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【ミ】『忘れじの瑕、コメットテイル』

1『幸せ兎』:2019/03/08(金) 22:34:41

覚えていて悲しんでいるよりも、忘れて微笑んでいるほうがいい。

                     クリスティナ・ロセッティ


   ≪  ザザ――――z__________________ .....  ≫

   
     「…………」
                       
                    「キミも、そう思う?」

        「いいや」

    「おれは――――悲しくっても、覚えてたいよ」

                       「……この景色を。
                         いくつになっても。」

  「はは。理由なんて。だって、生まれ故郷だぜ。この――――」

                           ≪ザザ  ――――― ≫
 
                                       ≪    プツン≫

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
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【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
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【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』
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★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
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【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
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282『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/17(水) 14:11:00
>>280(小石川)

手を止める。疲労を感じる。肉体にも、精神にもだ。
かなり長期間の連続発現を行っているせいもあるだろう。

「……………俺は……これくらいじゃ、死なない」

        「ゲホッ」

「時間はかかるだろうが……俺が戻らなければ、
 いずれ救援も、ハァ……来るだろう。
 あまり気にするな……お前に『責任』は無いんだ」

「『責任』がない事に全力になる必要なんかない……」

彼が『連絡手段』を奪われている以上、
アリーナの増援が今すぐに来ることはないはずだ。
事件の早期解決は・・・解決するなら、自分達の手が必要となる。

「『隕石』……いずれにせよ、『狙う物』のために、
 スタンド使い相手とはいえ……『こういう事』をできる連中だ」

       「……何をしでかしても、おかしくは……ない」

隕石――――それそのものに対処する必要があるのかは不明だが、
それを狙う人間が『危険人物』であることを把握できたのは、意味がある。

「さあ、な……俺の動きに勘づいていた、可能性は……無くはない。
 し知っていたとしても、忘れているかもしれない……これも可能性の話だが。
 いずれにせよ、『紅鏡町』……は、俺が知る限り『現実逃避』の世界……だ」

「……『誰も知らない町』」  「本当なら……『こんな町は存在しない』んだからな」

『能力』により維持される謎めいた町――――

恐らくはその成り立ち自体はこの事件には無関係なのだろうし、
あるいは『笹暮』ないし『アリーナ』も明確には理解していないのかもしれない。
言葉ぶりは何かを隠しており、全く知らないという様子ではないが、
『事件の解決に寄与できるような知識』を今、伏せる理由もないだろう。

           「それと……『三人組』のことは、知らないはずだ。
            …………『隕石』が狙いだというのなら、
            以前からアイツを追っていたとは考えられない……」

>>281(黒峰)

「友達、の通ってた学校がめっちゃ治安悪くて、
 屋上の鍵壊して勝手に入ってたとか聞いた事あるわ」

「ここはそういう感じじゃないけど――――
 逆に治安いいから開放してんのかもね。
 ホラ、頭いい学校のほうが『私服登校』多かったりするじゃん」

              「するでしょ?」

謎の持論に同意を求めつつ、屋上のドアを開ける笹井。
安全対策と見える金網が張り巡らされてこそいるが、
開放的な空間だ。整備も行き届いているようで、花壇さえある。

「森……あっちかな」

はたして、『森』とは何なのか――――マンモス校の最高層から見る景色は、
赤い空に近く、そして一面に赤い屋根が広がる『非現実的』な世界だ。

その一角に、満ちる緑――――『観覧車』等も見える『遊園地』の方角に、森があり。

                    オ

                         オ
                             オ
                                   ォ

そこに――――『空間のひずみ』のようなものが、見える。この町の現実を穿つかのように。

笹井は同じところを見ているのに、何もコメントをしていない。
あれも『空』や『花』と同じ、普通の人間には見えない光景なのか?

・・・ひずみの中心に何があるのかはさすがに遠すぎて視認できなかったが、『何かある』のは間違いない。

283小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/17(水) 19:09:48
>>282

『ダメージ』とは異なる種類の疲労感が、身体に圧し掛かる。
持続時間の限界は、知識の上では理解していた。
それを経験として体感したのは、これが初めてだった。

  「……お気遣いありがとうございます」

やや疲れながらも、平時の表情を取り戻して微笑する。
少なくとも、今は自分が笹暮を助ける側であるはず。
その彼に、余計な心配をさせたくなかった。
また、彼の気遣いが嬉しかった事も事実としてある。
だから、その気持ちには応えたいと感じていた。

  「では……『気付いている可能性は高くない』と解釈させて頂きます」

そうなると、彼は笹暮や三人組から逃げてきた訳ではないと思えた。
何か目を背けたくなるような現実があり、そこから逃げている。
総合して考えると、決して不自然な話ではない。

  ――『現実逃避』……。

その言葉が、心の奥で静かに響いた。
『彼』がいない世界で生きる事が辛くなった時、私は自分自身を傷付けている。
ほんの少しだけ『死』に近付く事で、心の辛さを忘れるために。

  「……概ね理解できました」

この町は、『過去に存在した町』を繰り返しているものだと思っていた。
しかし、実際は『実在しない町』を繰り返しているらしい。
『維持』できなければ、やはり消えてしまうのだろうか。
即座に消えてしまうのか、それとも本来は短時間しか存在できないのか。
いずれにしても、『儚い世界』のように感じた。

  「『向こう側』で人を待たせています……」

  「ですから……そろそろ戻らなければいけません」

バスに戻る時間もあるし、持続時間の限界も近くなっている。
これからのために、『紅鏡町』に戻る必要があるだろう。
考えるべき事は、山のようにあるのだから。

  「『信頼の証』として……私の『能力』をお教えします」

空いている手で、帽子を軽く持ち上げてみせる。
そこに見えるのは、片方の『目』と『耳』が切除された顔。
眼窩は空洞であり、耳は根元から切り落とされている。

  「――『目』と『耳』は『歪みの中』です」

  「それでは……」

笹暮との会話を終えたら、『歪み』を通って『紅鏡町』に舞い戻る。
『目』と『耳』を元通り接合し、『スーサイド・ライフ』を解除する。
それから、緑里が待っている場所に歩いていきたい。

284黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/18(木) 20:53:10
>>282
「そう……ですね……たぶん」

なんとなく圧を感じたので同意しておき、街の様子を見る。

「この街の建物は……どこも屋根が赤いですね……。
 ……そのせいで……ごく普通の緑色の森が…逆に異物感があります……」

ぐるりと見回し、『ひずみ』は他にないか確認する。

285『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/22(月) 16:57:37
>>283(小石川)

初めて体感する『持続力』に伴う疲労は決して無視できるものではない。
特に、スタンド戦闘中にこれに陥れば『致命的』な結果を生むだろう。
だが、今は問題ない。疲労は少しずつ、回復していくのを感じる。
閾値を超えなかったからか、状況ゆえに麻痺しているのかは分からない。
十分に動けるのは確かだ――――これから、やらなければならない事がある。

『笹暮』:
「なるほど…………『利便性』の高い能力、だな…………」

               ズズ

「…………『オフビート・ミミック』」

「『鍵を開ける能力』…………『証』なら……『借り』は作りたくないんでな」

           「…………行け。待ち人が安全とも……限らない」

先ほどと同じ、鉤手のスタンドが手でこの場を去るように促す。
それに従う形で『空間のゆがみ』を通って『非現実』の森へ戻る小石川――――

    ザッ
          ザッ

                 オ オ オ ォォォォ ・・・

木々の間を吹き抜けた風も、どこも変わらないのに『現実味』をどこか失ったように感じる。      
ここが『実在しない』のか、あるいはリアリティの根拠となる『モデルがある』のかは分からないが、
その朧げな儚さは小石川自身の過去、心情に由来するのか、それともこの世界を生んだ心の風景なのか・・・

                       ザッ 
                            ザッ

『緑里』:
「――――――ど〜でした?」

                 「『鳥』」

                         「いましたか〜ッ?」

笹暮の不吉な言葉に反して、待ち人――――『緑里』は特に危険にさらされている様子もなく、待っていた。

>>284(黒峰)

「あたしの高校も私服だったんだよね〜〜〜」

二つの言葉の中に無言の主張がある。まあ、無視してもいいだろう・・・

         オ ォォォォ  ・・・

他にひずみは無い――――イレギュラーな存在なのかもしれない。
自分たちが来た方角にも無いようだった。アレは、『何』なのだろうか?
また『町』と思われる範囲より外は、霧のせいか、あまり見えなかった。

「秋だったらほんとに真っ赤だったんだろうね〜。緑と赤って目ェ痛くなるわ」

向かうならタクシーなり、探せばバスなりもあるだろう。そう時間はかからないと思われた。
向かわないなら、やはりバスに帰ることになるだろうか。この学内をまだ巡るのであれば、
めぼしい施設としては――――大きな『図書館』か『博物館』のような建物が見える。後は校舎だ。

286黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/22(月) 20:26:36
>>285
「なかなか面白くはありますが……日常的に見たい景色では、ないですね……」

街の写真を何枚か撮る(『ひずみ』は写らないだろうけれど)。

「……森や、遊園地の方に……行ってみませんか」

287小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/22(月) 22:50:19
>>285

傷を負った笹暮を残していくのは、後ろ髪を引かれる思いを感じた。
しかし、自分がいたとしても彼のために出来る事はない。
彼のために出来る事は、『歪み』の向こう側にあるのだから。

  「……お待たせして申し訳ありません」

緑里の姿を見つけて、静かに頭を下げる。
彼の様子から判断すると、何事もなかったように思えた。
その事に対して、ひとまず安堵する。

  「ええ……『見つけました』」

  「『どこか』へ飛んでいってしまいましたが……」

この町の『どこか』にいる一羽の『鳥』。
それを探さなくてはいけない。
『三人』の手に落ちる前に。

  「――行きましょう」

緑里を促し、森の出口に向かって歩き出す。
その間に、バスに戻るまでの残り時間を確認しておきたい。
他の参加者やツアー側の二人は、今頃どうしているのだろう……。

288『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/23(火) 23:33:02
>>286(黒峰)

「まあね〜、しょせんは観光地って感じ?
 住む町って感じじゃないっていうかさ、
 住む人のことはあんま考えてなさそうだよね」

「観光で来たり、写真で見る分にはキレーだけど」

       パシャッ   パシャッ

写真にはやはりひずみは写らないようだった。
そういうもの、なのだろう。

「いいけど、バス戻らなくていいの?
 別にいいか。このツアー、予定通りじゃないっぽいし」

       「なんかおかしなことになってるんでしょ?」

いい加減な物言いだが、黒峰の語る『異常』への理解があるのか、
彼女なりにツアー全体の先行きのあやしさを感じているのか、承諾された。
特に学校内で止められるようなこともなく――――二人は校外に出る事となる。
何かやり残した事が無ければ、近くにあるバス停から遊園地のほうに向かえそうだ。

>>287(小石川)

眼窩に戻る前、その目が見た笹暮の目は『覚悟』があった。
引き留めるようなものではなかった――――小石川に出来る事はなかった。

「そうですか〜〜〜ッ。残念ですね〜
 ちなみに、こっちにも何も無かったですね」
 
                    「気になるもの、とかは」
      ザッ  ザッ

「そろそろ戻らないとヤバいですもんね〜〜〜、行きましょ行きましょ」

緑里は何をそれ以上言うでもなく、歩き出している。
森の出口はそう遠くはないし、タクシーなどを駆使すれば、
恐らくは――――ぎりぎりになるかもしれないが、バスには戻れるはずだ。

「…………『どこか』」

                    ザッ   ザッ

「小石川さん、『どこか』ってのは〜〜〜」  「……?」    ザッザッザッザッザッ 

                       「……足音?」

その彼が、思い立ったかのような顔で何かを言おうとしたとき――――前方から、足音が聞こえてくる。

                                 ・・・『何か』がこちらに来ている。
                                     ・・・やり過ごすか、それとも。

289小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/24(水) 20:27:32
>>288

静かな森の中を歩いていく。
胸の奥で考えを巡らせながら。
緑里が何かを言いかけたのを聞いて現実に引き戻され、彼の方に顔を向ける。

  「ええ――何でしょう、か……?」

地面を踏みしめる音が耳に届き、足を止める。
辺りに視線を走らせ、身を隠せそうな場所を探したい。
整備されていない横道なら、近くにもあるのではないだろうか。

  ――……。

笹暮の話を聞いた後では、どうしても警戒せざるを得なかった。
ひとまず身を隠し、相手の姿を確認する事を優先したい。
ただ、そのためには避けて通れない問題がある。

  ――彼は……。

今は一人ではなく、緑里が同行している。
彼だけを、この場に残していく訳にはいかない。
近付いてくるのが三人組の誰かである可能性は、否定できないのだから。

         ソッ……

口元に人差し指を立て、緑里に『音を立てないように』伝える。
それから緑里に背中を向けて、隠れられそうな場所に歩いていきたい。
胸元に左手を翳し、再び『スーサイド・ライフ』を発現する。

              シュッ――

緑里に見られないように注意して、もう一度『眼球』を切除する。
『眼球』は身体の陰を通るように移動させ、最終的に地面の上に下ろしたい。
そして、そのまま草陰に残しておく。

290小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/24(水) 20:36:14
>>289

『眼球』を切除した後、『スーサイド・ライフ』を心臓付近に突き刺す。
根元まで深々と突き立て、バッグの陰になるようにして隠しておきたい。

291黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/25(木) 19:16:06
>>288
「……あ、そろそろ戻るべきですかね……。
 ないとは思いますが……取り残されるのも嫌ですし……」

気になるところの多い街だが、いったんバスに戻ってツアー関係者の様子を確認しておこう。

292『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/25(木) 21:34:04
>>289-290(小石川)

「……!」

               スゥッ

木の陰がある。緑里も、異論を挟むでもなく身を隠す。
口元に立てた指に首肯が返ってきた。

     シュッ――

          トス ン

目を切り取って草陰に隠し、己の心臓に刃を突き立てる。
常識では『自殺行為』だが、小石川にとっては『生命線』だ。

              ザッザッザッザッザッ

「・・・・・・」

       カチャッ カチャッ…

歩いてくるのは、腰から細いチェーンを提げた若い男だった。
『今風』なファッションに、あちこちに結び付けた鎖のアクセサリー。

          ・・・『周囲を見渡す』ような動きをしながら、歩いている。

>>291(黒峰)

「どっちでもいいけどね。戻るならそろそろ時間かなって」

            ザッ ザッ

――――そして二人はバスに戻る。

全員は、戻ってきていない。
ある程度……『リーマン風の男』や『男女カップル』など、
比較的『常識』の色を感じる顔ぶれはバス周辺に見えるが、
喪服の女やロリータの女、『学生達』の姿も見えない。

「皆戻ってくんの遅いね〜〜〜。
 これならあたしらも急がなくてよかったかな?」

また当然ながらスタッフ二人はここにいる。
バス周辺に戻って来た二人に視線を向けてくる様子はない。

293小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/25(木) 22:12:16
>>292

森の中にある未整備の横道。
ここを訪れる人間が多いとは思えない。
何かしらの理由でもなければ。

  ――『何か』を探して……?

