドの手入れもなかなかに面倒なのだ。
 
  「半分は自分で食べるつもりだけど、もう半分は『教材』だ。
  刺身でも、煮つけでも、唐揚げでも・・・何でも美味しいし、一年を通して水揚げがあって味が落ちない。
 『教材』にはもってこいの食材だよ。」

 「数をさばくから、練習にもちょうどいいんだ。」

856 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/10(土) 20:56:31
>>855

「あはーっ! ですよねーっ!
 だってあたしでもお日様強くって困りますもん!
 あ、日焼け止め持ってるけどいる?」

        ゴソ

「これシュッてしたら全然日焼けしないですよ!」

塗り直し用に持っている小さいUVスプレーを、
置いていた鞄から取り出して見せた。

「へーっ、キョウザイ? 教材……
 あ! もしかしてー、お料理学校の先生ってコト?」

     「生徒さんの練習用、でしょー!
       どうどう? 当たってますー!?」

他には中にエッジケースやタオル、ティッシュ箱、
エッジカバーのついたスケート靴等が見える。

ともかく、身を乗り出して『衣笠』に笑顔を向ける。

857 衣笠『コックサッカー・ブルース』 :2021/07/10(土) 21:10:27
>>856

 「おや、当てられてしまったか。
 一応、社会的には『家庭料理研究家』と言うことになっているけれど」

 「おかげさまで、自分の『料理教室』を持ったんだ。
 この見た目のせいかな…大繁盛とは行かないけれどね。」

言葉少なながら、男の語気が少し弾んだ。

 「君は…『スケート選手』かな。
 なんにせよ、若いうちに身体を鍛えるのは良いことだ。
 健康であってこそ、日々を楽しく過ごせるのだからね。」

858 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/10(土) 23:34:08
>>857

「うそーっ、正解!? あたしすごいすごーい!
 でもでもー、おじさんもすごいですよー!
 人にお料理教えるって、なんかかっこいーっ!
 見た目もあたし、プロっぽくていいと思いますけどねーっ」

     「生徒さん、たくさん来るといーですネ」

父親も母親も料理は好きなのだが、
本格な『料理人』というわけではない。
手伝うセララも、もちろん違う。

「あはーっ、選手ってほどじゃないですよー!
 パパとママのおかげで昔からやってるから、
 ちゃんと滑れはするしー、あたしすっごい元気でーす」

セララはいわゆるトッププレイヤーではない。
両親も特別にはそうあることを望んではいない。
やりたいと言ったから、やらせて貰えてる。
やめたいと言えば、それも、叶う事なのだろう。

「あ! おじさんおじさーん、家庭料理ってことはー、
 肉じゃがとか、焼き魚とかが上手ってコト?
 それともそれとも、外国の家庭料理とかも知ってたりしますかー?」

    「前にママがインド料理ブームだったんですけど、
     作り方分かんないのとか、結構あったらしーんですよネ」

859 衣笠『コックサッカー・ブルース』 :2021/07/11(日) 00:02:17
>>858

 「うん。そんなところだね。
  どこの家庭でも手に入るものを使って、どこの家庭でも作れるように簡単に、可能な限り美味しく作れるように…
 そういう教室だよ。」

良い食材を調理して美味しいものが作れるのは当然。
では調理師の腕の見せ所はどこなのか?
衣笠はこれについて「手際」…つまりいかに「簡便にするか」だと考えていた。
本来手間のかかる処理を簡単に。時間のかかる工程を可能な限り短く。特殊な器具が必要な捌きを簡易に…
それにこそ、『技術』を傾けるべきだと考えていた。

 「それにしても、君のその愛嬌は好ましい。
 …ぼくも見習わないとな。このままじゃ『ブルース』にも申し訳ないからな。」

860 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/11(日) 00:46:28
>>859

「へーっ!? いがーい! そういう感じなんだー!
 お料理教室ってー、上手なお料理を教えると思ったけど、
 普段作るお料理を教えてくれるんですねー!?」

      「そーゆー感じだったら、
       生徒さん集まりそーなのに!
       お仕事って難しーっ。大変ーっ」

感心しきりのセララは、
大きな身振りで驚いた。
だから通います、とまでは言わないが……

「えーっ! なになに!あたしすっごい褒められてる!
 愛嬌って、カワイくて良い子って事でしょー!?
 しかも好ましいって! あはーーっ、ほんとー!?」

          ニコニコニコ

「あたし、これっくらい嬉しいでーす! ほんとですよー!」

満面の笑みで両手を広げて、喜びを表現する。

「あたしはおじさんも良い人だと思いますよー!
 褒めてくれるし、お話分かりやすいしー。
 『ブルース』さん?ってヒトもきっと、
 おじさんのこと怒ったりしてないですよー!
 だいじょーぶだいじょーぶ、あはーっ」

「あ、でもおじさんはカワイイ系ってよりは渋い系ですよネ」

861 衣笠『コックサッカー・ブルース』 :2021/07/11(日) 01:19:28
>>860

 「『だからこそ』なのかもしれないよ。
 お金を払って普段と変わらない料理を学ぶなんて馬鹿らしい・・・そう思う人もいる。
 ただでさえ近年は技術が進歩して、そこかしこに情報があふれているから。
 ぼくの教室に来なくても、学べることはたくさんある。」

