したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【ミ】『コメットテイル、禍福の星巡り』

1『幸せ兎』:2017/11/19(日) 16:05:07

――――禍福は糾える縄の如し。

                    『史記 南越伝賛』

―――――――――――――――――――――――――――――

★ここは『薬師丸』がGMのミッションを行うスレです。

☆過去スレ(星見板)
【ミ】『ハッピー・ハッピー・コメットテイル』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1455891211/

【ミ】『コメットテイル幸福奇譚』
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1482053460/

★過去スレ(黄金板)
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1427557344/
【ミ】『黄金色ハッピーテール』 #2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/netgame/9003/1439137290/

31夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/04(月) 04:54:30
>>29

「なるほどね――」

吾妻の話を聞いて、相槌を打ちながら、にこやかに笑う。
彼は私の本質を知らないかもしれない。
でも、私だって彼の本質を知ってるワケじゃない。

その辺りは、お互い様だ。
同時に、未知であるからこそ、見えない部分を確かめる価値がある。
それは、何も吾妻に限った話ではないが。

「オッケー、任しといてよ」

「――バシッと決めてやるぜ」

吾妻に小さく言葉を返す。
そして、眼前に現れた桜島の全身像を観察する。
確かに、いかにも礼儀にはコダワリがありそうなタイプに見える。

「こちらこそ、呼んでくれたことに感謝する!!」

「私は夢見ヶ崎明日美。夢見る明日は美しいと書いて夢見ヶ崎明日美だ!」

「――どうぞよろしくッ!!」

こちらも負けじと、シャープなお辞儀と共に、勢いに乗った挨拶を返す。
こういうのは最初が肝心だ。
吾妻に宣言した通り、バシッと決めてやる。

32遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/04(月) 11:58:25
>>29

 > 詩とか音楽とかが好きな感じなんですか?

「刺激になる。どうして、このような文章を作り上げるようになったのか
どうやって、こう言うメロディーを刻もうと思ったのか」

「そう考えていると、余計な雑念がなくなるのでね」


>オレは『桜島明人』だ
>良く来てくれた! まずは、礼を言うッッ

「フラジールだ。今日は短い間だが、宜しく頼む」

 短く、一礼を返す。余計な脚色や紹介はいらない。

33『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/04(月) 23:30:50
>>30(弓削)
>>31(夢見ヶ崎)
>>32(遊部)

「――――いい挨拶だッ! 気に入ったッッ!!!」

            ブンッ

「特に君は筋が良い! そして君は礼儀が良い!
 最後に君はシンプルが良いッ! いい仕事仲間になれそうだ」

「俺の事もそう思ってもらえるよる尽力しよう! よろしく頼む!」

順々に夢見ヶ崎、弓削、フラジールに視線を向けた彼は、
暑苦しい笑みを浮かべて頷く。視界の隅で吾妻が胸を撫で下ろす。

そのまま桜島は部屋の奥へと歩いていき、吾妻もそれに続く。
そこには椅子が用意されている。『3席』、人数分ということだ。
向かいには机が置かれており、やはり三人分の『お茶』と、
ちょっとした『茶菓子』――――と思われる包みが置かれていた。

「いい椅子ではないのだが、寛いでほしい」

「そして、早速で悪いが、休憩を取りたい者は?
 いなければ今回の仕事の説明を開始したいのだが。
 ああ、吾妻。まだ説明は済ませていないだろうな?」

「はい、現地で説明した方が早いと思ったんで!
 オレ、そういう説明ってあんまり得意じゃないですし」

部屋の内装としては、まず机はほとんど片付けられている。
そして、数台の『パソコン』が設置されており――――
書類が収まっているらしきバインダーなども散見されるのだが、
少なくともここがスタンド使いの動けるような場には見えない。

「うむ。と、その前に。現段階で何か質問がある者はいるだろうか?
 遠慮は不要。機密事項でなければ、細かな事でもお答えしたいと思う」

が、奥に女性用と見えるコートが掛けられた椅子がある。
この二人のどちらかが女装趣味でもない限り、もう一人いるのだろう。

34遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/04(月) 23:39:36
>>33

>いい仕事仲間になれそうだ

「そうだ。我々はビジネスの為に集ってる
ビジネスは成功する為に行うものだ」

 「こちらこそ出来る限りの事は努めよう。
こちらの無知で、何かしら反故しかねない行動が
あれば遠慮なく言ってくれ」

「質問か」

「『企画』の詳細。それに尽きる」

「要が肝心だ。それがな」

35弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/05(火) 00:30:39
>>33
「………………」 チラ

さっと内装を見る。
無論、ファイル類からは意図的に視線を外すが。

一応片付いている……というより物がないようだが、
やはり動き回るような広さではない。
とはいえこれは『能力』が関係してくるとのことだし、
今後の説明と合わせて桜島の話すに任せるのが賢明か。

「コートがかかっているようですが」
「……もう一人いらっしゃるので?」

現時点で問うべきことはこれくらいだ。
スタンバイしているとかならともかく、
少し席を外しているとかであれば
事前に確認しておいた方が良い場合もある。

36夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/05(火) 04:52:26
>>33

「いえいえ――」

「座れるなら何だっていいよ」

「『空気』で出来た椅子じゃなければね」

言われた通り、席に腰を下ろす。
そして、言われた通り、全身を十分に弛緩させてリラックスする。
遠慮なくお茶を飲む。
トーゼン茶菓子も食べる。
これから仕事があるんだから、今の内にエイキを養っとかないと。

「んじゃ、さっそく説明して欲しいな」

「――早く仕事に掛かりたいからさ」

スタンド絡みの仕事となれば、そこは未知に溢れているワケだ。
この部屋が表からは隠されていたように、そういった部分は他にもあるだろう。
それらを早く見てみたいという気持ちを抑えられない。

「私は特にないかな、質問は」

「今のトコはね」

「強いて言うなら――それ誰の?」

そう言いながら、椅子に掛かっている女モノのコートを指差す。
私のじゃないことは確かだ。
今度、私も新しいコート買おうかな。

37『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/05(火) 11:42:31
>>34(遊部)

「遠慮が要らないのは助かる。
 やはり君はシンプルで良いッ」

>>36(夢見ヶ崎)

「空気椅子など客人にはさせないとも。
 ――――無論部下にも! 時代錯誤だからな」

茶と茶菓子の味はそこそこだ。
そこそこだが、逆に落ち着くには良い。

>>35(弓削)
>全員

二人が気にするのはコート。高級品には見えないが、
厚く、毛皮のような材質に見え、寒い冬にはぴったりだ。

「ああっ、あのコートは――――」

「吾妻ァ! 答えるのは俺がやるので、
 君は下に降りて『加古』に準備を頼んでくれ」

           「あっはい!」

      スタスタ

「失礼します。皆さんまたすぐ後で!」

吾妻は軽く一礼してから部屋を出る。

「あのコートは『加古』――――今日の仕事の『要』でもある同僚の物だ。
 現在下の階で準備をしている。つまり、仕事自体は下の階で行うわけだ。
 一度ここに寄ってもらったのは、荷物を置く為と、説明をする為の事」

>全員

「ではさっそく、説明に取り掛かろう」

      「今日君達にやってもらいたいのは……
        スタンド使いによる『競技』のテストだ。
         ―――――闘技ではなく、『競技』ッ!」

                       クルッ

       ガコン!
            ウィィィィーーーーーーン・・・


「――――――――我々『アリーナ』はッ!
 見る側には血沸き肉躍る『エンターテインメント』であり、
 戦うスタンド使いには『研鑽』し『発散』し『誇り』を鍛える場、
 つまり『見る側』も『戦る側』も満足出来る『闘争』の提供者だ」

「しかし――――『闘争』の方法は何も『果たし合い』だけではない。
 世には『諜報』『潜入』『篭絡』『娯楽』を得意とする使い手もいて、
 そうした者は現状のアリーナでは・・・『裏方』にならざるを得ない!」

            「ゆえに」
                    カチ!

スクリーンとプロジェクターの準備を整えながら、熱弁する桜島。
彼は機敏で、部屋に備え付けと思われるそれらはすぐに姿を現す。
スクリーンに表示されるのは――――動画の再生画面だ。

「スタンド使いによる、『10種競技』のような――――新たな闘争。
 提示された『状況』を己のスタンドと知恵で突破する『手段』を模索し、
 実際にそれを行った上で『堅実さ』『目新しさ』『流麗さ』を評価。
 戦闘能力ではなく、スタンドを用いた『解決能力』を競い合う『競技』を作るッッ!!」

       「――――なお、提案者は吾妻だ。好評の声は彼に掛けるように!」

新競技紹介用ムービー、とシンプルな題が添えられ、右下に『加古未來』のクレジット。

38『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/05(火) 11:43:01

                     カチ!

「今流すのは以前うちの職員で作成した『紹介用』の映像だ。
 その人物のプライバシーに関しては黙秘させてもらうし、
 そのうえで『関係者に見せる』点では了承を得ている」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『状況1 敵組織の荷物をスリ取れ!』

画面には『電脳空間』の如き奇妙な外観の『通り』が映っており、
まるで『3Dモデル』のような人間が――休日の大通り程度に行きかう。
その中で本物の人間は一人だけ。その人物も顔などはモザイクで隠されている。

そして――――向かいから歩いてくる、『ターゲットマーク』の書かれた人間。
カバンを持っており、自然を装いつつも、周囲をやや警戒しながら歩いている。
そして本当の運び屋ならあり得ない話だろうが、カバンから『荷物』がはみ出ている。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「反社会的な状況ではあるが……当然『そういうものばかり』ではない!
 しかしスタンド使いが真価を発揮できる状況は法的に怪しい事も多い」

「不快であれば、今回はなるべく抵触しない状況を用意するつもりだ」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                ズギュン

本物の人間――――アリーナ関係者と思われる人物が、
人型のスタンドを発現して『ターゲット』のカバンからすれ違い様に荷物を奪う。
高速、かつ精密な動き。盗まれたことに気づかないターゲットはそのまま歩き去る・・・

                          『CLEAR!』

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                          カチ!

「――――このように、最低限『状況』を打開できればそれでクリアという事になる。
 クリアではあるが、『他の参加者』もクリアしたならば、優れた者順に『加点』する。
 このような状況を複数回繰り返し、最終的にもっとも『点数』の多い者が『勝者』ッッ!!」

動画がそこで止められた。もし何か質問があれば、今なら聞き入れられるような気はする。

39弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/05(火) 13:47:22
>>37-38
「『なるほど』」

つまりその『加古』という人物が『場所』を提供するスタンド使いということなのだろう。

そして倫理的に問題のある条件設定ではあるが、そもそも弓削に倫理的正しさを斟酌する心性はない。
当たり前のように流して、映像を確認する。

「概ね理解できました」

今のは例だが、似たようなスタイルで進行していくことは想像に難くない。
とすれば……。

「ですが、『点数』について質問が一つあります」
「評価の基準には『堅実さ』『目新しさ』『流麗さ』があるとのことですが、
 この場合『流麗さ』は何を意味しているのでしょうか?」

堅実さは……分かる。偶然性や相手の行動に依拠するような方法だとよくないのだろう。
目新しさも、例を見れば何となく分かる。『誰でも出来るような方法』『工夫のない方法』はマイナス。
では流麗さは? ……おそらく『解決方法自体の鮮やかさ』が関係するのだろうが、
ピンときてないものを無理やり理解した気になって進めるよりは聞いた方が良かろう。

40遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/05(火) 18:07:36
>>37-38

「言うなれば 『即興芝居』だな」

 紹介映像を見終えて、一言。

「その状況に合わせた、問題ないと思える小道具は
借り受ける、と考えて良いだろうか?
 私は、余り器用な能力を持ち合わせてないし。
他の二人も、問題によって何かしら道具が必要な時もあるだろう」

 小道具の借用が許可できるかだけ確認を行う。

(『即興芝居』か……皮肉なものだな。
お芝居……か)

41夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/05(火) 20:04:24
>>38

「ふんふん、なるほどなるほど」

桜島の説明と映像を見て、感心したように何度も頷く。
スタンドの力が生かされる場は、何も単純な戦闘だけではない。
それを計れる場を作るというのは、非常に理に叶った試みだ。

「さっすが、吾妻!!よっ、日本一!!」

「あんたは、いつかやる男だと思ってたよ」

「昔、コンビ組んでた時のことを思い出すな……。
 あの時は、ドジ踏んじまってピンチになったアタイを、あんたが……」

吾妻に対し、最大限の賛辞を送った。
口調は真面目には見えないが、褒めていること自体は真面目だ。
ついでに、架空の思い出話を語った。

「いいねいいね」

「説明はまだ続くの?終わったなら、さっそく始めたいんだけど」

「とりあえず実際にやってみるのが一番ってね」

弛緩させていた姿勢を引き締め、背筋を伸ばす。
いつでも取り掛かれるというアピールだ。
自信はある。

目が見えなかった頃の自分は、健常者ができることもできない場合が多かった。
しかし、視力を得た今、かつてはできなかったこともできるようになっている。
だからこそ、今の自分にやってやれないことなどあろうはずがない――
と、夢見ヶ崎明日美は考えているのだ。

42『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/05(火) 23:40:12
>>39(弓削)

「『堅実さ』は『再現性のある必然的な成功なのか』!
 『目新しさ』は『その競技者ならではの成功なのか』!
 そして『流麗さ』は『絵的に映える手口での成功なのか』!」

「――――と言った所だ。今回はテストになるが、
 もし本番があればこれは『ショービジネス』……
 氏が言うように『即興演劇』としての意味合いもある。
 堅実で、目新しくても、手段が『極めて煩雑』であったり、
 時間をかけ過ぎており『即興性』を欠いていたり…………
 見ていて理解できないような方法では『高評価』は出し辛い!
 もっとも、三条件を必ず最高の形で満たす必要はないのだが」

「他の観点より『分かりづらい』基準である事は認めよう。
 そうした意見を貰えるのが、我々にとってもありがたいッ」

という事らしい。要は『第三者に見せる』事を意識する必要性だろう。

>>40(遊部)

「小道具……『日用的にあり得る範囲』でなら許可するだろうし、
 その場に存在する物品を拾う、盗む、その他手段で手に入れるのも許可している。
 イリーガルな手法でも、な。『ターゲット』は全て『能力の産物』だ。安心していい」

「ただし――――『小道具に頼った方法』はおおむね、低い評価を付けざるを得ない!
 スタンド使いであれば多かれ少なかれ、『独自性』を発揮する手段はあるはずだろう」

小道具は使えるようだが、先に挙げられた評価基準からすると、
例え『ナイフ』や『銃器』を使用するような許可が出たとして、
それのみで敵を打倒するような形では『可』の域を超えないのだろう。

>>41(夢見ヶ崎)

吾妻は既に部屋を出ているが――――

「君と彼にはそんな因縁があったとはな。
 その賛辞、しっかり彼に伝えておくッッ」

真面目に受け取られてしまったようだった。
コンビの話は、本気で信じているのかは分からないが。

「――――いい熱意だ。ああ、すぐに始めるつもりでいる」

「吾妻を先に向かわせたのは、すぐに準備をしてもらい、
 我々が到着したならばすぐに始められる状態にするためだ」

>全体

夢見ヶ崎の疑問への答えは、全員に向けて返されることになる。
桜島は私物と思われるバインダー類を手に取り、部屋のドアに近付く。

「つまり、休憩が不要であればすぐに下の階に向かう!
 『加古』の能力があるとはいえども、不測の事態は起こる。
 なるべく広い場所を用意した方が『やりやすい』と判断した」

      ガチャリ

「――――理解と準備が出来た者から着いて来るようにッ!!」

            ザッ

特に問題が無ければ下階に降りることになり、
恐らくはその後すぐに『仕事』が始まると思われる。

勢いよく歩み出た桜島だが、一応待ってはくれるようなので、
何かこの部屋でする事が残っているのだというならそれもいいだろう。

43弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/06(水) 00:03:00
>>42
「ご回答いただきありがとうございます」 ペコォー

まさしく『エンターテイメント』としての重要性というわけだ。
概ね予想通りではあったが、『即興性』や『絵的に映える』
という視点は自身にあまり頓着しない弓削にはない観点だ。
ここでそういった指定を聞くことができたのは大きいだろう。

        「そして」

   「『理解』致しました」  ザッ

……無駄にカッコつけた感じで、桜島に続く。
弓削なりにエンターテイメント性を意識した結果である。
あんまりそういうのは向いてないのかもしれない。地味だし。

44夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/06(水) 05:03:07
>>42

褒めてるのは本気だし、その点は問題ない。
でっち上げた過去話についても――たぶん問題ない。
不都合が起きたら、その時はその時だ。
何かあれば吾妻にフォローしてもらえばいいし。
自分とは気が合いそうだったし、大丈夫だろう。

「――オッス!!」

「理解と準備、共に完了!」

「我いざ行かん!新たなるトーソーの地へ!!」

桜島と張り合うように勢いよく立ち上がり、後に続く。
どんな『状況』が用意されているか楽しみだ。
まだ姿を見せていない加古の能力とやらも気になるし。
そして、競技が始まれば、同席者である二人のスタンドも見られるだろう。
それも楽しみの一つである。

45遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/06(水) 18:30:28
>>42

 勢いよく立ち上がり、ステージ向けて歩く桜島。そして、続く二人


 『……』 『……』 『……』 『……』

(……出たいか? いや、君たちの出演には未だ早い)

 「……ふぅ」

 三人に少し遅れるようにして立ち上がり、続いて歩いて行く。

仕事の内容は、把握した。あとは、やるべき事を最低限やるだけだ。

 (……こちらの『目的』も達成出来れば良いが)

46『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/06(水) 23:58:57
>>43(弓削)

少なくとも、知らずに挑むよりは良い結果を出せるはずだ。
それに職を求めるならば、印象を良くしておくに越したことはない。

>>44(夢見ヶ崎)

でたらめでも当事者が否定しないなら真実と変わらない。
その点、吾妻はわざわざこういう話を否定するタイプでもなさそうだ。

>>45(遊部)

仕事を果たすのは前提だ。しかしほかの目的を果たすにも、
この『スタンド』の奇妙に満ちた仕事ならば相応しいかもしれない。

>全体

二階には階段で降りる事になる――――扉が閉ざされていたが、
桜島(あるいはアリーナ自体か)の管轄という事なのだろう。
彼が持つ鍵で簡単に開き、一同はそのまま二階に降り立った。

この階層は先ほどまでいた三階とまるで構造が異なる。

       ザッ
           ザッ

「あっ、皆さんついさっきぶりです。
 もう準備できてるんで、こちらへどうぞ!」

吾妻に促され、桜島に率いられて辿り着いたのは開けた場所だ。
廊下の一角と考えて良いのだろうが、動き回るのに十分と言える。
そこに、女がいた。コートと合致する趣味の服装からして、
恐らく彼女こそが『加古』だろう。寝不足の犬のような女だった。

「加古ッ、準備は出来ているか?」

「はぁい。すぐにでも始められますけどぉぉ……
 一応、私について、自己紹介とかすべきかな、とは」

               カチャ
                   カチャ

「――それもそうだ。では自己紹介を頼む」

広いスペースの端にモニターとパソコンが用意されており、
そちらに幾つか椅子が並んでいる。職員の席はあちらという事か。

             カコ ミク 
「…………あ、はい。私『加古未來』です。アリーナの職員で、
 ゲームクリエイターでもあってェ……能力も、『電子』関係です」

       ペコ

    「端的に言いますケド……皆さんには『仮想の世界』に、
     私の能力で入って……今回の『テスト』を実施してもらいます。
     場所とか、人員とか、本物を用意するより安上がりなんでぇ……」

パソコンの一つを操作しながら、女は小さく会釈した。

先ほどの映像も、現実の空間で実施された物とは思えなかった。
電脳空間の如き非現実的な『道』は、実際に『非現実』の世界にあったのだろう。
少なくとも、スタンドが周囲に与える影響――破壊や騒音を気にしなくてのは確からしい。   

         「準備がいいなら、もう始められますけどぉぉ…………どうですか?」

(★全員が準備完了なら、『開始』)

47夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/07(木) 05:59:05
>>46

「おー、久しぶり。元気してた?」

「そういえば、これ提案したのってジョーキさんなんだって?やるじゃん!」

「さすが吾妻!!よっ、日本一!!」

繰り返しになるが、改めて吾妻に賞賛の言葉を送る。
桜島を通してもいいが、こういうのは自分の口から直接伝えておきたい。
架空の思い出話をもう一度するのは芸がないので止めておいたが。

「――ヨロシク!」

加古に挨拶し、周囲を見渡す。
非日常的な空気を全身で感じ、胸が高鳴る。
だけど、こんなのは序の口。
                      ワンダーランド
『テスト』が始まれば、もっと奇妙な『非日常空間』が待っているだろう。
楽しみで仕方がない――今は、ただその一言だ。

「『仮想の世界』か――」

 アリス・イン・サイバーランド
「『電子の国のアリス』ってトコロかな」

「――行こう」

この胸の内は、未知の世界に対する好奇心で溢れている。
そう――私は『アリス』だ。
夜空に輝く星々のように瞳を煌かせ、準備の完了を宣言した。

48弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/07(木) 13:22:53
>>46
「初めまして。本日お世話になります、弓削と申します」

挨拶に挨拶を返しつつ、

「なかなか本格的な……まるで研究所ですね。
 加古博士――とお呼びした方がいいでしょうか」

あたりを一瞥し、まじめ腐った表情で言う。
一応、冗談ではなくプロフェッショナルに敬意を払っているつもりである。

「……私の方は、いつでも開始できます」

直立不動のまま、最後に言い添える。

49遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/07(木) 22:21:06
>>46

「フラジールだ、宜しく頼む」

 能力についても、人柄についても詮索する気もない。
ましてや、今回の仕事において。その必要もないだろう

 「問題ない。始めてくれ」

粛々と、やるべき事をするだけだ。

50『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 00:45:02
>>47(夢見ヶ崎)

「元気ですよ! あ、アキさ……桜島さんに聞きました?
 ありがとうございます! まあ、オレはアイディアだけで、
 本格的に作ったのはほとんどミクさんなんですけど……!」

「『アイディア』がないと作品は作れませんからぁ……」

お調子者風の吾妻だが、他二人よりは立場が低いらしい。
話す調子や、しぐさからそれが見て取れる。緊張感は無いが。

「アリス。言われてみれば、アリスっぽいですねぇぇ……クオリティ高いです」

コスプレか何かと勘違いされたのだろうか。単にファッションを褒めているだけか。

>>48(弓削)

「博士なんてそんなぁぁ…………私は研究者ではないので。
 ゲームが専門なので…………普通に加古で大丈夫ですよォ」

        「博士なんてそんなぁ……」

まんざらでもないようだ。

さすがに白衣を着るほどの自己主張は無いらしいが、
内心『インテリジェンス』を誇っているのかもしれない。

>>49(遊部)

仕事上の関係であれば、ドライな方が良い事もある。
未知との同化を望まないならば、深入りは不要だろう。

>全体

「えぇと、弓削さん、フラジールさん……『アリス』さん?」

                  「彼女は『夢見ヶ崎』さんですよ!」

「あぁ、失礼しました……夢見ヶ崎さん、よろしくお願いしますぅぅ……
 それじゃあ準備も良いという事で、『マトリクス・オデッセイ』を起動します」

             カチャ
                    カチャ

「皆さん等間隔に離れてもらって、スマホを出して、
 ええと……表示されてる『アイコン』をタップしてくださぁい……
 ちょっとだけ意識がフワッとして、気づいたら『飛んで』ますからぁ」

準備は出来ているはずだ。言われた通りに広がって動き、スマホを出すと、
画面に見覚えのない『イルカ』のようなアイコンがある。それをタップすれば―――

                           _
              ________r':::|
             ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` 、:::::j
                           |::::/
                      |::::|
                       |::::|
                        |::::|      _
                     |:::::|    /| |:::::}
                       |:::::」    |:::| |::/_
                       |/    L:ノ /:::|
                                |:::/
                                |/
                                  __
                                      ヾ::::}
                                         ̄
                                       _
                                     |:::::}
                                         ¨´   _
                                           {:::}
                                            ¨

――――視界がブラックアウトしたのは一瞬で、今は光にあふれていた。

三人は気づけば『知らない場所』にいる。
そこは『部屋』のようだったが、今までいた部屋とは明らかに違う。

電子的な――――緑のフレームや、流れる0と1の粒子など、過剰に電子的で、
そういうふうに作られたかのような『空間』に、三人はいつの間にか立っていた。
エレクトロなBGMが非現実を煽るが、現実のように体は動き、望めばスタンドも出せる。

          ≪ ハロー ハロー≫
 
                           ≪ ヨウコソ ≫

    ≪ マトリクス・オデッセイ ノ セカイヘ ≫

                                   キュキュゥーーン

頭上から聞こえる『電子的な声』に顔を上げれば――そこには『電子的なイルカ』が泳いでいる。

                                      ・・・ここはまさに『電子の国』だ。

51『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 00:54:57
>全体 つづき

【 皆さん 見えていますか? 大丈夫ですか
  そこが『仮想世界』マトリクス・オデッセイです 】

空間に――――『壁』と思われるそこに文字が流れ出す。
加古のものなのだろう。音声を流さないのは『演出』だろうか。

【 私のパソコンを 媒介に 『仮想世界』を作るのが 私の能力 】

【 どういう世界にするかは 自分で『クリエイト』する必要があり 】

【 好きな『状況』を作れる シミュレーターにも 使えます 
  私のパソコンの スペックの範囲でしか 運営できませんけど 】

                 ヴン!

【 今 皆さんの意識は この世界に『ログイン』してますけど 
  希望すれば 『ログアウト』して すぐ現実に戻る事も できます 
  戻っちゃった場合 またスマホのアイコンを タッチしてください 】

周囲の風景が変化する。『テスト映像』と似ている。
路地だ。周囲には人通りがあるが、それらは『停止』している。

そして――――『他の2人』の姿が、周囲に見えない。

【 『チームワーク』は今回 予定していませんので 『ルーム』を区切ります 】

       【 希望すれば あとで『ビデオ』は 差し上げますし 
         それを皆さんで 共有 していただても 構いません 
         ただし 関係者以外に ここでのことは 他言無用です 】

【 それでは 何も 問題なければ 『仕事』を開始したいと思います 】

                         ヴン!

    ザワ
         ザワ

一瞬空間が『ブレた』と思えば、周囲の通行人たちが『それらしいSE』と共に動き出す。
此処は現実ではない。それが分かる。しかし幻滅するほど『非現実』でもないリアリティがある。
一介のパソコンで演算できるとは思えないほどに、通行人たちは『自然っぽく』動いている。

【 それでは 始めましょう 】

                 【 健闘を 】

                            【 祈ります 】

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★特に何かが無い限り、次レスから『状況』が開始します。
☆提示された状況に『1レスで収まる』範囲で解決法を返信してください。
★仮想世界の人間等は特筆が無い限り『常識的な範囲での対応』をします。
☆小道具は『持っていてもおかしくない』範囲でなら『用意』された物として使用して構いません。
★通行人の持ち物や、落ちている物なども、同じく『あってもおかしくない範囲』なら用意されています。
☆その他質問があればこのレスにお願いします。

52夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/08(金) 06:16:09
>>50
>>51

「ああ、それね」

「――『アリス』でいいよ」

「だって、私は『アリス』だから」

加古と吾妻のやり取りに対し、悪戯っぽい笑みを浮かべて答える。
生まれつき目が見えなかった自分にとって、『光ある世界』は『不思議の国』のようなものだ。
だからこそ、私は『アリス』――『光の国のアリス』だ。
                           
                          サイバーランド      アイコン
不思議の国へ飛び込んだアリスのように、『電子の国』へ繋がる『入口』に指先で触れる。
視界のブラックアウトと、闇をかき消すように溢れる光の奔流が、
初めて視力を得た瞬間を思い出させた。
同時に、否応なしに胸の高鳴りが強まっていくのを感じる。

「――へえええぇぇぇ〜〜〜……」

        キョロ 
             キョロ 
      キョロ 
           キョロ    
   キョロ 
        キョロ
             キョロ
    キョロ
         キョロ

強烈な好奇心に後押しされ、瞳を輝かせながら周囲を見渡し、思う存分『非現実』を体感する。
別世界に迷い込んだアリスも、きっと同じような気分を味わっていただろう。
ふと、頭上から聞こえた声に反応し、満面の笑みで空中の『イルカ』を見上げる。

         『 L 』

「ハロー、ご機嫌いかが?『白ウサギ』さん」

         『 I 』

「見たところ、あなたは時計は持ってないし、ウサギでもないみたいだけどね」

        『 G 』

「――さあ、始めようよ」

        『 H 』

「すッッッッッッッッッッごく楽しくなってきた」

        『 T 』

傷の付いたレコードのように、途切れ途切れの言葉を発する無機質な声が響く。
その声の主は、自身の精神の才能である盲目のスタンド『ドクター・ブラインド』だ。
自らの半身を従えて、『光の国のアリス』は『電子の国』の冒険に繰り出した。

53遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/08(金) 18:16:54
>>50-51

 「……ふむ」

『マトリックス・オデッセイ』
 仮想空間に、他者の意識を転移させる。

『私』が『我々』と共に移るのか……と言う疑問はあったが
どうやら心配は今の所ないようだ。

 (『収穫』は……これを体感するだけでも、あったな)

 「『ビデオ』に関しては……加古さん、と言ったな」

「貴方に対し、私のスタンドの開示を拒否するのは。状況的に
論外として……彼女達二人に関して非公開を望む選択は、あるのだろうか。
また、逆も然りだ。他者に余り自分の力を見せびらかしたくない考えもあるだろう」

 「……まぁ、これ等の質疑に回答するのは。全て終わってからでいい。
宜しく お願いするよ」

 スタンド、『フラジール・デイズ』

それを他の二人に見せる気は、積極的にあるわけでも 拒絶の意思が強い訳でもない。

(まぁ、問題の内容次第だな)

 『我々』と『私』で 解いてみよう。『試練』をな

54弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/08(金) 19:30:51
>>50-51
『転移』。そしてそれが予兆する物を想像し、弓削は手を口元にやった。
それは無意識の行動だ。
口元には感情が出る。それを無意識に避けたのだ。
そして隠されたその口元には――

      「…………」 ググ

『愉悦』がありありと浮かんでいた。

弓削は自身に『とある制約』を課している。それはスタンドについての制約だ。
『スタンドを用いねば挽回しようのない失敗がない限り、力を使ってはいけない』。
彼女にとってこの能力は『罪を焼却する』為のものであり、
そうした制約に則ることが彼女の義務であると信じているのだ。

では、この状況はどうだろう?

能力を用いるにあたって、そこに弓削の失敗はあるか?
……無論、存在していない。この状況はあくまで段取り通りの展開でしかない。
しかも弓削は、そうなることを理解した上でこの依頼を受けていた。

だが、この状況は彼女の人間性と何ら矛盾することはない。
むしろ彼女にとって、現状は最も『過去の失敗を焼却しやすい』状況ですらあった。

             (たとえ道程が長くとも)

       (ここから、また始められる)

「承知しました。よろしくお願いします」

口元から手を外してそう言ったとき、彼女の表情は元の鉄面皮に戻っていた。

55『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 23:46:29
>>52(夢見ヶ崎)

 セカイ     アリス
電子の国は夢見ヶ崎の好奇心を抑える事なく――――
むしろ後押しするように、電子的幻想の風景を形作っている。

周囲には『大通り』に存在し得るものは全て存在する。
人間の顔や体のつくりはやはり不気味の谷を超えはしないが、
この冒険に引っかかりを作るほど、雑な子供だましでもない。

【 ぜひ 楽しんでください 『アリス』さん 】

【 よろしく お願いします 】

                      ≪  START  ≫

>>53(遊部)

【 その辺りは プライバシーというか 商売道具なので
  他二名含め アリーナ職員以外に 非公開にすることは可能です 】

【 今日の仲間が 明日の商売敵に なる事は 珍しくないですので 】

それ以上の返答はない――――それは『開始』を意味するのだろう。
より詳しい事が聞きたいのならば、それこそ『終了後』という事か。

【 よろしく お願いします 】

                      ≪  START  ≫

>>54(弓削)

愉悦。その鉄面皮の真意を知る者は『弓削 和華』のほかに誰もいない。
電脳空間の主である加古にも、人の心の奥底まで読めるとは思えない。
ゆえに意味することは分からないが――――その目的を止めるものはいない。

【 よろしく お願いします 】

                      ≪  START  ≫

56『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/08(金) 23:53:56
>全体

                 ヴ
                    ン!

    それぞれの視界に映るのは、最初の『状況』についての説明だ。
    ロケーションは『星見街道』にも似た大通り、時刻は昼頃。
    所持品は、『散歩』程度の状況で持ち歩いている『日用品』までなら、
    よほどやりすぎない限り『マトリクス・オデッセイ』がデータを用意する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

                    状況その1
                  『おびきよせろ』

 あなたはアリーナから提示された『ある極秘任務』の補佐を請け負っている。
 やらなくてはならないのは、『ターゲット』の『足止め』と『攪乱』だ。
 つまり注意をひかなくてはならない。あなたの仲間が作戦を成功させるために。
 なおターゲットは『スタンド使いではない』が、『スタンドの知識』は一通り有する。
 あまりにも露骨すぎる干渉は彼の警戒心を高めるし、白昼の騒ぎは『マズイ』ぞ。

                   成功基準(※)
    『ターゲット』を足止めし、注意を『5〜10秒』程度周囲から逸らさせる。
   長く注意を逸らせれば逸らせるほどいいが、それが絶対の基準ではない。
  足止めする事は出来ても『周囲を警戒させてしまう』ような形はグレーゾーン。

            ※ただし、あくまで基準。例外アリ。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

        ザワ
                        ザワ
            ザワ

星見町に住むものなら、このくらいに賑わう街道は見たことがあるものだ。
休日の星見街道に近い。100%そうではないが、雰囲気は一致している。
雑踏の中、ターゲットとなる人物は分かりやすく『ターゲットマーク』が描かれている。
        
               スタ
                     スタ

向こうから歩いて来るが、望むなら『思考する時間』は与えられるようで、
作戦を考えている間に横を通り過ぎて居なくなるような事はないようだった。

あの人物の足を止めさせ、なおかつ注意力を奪う――――それが第一の状況解決だ。
スタンドの力でそれが可能だろうか。あるいは話術、技術、環境の利用。択は無数にある。

                       状況その1 → 回答開始

57弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/09(土) 01:23:51
>>56
「――――」

           「!」

ふと気づくと『星見街道』。
そして、今回の『目的』を理解する。

     (足止め……)  (しかし『警戒』させてはならない――!)

端的に言って、『難問』だろう。
最低でも五秒もの『足止め』を、警戒心を与えずに行わなくてはならないのだ。
直接のスタンド行使などもちろん御法度……この時点で、かなり手は絞られる。

まして、『アンタイトル・ワーズ』は『書く/描く道具』を発現する能力。
無論その種類は多岐にわたるが、できることは『書く』ことのみである。
その条件下で、弓削にできることとは――――。

                           「…………『進退窮まる』」

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

  『「アンタイトル・ワーズ」』

精神の呟きと同時、弓削の背後から細身のヒト型スタンドが発現する。
『アンタイトル・ワーズ』は即座に駆け出し――
人通りの多い街道であれば大体あるであろう『立て看板』を入手する。
(ttps://tshop.r10s.jp/e-netsign/cabinet/main-img/in-stand/wa-450-2.jpg?fitin=198:198)

『立て看板』を入手した『アンタイトル・ワーズ』はまず『ペンキブラシ(白)』を発現して『立て看板』に塗りたくり、
その後『ペンキブラシ(赤)』を発現させ、『通行止め』の文字を書いてターゲットから離れた場所に設置する。

          『「アンタイトル・ワーズ」の能力によって、
           「筆記具」のインクなどは常に補充されます』

     『筆の仲間であるペンキブラシ「のみ」でもこの通り……』

            『(もっともペンキブラシなんて今まで発現したことないですが)』

――射程距離の長く精密性に優れた『アンタイトル・ワーズ』なら、
これらの動作を本体から離れた状態で、手際よくこなせるだろう。

無論、塗りたてのペンキだし、立て看板も店の物を使っているのだから
注意深く観察すれば偽物だと分かってしまうと思われる。
だが、遠目から見ればただの『通行止めの看板』にしか見えないだろうし、
何より『注意深く観察する』ということは少なくともその瞬間、
ターゲットはその場で『足を止め』、周囲から『注意を逸らしている』ということである。

なお、本体の弓削は適宜ターゲットとの距離を保つなどして、『アンタイトル・ワーズ』の作業時間を稼ぐ。

58遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/09(土) 11:05:10
>>56

 「成程」

 「スタンドでの直接的な干渉をすれば。危機感を抱かれ逃走及び
ターゲットの仲間に連絡などすれ、ミッションは失敗。
 周囲にも、不審な行動と捉えられる事も、同じく失敗。
第一門としては ――非常に容易だ」

 「然し出だしから、すまないが。少々『停止』して頂きたい。
あと『眼鏡』を貰おうか。
着替える時間だけ、貰う。およそ二分だけ 待って頂きたい」

大通りで直接着替えるとなれば、それだけでちょっとした騒ぎだ。
ビル内に入っていた服装は、第三者からすれば怪しさに満ちてるので
着替える許可だけは貰う。

 シークレットブーツを脱ぎ、バックの中に入れたスニーカーに履き替え。
服装も学生服の上に、今しがた着ているオレンジのコートと。何処にでも
居る普通の学生の姿形へと変わる。そして、『フラジール・デイズ』を発現。

 『……ボソボソ』
そして、指示を下して『開始』だ。



ターゲットと交錯する道なりを、スタンドと共に歩く。この時、演技は
私達のうちの誰かの人格なら誰でもいいが、とにかく歩きつつ
ターゲットが自分達の視界内に入る前に視認して『舞台外の指定』を行う。
 指定された相手は、女子学生一人が横を通り過ぎるとしか認識出来ない。
交錯して数メートルの距離が空いた時、小さく咳払いをしてスタンドに合図を
本体である自分が行い……ここで、『任務』を開始する。



 「あれ! 〇〇君っ!? 〇〇君だよね。
うわーっ、この前の親戚の集まり以来じゃない? 久しぶりー!」 パンッ!