彼の動きは、辺りを窺っているように見える。
何かを探しているのだろうか。
それとも、『自分以外の人間』の気配を感じたのかもしれない。

  「――……」

『目』を操作して、悟られないように男の後を追う。
射程の限界は『10m』なので、いずれは射程外になるだろう。
それでも、彼が向かう方向だけは掴んでおきたい。

  ――あるいは……。

彼が『三人組』の一人だとしたら、『歪み』の方向へ行くつもりかもしれない。
不測の問題が起きて、それについて笹暮から何かを聞き出そうとしている事も考えられる。
彼らと同じく外から来た人間である『ツアー関係者達』の存在に気付いたとすれば、
それを笹暮が呼んだ『アリーナ』の応援だと考える可能性もあるのではないだろうか。

     チラ……

それとなく、緑里の様子を確認する。
こちらの行動に同意を示してくれたが、彼は今どう思っているのだろう。
今後のために、彼の事も考えにいれておかなければいけない。

294黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/27(土) 20:34:38
>>292
「……『赤い空』が見えていたとおぼしき人は……戻っていませんね……」

スタッフ2人の様子を見る。
何かしら会話しているようなら聞き耳をたてたい。

295『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/28(日) 23:57:03
>>293(小石川)

果たして小石川の想像通り――――進路は概ね『歪み』の方角だ。
なぜ? 何があったのかは読めない。手には『スマホ』を持っているようだ。

             ザッ
                      ザッ

やがて男は周囲を見渡すのを止め、
真っすぐに歪みのほうへ歩いていく。

・・・止めるべきだろうか。それとも。

『緑里』:
「…………」

                         …ザッ  ザッ

緑里は――――木の陰に慎重に身を隠していたが、
若い男が完全にその場からは見えなくなると、表情に弛緩が見える。

       ズズ ズ

「……俺の顔に、なんかついてますか〜〜〜?」

視線に気づいたらしく、小声で、冗談めかした問いかけが返ってきた。
彼を気に掛けるとして、立ち位置をどう想定しておくか――――敵か味方か。

どのような立場であれ、警戒や隠蔽はあり得る話だ。状況自体、異常なのだから。

>>294(黒峰)

『笹井』:
「見えたならなんかしてるのかもね。
 赤い空の原因探してるとか……
 あんたとあたしもそうしてたみたいに」

「それでなんかに巻き込まれたとか……」

        ザワ…

             ザワ…

集まった人間たちは特に慌てていたり、
騒いでいたりはしなかったが・・・
状況の不自然さゆえか落ち着きはあまりない。

『スタッフ』:
「…………」

スタッフらは時計を見ている。
会話はしていない――――

重要な話は恐らく一同がバスを離れている内に済んでいるのだろう。
とはいえ、聞きたいことを聞けば教えてくれることもあるかもしれない。

296小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/29(月) 03:22:16
>>295

『スマートフォン』――最初に思い浮かぶのは、どこかに『連絡』する事。
この場所で連絡が通じただろうか。
まだ確認していなければ、その事を改めて確かめておく。
連絡が不通だったとしても、『歪みの外』なら携帯電話も使える可能性は高い。
そのために『歪みの外』へ出ようとしているという解釈も出来る。

  「ええ――髪に『葉っぱ』が付いていますよ」

もしかすると、あの男性から何か手掛かりが得られるかもしれない。
彼の後を追いたいが、緑里を連れて行く事は出来ない。
何が起こるか分からないし、何が起きても不思議はないのだから。

  「はい……取れました」

緑里の頭に手を伸ばして、『葉を取り去る動作』をする。
実際には、そこには何も存在していない。
しかし、緑里から確かめる事は出来ないだろう。

  「さっき、この近くに『小鳥』が留まっていたのですが――」

  「彼の足音に驚いて逃げてしまったようですね……」

男性が『本体の視界』から見えなくなった時点で、隠れていた木陰から出る。
切り離した『目』は、出来る限り彼を追いかけ続ける。
向かう先が『歪み』の方向だと分かった以上、途中で追えなくなっても大きな問題はないはず。

  「――バスに戻りましょう」

緑里に声を掛けて、歩き出す。
ただ、本当に立ち去るつもりはなかった。
次の行動のためには、まず緑里を先に帰しておく必要がある。

297黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/29(月) 20:25:20
>>295
「たとえば『森から来た人たち』とトラブルに……とかですか……。
 ……ないとは言いきれないのが少し怖いところですね……」

スタッフに近づき話しかける。

「このあとは……どうするんでしょうか……?
 どこか、別のところへ移動するんですか……?」

298『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/07/31(水) 03:02:06
>>296(小石川)

意味もなくスマホを手に持って歩く人間も、いるだろうが――――
小石川自身のスマホは少なくとも、圏外になっている。
繋がらないスマホを意味もなく手に持って歩くのは、よほどでなければ無いだろう。

               スゥ…

「ああ――――そうでしたか〜〜〜、どうもどうも」

           「それじゃあ」

                 「この森にもう用はないですし〜」

                     「ええ、戻りましょうか」

    ザリッ…

緑里の思惑は、この状況に至っても分からないままだ。
スタンド使いなのかも、そうでないのかもハッキリはしない。
だが、今となってはそれを探るまでもなく確かな事がある。
彼は小石川に危害を加える気は無く、この件に積極的に関わりたい訳でもないらしい。

「タクシーでも呼びますか〜〜〜?」

・・・つまり『この場から離脱させる』のが一番無難な対応なのは間違いない。

    ザッ
             ザッ

本体の資格から男は消えた。二人は地面を踏みしめ、その場から歩き出す。
切り離している『目』も、少なくとも今はただ歩いている男を映すだけだ。
必然的に、『歩き出す方向』と『目を負わせる方向』は逆になる。射程の限界は近い。

                    ザッ

                  ―――――では、ここからどうするか。

>>297(黒峰)

『笹井』:
「地元の人とトラブルになる事もあんじゃない?
 『空赤くないですか?』とか聞いて回ってたらさ、
 変な人だと思われて通報されたりしてたりするのかも」

              オ ォ ォォォ ・・・

『運転手』:
「……まだ戻ってきていない人がいますので、
 もう少し待とうかどうか相談していたところです」

黒峰の質問には、年老いた運転手が応対する。

「すでに『人数』が入れる場所は予約してありますので、そこに移動を……」

                『ズ  ズズ  ズ  ・・・』

                     スタッ  スタッ

そこに――――

歩いてくるのは『ツアー客』ではない、痩せぎすの男だ。間違いなくこちらに来ている。

299小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/07/31(水) 19:09:36
>>298

緑里と共に歩き始める。
例の男性も、まだ『視界内』に留めている。
ここまでは問題ない。

  「……ええ、そうしましょう」

  「『タクシー』を――」

歩きながら、おもむろに空のポケットを探る。
そこには、最初から何も入っていない。
大事なのは、緑里に『何かを探しているように見せる』こと。

  「……すみません」

  「どうやら『ハンカチ』を落としてしまったようです」

  「少し探してみたいので、先に戻っていて下さいませんか?」

『歪み』に近付く男性を追うために、緑里には先に帰っていてもらいたい。
だから、『落し物』を口実にして彼と分かれる。
緑里と行動を共にするのは、もう限界だろう。

  「もし見つからなくても……あまり遅くならない内に戻るつもりです」

  「バスに戻ったら――『その事』を伝えておいて頂けますか?」

ここで『一緒に探す』と言われてしまうと困る事になる。
そうなる前に、緑里に『伝言』を頼む。
確実に一人になれるように念を入れておきたい。

300黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/07/31(水) 23:12:20
>>298
「……。
 なんでしょう、あの人……」

男の様子を注視する。

301『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/02(金) 00:43:29
>>299(小石川)

           ザッザッ…  ザッ

「ん」  「どうしたんですか〜〜〜ぁ、『ハンカチ』? そんなん後でも」

          ザ…

「……いや、そうですね、もう時間も時間ですし。
 バスが移動するなら、待っといてもらわなきゃですもんね〜」

                クルッ

              「それじゃ…………お気をつけて。
               木の上とか? 穴の中とか?
               ――――危ないとこにありそうなら、
               諦めて帰ってくるのも手だと思いますよ〜〜〜」

緑里は、小石川の思案が功を奏したか、その場をおとなしく立ち去ってくれる。
彼がこの場にいないことは、この場合メリットしかない。
潜在的には一人になる事がデメリットとなる可能性もあるのかもしれないが、
選ばなかった道の目に見えない不安より、目に見える不安を排除した事に大きな意味がある。

それに――――『緑里をバスに帰した』事にも、何か意味が生まれるかもしれない。
いずれにせよ、その結果が分かるのはこの状況を潜り抜けた、その先のことではある。

              オ 
                 オ 
                     オ   
                        ォォ  
                            ・ 
                              ・
                                ・

風が吹く。赤い空だが、風に色は無い。透明で、重みもない。
だが色を、粘度を帯びたかのように、空気が重くなるのを感じた。
もちろんそれは錯覚であり、空気に何か異常があるわけではない。
今から進む道に『通過』出来る瞬間は無い。『関門』が続く。
スタンド使いとしての『経験』が――――それを告げている。

まだ、空間の歪み――――外の世界、あるいは笹暮の方から異常が起きている様子は届かない。
今から動けば、仮に何かが起きようとしているとしても、それが起きる前に間に合うかもしれない。

>>300(黒峰)

その男に気づいたのは一同の中でも一部だったし、
さらにあえて注視しようとしたのは『黒峰』と、
今話していて釣られて視線を向けたバスの運転手、
それから、所在無げに追随していた笹井くらいだった。

「―――――――――フゥーーーーーーー ・・・」 「『クール』に」

         『ピキ』

                  『ピキピキ』

    『ピキ』

「…………『クール』になれ」

          ザッ  ザッ

                  「『クール』になれ」

男は『ファーコート』を纏っていたが、それでも痩せているのが分かる体形だ。
黒い髪も『アフロ』――――とほとんど言えるような、質感を感じさせる形に整えていた。
目元には隈も見え、健康そうには見えないが、足取りは悠々と、そして堂々としている。

「……………………『予定外』の事態には、な。
 誰もが、『クール』になってな……心の『おあしす』を守るもんだぜ」

              「『抑え込み』」

                         「『熱くならず』」

そして――――その手に持った『赤いペットボトル』は、不自然に『霜』が張っており。

        「シィーーーーーーッ ・・・ 『静かに』」

                        『ヒュンッ』
                                  「『遂行する』」

   『ピキ』
               『ピシッ』

それを把握できた次の瞬間には、男の傍らに浮かんだ『人型ヴィジョン』の手で、運転手へと投じられる。
軌道を読み切るよりも早く、投擲は着弾するだろう。距離は『10m』ほどあるが、速度はそれほどに『速い(スB)』。

302小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/02(金) 04:06:11
>>301

  「――ありがとうございます」

緑里に一時の別れを告げて、改めて目の前の問題と向き合う。
ここから先には、少なからず『危険』が潜んでいるだろう。
全身を包む空気に、ただならぬ気配を感じるような気さえする。

  ――落ち着いて……。

静かに深呼吸する。
『スタンド』の源は『精神』の力。
気持ちが乱れていては、満足な動きは出来なくなる。

  「――……」

『目』が射程外にならないように、慎重に歩き出す。
例の男性と切り離した『目』、切り離した『目』と本体の間の距離は十分に開けておく。
こちらの足音が相手の耳に入らないように、注意深く進んでいきたい。

  ――ごめんなさい……。

  ――少しの間だけ……『あなた』を肌から離します。

右手にある『形見の指輪』を抜き取って、ポケットに仕舞う。
手を切り離してから解除した時に、『置き去り』にしないために。
『彼』と離れるのは辛いが、これから起こり得る事態を考えると止むを得ない。

       ズッ

『スーサイド・ライフ』を胸から引き抜いて、左手に持つ。
その刃で、『小指の先端部分』を身体から切り落とす。
『第一関節から上に当たる部分』を両手ともに切り離し、左右のポケットに一本ずつ忍ばせる。

  「――……」

現時点で最も大切なのは、この先で起こっている『状況』を把握すること。
それによって、取るべき行動は変わってくるのだから。
自然と早まる鼓動を抑えながら、森の中を歩き続ける。

303黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/02(金) 19:26:55
>>301
「……!
 何を……、攻撃……!?」

『オールナイト・トレイン』を発現し、前足で運転手を突き飛ばす(スB)。
ペットボトルには触れないようにしたい。
見た感じ、男が持っている(持っていた)ペットボトルは投擲した1つだけだろうか?

304『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/04(日) 02:19:46
>>302(小石川)

幸いにして――――『今すぐ』何かが起きるわけではない。
何かが起きているであろう現場に、己の足で踏み込むのだ。
覚悟を決める時間はその気になれば、いくらでもある。

          ザッ   ザッ

                   スル…

指輪を、ポケットにしまう。

    ズッ

引き抜いた刃で両手の小指を短く落とし、ポケットにしまう。

          ザッ  ザッ

歪みへと、歩いていく。

行動はよどみなく、動きにも滞りは無い。
それでも早まる鼓動とは相対的に、一歩一歩に重みが乗る。

                ザッ  ザッ ――――

やがて、『目』が、その『光景』を文字通り、先行して捉えた。
件の『鎖』ファッションの男性は、ある種想定通りに『歪み』の外に出ていく。

                         ・・・そして、笹暮の元へ。

>>303(黒峰)

『??』:
「――――!!!! それは」

              「『スタンド』」

                      ・ ・ ・ ・ ・ ・
                     「聞いていないぞ……!?」

     ド
        カッ!! 

ほとんど同等の速度であれば――――
『オールナイト・トレイン』の行動のほうが着弾よりはるかに速い。
ボトルを防ぐのではなく『運転手を逃がす』動きも、優れた判断だ。

                         カシャンッ

凍り付いていたらしきボトルが、数mほど背後で砕け散った。

『運転手』:
「のわぁッ、と、とッ!?」  「い、一体急に何を――――!?」

運転手は幸いにして転倒などもしなかったようだ。
面食らった様子で、黒峰と男を交互に見る運転手。

集まる『ツアー一同』にも、ざわめきが見え始める中、
持っていた『ペットボトル』を躱された男は歩みを止め、後ずさる。
もう片方の手は後ろに隠れており、ここからでは見えない。

『??』:
「……フゥーーーー、違う、クールにだ。想定外にこそクールに対応する」

              「……お前。お前だ。女。
               『焦らず』『冷静に』答えてもらう。
               …………『どこの差し金』で動いてるッ!?」

『笹井』:
「な、なにあいつ。
 あんた知り合い? 知り合いじゃないよね?
 攻撃って……え。何、やばいやつ?」

冷静に、とは言うがその口調は粗さを抑えきれていない。彼我の距離は『12m』ほど。

305小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/04(日) 05:37:00
>>304

本体は『歪みの内側』で立ち止まり、身を隠せそうな場所で息を潜める。
そして、『目』だけを『歪みの外側』に移動させたい。
先程も試みた行動を、ここで改めて行う。

さらに、続けて『耳』を切り落とす。
これも『目』と同じく、『歪みの外側』へ進ませる。
先行させた『目』で正確な位置を把握しながら、見つからないように注意を払って移動させたい。

  ――残っているのは『一つ』……。

              パーツ
これで切り離している『部位』は四つ。
限界数である五つに近いが、実際に操作しているのは二つだけ。
意識の集中が乱れるような事はないはず。

  ――『笹暮』さん……。

しなければならないのは、『状況』の確認。
あの男性が誰なのか、そして何をしようとしているのか。
まず、それらを確かめなければいけない。

重要なのは、こちらの存在を知られないこと。
気付かれてしまった時点で、情報を得る事は相応に難しくなってしまう。
少なくとも男性の素性と目的を確かめるまでは、気取られる訳にはいかない。

306黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/04(日) 23:10:53
>>304
「……知りません……見たこともない人です」

少し前に出て距離を取られすぎないようにする。
また『オールナイト・トレイン』の前足に枕を持たせておく。

「あなたが何を言っているのか……わかりません……。
 私達はただのツアーで、この街に来ただけで……。
 ……『差し金』とは……?」

307『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/06(火) 12:00:45
>>305(小石川)

         ガサッ……

林の中で『身を隠せる場所』となると、木陰だ。
足元の茂みが多少の音を立てはするものの、
この程度で気付かれることはまずもって無いだろう。

     サクッ
        スパッ

目。耳。
両の小指。

これで『四つ』……とはいえ小石川の考え通り、
操作するのはうち二つなら『集中』の問題は無さそうだ。
問題は疲労だが、これも余程のことがない限りは、
行動不能なレベルに達することは考えなくて良いだろう。

      ザッ……

そして・・・飛ばした耳目は、光景を捉え続ける。

『笹暮』:
「ぐっ…………お、前は…………」

『???』:
「ッせーーーな! てか、オッさん起きたのかよ。
 兄貴があんだけボコったのによォー……まあいいや。
 今から『電話』すんだからよォォーーーッ、
 黙っとけや。喋ってもらうのはその後だからな!
 別働隊だか増援だか、仲間連れてやがった事をよォォ」
  
   「余計な事したら、エェ? 分かるか?
    オレは兄貴ほど優しくねーぞォーーー
    ギリ、ギリ、死なねぇ位に刻んでやんぜェ!?」

獰猛な口調で笹暮に語り掛けつつ、
指を銃のような形にして彼に突き付ける若い男。

もう片手でスマートフォンを取り出し、通話を始める。

彼の発言に笹暮は目立って言葉を返さない。
……脅しに従っているとも、黙秘を貫いているとも言える。

>>306(黒峰)

