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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

1 『星見町案内板』 :2019/02/02(土) 00:04:12

             〜ご由緒〜

星見町の『鵺鳴川』沿いに存在する『パワースポット神社』。
インターネットで『S県 パワースポット』と検索してみれば、
まず『20番目』までには間違いなく表示される程度の知名度である。
ご利益は主に旅の安全、学業成就、病気平癒、安産祈願など。

境内池が『霊池』として名高い。神社名も池に由来する(池が先にあったのだ)
霊験の由緒は諸説あり『京で討たれた鵺の一部が、この池にも落ちたのだ』とか、
『転落し、水を飲んだ人間が御利益を得たのだ』といったものが比較的多く見られる。

現在は厳重に柵で囲っており、出入りが許されるのは社家をはじめ関係者のみ。
一般の参拝客に向けては、柵の前までのみを開放している。撮影などは自由。
専用のボトルに詰めての授与(300円)も行っているが、飲用の際は『煮沸』推奨。

社務所では他に御守りや、おみくじ、絵馬、御札、御朱印帳などを頒布しており、
特に『御守り』については半ばアクセサリーのようなデザインの物も多く、
神社(池)の名にちなみ『カラスとウサギ』を戯画化したストラップ型のものが人気。

---------------------------------------------------------------------------
                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││  
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
     ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││ #
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
#:『烏兎ヶ池神社』
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222 石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』 :2020/04/08(水) 23:53:34
>>221(鳥舟)
(おおっと、金色の不思議な目だ)

「なるほど、あの『霊池』には『得体の知れない』なにかがあるっちゃ、あるなぁ
 『謎の生き物の謎の力』……それが関連しているのかな?」

「たしか、ここの『霊水』買えるんだったよな?
 ボトル1つでお幾らだい?」

「あと俺らは兄弟じゃねぇよ」

223 一抹 貞世『インダルジェンス』 :2020/04/09(木) 00:08:40
>>221
「なるほど、この神社の『信仰』の元は妖怪。
 私は信じますよ。この町には変なのが沢山いますから」

「聖職者の息子として興味が有って来たわけですが他にも逸話はありませんか?」

224 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/04/09(木) 00:36:28
>>222

「あっと、これは失礼しました。早とちりでして」

まず、非礼をわびた。

「関連はあるのかもしれないし、ないのかもしれない。
 そこも『不透明』……なんちゃって、ね。
 『鵺伝説』ですからね、『分からない方がらしい』のかも」

「鵺的、なんて形容詞もあるくらいですからね」

その言葉自体、はぐらかすように『鵺的』だ。

「ああ、霊水はボトルで『300円』で授与しておりますよ!
 繰り返しますケド、飲むんでしたら『煮沸』してくださいね」

が、『授与』――――『商売っ気』は、それなりに『明快』なようだった。

>>223

「『神さま』と『妖怪』は紙一重――――
 っていうのは、きみのお家の考えとは違うかな。
 ごめんね、ボク基督教はあんまり詳しくなくって。 
 きみに失礼なこと言ってたら、ちゃんと叱ってね!」

「ボクも勉強させてもらうからさ」

宗教観の違いは『戦争』さえ生む。
鳥舟は『信じ切っちゃいない』が、
目の前の少年がどうかは分からない。

「変なの……アハハ、確かに『都市伝説』は多いよね。
 他の逸話……ん〜。ちょっと神社公式として言うには、
 眉ツバっていうかそれこそ『都市伝説』っぽくなるけど。
 『某戦国大名はこの池で体を洗ってから成りあがった』とか」

          「その手の『ご利益話』は、事欠かないよね」

225 一抹 貞世『インダルジェンス』 :2020/04/09(木) 09:52:10
>>224
「いえ、わたしは父と違う方向性の者ですよ。神も、妖怪も、ただの『都市伝説』みたいなものじゃないですか」

「そういえば、『都市伝説』と鵺って似てますよね。あやふやで無責任なところが」

私は学者ではないが教会と神社の違いは崇める神でなく、河童や悪霊などの恐怖を神格化する点だと思う。
日本三大悪霊の崇徳天皇や平将門など彼らは恐怖と紙一重の信仰を受けている。
菅原道真だけは少し影が薄い気がする。

「噂を広めるとき、人は安全な立ち位置と抜け道を先に確保するんです。危なすぎる話は遠ざけられるだけで決して広まらない」

「人間は自分が優位に立っていると思うから、無責任な噂を垂れ流せる。ただし、それが本当に安全なものかは怪しいのです」

「『都市伝説』を流す者が『きっかけ』の危険性を見極められているとは限らない」

こういった妖怪に関連する逸話が伝わる神社には祟りもセットで付いてくるものだ。
最近は勝手に心霊スポット扱いされる神社も少なくない。

「巫女さまは祟りとかに遭遇した経験はありますか? 落ちてきた鵺の正体を探ろうとしたら変な目に遭うとか」

「それはそうと霊水を買いますね。与太話を聞いてくださったお礼です」

226 石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』 :2020/04/09(木) 12:46:37
>>224
「300円ね。」
300円を渡す。

「まぁ、お守り程度に考えとくさ。水素水よりはご利益がありそうだ。」

「『鵺』ねぇ。そんなもんいるんだか、いないんだか……。
あー、実はアンタさんが『鵺』の変化(へんげ)っつーオチか?
それはそれで面白そうだな。」

227 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/04/10(金) 02:11:26
>>225

「ああ、それなら――――そうだねえ。
 『信仰』を失ったり、毀損された神さまが、
 妖怪になるなんてお話もあったりするしね。
 『いないと思えばいない』『いると思えばいる」