 声を掛けるのは『私』だ。歩き去ろうとする『ターゲット』の肩を軽く叩き、呼び止め。
いかにも『遠縁の知り合いに再会した』かのような態度で拍手を打ちつつ話しかける。

 ターゲットは即座に否定して立ち去ろうとする可能性は高い……故に。

『お姉ちゃん……その人、よく似てるけど他人の空似。
眼鏡かけてないから間違えるんだよ、もー……』

 『瓜二つの、しっかりとした双子の妹』と言う演技を行わせ
話しかけている本体のターゲットの背後より舞台外指定の解除を『拍手』でしつつ
出現させつつ、呆れた様子で本体へと眼鏡を手渡す。

 この時、ターゲットは何時の間にか本体に良く似た人物が出て来た事に対して
多少は驚いたとして……スタンドでの干渉を疑う可能性は低い。
 背後から瓜二つの存在が出現しても、人混みに紛れていたか自分の視界内に
入ってなかったと考えるほうが、スタンドでの干渉と思考するより自然な筈だ。
 ただ単に自分は知り合いと間違え話しかけ、フラジール・デイズは妹として
自分に間違いを正す動きをするだけ……何処にでもある『日常』の『脆弱』な『衝撃』だ。

 「え、玲子― 絶対に〇〇君だって。眼鏡かけたって間違いなく……
……うわっ! 似てるけど違う―!? ご、御免なさいっ、人違いでしたっ」

 あとは、眼鏡をかけて自然に慌てた様子で恥ずかし気にターゲットに謝罪しながら
妹(フラジール・デイズ)を手に取り小走りに立ち去る。

 この、やり取りだけでも十秒程度の時間は稼げただろう……。

59夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/09(土) 11:16:05
>>56

    ペーパー
「――『 紙 』」

『マトリクス・オデッセイ』にリクエストし、折り紙程度のサイズの紙を一枚拝借する。
その紙を『ドクター・ブラインド』に持たせ、本体である自分から4〜5m離れた距離に移動させる。
移動する方向は、左か右――要するに、自分の側面に位置していればいい。
私自身は、『余所見しているフリ』をしながらターゲットに向かって歩き出す。
その際には、『ドクター・ブラインド』も距離を保ったまま進行方向へ随行させる。

「あッ――」

そして、ぶつかる直前で顔を正面に向け、慌てた様子で足を止める。
さも今気付いたという風に見せかけるために、やや驚いた表情で。
続いて、その場で止まったまま、ターゲットの顔を覗き込む。

「おっ」

「キンちゃん!久しぶり!!」

「――あ、ゴメンなさい。人違いでした……」

『知り合いだと勘違いして恥をかいた』という演技をし、そのまま何事もなく別れようとする。
そのタイミングを見計らって、私の背後を『紙飛行機』が横切っていく。
待機していた『ドクター・ブラインド』が作成して飛ばしたものだ。

飛んでいく『紙飛行機』をターゲットに見せることで視線を誘導し、注意を引く。
私自身は、その視線の動きを不思議そうに見つめる。
そして、こう尋ねる。

「???なにか???」

こう言うことで、ターゲットに『紙飛行機』のことを教えさせ、その分だけ時間を稼ぐ。
それが上手くいったら、トーゼン私は振り返る。
そして、『紙飛行機』の動きを目で追う。

その間、「なんでしょうね??コドモが遊んでるのかな??」とか言っておく。
もちろん、これも時間稼ぎのためだ。
ターゲットが立ち去る気配を見せたら、不審に思われない内に軽く挨拶して今度こそ別れる。

60『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/09(土) 18:19:24
>>57(弓削)

白いペンキと赤いペンキがそれぞれ塗られたブラシを発現し、
即席の『通行止め看板』を設置――――ターゲットの進路をふさぐ。

                   シュバ

          バババババッ

怪しい看板にはなってしまうが、むしろそれでいい。
周囲を警戒させなければいいのだ。看板が警戒されるのは好都合。

「…………? 『通行止め』……?」

狙い通りターゲットは、『立て看板』の前で立ち止まり観察している。
それだけの隙があれば、仲間が役割を果たすには十二分と言えるだろう。

持ち物に頼らず、スタンドの特質を活かし、偶然の介在も少ない。
決して『容易』な問題ではなかったが、弓削は知恵で成し遂げた。

これは、理想的な『成功』だ――――ファンファーレがそれを示す。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――
         
                           →『CLEAR!』


>>58(遊部)

服装のチェンジは――『許可』されたが、多発は『良くない』と思われる。
とはいえ能力の『真価』を活かすために変装は十分自然に求められる行動。
これくらいで『道具頼り』の烙印は押されまい。着替えを終え、演技を始める。

                  スタ

                       スタ

「!? ――――いや、人違いだろう。君のような知り合いはいない」

機械音声的ではあるが、反応もしてくれるようだ。
ほとんど『人間相手』の作戦と同じように考えてもいい、という事だ。
当然人違いを指摘され、否定される。これだけならそのまま通り過ぎて終わりだが、
 
 パチパチパチ

スタンドの特性を生かした――――『双子作戦』が功を奏して、更なる時間を稼いだ。
ターゲットが小芝居に気を取られている内に、十分仲間は『目的』を果たす事が出来る。

準備にやや手間取りはしたが、それは失敗を意味しない。
そしてこのやり方は『フラジール・デイズ』に特有の、目新しいものだ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:△
――――――――――――――――――――――――
 
                               →『CLEAR!』

>>59(夢見ヶ崎)

                ヒラ

希望通り、紙が手元に現れる。それを畳んで作り出すのは、紙飛行機。

「!? な、なんだ君は……キンちゃん? 人違いだろう」

                   スィーーーーッ

          「……!?」

本体による『人違い』だけで終われば『時間稼ぎ』は出来なかっただろうが、
相手の『疑心』に重ねるように宙を舞う紙飛行機が、視線を巧みに誘導する。

「あ、いや。紙飛行機のようなものが…………?」

そうなってしまえば――――相手も無視して立ち去る事は出来ない。
夢見ヶ崎の言葉に答えて立ち去るころには、既に仲間が目的を果たした後だ。

特有の能力を用いたわけではないが、精密性や射程は活かしている。
そして準備に手間取る事もなければ、流れは一つの物語で、ある程度自然。
少なくとも、『誰でも出来る』やり方ではない。文句なしの『CLEAR』のようだ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:△ 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――
 
                               →『CLEAR!』

61『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/09(土) 18:20:48
>全体

第一問を突破した三人は、周囲の風景が変わっていくのを感じる。
今度は――――これは星見街道ではなさそうだ。裏路地だろうか?
星見町の風景というよりは、もう少し『フィクション』な空気だ。
見たことがあればギャングとかマフィアとか、そういう『映画』のような。

そして、三人の手には先ほど渡された道具はなく、
代わりに名刺ケースほどのサイズの『小包』がある。
手放そうと思えば手放せるようだが、そこで状況が提示された。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

               状況その2
              『バレずに運べ』

      ここは敵の縄張りと自分達の縄張りの境界線。
   あなたは『敵組織』の監視を抜け、荷物を運ぶ必要がある。
  幸いにして敵にスタンド使いはいないし、スタンドの知識もない。

  取れる手段は二つ。監視に見つからずに進むか、荷物を隠すか。
  仮に見つかったとしても、持っている荷物を隠し通せれば問題ない。
  運ぶには期限がある。安全圏に隠して後で取りに来るなどは不可能だ。
   敵組織の者を暴力で排除するのは禁止。いらない諍いを生む。
   ただし『バレずに傷を負わせる』程度であれば特に問題はないし
  この場に監視がいなくなれば、見つかるような事態も起きないのだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

――――この路地の向こう側にまで抜ければ成功、という事だろう。
道の幅は『6m』ほどで、向こうまでの距離はだいたい『20m』ほどか。
走り抜ければすぐの距離だが、『そう簡単にはいかない』理由がある。

              「・・・」
 
                           スパー

道には人通りは無いが、『監視』の『タバコを吹かす男』がいるのだ。
まるで関所のようだ。まともに通るなら彼の視界を通るのは免れない。
ここにいるのは一人だが、大きな騒ぎになれば他の人間も駆けつけてきかねない。

そのため、求められるのは『あの男に見つからないようにこの路地を抜ける』か、
あるいは『見つかったうえで荷物には気づかれずに素通りさせてもらうか』――
もしくは『暴力があった』と気づかれない方法で、彼を一時的にこの場から排除するか。
それが状況2の解決に求められているであろう手段だ。抜け道は他にもあり得るだろう。

                                状況その2 → 回答開始

62弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/09(土) 19:29:13
>>61
「『正解』……いや『成功』の合図でしょうか、このファンファーレは」

ひとまず第一関門は突破とみていいだろう。
だが、安心する間もない。――ふと気づくと、そこは路地裏。

(……次の関門は――)
                   (『関所越え』、ですか)

まず最初に思いついたのは――『スタンドによって名刺を移動させる』という手段。
しかしこれは、少し考えれば悪手でしかないと理解できる。
正確には、不可能ではないだろう。
だが、一般人でも『小包』を目視することはできる。
監視がいなくならない限り、『小包』がいかに名刺サイズでも気付かず素通りはできまい。

そもそも監視がいなくならない限り、この関所を越えることはできない。
しかし、『アンタイトル・ワーズ』に物質を消したり移動させたりする力はない……。
では、どうすればいいのか。

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

                      「…………」
    『「アンタイトル・ワーズ」』

精神の呟きと共に、今度は弓削の前方目がけヴィジョンが走る。
その手に発現するのは――――『米粒サイズの鉛筆』。
(ttp://blog-imgs-37.fc2.com/m/i/c/microart/2011_0113_023735-CA3H0045.jpg)
先行した『アンタイトル・ワーズ』は、これを使って
監視役の吸っているタバコに『積極的焼却』の条件で『通行手形』と書き込む。
『アンタイトル・ワーズ』の精密さを以てすれば、このくらいは十分可能だろう。
文字を書き終えたら一旦弓削のところまで戻り、『小包』を受け取る。

               『……では、やりますか』

    『これが私の「通行手形」です』

そしてタイミングを見計らい――タバコに書いた文字を『積極的焼却』。
相手がタバコの焼却に気付かず軽いやけどをするか、
あるいはタバコの減りに気づいて火を消し、新しいタバコをとるか――。
そのどちらにせよ、そのタイミングは監視の目も緩むはず。

               「………………」

その隙を見て、『アンタイトル・ワーズ』は監視の目の前を通過、監視の視界から外れる。
『小包』が隠せないとはいえ、所詮は名刺サイズ。
タバコの始末をしている/指の火傷に熱がっている最中の監視では気づけまい。

あとは本体が監視を通過したあと、ほどほどのところで
『アンタイトル・ワーズ』から荷物を受け取るだけだ。

63遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/09(土) 20:21:30
>>61

 服装は学生服に着替えたまま、脱いだ服は持ってるバッグに入ってる。
『フラジール・デイズ』も、自分と同じ外見だ。

 (……これは、少々難問だな)

『舞台外指定』をすれば、見張りに全く気付かれる事なく路地を抜ける事は簡単だ。
相手が一人なら、それだけで包みをスタンドに渡して通りを抜けるように指示すれば
それで済む。だが、それでは『味気ない』 全くもって味気がない。
能力だけの強引な力押しでは意味が無いのだ。

(……『関所』を抜ける。能力を使えば認識外になり 素通り出来る。
だが、それが『抜けた先』で通用するとは限らない。
 他の見張りの仲間が居て、呼び止められる可能性だって十分ある。
 『展望』を 約束された『安全』を確立しなくては)

(……よし、次の『演技』だ)

「……小道具を一つ借りる。『携帯電話』だ
任務を仰せつかってるのなら、事前に借用していた設定でも不思議じゃないだろう?」

 ―――――――――

「……うんっ、うん大丈夫。来週ねー
大丈夫、絶対にドダキャンしないってー。あははっ 一杯サービスするよぉ♡」

 スマホを耳にあてて、路地を歩く。路地裏と言うのは大体遮蔽物が多い
参考画像↓
(ttps://www.photock.jp/photo/middle/photo0000-3789.jpg)
自販機の影など、見張りの男と十メートルかそこらの遮蔽物に一度隠れて
通話は継続しながら、スタンドは発現する。
  
 「うん、じゃー切るね。うん 私も愛してるよー ばいばーい」 pi

「ふんふ〜ん、今日も営業頑張るぞー……あれ? ちょっとお兄さん
邪魔なんですけどー? 通りたいんですけどー。
ほーら、バッグにも何も入ってないってばー。ナイフとか何もないって!
 あ、煙草の火貸してくれる? このライター、燃料切れかかってるしー」

 『見張り』に堂々と、馴れ馴れしく話しかける。いかにも『水商売』系の仕事をしてる
感じのスタイルを匂わせつつ、陽気に喋りかけ。開けたバックも横に置いやる。
 喫煙仲間が好印象になりそうなら、喫煙する事も無論行う。

「最近他の場所でウリとかやると目ぇ付けられるから、此処で商売しようと
思ってるのー。他の人にも私の事教えてー? そしたらお兄さん安くするよー。
ねぇ、お願い『pululu』あれ、うわウザー。また掛かってきたし」

バッグを『置いたまま』。また、自販機の陰で電話する。
むろん、この着信は自販機影で待機するスタンドに指示させたものだ。
指示の方法は、電話に事前に記載したメール画面を見せて行う。

「もしもしー? え、電話出るの遅い? 全然遅くないしー。
浮気? ちがうしー! 何時も『入れて』とか催促するのそっちじゃんっ。
は? 何その妄想! まじ最悪なんだけどー。この変態!」

 電話中の合図と共に、『舞台外指定』したスタンドに『開けたバック』へ
事前に携行していた『包み』を入れる。大声で電話する本体に対し
見張りはそっちに意識を集中するだろうし、事前に会話して確認させたバッグを
一々注視してる可能性は低い。その危険も考慮しつつ、さりげなく開いてるバッグに
『包み』を入れた後に、自販機の陰に戻らせてスタンドを解除させる。
 そして、頃合い良く電話を終わらせる。

「あいつ、超しつこく電話してくるから最悪ー。もう縁切ろうかなー
あっ、通っていいでしょ? ふふっ、ありがとうお兄さん。
お礼に、今度サービスしてあげる」

 あとは、『水商売』の為に女が着替えと一緒に『包み』が入った
バックを堂々と提げて通り過ぎるだけだ。
 一度確認したバックを、再度呼び止めて確認し直す道理はない……。

もし、路地を抜けた先に未だ他の組織の仲間が居ても……今のやりとりを
見張りが把握してるなら、他の仲間に この女は異常なしと伝達をしてくれる筈。

未来にも『保険』をかける……何時、一寸先の道に罅が入るかなど
神でさえ予想はつかないのだからな……。

64夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/09(土) 21:30:55
>>61

「――チッ、ここも既に手が回ってるようだなぁ」

「だが、ここでしくじるわけにはいかねぇ」

「組織に拾われてから早数年――
 今までくだらねぇ仕事ばかりやらされてたオレが、
  初めてまともな任務を与えられたんだからよぉ」

「ここで手柄を立てりゃあ、ハキダメみてぇな今の場所から抜け出せる」

「成り上がるチャンスだ――オレはやるぜ」

少し前に見たギャング映画を参考にして、頭の中で勝手な物語を展開する。
気分は犯罪組織の下っ端だ。
当然ただ遊んでいるだけではなく、状況解決のためにも頭を働かせる。

 ロック
「 石 」

『マトリクス・オデッセイ』にリクエストして手頃な石を……いや、その辺に落ちてるか。
ともかく――まず『ドクター・ブラインド』で小さな石コロを一つ拾う。
そして、自分が歩き出すと共に『ドクター・ブラインド』を先行させる。
射程距離の限界まで離し、本体の5m先を進ませたい。
『監視』が『ドクター・ブラインド』の射程内に入り次第、行動を起こす。

シュバッ

『ドクター・ブラインド』の爪を振るい、『監視』の肌にほんの僅かな『切り傷』を付ける。

                       ブラックアウト
存在しない『視覚』を移植し、『監視』を『盲目化』させることが目的だ。
これで、私の姿は『監視』から『消える』。

さらに念には念を入れておく。
『視覚』を奪った直後に、石を自分の後方へ投げる。
落ちた音が『監視』に聞こえ、なおかつ私からは離れている位置を狙いたい。

『視覚』が効かなくなった人間は、『聴覚』に集中力を傾けるはず。
そこに物音が聞こえれば、そちらに意識を向けさせることができると思う。
『監視』が音の方向へ近付いてきたら、それとすれ違う形で路地を通り抜ける。

65『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 13:50:43
>>62(弓削)

          ボ
           ウッ

「…………!?」

             「アチチッ!!」

      ポイッ

              バタバタ

                   『ヒュン』

タバコに広がった火に気づいたのは少し遅く、
手に感じた熱さで反射的にそれを投げ捨てた。
災難ではあるが、『タバコ』が燃えるのは普通。
ライターか、紙が悪かったのだろうと納得して、
その後に通りすがった女も特に異常は無し・・・

異常はない。手元に起きたちょっとした、『ごく普通』の災難に、
気を取られていたから――――通り過ぎた小包に気づけなかった。
他の何かではなく、タバコを狙ったのは弓削の『慧眼』と言える。

――――『あらゆる筆記具』を発現し、『筆跡』を燃やす。
その『能力』を最大限活かす、堅実性の高い回答が成立した。
スタンド使いとして、一つの『最適解』を選んだとも言える。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                        →『CLEAR』

66『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 13:50:54
>>63(遊部)

携帯電話――――持ち込んだスマートフォンでも問題無いが、
いずれにせよその程度の『小道具』はやはり問題なく用意される。
この課題は『フラジール・デイズ』にとっては『楽勝』の領域だが、

フラジールはそこに――――更なる『工夫』と『展望』を求めた。

「あ? なんだァお前…………この辺では見ねえ顔だが。
 タバコ吸うならライターの管理くらい、ちゃんとしやがれ」

                   スッ

「ヨソから来たのか? この辺は俺らのナワバリだからな、
 許可を取ろうとするのは正解だぜ…………手荷物も問題ねえ」

        プカー

バッグの中を一通り無遠慮に検められた。当然そこに異常はない。
電話で夜を匂わせる胡乱な話をし始めれば、彼の興味もカバンから逸れる。

               スッ…

その隙に、カバンの中に――――『一度検められ安全圏になった』カバンの中に、
例のブツを隠す。これで、この先で再度策を講じる事もない。カバンは『安全』なのだ。

「縁切るなら俺らと結び直すのはどうだ?
 ――――良い『パートナー』になれると思うぜ。
 ビジネスでも、プライベートでもな。いい返事を期待してる」

                 「じゃあな」

結果、悪印象どころか『好印象』――――仲間意識まで与えた上で、
フラジールは検問を突破する。今後も『埋伏の毒』として活躍でき、
よほど大きなヘマでもしない限りその関係性が崩れる事もあるまい。

――――運び屋としてある種『理想的』だ。
スタンド使いとしても、能力だけでない『有能性』を見せられ、
演技や工夫が『自己満足』ではなく状況解決の質に直結している。

鳴り響くファンファーレは、その『優美』を称えるものと考えて間違いないだろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                       →『CLEAR』

67『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 13:51:10
>>64(夢見ヶ崎)

気分はギャング映画。遊び半分にも見えるが、遊びも仕事に繋がる。
それに、これはエンターテインメント。演技は『実利』をも生む。

                    スチャ

今回のオペレーションに用いる道具は、『石』だ。
此処は裏路地。それもガラの悪い人間が溜まるような路地。
当然、石の一つくらい、探せば見つかる。壁の破片か何かだろう。

          ――――そこからの手順は極めて迅速に行われる。
    シュ
        バ

「!? ―――――なっ、なんだッ」

                   「暗い!?」

       「敵襲かッ・・・」
                      カラン!