          ボフッ

ごく一般的な枕を発現し、前足に保持させた。
素材は不明瞭だが、黒峰の家の枕に近い気がした。

『??』:
「…………こっちも知り合いのつもりはない。
 差し金……『アリーナ』の手勢じゃないのか!?
 ツアーだと? 偶然……スタンド使いがこの世界に……?」

        ザワ…  ザワ…

『運転手』:
「なッ……何…………何をいきなり…………!」

「あ、あの男がいきなり、何かを投げて……!?」

攻撃を辛うじて避けさせられた形になる運転手は、
やはり狼狽した様子でペットボトルと男を交互に見る。

男は集団を見回す……騒めきが広がり始める。
それは今はまだ、動きには発展していない。

『??』:
「クールに…………クールになって考えれば、
 ありえない話というわけではないのだろうが……!?」

「……………………つまりお前ら、何も知らないと?
  何も知らないし……『知るつもりもない』と……?」

         シュゥゥーーーーー ・・・

   ポタ   ポタ

「なッ……………………なんだそれは……………予想外の上塗りッ!?」


男の困惑に伴うかのように彼の指先から水滴が滴る。
顔からもだ。予想外の事態に、冷や汗を隠せないのだろうか。

308小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/06(火) 22:13:05
>>307

『歪みの外』の様子を観察して、大体の状況は読み取れた。
まず、あの『チェーンの若者』が三人組の一人なのは間違いない。
彼が発した言葉から、それが分かる。
そして、おそらく彼は『ミステリーツアーメンバー』を『アリーナ関係者』だと考えている。
だから、それについて笹暮から情報を引き出そうとしているのだろう。

  ――『電話』……。

どこかに電話を掛ける事が、彼が『歪みの外』へ出た『もう一つの目的』。
気になるのは『相手』と『内容』。
『歪みの中』では電話は通じないのだから、相手は『歪みの外』にいる事になる。
それが誰なのか、そして何を話すつもりなのか。
今は、それらを突き止めたい。

  ――……。

通話が終われば、『チェーンの若者』は笹暮に矛先を向けるだろう。
その時『どうするべき』なのかは、まだ迷いがあった。
笹暮を助けるために、彼と若者の間に割って入る事は出来る。
しかし、それが本当に笹暮を助ける事になるのだろうか。
『事態の収拾』を考えれば、『終わった後』で若者を追いかけるべきなのかもしれない。

笹暮は傷を負っていて、自分の力で動く事も難しい。
もし自分が二人の間に割り込んだとして、あの若者が笹暮を『盾にしない』という保障はない。
ふと、また『以前の旅行』を思い出す。
あの時も、同じような場面があった事を覚えている。
行動を共にしていた『彼女』を人質にされた時、それに対して私は屈する道を選んだ。

その後、対立していた『彼ら』とは一応の和解を遂げる事が出来た。
だが、あの時と同じような結末を迎えられるとは思えない。
これまで得られた情報を総合すると、『そうならない可能性』の方が高いだろう。
そうなった場合、笹暮と同じように行動不能の状態にされてしまうかもしれない。
万一そうなってしまったら――笹暮を『助ける』事は出来なくなる。

309黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/07(水) 21:42:47
>>307
「……『アリーナ』とやらが、なんなのかもわかりません。
 あなたの目的は何なんでしょう……?」

(……彼の能力は……精神状態を物理的な熱に変換している……?)

前進し、徐々に距離を詰めていく。

310『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/08(木) 22:41:45
>>308(小石川)

『???』:
「もしもしッ …………………」

     ヒソッ
        ヒソッ

若者は、声のトーンをやや落として話し始める。
『聞き耳』がある可能性を危惧しているにしては、
先ほどまで脅すように張り上げていた声が不可解だ。
単に『秘密』の多い内容だからそうしているだけか、
何らかの理由で今、情報の秘匿に思い至ったのか、
そのあたりは答えの出る問いではないだろう……

ともかく。

耳の現在の位置では、会話の内容は拾いきれない。
目で見ている限り、電話が『繋がっている』ことと、
彼が口を動かして何か話しているのは間違いないが、
会話の内容を知るためにはもう少し近付ける必要がある。

      …………


          …………

『笹暮』:
「フゥーーー…………ゲホッ…………」

        ガサッ…

身じろぎする笹暮に、地面に生えた背の低い草が揺れる。
男は一瞥し、眉根を寄せるが、すぐ通話に意識を戻す。
幸い歪みの外は峠であり……やはり多少の草木はある。
気付かれずに耳を近づけることは無理な話ではない。

また少なくとも男は今笹暮に暴行を加える様子は無く、
このまま観察していても、今は誰も傷つかないし、
状況次第では介入しないより穏便に済むかもしれない。
最適解というものは、存在しても神のみぞ知る物だ。

『???』:
「何ッ …………!?」

会話は、進んでいるらしい。
電話の内容は……彼にとっても想定外の事のようだ。
わざわざここに足を運んでまで聞いているのだから、
ある意味当然かもしれないが、ともかくまだ話は続く。

311『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/08(木) 22:42:06
>>309(黒峰)

『笹井』:
「あたしもソレ知らないわ、アリーナっての」

ネットで流行ってる物とかでもなさそうだ。

『??』:
「アリーナを…………知らない?
 ……いや、それも全然……あり得るか。
 誰がアイツらの事を教えて回るわけでもない……」

       ピシッ

「目的……目的…………! いやッ話す必要はない。
 事情を知らない人間に、話すメリットがない……
 メリットがないなら話さない、それが合理的な考え方」

      「つまり…………クールだからな」

  ピシッ

「それとも話せば『協力』してくれるとでも……?
 あるいは……クールに、『黙認』してくれるか?」

              シュウウゥ…

「……………………無駄な戦いは俺も望みじゃないぜ。
 そうだ、一つだけ説明出来ることがある…………
 お前らにとっては……何も害はない目的だって事だ。
 今この場では……な。『未来』までは保証出来ないが」

黒峰の推測が的中しているのかは分からないが、
彼の語気が落ち着いて来るに従い水滴は止まった。

「お前らの存在はイレギュラーだし、目的に無関係だ。
 …………事情を知らないまま、何もしないなら、
 俺は、黙ってここを回れ右してもいい…………冷静にな」

分かるのは、少なくとも『アリーナ』とやらでなければ、
今すぐ暴行を……無差別に加える意思はない、という点か。
黒峰が前に立ち話している事、攻撃が一度切りだった事、
あるいは目立ってこの危険な男に絡まれたくないからか、
乗客らの騒ぎは少しずつ収まり始めている…………ただし。

『運転手』:
「け…………警察を、警察を呼びましょう。
 わけのわらかないことを言っているヤツを、
 対話で何とか出来るとは思えないッ…………!
 早く車の中に……鍵を掛ければ、安全になります……!」

困惑と焦りに震える声で、運転手が小声で勧めてくる。
バスガイドの矢田は事態から一歩引いた位置にいるが、
彼女についてもやはりバスの車内には戻っていない。
率先して逃げ隠れは出来ない……『責任』があるという事か。

312小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/09(金) 08:39:55
>>310

ここで動かずにいても情報は得られず、状況は変わらない。
最優先にしなければいけないのは、『通話』を聞くこと。
少なくとも、それが何か重要な内容である事は想像がつく。
ここで躊躇っていては、その間に『話』が終わってしまう。
もちろん危険はあるとしても、多少は止むを得ない。

  ――もう……少し……。

重要なのは二点。
『見つからないこと』と、『電話の内容が聞き取れること』。
この二点を『最低限のレベル』で両立出来る位置を探して、そこに『耳』を移動させたい。
あまり近付きすぎると発見される恐れが高まる。
それを少しでも防ぐために、あくまでも『最低限』で抑えておく。

  ――落ち着いて……。

『目』は動かさず、今の位置で待機させる。
本体も同じように動かない。
もし『射程距離』が足りなくなるようなら、それに合わせて近付きたい。
万一『耳』か『目』が見つかったら、即座に『解除』して消すつもりでいる。
『再生』に『四つ分』の時間を要するのは痛手だが、手元に戻せば本体の位置を知られてしまう。

313黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/09(金) 20:38:07
>>311
「……『アリーナ』とか、あなたが何をしているのかは……あなたの言う通り、おそらく私達には関係ないのでしょう。
 ただ、ひとつだけ私達に関係することで……どうしても知りたいことがあります……。
 ……『この街は、なんなんですか?』」

案外話の通じる相手かもしれない……と、思っていたところで運転手がなにか余計なことを……。

「……あの、大丈夫ですから……むやみに刺激するようなことは……」

314『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/11(日) 18:49:55
>>312(小石川)

              スゥ ――――――  

                   カサ…  カサ

『笹暮』:
「………………?」

耳を近づける・・・背の低い草がわずかに揺れるが、
電話に耳を傾けている以上、この程度なら問題あるまい。

『???』:
「――――『アリーナ』から派遣したのは間違いなくッ
  ……こいつだけだってェーーー裏は取れてるってことは……
   兄貴が見つけた『いるはずのねェ連中』は一体何なんですッ」

      「……や、そこンとこは兄貴にしか…………
        とりあえずそっちは、不安スけど『レイト』が今、
         偵察を……あっハイ、確認はこの後すぐしますッ」

若者の会話は、当然ながら『一方的』だ。
電話の向こうにいる相手の声を聴き取るには、
極めて距離が近くなければならない。
この、安全性を保てる距離では断片的な情報が精いっぱいだ。

『???』:
「兄貴は今…………ハイ、予定通り『例のブツ』の場所の特定に。
  まだ完了はしてないですが、ほぼ確定ってとこまで来てます。
   オレはこの連絡のために、今外で。ハイ、すぐ兄貴と合流します。
    内部での連絡は、スマホは使えないんで、ハイ、ちゃんと持ってます」

電話は、そろそろ終わるのかもしれない――――
あくまで『最低限』を保ち目的を完遂するか、
欲を出してより込み入った事情を知ることを狙うか。

あるいは――――聞き耳を立てる以上の動きをする選択肢も、難しいが無くはないだろう。

>>313(黒峰)

『??』:
「―――――この町? さあ……兄貴なら知ってるのかもな。
 ここが何かなんてハッキリ言って俺には関係ない。
 隠された町なのか、作られた町なのか……誰がやったのかも、な」
 
    フゥ――― ・・・

     「……一応言っとくが兄貴に会わせてやる気はないぜ。
      お前らは二つに一つ、何も知らないまま帰るか……
      あるいは俺と戦って終わるか……クールに考えて決めな」

               『ピキ』  『ピキ』

要するに、その二つの選択肢以外は彼にとって都合が悪いのだ。
むやみに戦う気はないという言葉は、つまり用があれば戦うという事。
戦いに――――あるいは暴力に、自信が無ければ吐けない言葉だ。

『運転手』:
「だ、大丈夫……!?」

運転手は黒峰の言葉を飲み込めないようだったが――――

『笹井』:
「…………よくわかんないけど、『空』とか『花』とかと同じ話してる? してるよね?」

笹井は――――行動を共にし、『付いて来させてきた』彼女は、
何も分からない、事情も見えないなりに『判断』することが出来た。

『笹井』:
「運転手さん、ここはほっといた方が良いよ、運転手さんは一回止めたんだし責任ないでしょ」

『運転手』:
「しかし…………」

少なくとも会話の中で運転手より妨害が入る事はないだろう。彼なりの善意や責任だとして、邪魔は邪魔だ。

315小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/12(月) 00:22:52
>>314

おそらくは若者が『兄貴』と呼んでいるのが、笹暮から聞いた『銀髪の男』なのだろう。
『レイト』というのは、三人組の『女性』の名前である可能性が高いように思える。
会話の内容から判断すると、電話の向こうにいるのは、そのどちらでもなさそうだ。
笹暮が『アリーナ』に属しているように、彼らも何かの組織あるいは集団の一員なのだろうか。
そうだとすれば、若者の通話相手も『同じ所属』だという考えが成り立つ。

今やるべきなのは、『情報を集めること』と『周知すること』。
彼らについて知ることができても、自分が知っているだけでは意味は薄い。
もし攻撃されて動けない状態になってしまえば、そこで止まってしまう。
他のツアー参加者達に、このことを伝えなければいけない。
事態に対応することができる『スタンド使い』達に、情報を知らせる必要がある。

  ――でも……。

  ――まだ……もう少し……。

ただ、まだ森からは立ち去らない。
今の段階で、可能な限りの情報は集めておきたい。
だから、『電話が終わる前』に『目』と『耳』を笹暮の近くに移動させる。
目的は、笹暮だけに『目』と『耳』の存在を気付かせること。
当然、若者には気付かれないように細心の注意を払う。

笹暮には、『スーサイド・ライフ』の『能力』を教えてある。
切り離された『目』と『耳』を見れば、こちらが『見聞き』していることが分かるはず。
笹暮が若者と会話して『他の情報』を引き出してくれれば、こちらにも把握できる。
そのような意図があることを、『目』と『耳』に気付かせることで笹暮に伝えたい。
確実性が乏しいことは承知しているが、彼の『洞察力』に賭ける。

笹暮が気付いてくれたら、すぐに『目』と『耳』を木陰か草陰に隠しておく。
その位置から、笹暮と若者のやり取りを見届ける。
これから起きることを、できるだけ確認したい。

316黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/13(火) 20:03:01
>>314
「ああ……聞きたいことはひとつと言ったのに、すみませんが……まだありました。
 ……あなたに私達を襲う理由は無いとして……『アリーナ』とやらは、どうでしょうか……?
 もしも襲われうるなら……自衛のための情報はほしいところですが……」

一応、『オールナイト・トレイン』が男と運転手の間に来るように移動しておこう。

317『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/14(水) 21:18:21
>>315(小石川)

『レイト』――――イントネーションは『毛糸』に近いもので、
下の名前だとすれば違和感がある。男性名、とは限らないだろう。
少なくとも笹暮が確認した以上、『女』がいるのは間違いないのだから、
その人物が未だ姿を見せない『女』である、と考えるのは自然な流れだ。

敵――――の、『集団』。
少なくとも3名を超える『徒党』を組んだスタンド使いが動いている。
その全てが実働を担い、襲ってくるとは限らないが、警戒は必要だ。
そう、こちらも『集団』としての警戒――小石川1人ではなく、周知による連帯。
小石川の考え方は、事態から身を守り、脱するうえで極めて『正しい』。

                    ガサ

                         ガサ…

草に擦れた耳目、特に目が、痛痒感を本体に伝える。
だがそれは――――必要経費としては安いものと言えるだろう。
電話を終えていない若者は足元にあえて注意を向けない。
笹暮の近くに――――『彼の視界』に、その位置を移すのは容易い。

『???』:
「え? あ。ハイ、『レイト』は今、そう、でェー……ハイ、
  どっちかは偵察に使うかも、って。ハイッ兄貴に了解取ってます。
   本人にも伝えてるんで、ハイ、そこは問題ないィーー、ハズです。
    予定とは、ちょっと違いますけど、レイトがどうしてもって……」

『笹暮』:
「…………!」

そして――――――

『笹暮』:
「……………………『現場判断』で『作戦』を変えたのか? ……暴力以外は『三流』だな」

『???』:
「…………ああァーーー?」

                  ギョロッ

笹暮の吐いた言葉は、『情報収集』の取っ掛かりとしては『苛烈』な響きを帯びている。
小石川の判断は間違いではないが、『情報を引き出す』という意図は正確に伝わっただろうか――――

                 ・・・彼は何か『別の役割』を己に課した、可能性もある。

>>316(黒峰)

          ドスンッ

                ドスンッ

ベッドを模した『四足獣』の巨体が、運転手の前に出る。
男はそれに警戒の構えを見せるが、それ以上の動きは無いと気づいたか、
懐に入れかけていた左手を引き、頬から垂れる汗を拭い取った。

『??』:
「フンッ、連中は『警察』の真似事をしていやがる……俺達の邪魔をしやがって……
 逆に言えば何もしないヤツには何も手を…………出さないんじゃないのか?
 俺も連中には詳しくねえ、兄貴か……それか、レイ……いやっ、これ以上はナシだ」

              「余計な口を滑らせようったって、
                そうはいかねえ……俺は既にクールだぜ」

この男は『下っ端』か何かなのだろう――――大したことは知らないと見える。
もしこの男を経由して、『真相への接近や解決を望む』のであれば―――――
兄貴とされる人物、あるいは別の仲間に引き合わせてもらうか、探すしかないだろう。
打ちのめすか、説得するか、それとも男の口の軽さに期待し、話し続けるのも良いかもしれない。

逆に、この男にまつわる問題は『警察』と称されるその組織に解決を任せてしまう選択も考えられる。
その場合、やるべきことはこの男との接触ではなく、この町から出ることになってくるだろう。

                     ・・・今、話に割って入る人間はいない。
                         黒峰の判断が今後の方針にも直結しえる。

318小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/15(木) 01:25:21
>>317

私には、スタンド使いと敵対した経験は少ない。
その中で学んだことは、何よりも『冷静さ』を欠いてはいけないということ。
彼――笹暮が、どのように解釈したのかは分からない。
もしかすると、上手く伝わらなかったのかもしれない。
しかし、それは客観的に見て大きなマイナスにはならない。

  ――笹暮さん……!