 「とはいえ逆もまた然りだから、ぼくの教室はぼちぼちやっていけているんだけど。」

悲観的なセリフだが、言葉の調子は暗くない。
むしろ高揚感を感じさせる、力強い口調だ。

 「でもね、これがぼくの夢だったんだ。
 祖父母が父母に、父母が子供らに教えるように、『技術』をぼくの手から伝え、残していくこと・・・
 それが『ブルース』に、20年来の友達に報いる唯一の方法だと思ってね。」

 「少し遅くなったけど、これからがぼくの『羽ばたくとき』なんだ。」

にこりと笑って、誰へともない『宣言』を口にする。
すると、アスファルトの陽炎の向こう側から『バス』がやってきたようだった。

862 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/11(日) 01:40:14
>>861

「あーっ、そっかそっか!
 Youtubeとかにお料理の動画たくさんあるもんネ。
 あたしも目玉焼きとか作るとき、
 そーゆーのけっこう見ちゃいまーす」

セララ一人で本格的な料理はしないが、
ちょっとしたことをする時には役立つものだ。

「あ! ねえねえ、いーこと思いつきましたー!
 おじさんもYouTubeとかに投稿したら!?
 お料理教室の先生だしー、見た目も目立つし、
 もしかしたらバズるかもですよ! あはーっ!」

   「そしたら生徒さん増えるかもですし!」

などと言っていると、バスが見えた。

「あっ、来た来たー。
 あれ、あたしが乗るバスでーす。
 おじさんもあのバス? 違うバス?」

鞄を背負い直して、バス停のそばに立つ。
バスがウィンカーを灯し、ゆっくりと停車した。

「じゃあじゃあ、あたし行きますね!
 あ、そーだ、あたしセララって言いまーす。
 セララちゃんってみんな呼んでる!」

        ニコ ニコ

「おじさんの夢、叶うといーですね!
 それじゃーまたね。バイバーイ!」

                プシュー ・・・

     「あ、ブルースさんにもよろしくー! あはーっ!」

そうして開いたバスの扉に、手を振りながら消えて行ったのだった。

863 衣笠『コックサッカー・ブルース』 :2021/07/11(日) 05:16:45
>>862

 「なるほど。確かにそういう手もないではないか。
 でも、あんまり人前に顔を出すのはちょっとね・・・」

衣笠はこれでなかなかシャイだった。
サングラスも、顔を隠す手立てのうち一つなのだ。

 「うん、ぼくの乗るバスはこれじゃないみたいだ。きみも元気で。」

発車するバスが見えなくなるまで手を振って見送ると、ベンチに腰を下ろしなおした。

864 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/12(月) 22:59:35
「さいふ… 無くしちゃって…
 このへんだと思うんだけどなぁ」

「うう〜〜〜ん」

「ぜったいこの辺に落ちてるはずなのに」

「見つからないなあ〜〜〜〜」

散歩コースの外れを歩き回っている女子高生。
独り言をたくさん呟きながら、たまに藪を蹴っている。

865 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/12(月) 23:45:02
>>864

「あれーっ、ねえねえ、何してるんですかー?」

と、声が掛かった。

振り返ると歳の近そうな少女がいた。
パンダのような帽子を被っており、
タイシャツに薄手のパーカーを羽織っている。
知らない顔だ。

「なんか探してるの?
 あたし、手伝ったげますよ!」

馴れ馴れしいが……
セララとしては『同級生』であると推測していた。

866 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/13(火) 00:16:02
>>865
ちなみに仁宇は清月の制服を緩く着ている。髪型はツインテ。
仁宇は、確かに円谷と同じ学年で、そして面識はない。
お互いなんとなく顔ぐらいは覚えてるかもしれないが。

 「えっ 手伝ってくれるの!? 嬉しい!」
 「財布落としちゃった」
 「絶対!ぜったいこの辺にある…」

そう。よく見ればすぐに見つかる位置にある。屈めばすぐに拾える。

「…ちなみに何しにここに来たの?散歩?走り込み?トレーニング?」

質問をしながら少女の背後に回る。

867 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/13(火) 00:38:22
>>866

「あはーっ、いいよいいよー!
 あたし、お散歩に来ただけだからヒマだし!」

      「宝さがしみたいなものですよネーっ」

気安い事を言いながら、
周囲を見渡し始める。

が、セララもまた足元を見てはいない。

「そーゆーきみは? きみもお散歩?
 あ、でもでも制服着てるし―、部活の帰りとか?」

くるっと軽快に振り返り、背後の仁宇に問いかける。

「あたしもさー、お家このへんなんだよねー!」

『も』なのかどうかは、全く分からないわけだが……

868 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/13(火) 00:50:54
>>867
周囲を見回す女子の後ろに回って、深呼吸……

「散歩、ね 
 スゥ――――――

 「――――え 家?そっそうだね!
  