「まあボクは、『いる』側の人間だけどね!
 『都市伝説』や『妖怪』と神さまが違うとしたら、
 それは多くの人の『支え』になってる事だろうね」

妖怪や都市伝説は、人の想像力に支えられる存在だ。
神さまも、そうかもしれない――だが『支えてくれる存在』でもある。

「祟り? ボクは――――フフ、そうだねえ、『ある』よ。
 それこそ、その池の掃除で水の中に転落しちゃってね。
 風邪を引いたんだ……いつもより、長引いちゃったんだ。
 勝手に入ったから、きっと鵺が怒ったのかもしれない」

「どうもどうも、霊水の授与は社務所でするね。そこに、置いてるから」

>>226

「はい、はい。確かに受け取りました。
 物は後で、社務所の方で授与しますよ。
 そっちの子の分と合わせて……
 そうですね、『ちょっと珍しいお守り』くらいの、
 そういう気持ちで持っててくれれば『気楽』ですよ」 

300円を受け取り、懐に入れる。
そして、怪しい笑みを浮かべる。
 
「……ボクが鵺ならこのまま持ち逃げしちゃう、かも?
 なんてね、ボクはちゃんと人間ですんで、安心してお頼り下さい」

「ちなみに、今日はやはり『霊池』を見に来られに?」

228 <削除> :<削除>
<削除>

229 一抹 貞世『インダルジェンス』 :2020/04/10(金) 06:00:41
>>227
「聖職者の息子的にも神さまは存在していた方が人々の支えになりますから。
 それに行き場の無い方々が来てくださり助けになれます。こちらより教会はボロいですけど…」

教会に捨てられた私が生きていられるのも直接的ではないものの、神さまのお陰ではある。
どうしょうもない者たちが最後にたどり着くのが宗教なのだ。良くも悪くも。

「逆に池の掃除をしてくれたから転落した貴女は助かったのかもしれませんよ。
 神と巫女は共存共栄の関係ですし、神が簡単に姿を現れでもしたら超越性が失われます」

ふと、こういった場所に宗像さんは来ないだろうなと思った。
地獄を生きる彼には神も仏もあるまい。
夕立先輩は…どうだろうか。神頼みするより自分を鍛えてそうだ。
隣の石動先輩も池を泳ごうとするぐらいだ。
基本的にスタンド使いは神を必要としない気がする。

「うん? そういえば、鵺って姿形が分からないらしいですね。
 なぜ、昔の人たちは池に落ちてきたのが鵺だと分かったのでしょうか?」

「謎が多いですよね、鵺って。既に死んだものを知ることは叶いませんが」

池に不気味なものを感じるが『インダルジェンス』のいる私に怖いものはない。
恐ろしいのは生きるに足る価値を失うことのみだ。

230 石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』 :2020/04/10(金) 12:02:44
>>227
「ハハハ、300円で『鵺』が見れるんなら、アンタさんが『鵺』でも面白いってもんだ。」

「ああ、『霊池』を見に来たんだ。あわよくば泳いでみたかった。
 水泳大好きなんでな。
 水の加護とやらがあるんなら、見てみたいもんだ。」

231 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/04/10(金) 23:30:51
>>229

「確かに、そう言う考え方もあるかもねえ。
 神さまに報いていれば、いつか報われる。
 ボクもそうあってくれれば、良いと思うな。
 『願えば絶対叶えます』とは言えないけどさ」

そんなことはあり得ない。
どれだけ報いても返してはくれない。
『鳥舟学文』の存在がそれを示す。
答えが神の不在か、手抜きかは分からないけど。

(……願った事が支えになるなら、それでいい)

「そうだね、『姿が分からない何か』――――
 が、落ちて来た。だから『鵺』と呼んだのかもね。 
 それが何かが分かるなら、それの名前で呼ぶと思うんだ」

   U F O
「『未確認飛行物体』みたいにさ。っていうのは、神社らしくない例えかな」

>>230

「確かに、そう考えたらお買い得ですねえ。
 ま、鵺はさすがに保証できませんけども、
 『良い目』を見られるように、神さまにはお伝えしときますよ」

お伝えした結果も、保証は出来ない。
が、巫女の仕事は果たそう。
それで人々が安心できるなら。

「『水泳』ですか、なるほど…………
 とはいえ『春先』の水はまだまだ冷たいですからね、
 練習でしたら、屋内の温水プールをおすすめしますよ。
 それに、『記念』で飛び込む『水場』は『道頓堀』だけです。
 や、勿論あそこも飛び込まない方がいいでしょうけどね」

「マジメに行くと……この『霊池』にはですね、
 『水そのものにまつわる伝説』は、実はあんまりないんですよね。
 『水が暴れ出した』とか、そういうのはあんまりない。
 落ちた人にしても、飲んだ人にしても、『水』と『人』ばかり……
 そういう意味では『水泳選手』は、加護に『あやかりやすい』の、カ・モ」

232 石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』 :2020/04/11(土) 05:58:16
>>231
「多少の寒さは大丈夫ってやつだ。『鍛えてますから』。」

「加護にあやかりやすい、たぁ面白い話だ。
これはもう『お守り』に使うしかねぇな。」

※特にこれ以上、話がないようならボトルを頂いて帰ろうと思う。

233 一抹 貞世『インダルジェンス』 :2020/04/11(土) 07:44:54
>>231
「成る程、正体が分からない存在に知ってる物の名前を被せれば、それは未知ではなくなりますね」

さっきから出しっぱなしの『インダルジェンス』も音仙さんに名づけられた未知の力だ。
違和感なく受け入れているがスタンドも鵺と大差ない不思議な存在である。
最近はうっかり発現したまま買い物に出るほど生活に馴染んでしまった。