                「今の音…………そっちかッ」
    フラ
        フラ

目論見通り、石が投げられた方向――――見当違いの方向に監視は向かっていく。
この後集まってくるであろう『増援』も、無関係の位置にいる夢見ヶ崎を疑いはしない。

そもそも、そんなものが来るより早く――――『運び屋』の任務は遂行されているのだ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                              →『CLEAR』

68『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/10(日) 14:22:38
>全体

二つ目の状況を突破した三人は、次のステージへ。
ここは……『料理コンテスト』の会場と書かれている。
なるほど、目の前には清潔な『調理場』が存在する。

香しい匂いに目を向ければ、既に出来上がった料理が。
どんな料理かは――――今見えている通りだ(任意で決めてよい)

どうやら調理の大筋自体はすでに完了しているようだったが、
一応調理場はまだ機能する。ここからひと手間加える事は可能だが、
時間をかけ過ぎる、例えば一から再調理などは著しく流麗さを欠きそうだ。
そもそも自分でこの完成品を超える料理を作れるという保証もどこにもない。

真向かいには全く同じ調理器具の備わった調理場がもう一つ。

そちらには『ライバル』である威厳に満ちた『料理人』が立っており、
彼の手元には、少なくとも見た目上は『こちらと全く同じ料理』が見える。
彼の側は料理もすでに完成しており、提出の準備は完了しているようだ。

彼、および料理との距離は、彼が動き出す前であれば『7m』ほど。
本体がある程度距離を詰めてもそれほど不自然ではないだろうが、
さすがに自分自身が調理場に乗り込んだりするのは厳しい気はする。

奥の椅子に座っているのは、『審査員』らしき人物。
人数は一人だ。こちらとの距離はだいたい『10m』か。
こちらも、料理を提出しに行く動きで自然に近づけるか。

                  ――――そして状況が提示される。

――――――――――――――――――――――――――――――

            状況その3
           『 魅力を示せ 』

      ここは『お料理選手権』の決勝戦。
   貴方がプレゼンする『料理』は納得の出来だが、
     ライバルは全く同じ品を提出するようだ。
     彼に勝てなければ入賞は有り得ないだろう。

         あなたが選べる行動は二通り。
       『自分の料理の魅力をアピールする』
       『ライバルの料理の魅力をなくしてしまう』
  
    スタンド使いならではの方法での宣伝を考えてもいい。
   審査員(なお一名)の印象を何らかの方法で操作してもいい。

    あるいは完成した料理の品質を爆発的に高めたり、
    ライバルの品質を爆発的に落としたりしても良いだろう。
   長期的な事は考えなくていい。今この瞬間、勝てばよかろう。
 
         なお、料理の種類は任意であり、
      この会場にあなた以外スタンド使いはいない。

               成功基準(※)

    自分の料理の魅力がライバルのそれを超えていると、
     審査員(一名)に思わせるための方法を考える。
                 もしくは
   自分の料理の品質を実際にライバルより上回らせる。
     どちらの場合でも『審査中』だけのもので問題ない。 
       審査自体が中止になるような蛮行はアウト。

         ※ただし、あくまで基準。例外アリ。
 
――――――――――――――――――――――――――――――

――――今までとは一風変わった雰囲気ではあるが、これも解決すべき状況。

料理の提出タイミングはこちらに委ねられているようで、
こちらが提出すれば、同時に相手も提出するようだ。
そのため必然的に、『先に食べられる』のはこちらの料理になる。

作り上げられた料理を『どうアピールするか』あるいは『品質を高くする』か。
あるいはライバルの料理にそれらの逆を――――『審査が中止にならない程度に』仕込むか。

                                      状況その3 → 開始

69夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/10(日) 19:46:46
>>68

「フゥゥゥゥゥ〜〜〜ッ」

「――よしッ、完成だ!!」

手元の料理を見下ろし、まるで自分が作ったかのように胸を張る。
視線の先にあるのは、一見すると『ハンバーグ』に見える。
しかし、肉は一欠片たりとも入っていない。
その代わりとして使用しているのは、脂の乗った新鮮な『鮭』だ。

ぶつ切りにした鮭の切り身を粗く潰し、絹ごし豆腐を混ぜ合わせてボリュームをアップさせ、
みじん切りのレンコンとタマネギを加えて食感をプラス!
それをゴマ油を敷いたフライパンに乗せ、さらに少々の醤油と味醂を足して、
両面に丁度いい色が付くまで焼き上げる!
お皿に盛り付けたら、同じフライパンで軽く炒めたさやいんげんと、
半分に切ったミニトマトを付け合せに添える!
最後の仕上げに、上から柚子を絞って爽やかさを演出し、
せん切りにした柚子の皮をパラパラと振りかける!

以上が、私が行った(ということになっている)調理の概要である!
名付けて『鮭バーグ』!!
この日のために考案した自信作だ!!
しかし、なんとライバルも全く同じ料理を出してきたではないか!
私と同じ発想に到達するとは、さすがは私のライバル……やるな!

「こうして決勝の舞台に立つのは、今回で二度目か……」

「確かに前回の大会ではアンタの勝ちだったけど、今回は譲らないよ」

「この勝負――私が勝つ!!!」

前大会のリベンジというでっち上げた過去話を語りながら、料理対決の気分を盛り上げる。
――さて、本番はここからだ。
完成した『鮭バーグ』を乗せた皿を、審査員の下まで運んでいく。
しかし、自分で料理の魅力をアレコレとアピールするつもりはない。
なぜなら――その必要がないからだ。

「――どうぞ」

「見た目は同じ料理でも、『ハッキリした違い』があることが分かるはずです」

「アナタの『舌』で、それを確かめてみてください」

自信に満ち溢れた表情で審査員の前に皿を置き――
『ドクター・ブラインド』で審査員に浅く切りつける。
目的は、『超味覚』の移植だ。
これによって、審査員は『超人的な味覚』を持つことになる。

――その状態で料理を口にすれば、どうなるか?

普通に食べた時とは比較にならない程に、料理の『味』が鮮烈に感じられるはずだ。
そして、審査員がライバルの料理を食べる前に、『超味覚』を解除する。
こうすれば、たとえ全く同じ料理だったとしても『ハッキリした違い』が生まれることになるだろう。

70遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/10(日) 21:23:06
>>68

「成程……料理コンテストか」

「私には……超人的な料理の才はない(人格達の中には居るだろうが)
魅力的な紹介など、思いつかない……この舞台は 試練は」

 「――サービス問題かな?」

―――――――――――――――――

予め、『舞台外指定』は『審査員』 所持品は、バックは邪魔だ。

所持してるのは、女として 嗜みの化粧道具とスマホ。服装は
学生服に、料理するのならエプロンを羽織ってるぐらいだ。

 料理は『カレーライス』と『ポテトサラダ』に『コンソメスープ』
いや……正直、どんな料理とかは関係ないのだ。味だって正直
同じ見た目で、あちらの料理人が優れていても関係ない。
 それでも勝利は揺るぎない。少し、隣の『半身』に命じておくだけだ

料理を出す前に自己紹介しておこう。

「どうも。〇〇シェフ 最初に自己紹介したかも知れませんが
改めて貴方に勝とうとする者として名乗りたくて……フラジールです」

『【給仕】のトレです』

「尋常に 勝負しましょう」

そのまま、相手を妨害する事なく審査員の前に出る。そして
料理も普通に出す。

「今回のカレーは、ヤギの乳をメインに甘味を引き立てました。
ポテトサラダも、刻んだポテトに隠し味として少々キウイを混ぜて……」

審査員が食べてる間に、料理が魅力なども語る。まぁ 無意味な事だ。
紹介に『合図』ぐらいは仕込んでるかも知れないし、全く無意味ではないが。

 その間に、『トレ』は無表情で食器を磨いたりして次のシェフの
料理が出る準備を行っている。

 「……と、これが私の魅力です。お待たせしましたシェフ……どうぞ」

そう、自分の食事が終わり。シェフに笑顔で食事を出すよう勧める。

ここで、シェフが何も疑問に思わず自分の食事を出した時点で『勝利』は決定だ。

 ……私のする事は単純だ。
『食器を磨く給仕』 そう、トレに大胆に事前に料理会場のシンクに備えてた
ttp://review.kakaku.com/review/K0000599953/ReviewCD=949397/
『無色無臭』の石鹸水の仕込ませた布巾で、私の料理を審査員が食べてる間
シェフが食べる時に用意してた食器、スプーンなどを拭かせる。ただ、それだけ……

審査員とは、料理の味のプロだ。僅かな味の変質だって見逃しはしない。
石鹸がこびりついた食器で食事すれば、どうやったって味が落ちる。

予め『給仕』の為にいる人間。審査員は食事をしてる間は、審査の為に
食事に集中する為に、傍らに置いてる食器に意識は注がない。シェフは
給仕である彼女の行動に対して疑問を抱かない。どちらの『盲点』もつく

例え敗北したシェフが後で。食事をしてる際に、自分に容姿の似た
あの身内であろう女を使って食器か何かに仕込みをしたんだと反論しても……
審査員には『世迷い事』と思われるだけだ。彼には最初から『自分一人』が
料理をして、シェフにも挨拶の為に近づいた以外で何も不審な行動をしてないのだから。

「無色無臭の液体なら、サリンなどもあるが……それは、流石に
洒落にならないし、シェフを殺人犯に仕立て上げるのなら別だがな」

71弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/10(日) 22:36:53
>>68
「――――」

ふと気づくと調理場。

       「この状況は……」

弓削は目の前に広がる状況を確認する。
完成した『ステーキ』、そして全く同じものを用意したライバル。

ライバルとの距離は7メートルで周囲にスタンド使いはいない――。
弓削のスタンドの射程距離は15メートル。
こっそり忍び寄って相手の料理の味をめちゃくちゃにするのは容易だ。

しかし、これはあくまでエンターテイメントショー。
『遠隔操作スタンドがこっそり忍び寄って相手を妨害』なんて解決法では、
『問題解決』としてはよくてもそれ以外の全ての観点で落第だろう。
ゆえに彼女は結論する。

  「やはり、『淡白な近道より劇的な回り道』ですね」

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

ではどうするか。
前提条件としてあるのは、『両者は同じ見た目の料理』ということのみ。
厳密な味で言えば負けているかもしれない以上、単なる印象向上だけでは心許ない。
確かな『品質向上』を突き詰めることが、『堅実さ』を保ちつつ勝利を得ることの近道だ。

          「『アンタイトル・ワーズ』」

ステーキを前に、弓削の身体から乖離するようにスタンドが発露する。
(なお、今回はステーキだが基本的に料理は焼いて作る洋食であればなんでもよい)

『アンタイトル・ワーズ』の能力でできることは、突き詰めて言えば
『文字を書くこと』と『ものを燃やすこと』……『敵を貶める』のではなく
『自分を高めて勝利する』ためには、それをどう使うかの工夫が求められる。
この場合――――

                   「隠し味には、『遊び心』を」

発現するのは『フードペン』。
(ttps://matome.naver.jp/odai/2145368825138480401)

これを使って、皿を縁どるように植物のイラストを描き込んでいく。
審査員の目を楽しませる――という名目のアピールだ。
そしてそれを審査員の前に出してから、

     「ああ、食べる前に少々お待ちを。
      実はそれはワインを練り込んだ特殊なインクでして……」

と言いながら、バーナーをイラストに向けて軽く浴びせ、
このタイミングで描いたイラストを『積極的焼却』で発火させる。

   「このようにすれば、目の前で『フランベ』をお楽しみいただけるかなと」

至近からの熱気により時間経過で冷めていたステーキは熱を取り戻し、
炙られたことでステーキはより一層匂いを引き立たせる。
さらには視覚的な面白さも備え、『五感で料理を楽しませる』ことができるわけだ。

        「ではどうぞ。――――冷めないうちにいただいてください」

72『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 01:34:30
>>69(夢見ヶ崎)

            シュパ

高速かつ精密に付けられた細やかな傷は、
痛みこそあれ審査を妨害する程のものではない。

その『隠し包丁』は――――相当後になってから、
いつ付いたのかもわからない切り傷と思われるだろう。
もし仮に今傷が見つかっても、それは『工作』に直結しない。

それほど『微細』な仕込みだが、『効果』の程は十分だ。
両者の品を食べ終えた審査員は、満足げな顔で頷く。

「…………うむ、勝者は――――――『夢見ヶ崎』サイド!!」

       カンカン
                カーン!

「食材の持つポテンシャルが最大限発揮されていましたな。
 対して、後提出者の品は同じ食材、同じ調理法でも…………
 味がぼやけていた。調理者の技術レベルの差か、食材への思いの差か」

「僅かな差ではありますが、夢見ヶ崎氏の料理の方が『想い』があったッ!!」

講釈を垂れる審査員は、自分の舌に、そして目の前の皿に何の疑いもない。

       「くっ……な、なぜ……」

ライバルはしきりに悔しがるが、原因は――――ただひたすら審査員の舌でしかない。
そして審査員の舌、主観が勝負を分けるという意味では『通常の決着』と何も違わない。

魔法はすでに解けている。後から何をどう調べても・・・異常はどこにも見つからない。
そして今後何回審査を繰り返そうが、この方法を用いれば成功するのも間違いないだろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                       →『CLEAR』

73『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 01:41:42
>>70(遊部)

サービス問題――――思わずそう零してしまうほど、簡単に思えた。

「給仕? …………ああ、正々堂々、よろしく頼もう」

審査員には存在を悟られぬ『給仕』――トレは格調高く挨拶し、
ごく自然に、『見えざる毒』に浸された付近で食器を拭き取る。
無味無臭の石鹸水が、少しでも敵の『魅力』を削り取るように。

「うむ、ご馳走様でした」

フラジールの説明を受けながら黙々と料理を食べ終えた審査員。
おおむね満足そうな表情。そしてそれを見届けたライバルも、
食器への仕込みに気づく事もなく……そのまま料理を提出する。

     ―――問題はその先に起きた。

              カチャ…

「ん、この『ヌメり』……食器に洗剤が残っているようで」

誰も給仕のする行動に疑問は抱かない。それは確かに正論だ。
シェフからすれば給仕の仕事は違和感はあっても糾弾しづらく、
審査員からすればそもそも給仕の存在など知る由もないことで。

         だが。

「取り返させていただきましょう、貴方の審査はその後に」

「?? ちょっと待て、何故席を立つ。
 そこの給仕に取り換えさせればいいだろう」

「給仕? そんな者は用意しておりませんが…………」

「なッ……そ、そこにいるだろう!? トレとかいう女が……!!」

審査員の『味覚』を信じるなら、彼の料理を食べる経験を信じるなら、
彼が『味に影響するほど石鹸水のついたフォーク』に触れる事の意味も想像すべきだった。

給仕の事でシェフと審査員が言い合いになる中、トレは特に動く様子もない。
フラジール・デイズは与えた役や演技通りに動くスタンド。『この状況』において、
更なる妨害を自ら考えついて行う可能性もなくはないにせよ『彼女はそうではない役柄』だ。

最終的にライバルの『意味不明の言動』が祟ったか、食器を取り換えるまでに料理が冷めたか、
勝利したのはフラジール側ではあったのだが……総合的に見て、あまり良くはなかったと言える。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:× 目新しさ:〇 流麗さ:△
――――――――――――――――――――――――
※『トレ』は『命令に忠実なロボットのようなメイド』と認識している為、それに基づき判定。

                                          →『CLEAR』

74『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 01:43:16
>>71(弓削)

―――――――鳴り響く『ファンファーレ』を聴きながら弓削は勝利を回想する。

ただ単にフードペンを用いただけなら、『味』はむしろ落ちかねない。
炎によるフランベも、目新しくも料理のバランスを崩してしまいかねない。

然しそれを補って余りあるのは、『実演調理』の如き『演出』のスパイス。
どうあがいても冷めて油の浮き始めたステーキをただ提出されるのと、
目の前で『芸術』的な演技があった作品では、味以上の評価の差が生まれる。

      ――――即ち、突出して『流麗』な回答だ。

流麗さだけが評価されるべきポイントではない。
印象を操作する、その一点だけでも『勝利』にこぎつける事は可能かもしれない。
だが、それは『堅実』な勝利とは言えない。料理のレベルを高めれば『確実』だ。
書き記し、焼き尽くすその能力で、そうした『堅実』を成し遂げる『目新しさ』!

「そ、そんな手が……あったとは……………『御見事』だ」

ライバルである料理人すら、文句を言えない。
繰り返すようだが――――もはや『味の差』の次元ではない。
極端に言えばオフィスで食べるぬるくなった宅配ピザと、
パレードを見ながら食べるキャラクター型の生地のピザの違い。

       彼らだけではない。おそらく外でこの競技を見ている加古らも、
        今回の弓削の演技には正に『絶賛』の舌鼓を打っていることだろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                      →『CLEAR』

75『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 02:04:40
>全体

――――――次の状況が目に前に広がることを理解できた。

ここは・・・『アンティークショップ』だろうか。
あるいは『骨董屋』か、中には『古物商』の域の品もある。
古い物の何でも屋、と言ってしまえば分かりやすい雰囲気だ。
どうやら買取もしているらしく、品種の雑多さはそのせいだろう。

           コト…

そして。目の前に立つ店主らしき『紳士』然とした老人が、
競技者の前に一つの品を置く。壺か、絵画か、家具か、古酒か。
片手で持てるサイズの品なのは同じだが、競技者ごとに品種は違う。
まあ、もしかすると全員同じという可能性もあるのだが(品種任意)

                ・・・状況が提示される。

――――――――――――――――――――――――――――――――

           状況その4
         『安く買いたたけ』
 
 君の前に置かれた品は、君が手に入れる必要のある古き品。
  しかし店主は言う――――『値段は100万円』だと。
   どうあがいても予算は『20万円』までが限界で、
   買うためには値切りをするしかないのだが・・・
  意味もなく、理由もなく値下げしてくれるはずもない。
  もっとも、値付けはあまり厳密な鑑定をしないようだが。

    小芝居でもして見るか、泣き落としてみるか。
     品が『安物である』証明をでっちあげるか
    あるいは『今すぐ100万円入手してみせる』
    『100万円相当の品を用意する』手もある。
    とれる手段はいろいろあるが一筋縄ではいかぬ。

            成功基準
      この品を合法的に自分の物にすること。
     窃盗、暴力による店主の排除、脅迫などは、 
     自分がやったとバレないならば問題はない。
    バレた場合、仮にその場は難を逃れてもアウト。
    店主はスタンド使いではないがスタンドを知る。
 
――――――――――――――――――――――――――――――――

予算らしき金銭は手元にある。財布に入るならその中に入っているし、
もしはいらないならば手荷物の中に『金一封』の包みを見つけられる。

また幸い、見咎められない範囲でなら目の前の品を検める……ふりをして、
何かしらの仕込みを施す事も出来るだろうし、店内には雑多な品もある。
そうした骨董、アンティーク、ヴィンテージ品を利用する手もあるだろう。
品物の数も品種も多い。『それらしい』物であれば、見つかるはずだ。

これもまた、先ほどとは違う意味で毛色の違うお題ではある。
しかし『スタンド使い』であれば困難であれ――不可能ではないはずだ。

                          状況その4 → 開始

76弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/11(月) 14:59:30
>>75
「ファンファーレ……なるほど」

成功はここまで三つで全く変わっていない。
おそらく、成功の『度合』で演出が違うのだろう……と弓削は推測する。
まぁ、競技の沿革を把握するよりも先に、

                 「――――問題は、こちらですね」

ふと気づくと、そこはアンティークショップ。
そして提示された『成功条件』もまた、これまで以上の『難関』。
『アンタイトル・ワーズ』の能力で、いったいどこまでできるか――。

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

    「………………」

まず最初に思いついたのは、『アンティークペン』の発現だ。
『夏目漱石が実際に使っていたペン』あたりを発現すれば、
相手はアンティークショップの店主……すぐさま本物だと判断する。
代金を賄うことも当然可能だろう。

だが、これは少し考えれば危険な綱渡りだと分かる。

何せ品質はともかく実際には『存在しない』ものなのだから。
相手が本気になって検めればすぐにボロが出るし、
何より筆記具の射程距離は『20メートル』しかない……『堅実さ』に乏しい。
それにスタンド経験のない弓削……『特定のペン』を発現できるかは、まだ自信がない。
ここは――――。

              「申しわけありません××様。
               現在、手持ちはこれしかないのですが……」

そう言いながら、弓削は品物(これはなんでもよい)の横に用意した金額すべてを出す。
無論、店主がこれで頷くわけがないだろう。
それでいい。それを補うのが、弓削の能力なのだから。

     「もちろん、これだけではありません。
      『残りのお代』は『これから作り出す』ので……」  「『アンタイトル・ワーズ』」

そして発現するのは――『インクペン』。
『79ink』という、実在するインクペンだ。
(ttps://blogs.yahoo.co.jp/sunaph/50422023.html)

このインクペンの特筆すべき点は、そのインクにある。
特殊な科学技術により液体化させたゴールドをインクとして使っている為、
書いたその筆跡は数秒すると紫から完全なる金色へと変貌する。

  「××様もご存知でしょう? スタンド能力です」

 「私の場合は――『アンタイトル・ワーズ』」 「『筆記具』を発現し、筆跡を焼却することが能力」

     「『書くこと』が能力の一部なので、インクは無限に出すことができ……
      そして『書くこと』が能力の一部であるため、あとに残った筆跡自体は
      どれだけ私から離れようと、どれだけ時間が経とうと消えることはありません」

    「ああ、ご安心を……『焼却』できるのは『意味のある文字』だけ。
     無作為に書いた筆跡を後から『焼却』することは不可能ですので……」

つまり、このインクペンで何文字でも何百文字でも書けば、
それだけ『金』を大量に生み出せるというわけだ。
いや、ペンを中途半端に壊して適当なビンにでも
インクを無限に垂れ流しているだけでいいかもしれない。

          「お代」 「果たしてこれで……足りますでしょうか?」

なお、自身のスタンドを用いる経験に乏しい弓削は気付いていないが、
別に『筆跡=インクの持続時間が無限である』というような事実は検証されていない。
(そもそもスタンドを使う機会が絶無に等しいので検証することもなかった)
ただまぁ、12時間も持続していれば十分この場は凌げるし……問題はあるまい。

77遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/11(月) 19:28:00
>>75
(……ファンファーレが鳴らない。つまり、二回目を除き
私の回答の行動は、ベターに至っても、ベストでなかったと言う事か。
相手を蹴落とす為だけに能力を使うのは、やはり内申点があるとして
減点に繋がると考えるべきだろうな……)

