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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

174美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/09/06(金) 21:19:42
>>173

「あれは……『オナガガモ』かな?尾が長いでしょう。
 個人的な事ですけど、私は『バードウォッチング』が趣味なので」

「これはこれで風情があるんじゃないかしら。
 それに、『鴨』も訪れるくらい居心地の良い場所なの『かも』――――」

「えっと…………今のはシャレじゃないですよ。
 なぁんて言ったら、ホントにシャレで言ったみたいになっちゃいますねえ」

       アハハ

『烏兎ヶ池』に近付いて、しばし水面を眺める。
こうして見ると、普通の池だ。
そこまで珍しいものを期待していたという訳ではないので、別に不満もない。
ただ、神社に付随した池という所にはミステリアスなものを感じた。
『池が先』だという話だが、林の中の池というのも、それなりに神秘的ではある。

「『烏兎ヶ池』――堪能させて頂きました。満足です。お陰様で」

「『イヤな事は忘れて新しい自分で頑張ろう!』って気になれましたよ。
 案内してもらって、ありがとうございました」

お参りは済ませたし、見るべきものは見た。
帰るために踵を返して、足を踏み出す。
その途中でスタジャンのポケットを探り、再び振り返る。

「――――私は、こういう者でして」

名刺入れから取り出した名刺を、巫女に差し出す。

    【 Electric Canary Garden
      
           パーソナリティー:美作くるみ 】

氏名の片隅に、『コンセントの生えた小鳥』のイラストが添えられている。

「今日はプライベートで来ただけなので、
 取材とか宣伝って訳じゃないんですけど、一応ご挨拶という事で。
 神社じゃなく、案内してくれた貴女にね」

「また、いつか来ますよ。その時は、神楽を拝見させてもらいたいですねえ」

「それじゃ――――」

          ザッ

軽く会釈してから、駐車場に向かって歩き出す。
巫女との会話は、ちょっとした『ユニークな出会い』だ。
そういう意味では、自分としては十分な『ご利益』はあった。


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