こちらの存在には、まだ気付かれていない。
つまり、『選択の権利』は未だに『こちら側』が持っていることになる。
このまま『見聞き』し続けることもできるし、途中で立ち去ることもできる。
どちらを選んだとしても、今の段階で若者から攻撃される可能性は限りなく低い。
まず状況を見守り、それが済んだ後で『若者を尾行する』か『バスに戻る』か選ぶのが無難だろう。

  ――だけど……。

ただし、ここで『笹暮を見捨てれば』――だ。
彼の挑発的な言葉に対する若者の反応を見れば、次の光景を想像することは容易い。
笹暮の行動は、あくまで『彼自身の意思』で行ったもの。
しかし、その『きっかけ』を作ったのは私自身。
どうすべきなのか――再び迷いが生じる。

  ――……。

今は、『観察』を続ける他ないだろう。
笹暮に『目』と『耳』を気付かせた『当初の目的』も、決して忘れてはいない。
第一に優先しなければいけないのは、さらなる『情報収集』。
『その後の行動』は、状況の変化を見てから判断する。
場合によっては、『第三の選択肢』を選ばなければならなくなることも考慮に入れる。

319黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/15(木) 23:14:56
>>317
(……警察の真似事……。
 そんな相手と争うこの人達は、まあ『いい人』ではないのでしょうね……『アリーナ』が正義とも、限りませんけど。
 ……この人もあまり詳しくなさそうですし、いま争っても……大した得はなさそうですね……)

「そうですか……貴重な情報、ありがとうございます……」

お礼を言い、(現時点では)敵対の意思がないことを示す。

(まだ戻ってきていないツアー客の方たちが……もし戻ってきたら、お話を伺いたいところですが……)

320『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/16(金) 19:23:08
>>318(小石川)

笹暮は今日初めて会った相手で、素性も人柄も読めない。
彼の判断に委ねた以上、状況もまた『読めない』のは必然だ。
しかし――――小石川の考えは誤ってはいない。
若い男は確実に小石川や目と耳に気づいてはいないし、
気付いたとしても『笹暮』から気をそらすのは到底無理だろう。

・・・小石川の考えが正しいのは『良い方向』だけではない。  

『笹暮』:
「ハァ……不意を打たれたときは、正直驚いたよ。
  ここの存在……あるいは俺がここに来るのを、
   俺の動きに先んじて……把握する、諜報の能力。
    ……間違いなく……『手練れ』だと思わされたし、
     ……『兄貴』とやらの『暴力』も、大したもんらしい」

『???』:
「あッあァ――……すみません、黙らせたはずのヤツが騒ぎ出しまして。
  ハイッ、アリーナのォーーーー、です。名前? は知りませんけど。
   眼鏡? や、かけてないです、スーツでもないですね。…………ハイ」

           「…………ハイッ、兄貴からも許可は」

『笹暮』:
「だが…………他は……『素人』だというのが……会話で分かった。
 ……このレベルで……『アリーナ』の裏をかけるとは思えない。
 糸を引いてる奴がいるんだろ……ゲホッ。上手く使っている……奴が」

『???』:
「…………言ったよなァーーーー余計な事すんなってよォォーーーーー」

『笹暮』:
「余計……本当にそうか? ……お前らの開く扉が決まる、ハァ……瀬戸際だぞ。
 『アリーナ』も知っての通り一枚岩じゃあないが……『3人』消す程度は、動かせる」

           「今なら…………糸を切るだけで済むかもしれない。
              俺の話には……お前にとっても価値が……あるはずだ」

笹暮は挑発的に、わずかに視線を上げる。言葉がどこまで真意かは不明だ。
対する若者の顔にはどこか鼻白むような笑みが一瞬浮かび、獰猛な表情に混ざる。

『???』:
「ハッ、『3人』ンンーーーーーーーーーー?」

             「見積りが甘ェーーーーよオッサン。
               『アリーナ』だか何だか知らねえが、
                 言ったよな、俺は兄貴ほど優しくねえし」

                        「それによォーーー、賢くもねえェェーーー」

       『ジャララララララッ』
                『ズギャ〜〜〜ン!』

    「『フレッシュ&ブラッド』ッッ!!!」


その手に発現したのは――――『銃』のスタンドだ。

リアリティーのある拳銃というより玩具の『ウォーターガン』の趣だが、陳腐さを剣呑さが塗り潰す。
その赤い銃身からは、彼のアクセサリーの如く『鎖』が伸び――――それらは僅かに蠢いているようにも見える。

>>319(黒峰)

素性は不明瞭だが・・・いきなり凍ったボトルを投げてくる男だ。
少なくとも、『清廉潔白』な善人という事はあり得ないだろう。
絶対悪なのか、状況が生んだ相対的な悪なのかは分からないし、
彼自身にそもそも善悪の自意識があるのかも見えないが・・・

『??』:
「チッ、礼なんかするな。…………お前らが妙なことをしないなら、
 これ以上待たせるわけにもいかない……俺はもうここを離れるからな。
 …………警告はした、何か余計なことをしようとするなよ!
 それに知ろうともするな……その時はあくまでクールに、やる事をやらせてもらうからな」

                「…………後を着けたりもするなよ!」

     ジリ 
          ジリ…        

あくまで『オールナイト・トレイン』を警戒した様子で、男は後ずさるように離れていく。
逃がせば再度見つけるのは困難だろうが、特に捕まえる必要がないなら、別に問題にはならない。

他のツアー客の戻りに関しては、時間も時間だし、自然に戻ってくるメンツはじきに揃うだろう。
来ないとすれば、笹井が触れていたように――――赤い空やそれにまつわる何かに巻き込まれている可能性もあるか。

321小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/17(土) 00:35:51
>>320

  ――……!

『銃』のスタンド――事前に笹暮から聞いていたヴィジョン。
基本的には『外見通り』だとしたら、離れた位置から『撃ってくる』のだろう。
『ナイフ』である『スーサイド・ライフ』にとっては、その時点で多少の辛さを感じる。
ただ、もし同時に一つの対象しか狙えないのなら『距離の差』を埋める方法はあるはず。
『スーサイド・ライフ』の『能力』なら、『的』を増やすことができる。

しかし、『能力』があるのは向こうも同じこと。
今の時点で分かるのは、『水鉄砲』、『赤』、『鎖』、『脈動』。
そして、名前に冠された『血肉』という言葉。
『水鉄砲』が『肉』だとしたら『中身』は『血』で、『鎖』は『血管』だろうか。
全体的に、どこか生々しいイメージを想起させるスタンドに思える。

  ――笹暮さん……あなたは……。

最初、若者は『ギリギリ死なない位に』と言っていた。
つまり、三人組の総意としては、積極的に笹暮の命を奪う意思はないと読み取れる。
そのつもりだったとしたら、『拘束』などしなかったはず。
それが『兄貴分』の意向なら、下にいるであろう若者が、それに反する行動に出る可能性は高くない。
笹暮を殺せば、『兄貴分』の意に背くことになるだろうから。

この若者が、挑発に乗りやすいタイプであることは何となく察しがつく。
平然とした態度を装っていても、内心の苛立ちが伝わってくる。
だからこそ、笹暮も敢えて挑戦的な態度を取っているのだろう。
そして、そういった人間は力に訴えることで問題を解決する傾向が強い。
今まさに、あの若者がしようとしているように。

  ――ごめん……なさい……。

ここで若者の前に出て、彼の行動の妨害を試みる選択肢もある。
しかし、それでは『当初の目的』が達成できなくなる。
何より、自ら身体を張ってくれている笹暮の決意を無駄にしてしまう。
さらに今の距離では、こちらが若者に何かするよりも若者が笹暮に何かする方が早い。
出て行った直後に笹暮を人質にされては、全てが水泡に帰すことになる。

引き続き観察を続ける。
何一つ見落とす訳にはいかない。
笹暮の背中を押した自分には、その責任がある。
『スタンドを出した』ということは、当然それを使うはず。
そこから、多少なりとも『能力の片鱗』を掴みたい。

322黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/19(月) 19:48:27
>>320
「……ひとまず、暴力事件は避けられたようですね……。
 ええと……この中で……まだ帰ってきてない人たちと、自由行動中に一緒に行動したり、どこへ行くとか聞いたりした人は……いますか……?」

ツアー客たちに尋ねる。

「もしも電話番号等を知っていれば……連絡してほしいところですけど……」

323『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/21(水) 09:52:17
>>321(小石川)

『???』:
「ハイッ、ほどほどに――――ほどほどに、『わからせます』」

          ジャラッ

              ジャラッ

「兄貴からも、それはやっていいと。ハイまた、掛け直し」

          「あッハイ」

                 「それじゃあ、それで。
                   失礼ィーーーーします」

鎖の垂れる銃を構え、その銃口を向けながら笹暮の周囲をうろつく若い男。
やがて彼は電話を止め、耳の高さに上げていた手を、銃身に重ねるように添える。
片手で撃つ、ようなスタンドではないという事だろうか?

     『ドクッ』    『ドクッ』                         

『???』:
「今から始めるのは『尋問』のつもりだったんだけどよォーーーー。
  気が変わったッ! ……『拷問』だッ! その意味が分かるかァーーー?」

                   『ドクンッ』

『笹暮』:
「…………『答えても答えなくても痛めつける』とでも? そん」

                 『バチャァッ』

                    「…………!?」

若い男の言葉に、あくまで挑発的に応えようとした『笹暮』の背に、その弾丸が『垂らされる』。
弾丸――――というのは語弊があるか。それは『液体』だ。赤い液体。風に乗り、嫌な臭いが伝わる。

                                 ・・・『血』だ。 

『笹暮』:
「ぐ、むッ…………」

『???』:
「答えたとしても本当とは限らねェーーからよぉ、
  ナメた口が利けなくなるまで『追い詰めて』吐かせるってんだ」

          「『フレッシュ&ブラッド』……ド派手に殺すだけが能じゃねえェーーー」

苦悶の声。あの『血』に何らかの攻撃能力があるのだろうか――――能力の『片鱗』が伺える。
そして、若い男は彼なりに『殺さない』手段をとっているであろうことも、だ。小石川の見立ては、今の所正しい。

                          ガガッ ザザーー

そしてこの『音』は・・・耳を近づけていたから聞こえる。大きな音ではない。若い男の、ジーンズのポケットから聞こえる。

324『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/21(水) 09:52:30

>>322(黒峰)

不健康そうなアフロヘアの男は、そのままバスから見える範囲から姿を消す。
最後に見えた動きはポケットから何か……『携帯電話』か『トランシーバ』のような物を出す所だ。

『矢田』:
「……い、行きましたねぇ〜〜〜。あ……あの男は一体……
 いえ、すみません、ありがとうございました、ワタシ共が何とかすべきところを」

急な事態に口をつぐんでいたバスガイドの矢田が、ようやく安堵の声を漏らす。

『運転手』:
「電話番号は、ツアーへの申し込み時点で全員分集めております……し、
 非常事態ですからそれを利用するのもやむを得ないとは思いますが……」

             チラッ

『矢田』:
「……この町、電波が極端に悪いみたいで〜〜〜ッ。電話が全然つながらないんですよぉ……」

『笹井』:
「携帯は普通につくけど、電波はずっと入らないよね。だからアプリとかも使えないもん」

仮に電波が良い場所、というのが存在して、
そこを見つけて電話を掛けたとしても、
まだ帰っていない客がそこにいるとは限らない。

『リーマン風の男』:
「直接聞いたわけじゃあないですが、確かあの……『ゴスロリ』って言うんですか?
 派手な格好をした女の人と、若い女の子たちが『商店街』を見に行くって言っていたような」

『カップルの女』:
「あの…………後ろに座ってた『不良』っぽい人たち……
 確か遊園地に行くって……声が大きかったから聞こえてたけど」

『カップルの男』:
「や、どうだったかな、その後やっぱ大きい学校が見たいとか話してた気も」

彼らを探し、連れ戻すのを目的とするなら、やはり尋ね回る事になるか。

と、そこに。

                     ――――  ザッ

『緑里』:
「…………いや〜〜〜〜〜〜すいません遅れちゃってぇ〜〜〜〜〜〜」

彼は確か、『緑里』と言った。ポンチョを羽織った男で……いつの間にか、バスの方へ歩いて来ている。
彼は今まで何処にいたのだろうか? 確か『喪服の女』と一緒にいたはずだ。その彼女の姿は見えない。

『緑里』:
「それでぇ〜〜〜〜〜っと、まだ出発する雰囲気じゃ………………あ!?」

運転手に用があるのか、何か言いかけながらこちらに近づいて来ていた彼は『黒峰』に視線を向けた時、固まった。

                      ・・・『見えている』のか? 『オールナイト・トレイン』が。

325小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/21(水) 22:58:00
>>323

現状を維持しつつ、『歪みの中』で息を潜めて観察を続ける。
何かの拍子に若者が気付く恐れもあるので、『目』と『耳』の位置は離しておく。
片方が見つかったとしても、そちらを囮にして一方を自由にするために。

  ――『拷問』……。

その言葉と同時に、『派手に殺す』という一言が『耳』に届く。
彼は、誰かを『殺した』事があるのだろうか。
そうした人間を目の当たりにしている事実を改めて感じ、緊張が高まる。

  ――赤い液体……。

  ――やはり……あれは……。

それが『血液』らしいことは、色や匂いや『血肉』という名前からも窺えた。
自傷した時に見ている、肌を伝う細い線のような血とは違うように感じられる。
量が多いせいもあるが、別の理由もあった。

  ――……。

それは、苦しむ笹暮の姿だった。
彼は、私が合図を送ったことで自らを犠牲にしている。
間接的に、私が彼を苦しめている。

  ――『音』が……?

新たな手掛かりに成り得る『音』のことは気に掛かるが、笹暮や若者の動きから『目』は離せない。
若者に近付いたとしても、『音』の正体が分かるとも思えない。
『音』には気を配るが、『歪みの外』にいる二人の様子を掴むことを最優先にするのは変わらない。

326黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/22(木) 20:37:14
>>324
(……電波が通じないから、トランシーバーということですか……。
 準備がいいですね……。
 少なくとも彼らの仲間内に……この街に詳しい人がいそうです)

と、ちょうど一人帰ってきた。

>「それでぇ〜〜〜〜〜っと、まだ出発する雰囲気じゃ………………あ!?」

「……」

とりあえず危険は去ったわけだし『オールナイト・トレイン』を解除する。
※『オールナイト・トレイン』は実体化している。

(……あの反応、『道端にベッドがあることを不思議がる』という感じではないような……?)

327『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/23(金) 21:26:19
>>325(小石川)

料理をしたことのない人間が、レシピだけ見て料理を語るとする。
……内容が正しくとも、実の伴わない、どこかあいまいなものになる。
何も気持ちの問題ではなく……受け売り以上の事が分からないなら、
どうしても話は答えを辿るだけか、冗長なものとなる。メッキはすぐに剥がれる。

…………あるいは、『暴力の世界』も同じなのかもしれない。
彼の言葉には事態への『慣れ』こそ伺えないにしても、余分がない。
舞い上がるわけでも、緊張するわけでもない。初の体験では、無いのだろう。

『笹暮』:
「っ、ぐ、ム…………た、『弾が触れた所を傷付ける』…………水鉄砲…………」

      「噂には……聞いたことが…………」

顔を上げ、事態を把握しようと…………
あるいは小石川に把握させようと努める笹暮。

         ドグッ

『笹暮』:
「ぐむッ」

『???』:
「うるせェェーーーよ、そんな話は聞いてねえ。
 聞いてるのは……てめーのお仲間の事だ。
 ここに来るのは一人って『聞いてた』のに、
 中に『妙な連中』がいるらしいからなァーーーーッ」

        「『別働隊』か」

               「『別の派閥』か?
                どっちにしてもよォー」

「知ってる事を、血反吐と一緒に全部吐いてもらわねえとなァーーー……あん?」

その頭を踏みつけて地に伏せさせ、
己の『目的』を遂行しようと……動いていたが、
尻ポケットから『音』の発生源を取り出す若い男。

            ・・・あれは、『トランシーバー』だろうか?