(さて……今度も今度で難しい。舞台外の指定を使うとして
金庫から百万を盗む? または、相当の品を値札を外して 
さも 自分が持ってきた価値ある骨董品として出す?
……それも、一つの方法かも知れないが。先ほどの回答で
学んだが。『単純に他者を穢す行為』は相応しくないと考えるべきだ。
……さて、となれば。私のスタンドだと……臓器売買など出来ないしな。
ふむ、実に難しい。……この手段は、余り使いたくないが
――血を 少し見せなければいけないな)

 ――――――――――――――――――――――――

 所持品:特になし 『舞台外指定』は店主

 「へぇ……これが百万の絵画なんですね。凄い……何て美しい。
絶対に欲しいですっ。あの、手持ちは20万なんですけど
月賦払いで必ず支払うので……駄目? そんなー」

最初に、そんな無価値な説得を繰り出す。当然断られるのは承知だ。
そして、意気消沈した顔つきで言葉を続ける。

「わかりました……仕方がないです。安い絵画で我慢しますから
奥の置いてある絵画も見ていいです? はい……えっ、これって!?
こ、これ買いますっ! えぇ!? これが殆ど無価値ですって!??
か 買います買います。即買います! や、やった! 手に入れました!!
この『伝説の呪いの絵画』に!!」

 アンティークショップなら、100万の品があれば 当然数千円程の
無銘の絵画も置いてあるだろう。何か動物の描かれてるものを掲げて 
訝し気な店主に興奮を引き摺った表情で説明する。

「知らないんですか? この絵画って有名なんです。スタンド使いの中ですけど
『気紛れに 血まみれ』にしてしまう、呪いの絵画って!
 とある絵描きが、栄光を後一歩で掴み取れず。失意の内に怨念を込めた絵画
……この絵画は、他の値打ちのある。栄誉を受けた絵画が近くにあると
それを血まみれにしてしまうらしいです。恐ろしい話ですよね
 だけど、結構可愛い所もあって。大事に価値ある品として飾れば持ち主に
多くの幸運も与えるって話で……ぇ  きゃーー!!?」

 そこで、自分は。店主が飾り直したか、放置してる100万の絵画を指して叫ぶ。
絵画は……『血まみれ』になり、絵の真ん中にはこう書かれてるだろう。

 『ate(喰らった)』……と。

「……か、絵画の呪い。……ひっ!?」

そして、呪いの絵画の動物も。……口元に血が滴り、見事に
呪いを与えた事に満足しきったような表情を成すだろう。

 「……あ、の。もう、その血まみれの絵画 売れないですよね。
良かったら、私が手持ちのお金で買い取ります。それでも、厳しい?
んー……それじゃあ。 ――この呪いの絵画、欲しいですか?」

 (やはり、君『フラジール・デイズ』は。私の最高の半身だ)

種明かしは単純。
 何て事のない、無銘の画家の絵を呪いの品と説明する中で
骨董品の置いてある適当な刃物で手の平を軽く傷つけ、絵画に血を塗り ついでに字も書く。
 おまけで、店主も相互不干渉で通り抜けた後に。私の持ってる絵画にもペイントして達成だ。

スタンドの知識があるなら、呪いのスタンドアイテムの絵があると考えても可笑しくない。
 更に、大事にすれば持ち主に幸運も齎すと説明すれば。売った事を瞬時に後悔しつつも
100万だが、血で損傷してる絵と交換してくれるなら。先行きを考えれば20万で
伝説の呪いの絵画が買えるとなれば、店主も納得するだろう。

(血は、当然スタンドを解除すれば消える。100万の品は元に
無銘の画家の絵画の血も消える……けど、消えても全く不思議でない。『呪われてる』のだから)

クスッ

(けど……損得では、店主に損は多いものの。幸運が降り注ぐと確信を込めて商売を続ければ
いずれ、あのアンティークショップは実力で多くの幸運を獲得する。あの店主の手腕なら間違いなく
それを考えれば、あの絵画も正しく いずれ本当の『祝福の絵画』となるだろう)

 店を出て、フラジール・デイズと歩む足取りは とても強い。

78遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/11(月) 20:07:31
>>77

 あぁ……それと、これは。あえて記さなくて良いと思って省略したが。
店主と交渉する前に、事前に舞台外指定しつつフラジール・デイズに指示はしている。
 絵を探してる合間にも、時間はあるだろうし。その時にでもスマホで密かに指示を
作成して見せる事にするし、喋ってる合間に血のペイントにする合言葉なども作っておく。

79夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/11(月) 20:29:11
>>75

事の始まりは、私の父が残した一枚の『鏡』だった。
最初は、単なる骨董品であろうと考えていた。
しかし、実際は遥か昔に栄えたという超古代文明の遺産を手に入れるための鍵だったのだ。
そして鍵となる品物は、私が所有している『鏡』を含めて、この世界に三つ存在している。
長きに渡る調査の結果、ついに私は二つ目の鍵である『壺』を発見した。

今、それを手に入れるための交渉を行っている最中なのである。
だが、あまり時間は掛けられない。
世界の支配を企む秘密組織も、この壺を狙っているからだ。
第三の鍵である『短剣』は、既に彼らの手中にある。
急がなければ……世界が闇に包まれる前に……。

――アドベンチャー映画のような壮大な背景を捏造しつつ、『壺』を手に取る。

「――う〜〜〜む……」

両手で『壺』を持ち上げ、内側を覗き込む。
『入念にチェックしているフリ』をしながら、『ドクター・ブラインド』の手を『壺』の中に突っ込む。
そして、『壺』の内側を『爪』で引っかきまくり、傷だらけにしてしまう。
さらに、見えにくい壺の底部分辺りに、ひときわ大きな傷を付けておく。
それが済んだら、『壺』を置いて、店主に話しかける。

「その『100万円』っていうのは――」

「『内側の傷も含めて』っていう意味だと考えていいんだよねぇ?」

「この状態で『100万円』は釣り合わないんじゃない?」

「――『20万円』」

「それ以上は出せないよ」

こう言って、自分が付けた『内側の傷』を店主に確認させる。
値切りのコツは、傷や汚れている部分などの、価値が下がる要因を見つけること。
それがなければ、その場で作ってしまえばいい。
店主には悪いが、今は非常時だ。
なにしろ、この『壺』がなければ世界が……(以下省略)

80『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:25:24
>>76(弓削)

弓削の優れている点は――――『第一案』で終らない点だ。
アンティークペンでも状況を突破できた可能性は十分ある。
この競技はおそらく、『失敗前提』で創られた物ではないから。

――所謂『カテゴリーで括った器物発現能力』を持つスタンドは、
本体がどこまで『頭を回せるか』でその価値が顕著に変動する。
ここまでの状況全てにおいて『的確』な発現物を生み出した弓削は、
経験の乏しさに反し、極めて優れた『スタンド使い』と言えるだろう。

             サラ
                  サラ

純金の軌跡を描く『79ink』に、店主は満足げに頷く。
筆跡、インクは、スタンドがこの世に刻んだ『痕跡』だ。
破壊痕などと同義で、後から解除されるようなものではない。
12時間で失われるのは不可思議な現象、『発火能力』のみ。

「『筆記具を発現するスタンド』――――――いやはや。
 『スタンド使い』というものには、いつも驚かされますな」

もし店主が『1mlが10万円』という話を知っているならば、
満足げに歪んだ口元も、『当然の反応』と言った所だろうか。

尤もそれは購入価格で、金銭に変えられる需要があるかは怪しいが、
少なくとも『恩を売る』に値する能力者だと証明する価値はある。

「よろしいでしょう、現金と、このペンでお譲りします」

            スッ

これにより、無事に『骨董品』を手に入れる事に成功した。
驚愕があるわけではないが――――極めてスマートな解法だ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:△ 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

81『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:25:43
>>77(遊部)

単純に――『最優秀』の場合にのみ『ファンファーレ』が鳴る、
つまり『他の誰かがより優秀な演技を見せた』可能性もあるが……
実際『反応ありき』の方法より自分を高める方法の方が『楽』そうだ。
もちろん状況が不定である以上、毎回それが出来るとは限らないし、
それが出来ない状況でどのように『切り抜ける』のかもポイントになり得る。

ともかく、フラジールは『安物の絵』を買った。
買うことは出来た。そして、その『呪い』をでっち上げる事も、成功する。

              ベチャァ〜・・・

「なッ」

                「馬鹿な、そんな」

    「いや」

            「しかし……」

絵から流れる血に、顔を蒼白にしていた店主は、目に少しずつ熱を帯びさせる。

スタンドを知っているという事は必ずしも『競技者に不利』ではない。
相手に『能力を知られている』わけではないし、『確かめる術』もない。
何より『スタンドを知っているからこそ』引っ掛かりやすい『罠』もある。

「い……いや、『悪い話ではない』……骨董商として、
 こうした『曰く付き』の品はむしろ『望むところ』」

            「……しかし」

「今の今まで呪いが起動していなかった事は、幸運に思うべきか…………!」

ただし、危ない橋を渡っているのは間違いない。
フラジールが説明した呪いの内容が真であれば、
これまでにも『喰らった』事があってもおかしくないのだ。

今は素直に『受け入れている』ようだが、『いつまで騙し通せるか』は謎だ。
呪いの絵の側を『ここに置いておく』事も、露見のリスクを著しく高める。
彼は『他の絵』でこの現象が起きるかどうかを試す可能性は非常に高いだろう。

――――しかし、そんな『先のこと』は今『状況』を切り抜ける上では何ら無関係である。

「……まあ、つい今の今まで『この呪いの絵は元々この店の商品』だったわけで、
 私が『これを君から買う』というのも、おかしな話だが……一度売ったのも事実。
 これの価値を教えてくれたのも君だ。今更文句を言うのも、ケチな話というものか」

現時点で『呪いの絵』の所有権がフラジールにあるのかは怪しい、という問題もあったが、
これについても『場の熱に流された』のか、単に温情なのか、強い追及はしてこなかった。

          ・・・ギリギリで綱を渡り切った、と言えるだろう。それも成功だ。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:× 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                 →『CLEAR』

82『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:31:02
>>78(夢見ヶ崎)

壮大なストーリーを頭に描きながら、第四の状況に挑む。
それくらいの気持ちであれば、『演技』も滑らかになるというもの。

「――――傷? まさか、この壺は『最高の品質』ですし、
 それは仕入れの際、私の目と手で確かめました。そんな傷などあるはずが」

            スッ

   「……!? な、なんだ、この『切り傷』はッ……!」

                 「ま、まさかッ」

当然、このような事態になれば『疑われる』。
100万円もする高額の壺だ、ある程度の『精査』はしている筈。
その時にはなかった傷が、『夢見ヶ崎が触れた後』にあるとなれば。

「………………す、スタンドを……いや、しかしこれは『刃物』の傷ッ!
 ハッ、まさかネイルで……いや、であれば指に『汚れ』がついている筈」

     「なら何かの道具で」
 
                         「いや、刃物など」
 
     「持ってはいない……!?」

持ち物や手先を検められたが、証拠なく傷を付けられる道具は当然ない。
――――スタンドを知っているものだからこそ、ハマる落とし穴がここにあった。

夢見ヶ崎が意識していたかは兎も角、『ドクター・ブラインド』は『異形』だ。
それというのは、『爪』のこと。一般的なスタンドにはない機能が存在している。
『超能力なら何でもできる』と思わない、半端にスタンドの知識を持つ者だからこそ、
この切り傷をつけられるような『スタンド』があるというところまで想像が及ばない。

「いやはや……た、大変失礼しました。保管状態が悪かったのか……
 ええ、これだけ傷がついているのですから、『20万円』で十分かと」

                 「……その代わり、今の無礼はどうか内密に」

かなり危ない綱渡りではあった――――『手を突っ込む動作』と『切り傷』が、
それなりに連想できる範囲の『関連性』を持っているという点が、危ういところ。
それでも、現実味のある傷だったからこそ『保管のせい』と思わせる事が出来た。
例えば『突如浮かんで粉々になった』などであれば、流石に疑いは消えなかっただろう。

結果は『成功』だ。『堅実』や『斬新』には欠けるも、『無駄の少ない』解決が成立する。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:△ 目新しさ:△ 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                                     →『CLEAR』

83『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:35:12
>全体

四つの状況を切り抜け――――つぎに目の前に広がるのは、
町中のような、しかし人通りがほとんど見られない光景だった。

                    オ
              オ
                      オオオ  ・・・

一陣の風が吹く。

これが『最後の状況』であることが、全員に知らされた。
視界に映るのは――――極めて『電子的』な人影。距離は『10m』先。
こちらに背を向けて立っており、その両脚に纏わりつく靴は『スタンド』的だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――
 
                状況その5
                『逃がすな』

    貴方は捜査と追跡の果て、ついにかの『悪党』を発見した。
     今貴方は『10m先』に、その敵の背中を見ている。 
     遮蔽物などはないが、まだ敵は気づいていないようだ。
      しかし敵は正面対決などを好むほど『愚直』ではない。
   正面から行けばまともに取り合わず、一目散に逃げ出すだろう。  
    敵は圧倒的な『逃げ足』を武器とするスタンド使いであり、
    逃亡の際には『自動車』にも匹敵する俊足を得るとされる。

          この状況で選べる択は三つ。
        『この場で逃がさない方法を考える』
       『逃げ出した敵を捕まえる方法を考える』
        『逃げた先を知るための方法を考える』

     逃げ足がいくら早くても、逃げ出す前に仕留めれば、
     何の問題も無い――――戦闘能力の有無は不明だが、
      少なくとも逃げられるよりはシンプルに事が運ぶ。

    逃げ出したとしても、それを捕まえる方法があれば問題ない。
   いくら足が速いとは言っても、こちらにはスタンドの力がある。
   単なる追いかけっことはわけが違う。手段はあるかもしれない。

      この敵を憎んでいるのはあなただけではない。
    逃げた先を――――完全ではなくても『絞り込める』なら、
    大集団で追い詰め、物理的に『逃げ出せない』状況を作れる。

               成功基準

      追いつけなくなる前に『逃げられない』ようにする
       負傷させる、拘束する、状況を構築するなど、
       この『状況解決』において『手段は問わない』
                または
         逃げ出した敵を『追跡』する手段か、
        行き先を特定する手段を考え、実行する
      実際の行き先がどこか、などは『断定』していいが
    断定に足る根拠と、そのための『方法』の提示は必須とする
 
――――――――――――――――――――――――――――――――

提示された状況からするに、あの電子的な人型の『モデル』が『悪党』なのだろう。
まるで人間らしいリアリティの無いその姿は、『暴力』への躊躇に配慮したものだろうか。

周囲の地形は町のようで、特筆するような『ギミック』等は見当たらない。
追跡劇を演じるのだとすれば、一般的な『町中』でのそれを想定することになる。
そして繰り返す事になるが、敵は背を向けておりこちらに気づいてはいない。

大きな音や接近などは気づかれかねないが、
逆に言えば気づかれない範囲での準備はし放題。
町中に見当たるようなものであれば、大抵は見つかる。

――――今まで以上の難問だ。だが、これは現実ではない。
失敗のリスクを深刻視せずに、『何が出来るか』を考える事が出来る。

                   ・・・そしてそれを『実行』出来る。

                               状況その5 → 開始

84『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/11(月) 22:37:56
>  敵は圧倒的な『逃げ足』を武器とするスタンド使いであり、
>    逃亡の際には『自動車』にも匹敵する俊足を得るとされる。

敵の逃走速度は『スB』程度と捉えていただいても問題ない。

85遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/11(月) 23:49:49
>>83

「……ふむ 時間は、相手が気づかなければ
幾らか余裕あるんだろう?」

 「なら……大丈夫だ」 

「……追い詰めるのなら、刃物の一本は借用させて頂こう」

 ――――――――――――――――――

所持品:ナイフ  『舞台外指定』:悪党

 「 とうとう 見つけたぞっ 」  ザッ

 『悪党』に対し、奇襲はかけない。正々堂々と声をかける。

「貴様だけは許せない。お前の為に、多くのものを犠牲にされた人達の
代わりに……いまここで倒す!」  タッ
 
 「待てっ、逃げるな  ピ――――!」

 駆ける。当然ながら相手は一目散に逃げる。だが……

 「――チェックメイトだ」   

 自動車の速度で逃げ出した瞬間、『悪党』は目前に『張り巡らされたロープ』
に驚愕し……成す術なく激突するだろう。

 ……仕掛けは、こうだ。

まず、『フラジール・デイズ』を舞台外指定でナイフ所持で行動させ……
適当な十メートル圏内にない、駐車場などにある『標識ロープ』を適当な
長さに切らせ……それを体に巻き付けつつ、ある程度急がせつつも戻らせる。

そして、どの方角に逃げても良いように。周囲の電柱や樹を支柱にして
『悪党』の周囲の、衝突したら胸部部分に直撃する高さへロープを巻き付かせる。

『フラジール・デイズ』の望まぬ相手の指定で、触れてるだけのものは認識・干渉は
相手も可能だが。ロープを巻き付かせる間は、手で『持ってる』ものだ。
『持ってるもの』は認識・干渉は出来ない……。

縛り付ける部分が相手の死角になるように予め指示して、相手に声をかけて
逃走する瞬間に、ロープを完全に固定するようにタイミングして手を離すように
笛を鳴らして合図すれば。相手にとっては一瞬で突如出来たロープの結界だ。
 どの方角に逃げても良いように完全にリングは出来てる。

 「自動車程の速度……災いしたな。
その勢いで、胸部を打てば。ろくに呼吸もままならんだろう。
肉体も強化出来ていれば良かったのにね?」

 スタンドから受け渡されたナイフを掴みつつ、倒れる『悪党』を覗き込む。

「され……足の腱は、切らせて貰うか。殺しはせんよ
君が下される罰は、ここで死んで収まるものではないだろう?」

86夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/12(火) 07:54:46
>>83

「――見つけた」

         ド ド ド ド ド ド ド ド ド

ついに――ついに追い詰めたぞ……。
『無差別連続ピンポンダッシュ犯』!!
その俊足を駆使して町の平和を乱してきた凶悪犯も、今日が年貢の納め時だ!!
とっ捕まえて、駅前にある蕎麦屋の出前に転向させてやる!!