  わたし?遠いよ!もう全然 
  さいきんここに来るようになったっていうか、
  部活はやってないんだけど運動に目覚めたというか?
  ね?あははは……

  ……ところであなたは部活やってる?運動部?」

饒舌。

869 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/13(火) 01:13:12
>>868

後ろで深呼吸すると、ハーブのような系統の匂いがした。
良いシャンプーでも使っているのだろう。

「あはーっ、そうだったんだー! いいじゃん、いいじゃん!
 あたしも運動するのって好き!体動かすのって楽しいよねー。
 まー、あたし部活はやってないですけどネ」

セララは好きなものごとが多かった。
親も、セララのしたいことはさせてきた。

「でも、習い事でフィギュアスケートやってまーす。
 きみは? 何の運動やってるのー?
 あ! ダンスとか? 背、高ーいですもんねー! 踊ったら映(ば)えそうー!」

                 クルッ

「てゆーか後ろに来るのなんでなんでー!?
 あはーっ、おしゃべりしづらーい!」

後ろに回られるたびに、くるくると回ってまっすぐ視線を向けようとする。

870 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/13(火) 01:47:29
>>869
後ろへと仁宇。
向き合う円谷。

 「スゥ――……!?楽しいよね!運動!
  わたし、最近はじめたんだ 本当に楽しい!」

なぜか背後に仁宇。
だが振り返る円谷。

 「ふ、ふうん…フィギュアスケート…
  氷の上で飛んだり回ったりするやつだっけ…なるほどね…」

回る仁宇。
回る円谷。

 「…ダンス?やったこと、ないかなあ」
 「ま、まわるの、うまい、ね……」

仁宇。
円谷。

 「ぜえ………  ハア……」

871 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/13(火) 02:20:59
>>870

「だよねだよねーっ! あたしたち、気が合いそう!」

       クルッ

「そうそう! 回ったり飛んだりしちゃーう!
 テレビに出てくる選手の人みたいに、
 あんなにたくさんクルクルは出来ないですけどネ」

      「すごいよねーっ、
        小学生でトリプル飛んだりとか!」

セララは『6級』のフィギュアスケーターだ。

          クルッ

「でもでも、けっこーたくさん回れまーす!
 氷の上で踊るのって難しーけど楽しーですよ。あはーっ!」

つまりダブルアクセルが跳べる。そこまでだ。
トップ選手との間には埋めようの無い差がある。

「っとと、あれあれ、だいじょーぶ?
 なんかすっごいシンドそー! お茶あげよっか?」

             ピタ

ふと、息の上がった様子に気づき、
そこでようやく回るのを止めた。

「今日も暑いよねーっ、
 家出た時は涼しかったのにー!」

そのまま小さいカバンの中を漁り始める…………

872 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/13(火) 02:44:57
>>871
「はぁーーーっ   はぁーーーー
 …回って飛べるんだね
 スケーターって、やっぱり、『足』?足を鍛えるの?」

鞄を漁り始めた少女を、
仁宇は、肩で大きく息をしながらじっくり見つめ………
大きく息を吸って、息を止めて………円谷の下半身を睨みつけ……

 「ふぅ〜〜〜〜ッ…… 」

何かを諦めた様子で、地べたに座り込む。

 「ダンス?みたいで。楽しかったし。もういいや。たしかに暑いもんね。  
  ああ〜こんな所に財布みっけ〜〜」

 「お茶?ふつうのお茶?
  ヘンなやつじゃないよね?」

近くの草むらから財布を引っ張り出し、
爪先をぱたぱた、鞄から出てくるものを眺める。

873 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/13(火) 23:22:06
>>872

「んー脚もするけど、あとはねー、体幹、体幹!
 あとあとー、バランス取ったりするのに腕とかも?
 あたし、おかげでダイエットした事ないかも!」

   「それにダンスも沢山できるし!
    あはは、でも今日はここまででーす。
    おつかれさまーっ」

言葉通り、セララの脚はしなやかで、
余計な脂肪らしき物はなかった。
ただ、筋肉の塊というほどでもない。
そこまで自分を追い込むこだわりは無い。

「って、えーっ! うそーっ、お財布あったのー!?
 見つかって良かったーっ、やったー! あはーっ!」

  「ほら、なんだっけことわざの!
   灯台もと暮らし? だっけ!
   あーゆーのってホントにあるんだネ」

            ゴソッ

「あはは、ヘンなお茶ってなになにー!?
 ハーブとかたくさん入れてるお茶のこと?
 あたしのママはそーゆーの好きだし」

水筒はステンレスやプラスチックではなく、
ガラスで出来た、透明のものだった。
中身は確かに紅々として、おかしな物はなさそうだ。

「あたしもミントティーとか好きだけど、
 これはね、普通にスーパーで買ったお紅茶でーす」

    「あ、毒見したげましょっかー? あはーっ」

874 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/14(水) 19:41:53
>>873
「体幹かあ…鍛えてみようかな?」