>>326(黒峰)

そう・・・『オールナイト・トレイン』は実体化したスタンドだ。
異様な話をする暴漢という、より強い衝撃が立ち去った今、
あるいは彼が去った上で、突然『動くベッド』が消えた今、
『それ』がいた場所と黒峰を見比べるのは緑里だけではない。
だが、笹井や運転手たちの、目をぱちくりとさせる様子とは違い……
緑里の驚き方はどこか『厄介そう』な表情を含んでいたように見えた。

『運転手』:
「え……ええ、まあ、まだ戻って来てない方が多いので。
 連絡手段もありませんし、集まって来るまではここで待つしかない、かと」

『緑里』:
「……なーるほどぉーーー、そういう事だったんですねぇー。
 いやちょうど……ホラ。『喪服』のお姉さんから伝言をね。
 落とし物をして探したいから出発を待ってくれないか、って」

「『遊園地の方の林』で『大事なハンカチ』を落としたとかでーーー」

早速一人、居場所が分かった。
しかし……伝言役を用意したとはいえ、一人で『林』などに残って探し物とは。
そのハンカチが、よほど大事なものなのだろうか? それとも・・・『何か』あるのか。

328小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/24(土) 05:55:12
>>327

  ――ごめんなさい……。

傷付けられる笹暮を前にしながら、刻々と変化する状況の把握に専念する。
それが、自分で決めたことなのだから。
頭では分かっていても、無意識の内に唇を噛んでいた。

今のところ、ヴィジョンから分かる以上の情報は少ない。
『水鉄砲』のスタンドであり、『血』のような液体を飛ばせる。
そして、当たることで何かの能力が降り掛かる。
笹暮の言葉通りなら、それはダメージをもたらす類のものだろう。
もし『ダメージの種類』を知ることができれば、大きな収穫になりうる。

笹暮が『血液』を浴びた部分を、『目』で注視する。
そこが今どのような状態になっているのか、出来る限り正確に確かめたい。
このスタンドは、『銃弾』ではなく『液体』である所に大きな意味があるように思える。

  ――あれで連絡を……?

『トランシーバー』――日常生活の中では、あまり見かけない機器だった。
主に、警備員やイベントスタッフなどが使っているイメージがある。
それが『歪みの中』との連絡用であることは、おそらく間違いないはず。
携帯電話の代わりだと考えれば、筋は通る。
『歪み』の中で携帯電話は使えないが、『トランシーバー』は使えるということだろうか。

  ――『トランシーバー』……。

『フレッシュ&ブラッド』の能力は気に掛かるが、『トランシーバー』のことも気になっていた。
推測が正しいとすれば、なぜ『トランシーバー』は使えるのか。
それが分かれば、この『世界』を理解する助けになるかもしれない。
何かしらの『条件』のようなものがあるのなら、知らないよりは知っていた方が動きやすくなる。
笹暮が浴びた『血液』を観察してから、『トランシーバー』の方に注意を移す。

329黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/25(日) 20:55:42
>>327
「その喪服の方は……林で何を……?」

緑里の様子をじぃ〜っと見ながら尋ねる。

330『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/27(火) 21:54:08
>>328(小石川)

笹暮とて、『自分で決めたこと』――――だ。
大声を出して小石川の存在をバラすことで、
矛先を自分から逸らすことも極論出来る状況だ。
彼もまた、『自分で決めて』小石川に託そうとしている。

『???』:
「…………良いところで…………いや」

       「……チッ、熱くなりすぎてるかァーー」

トランシーバーを耳に当てる若い男だが、
携帯電話を取った時に比べると急ぐ様子が無い。
連絡相手の候補に緊急性が無い、のだろうか。
あるいは単に今の状況に興が乗っているだけか。

『笹暮』:
「…………っ……!」

ひとまず、暴力の手は止まる。
しかし笹暮は苦しんでいるままに見える。
目が捉える限り・・・血が触れている箇所が『抉られ』続けている。
さながら、浴びせられた血が笹暮の体を掘り返そうとしているかのように。

『???』:
「ああッ聞こえてますッて、兄貴――――え?
 ハイ、合流はァー、もちろん忘れてないッス。 
  ああ、レイト『の』が……あーはいッ、その件今吐かせようと……ハイッ?」

       「…………いやいやッ、信用するんスかッ!?
         本人ならまだしも、『アレ』じゃ丸め込まれた可能性も……」

そして、トランシーバーの通信相手は『兄貴』なる人物のようだ。
携帯電話とその機器の顕著な違いは、通信距離が短い事。
途中に施設を介する携帯と違い、無線機はそれ自体が極小の通信施設だ。

なぜ使えるのか? 違いがあるとすれば、そこになるか――――無論特殊な条件の可能性もあるが。

>>329(黒峰)

『緑里』:
「いやぁー、普通に、なんか『森林浴』がしたいってコトでー。
 遊園地で『観覧車』乗った時に見えた……林が気になったみたいでね」

            「散歩がてら着いて行った感じで」

  「『バードウォッチング』もしつつ?」

目が泳いでいる。

「途中でーーー、なんか……気になる『鳥』がいたみたいで。
 それを追ってしばらく離れてたんですけど、その時に落としたんでしょーね……」

それに……汗一つ無かった顔に、若干の焦りが感じられる。
何か、負い目でも感じているのか。『伝言の役目』は、間違いなく果たしているのに?

         「……とりあえず『あんま見つからないなら戻って来い』とは、
          た〜しかに、しっかり言っといたんで……ねえ?
          町のすぐ近くですし、危ない事とかはなんにもない……でしょ」

森ならともかく、林だ。それも気軽に入れるような……確かに普通に考えれば、大きな危険はないはずではある。

331小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/28(水) 03:08:53
>>330

  ――ッ!

笹暮の身体が、『血』によって抉られている。
その光景を見て、驚きを隠せなかった。
ここから見る限り、彼が受けている苦痛は相当なものだろう。
だけど、『目』を逸らしてはいけない。
『全てを見届ける』ことが笹暮の望みであり、自分の目的なのだから。

  ――『レイト』……。

おそらくは三人組の一人で、『偵察』ができるような能力の持ち主。
しかし、『偵察』というキーワードだけでは能力の予測を立てることはできない。
『スーサイド・ライフ』も『偵察』を行うことができるが、それは能力の『一部』だ。
『偵察』という言葉を聞いただけでは、
『本体の身体を切断して遠隔操作するナイフ』という結論に至ることは難しい。
それと同じように、『レイト』の大部分は未だ謎に包まれている。

ただ、分かっていることもある。
若者は先程の電話で、『どちらかは偵察に使う』と言っていた。
『どちらか』という言葉は、大抵は『二つあるもの』に対して使われる。
それが『レイトのスタンド』を指しているとしたら、最低でも『二つ』ある可能性が高い。
もしかすると、もっと多いかもしれない。

トランシーバーが使える理由――少し考えて、それが理解できた。
『歪み』によって、『内側』と『外側』は切り離されている。
発信された電波は、『歪みの外』に出ることができないのだろう。
だから携帯電話は圏外になっているし、トランシーバーの使用には何の支障もない。
そして、話はそれだけではない。

彼らは、事前にトランシーバーを持ち込んでいる。
つまり、この世界の『特性』を把握した上で来ているという事になる。
他にも、何か用意している可能性はある。
あくまで偶然に迷い込んだ自分達とは違う。
『地の利』は、彼らの側にあるのかもしれない。

  ――……。

あれから、どれくらいの時間が経っただろう。
もう全員がバスに戻っているのだろうか。
これまでの会話の内容から、こちらの存在自体は既に知られていることは分かる。
問題は、『人数』まで正確に把握されているかどうか。
『人数』を知られていないなら、このまま別行動を続ける意味はある。

332黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/28(水) 20:22:45
>>330
「すぐ近く、ですか……。
 ……すみませんが、案内していただけますか?
 一人で探すより……複数人で探したほうが、効率がいいと思いますし……。
 そういうわけで……そうですね、もし30分探しても見つからなければ……一旦戻ってきます……」

スタッフに伝え、緑里に案内させることを強引に規定事項にする。

333『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/08/30(金) 01:23:58
>>331(小石川)

            『グジュッ』

                      『グジュッ』

血が肉を抉る『フレッシュ&ブラッド』――――能力の全容は掴めないが、
間違いないのは、それが放つ『血に触れるべきではない』という事だろう。

それ以上に謎めいた『レイトの能力』については、片鱗に触れる事も難しい。
使うところを見たわけではないし、そもそも『偵察の能力』なのかも不明だ。
だが、小石川の考える通り『推測』することは不可能ではない。
いずれ……それを役に立てられる時も、来るかもしれない。
スタンドの世界では『知っている』事は想像以上に大きなアドバンテージとなる。

     ・・・

           ・・・

                 ・・・

『???』:
「…………まァーーー、兄貴がそういうなら俺は何とも。
 予定には無かったトコですし。ハイ、俺は接触はしてねェーッス」

          「『俺らの目的』も――――――
            完全に把握してる奴は、『あいつ』と、
            今ここでどうとでも出来る『こいつ』だけ」

                   「の、ハズでェーす、ね。
                     レイトも、そこは喋らせないでしょ」

男はトランシーバーの通話にある程度の集中を見せており、
それは少なくとも、もうしばらくは続くように思われる。
目的という言葉も出ている以上、彼らは『笹暮』と同じく、
この空間ないし『空間の中の何か』に用があって来たのだろう。
ともかく――――何か仕掛けるなり、撤収を選ぶなり、今は良いタイミングだ。

経過した時間は、30分には満たないが――――あの時点でのバスへの帰還状況が分からない。
とはいえ、『普通の』乗客であれば・・・つまりスケジュールを守る人間は、もう戻っているはずだ。

>>332(黒峰)

『緑里』:
「えっ、案内―――――――あーいやっ、町の周辺ってだけで、
 こっからはそこそこかかるっていうか? ホラ、あの、遊園地の方で」

『笹井』:
「でもその人来ないとみんな出発出来ないじゃん。ね? 出来ないでしょ?」

『運転手』:
「………………しかし」

『笹井』:
「それにさ、ほかにもまだ戻って来てない人いるんだし、
 どっちにしてもしばらく出られないんだしさぁ。その間に探しに行く方がいいじゃん。
 でもこれ運転できるの一人だけなんだし、運転手さんが探しに行くわけにもいかないじゃん」

「だったらこの子に案内させて、あたしらで行った方が早いじゃんね。早いでしょ?」

運転手が遮りかけるが、口の早い笹井が援護射撃を入れ、二の句を飲み込ませる。
無理にでも言い終えないあたり、何か責任問題であるとか、そういう懸念だったのだろう。

『運転手』:
「……わかりました、30分、30分経ったら必ず戻って来てください。
 それと、もしほかの乗客の方にお会いしたら、早く戻ってくるようにお伝えを」

『矢田』:
「い、いいんですかぁ〜そんな…………ワタシたちでなんとかすべきなんじゃ」

『運転手』:
「…………私達はバスに残っている方々への案内や、運転の役目もありますから…………」

まだ何かと不安はある、ようだが――――スタッフサイドからの了解は得る事が出来た。
規定事項となった以上、それを跳ねのけるほどの『理由』は緑里にも無いらしく、彼は頭をかく。

『緑里』:
「……じゃ〜〜〜〜案内しますけど、そんなゾロゾロ行ってもしょーがないですし?
 そっちのお姉さんは、バスに残ってもらっていいですかねーーー?
 おれに両手に花は荷が重いと言いますか、二人エスコート出来る自信もないですし〜〜〜」

                       ヘラッ…

彼が指したのは『笹井』だ。
つまり、黒峰のみの同行を望んでいる――――軽率に浮かぶ笑みの奥の、本音は読めない。

334小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/08/30(金) 19:06:48
>>333

若者の言う『あいつ』というのが、誰を指すかは分からない。
笹暮と同じアリーナの仲間なのだろうか。
しかし、笹暮は一人で来ている様子だった。
三人組もアリーナの増援が来ることは想定していなかった。
そう考えると、アリーナとは無関係の人物という可能性も出てくる。

それ以上に、『そこはレイトも喋らせない』という一言が気に掛かる。
『レイトが喋らない』というなら自然だ。
自分達の目的を迂闊に口に出したりはしないという意味として受け取れる。
しかし、『喋らせない』というと解釈の仕方が違ってくる。
この場合、『喋らない』のは『レイト』ではないことになるからだ。

『レイト』のスタンドは、おそらく『偵察』ができる。
そして『喋らせる』ことができるし『喋らせない』こともできる。
ふと思い浮かんだのは、以前の旅行で行動を共にした少女のスタンドだった。
『フラジール・デイズ』――人間そっくりの姿を持ち、会話を交わすことも可能なスタンド。
推測するしかない今の段階では思いつきに過ぎないが、可能性の一つとして頭の隅に置いておく。

  ――……。

何か仕掛けることも考えたが、こちらの存在を気取られる可能性が高い。
危険を冒すだけの価値があるなら、試す意味はある。
しかし、今は得られた情報を持ち帰るのが最優先。
『気付かれることなく一方的に見聞きしていた』というのは、少なくない利点に繋がる。
それを代償にする程の価値は、今は薄いと判断する。

  ――笹暮さん、私は行きます。

『目』と『耳』を本体の下へ戻し、自分も森の出口へ向かって歩き出す。

                  ステルス
余計なことはせず、最後まで『隠密』に徹する。

                   パーツ
もし可能であれば、笹暮だけに『部位』の姿を見せておきたい。
それによって、こちらの『引き上げ』を知らせておく。
『目』と『耳』は、本体から8〜9mほど後方に配置して、若者が出てくる気配を監視する。

335黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/08/30(金) 20:35:53
>>333
「……ええ、私は構いません……。
 笹井さんは、バスで待っていてもらえますか」

(このきな臭い流れの中で、果たしてハンカチを探すだけで済むかは怪しいですし……。
 ……この場に留まってくれたほうが安心できますね……)

「……それでは行きましょう……」

携帯で時計を確認し、緑里の案内についていく。

336『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/01(日) 01:37:10
>>334(小石川)

若者は『小石川』という第三者の存在を知らないがゆえに、
当事者の言葉を惜しげなく使って話を続けてしまう。
それは情報を齎すが、同時に解きようのない謎をも、齎してしまう。
悪意の中に浮かぶ謎めいた人物相関――――あるいは、個々人を超えた思惑の糸。
小石川が選ぶ選択はそれを無理に断ち切る事ではなく、情報のまま持ち帰る事だ。
混迷の状況に唯一の正解は存在しない。選んだ答えから導かれる未来が、次に選ぶ今になるだけ。

『???』:
「―――――――! ――――――・・・」

                「――――――!」

耳と目を引き戻せば、声を張っているわけでもないトランシーバの会話は拾えない。
が、少なくとも若者が笹暮と同じ『外の世界』にいることは確認できているし、
出てきて後ろから近づいてくれば、接敵よりも早く認知する事が出来るだろう。

また、引き上げる際に笹暮と『目と目が合った』。
彼の首肯は苦境の中で、確信に満ちていた。

そして、森を歩く『小石川』は――――――


             ザッ

                    ザッ


――――――森の出口から、『何か』が、こちらに来る。足音が。

             ザッ

                  ザッ

一定のリズムが、その音が、距離として積み重なるように、近づいてくる。小石川と、鉢合わせかねない。

>>335(黒峰)

『笹井』:
「ん、あたしはそこまで行きたいわけでもないし、別に良いけどね」

        ヒソ

「……なんか変な事されたらすぐ戻って来ちゃいなよ。
 探し物くらい別に一人でもできるだろうしさ、
 ナンパ好きみたいな話してたじゃん、その子、最初に」

                  ヒソ

「そーいうの、心配しなくていいのかもしれないケド。
 でも、なんていうの、見えてる世界が違うとしても同じ人間だし?
 あんたもさ、アタシらとはちょっと違うっぽいけど……違わないとこのが多いでしょ?」

笹井は何も知らない人間だが、黒峰の『常人』ではない所を察してはいて、
それでも必ずどこかに残る――――少なくとも人間であるところに、案じる言葉があった。

そこから去る前に時計を確認すると、集合時間は既に過ぎているようだった。
ハンカチを探すという理由を伝えた上で来ていない女性はともかく、
学生達など、本当に姿が見えない面々はどうしているのだろう――――

          ザッ…

『緑里』:
「遊園地までフルで歩きは流石にキツいんでーーー、タクシーなり、バスなり」

             「や、バスはそんな都合よく来ないか」

「…………それともー、なんとゆーか……『自前の足』に自信あります? お姉さん」   

緑里はそのようなことを口にしながら、バスから離れ、恐らく遊園地の方角へと足を進めている。
しばらくすればバスは見えなくなるだろう。町には人通りが少なく、道も空いている。目的地まで、そう遠くはなさそうだ。