「……根掘り葉掘り聞いて怒らないのですね。私は気になる事が有ると色々聞いてしまう癖がありまして」

「神父は懺悔を聞くだけ。根本的な解決をしたくなる私は神父に向いてない」

「巫女として『理想的』な貴女を羨ましく思います。すべてを受け入れる姿勢とか」

神に仕える者としては彼女の方が上だ。
財布から五百円を取り出して支払いの準備をする。

「追加で二百円。色々聞いてしまったものですから」


>>232
「次に会った時は筋肉を触らせてくださいね」

なんとなくだが石動先輩と夕立先輩は少しスタンスが似ている。
スポーツマンとは求道者。自分の歩む道に真摯な人が多いのかもしれない。

234 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/04/11(土) 22:37:00
>>232

「ええ、是非に是非に。
 良い事があったら、思い出してください。それで、もしですけど、
 悪い事が起きちゃった時も、『お守りが効かなかったせい』にしてください」

>>233

(あ。……あんまり自然だからなんとなく、気にしてなかった。
 この子は『スタンド使い』……珍しいにせよ、居なくはないんだな)

「怒らないよ。なにせ『巫女』はね、
 『参拝者』と『神さま』を繋ぐ存在だから。
 気になる事に応えるのも『役目』なんだ」

「『解決する』わけじゃないのは、神父様と同じだけどね。
 これからも理想的な巫女でいられるように、がんばろうかな」

          スッ

『500円玉』は、この場では受け取らない。

「どうも、ありがとう――――
 200円はそうだね、『お賽銭』にしておこう!
 ただ、支払いは、社務所の方でお願いしていいかな」

>両者

「っと、すみませんね、そろそろ『お掃除』に戻らせていただきます。
 ここはおかげさまで、綺麗に使っていただいてるので、ごみもありませんし」

「社務所の方に、『御水』の『授与』の方、準備してもらっておきますね」

235 石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』 :2020/04/12(日) 03:45:35
>>233(一抹)
「やめてくれよ。俺の筋肉は見世物じゃねぇ。」

「なんつーか、水と暮らすための進化みたいなものなのさ。」

>>234
「ありがとよ、そうさせてもらうさ。」

「それじゃ、これぐらいで。サヨナラだ。」
手をヒラヒラとさせて、社務所の方へ向かう。

236 一抹 貞世『インダルジェンス』 :2020/04/12(日) 06:12:44
>>234
「我々の仕事は『解決』することじゃない。導くこと…」

「巫女さまは先輩ですからね。とても良い勉強になりました」

思わぬ場所で自分の『傲慢』に気づかされてしまった。
もっと早く出会っていればと心底思う。
これ以上は仕事の邪魔になる。手を振って社務所へと向かって行く。

>>235
「ブレない人だ。ふふっ…」

こういったストイックさには憧れる。
スタンド像を見た時に気づくべきだったか。
同じ学舎に通う者同士、再び出会うこともあるかもしれない。

237 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/25(月) 21:12:28

  ザッ ザッ ザッ
               ――――ザッ

「『烏兎ヶ池神社』――か」

鳥居を見上げ、しばし立ち止まる。
白いパンツスーツを着た背の高い女だ。
年嵩だが、居住まいには力強さがあった。

「せっかく来たんだし、『祈願』でもしていこうかねえ」

落ち着いた足取りで手水舎に向かう。
こういう場所に来ると、
自然と背筋が伸びて厳かな気分になるものだ。
神頼みする気はないが、自分に発破を掛けるには悪くない。

(アタシが子供の頃は境内で遊んだりしたもんだ)

ふと、少女時代の記憶を思い出す。
いわゆる女の子らしい遊びよりも、
男の子に混じって走り回る事が多かった。
今となっては、遠い遠い昔の話だ。

「どうも年を取ると感傷的になっちまうね」

238 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/25(月) 23:22:27
>>237

烏兎ヶ池神社――星見町に住む者なら、
知っていて何ら不思議はない名前だが……
同時に『誰もが知る』名前というわけでもない。
S県内には『三千』を超える神社が存在し、
中には全国より観光客が冷やかしに訪れるような、
極めて名高いものもある……ここはそれほどではない。

ともかく、百目鬼は足を踏み入れた。
閑散と、良く言えば『静謐』さ漂う境内だった。
少しも見当たらない『ゴミ』や『落ち葉』の類も、
その厳かな空気を引き立てる…………そして。

       ザッ…

         ザッ…

境内を箒で掃く『巫女』が、気付いて顔を上げる。

「ようこそ、お参りです」

         ペコ…

年若さを滲ませる顔立ちに、両目に灯る金色の瞳。
アシンメトリーの髪型も相まって、どこか華やかな佇まいだった。

239 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/26(火) 00:02:07
>>238

「――――ああ、どうも。最近、暑くなってきたね」

「ン…………」

軽い世間話をしながら、箒を手にした巫女に向き直る。
そして、その顔に目を留めた。
特徴的な『金色の瞳』に注意が引き付けられる。

「間違ってたら悪いんだけどねえ。
 いつだったか街で会わなかったかい?」

「『何処だかの店の前』だったような気がするよ。
 あれは確か……」

額に片手をやり、記憶の糸を手繰り寄せる。
『地下アーケード』だっただろうか。
『看板のない店』の前で言葉を交わした事を覚えている。

「――『骨董品屋』じゃなかったかねえ?」

出会ったのは一度だけだ。
だが、目の前にある『金色の瞳』は、強く印象に残っていた。
それ以外にも特徴はあるが、他の何よりも『瞳』が一番目立つ。

240 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/26(火) 01:02:23
>>239

「そうですねえ、すっかり日が落ちるのも、遅く……」

「ああっ――どうもどうも、あの時はどうもでした」
  
           スッ

巫女は箒の手を止め、百目鬼に歩み寄る。
間違いなく、『アーケード街』にいた女性だ。
レトロな印象のファッションは影も形もなく、
完全な『巫女装束』のセットを纏ってこそいるが。