女子にしては長めの背筋を捻ったりしてみている。

「ヘンなお茶っていうか…
 そう、それなんだけど!聞いて!」

「なんか…妙にオシャレな手作りオニギリ渡そうとする変な人と会って…」

「タカミサカリって先輩なんだけどぉ…
 わたしの前でズボン脱ごうとしたり…
 間接キスとか気にせずわたしのもの飲むし…
 ……ど〜思う!?」

うわ〜きっっっも〜〜〜、と共感してほしい。
ほんとキモかったんだもん。

875 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/14(水) 22:26:50
>>874

「あはーっ、おすすめおすすめ!
 コーチが言ってたよ、姿勢良くなるんだってー!
 あとね、体幹強いとすっごいヤセるんだって!」

ダイエット的な効果については、
細身な仁宇には無縁の話かもしれない。

「え、なになにー!? 変なお茶の話? 聞く聞く!」

          コポポポポ

フタに紅茶を注ぎながら……

「わっ……えーっ!? えーっ、うそーっ!
 なにそれーっ! こわーい、そんな変な人いるのー!?」

怪人物の噂に、戦慄するセララ。
フタを差し出しながら、頭の中に人物像を描く。

「やだーっ、体触られたりとかしなかったー!?
 すっごい怖いねーっ、そのタカミサカリ……」

あまり深刻ではなさそうに話に乗る。
セララは、人の悩みにあまり共感しなかった。
だが……

       「……あれあれあれ!?」

「ちょっと待って待って、その人ってさー!
 もしかしてすっごい身体おっきくて、
 それで、タンクトップ着てたりとかしなかったー!?」

その姿が『友達』の輪郭を帯びてきて、聞かずにはいられない。

876 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/14(水) 23:01:59
>>875
「……えっと、 大きくて、タンクトップだった
 『そうかァ…君は制服をモッているんだネェ…』(声真似)
 とか言ってたかな?」

「これはお詫びだ、みたいな感じで
 『チーズとパセリとトマトのおにぎり』出してきて。
 でも手作りオニギリってそういうシチュで出る? 
 ってわたしビックリしちゃって」

首をかしげながらあの日の事を思い出す。
発する言葉がいちいちヘンな人だったな。


「え 知り合い?
 ………まさかとは思うけど 『セララ』って名前、わかる?」

様子を見てお茶を受け取りながら聞いてみる。
ひょっとしてひょっとする?

877 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/14(水) 23:47:40
>>876

「えーっ、うそうそ、どうしよー、制服とか、おにぎりとか、
 その人、あたしの『友達』かも……! てゆーか絶対そう!
 苗字も同じだし……どうしよどうしよ、あたしもビックリだよー!」

「すっごい面白いひとなんですよー!?
 わーっでもでも、ちょっとヘンなとこあったかも……!」

          「冬眠するって言ってたしー」

彼の連絡先のアイコンは、
確かにおにぎりだった。
あれも、洒落た逸品だったのだろうか?

「あれあれっ、なんであたしの名前知ってるのー!?
 あっ! もしかしてもしかして、
 ミモリーがあたしのお話してたー!?」
 
    「あ、ミモリーってゆーのは、
     多分、その人のあだ名で、
     あたしが付けたげた! あはーっ」

「それで、ピンポーン! あたしがセララちゃんでーす。よろしくネ」

ひょっとするのだった。
彼は自分をどういう人間として仁宇に話したのだろか――――

878 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/15(木) 00:35:59
>>877
「わ〜〜!ご本人!」

「たかみさかり……ミモリー先輩がね、セララちゃんのこと話してたよぉ」

ミモリーパイセンの方に至っては、
気になってるだの恋をしそうだの抜かしていたが、
同時に『セララちゃんには悪く言わないでくれ』とも言っていた。
悪いことしちゃったかな。いいところも言ってあげよう

「…確かにヘンなひとだったけど、悪気はないのかな…?
 ケガしてる人に救急車呼んであげてる所見たよ
 きっと良いひとなんじゃない?」

「それと御影さん、髪がなっがい大学生のおねーさんも!
 あなたの事話してたよ」

「ふたりとも、セララちゃんの事『明るくて、とってもいい子だ』って
 …だから…気になってて〜……だから〜」

「あの………私の名前  『仁宇 櫻子(ニウ サクラコ)』。
 あの………」

モジモジしている。

879 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/15(木) 01:18:54
>>878

「あはーっ、ご本人様登場でーす。
 うんうん、やっぱりミモリーっていいとこあるー!
 今度会ったら、いいことしたねって褒めたげなきゃですねーっ」

        ニパッ

「でもでも、ズボン脱いだりしたらだめですよー!って、
 それもちゃんと言っとかなきゃ!
 まったくもー、何でそんなことしたんだろーね?」

不穏な情報が塗り替えられ、
一層笑顔を深めるセララ。
無論謎の露出行為は気になるが、彼の事だし、彼なりの理由はありそうだ。

「え! 御影さんってー、もしかしてもしかして!
 髪の長い……えーっ、あはっ、ほんとにー!?
 もーっウレイさんってば! ほんとほんと、ほーんとに、
 あたしの事大好きなんですね―! あたしうれしーっ。あははーっ」

ひとしきり笑ってから、ふと、仁宇の様子に気付いた。

「サクラコちゃん、教えてくれてありがとネ!
 あ、ウレイさんもねー、見た目ちょっと怖いかもだけど、
 すっごくすっごく良い人なんでーす。あたしの友達!」

「それでねそれでね、あたしサクラコちゃんとも友達になりたーい!
 年近いしさーっ、あたしも清月なんだーっ。友達ってたくさんいる方が楽しーですよ!」

880 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/15(木) 01:57:18
>>879
「ミモリー先輩は
 オシャレとか、女子の流行を知りたいんだって 
 それでズボンを脱ぐ流れになったんだよ  …?…なんでぇ?」