――今回の背景は、だいたいこんなカンジだ。

まず、自販機でペットボトルの『オレンジジュース』と『カフェオレ』と『トマトジュース』を買う。
そして、その場で三つとも三分の一の量だけ残して捨てる。
さらに、どれか一つのペットボトルに残りの二つを入れ、シェイクして三つを混ぜ合わせる。

                                            カクテル 
できあがるのは、『オレンジジュース』と『カフェオレ』と『トマトジュース』の『混合液』だ。
それを『ドクター・ブラインド』に持たせ、気付かれないギリギリの距離まで距離を詰める。

      ドシュッ

準備が整ったら、『混合液入りペットボトル』を、
『ドクター・ブラインド』で放物線を描くように投げつける。
投げる前に、あらかじめキャップは外してある。

            カクテル
上手くいったなら、『混合液』を頭から被ることになるはずだ。

トーゼン敵は逃げ出すだろうし、まともに競争しても追いつけるはずがない。
だけど、私は慌てない。
最初から、この場で捕まえようとは思っていないからだ。

                  カクテル
私の狙いは、敵に浴びせた『混合液』の『匂い』を辿ること。
『』ドクター・ブラインド』の『超嗅覚』なら、それも十分に可能なはず。
三種類の飲み物が混ざった匂いなら、他の匂いと嗅ぎ間違える心配もない。

                       カクテル
まったく追いかけないわけではなく、『混合液』を浴びせたら、できる限り後を追う。
あまり離れすぎて、匂いが辿れなくなることを防ぐためだ。
いずれにせよ、この方法で敵の進む道筋を追跡し、最終的な行き先を特定する。

          「 私は『アリス』―― 」

       「 そして、あなたは『白ウサギ』 」

    「 ――だから、私はあなたを逃がさない 」

87弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/12(火) 20:10:31
>>83
「ここは――」

ふと気づくと、人気のない町並み。
ここが『最終問題』。
今までの状況と打って変わって……『実戦』的な状況だ。
相手が攻撃してこないという前提はあるが、
この手の状況は戦闘に不得手な『アンタイトル・ワーズ』は不利である――しかし。

       「……ここまでの競技で得た『経験』を生かせば」

『堅実さ・目新しさ・流麗さ』で点数がつけられる。
おそらく『失敗前提』で創られたものではない。
それらの競技性を理解したうえで、この状況に最適な行動は何か。それは――。

   「――――」

      ― ― ― ―

     所持品:とくになし

      ― ― ― ―

「結局、ついぞ『追加の品』は使いませんでしたね……」

呟きながら、弓削は『アンタイトル・ワーズ』を発現する。
もっともそれが可能な応用性こそ『アンタイトル・ワーズ』の武器だ。
その武器を最大限に生かすために、『筆記具』を最大数――六本発現する。

まず『ボトル刷毛』が三本。油性の塗料を入れて発現し、刷毛を取り外しその場に置く。
(ttps://item.rakuten.co.jp/naisououendan/k12-3006_01/)

そして『タクティカルペン』。これも三本発現し、一本は本体、二本はスタンドが持つ。
(ttp://gigazine.net/news/20120331-tactical-pen/)

このうち、『タクティカルペン』二本を敵の頭上目がけ思い切り山なりに投擲したら――行動開始だ。
『アンタイトル・ワーズ』の精密性を以てしても命中は不可能だろうが、そう外した位置には落ちないはず。
速度に自信のあるスタンド使いなら『当たるかも』と思えば観察する前にまず回避、そして逃避するだろう。

そしてそうなれば弓削に追いつくことは不可能なので――
敵が回避する前に『アンタイトル・ワーズ』を敵に接近させ、足元に『塗料』をばら撒かせる。
スタンドは移動に音を出さないし、敵は逃避までの間に風切り音などでまず『上』に注意を向ける。
その瞬間は『足元』に対する警戒は限りなく小さくなるはず。

         「……この競技は、失敗前提ではない」

 「つまり『失敗するリスクを考えて縮こまった行動をする必要がない』ということ」

そしてこうなれば、あとは簡単だ。
いかに敵が人外の速度を誇っていたとしても、その足は地についている。
上方に注意が逸れていた敵は足元の変化に対応できず飛び退こうとし、
そしてそこで塗料で足を滑らせて転倒するはず。
転倒した敵が立ち上がるのと、弓削が接近しきるのとでどちらが早いかといえば――

      「ならば、最も堅実で、最も目新しく、最も流麗な行動は」

当然、後者。
そしてそのまま、弓削は転倒した敵の方へ飛び込むように倒れ込み――

           「この場で、この人を殺してしまうことですよね」

手に持った『タクティカルペン』を、体重をかけて『突き刺す』。
上空からのタクティカルペンの防御も考えなければ
ならない敵にとって、この弓削本体の行動は寝耳に水となる。

死ねば、逃走できない。殺せば、捕え続けたり後を追う方法を考える必要はない。
これが、弓削なりに競技の意義を理解し、そして『最善』を目指した結果だ。

88『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:26:00
>>85(遊部)

刃物は当然のように用意された。握りやすいサイズだ。

啖呵を冷笑するかのように、
敵は『急加速』でその場を離脱――――

            バシ
               ィイ
                  ィィーーーーン!!

「!?!?!?!?!?」

張り巡らされたロープが、その逃げ道を塞いだ。
いや、塞いだ――――だけではない。打ち据え、
そして地面に打ち倒した。『逃亡』の経路を潰した。

敵は当惑する。いつの間にこんなものが――
敵は動いてすらいない――
スタンドも――

その思考は、彼の背中が地面に激突した衝撃が霧散させた。

       ズ
           ザザッ

                「…………!!」

――準備に用いた時間を考えれば、『流麗』とは言えないだろう。

だが、与えられた状況に対する回答としては『堅実』を極める。
ただ逃亡を妨げるだけではなく、一手で『ダメージ』をも与えた。
応戦のリスクを負う事も無い。『動けない』間に勝負を決められる・・・!

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:△
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

89『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:26:10
>>86(夢見ヶ崎)

自販機くらいはどこにでもあるし、ジュースだって売っている。
手早く三種のジュースを手に入れ、嫌な鈍色の『カクテル』の完成。
ここじゃなきゃ中高生のドリンクバーくらいでしか見られない色合いと臭い。

           ドシュッ

投擲――――その速度は敵の初速を逃さない程度には早いが、
ペットボトルは命中しなかった。したのは『中身』だけだ。
不快に顔を顰めつつも、敵はそのまま逃げ去って行く。万事休すか?

             ・・・

                 ・・・そんなはずがない。


      フ
         ワ
           ァ

悪臭――――刺激臭――――『夢見ヶ崎』の嗅覚であれば、
もっと適切な表現が出来るかもしれない。漂うこの『匂い』に。

超嗅覚を以てしても、『体臭』等を追うのは相当に難しい。
だが、このような方法で『マーキング』してしまえば、
その匂いは容易に追跡可能な『痕跡』を逃走経路に残し続ける!

シンプルな手ではあるが――――間違いなく『優秀』な回答と言える。
対逃走における『マーキング』の価値は、『カラーボール』が既に証明しているように明白だ。
そしてその明白な『解決手段』を即座に用意し、手段のシンプルさゆえに何度でも『再現でき』、

                    〜♪

――――『ドクター・ブラインド』ならではの『嗅覚』を活かしている。
電子空間に鳴り響く『ファンファーレ』も、その堅実さを称えての事だろう。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

90『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:26:21
>>87(弓削)

               ヒュ
                      ヒュンッ

    バチャァッ

                   バチャァァッ


――――行動は電撃的に、そして超精密に行われた。

投じられたタクティカルペン。空を切る音を聞いた頃には、、
その足元に『アンタイトル・ワーズ』がまき散らした塗料。
高速回避。その速度と勢いを持って『足を滑らせる』結果。

                       ズルッ…

    ダ
        ダッ

敵が背から油性塗料まみれの地面に落ちる。
タクティカルペンを構えた弓削は既に動いている。
敵は頭上からの鋭利な落下物への対応を迫られ――

           「!!!」

一連の動作は非常に『手際良く』行われた。
敵が動かず、逃走以外の対応をしない以上、
そして『アンタイトル・ワーズ』の精密性がある以上、
オーバーワークであっても最低限は『再現性』を保てる。

失敗の恐れはいくらでも浮かぶ。しかし弓削はこの競技の本質を見抜いている。
競技者が『失敗』するところではなく――――いかに見事な成功をするかを見る。
一定の再現性さえ確保できているならば、『絵的に映える』行動を取るのに恐れはいらない。



                ザ
                  グゥッ!!!

結果。弓削の手に、『リアリティ』の薄い『肉を突き刺す』ような感覚が伝わった。
血の噴出や末期の痙攣と言った、リアルな物はない。敵はその場で『動きを止めた』。

――――――――――――――――――――――――
堅実さ:〇 目新しさ:〇 流麗さ:〇
――――――――――――――――――――――――

                         →『CLEAR』

91『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 14:28:25
>全体

                ヴ
                   ヴ
                      ン

各々は状況を達成したあと――――『最初の空間』に戻っていた。
戻ってきた順番は弓削が最初で、その後に夢見ヶ崎、フラジールが続く。

          キュキューーーン

電子イルカのヴィジョン、『マトリクス・オデッセイ』が頭上を周回している。
そして周囲の壁面に、『加古』からのメッセージが映し出されはじめた。

【 以上で テストは 終了です 
  ご協力 ありがとうございました 
  今回得られた フィードバックは 必ず活用し 
  皆さんの データに関しては しっかり管理します 】

         キュキュゥン

イルカが『頭を下げる』ような動きを見せた。

もっとも、電子的すぎて誠意などとは無縁な動きだが――
少なくとも加古の感謝は言葉だけではないと見ていいのだろう。

【 それでは パソコンも そろそろ熱くなってきましたので
  『マトリクス・オデッセイ』 を終了したいと 思いますが
  その前に 何かここでしておきたい事などは ありますか? 】

     【 なければ ご自身の意志で 『ログアウト』 いただければ
        説明した通り そう思えば出来るように してますけど
         よくわからないのであれば こちら側から 『キック』します 】

92夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/13(水) 20:28:52
>>91

「――ンんんんん〜〜〜」

「おしまいかぁ」

電子的な空間の中心で、大きく伸びをし、名残惜しそうに呟く。
『電子の国』の冒険は、これで終わり。
どうやら『光の国』に戻る時が来たようだ。

「こっちこそ、珍しい経験をさせてくれてありがとう」

「うんうん、満足満足」

「――じゃ、帰るね」

期待した通りの――いや、期待以上の体験をすることができた。
ここに来ただけの価値は十分あったようだ。
満たされた思いを胸に、電子空間から帰還する意思を告げる。

「あなたもありがと、『白ウサギ』さん――」

「とっても楽しかったよ」

『電子イルカ』を見上げ、同じように頭を下げた。
向こうのそれに合わせて、こちらもやや『電子的な動き』で。

       サイバーランド  ログアウト
そして――『電子の国』と『お別れ』する。

93弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/13(水) 20:30:44
>>91
「ここは……」

そして、ふと気付くと電子空間に戻っていた。
辺りを見渡し誰もいなかったことを怪訝に思っていたが、
すぐに二人が現れたのを見て『誤差の範疇だろう』と見当をつける。

「こちらこそ。……お疲れ様でした」
「私からは特にありませんので……それでは、また向こうで」

二人に声をかけ、ログアウト操作を行う。

94遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/13(水) 22:10:16
>>91

「あぁ……楽しかったよ。自分の力も、再度見直す幅が見えた」

「有難う」

 シークレットブーツに履き替え、マスクを着用。学生服もバックに入れ直し
最初にログインした時の状態へと戻る。二人と鉢合わせする前に、それ位の
許可は取れる筈だ。

 「二人共お疲れ様」

他の参加者二人にも、短く労ってログアウトを行う。

95『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/13(水) 23:37:32
>>92(夢見ヶ崎)

           キュキューーン

加古が操作しているのかどうかは分からないが、
返した礼に満足そうに回転動作を取っていた。
少なくとも、無駄な感謝ではなかったのだろう。

>>93(弓削)

何らかの誤差だったのだろう。状況の解決速度か。
いずれにせよ特に異常はなく、ログアウトも行われる。

>>94(遊部)

着替えは問題なく行うことが出来た。元のフラジールだ。
尤も、現実世界に戻れば『元通り』だった可能性はある。

>全体

≪ マトリクス・オデッセイ ヲ シュウリョウシテイマス ≫

        ≪ マタノゴリヨウ ヲ オマチシテマス ≫

                ≪ グッド・バイ ≫

        キュキューーーーーン

                           _
              ________r':::|
             ヾ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
                   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄` 、:::::j
                           |::::/
                      |::::|
                       |::::|
                        |::::|      _
                     |:::::|    /| |:::::}
                       |:::::」    |:::| |::/_
                       |/    L:ノ /:::|
                                |:::/
                                |/
                                  __
                                      ヾ::::}
                                         ̄
                                       _
                                     |:::::}
                                         ¨´   _
                                           {:::}
                                            ¨

――――視界がブラックアウトしたのは一瞬で、今は薄暗いビルの中にいた。

最後に画面をタッチしたのと同じ位置で、夢から覚めたかのように周囲の光景が開けた。

                パチパチパチ

「いや〜、お疲れ様です、皆さん! 見てましたよ。最後までバッチリでしたね!」

まず軽い声を上げたのは、吾妻だった。
モニターからやや離れて画面を見ていたらしい桜島も立ち上がる。

「――――諸君、テストへの協力に心から感謝するッ!
 そしてスタンド使いを見てきた『アリーナ』の職員として言わせていただくが、
 大変『見事』な『対応力』だった。『5つの状況』全てを、全員が切り抜けるとは!」

熱のこもった声で祝福する桜島に、パソコンに打鍵しながらも加古が何度も首肯している。
――どうやらクライアントの意向に沿った仕事をすることには、三人ともが成功したようだった。

96弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/13(水) 23:57:33
>>95
「!」

戻って来るなりの拍手に、一瞬面喰う。
が、無表情ゆえかなり分かりづらい。観察力がある人なら分かっただろうが。

    「……ありがとうございます。
     スタンドをこうして扱うのは初めての経験でしたが……」

  「とてもよい経験になりました」 ペコォー

無論、その『経験』は競技者としてという意味だけではない。
今後こうしたスタンド関係の仕事につくにあたっても、決して無駄にはなるまい。

97夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/14(木) 00:05:58
>>95

「やあやあ、みんな、おつかれ〜〜〜」

「――って、そうか。今、こんなトコにいたんだった」

その場にいる全員に労いの言葉をかけつつ、周りを見渡す。
自分を取り巻いているのは、元通りの薄暗いビルの中だ。
それを見て、戻ってきたことを実感する。

「なんといっても、私は『アリス』だし――」

「『アリス』にできないことはない!!」

「――ちょっと難しいのもあったけど」

得意顔で親指を立てた後に、小さな声で一言付け加える。
テストの結果が役に立つのは、何もクライアントだけではない。
今回の仕事は、自分のスタンドについての理解を深める良い機会になった。
そういう意味で、自分にとっても今回のテストは成功だ。
ここで得た経験は、今後の『冒険』にも大いに役立つことだろう。

「で、後はなんかすることあるの?」

依頼された仕事は終わった。
となれば、後は報酬を貰って帰るだけだろう。
もちろん、それも重要なことだ。
もっとも、もう一つの報酬には適わない。
好奇心を満たしてくれる『未知の経験』という名の報酬には――。

98遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/14(木) 18:04:29
>>95

 「……ふむ」

「今後も、このようなスタンドを用いて様々な状況を解決する様を
次は、アリーナの観客にも見せるパフォーマンスの一つにはなるだろう」

「……そう言う催しとして成功するかどうか。
試験的に私達を登用した。違うかな?」

 『フラジール・デイズ』 
『私』の力 『我々』の力 今後に変化はしていくだろう。
そう考えれば、見せたのは力の一端。特に開示したもので不利益はない……。

 「『マトリックス・オデッセイ』と言ったな」

「電子世界で振るった私達の力は、記録は可能ならば……記録の私達と
闘う事も可能だったりするのだろうか? 
別に深い意図のある質問じゃない……ただ、実験的に出来る幅がありそうでね」

『マトリックス・オデッセイ』の力にも、多少関心は惹かれた。

応用が利きそうだ、疑似戦闘などで経験を積む事が出来れば……実績に繋がる。

99『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/14(木) 22:45:43
>>96(弓削)

単に手の動きが疲れたのだろうか、
あるいは表情を察したのか――――
いずれにせよ、吾妻は既に手を止めていた。

「初めてなら尚更、あの行動力は素晴らしいものだ!
 非常に優れたスタンド使いだと認識させていただきたい」

桜島は特に弓削の手腕を評価しているようだった。
彼にアリーナでどれほどの権限があるのかは不明にせよ、
今後何らかの『仕事』をする上でも意味はあるかもしれない。

他の2人もそうした桜島の態度には共感しているらしく、首肯している。

>>97(夢見ヶ崎)

「オレも以前やった事ありますけど、
 それと比べても流石って感じでしたよ!」

吾妻の絶賛。アリスには触れてこない辺り、
そこまで『アリスネタ』に詳しくないのだろうか。

「あ……アリスさん。ご協力ありがとうございました、お疲れ様ですぅ」

「難易度調整は課題ですねぇぇ…………
 応用幅の広いスタンドが基本、勝つ……!って競技よりは、
 使い手の『センス』を競うようなモノにしたいですしぃ……」

――――難易度については、『開発』であろう加古が口を開く。
小さな声は聞かれていたようだが、それに対する見解も大きいとは言えない声。

「この後は報酬を授与するが、振り込みが良ければそれで対応するッ!
 我々は振り込みであっても手数料は要求しない。そして、その後解散とする!!」

上機嫌の桜島が、この後の予定を説明しながらバインダーより封筒を取り出す。
数は三つなので、全員『手渡し』の『当日支給』でも対応してもらえるようだ。

>>98(遊部)

「その通り! もっとも、先ほど語った以上の説明はないのだが・・・
 今回のテストで、この競技に『実現性』がある事が判断出来たッ!」

            「――――つまり諸君らのおかげだ!!」

熱の入った感謝を示す桜島。

開始前にも彼が熱弁していた通り――――今のテストは、
アリーナが想定する『新競技』の成立を問う物だったのだろう。   

「え、あ、はいぃ……つまり『模擬線』……ですよねぇ?
 理論上は不可能じゃないです、けどぉぉ……まだ『データ不足』で」

「『スタンドの使い方』とかの再現もですしぃ……
 細かい能力の『詳細』も……『それっぽい偽物』にしか。
 長時間戦闘が出来る思考能力が『NPC』にあるかどうかもぉ……」

もう一つの疑問には、加古から歯切れのよくない返答があった。
他にもぶつぶつと付け加えているが要するに、『ノー』と考えて良いだろう。     

>全体

「この場での報酬受け渡しを希望する者は残っていただきたい!
 後日振り込みの場合、振込先をこの場で教えていただくか、
 吾妻にメールで写真データを送付していただければ対応する。
 それが済んだ者は――――改めて、今日はご協力に感謝するッ
 現地解散という事になるが、この場この時点でこの『仕事』は終了としたい」

「その他、何か質問などがある者については可能な限り対応させていただくが!!」

              「オレも答えられることは答えますよ!」
                             「機密事項とか以外でしたらぁぁ……」

100夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/14(木) 23:14:37
>>99

「じゃあ、振り込みにしてもらおうかな。『スイス銀行』に」

「あ、でも私『コウザ』とか持ってないから――」

「今、ちょうだい」

冗談を交えつつ、封筒を受け取るべく片手を差し出す。
特に懐が寂しいわけでもないが、今もらわない理由もない。
ここは景気よく、帰りにどこかの店でパーッとやるか!!