「どうです、あの後アンティークに……っと、
 失礼しました、今はそういう事じゃないですね。
 ここでお会いしたって事は、今日は『ご参拝』です?」

「……あぁ、あの時は言ってませんでしたよね!」

単なる『通行人』同士での、邂逅だった。
互いの人となりはほとんど知らない。

「ボクは、この神社の『巫女』をやっている者なんです。
 季節限定のバイトとかじゃあなくって……本職で、ね」

241 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/26(火) 01:34:59
>>240

「なるほど、道理で」

「立ち姿といい所作といい『品格』がある訳だ」

『本職』――その言葉に、改めて巫女の姿を観察する。
形だけの雰囲気ならアルバイトにも出せるが、彼女は違う。
見る者に『説得力』を感じさせる力がある。

「アタシの用事は『参拝』だよ。
 『夏』に向けて、ちょっと気分を引き締めとこうかと思ってね」

「――暑くなってくると、『色々』あるからねえ」

       ザッ

一般的に、『夏』というのは最も開放的な季節だ。
そういう時期になると、人は羽目を外しがちになる。
結果として、『犯罪』も増加傾向に陥りやすい。
『風が吹けば桶屋が儲かる』ではないが、
『どういう時に犯罪が起こりやすいか』という話には諸説ある。
ただ、一笑に付す事の出来ない内容である事も確かなのだ。

「ところで、あそこは中々いい店だったよ。
 アタシの『目当ての品』はなかったけどね」

            スッ

柄杓を取り上げ、手を洗い清める。
目当ての品――すなわち、『法に反するもの』だ。
見つからなかったのは幸いだった。

242 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/26(火) 02:18:17
>>241

「お褒めに預かり、まことに光栄です。
 お姉さんも風格がおありでいらっしゃる。
 ……神社には、結構よく参られてるんですか?」

手水舎を使う姿を見て、微笑みを浮かべる。
歳を重ねても、『よく分かっていない』者は多い。
あるいはぎこちない事も……それは、何も悪くない。

が、百目鬼の作法は手慣れたものを感じた。
実際慣れているのか、堂々と芯の通った所作ゆえか。
淀みないそれを見るのは、もちろん気分が良い。

「そうですね、暑くなってきたら海開きもありますし!」

「もう少し先ですけど、お盆もありますしね。 
 それから、『夏まつり』なんかも…………
 ……っていうのはこっちの、神社の話ですケド。
 お姉さんの方も、夏場お忙しいお仕事なんですね」

盆は寺……仏教の行事と見られがちだが、
神社……神道にもルーツがあるとされる。
起源はともかく、烏兎ヶ池神社にも無縁ではないのだ。

「あぁそれは残念で……何を探してたんでしたっけ?
 あ、差し支えなければで結構ですんで!
 骨董品関係ならもしかしたら、お力になれる、かも」

骨董屋前で会った時のことを鳥舟は思い出す。
百目鬼は『何か探している』……『調べている』様子だった。覚えている。

そのことは鳥舟の中にも引っかかっていた……小さいが一つの『謎』として。

243 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/26(火) 02:54:28
>>242

「それ程でもないよ。子供の頃は良く遊びに来てたけどね」

「ここじゃあないけど、境内で『缶蹴り』とかねえ。大昔の話さ」

『お姉さん』と呼ばれるのは少々くすぐったい。
何しろ、『不惑』と呼ばれる年を十年も過ぎている。
巫女の年齢は知らないが、
彼女の両親より自分の方が年上でもおかしくない。
もっとも、礼儀としての部分が大きいだろうから、
敢えて訂正してもらおうとも思わないが。
『悪い気はしない』というのもある。

「はは、そうだねえ。夏ってのは何かと行事が多い」

「それに、つい気の緩みやすい時期でもある。
 参拝に来たのは『自分に渇を入れる』って目的もあるね」

      ガラ ガラ
             ――――チャリン

「ささやかだけど、ちょっとだけ『奮発』しとこうかねえ」

財布から『五百円玉』を取り出し、賽銭箱に滑り落とす。
賽銭とは気持ちが第一であって、金額が全てではない。
だから、これは単なる『気の持ちよう』だ。

「――――よし」

背筋を正して二度頭を下げ、二度手を打つ。
そして、最後に再び頭を下げる。
一連の流れを終えてから、やや肩の力を抜いて振り返った。

244 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/26(火) 03:08:35
>>242

「そうだね。大したもんじゃあないよ。
 強いて言うなら『ピンと来るもの』かねえ。
 『琴線に触れる』というか……」

「――説明が下手で申し訳ないね」

探していたのは、『法に触れるもの』だ。
それを説明するのは少し難しい。
話せない事ではないが、
『神社』で話すのに相応しい話題でもないだろう。

「そうだ。突然こんな事を言うのも変かもしれないんだけどねえ。
 アタシにはどんな品物が合うか教えてもらえないかい?」

「大体でいいよ。
 もしかすると、それがアタシの欲しいかもしれないしねえ。
 良かったら、何か適当に見繕ってもらえると助かるよ」

245 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/26(火) 03:12:25
>>243

「あぁ、そうだったんですね。
 昔はウチにも遊びに来る子がたくさんいたと、
 おと…………父や祖父から聞いた事がありますよ。
 最近も、まあ、いないわけじゃないんですケド」

(池の水を全部抜きに来た子とかいるし、ね)

少なくとも今、境内に子供の姿はない。
単にここのアクセスが良くないのもあるだろうし、
集まらなくても遊べる手段が増えたのもあるのだろう。

「あぁ、たしかにボクも夏はダレてしまいますね。
 自分に喝、ストイックでカッコいい考え方です」

参拝の様子は、静かに見守っておく。
賽銭の量も……内心はともかく口にはしない。
少なければ悪い、というわけではないからだ。
『一円』でも『ご縁』でも、『一万円』……
もちろん多ければありがたいという部分はあるが。