337小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/01(日) 18:30:23
>>336

振り返らずに、真っ直ぐ歩いていく。
背後に配置した『目』で、後方の様子は把握できる。
何よりも、やるべきことがあるからこそ振り返らない。

  「――……!」

足音の正体は分からない。
ただ確かなことは、『誰か』が来たということ。
そして、その『誰か』は『三人組の仲間』かもしれない。

すぐさま近くの木陰に身を隠し、姿勢を低くする。
伝言を頼んであるので、もしかすると自分を探しに来ているとも考えられる。
そうではない可能性もある以上、ここは慎重に動くことを選ぶ。

本体が身を隠すと同時に、『目』を適当な草陰に潜ませる。
近付く『誰か』に見つからないように物陰を進ませ、足音の主を確かめたい。
次の行動を判断するために、まず相手の姿を確認しておく。

もし若者の仲間なら、避けて通らなければならない。
そうでなかったとしても、大きな問題がある。
このまま先に行かせてしまうと、あの若者と対面してしまう可能性が高いからだ。

万一のために、『耳』は本体の下まで戻しておく。
当然、これも見られないように注意して行う。
まだ『接合』はしない。

338黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/02(月) 19:42:40
>>336
「はい……お気遣いありがとうございます」

笹井に礼を言い、歩き出す。

>「…………それともー、なんとゆーか……『自前の足』に自信あります? お姉さん」

「……私はあまり運動は……得意ではありません……。

 ……いえ、腹の探り合いはやめておきましょう。
 はっきり聞きます、あなたも……『スタンド使い』ですか……?」

339『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/04(水) 19:51:37
>>337(小石川)

背後の目は今の所、進展があるような様子は捉えない。
状況が急転しているわけではない、という事だろう。
そう、少なくとも『背後』については、間違いなく。

だからこそ、その『目』を自身の安全確保に用いるのは正しい判断だ。
今ここで小石川が接敵する事になれば、それこそ笹暮にとっても不本意だろう。
もっとも、勝算があるのならば話はまた変わってくるだろうが・・・

     ザッ   ザッ

            ザッ…

土を踏みしめ、近付く足音の主の姿は・・・すぐに捉える事が出来た。
パーカーのフードを深く被り、そのファッション・スタイルはどことなく、
あの若者に近い、あるいは、あの若者が近いものを持っているように見える。
そして何より・・・その手には、『トランシーバー』が見えた。

      ザッ…………

『パーカーの男』:
「ああ…………近くまで来た。一旦状況整理が必要だ。
 レイトも、呼び戻したほうが良い…………かもな」

「偶然か、連中の仕込みか…………どっちにしろ、
 妙な事が同時多発的に起きている……からな。
 現状の認識のまま『決行』するのは…………難しい」

        「仕込みだとすると最悪、時を改め……………………?」

   スッ

男は大きくもなく小さくもない、落ち着いた声で話し続けていたが・・・
ふと、立ち止まってしゃがみ込んだ。土を見る。そのパーカーから覗く髪の色は、『銀』。


「…………………………レイトも既に、こっちに来た…………のか?」


>>338(黒峰)

『緑里』:
「…………………………………………………」

     『カラカラカラ』

         『カラカラ』

軽い音が、彼の羽織るポンチョの中から聞こえた。
子どもの遊ぶ風車のような…………自然ではない音。
ヴィジョンを見せるほどは信用していない、という事か。

「それで……」

「…………………『スタンド使い』の俺に、なんかあります?
 もしあんたもそうならーーー分かるでしょ、ここは何かヤバい。
 空が赤いからとか〜、変な空間があるからとか〜、
 気になるトコも多いですし、それ以上に……妙な感じがする」

言葉に確信はない。
彼が特別な何かを知っているというわけではなく、
何かきな臭さを感じ取ったか、あるいは性格か。

「確認ですけどーーー、今から俺らは、あの喪服のお姉さんを迎えに行くだけ」

           「……そう考えていいんですよね?」

足を止めず、問いかけてきた。
もし、違う――と、そう言ったとして、すぐに何か仕掛けてくるような前触れは見えない。

340小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/04(水) 21:14:39
>>339

笹暮から聞いた話から、その男性が『兄貴分』なのは間違いない。
トランシーバーで会話している相手は、さっきの若者だろう。
そして、どうやら全員が一ヶ所に集まろうとしているようだ。

  ――『足跡』……!

おそらく、銀髪の男性が見ているのは『それ』だろう。
このまま放置していては、辺りを探されて厄介なことになりかねない。
それを妨げるために、彼の気を引く手を打つ。

まず、回収した『耳』を接合する。
そして彼が地面を見ている隙に、ポケットから『小指』を二本飛ばす。
発見されないように、木陰や草陰を介して『歪み』の方向に向かわせる。

銀髪の男性には、この場から立ち去ってもらわなければならない。
だが引き返させるのは無理だろうし、何より意味がない。
だから、彼には今すぐ前に進んでもらう。

『小指』を『歪み』の方向に送り込んだら、それぞれを『別々の物陰』に配置する。
その二つは近い場所ではなく、『二つ目』は『一つ目』の『奥側』だ。
それが完了したら、まず『手前側』の『小指』で故意に音を立てる。

銀髪の男性に、その音を気付かせる。
足跡を見つけるような注意深い人間なら、おそらく気付くだろう。
その方向に向かうように、彼の動きを誘いたい。

こちらが脱出するためには、彼の注意を一点に向けておく必要がある。
しかし、『一つ』だけでは不安が残る。
だから、『二つ』用意する。

『小指』と平行して、『目』は適宜の移動を行う。
銀髪の男性を見張りながら、本体の近くまで引き戻す。
『小指』が最優先なので、もし操作に遅れが出るようなら『目』は後回しでも構わない。

341黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/05(木) 19:08:07
>>339
「……はい。
 道すがら……情報交換をしたい、とは思いますけど……。
 つい先程、私達のもとへ……攻撃的な人物が現れました……。
 ……私達が部外者であると認識すると、それ以上何もせず立ち去ってくれましたが。
 しかし彼のような人物は……他に何人もいるようで、必ずしもこちらの言い分を聞いてくれるとは限りません……」

先程の男を思い起こしながら緑里に尋ねる。

「……喪服の方……本当に、ただハンカチを落としただけですか……?」

342『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/07(土) 03:23:24
>>340(小石川)

        スゥーー  ピタ

                       ヒューーン

耳は問題なく接合でき、飛ばした指も気づかれない。
人間の意識は一つだ。2か所を同時には意識できない。
目的を果たしながら『足跡』を隠す二重の警戒は出来なかった、
それと同じ。有能であれ生じる、当然の隙を小石川も突く。

           ガサッ


『パーカーの男』:
「…………『音』だ。『ゴウ』、お前のいる方向から妙な音がした」

      ザッ
          ザッ

「良い、俺が調べる…………お前は『犬』を見張ってろ。
 窮鼠は猫を噛む。そして手負いの犬は危険だ。
 そうじゃなくとも、増援が……来ないとも言い切れない、からな」

            ズ ズ ズ ズ ・・・

       「――――――『デストルドー』」

小指が隠れる、茂みの方向へ男は歩いていく。
その傍らに発現したのは――――『人型スタンド』だ。

         ピシッ     ピシッ  

足先から、頭の先まで、無数の『線』が入ったその姿。
継接ぎめいているが一定の法則性も感じさせ・・・

                        『バラッ』

1つ目の茂みまでの距離『5m』。
その右拳が、線に沿ってヴィジョン全体から『切り離される』。

>>341(黒峰)

『緑里』:
「…………さあ? 落としてないとは言い切れないですねー。
 確かなのは俺らは林の中に妙な『穴』を、空から見つけた。
 っと、もちろんその人は飛べませんから『観覧車』からですけどね」

              スッ

「たぶん『だから』林に行こう、って話を切り出した」

視線の先は、進行方向と一致している。
遠景に見える影は、町に入った当初にも見えた観覧車で間違いないのだろう。

「俺と違って『何かを見つけた』のかも……しれませんけどー、
 あんとき口に出してたのは『ハンカチ』のことだけ。
 俺も巻き込まれたくはないんで、『踏み込み』はしませんでしたからー」

              「結局、戻ってくることになりましたけどーーー」

無責任、と言ってもいい軽薄な口調だが、 責任があるとも言い切れない。
そもそも彼も、もちろん黒峰も、『巻き込まれた人間』――――
この町を出る事、あるいは身を守る事に繋がるか分からないことに、義務はない。

「攻撃的な人物ってのが『集団』なら、その『穴』も『赤い空』もそいつらのせい?
 その辺は何も言ってない……いや、部外者扱いしてくるってことは、言わないか〜〜〜」

                      ヒュオォォォーーー

「林まで向かう手段は……『タクシー』使いますか。俺の能力、二人で行くには向いてないんでー」

この町にもタクシーは比較的見かける。捕まえ、乗り込むと決めれば……すぐに目的地へ向かえる。

343小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/07(土) 21:43:02
>>342

  ――身体を『切り離す』スタンド……。

『デストルドー』――予想では、スタンドの一部を『線』に沿って『分割』できる能力。
笹暮を襲ったのが彼であるなら、おそらく他者に対しても可能なのだろう。
笹暮の脚が組み替えられたようになっていたのが、その裏付けになる。

  ――似ている……。

ヴィジョンの違いこそあるが、『切り離す』という点では『スーサイド・ライフ』と共通している。
そのことに対して、何か奇妙な『縁』のようなものを感じた。
これも、ある種の『引力』なのだろうか。

スタンド自体を動かさずに『右手』だけを切り離したということは、
      パーツ
分離した『部位』を遠隔操作できると考えるのが自然だろう。
自分自身にも『同じようなこと』が可能だからこそ、そういう方向に考えが働く。
その推測が間違っていなければ、次には『右手』が茂みに向かうはずだ。

  ――まずは……。

最初に、切り離された『右手』を出来る限り引き付けたい。
相手のスタンドが未知である以上、
次の瞬間には『小指』が見つかってしまうという可能性も否定できない。
右手の『動き』と『スピード』に気を配り、行動の『タイミング』を図る。

  ――それから……。

『デストルドー』の『右手』が一つ目の茂みに近付いた時を見計らい、
『第二の小指』で『二度目の音』を立てる。
ここで重要なのは、『第一の小指』が発見される前に『二度目の音』を立てることだ。

                    パーツ
その直後に――切り離している『部位』を『解除』する。

『第一の音』の奥から『第二の音』が聞こえ、その向こう側には『歪み』が存在している。
二つの物音に『時間差』を置く(>>340)ことで、彼の意識を『歪み』の方向に誘導することが狙いだ。
それによって、『歪み』の反対側である『森の出口に向かう道』を手薄にしたい。

もし本体の目で状況確認が可能なら、解除前に『目』は接合しておきたいが、困難なら止めておく。
『再生』の時間が延びるのは不安だが、
今は何よりも『タイミング』を合わせることを最優先しなければいけない。
解除した後で本体に残された片目を切り離し、物陰から銀髪の男性と『デストルドー』を警戒する。

344黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/08(日) 19:17:42
>>342
(『その人は飛べません』に『俺の能力、二人で行くには向いてない』……。
 ……一人で空を飛べるような能力……?)

「そうですね……タクシーで行きましょうか。
 ……『穴』というのは、地面に開いてるんですか……?」

タクシーを止めて向かう。

345『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/08(日) 23:57:28
>>343(小石川)

               デストルドー
似ている――――そう、『死の欲動』と称されたそのスタンドは、似ていた。
小石川の手の中の刃に、似た能力。恐らく細部や、そこに至る精神は違うのだろう。

似ているからと言って、『何をするのか』を推測することは不可能だ。
だが、似ているからこそ『何が出来るか』を推測する事は不可能ではない。

            ズ

                ズズズ
                       ズ……

浮かぶ右手が茂みへと向かってくる。想定通り。
速度は『スーサイド・ライフ』の部位とさほど変わるまい。
だからこそ距離を引き付ける事も、タイミング取りも『可能』。
目を自身に接合するのは――――これも『困難』ではない。
小石川の目論見は全てにおいて成功だ。

                  ……ザッ

『パーカーの男』:
「………………………………『音』」

     「『二度目』だ。別の位置から聞こえた……気がする。
        『一度目』の位置に拳を飛ばしたのと、ほぼ間を置かずだ。
          音源が『移動した』なら……『その間にも音がする』だろう」

              「音源は『二つある』と考えるのが自然だ。
                ……いや、『ゴウ』は動かなくていい。
                 お前を釣るための可能性も、無くはない。
                  俺を釣るためなら……それは意図が読めない。
                   それにこういうのは……やはり『確かめたい』」

音でおびき寄せ。別の茂みからも音が鳴り。鳴らした指は二本とも解除された。
確かめたところでそこには何も残らなくとも、彼は確かめざるを得ない状況を作れた。
そもそも彼には『森を出ようとし』『自分を警戒している誰か』など想像の外のはずだ。
トランシーバーによるリアルタイムの報告も、潜む小石川に『状況』を伝えてくれている。

                   ザシュンッ

そして、改めて切り離したもう片方の目で――――

『パーカーの男』:
「…………………………………」

            ザワッ

                  『バ ラララララ   ララララ』

                         『バ   ララ ララ  ララ』

「『あっけなさすぎる』」   「『動物』はここにいない………………」

浮遊する右手が入り込んだ『茂み』が、無数の『ブロック』上に分解されて崩れ去っていくのが、見える。
彼本体自身はその場から茂みに近寄ることなく、むしろ周囲を警戒している。『慎重』な性格なのだろうか。

>>344(黒峰)

能力を明かす意図は無いのだろうが、推し量れなくもない言動も垣間見える。
差し迫った危機は無いとはいえ、『危険地帯』に赴く緊張感ゆえか、曲がりなりにも協力者への油断ゆえか。
ともかくタクシーはすぐに見つかり、止まった。緑里が短く目的地を答え、渦中へと動き出す。

『緑里』:
「『空間に開いた穴』……なんてのはマンガっぽい表現ですけど、
 マジでそう表現するしかない感じ、ですかね〜。
 ああいうスタンドなのか、何かのスタンドの影響なのか。
 とりあえず『自然現象』であんな風にはならないでしょ〜〜〜って感じです」

「位置の高さの話なら、『地上』のハズですよ。おれは、近くでは見てないんでアレですけど」

道は空いており、これならば『遊園地』――――そこに隣接した『林』に着くのは本当にすぐだろう。

346小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/09(月) 03:21:54
>>345

今のところ、彼は進みも下がりもしていない。
慎重な人間を誘導することは難しいだろう。
だからといって、いつまでも留まっている訳にはいかなかった。
ここに三人が集まってしまえば、いよいよ脱出が困難になる。
彼を動かすことが出来ないならば――こちらから動く。

  ――どうか上手くいって……。

『指』が再生しきるのを待たずに、次の行動を起こす。
まず、銀髪の男性に向けている『目』を本体と接合する。
そして、『右足』と『左足』と『下半身』を切り落とす。

  ――いえ……。

           パーツ
切り離した『三つの部位』は、すぐに解除してしまう。
一つ当たりの再生時間は『40秒』――『指』と合わせて再生完了まで『160秒』を要することになる。
普通なら短く抑えるべき再生時間だが、今に限っては長い方が都合がいい。

  ――必ず成功させなければ……。

一時的に『上半身だけ』の状態になった身体から、再び『目』を抉り出す。
その視界から、引き続き銀髪の男性を警戒する。
『姿』を見られず『音』も立てなければ、見つかる可能性を極めて低く出来るはず。
もちろん単なる理屈の話であって、それを実行することは簡単ではない。
自分が今やろうとしているのは、まさしく『それ』だった。

347黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/09(月) 22:01:13
>>345
「……見えた穴は……一つですか……?」

一応、タクシーの窓から外の様子を見ておく。

348『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/11(水) 01:06:09
>>346(小石川)

           ザシュゥゥーーーーーーーーッ

               ザクッ
       ザクッ!