あの邂逅はホントに訳が分からなかった。
セララには近づかないほうが良いよ、危険人物だよ、と言いたいが、
でも悪気はなさそうだからなあ…ううん…

 「! 『友達』〜〜〜!」

ぱ。と、そんな擬音が出てそうな笑顔。
勢いよく立ち上がる。

 「うん…セララちゃんさん …友達に…なってください!」

 「こういう時どうすればいいんだろ 友達あんまりいなくて…
  …あ これ!連絡先!」

アドレスとか交換するって聞いたことある!スマホを出して伝えてみる。

881 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/15(木) 02:25:08
>>880

「えー!? あたしも分かんないですよー!
 なんでだろ、なんでだろ!?
 スカートに履き替えようと思ったのかなー?
 ミモリー、絶対ズボンの方が似合うと思うんだけどネ」

大きな目をぱちくりとさせて、困惑と笑いがないまぜになる。

        「ほんとミステリアスー!
         流行とか気にするの意外ー!」

ミステリアスで片づけて良い個性かは分からない。
が、本人がいない以上、今分かる事は何も無いし、
セララは『ミモリー』を面白い友達だと思っていた。

「あはーっ、よろこんでー! 友達増えて嬉しーでーす。
 別にさんとか付けなくていーよ、あたしの事、
 みんなセララちゃんって呼ぶから!」

          ススッ

「あたしもサクラコちゃんって呼んでいーよね?」

手慣れた様子で、素早く連絡先を交換した。

「いつでも連絡してくれていーよ! あ、でも夜は寝てるかもー!?
 あたしもー、何か面白いことあったら、いっぱい、いーっぱい連絡しちゃいまーす」

882 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/15(木) 02:50:53
>>881
 「わ 増えたぁ」
 「………うふふふ」

ともだち一覧に追加された円谷のアドレスを見つめる。

 「友達になっちゃった」
 「ダべったり…走ったり…追いかけっことかしたいなあ」
 「………えへへへへ」

体をくねって、かなり嬉しそうな仁宇。

 「わたしも なにかあったらお話するよ!
  なにもなくても連絡する〜〜!学校でも会おうね」

 「ミモリ―先輩にも 御影さんにも よろしく言っておく!」 

エビで鯛を釣ろうと思ったら、新しい友達が掛かっちゃった。超やったぁ。
………うん。
お茶をいただいて、そろそろ『釣り』に戻ろうと思うんだ。

883 円谷 世良楽『リトル・スウィング』 :2021/07/15(木) 20:40:23
>>882

「えー!? もっともっと楽しいことしよーよ!
 追いかけっことかもけっこう楽しいけどさー!
 海行って、ビーチバレーとかみんなでしたりー、
 おっきいスイカ持ってきて割って食べたり、
 あとはなんだろ、花火たくさんやったりとか!?」

     「だってもう夏だもんねーっ。
      あはーっ、海開き海開き!
      サクラコちゃん水着買いましたー!?
      まだだったら今度モール行こ!」

   クルッ

暑い季節に茹だる者もいれば、
楽しみを過熱させる者もいる。
表裏一体かもしれないが、セララは表を出し続ける。

「うんうん、休み時間とか遊びに来てネ。
 あたしもそっちのクラス行くから!
 あはーっ、ミモリーだけじゃなくって、
 ウレイさんにもいっぱいお礼言わなきゃですね。
 おかげで新しいお友達が出来ましたーって」

紅茶を飲み終えたようなら、
フタを返してもらい、締め直す。

「それじゃーあたし、お財布も見つかったし、
 お友達も出来たし! そろそろ帰ろうと思いまーす」

           ゴソッ

水筒も仕舞えば、ここに後に残すものはない。
仁宇がそもそもここで何の運動をしてたのかも、
セララの関心ごとでは既になかった。

「じゃあじゃあー、また学校でね! バイバーイ!」

だからカバンを背負い直して、手を振り、その場から立ち去った。

884 りん『フューネラル・リース』 :2021/07/18(日) 06:41:03
自然公園内 ひまわり畑

「だーい好きなのはー ひーまわりのたねー♪」

せっせとひまわりに水をやる10歳くらいの
『頭に鈴蘭を咲かせた』少女が一人

『鈴蘭がひまわりの世話をしている』珍妙な光景だ

885 坂下 佳侑希『レイルウェイ・チルドレン』 :2021/07/18(日) 17:14:30
>>884
 
「たまげたなあ」
 
すっかり夏の日差しに参ってしまってぱたぱたと手で顔を扇ぎながら歩く私が見たのは、
ひまわりにお水をやっている小さい女の子だったりして。
 
や、梅雨が明けちゃったら夏のお花って水とかどうしてるんだろねってのは、
こうなってみると確かにもうちょい気にしても良かったのかなって思うけど、
だからってその答えがこんなんだっていうのは、いくらなんでもびっくりだよ。
 
「ええっと、夏が暑くてどうしようもないって間はさ、
 そういう、お花の妖精さんみたいのが水やりしてくれてるってことで、いいのかな?」
 
確かに今日はとびきり暑くはあるし、私のシアーシャツはやっぱり長袖で手首まできっちりボタンを留めてはいるけれど、
それでもだからっていって、暑さにやられて幻覚を見てるだなんて流石に思いたくなかったから。
 
そんなつもりでもって私は頭に鈴蘭を咲かせたその子へ軽い気持ちで声を掛ける。
ためらわなかったと言えば嘘だけれど、ついてもお天道様に叱られないくらいの軽さの嘘だったんだ。

886 りん『フューネラル・リース』 :2021/07/18(日) 18:04:56
>>885
「こんにちは〜人間のお姉さん♪」

声をかけられてのこのこと近付いてくるお花の妖精さん(?)