「…………ようお参りでした」

お参りを終えた百目鬼に、小さく、緩やかに頭を下げる。

246 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/26(火) 03:20:05
>>244

「いえ、なんとなく、わかりますよ。
 ボクも『これ!』って決めて店に入らずに、
 なんとなく、そう、琴線に触れたものを買う。
 そういう事って、よくありますからね……」

『衝動買い』と紙一重だ。
何かを買う、と決めてはいるにしても。

「お姉さんに似合うモノ、ですか。それはそれは大役を。
 そうですねえ……やはり『実用品』が良いでしょう。
 古いだけじゃなく、古いからこその『味』が出る」

「うーん…………」

少し考え込んだあと、鳥舟は小さく手を打った。

「ご自宅で本とか、読まれます?
 もし読まれるなら……『ライト』なんてどうですか?
 卓上灯……いいですよォ、アンティークの『光源』は。
 光の色とかね、普通の電灯とは違った味がありますよ」

「ま、一口にライトと言っても和風洋風北欧風、
 色々ありますけども……そのあたり、お好みとかは?」

247 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/26(火) 03:40:00
>>246

「ははあ、『ライト』ね。そりゃあいい」

「――気に入ったよ」

口元に薄っすらと笑みを浮かべる。
『光』という言葉が、己の『精神』――『能力』を思い起こさせた。
偶然だとしても面白い一致だ。
あるいは、彼女の『洞察力』は相当なものなのだろうか。
それは流石に考え過ぎかもしれないが。

「……『日本的』な奴、かねえ。その中だと」

「そうそう、『小百合』っていうのがアタシの名前だよ。
 『小さい百合』って書いて『小百合』さ。
 はは、あんまり似合わない名前だけどねえ」

「でも、まぁ――何かの参考になると嬉しいよ」

『苗字』を言わなかったのは、嫌いだからではない。
親から貰った名には誇りを持っている。
ただ、少々『可愛げ』に欠けるのも事実だ。

248 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/26(火) 04:07:01
>>247

実際、鳥舟は『百目鬼』の人となりに詳しくない。
ライトを選んだのはその滲み出る『正しさ』ゆえか、
『参拝の知識』などから『読書家』を想像したか、
単に鳥舟が好みのものを紹介しただけか、
それくらいの『偶然』に過ぎないとも言えるが――

――『スタンド使いは惹かれ合う』もの。
無意識の『運命』もあったのかもしれない。

「ははあ、『サユリ』……『小百合』さんですね。
 いえいえ、綺麗でロマンチックな良いお名前です」

           ニコ…

「『和風』のアンティークライトには、
 花の模様をあしらったものも多いですし、 
 小百合さんに似合うかもしれませんねえ。
 お名前からの連想で、浅い考えですケド」

とはいえ名前のイメージは大事だ、とも思う。
それが全てではないが、意味はある。

「あぁ、そうだ、ボクの自己紹介もしておきましょう。
 アーケードで会ってここでも会った、ご縁もありそうですしね!
 ボク、『学文(まあや)』って言います。『学ぶ』に『文章』の『文』でマーヤ」

「アヤちゃんでも、マーくんでも、学文さんでも、お好きに呼んでくださいね」

249 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/05/26(火) 04:30:55
>>248

「なるほどね。いやぁ、お蔭様で勉強になったよ」

「言われてみると、自分に合ってるような気がするしねえ。
 もし良さそうなのが見つかったら、報告させて貰うよ」

「学文さん――どうもありがとうねえ」

親しい仲なら砕けた呼び方もするが、まだ知り合ったばかりだ。
あまり馴れ馴れしい態度を取る訳にもいかない。
関係ない事だが、自分に『娘』がいたとしたら、
これくらいの年だったのだろうかと思う。
自分に結婚歴はないし、子供もいない。
我ながら『親不孝』も甚だしいが、『今更』だ。

    ザッ

「さてと……『渇』も入れたし、
 『目当ての品』でも探しに行くとするかね。また来るよ」

「――それじゃあねえ」

                 ザッ ザッ ザッ

片手をひらひらと振って、境内を歩き出す。
『目当ての品』は『二つ』ある。
『アンティークライト』と『犯罪』だ。

250 鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』 :2020/05/26(火) 13:35:50
>>249

「ええ、それじゃあまた、小百合さん。
 いつでもいらしてくださいね。
 ご参拝でも、そうでなくとも」

親子程に歳が離れていても『趣味』は共有出来る。
去る背中に手を振り、しばらくすると、掃除に戻った。

251 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/28(火) 21:45:16

    ザッ ザッ ザッ

白いパンツスーツの女が、ぶらぶらと境内を歩いている。
煙草を咥えているが、火は付いていない。
片手には紙袋を下げていた。

252 『烏兎ヶ池神社』 :2020/07/29(水) 01:31:01
>>251

未だ湿気の絶えない夏の境内に、
『巫女』の姿は見当たらないようだ。
他の誰か(>>253)は、いるかもしれない――――

253 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/29(水) 18:04:35

「『また今度』にしとくかねえ」

別に急ぐ用事でもない。
踵を返して池に向かう。
この神社の起こりになっている『烏兎ヶ池』だ。

「『鰯の頭』なんて言う気はないけど、
 『神秘的な力が宿ってる』と聞くと、
 それが本当に思えてくるから不思議なもんだ」

「『神秘的な力』ね……」

自分で言ってみて、妙な気分になった。
この池が『スタンドと関わっている』という可能性を考えたのだ。
頭に浮かんだ思い付きを、即座に打ち消す。

「ハ――――そんな訳ないさ」

254 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/30(木) 20:16:15
>>253
   カシャッ
          カシャッ