両足、そして下半身。
上半身を切り離した――――とも形容できるが、
下半身を解除した今は、浮かぶ上半身こそが小石川だ。

        オ

            オ  オ
                   オォォ・・・

ばらばらに崩れ去った茂みを、男はしばし眺めている。
再び切り離した目はそれを問題なく捉えている――

『パーカーの男』:
「『無い』」「いや……『虫』が立てた音にしては大きすぎた、と思う」

「もちろん風なんか吹いちゃ……いなかった。
 茂みから出たなら、やはり『その時にも音がする』
 ……荒唐無稽だが、俺達はあり得ると知っているはずだ」

               「…………『スタンドが潜んでいた可能性』がある。
                 二つの音源を考えれば、『設置する能力』か。
                  群体型か、あるいは……『俺に似ているスタンド』か」

男の視線が周囲をさまよう。小石川がいる側にも向いたが、気付かれはしていない。
彼も危険性はさておき、『いちスタンド使い』である以上『気付かせない』よう動けば問題は無い。

「だとすれば、俺を『奥にやりたい』なら……そこで待ち伏せをしている、かもな」

                 「……あるいは、別方向から不意を打ってくるか?」

          ザ…

「…………『レイト』が来るのを待つ……のが、分かりやすい解決ではあるが」

逡巡の表情を見せ、男は『デストルドー』の右手をスタンドの元に引き戻す。
再生までの時間、のこり『150秒』と僅か。地に足着いた作戦で、浮かぶ小石川はどう動く?

>>347(黒峰)

『緑里』:
「見えた範囲ではーーー、間違いないですね」

赤い町並みが窓の外を流れていく。
穴など見当たらない、調和した風景だ。

「他にあるとしてもそれを探す気なんてしませんけどーーー」

タクシー運転手はその、客観的に謎めいた会話に口を挟まない。
やがて風景は赤が薄れ始め、『遊園地』の看板が姿を見せた。

                     ・・・もうじき到着だ。

349小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/11(水) 09:28:48
>>348

『姿』を見られず『音』も立てずに、この場から離脱する。
ごく当たり前に考えれば、大きな困難を伴う行動だろう。
しかし――『スーサイド・ライフ』であれば、それを『可能』に出来る。
その準備として、『下半身』を丸ごと『取り除いた』。
さらに、残る『上半身』を『バラバラ(>>346)』に『切り刻む』。

                                     パーツ
『頭』を『本体』として、それ以外の『右腕』、『左腕』、『胴体』を『部位』として切り落とす。
『スーサイド・ライフ』は『胴体』に突き立て、浮遊が出来ない『頭』を『両腕』で抱える。
片腕だけの力では不安が残るが、『両腕』なら足りるはず。
『胴体』を先頭にして、その後ろに『頭』および『両腕』、さらに後方に『目』を配置する。
背後は『目』で警戒を払い、前方の視界は『頭』で確保する。

 パーツ
『部位』は浮遊できるが、『本体』は浮遊できない。

           パーツ
しかし、『本体』を『部位』で運べば問題はなくなる。

 パーツ
『部位』のパワーは非力なので、大きな『本体』を運ぶことは難しい。
逆に言えば、『本体』が小さくなれば運ぶことが出来る。
頭一つ分なら、おそらく十分だろう。

浮遊すれば、足音がする可能性は物理的に『ゼロ』になる。
身体を『コンパクト』にすることによって、通常なら隠れられない場所に身を潜めることも可能になる。

                                  パーツ
不安要素は、『本体』である『頭』を除いて同時に四つの『部位』を操作しなければいけないことだ。
操作に支障が生じることを防ぐため、なるべく同じ方向に進ませるようにする。
発見される恐れがある場合は、個別の物陰に隠れながら順番に進ませればいい。

銀髪の男性から遠ざかることが出来れば、当面の危険は回避できる。
そして、彼が動かないというなら、こちらから距離を離せばいい。
障害物の多い脇道を進み続け、接近されない限り発見される恐れのない『安全圏』まで逃げ切る。
そこから大きく迂回するルートで、改めて出口方面に向かうのだ。
時間は掛かるが、最終的に出口へ到達出来れば『脱出』という目的は達せられる。

350黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/11(水) 23:42:28
>>348
「穴の先がどこへ通じているのか気になりますが……。
 ……まずは合流が第一ですね」

到着するのを待つ。

351『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/12(木) 23:24:15
>>349(小石川)

               ザシュッ

                 ザシュッ

                     ザシュッ!

あまりに凄惨な光景にも映り得る自傷行為は、
小石川にとっては窮地を脱するための合理的な手段だ。
下半身という支えを失い、胴をも失った頭が地に落ちる前に、
浮遊する両腕がそれを確保し、派手な落下音を立てる事を防いだ。

       オ   オ   オ   ・ ・ ・

これで、総身の半分以上を失った。
再生までには『160秒』に加えてこれでさらに『120秒』加算され、
経過している時間も合わせて考えれば――――『4分半』ほど。

もし接敵すれば反撃は困難だが、接敵を避けるにはこの上ない策だ。
同じ操作をする分には、同時操作もそれほど苦ではない。
これまでスタンドをフル回転させてきたゆえの疲労こそ気になるが、
この局面を切り抜けるまでは問題ないだろう。狙い通り、木々の間を抜けていく。

                       オ    オ   オ    ・ ・ ・

パーカーの――――銀髪の男が、それを追ってくる様子はない。
今なおあの茂みを調査しているのか、それとも諦めて移動でもしただろうか。
小石川という『存在するかも分からない』『この場から離れる人間』を追う余裕は、
姿を残さない二重の『物音』のこともあって、彼の中には残っていないと思われる。

結論――――確かな事は、『スーサイド・ライフ』を活かし、今の状況を切り抜けたという事。
迂回しながらも木々はやがてまばらになり始め、再生まで『1分』程を残して『出口』が見えてくる。

              ブォォォーーーーーーーーーーン ・・・

――――そこに、やや遠くから聞こえてくる『車』の音。
遊園地からは少々離れているこの林に、何の用があるというのだろうか――――?

>>350(黒峰)

『緑里』:
「ですねーーー。っと、見えてきましたよ。あの林……森?
 どっちでもい〜いですけど、木が茂ってる、あそこがそうです!」

              ォォォーーーーーーーーーー ・・・

辺りに人気は無く、タクシーのエンジン音程度しか聞こえない。

「運転手さん、そろそろこの辺で止めてくださーい。
 あの辺、車道は無かったんでー。ちょっとだけ歩きますよ」

        「もう用とか全部済んでてくれたらいいんですけど〜〜〜」

言い終わるのが早いか、運転手は言葉に応えて道脇に寄り、車を止めた。
支払いは緑里がカード(誰でも契約できるランクのものだ)を取り出し、手早く済ませる。

                            ガチャッ…

『タクシー運転手』:
「……またのご利用、お待ちしております」

――――ドアが開いた。

『林』に、少なくともここから見えるような異変は無い……急ぐなら、すぐにでも着くだろう。

352小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/13(金) 01:34:58
>>351

今までにない程にスタンドを駆使し続け、精神的な疲労感を強く覚える。
しかし、森の出口は近く、追ってくる気配もない。
最後まで気は抜けないが、『目の前の危機』は脱したらしい。

  「――ふぅ……」

本体の身体を切り離すことが『スーサイド・ライフ』の能力。
とはいえ、ここまで大掛かりに全身を切り刻んだ経験はなかった。
いくらかの不安はあったものの、無事に成功させられたことに安堵の吐息が零れる。

  ――車の音……。

まず頭に浮かんだのは、『レイト』の存在だった。
三人は一ヶ所に集合しようとしているはず。
丁度ここに到着したという可能性は、時間的にも不思議はない。

  「――……」

まだ接合せず、バラバラの状態のままで木陰に隠れて様子を窺う。
誰が車から降りるのかを確かめたい。
もし『レイト』らしき人物なら、向こうが立ち去ったことを確認してから森を出る必要がある。

353黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/13(金) 21:24:05
>>351
「……ありがとうございました……」

タクシーを降りて林に向かう。

「さて、どこにいるか……。
 ……とりあえず穴へ向かいましょうか……。
 喪服の方も、おそらくそこへ向かったでしょうから……」

354『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/15(日) 06:58:57
>>352(小石川)

不安要素は幾らかあった――が、少なくとも当座は切り抜けられた。
この先にも『やるべき事』はあるかもしれないが、今を切り抜けたのは大きい。
暫定・敵である銀髪の一味が小石川というスタンド使いの存在を知らない以上、
彼らから追撃を受ける可能性は今、0に等しい。唯一の懸念は車の音の正体だったが。

        ザッ
           ザッ

               ザッ

草を踏み鳴らし、その方角から歩いてくるのは『緑里』で間違いない。
そしてもう一人……あれはバスに同乗していた女性だ。敵とは思えない。
何か話しているようだが、聞かせるような声量ではなく、まだここからでは聞こえない。

・・・こうなると、『レイト』なる人物は『まだ』ここには来ていないのだろう。或いは入れ違ったか。

>>353(黒峰)

周囲にはまるで人はいない。遠くから風に乗って、遊園地のBGMが聞こえる程に。
もっとも、軽快でポップな曲調は状況にさほど合ってはいないが・・・

        ザッ
           ザッ

               ザッ

林の周辺は緑里が言っていたように車道も何もないが、
ある程度人の手は加わっており、歩くのに支障はない。
観光客が行こう、と思い立って行ける林なのだから、
森歩きに危険が伴うような場所では勿論無いのだろう。

『緑里』:
「………………あ〜〜〜んまりヤバそうなら引き返しましょーねー。
 スタンド使いなんだしー、ヤバい一線超えるのは自己責任でしょ」

          「見捨てるってつもりは、ないですけど〜〜〜」

空間に空いていたという謎めいた『穴』は、ここからでも見えない。
とはいえ言葉に反して緑里の歩み自体には迷いはなく、方角は把握しているのだろう。
歩く先には『送電塔』のようなものの頭が見えているので、あれが目印なのかもしれない。

355黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/15(日) 22:03:19
>>354
「それはそうですが……こちらに飛び火しないとも、限りませんから……」

周囲を見回しつつ緑里についていく。

356小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/15(日) 22:34:38
>>354

近付いてくるのは『レイト』らしき人物ではなかった。
そうなると、別の問題が出てくる。
今、森の中には『例の二人』が留まっている。
森に入ると、彼らと鉢合わせしてしまう可能性が高い。
それを防ぐ必要がある。

  ――急がないと……。

ただ、身体が欠けた状態で出て行く訳はいかない。
物陰に隠れて『再生』を待つ。
残り時間は、どれくらいだろうか。
待っている間に『ハンカチ』を取り出しておきたい。
一人で残った理由は、それを捜すためということになっているのだから。

  ――もし出くわしてしまったら……。

彼らが森の中に入ることを止められなかったら。
その場合のことも考えに入れておかなければいけない。
欠損部分が再生しきった後も、『目』だけは残しておく。
全身を接合してから新たに『耳』を切り落とし、森の外へ出たい。
『スーサイド・ライフ』は脚に突き刺し、『目』と『耳』はポケットの中に移す。

357『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/16(月) 01:43:55
>>355(黒峰)

『緑里』:
「俺だけじゃなくって全員、誰にも
 『火の粉』で尻に火が付かない内に、
 おさらばしたい……とこですけど〜〜〜」

「まー……覚悟ってヤツは、しといた方が良いか……」

周囲に何ら人影などは無く、目立った物もない。
緑里も慎重な歩みでこそあるが特に足は止めず、
もうじき林の入り口へと差し掛かろうとしている。

少なくとも――――探し物を終えて、森林の外で待っていたりはしない、のか?
二人の会話に割り込む声は無い。僅かな風に草木が揺れる音くらいで、激しい音は無かった。

>>356(小石川)

再生までは――――『30秒』は必要だ。
30秒。短いようで、今は途方もなく長く感じる時間。
女性は周囲を見渡しながら、緑里は慎重ながら真っすぐ森の入り口へ。

『黒峰』:
「それはそうですが……こちらに飛び火しないとも、限りませんから……」

『緑里』:
「俺だけじゃなくって全員、誰にも
 『火の粉』で尻に火が付かない内に、
 おさらばしたい……とこですけど〜〜〜」

「まー……覚悟ってヤツは、しといた方が良いか……」

彼らの会話以外には、僅かに吹く風程度しか音を立てていなかった。
背後からの追手は無い、という事だが――――姿を現すべきか、もう少しだけ待つべきか。

                               ・・・あと『20秒』は、残っていた。

>黒峰・小石川

               ブ
                     オォォォーーーーーーーーン ・ ・ ・

――――張り詰めるような静寂に切り込むように、遠方から『エンジン音』が聞こえてきた。

358小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/16(月) 02:40:01
>>357

その場に留まって、全身の再生を待つ。
緑里と同行の女性――その二人を強引に引き止める手はないでもない。
ただ、今は『タイミング』が悪い。
この何もない森に、そう何人も人が来るとは思えない。
おそらく、ほぼ間違いなく『レイト』だろう。

  ――今は……まだ……。

まだ姿は見せない。
少なくとも、再生が終わるまでは。
このままだと、緑里達が『レイト』と接触する可能性は大きい。
トラブルを避けられるかもしれないし、そうならないかもしれない。
その時に手助けするためには、発見されていない方が都合がいいはず。

  ――少し休まないと……。

再生が完了したら身体を元に戻し、一旦『スーサイド・ライフ』を解除する。
ここまでに少しスタンドを酷使しすぎた。
いざという時に支障を来たさないように、小休止を挟んでおく。
その後で、再び『目』と『耳』を切り落とす。
分離させた二つの感覚器を密かに飛ばして、あちら側の状況を把握したい。

359黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/16(月) 22:58:21
>>357
「……大声で呼びかけたほうがいいのでしょうか……。
 私、あの人の名前知らないんですけども……」

>               ブ
>                     オォォォーーーーーーーーン ・ ・ ・

「……?
 あの音は……?」

音のする方を見る。

360『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/17(火) 23:43:31
>>358(小石川)

思考の収束に追い付くように、再生は完了した。
小休止として『スーサイド・ライフ』を解除するが、
それほどにすぐ『再発現』しては休まる実感はない。

どちらにしても、時間的制約もある。
再び感覚器を飛ばすまでは…………至っていない。
が、切り取る事は完了した。耳と目が緩やかに浮かぶ。

その間にもエンジン音は徐々に近づいて来る…………もうじき、到達するだろう。

>>359(黒峰)

『緑里』:
「このまま見当たらなきゃ、そうするしかないですよね〜〜〜多分」

「あの喪服のお姉さんは『小石川』〜〜、『文子』? さんだったかな……
 人の名前覚えんのって、あーんまり得意な方じゃ無いんですけどーーー」

            「ん?」

自信なさげに名を口に出す緑里だったが、
彼の視線も次の瞬間にはその『音』の方へと向く。

それは・・・『バイク』のようだった。
ヘルメットを被っている事と、まだ距離があるため、
正確な姿は掴めないが、線の細いシルエットは女性的だ。

・・・・・・遊園地に来たならこの道を走って来る理由はない。単に通りすがり、だろうか。

361小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/18(水) 01:18:10
>>360

音が近いということは、間もなく到着するのだろう。
ふと、自分が焦りを感じていることに気付いた。
気持ちが急いていては、失敗を犯す元にもなりかねない。

  ――……。

『目』と『耳』を戻し、『スーサイド・ライフ』を解除する。
木陰に身体を預けるようにして隠れ、様子を窺う。
見える光景から、大まかな状況は分かると思いたい。

  ――そう……落ち着かないと……。

精神を休めるために、しばらくスタンドの使用を控える方向に考えを変えた。
何か手伝いが必要になったとしても、『今すぐ』ではないはず。
それを成功させるためにも、休息は蔑ろにできない。

362黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/18(水) 21:24:05
>>360
「バイクのエンジン音……ですか……。
 乗っている人は、喪服……ではないですね、さすがに……」

一応手近な木の陰に隠れ、バイクがどこへ向かっているのか確認する。

363『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/20(金) 01:22:44
>>361(小石川)

考え通り、木の陰から普通に見るだけでも状況は窺える。
もちろん目と耳を近づけた場合に比べれば質は劣るにせよ、
小声で話す人間も、怪しい動きをする者もいないなら十分だろう。

           ――――― ・・・

精神を落ち着かせる。スタンドを完全に解除したのが久方ぶりに感じる。
発現中は気にならない程度の消耗も、無くなれば重荷の降りた心地がする。
いざというとき、今、この時間が『差』を生むことになるかもしれない。

――――そうこうしていると、緑里と女性がそそくさと木の陰に隠れた。小石川からは多少距離がある。

>>362(黒峰)

『緑里』:
「……自転車ならまだしも、バイクなら普通ロックくらいしてる。
 よっぽど強引に奪いでもしなきゃ〜ってハナシですけど、 
 喪服のお姉さん含めて……バスに乗ってたヒトが乗ってるとは思えない」

               「隠れるのは大正〜〜〜解っぽい、ですね……!」

     ガササッ
              ススッ

緊張感からか饒舌に状況を口に出す緑里と、共に木陰に隠れる。
幸いにして隠れる場所には困らず、何の注意もせず林の外から見れば発見は困難だろう。

>両者

互いには気づかず、森林との境目に比較的近い木陰に隠れる小石川と黒峰。
やがて少し離れた所にバイクが止まり、ヘルメットを投げ捨ててその『少女』が現れた。
露出は少ないが、フリルで華美に飾られたワンピース。そして首、耳、指を飾る『宝石』。

・・・バスにいた人間ではない。『現地民』なのか? それとも。

『???』:
「…………」

          キョロッ  キョロッ

                      …ゴソッ

小動物を思わせる――――あるいは演じるような動作で周囲を見渡し、懐から出したのは『トランシーバー』だ。

364小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/20(金) 14:29:47
>>363

二人が隠れてくれたことに安堵する。
ただ、疑問も生まれた。
なぜ二人は隠れたのだろう。
隠れるというのは、『危険』から逃れようとする行動だ。
つまり、『危険』があることを知っていると考えられる。

  ――……。

自分は『ハンカチを探す』としか言っていない。
それだけなら、隠れる必要はないはず。
彼らも別の場所で『危険』があることを知ったのだろうか。
緑里とは行動を共にしていたので、彼は察していたのかもしれない。
それを、同行者の女性に伝えたとも思える。

  ――もしかすると……。

あるいは、ここに来たということは『別の意味』もあるのかもしれない。
はっきり確認はしなかったが、緑里は『スタンド使い』の可能性がある。
その彼と一緒に来ている彼女も、『スタンド使い』ということは有り得る。
もし、そうだとしたら協力することができるだろう。
『誰か』の動きだけではなく、二人の様子にも出来るだけ注意しておきたい。

365黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/20(金) 23:39:47
>>363
「トランシーバー……。
 バスの方に来た男の人も……トランシーバーを持っていました。
 ……もしかしたら、仲間なのかもしれません……」

黒峰達と少女の間の距離はどれくらいだろうか?