……いや、これは次の『冒険』への軍資金。
無駄遣いは良くないな。
賢くジチョーしよう。

「質問は特にないんだけど、連絡先交換してくれない?」

「また何か仕事があったら紹介して欲しいから」

「私こういうの好きだし」

ついでに、この機会にコネを作っとこう。
あって困るものでもない。
『未知』への扉は、多ければ多いほどいいのだ。

101弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/14(木) 23:35:16
>>99
「私はこの場での受け渡しを希望します」

と言って、暗にその場に残ることを表明する。
思いがけず手腕を評価されたのはもちろん有難いが、
弓削にとって一番大事なポイントは
『これがどう求職に繋がるか』という一点である。

と、いうわけで。

「では、今回の件には直接かかわらない質問なのですが……。
 ……実は、『スタンドに携わる仕事』に興味がありまして」

「こうした『競技者』としてではなく、桜島さん達と同じく
 『スタンドを使ったビジネス』を運営していく立場の仕事に……」

ビジネスと大味に言い切ってしまうと、色々と語弊はあるだろうが……
要するに、スタンドという分野で『誰かを盛り立てる』仕事がしたいのだ。
だから弓削は今回、競技者でありながら
『競技の意義』や『ルール』についてかなりの思考を割いていたのである。
(無論、競技に適切に取り組むことにも利用したが)

  「質問というのは、皆さんがどのようにして『現在のお仕事』に就かれたか。
   ひいては『今現在中途採用は行っているか』という点になります」

夢見ヶ崎同様、コネを作る為の第一歩である。
第一歩というか完全に就職活動しているレベルだ。
あまりにも一足飛びすぎる話運びだが……。

「ぶしつけな質問で申し訳ありませんが……ご回答いただければ」

102遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/15(金) 19:48:48
>>99

加古の説明に対し、ゆっくりと相槌の意味合いで首を鷹揚に縦に揺らし 呟く。

「『データ不足』 か」

「なら、楽しい催しに参加した。幾らばかりの返礼にならないが」

「『私』が、誰か別のスタンドを扱う人間と出会う時に。貴方がたに
紹介する役割を請け負っても、問題はないかな?」

「日常では満足に奮えず、フラストレーションを抱えてる使い手だって
探せばいるだろう。そして、そんなサンプルが幾つも集まれば
マトリックスの応用の幅も増える。一石二鳥だろうさ……」

「紹介が多ければ多い程、例えば十人紹介したら5万貰えたりは可能かな?」


遊部 玲実の人生は……短いようで、長くもある。多くのスタンド使いと
出逢う機会は、体験している手前多いと確信がある。

それが良いか悪いか判断には苦しむところだが、有効活用するに越した事はない。

「あぁ。報酬は、この場で解散する前に頂こうか」

「何分、振り込むような場所が今の所ないのでね」

103『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/15(金) 22:00:08
>>100(夢見ヶ崎)

「――――中身は後で確認しておくように!
 連絡先か、ああ、教えておいても問題無いだろう。
 むしろ優秀なスタンド使いとのコネは有難いもの。
 必要があればいつでも連絡してくれてかまわないッ!」

   「無論、いつでも良い返事が出来るとは限らないが!」

吾妻の連絡先は仕事の前段階で教えられていた。
それに加え、桜島明人の名前が連絡帳へと並ぶ。
私的な用途の物かは不明だが。確実に『コネ』にはなる。
そしてそれは、向こうにとっても悪い話ではないらしい。

「夢見ヶ崎さんとはいい仕事出来そうですし、
 また協力してくれるならありがたいですね!」

吾妻は笑顔でそのような事を言っていた。
気に入られたらしい。

受け取った『封筒』には、紙幣数枚分の厚みを確かに感じた。
一日の『バイト代』としては、かなりの高額と言えるだろう。

>>101(弓削)

「中身は後で確認しておくように――――『仕事』に?
 …………成程! 言いたい事は『察させて』いただくが、
 まずアリーナでは『求人』を常に出している訳ではない!
 そして現在、俺の知る限りではだが、職員の求人は無いはずだ」

「現在の仕事に就いた経緯は――――申し訳ないが黙秘する。
 不親切ですまないが、可能な範疇でないと考えていただきたい」

桜島は封筒を手渡してから、そのように答えた。
彼のアリーナ入りにどのような経緯があったのかは不明だが、
見るからに武闘派の男。『イリーガル』な話でも不思議はない。
少なくとも一度仕事を共にし、目を掛けた相手に話せない程度には。

「そこの吾妻などは、ファイター経験のある職員だ。
 もちろん君にファイターになれというわけではないが、
 そちらの募集であればほとんど、随時行っている。
 仮に『職員』に繋がるような仕事があれば、回す価値もある。
 ――――『窓口』の役目も含め、俺の連絡先は教えておこうッ!」

しかし『今後』を持たせる程度には目を掛けているのも間違いない。
一足飛びとはいえ、『足場から転落する』ような事態にはならず、
むしろ足掛かりを得ることが出来た。これも実力を示した甲斐という物か。

>>102(遊部)

報酬は桜島に手渡された。封筒の中に数枚の紙幣の存在を感じた。

「ほう! 有難い話ではある。間違いなく、有難いのだが……
 紹介料か――――ああ、『紹介が成立したなら』俺は支払ってもいい。
 つまりだ、我々がその人材を必要とし、受け入れた時に限るという事!
 無能を無数に紹介されても仕方がないし、『常に人材がいる』訳でもない。
 だが必要な人材を紹介してくれるならば、1人につき『1万』は支払おう。
 例えば『実際に闘技に参加するファイター』等は、需要が極めて高いッ!」

             「連絡先を教えておこう。紹介の際はよろしく頼む!」

「あー……その、『マトリクス・オデッセイ』の能力は、
 出来れば完全に黙秘していただけたらありがたいですけど、
 アリーナの事を宣伝してもらえるなら、出費は悪くないですねぇ……」

おおむね肯定的な返答は得られた物の、
これはフラジールの意図とはやや外れる要望だ。

彼らが求めているのは『マトリクス・オデッセイ』の協力者ではなく、
アリーナ全体にとっての利益となる『ファイターの増加』なのかもしれない。

104夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2017/12/15(金) 22:57:35
>>103

「――うんうん!!」

「私も『ジョーさん』とは気が合いそうだし、また一緒になんかしたいね!」

勝手にニックネームを付けつつ、曇りのない晴れやかな笑顔で応じる。
珍しい体験ができて、しっかり報酬も貰えた。
その上、おまけにコネも作れた。
文句なし、言うことなしだ。
ただ一つ、心残りがあるとすれば――。

      チラッ

同じ仕事を受けたフラジールのことだ。
結局、彼女の正体に関する部分は『未知』なまま。
気にならないと言えばウソになる。
だが、今の段階では、それを知ることは難しそうだ。
『次に会えた時のお楽しみ』――そういうことにしておこう。

「じゃ、そろそろ帰ろっかな」

「アキトさん、ミクちゃん、ジョーさん、さよなら!」

「カズハちゃん、フラジールさん、またどっかで!」

全員に対して、いくぶんか馴れ馴れしい挨拶を済ませたら、封筒をしまって歩き出す。
これで、一つの『冒険』が終わった。
だけど、私の『冒険』は、これからも続いていく。
終わりは始まりでもあるんだから。
次なる『未知への冒険』が私を――『アリス』を待っているのだ。

105弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』:2017/12/15(金) 23:04:00
>>103
「ありがとうございます」

有難く連絡先を受領させてもらおう。
元より一発就職など望むべくもない。
だが、それでもいいのだ。
たとえ道程が長くとも、弓削は『始めることができた』のだから。

「今回の依頼を受けるに当たって
 こちらの連絡先もお伝えしていると思いますので……」

「ご入り用の際は、是非」

始めることが出来たなら――あとは進み続けるだけ。
進み続けていけば、止まらなければ、
その先には辿り着くべき場所もあるだろう。

「今後とも、末永く宜しくお願いします」

弓削和華の就職活動は、まだ始まったばかりだ。

106遊部『フラジール・デイズ』:2017/12/16(土) 19:47:13
>>103(GM)

>『マトリクス・オデッセイ』の能力は、
 出来れば完全に黙秘していただけたらありがたい

「うん、そうだな……その部分の配慮に些か欠けた発言だった。
承知した、桜島 加古……闘いに自信を持つものがあれば
率先として紹介させて貰う」

 連絡先をスマホに記録する。

>>104(夢見ヶ崎)

>カズハちゃん、フラジールさん、またどっかで!

「……あぁ、またいずれ」

 

 「…………」

(今回の、『マトリックス・オデッセイ』での私の行動……。
非公開か、開示するか迷っていたが。アリーナに属する人間は
やろうと思えば、全員で共有出来る。既に記録はなされてるのだから
彼女等の力を知るのも、決して損にはならない。なら、『私』の
意見はさておき、全員共有する形が一番好ましい)

(夢見ヶ崎 弓削……彼女等は、基本的に『私』や『我々』の本質を
追及しようとする……脅威では、ない。
 まだ、私は未熟であり『成長段階』だ。……少しずつ、一歩を
疎かにせずに、積み上げていこう。砂上の楼閣ではない、盤石なる一石を)

(……『我々』は『私』は。不動なる力を積み立てる。
誰にも触れさせぬ確かな『力』を。
 『アリーナ』と言う組織を知る事が出来たのも、無駄にはならない。
――最後に『勝利』を手にする為ならば、幾らでも泥でも星にも
進む為の踏み台になろう。誰が一人でも『私』か『我々』が得られれば
それこそが……真の勝利だ)

 誰かが成さねばならない。この脆く弱き先の中で 世界に押しつぶされぬ力を

その為ならば『私』は何にでもなってみせる。

107『星へと駆けよ、スタンド使い』:2017/12/16(土) 22:25:55
>>104(夢見ヶ崎)

「そんときはよろしくお願いしますよ!
 出来れば『平和』な現場だと良いですね」

              ニカ!

「ああ、さようなら!また会おう!!」

        「お疲れ様ですぅぅ〜」

突然のあだ名を否定される事もなく、
桜島と加古の挨拶を背に、現場から帰路へと歩き出す。

――全ての未知が明かされる事はなかったけれど、
また別の未知への足掛かりはいくつか得る事が出来た。
アリーナ。吾妻。フラジール。それらが導く、次の冒険はいつの日か・・・

夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』→『仕事完遂』『報酬5万円』

>>105(弓削)

「ああ、使えるスタンド使いは外部の者でも優遇する。
 仲間になれるかもしれない者なら――――尚更に!
 こちらこそ今後ともよろしく頼むぞ、『弓削』君!」

道の始まりが見えた。
それが光差す道か、闇への一方通行かは、
今の弓削には――あるいは桜島達にも分からない。

だが、道があれば『進む』事が出来る。
止まらず進み続ける事が出来る道が、あらゆる結果の『原点』だ。

弓削 和華『アンタイトル・ワーズ』→『仕事完遂』『成績最優秀』
                      『報酬10万円』

>>106(遊部)

「もちろん、フラジールさんが戦うのも……
 なしではないですからねぇ。武器とかも、
 『勝負が成り立つ』レベルなら貸し出しますしぃ」

「『義務』等は当然ない。だが紹介したいと思ったならば、
 そしてその相手が望んでいるならばいつでも受け付けるぞ!」

記録した連絡先は『アリーナ』とフラジールをつなぐ窓口だ。
今後、紹介以外でも何かに利用できる機会はあるかもしれない。

そして――――今回の仕事で得られたのは、
金だけではない。『意思』を積み上げる事が出来た。
成長という星がどれほど高い所にあるのかは不明だが、
積み上げ続けていれば――――いずれ辿り着けるだろう。

遊部『フラジール・デイズ』→『仕事完遂』『報酬5万円』

>全体

―――――――かくして、『アリーナ』桜島からの依頼は『完了』だ。

それぞれが、そして桜島達も必要なものを得る事が出来た。
劇的な一日というわけではなかったが、『有意義』な仕事が出来た。
その成果は封筒という形で、そして各々の心の中で確かに存在する。

            ガチャ

「……『新競技』の実施にはまだ時間がかかる。
 折衝や、プレゼンテーション、選手の選定、客集め。
 だが! 『アリーナ』の新しい可能性を切り開けるッ!」

    「それは間違いない。今日はそれが大きな収穫だ」

   ザッ
      ザッ

「やっぱ『フリー』のスタンド使いも優秀な人多いですよね。
 オレたちも負けてられないっていうか、刺激されましたよ!」

「ああ、人材という面でも――――特に『弓削』君は得難い使い手だ。
 モチベーションもある! いずれ共に仕事が出来るとなれば、
 それこそ『負けてはいられない』……吾妻、ジムでも行って鍛え直すか!」

「それもアリですね! ミクさんも後で合流しません?
 どうせその後、メシとか食いに行くでしょうし…………」

「あー……私、今日のデータをまとめなきゃいけないのでぇぇ……」

      「えー、じゃあオレも帰ろうかな」 「貴様! 鍛え直すのがメインだぞ!」


「あ、じゃあメシも連れて行ってくれるんですね?」

「当然だ。良い戦士は良い食事から生まれるッ!
 俺たち『アリーナ』の戦いはこれからも続くのだ・・・
 焼肉でも行って、可能性を切り開いた今日という日を祝うぞ!」   
 
                    『星へと駆けよ、スタンド使い』 → 終了

108『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/11(水) 23:04:22

    サ ァァァァァ ―――――――――――――――――――――ッ ・ ・ ・ ・

「……ったく、なんだって俺が猫の餌替えなんざ……
 あ? 雨? ゲリラ豪雨ってやつか。梅雨は嫌だねえ」 

       『ガシャアアアアン!』

                         ザァァァァーーーーーーッ ・ ・ ・

            『ビチャッ』

                         「あー。その。『お邪魔します』ね」
               ヒタ…  ヒタ…

「な、なんだお前!?
ここを何処だと思って――」

           『ドガ!!』
   
                「グェッ」      

                       「……随分、雑に扱われてる、ですね。
                        迎えに来ました、ですよ。『カーバンク」
    
    「フシャァァーー!!!」

                         『チャリン!』
 
   『チャリリリリリリリリリリリリリリ!!!』

                             『バシャン』

          ピョンッ

                              「ル』? まさかワタシを忘れて……
                               あ、まずい、です。逃げないで――」

    タタタタタッ

               『ビーーッ!』
   『ビーーッ!』

                       「警報……あー、すみません、一旦引きます。
                        シンエンさん。これは私、悪くないですよ。
         ザ              だってこれ、専門じゃないし。私のせいじゃない」
            ァ
                                 ァぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――ッ

                      ダッ

 『バシャン』

                      ザァァァアアアアアアアアアアアアアアアア  ・ ・ ・   
 
                                               ピチャン・・・
                                                       ピチャン・・

109『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/11(水) 23:21:35

・・・ 

・・・・・・

・・・・・・・・・


       ダダダダッ
                       ガチャン

「……もぬけの殻ッ」

      プルルルルル  プルルルルル

「はい、こちら『吾妻』です。今、現場着きました。
 ……やばいですね、マジで『その猫』をこんな設備で?
 っても、オレもその猫のこと知ったのは今日ですし、
 『縦割り』の限界ってところですかね〜。それか平和ボケ?」

「はい、窓が叩き割られてて、
 職員が一人殴り倒されてます」

          『パシャ』

「まーどっちにしろ、はい、すぐに犯人を追います。
 なんだかんだ言っても、身内のケツですもんね。
 ……って言っても、足跡一つ無いですし、
 どうせ、連中のスタンド使いの仕業でしょうし。
 結構骨は折れそうですけどね! はいっ、失礼しま〜す」

              『パシャ』  『パシャ』

                 「いや……やばいなァ〜〜〜ッ、これ」

――その日の内には、『奇妙な噂』が町を駆け巡っていた。
当事者、耳聡き者、貪欲な者、惹かれた者たちがそれを掴んだ。

ある者にとっては『保護対象』。
ある者にとっては『処分対象』。
ある者にとっては『富と名声』『生きた埋蔵金』『金を生む猫』『無限の財宝』。

2018年初夏の星見町で、無数の思惑の交差点となった猫の名を、『カーバンクル』と言う。

                               『金融永久機関カーバンクル』→『開始』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★参加者はこのレスに『外見』『持ち物』『能力詳細』等、告知記載の必要事項を返レス願います。 

☆当ミッションではレス順問わず『同一勢力のPC』への返レスをまとめます。
 これに伴い、レスの先頭・アンカーの前に勢力の名称を明記します。

★他勢力のPCレス、およびGM返レスについては、
 なるべく『見ない』または『見なかった体』でお願いします。
 (スレを分ける事も考えましたが、何かと不便なのでやめました)

110硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/11(水) 23:25:08
>>409
===========================================
【NPCに誘われた】巻き込まれ形式を希望します。

◆『簡易プロフィール』&『外見』
長身の不良男子高生。
真っ金金に染めた伸び放題の長髪、両耳にはピアスがギッシリ。
その見た目の割に物腰は柔らかい。
スタンドについてはよくわからないし今なんでこの場にいるかもよくわかっていない。
服装は上は刃牙の家の絵がプリントされた赤色のTシャツ、下は半脱ぎの洒落たツナギの袖を腰元で結んでる。靴はスニーカー。
supremeのキャップを唾後ろに被り、
数年前に放映されたプリキュアのプラスチックのお面で顔を隠してる。


◆『所持品』
ガラケー、財布、汗拭き用のタオル。
チャチな作りのmp3プレイヤーとイヤホンをポケットに無造作に突っ込んでる。


◆『スタンド概要』
手足で触れた物に『車輪』を取り付けるスタンド。
車輪を取り付けた対象を『安全運転状態』にする事で、
速度抑制と精密動作、一度限りの衝撃吸収を与えられる。
 
『RXオーバードライブ』Rx Overdrive
破壊力:B スピード:A 射程距離:E(1m)
持続力:E 精密動作性:E 成長性:B
(詳細:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/58)

【意気込み】
皆々様の足を引っ張らないように頑張りたいと思います。

111スミノフ『デマーケイション』:2018/07/12(木) 01:18:13
>>109

【外見設定】
癖のある黒髪。
黒いタクティカルブーツ。モスグリーンのカーゴパンツ。黒のタンクトップ。しわの入った白のリネンシャツ。
銀のシルバーチェーンのネックレス。

【持ち物】
スマホ、財布、家の鍵、スミノフ一本

【能力詳細】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/61

【簡易なプロフィール】
27歳。マイペース。喧嘩が好きだが、喧嘩っ早くはない。
強くなりたい。

【意気込み】
頑張ります

【仕事を探して見つけた】で参加希望。
仕事のないようについて深く把握していない形での参加が可能ならそれで始めたいです。

112宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/12(木) 01:19:19
>>109

――かつて、俺の心には『生きる意味』が存在した。
それは愛する女であり、俺は彼女のために日々を生きていた。
しかし、何の前触れもなく、彼女は何者かに命を奪われた。

そして、彼女を失った俺は、『代わりの目的』を手に入れた。
愛した女を殺した男に復讐する道だ。
幸か不幸か俺は目的を遂げ、同時に『生きる意味』を失った――。

――今の俺には『生きる意味』がない。
この命は、何の価値もない過去の残骸に成り果てた。
それでも俺が生きているのは己の罪を償おうとする意識があるからだ。

刑務所で長い年月を過ごしたが、
その生活を苦しいと感じたことは一度もなかった。
苦痛を覚えなければ、それは罰とは呼べない筈だ。
俺の心を占める果てのない『空虚さ』こそが、
罪を犯した自分が受けるべき本当の罰であると、そう俺は解釈している。

――今の俺にとって、『仕事』だけが唯一の慰めだ。
『仕事』に没頭している間だけは、ただ無意味に生きている『空虚さ』を、
一時的に忘れていることができる。
所詮は一時凌ぎに過ぎないと分かっていても、
俺には心の拠り所になっていた。

だが――『仕事』がない日というのも当然ある。
俺が困るのは、そんな時だ。
自分が生きているという『空しさ』を否応なしに強く感じさせられてしまう。

また何処かで時間を潰すかと考えていた時、
俺は思わぬ呼び出しを受けた。
俺の『力』を目覚めさせた女――『藤原しおん』からの呼び出しだ。
どうせ何も用事はないのだから、それを断る理由もない――。

             ――ザッ

「――久し振りだな」

短い言葉を投げ掛け、『藤原しおん』の向かいの椅子に腰を下ろす。
以前ここに来た時と同じように、仕事着である作業服姿だった。
呼び出しの内容が『仕事』であるなら、これが自分なりの『正装』だ。

「『連絡』を受けて来た。話を聞かせて貰おう」



■外見
――――――――――――――――――――――――――――――
・年齢44歳、身長185cmの屈強な体格
・黒髪の短髪、抜き身のような光を持つ黒い瞳
・カーキ色の作業服(ツナギ)
・道具入れを吊り下げるための丈夫な革製ワークベルト
・革手袋とセーフティーブーツ

■所持品
――――――――――――――――――――――――――――――
・ベルトに吊り下げられた道具入れ(容量はウエストポーチ程度)
・財布と携帯電話(ポケットの中)
・かつての婚約者の写真(ポケットの中)
・胸ポケットに入れて使う暗所作業用のL型ライト(道具入れの中)

■能力詳細
――――――――――――――――――――――――――――――
『ノコギリザメ』の意匠の右腕を持った人型スタンド。
なんらかの相手による傷害(損害)をスイッチに、
右腕を自動操縦スタンドの『ノコギリザメ』として分離することができる。
分離した『ノコギリザメ』は『シャークトレード』(悪徳交換)を強制し、
等価以上の傷害(損害)を相手に与えるまで暴れまわる。

『アヴィーチー』(人型)
破壊力:B スピード :C 射程 :E(1m)
持続力:C 精密動作性:C 成長性:C

『ノコギリザメ』
破壊力:A スピード :B 射程 :A(100m)
持続力:A 精密動作性:E 成長性:C

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/71

■簡易プロフィール
――――――――――――――――――――――――――――――
二十年前、婚約者を殺した男を復讐のために殺害して有罪判決を受け、
長年の懲役刑を終えて出所した。
愛する者も憎むべき相手も失ったことで、自らの『生きる目的』を喪失し、
心の中に大きな『空虚さ』を抱えながら生きている。
職業は配管工。

■意気込み
――――――――――――――――――――――――――――――
俺にとって最大の報酬は、『仕事そのもの』にある。
俺自身の『束の間の安息』のため、この仕事を完遂させるつもりだ。
最も、明日以降の『本業』に支障が出ては困るので、
『治療代』程度は貰うが。