静謐な雰囲気を纏う『烏兎ヶ池』
その神聖な空気を無造作に引き裂くような『シャッター音』が不規則に響く

音の方向を見ると勤め人風のスーツを着た壮年の男性が目につくだろう
スマホを手に持ち、カメラの角度を変えながら、何度も池の撮影を行っている

「う――――ん・・・・この角度よりもこっちの方が・・・・
 いやいや、この方向の方が『何か出そう』な雰囲気が・・・・・あっ」

      パシャッ


歩きながらカメラの方向を変えていたせいか、百目鬼の姿に気が付かなかったようだ
カメラの向きを変えた拍子に思い切り百目鬼の姿を映す角度で写真を撮ってしまった


「あー・・・・これは失礼しました」


バツの悪そうな顔を浮かべる・・・・

255 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/30(木) 21:12:33
>>254

「ん…………?」

「いやいや、気にしなくってもいいよ」

           ザッ

「ここの巫女さんなら絵になったろうけど、
 こんな年増が写っちまってアタシこそ申し訳ないねえ」

軽く笑いながら男に向き直り、一歩近付く。
本人が言うように、女は三刀屋よりも年嵩だった。
外見から窺える年齢は、四十台の前半か半ば程度だろうか。

「アンタが言うように、確かに『何か出そう』ではあるね。
 『季節柄』って事もある。
 さて、『鬼』が出るか『蛇』が出るか……」

「――ハハ、まぁ『毒蛇』が出ないなら一安心だ」

池を取り囲む林を見回し、冗談交じりに呟く。
ひょっとすると、小さな蛇くらいはいるかもしれない。
少なくとも、今は特に生き物らしき影は見えなかった。

256 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/30(木) 21:37:10
>>255
「いえいえ、僕の方こそ『取材』に夢中になっていて不注意でした、すいません」

と、言いながら、スマホに撮影された百目鬼の写真を見せ、目の前で消す
肖像権を侵害する気はなかったという意思の表れだろうか
ふと、本日撮影したであろう写真がカメラロールの中に見える
同じような『烏兎ヶ池』の写真だが、少しずつ角度を変えながら何枚・・・何十枚と撮られている

ただの観光客というわけではなさそうだ


「ハハハ・・・『毒蛇』とは穏やかじゃない話ですね
 待ってくれ・・・『蛇』・・・・『鬼』・・・・『毒』・・・・いや?」

『毒蛇』という言葉を聞いて一瞬だけ冷っとした表情を浮かべるも
すぐに何かを思い浮かべ考えこむ様子でぶつぶつと呟いている

そして・・・不意に顔を上げると百目鬼に向かってこう言った

「あー・・・・ とても『変な』質問をするようで申し訳ないのですが・・・
 もし・・・・もしも、あなたが『悪い奴』と戦っているとして、
 この池で『何かヤバイもの』が出てくるとしたら・・・・・・・『何が』出てくると思います?」

257 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/30(木) 21:56:27
>>256

「おやおや――――そりゃあ、本当に『妙な質問』だね」

        フッ

「さて、どうだろうねぇ…………。
 『烏兎ヶ池神社』の『大元』を知ってるかい?
 大昔、この池の中に『鵺』が落ちたそうだよ」

水面に視線を落とし、腕を組む。
一見した所、何の変哲もない普通の池だ。
しかし、神社の敷地内に存在する事で、
何かしらの力があるようにも感じられる。

「いつの間にか『不思議な力がある』とかいう話が広まって、
 この神社が出来たって話さ。
 『巫女さん』が見当たらないんで、
 代わりに説明させて貰ったけど、間違ってたらごめんよ」

「――――もしかすると、その『鵺』が出てくるかもしれないねえ」

258 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/30(木) 22:19:56
>>257
「ふむふむ・・・なるほど『ぬえ』がですか
 『鵺』というと・・・確か、京都で帝の御所を飛び回っていた変な生き物、でしたっけ?
 京都はこの町から結構遠いのに、同じネタの『話』があるというのは確かに面白いですね」

百目鬼の視線に従い、池を見る
カメラのシャッター音が消えたことで周囲には静謐な空気が戻っている
この雰囲気なら・・・・確かに『何か』が出てきてもおかしくはない


「いやいや、ありがとうございます
やはり、詳しい方のお話を聞くと違いますね」

「あぁ、突然妙な質問をしてすいません
実は僕は漫画の編集者をやっておりましてね、ネタ探しを兼ねて取材に来たんですよ
いや〜、ハハハ、『敵のボスが出てきそうなヤバイトコロの資料』が欲しいとか急に言われても困りますよねぇ〜」

苦笑を浮かばせながら語る

259 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/30(木) 22:42:50
>>258

「ま、『化け物』の類ってのは色んな場所にいるからね。
 おっと、化け物なんて言っちゃあ、ここの『神様』に失礼か」

「へえ、それで『取材』ね。
 そういう仕事には詳しくないけど、ご苦労さんだねえ」

「――――で、『資料集め』は上手くいきそうかい?
 何なら、アタシを『資料の足し』にしてくれてもいいよ。
 話くらいなら付き合うからさ」

「せっかくだから名乗っとこうか。
 アタシは『小百合』って名前さ。
 『警備』の仕事をやってるよ」

『白百合』を象ったイヤリングが揺れる。
ベリーショートの黒髪に、180cm近い長身。
女っ気が欠片もない姿の中で、
唯一『女らしさ』の垣間見える部分だった。

「ずっと『アンタ』って呼ぶのも何だねぇ……。
 良かったら名前を聞かせて貰えないかい?」

260 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/30(木) 22:59:19
>>259
「僕の名前は『三刀屋(みとや)』と言います
僕としてはどちらかというと『化け物』がいてくれた方が楽なんですけどねぇ・・・ハハハ、なんて」