366『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/22(日) 17:33:18
>>364(小石川)

緑里らは木の陰におり、様子の全ては窺えないが、
逆に言えば、隠れたまま木の陰から出る様子はない。
意味もなく陰に入っただけではない――――のだろう。
つまり、小石川の想像通り『察した』か『何かあって』隠れた可能性が高い。

>>365(黒峰)

『緑里』:
「見た目はカワイイ感じですけど〜〜〜、
 『スタンド使い』の仲間なら『スタンド使い』でしょーね。
 ……『バスに来た男』と、あの子。最低でも二人、か」

声を潜め、木の陰に縮こまるように様子をうかがう緑里。
黒峰とも緑里とも、目測でだが『10m』ほど距離がある。
『スタンド使い』の一味――――そう仮定しても、瞬時の攻撃は困難だろう。

>両者

           キョロッ   キョロッ

片手でトランシーバーを弄りながら辺りを見渡す少女。

        オ  オ ォ ォ ォ ・ ・ ・

風邪は緩やかだが、穏やかとは言えない空気が漂う。

『???』:
「…………」

          スッ

「……こちら『レイト』、こちら『レイト』」
 
            「『イズくん』『ゴウくん』聞こえるぅ?」

     ギュ

少女はもう片手でネックレスの『宝石』を弄びながら、森の方へと少しずつ動き始める。
スタンドの像を発現するような様子はない。もちろん、一般人の可能性もゼロじゃあない……が。

367小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/22(日) 20:21:29
>>366
黒峰PCに対するレスの内容は、位置的に小石川にも見えているでしょうか?

368黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/22(日) 23:21:15
>>366
「……しばらく、盗み聞きしましょう……。
 この状況の手がかりがあるかもしれません……」

レイトの様子を注視する。

369小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/23(月) 21:47:54
>>366

  ――『レイト』……。

『三人目』の名前が『レイト』なのは確認できた。
笹暮から聞いた話と照らし合わせると、これで『全員』が揃ったことになる。
ここから『どう動くか』を考えなくてはいけない。

  ――あれは……『ネックレス』?

スタンドのヴィジョンらしいものを見ることは出来ていない。
しかし、『ヴィジョンがないスタンド』なのかもしれない。
あるいは、実体化していて気付きにくいとも思える。

              パーツ
『スーサイド・ライフ』の『部位』も、『スタンドに干渉できる実物』だ。
多少の違いはあれど、近いものはある。

  ――……。

ひとまず、『レイト』と名乗る少女が立ち去るのを待つ。
彼女の姿が完全に見えなくなってから、二人と合流したい。
話しておくべきことは、あまりに多いのだから。

370『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/24(火) 23:45:30
>>368(黒峰)

緑里は、黙って頷く。
見ている分には気づかれる事もないだろう。

>>369(小石川)

男が二人、女が一人――――聞いていた話と合致する。
全てが『笹暮の見たまま』なら、彼女も『銃のスタンド』を使うのだろうか?
いずれにせよ、今はまだ『何か』を見せる様子はない。歩いているだけだ。

>両者

『レイト』:
「うん、今あの、来た時の林の前まで来てる〜」

       「ん〜ん、いないいない。
         その妙な連中のこととかは、
          合流してから話させるから〜」

                 カリ カリ

「二人とももう戻ってるんだよね? ん〜、レイトもすぐ行くからぁ〜」

彩られた丸い爪で、宝石の表面を撫でるようにしながら『レイト』は歩く。
歩調、声色、どちらも『緩い』――――まるで『危険』とは思えないほどに。

「えぇ? 大丈夫だよぉ〜。もし変なのがいても……頼れる『カレ』がついてるもぉん」

警戒心などもさほど強くないのか、隠れているそれぞれに気づく様子もなく、
話し声もトーンを落とさないままで『森林』の入り口に差し掛かり、そのまま道を進んでいく。
特に呼び止めたりしないのであれば、彼女が去るのにそう時間はいらない。緩いが、淀みもないのだ。

371小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/25(水) 12:22:17
>>370

少女の発言から考えられることは幾つかあった。
『話させる』という奇妙な言い回しに、
あの『宝石』が関わっているとも思える。
それとも、『宝石』を触っているのは単なる癖かもしれない。

そして、おそらくは彼女も『銃』のスタンドを持っているのだろう。
ただ、一ヶ所に『銃のスタンド』が『二つ』というのは、
気に掛かると言えば気に掛かる。
しかし、それだけなら偶然と同じレベルだ。

自分は経験が少ないが、それでも分かることはある。
『能力』というのは、明確に見えていない段階から分かるものではない。
今は『相手の能力に出来ること』を考えるより、
『自分の能力に出来ること』を優先して考えるべきだ。

    スゥゥゥ――……

先程と比べると、多少は疲れも薄れてくれただろうか。
それを願いながら、再び『スーサイド・ライフ』を発現する。
続けて『目』と『耳』を切除し、『レイト』らしき少女を密かに追いかけたい。
森の中に消えた後で、別の何かが起こるかもしれない。
射程の限界である『10m』までは、念のために観察を続けておく。

            ……チラ

別の場所に隠れている二人の様子も確かめておきたい。
彼らが動くなら、こちらも何かする必要が出てくる。
いずれにしても、『本体の視界』から少女が消えるまでは動かない。

372黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/25(水) 21:50:50
>>370
(妙な連中……対抗組織(?)のことでしょうか……?
 あるいは、私達のことかもしれませんが……)

「……彼女、なにか目的があってこの林に来たようです。
 『穴』があるのは……彼女の向かう先ですか……?
 ……小石川さんが『穴』を目指したとすれば、鉢合わせる可能性もありますが……」

小声で緑里に尋ねつつ、静かに距離をとってレイトを尾行したい。

373『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/27(金) 09:52:38
>>371(小石川)

疲労感は――――少しは解消されたように思える。
『スーサイド・ライフ』を握る手に、心に、淀みなどは幾ばくも無い。

              『ザシュッ』

切り離した目と耳を密かに――――潜ませながら飛ばせば、
ほとんど油断しているといえる『レイト』は容易に追跡可能だ。

ただ、油断しているということは『何もしない』ということだ。
森に入ってからはトランシーバーの会話もひと段落したのか、聞くのに専念しているのか、
耳の近くに当ててはいるが話すこともなく、宝石を弄るのもまばらで、何も起きたりはしない。

そして二人は…………女性のほうが木の陰から出て、『レイト』の後を尾行するように動き出した。
レイトが木陰から見た視界から消える……という、タイミングでのことだ。気付かれる可能性は低いだろう。

>>372(黒峰)

レイト、そしてあの時の男――――彼ら(?)の言葉には謎が多い。
そして行動にもだ。『小石川』は何かを知っているのだろうか――?

『緑里』:
「ええ、向かう先。この道を進んでった先、ですね〜……
 『穴』が目的かーーー、それとも『穴』は待ち合わせ場所ってだけか」

          「……ってぇ、追うんですかーーー……!?」

疑問の言葉を投げかけてこそいるが、彼も必要性は理解しているだろう。
小石川が入り口にいない以上、レイトを追うにせよ何にせよ『穴の方』へ行くのは『正しい』。

視界から遠ざかるレイトは特に後ろを振り返ったり、周囲を警戒する様子を見せる事もない。尾行は容易だろう。

374小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/27(金) 15:41:31
>>373

一般人のツアー関係者は、危険のある『紅鏡町』から一刻も早く逃がしたい。
ただ、『三人組』が集まっている今は無理だろう。
それをするのは、彼らが立ち去った後にする必要がある。
まず、『ここから出る方法があること』を伝えなければいけない。
それから機会を見て、彼らを森に連れて来るべきだろうか。

  ――でも、その前に……。

『スーサイド・ライフ』を太腿に突き刺し、『目』と『耳』は追跡を続ける。
完全に見失ってしまうまでには、多少の時間があるはず。
その間に、やっておきたいことがある。
『レイト』を追い始めた女性と接触することだ。
帽子の角度を確認し、静かに木陰から出て女性に歩み寄っていく。

  「あの……私を捜しに来て頂いたのでしょうか?」

  「――お待たせして申し訳ありません……」

謝罪の言葉と共に、深々と頭を下げる。
その手には、事前に取り出していた『ハンカチ』を持っておく。
ここに残った『表向きの理由』は、それだったからだ。
彼女がスタンド使いなら、この事態に対応するために協力し合える。
もし一般人だった場合は、彼女に危険が及ばないようにするつもりだった。

375黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/28(土) 20:55:20
>>373-374
「……他に手がかりもありませんし……」

尾行を続ける……と、まさに探していた小石川から声をかけられた。

「……!
 あ……はい、小石川さん……ですね。
 ……『ご無事』で何よりです」

376『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/09/29(日) 20:17:20
>>374(小石川)

目と耳はレイトを追うが、特筆する動きや言葉はない。
気付かれることも、ない。『10m』には既に達した。

そして……木陰から出て、やって来た二人に話しかける。

『黒峰』:
「……!
 あ……はい、小石川さん……ですね。
 ……『ご無事』で何よりです」

推測通りといったところか、『探しに来て』いたようだ。

>>375(黒峰)

合流した小石川は、まさに『何事も無い』ようだ。
喪服にいくらか、森林の草土のような汚れこそあるが、
それ以上は何もない。『何かあった』可能性はあっても、
上手く立ち回って切り抜けた…………と、言ったところか。

そして……手にはハンカチ。
探しもの、と言う『理由』は、もう解決したということだ。

>両者

一同は、森林の小径で遭遇する。レイトを名乗る少女はもう見えない位置だ。
向こうがこちらに気づくことも無いし、こちらから向こうを伺うのも、もう難しい。

・・・つまり、仕切り直せるタイミングだ。

『緑里』:
「……………いやぁ〜〜〜〜これっくらい待った内に入らないですよ!
 少なくとも、おれはね……ハンカチも見つかってよかったよかった〜。
 じゃ、そろそろ戻らないと……他の人達も戻ってる頃かも、しれないですしィー?」

開口一番、緑里が小石川にかけ、黒峰に目配せするのは、
帰還を促す言葉…………深追いを拒む言葉と言うべきか。

それに従うのも、手ではある。
事実、バスには他の乗客が戻り出している可能性はある。
時計は集合時間をそれなりに過ぎているし、戻る時間もある。

377小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/09/30(月) 13:17:53
>>375-376

『目』と『耳』は消す。
同時に『スーサイド・ライフ』も解除する。
これ以上の追跡を続けても、新しい収穫があるようには思えない。

  「……ええ、そうですね。
   わざわざ呼びに来て下さって、ありがとうございます」

『天雨』と『小角』の二人はスタンド使いであることが確定している。
最低でも、その二人には知らせておく必要があるだろう。
『三人組』が集まっている今なら、それを妨害される心配もない。

  「ご心配をお掛けしてしまったことを改めてお詫びします。
   あの……お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

気に掛かることは他にもあった。
この二人がスタンド使いなのかどうか。
緑里には可能性があったが、女性の方は関わりが少ない。

  「――『ハンカチ』をなくしてしまったもので……」

  「緑里さんからお聞きかと思いますが……」

女性が口にした『ご無事』というのは言葉通りの意味とも受け取れる。
ただ、二人は『レイト」が来た時に身を隠していた。
それを考えると、『ご無事』というのは別の意味があるように思えた。

378黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/09/30(月) 20:03:57
>>376-377
「黒峰と言います……。
 ……『ハンカチ』が見つかったことは、結構ですが……目的はそれだけですか?
 さきほど女性の向かった先に、空間に開いたような『穴』があるそうですね……」

『穴』やレイトは気になるが、しかし緑里の言う通りまずは戻るべきか。
バススタッフ達との約束もあるし。

「……まあ、それはそれとして、一度バスに戻るべきかもしれません。
 バスの皆さんも……こんな赤い空の下で待ちぼうけは、あまりしたくないでしょう……」

379『サヨナラ_エレジィ・タウン』:2019/10/02(水) 04:28:47
>>377(小石川)
>>378(黒峰)

状況を整理する二人――――小石川の考え通り、邪魔が入る余地は無い。
逆にこちらから『謎の集団』の動向を探る術もないが、問題は無いだろう。

もちろん、あまりに長時間この場にとどまり続けていれば、
森には――――恐らくだが出入口と言える出入口はここしかない以上、
奥にいるであろう彼らがここに引き返してくる可能性はあるが、
その場合も足音や話し声など、事前に察知する手段はいくらでもある。

『緑里』:
「……ま〜〜〜何があるとしてもーーー、
 この3人だけで全部やる必要もないでしょ。
 とりあえず一回、戻りましょうよ、ねぇーっ?」

単刀直入な『黒峰』の言葉に、緑里は若干顔を引きつらせるが、
バスへの帰還の流れは彼の望む所でもある。特に、異論はさしはさまれない。

「妙な連中も、いるみたいですし〜〜〜〜〜〜??」

『空間の穴』――それに対しても異論を挟まない事は、小石川には意外な反応かもしれない。

380小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/10/02(水) 16:17:24
>>378-379

  「……ええ、『穴』はありました。それについて道々お話します」

  「その他にも、お耳に入れておきたいことが幾つか……。
   お二人のおっしゃる通り、ひとまず戻りましょう」

バスに向かうため、踵を返して歩き出す。
ここに留まるつもりはなく、むしろ早く戻りたかった。
そうしなければ伝えられないのだから。
自分は残って、『三人組』を追うことも考えた。
ただ、『連絡手段がない』というマイナスが大きい。

  「今……森の中には先程の女性の仲間が集まっています。
   彼らは、『この世界を維持している男性』を捜す目的を持っていると聞きました。
   この世界そのものは、『別の力』だと……」

『赤い空』が見えているということは、
彼女も『スタンド使い』と考えていいだろう。
そうであるなら、彼女にも伝える必要がある。
そして、もう一つ気になることがあった。

  「あの……『穴』のことですが……」

  「黒峰さんは、どこで『そのこと』を?」

黒峰の口ぶりからして、
彼女自身は穴のことは知っているが見てはいないことが分かる。
他にも『穴』を見た人が、参加者の中にいたのだろうか。
それとも、この『紅鏡町』の住人から聞いたのかもしれない。
あるいは――『緑里から聞いた』か。
道すがら、そのことを確かめたい。

381黒峰 唯『オールナイト・トレイン』:2019/10/03(木) 21:01:32
>>379-380
「世界、ですか……。
 確かに、おかしな街とは思っていましたが……。
 ……『穴』は……緑里さんから聞きました」

バスへと向かう。


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