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【個】『烏兎ヶ池神社』【場】

151斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2019/08/05(月) 20:35:06
>>150

 「信じることで救われる……か。」

(7年起き上がらない両親だ。今更お守りで変わるとは信じられない、けれど。)

結局のところ、こういう事だ

もし、神様が僕に救いの手を差し伸べたとしよう
あっさりと、悪い冗談のだったかのように、僕の両親が起き上がったとしよう

その時点で、僕の行動も、それに伴う『意志』も意味が無くなる
ポーチ一杯のお守りにも、此処での出会いも、僕と言う存在も。

神様は、僕の意志と行動に、価値を見出し続ける限り、手を差し伸べないだろう
……それを無意味にしないために。

(もっとも、この考えは神が存在して、何処かへと『向かい続ける意志』に価値を見出しているのが前提だが)


手の中で兎と鳥の守が、夏の日差しを浴びて黄金の色に輝く。


(たとえ苦しくとも、過去を振り返り、真実を見続ける事に意味があると、そう信じよう、信じられなくても。)
(それが僕にとっての『信仰』かもしれない。)

 「――成程。」

独り感心して頷くと、お守りをポーチに入れた、これで用事は完了……。

 「ッ……。」

急に視界が暗転し、戻る時には膝をついていた、とっさに『ロスト・アイデンティティ』自身が倒れまいと、
影の脚を伸ばして転倒だけは防いだのだろう。

鳥舟さんの言葉に関心して忘れかけていたが、だいぶ体がきついらしい。

「その……鳥舟さん、我ながら、情けないし恥ずかしいのですけど
お水とか、頂け……。」

……上手く舌が回らない、頭痛までしてきた、吐き気は無いが。


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