「よく妖精さんって間違われるけど、ちゃんと人間だよぉ
 この公園のお花をお世話するのが、うちの仕事なんだぁ〜」

朗らかな笑顔で答えるりん
本人曰く人間だそうだが、頭に花が咲いた人間など存在するのだろうか?
この鈴蘭、近くで見ると決して造花には見えないクオリティだ

887 りん『フューネラル・リース』 :2021/07/20(火) 08:06:04
その後、色々あって和解したりんと坂下は
一緒にサッカーしたり、りんが捕まえた蛇料理を食べたりして親交を深めた

「今日は楽しかったよ、また遊びに来てね〜
 今度は鈴蘭茶用意しておくからね〜」

帰り際に貰った日傘は鈴蘭柄だった



        \    \

 \
         \          ,,、
                ./^l、.,r''^゙.i′
                l゙:r i:i′ .|
             :i^¨''iノー-i (_.vv,、
             i.、/:::::::::::::::::゙彳_ >
            _,ノ i::::::::::::::::::::.('`,.ヽ
            ( 、:|:::::.i;i;i:::::::::::i:.'^゙'<
            '' ::.!:::::.ii;i.|::::::::::.i‐ ,フ''
           .< :::i::::::.ii;i;|:::::::::.,「=(
            `ー::|,.:::::i;i;::::::::::/.\^':、
             ./゙,r|:::::::::::::::::,i゙.'!'=;^′
            .) ,/ソ,:::::::::::,l'_ .).:r
             ゙'レ'´i''!゙ー/'(゙゙ | .|
                | ._,i'!(冫.;i .|
                   .. |. |
                     .! .i   ._,,,‐''^^'''''>
           、....,,,,..,,_      ! .;! .,/'゙`,_   .,ノ
           \  .⌒\  │ .|!.,,iミ/ ._,,,./′
             i  '^'''‐、..゙'hノ| .|厂 . ̄′
            .ヽ_    ゙メリ| .|
                ̄ ̄   |. |    ._,,,‐''^^'''''>
                     .! .i  .,/'゙`,_   .,ノ
           、....,,,,..,,_      ! .;! .,/'゙`,_   .,ノ
           \  .⌒\  │ .|!.,,iミ/ ._,,,./′
             i  '^'''‐、..゙'hノ| .|丿 ̄′
            .ヽ_    ゙ヽリ|, .|!

    十ヽ -|-、レ |
    d⌒) /| ノ ノ

888 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/24(土) 18:27:04

森の中に立つ『喪服の女』。
その右手には一振りの『ナイフ』が握られている。
『スタンド』だ。

           スゥッ……

『ナイフ』を持ち上げ、左の掌に鋭利な刃を滑らせる。
白い肌が薄っすらと裂け、細く赤い線が滲み出す。
それを見つめながら、静かに物思いに耽っていた。

  ――いつか……。

『鎮静剤』は手放した。
大きな理由は、自分自身の気持ちに『整理』をつけるため。
それまでの自分とは違う『新たな自分』として、
この『命』を全うするまで生きていきたいと考えたからだ。
また、別の理由もあった。
『今の自分』には、もう『必要なくなった』からでもある。

  ――会いに行きます……。

『本体の身体』を切り離す『スーサイド・ライフ』は、
『本体自身』を傷付ける能力を持たない。
しかし、『本体以外の生物』を切り離す『ビー・ハート』には、
『本体』を傷付ける事が出来る。
それも、『鎮静剤』を捨てた理由の一つだった。

  ――待っていて下さい……。

滴り落ちる雫に穏やかな眼差しを向け、『彼』を想う。

889 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/24(土) 19:12:26
>>888
「ふゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
「『自傷行為』!」

 ガサ ガサ

少女の声。
藪をかき分け、小石川の右あたりから歩いてきているようだ。

「わたしも参加、いいかなぁ?」

890 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/25(日) 17:33:16
>>889

         スッ……

不意の物音を聞いて、そちらを振り返る。
右手には、まだ『ナイフ』が握られていた。
左の掌からは、滴り落ちる赤い水滴。

  「――……すみませんでした」

  「『お見苦しい所』を……」

現れた少女を見て、困ったような表情で頭を下げる。
『参加したい』という言葉の意味を図りかねていた。
『自傷』を人に見られた経験は何度かあったが、
そんな事を言われたのは初めてだったからだ。

891 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/25(日) 22:24:14
>>890
 ガサ  ガサ

 声の主が藪から出現。ダボついたブラウス。パンツ。髪を左右に括っている。
 女にしては背が高めだが、あどけなさの残る顔立ち。女子高生っぽい。

 「お邪魔しまぁす  続けてていいよ〜」
 「……あ! 『参加』っていうのは」

    ジャキ

 「あなたの体を傷付ける大会!にエントリー?なんだけど」
 「いいかなあ」
 「ダメなら今日暑いし喉乾いたしやめたげるよ」

背中から覗く、湾曲した二振りの刃(鎌か?)と、昆虫の脚の『ビジョン』。
………『スタンド使い』だ。それも、『悪意』のある。

(当PC、このままだと『通り魔行為』を始めますが、
そちらが望まないようであれば、刃を引っ込めて普通の場スレをします 
如何でしょう?)