『化け物』の話に冗談交じりな口調で相槌を打つ

「『警備』のお仕事・・・それはまた大変そうですねぇ
失礼ながら女性の方の場合、危険な事も多いでしょう
いや、しかし・・・・確かにお話を聞かせていただけたら参考になりそうですね」

スマホの画面を操作して『メモ』を開く
白紙のページに一言、『警備』の文字をタイトルとして入れた


「『警備』の仕事をされていて出会った中で、『一番悪い奴』ってどんな人ですか?
・・・・・あッ! も、勿論、言える範囲の中で結構ですから!
聞いたら奴らは問答無用で『ブッ殺していい奴リスト』に入れられるようなやべぇ話は大丈夫ですからね! ・・・ハハ」

261 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/30(木) 23:38:40
>>260

「えらく物騒だね。そういう話の方が『資料』にはなるか。
 そんな大層なネタを提供できるかは保証しないけどねえ」

それから片方の目を閉じ、考える体勢に入る。
今の仕事は、昔のように、
『凶悪な人間』に出会う回数は少ない。
だが、それでも全く機会がない訳でもなかった。

「『悪い奴』――――色々あるけど、
 分かりやすいのは『盗み』だろうね。
 コッソリやるのもいれば、腕尽くで来るのもいる」

「まぁ、『対応』は同じだよ。捕まえて引きずっていくのさ」

「現行犯なら『傷害』や『放火』、
 『器物損壊』なんかがあるかねえ。
 たまに頭のネジが外れた連中もいて、
 面白半分でやってる事もある」

「でもねぇ、本当は『悪事』に『一番』も『二番』もないのさ。
 『ちょっとだけならやっていい』ってもんじゃあないからね」

「ただ、強いて言うなら、『殺し』をする奴が『一番悪い』。
 頭のネジが外れた奴だと、尚更タチが悪い」

「――――もちろん、
 そんなイカれたのは滅多に見ないけどねえ」

262 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/31(金) 00:03:45
>>261
   スッスッス
         スゥ――ッ

「なるほど、やはり『リアルな悪』はそんな感じになりますか」

スマホの画面をなぞりながら文章を打ち込んでいく
貴重な話だ 内容を包括的にまとめていく

「確かに貴重なお話ですが・・・・漫画の敵として考えると少し・・・・小市民的な感じですね
ああ、勿論こういう犯罪を馬鹿にしているわけではないのですけどねぇ
ただ、僕としてはもっとこうエキセントリックな・・・」

図々しい話だな、と自覚はしているが、口から出てしまう
より『面白く』、より『刺激的な』内容を求めてしまう

>「ただ、強いて言うなら、『殺し』をする奴が『一番悪い』。
> 頭のネジが外れた奴だと、尚更タチが悪い」

「へぇ・・・確かによくよく『漫画のネタ』になりますね・・・・その手のサイコ野郎は
 まあ、その辺で見かけるようになっちゃあ治安の終わりですがねぇ・・ハハ
 ちなみに、そんな『イカれた奴』に遭遇した事は・・・・?」

―――さらに一歩、踏み込む。
池の周りはほんとうに静かだ 時折、魚が水面に顔を出す

263 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/31(金) 00:26:03
>>262

「ハハ、そりゃあそうだ。
 世の中まともなのに越した事はないからね」

       カキンッ
              シボッ

おもむろにライターを取り出して親指で蓋を跳ね上げ、
煙草に火を付ける。
あちこちに傷がある年季の入ったライターだ。
口から煙を細く吐き出し、
その行く末をぼんやりと見上げていた。

「ええと……何の話だったかねえ……。
 年を取ると忘れっぽくなるもんでね」

「あぁ、さっき言った通りだよ」

「――――そんなのは『滅多に』見ないさ」

滅多に見ない。
つまり、『見た事がある』という意味だ。
深く語るつもりはないらしく、そこで言葉を区切った。

「おっと……つい無意識に火を付けちまったよ。
 良くないねえ。こんな『神聖な場所』で」

指の間に挟んだ煙草を持ち上げて笑う。
誤魔化そうとしているのかもしれなかった。
さらに突っ込むかどうかは三刀屋次第だが。

264 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/31(金) 00:49:41
>>263

「・・・・えぇ それはまあ、確かに『滅多に』見る事なんてないですね
ハハハ、ちょっと突っ込み過ぎた質問でしたね、忘れてください」

雰囲気の変化を察する
思った以上に『強固』である事を感じ、誤魔化すように笑いを浮かべる
へらへらとした力の抜ける笑いを

「いやしかし・・・・」

指先で四角形に『枠』を作りながら百目鬼を見る


「これはなかなか『画』になる光景ですねぇ
『熟達の戦士が聖なる場所に佇む』ようで・・・・なんというか、そう
 漫画で言えば『師匠枠キャラ』の大物感って感じの・・・そうか!」

何かを、閃いたように目を大きく開ける


「何も強大な『悪』が全てではないか
 主人公の師匠が裏切れば、それだけでかなりショッキングな展開になる
 あー・・・でもマーケティング的には不味いかな・・・・」

265 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/31(金) 01:23:03
>>264

「いやいや、そんなに偉いもんじゃないよ。
 褒めて貰って悪いけどね」

「でも、まぁ『参考』になったんなら良かったよ」

指先で形作られた『枠』越しに、
煙草の先端を三刀屋に向ける。
形式的な謙遜ではない。
決して驕らず常に『謙虚』である事が、
自分にとってのポリシーなのだ。

「ははぁ、漫画の話に関しちゃ素人だけど、
 そりゃあ確かに『ショッキング』ではあるだろうねえ」

頷きながら相槌を打つ。
実際、この手の話は全く分からない世界だ。
そういう意味では、ある種の新鮮さを感じてもいた。

「アタシにも『目標にしている人間』がいたからさ。
 その相手に裏切られた経験がある訳じゃあないけどね」

「いや――――」

「むしろ、アタシの方が『裏切ってる』かもねぇ…………」

266 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/31(金) 17:54:19
>>265
「へぇ・・・『裏切り』・・・・ですか
フィクションの中ではよくある話ですが、リアルでそういうのがあると・・・・
なかなか穏やかじゃあない話ですね」