892 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/25(日) 23:05:25
>>891

現れた『ヴィジョン』に目を向ける。
少女が『スタンド使い』である事は理解していた。
何故なら『ビー・ハート』が見えているからだ。

  「――……!」

しかし、『それに続く光景』は予想の範囲外だった。
『悪意を持つスタンド使い』と出会った事は何度かある。
つい先日も、『窃盗グループのリーダー』と、
廃墟になったビルで交戦したばかりだ。
ただ、この少女は今までに出会った相手とは違い、
どこか無邪気な雰囲気が漂っている。
それが『異質さ』を強調しているように感じられた。

  「『争う事』は苦手なもので……」

       ――フッ

  「……『ごめんなさい』」

言葉と同時に、右手の『ナイフ』が消える。
それは、『戦うつもりはない』という意思表示。
『刃』を振るうのは、どうしても避けられない時だけ。
話し合いで解決できる状況であれば、
誰かを傷付ける事はしたくない。
だからこそ、自ら『刃』を収めた。

893 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/25(日) 23:28:30
>>892
「そう? じゃ やめる!」

  ガチャ

少女の『スタンド』も、刃を下ろし
ビジョンが消える。

 「ここみたいな 人のいない所って『色々』できるし?やるけどぉ」
 「『そういうの』は初めて見た ふつう家とか風呂でやるものじゃない?」

 「ん?あれ?わたしの勘違い?
  じつは『虫に餌やってました』ってかんじ?」

 「ヤブ蚊 いっぱいいるよね ビックリしちゃった……夏だね!」

何事もなかったかのように会話を始める。

894 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/26(月) 00:08:04
>>893

  「――……ありがとうございます」

『刃』を交えずに済んだ事に、胸を撫で下ろした。
先程の様子から察すると、彼女は、
人に『刃』を向ける事に躊躇いを持たないように見えた。
けれど、『話』は通じる。
きっと『心根』は優しいのだろう。
本当の所は分からないが、そう信じたかった。

  「ええ……」

  「『おかしい』――ですね……」

         クス……

少女の言葉に、寂しげな微笑を返す。
確かに『外』でやるべき事ではない。
自分にとって、『自傷』は『自殺衝動』を抑えるためのものだ。
いつ何処で『衝動』に襲われるかは分からない。
それがあるせいで『場所』を選ぶ事は難しかった。

  「この辺りには……よく来られるのですか?」

会話を続けながら、ハンドバッグから『包帯』を取り出し、
手馴れた動作で左手に『止血』を施す。
『自傷』を行った時のために、
普段から持ち歩いているものだ。
『鎮静剤』である『果物ナイフ』を手放した後も、
これだけは変わらず持ち続けていた。

895 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/26(月) 00:54:21
>>894
 「『おかしい』っていうのは、違くない? 
  自分で自分を だなんてヘンだな〜とは思うよ でも?う〜〜〜ん?」  

包帯を巻く様子を見ながら、少し考え込んでいる。

 「 …『悲しい』ことだと思う」
 「悲しいよ せっかく元気なんだから……」

やや伏し目がちになっている。
先ほどまで自分が襲おうとしていた相手に
こういう態度をとるあたり、確かに『異質』な少女ではあるようだ。

 「…お!?   …包帯 ……上手だね!」
 「看護師さんにも負けてないよぉ すごいすごい」

君が手際よく治療を行う様子を見て
湿っぽいのを忘れ、なんだかテンションが上がっているみたい。

896 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/26(月) 01:29:57
>>895

人間は一つの面を持っているだけではなく、
多くの違った側面から成り立っている。
おそらくは、彼女も様々な面を抱えているのだと思えた。
そして、『自分自身』も――。

  「……そうですね」

      コク……

少女の言葉に、静かに頷いてみせる。

  「ありがとうございます……」

先程の行動にも、きっと何か『理由』があるのだろう。
そうせざるを得なかった何かが。
それが何かは知らなくとも、
垣間見えた彼女の『優しさ』に答える事は出来る。

     ニコ……

歓声に対して微笑で応じる。
柔らかい微笑み。
その表情は少しだけ明るくなったように見えた。
『止血』は、すぐに終わった。
ハンドバッグを探り、小さな『水筒』を取り出す。

  「『喉が渇いている』と……おっしゃいましたね」

         スッ

  「――『ハーブティー』です。
   お口に合うかどうかは分かりませんが……」

少女に『水筒』を差し出す。
中身は冷えた『ラベンダーティー』。
摘み立てのラベンダーから抽出した濃い目のお茶を、
たっぷりの氷で冷やしてある。
使われているラベンダーは自宅で栽培したものだ。
『ハーブの女王』と呼ばれるラベンダーには、
精神を落ち着かせる『沈静作用』があり、
気持ちが昂ぶった時には、その香りに助けられていた。

897 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/26(月) 02:05:38
>>896
「笑った そっちの顔のほうが悲しくなくていいよ」
「え?お茶! …いい香り! いただきま〜す」

  ゴク

「こないだもねー  ここで『やろう』!って思って……」

    ゴクゴクゴクゴク  ゴク プハー
   
「………やれなかったんだけど。
 そのコからお茶貰ってお友達になったんだよねぇ」

「……仕損じたのにお茶貰っっちゃったぁ!2回も!
 失敗してもいい事あるねぇ」

「そう! マラソンコースの外れとかでさあ 『やる』んだけど
『よくここに来る?』ってさっき言ってたよね?
 ……最近なの!ここに来るようになったの! 
 スゴイね ここ みんな元気で 倒した人もみんな水筒持ってる」

「夏の運動ってすっっごい喉乾かない?びっくりしちゃって」

喉が潤ったら元気になったのか、
ラベンダーの鎮静作用などいざ知らず、ずいぶんとお喋り。
人と話すのも運動も大好き!という雰囲気。
端々が不穏だが、まあ子供らしくて無邪気ではある。

898 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/26(月) 18:04:56
>>897

途中で口を挟む事なく、少女の話に耳を傾ける。
薄々は感じていたが、その内容から、
『攻撃の意思』を見せたのは初めてではない事が分かった。
おそらく、何度も繰り返しているのだろう。

  「……『運動』した後は水分を摂って下さい」

  「『熱中症』になってしまうと大変ですから……」

しかし、こちらがスタンドを解除した時、
彼女は攻撃しなかった。
完全に丸腰の状態だったにも関わらず、襲ってこなかった。
たとえ『敵意』があったとしても、
彼女の心には『優しさ』も同居していると信じたい。

  「……私は『散歩』に来ているんです」

  「『森林浴』が好きなもので……」

          ソッ

包帯を巻いた左手で、近くに立つ木の幹に触れる。
森の空気を吸うと、自然と気持ちが和らぐ。
この『自然公園』は、町の中でも特に好きな場所だった。

899 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/26(月) 23:31:05
>>898
 「…『森林浴』かあ…私は…う〜ん わたしは…」

 ガシッ      ブ ラ~~~ン

 同じ木、 両手で幹を掴み、ぶら下がる。

 「…木登りしにきてる! 危ないし まだちょっと怖いんだけど」
 「見て見て!これ! こないだ鉄棒覚えたんだ だからこういう事も……」
  
    ドサッ
 
 着地。疲れたのか腕が震えている。

 「はぁ〜〜〜……………できたぁ !」
 「……いつか登るっ!ぶらさがるんじゃなくて登る!」

900 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/27(火) 00:12:05
>>899

木に掴まる少女。
その無邪気な姿を、穏やかな微笑を湛えて見守る。
震えている腕を見て手を差し伸べようとしたが、
無事に着地した所を見届けて、安堵の表情を浮かべた。

  「……無理はしないで下さいね」

  「『ご家族』も、きっと心配しますから……」

  「ゆっくり……少しずつ出来るようになりましょう」

少女に声を掛け、木を見上げる。
彼女にとって、それは『大きな目標』なのだろう。
人それぞれに『背景』があり、
それぞれの『目指すもの』がある。

  「私にも――叶えたい『目標』があります」

『彼』の分まで『生きる事』。
この『命』を全うする事が、自分の『目標』であり、
『彼』と交わした『約束』だ。
『その先』で『彼』と再会するために、私は『今』を生きている。

  「――『一緒』ですね……」

        ニコ……

人の数だけ『想い』があり、それらには様々な形がある。
どのような形であっても、『想い』は純粋。
『町』で生きる内、それを実感してきた。
この少女の『想い』も、また純粋なものだと思える。
だからこそ、彼女に『慈しみ』を覚えるのだろう。

901 仁宇櫻子『ハスカー・ドゥ』 :2021/07/27(火) 00:59:52
>>900
「お姉さんほどになると、
 木登りなんかよりもっとずっと難しい『目標』なんでしょ?」
「まあ、でも一緒なのかな?わかんないや」

木の幹を撫でてみている。
これって何か楽しいのか?という表情だ。

 「あ!…そういえば確かに 
  そろそろパパママが心配しそうな時間になってきたかも 
  急でごめんね!  帰るっ  ばいばーい!」

バイバーイ、と手を振り、

「……あ!『心配』で言うと 手首!あんまり切り過ぎないでね」
「体も気持ちも、だめそうなら病院行こうね 
 病院いいよ ここの東の『アポロン』は腕がいい! 
 常連のわたしが言うんだから間違いない!」

ちょっとだけ言い残し、来襲者は立ち去る。
木登りとか、目標、親、森林浴、残虐な折り方、友達、水筒ほしい、などなど考えながら。

902 小石川文子『スーサイド・ライフ』&『ビー・ハート』 :2021/07/27(火) 18:26:19
>>901

『病院』に通い慣れているらしい少女。
彼女にも、自分と『通じる部分』があるのかもしれない。
人と人は時として争い合う。
反対に、人は分かり合う事も出来る。
立ち去っていく少女を見届けながら、
心の中に生じた『想い』を感じていた。

  「……ありがとうございます」

       ニコ……

  「さようなら……」

緩やかに手を振り返し、
小さくなっていく少女の後ろ姿を見守り続ける。
それが見えなくなった後、触れている木に視線を移した。
木は何も言わず、ただそこにあるだけ。
けれど、確かに『生きている』。
だからこそ、そこに触れていると、
『生きる力』を分けてもらえるように思える。

         スッ

やがて、包帯が巻かれた手を幹から離し、
静かな足取りで森の中を歩き出した――。


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