裏切りの話というのはなかなかに興味をそそる内容だ
本音を言えば根掘り葉掘り聞いてみたい話だが・・・・先ほど『踏み込み過ぎた』ばかりだ


「・・・・・・・。」


一旦、口を閉ざす。
神社の静かな空気に任せ、話してくれるなら聞くという態度を示す
周囲の木々からは次第にカナカナという虫の声が聞こえてきた

267 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/31(金) 19:26:51
>>266

「ハハ――――いや、別に深刻な話じゃあないのさ。
 『目標にしていた人間』っていうのはアタシの『親父』でね。
 七十過ぎの頑固ジジイだよ。
 勿論とっくに引退してるけど、昔は『警官』だったんだ」

柔らかい笑みを浮かべながら、片手をヒラヒラと振る。
言葉に過去形が混じっているが、
既に『故人』という訳でもなかった。
もっとも、年が年なので、
いついなくなったとしても不思議はないが。

「良く言えば正義感の強い、悪く言えば堅物の男でねえ。
 何だかんだでアタシも影響を受けたって訳さ。
 体を張った仕事をしてるのも、そのせいだよ」

父親は、かつて『鬼』と呼ばれた刑事だった。
そして、いつしか自分も『鬼の小百合』と呼ばれていた。
刑事になったばかりの頃は、
古株達から『鬼娘』と呼ばれた事もあった。

「ただ、結局ずうっと『独り身』のままだったからねえ。
 孫の顔も見せてやれないなんて『親不孝な娘』だと、
 この年になってみると感じるんだよ。
 『期待を裏切っちまった』――――ってね」

「ま、『男運』がなかったからね。
 長いこと男所帯の中にいるってのに、
 これっぽっちも男が寄り付きゃしない。
 むしろ避けられたりしてねぇ」

全ては過去の話だ。
今の自分は、民間の警備会社に属する一員でしかない。
『自主的な活動』を行っている事以外は。

「ハハハ、そういう事さ。
 つまんない話をしちまって悪かったね」

268 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/31(金) 20:12:18
>>267
「『警官』のお父さんですか、さぞかし御立派な方だったのでしょうねぇ」

百目鬼の半生を聞き、ぽつりと呟く
面白さの方向性としては、求めていたものとは違うかもしれないが、
それはそれとして、興味を惹かれる内容だ

「それにしても・・・・ハハハ・・・僕自身、身につまされる話ですねぇ
この歳まで独り身でいると、それなりに罪悪感もありますから
ありがとうございます、直接ネタにするわけにはいきませんが、参考になりました」

269 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/31(金) 20:58:02
>>268

「なぁに、三刀屋さんぐらいなら『まだまだ』いけるよ。
 近頃は結婚年齢が上がってるって聞くし、
 胸を張って生きてりゃ、その内いい人が見つかるさ」

「アタシは、もう諦めたけどね。ハハハ」

肩を竦めて笑う。
仕事ばかりしてきて、気付いたら年を食っていた。
『今更』という所だろう。

「さてと、そろそろ引き上げるとするかねぇ。
 三刀屋さん――アンタと話せて楽しかったよ」

「そうそう、アタシの『名刺』でも渡しとこうか。
 何かしらネタの足しにでもなるといいんだけどね」

           スッ

懐から名刺入れを取り出し、その中の一枚を差し出す。
装飾の少ないシンプルな名刺だ。
連絡先と共に、以下のような文面が記載されていた。

    『 大門総合警備保障

            主任指導官

                百目鬼小百合 』

270 三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』 :2020/07/31(金) 21:28:46
>>269
「お互い、ですよ 百目鬼さん」

顔を合わせて、苦笑いを浮かべる

>「そうそう、アタシの『名刺』でも渡しとこうか。
> 何かしらネタの足しにでもなるといいんだけどね」

「そうですねぇ、また面白い話があれば聞かせてください
 『本物の現場』にいる方の意見というのはやはり貴重ですからね」

百目鬼が取り出した名刺を一瞥し、こちらも名刺入れから一枚を取り出す
エンタメを扱う会社という割には意外なほどにシンプルなデザインだ
一か所だけ、端の方にデフォルメされたキャラの顔が描かれている

中心には三刀屋 路行の名前がフルネームで記載されている

「では、また何かありましたら」


最後に一言、そう言うと三刀屋は神社から離れていった
静かな池のほとりには百目鬼だけが残った

271 百目鬼小百合『ライトパス』 :2020/07/31(金) 22:15:18
>>270

「ハハハ、お世辞でも嬉しいよ。これでも一応『女』だからさ」

「それじゃ、またねぇ」

三刀屋を見送った後、『烏兎ヶ池』に視線を落とす。
もしかすると、何かがあるのかもしれない。
今はなくとも、昔はあったのかもしれない。

「『鬼』が出るか、『蛇』が出るか――――」

         ザッ

「――――それとも『鵺』でも出るのかねえ」

やがて烏兎ヶ池に背を向け、静かに歩き出す。
その背中越しに、紫煙が緩やかに立ち昇っていた。
『池』は、黙して語らず――――。


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