113高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/12(木) 01:37:48
【簡易なプロフィール】
 ・大学二年生。文学部。
 ・名家の生まれだが、現在は半家出中。
 ・軽薄な三枚目を装っているが、根は真面目で小心者。

【外見設定】
 ・猫目、クセ毛。小柄、やや日焼け。
 ・和柄のパーカー、カーゴパンツ。
 ・左腕に『梅と鶯』の入れ墨。
 ・全体的に『チャラい三枚目』。

【持ち物】
『小さめのバックパック』
 ・携帯音楽プレーヤー
 ・お気に入りのヘッドフォン
 ・スマホ、タブレット(どちらも携帯回線で利用)
 ・大学ノート2冊、筆記用具一式
 ・魔法瓶の水筒(キンキンに冷えた麦茶)
 ・煙草(CHERRY)2箱、100円のオイルライター

【能力詳細】
 『ウィーピング・ウィロウ』
  植物の意匠をあしらった、スマートな人型のヴィジョン。
  音を発生させた対象の時間を止める、『静止』という現象を操る。

 破壊力:C スピード:C 射程距離:D(5m) 持続力:D 精密動作性:B 成長性:B→C
 (ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1453050315/78-80)


【早見とはどういう関係か】
 大学のゼミ(文学系)のOBと在学生、という関係を希望します。

 高天原⇒早見:『多少面倒な悩みでも断りにくい程度には世話になっている先輩』
 早見⇒高天原:『個人的に飯に誘う程度には付き合いのある後輩』

【意気込み】
 久々のスタンド板ミッション、それも高危難での参加なので、先ずは『生還』と『話についていくこと』を目標に頑張ります。

114『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/12(木) 19:43:15
【フリー】

>>110(硯)

そのまま待機していた『硯』に声を掛けたのは、坊主頭の男だった。
それなりにガタイもいい『体育会系くずれ』のような外見の彼とは初対面。
何が何だか分からないまま連れてこられたのは、怪しげな『地下バー』だった。
そこで屈強な『グラップラー』が待ち構えているという事は無かったが・・・

「……待って。私が誘ったのは『金髪』だけど『ピアス』はない。
 数日でそんなびっしり空けるなんてキャラでもないし…………
 もしかすると『別人』かもしれないわ。あなたちゃんと確かめたの?」

「はァ〜? 待ち合わせ場所で『お面』を被って待ってるやつなんて、
 二人といないでしょうよォ。このヒトが今回の『仕事仲間』ですよ」

                  「……多分」

人違いで連れてこられてしまった雰囲気であり、しかも何かの『仕事』の集まりのようだ。
先に席で待機していた女はおかっぱ頭で、『狙撃銃』のような『奇妙な武器』を抱えている。
その隣にいる男はしわの入ったリネンシャツにカーゴパンツという軽装で、『学生』には見えない。

・・・『サバゲーの会』という雰囲気でもないが、過激な『テロリスト集団』といった風にも見えない。

>>111(スミノフ)

この町で仕事を探す時――――奇妙な話だが、『スタンド使い』は『惹かれ合う』。
即ち、『スタンド絡み』の仕事が舞い込むことがある。今回はまさに、それだった。
依頼人は今隣に座っている女で、名を『マナビ』と言うらしい。本名は知らされていない。
知らされていないのはそれだけではない。仕事の詳細もだ。『猫探し』とは聞いている。

連れてこられた地下のバーにはもう一人『イラムシ』と名乗る坊主頭の男もいたが、
途中で『もう一人』を迎えに出た。その後はマナビの口数が少なく、沈黙に包まれていたが・・・

               ガチャ

イラムシが四人目を連れて、帰って来た。
現れたのは金髪にピアスのいかにもな『不良少年』――いかにもではない。

「……待って。私が誘ったのは『金髪』だけど『ピアス』はない。
 数日でそんなびっしり空けるなんてキャラでもないし…………
 もしかすると『別人』かもしれないわ。あなたちゃんと確かめたの?」

「はァ〜? 待ち合わせ場所で『お面』を被って待ってるやつなんて、
 二人といないでしょうよォ。このヒトが今回の『仕事仲間』ですよ」

                  「……多分」

女児向けアニメの『お面』と、青年誌の格闘漫画のTシャツという異様な姿だ。場に緊張が走る。
会話的にどうにも彼は人違いの可能性があるようだ。なんともお粗末だが、ここに恐らく『規律』が無い。
集団行動を強要されるような空気でもないので、それをプラスと取るかどうかは『スミノフ』次第ではある。

115『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/12(木) 19:43:34
【音仙】

>>112(宗像)

「…………キミが来てくれてよかった。私には『手勢』が少ない。
 そして私自身が大きく動けば、余計な混乱が生じてしまう……ええ。
 キミのような『動いてくれるスタンド使い』が、私には必要なんです」

                   コポ ポポ……

「あ……すみません、その、話が飛んでしまいました」

部屋はあの時と同じで、暖色のインテリアと熱帯魚の水槽が感覚を満たす。
あの時と違うのは『藤原しおん』の雰囲気で、それは明確な『焦り』だった。

「単刀直入に言うと、『仕事』をお願いしたい……というのは、もう伝えましたね。
 といっても、その。この部屋の水道を見て欲しいとか、そういうのではないんです」

      シュル
            シュル

「この町で、少し『良からぬ動き』がありまして……その、私がこの町の、
 良し悪しを決めるものではないんですけど……気分が良い音ではないので、ね。
 あまりことが大きくなり過ぎてしまうより先に、『解決』してしまいたいんです」

「つまりです。キミに『解決』をお願いしたい……のですが」

しおんの背後に聳える『音響機器で形作られた樹木』のスタンドがわずかに揺れ、
歪な『イヤホン』のような蔓が延びる。あの時は見えなかったが、『音仙』たる所以だろう。

「この件に『質問』は……ありますか? 無ければ、『条件』を決めたいと思ってます。
 そう『条件』……ええ。これは『仕事の依頼』ですから。『何を以て解決とするか』と、
 もう一つ『報酬はいくら出すか』……私が望む解決にも、いくつか『段階』がありますので」

             「ええと。話が長いといつも言われるので……『要件』は以上です」

116『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/12(木) 19:43:48
【早見】

>>113(高天原)

清月学園大学部・文学部棟に最も近い門から徒歩5分。
やや値が張るのと、場所が分かりにくいので今一流行らないが、
そこそこ良いランチを出すカフェ『みかづき』にて『その席』は設けられた。

「咲哉君、今日は来てくれてありがとう――――ああ、ええと。
 一応言っとくけど、『調理器具』とか『壺』の話題じゃあないよ。
 もちろん『絵』とかでもなくってね。ちょっと気になる話を耳に挟んで」

この人の良さげな風貌の男は早見勇。『高天原』にとっては『ゼミOB』である。   
年こそ多少離れているが、『地元記者』として卒業後も大学にも出入りしている彼とは、
それなりに親交があった。少なくともこうして、用件をボカシた召集に応じる程度には。    
彼は足で稼ぐフリー記者というよりは『公務員』か何かのようなスーツ姿でその日も現れた。

「眉唾なんだけど、『大金』を稼げるかも――――あっいや、ほんと怪しい話じゃないよ。
 ただちょっときな臭いのと、『危ない』匂いがするから……咲哉君に声を掛けたのはそれなんだ」

                 「1人で抱えて忘れるには、勿体ない話だからさ」

彼との付き合いで特筆すべきことがあるとすれば、彼は一般人だが『スタンド』という概念を知っている。
そして『高天原』がその使い手であることも、『ひょんなこと』から知られている。能力までは知らない筈だ。

117硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/12(木) 21:38:00
>>114

「親戚が来るんだ」

被っている面は子供用に作られている為、
当然顔面全てを覆うには至らず、鼻から下は露出している状態だ。
ちなみに目元の部分には穴が開いているので視界は問題ない筈だ。


「東京から親戚がやってくるとの事で、
 俺が駅でお迎えをするように言いつけられたんだが。
 5歳になる『従妹』がこのアニメに夢中だと聞いてね」

「せっかくだし『サプライズ』をプレゼントしようと思って、
 家の在庫品の山からこの『キュアなんとか』を発掘して、
 この炎天下の中、お面を被って待っていた所に現れたのが、
 坊主の君と、『銃』を持った君と、ラッパーぽい君達だ」


今一つ状況が理解できないので、
とりあえずもう1度周囲を見渡す。
(お面を被ったままなので表情は伺えないだろうが)


「なあ、ひょっとして君たち全員が、
 俺の従妹の――『硯 希良美(きらみ)』ちゃんなのかい?」


どうやら此処はバーらしい。
なので何か注文するのが作法なのだろうが、
あいにく未成年だから酒を飲むわけにいかない。


「酒は駄目なので――オレンジジュースをください」

118スミノフ『デマーケイション』:2018/07/12(木) 22:24:43
>>114
>>117

「……」

とりあえず椅子に腰掛けよう。
集団行動がないのはいい事だ。
自由にやれるということだから。
しかし同時にそれは自己責任が付きまとうことでもある。

「……スミノフでいい」

「お前の言う、キラミって名前のやつでもねぇ」

眠そうに欠伸をした。
椅子の背もたれに体を預けてリラックス。

「ラッパー……ラッパーなぁ……いや、ちげぇけど」

「俺はスミノフを頼む。なければ、テキーラサンライズ」

「お前下戸か? それか未成年か……つーか、名前は硯でいいのか?」

それから目線をマナビに向ける。
特になにか意思の見える目ではなかった。

「それで、こいつも仕事に連れてくのか?」

119宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/12(木) 23:27:00
>>115

藤原しおんの背後に佇む『スタンド』に、軽く視線を走らせる。
しかし、それについて深く知ろうとするような考えはない。
重要なのは、今日ここに俺が呼ばれた『意味』だ。

「この街において、
 あんたの『その力』が特別な意味を持つことは理解している。
 何せ、俺の力を目覚めさせた張本人だ」

「今回の件は、その『借り』を返す機会にもなると考えている。
 ここに来た以上、当然『仕事』は引き受けるつもりだ」

椅子に背中を預け、至って淡々とした口調で言葉を続ける。
休みの日に、こうして『仕事』を依頼されるというのは、願ってもない話だ。
この果てしない『虚無感』から一時とはいえ逃れることができるのだから。

「『水道が出なくなった』だとか、
 『水が止まらない』などと言われていたら困っていたところだ。
 生憎、今は工具を持ってきていないからな」

言葉を交わしながら、『藤原しおん』の焦りの混じる態度を見て、
内心で違和感を覚えた。
自分の知る『音仙』――『藤原しおん』の印象とは異なっていたからだ。
それ程までに、事は『重大』ということだろう。

「質問をしたいところだが、まだ俺は詳しい事情を何も知らない。
 まず、今回の『仕事』に関して一通りの説明をして貰えると助かる」

「具体的には、『現状』と『目的』だ。
 『解決』と『報酬』については、それと併せて説明してくれ」

「その後で疑問が浮かべば、手短に質問させて貰う。
 残されている時間は、あまり多くはないようだからな」

そこで言葉を終え、『藤原しおん』の表情を見やる。
大きな感情を表に出すことのない彼女が、今は焦っている。
そのことから、事は深刻であると同時に、
急を要するものでもあるのだろううと推測した。

120高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/13(金) 03:18:20
>>116

「むしろそういう話ならラクでいいんスけどねェ〜。」

 やんわり断って、それで終いだ。
 そもそも、そういうものに手を出す男ではないだろうと思っているし、
 『相手は誰でもいい用事』に、わざわざ自分を呼び出すこともないだろう。

 だから、厄介なのだ。

「相変わらず、ピッ! としてますね……。
 お仕事チョーシいいんスか? それとも社会人ってそういうモンすかね」

 本題の前に、近況を尋ねるくらいの世辞はあってもいいだろう。

「『大金』……『大金』かぁ〜〜〜〜……」

 ピンとは来ない。

「そりゃ、金はあって困るこたぁないですけど……
 早見さんは、金が目当て……ってワケじゃ、ないですよね」

 早見勇。一般人の記者。
 一般人の記者として生計を立てるために、必要な素養はなんだろうか。
 語彙と文才。情報収集力。コネクション。
 多くはあれど、一番はきっと未知や秘密を明かしたいという『好奇心』だ。

 彼の目当ては、むしろその『眉唾』な情報そのものではないだろうか。
 怪しい話ではない、けれども眉唾。
 気になるところだ。
 けれども自分は早見と違って、そこから深入りしようとは、本来なら思わない。

「『危ない』ってのが気になりますが……
 まっ、話くらいなら聞いていきますよ。 とりあえず、注文だけ頼んじまいますね」

 彼にはよくしてもらっている。
 本当の『危険』、それこそスタンド絡みの案件なんかに足を突っ込もうとしているのであれば―――

「アイスコーヒーひとつ。あと、灰皿」

121『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/14(土) 00:26:06
【フリー】
>>117(硯)
>>118(スミノフ)

「……………………思い切り『人違い』じゃない。
 それも他の人と待ち合わせをしているそうよ。
 いきなりの失態だけど、貴方本当に『プロ』?」

          フゥーーッ・・・

「申し訳ないけれど、私は『スズリキラミ』ではないわ。
 『マナビ』……そう呼んでくれていい。それと、この銃が見えるのね」

女は坊主頭の男に冷たい視線を向けつつ、奇妙な自己紹介を返した。 
硯はどうにも人違いに巻き込まれたようで、ここは『家族集会』ではない。

「『お面』を被ってる分かりやすい奴だから、『連れてこい』
 それだけしか指示を受けてないんですよォ〜〜〜こっちは。
 多少の手間を取ってでも……『合言葉』は決めておくべきだった」

            「はァい、オレンジジュース」

       コト

連れてきておいてこの言い草、とんでもないやつだが……彼が席を立って、
無造作にバーカウンターに置かれた色の濃い『オレンジジュース』を持ってきた。
それが硯の前に差し出される。グラスはよく冷えており、表面に水滴が浮いている。
バーテンダーらしき男は無言で、他に店員もいない。『セルフ』という事だろうか。

「…………『お迎え』。そう、用事があるなら、
 これを飲んだら駅に戻ってくれていいわ。
 お代は私が出すし、多少なら迷惑料も払うから。
 どうやらうちのポンコツが迷惑をかけたようだし」

マナビはそのように言うと、実際それ以上何か手出しをする様子はなかった。
その間に『スミノフ』のスミノフも用意され、やはり坊主頭の『イラムシ』がそれを持ってきた。

「……とはいえ『スタンド使い』で、ここに来てしまった以上、
 もし『仕事』に興味があるなら混ぜてもいい、かもしれない。
 無理やり連れて行く気はないわ。今なら元呼ぶはずだった人も呼べるし」

「そいつだってどんな奴か知らないですし、まァ……『誰でもいい』ですよ、オレは」

そして、『硯』には駅に戻る以外の選択肢もあるようだった。選ぶかどうかは自由だが、
草むしりをしましょうとかそういう類の『仕事』ではないように思える。目つきが剣呑だ。
人違いの人を呼んだからまた後日にしましょう、と言い出す者もいないし、急ぎでもあるらしい。

122『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/14(土) 00:26:22
【音仙】

>>119(宗像)

                キィィィーーーーン

【――――事の始まりは      その、事の始まりは省きます。
 まず、『エクリプス』という犯罪組織がいた。そして、少し前に『壊滅した』。
 ですが『カーバンクル』という……『エクリプス』のある派閥が利用していた『猫』。
 これを再利用しようと ……『アリーナ』という組織が秘密裏に生け捕りにしていたようで】

・・・『イヤホンの蔓』が片耳に触れ、『藤原しおん』の声が再生される。
台本か何かを読んでいるのか起伏の少ない口調で、時々『カット』が入っている。
スタンドを目覚めさせた能力とは思えないほどに『慎ましい』音声編集作業の跡だ。

「口で説明するのは長くなりますから……『編集』しておきました。
 現状と、目的……私の口からは並行して残り、ええ、『解決』と『報酬』を」

【それが 海外に潜伏していた『エクリプス残党』 いえ、『下手人』は推測ですが……
 ともかく何者かの手引きで『脱走』 手引きをした者もその場での確保に失敗したようです。
 そして今現在、『カーバンクル』を狙って『エクリプス残党』『アリーナ』 だけではなく。
 攪乱のためか 不本意か、どちらかの陣営が『情報筋』に『カーバンクル』の話を漏らしまして、
 まだごく一部ですが、『フリーのスタンド使い』としてこの町で活動していた者も動いている】

【――――――つまり、現在、この町は乱戦状態一歩手前です。これが『現状』】

                   【そして『目的』は、『事態の収束』】

「事態を収束させる『解決手段』は……私の希望という意味で、段階があります」

「ひとつ、『カーバンクル』の処分。殺すのでも、『再起不能』でも構いません。
 その猫が危険なのは、『スタンド』の性質ですから……それが使えないなら価値は消える。
 抵抗はしてくると思いますが、キミの『アヴィーチー』なら……十分、やれるでしょう。
 『アリーナ』にとってはこれは同じ目的のはず……『エクリプス残党』は目的を見失い、
 もちろん悪あがきをする者は出るでしょうが、付き合わず『退いて』くれて大丈夫です。
 ……そして『フリー』のスタンド使いも、『カーバンクル』の価値を諦めざるを得なくなる」

「そこまで行けば後は、『アリーナ』が大規模に収束に動いてくれるでしょう。報酬は、これくらい」

                 サラサラ

羽ペンを手に取り、無造作に置かれたメモ用紙に『30万』と記した。

「より希望として、上の段階になるのは……『生きたままの確保』です。
 そしてその場でも、後日でもいいですが、『アリーナ』に引き渡して解決する。
 こうすれば……彼らにある程度の『恩』を売りつつ、面子は立ててやれる。
 ……その、私の立場って、『アリーナ』的に微妙ですので……一応、気を遣うんです」

                「…………この場合、報酬を『10万』上乗せします」

そこまで言うと、『音仙』はやや歯切れ悪く黙り込む。質問を待っているのかもしれない。
あるいは、何か言いたいことはあるが……『言わない』事を選んだ、という沈黙かもしれない。

123『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/14(土) 00:29:32
【早見】

>>120(高天原)

「はは、『不審がられない』事は僕みたいな根無し草には必須だからね。
 スーツは良いよ。しっかり手入れしていればちょっとしたマスターキーだ」

「もちろん……これを買ったからお金に困ってるなんて話じゃないよ。
 むしろ、お金はオマケみたいなもの。あって困りはしないけど……
 ああ、注文は好きにしてくれて良いよ。メニュー全部とか言われたら困るけど」

早見は冗談っぽく笑うと、自分も『アイスココア』を注文した。
ウェイターは丁寧な態度でそれらを受け取り、店の奥に引っ込む。

「吸うんだっけ、タバコ。念のため喫煙席にしておいてよかった。
 それで、噂って言うのが……『お金を作り出す猫』、って話なんだ」

        「あ。ちなみに比喩表現じゃなくて、文字通り。
         『高級品種の猫』とかそういうのじゃないらしい」

――――自然な流れを装って、かなり胡散臭い話が紛れ込んで来た。

「確かな筋、とまでは言えないけど……かなり信用できる情報源でね。
 以前にも『スタンド能力』絡みのいざこさをそこから知った事があるんだ」

    「……まあ、これもちょっと『いざこざ』が背景にある話みたいだしね」

スタンド能力の可能性という原野は実に広大だ。
本来うつろわぬ『時』の領域に干渉する能力が存在するのならば、
『金銭価値』にまつわる能力があってもおかしくはない――のだろうか?

124高天原 咲哉『ウィーピング・ウィロウ』:2018/07/14(土) 03:27:48
>>123

「あっ、いえ! 流石に自分の分は……スンマセン」
「敷地内じゃ吸わないようにしてンすけど……あっ! よかったら、一本……」

 苦し紛れに、煙草の箱を差し出す。
 言い方がまずかった。稼ぎのある先輩を相手に、財布を頼りにしていると取られてしまったっておかしくない。
 煙草にしたって、一言断るのが礼儀だった。そういえば、彼と会うのは学内が多かった気がする。

「ハハ……」

 乾いた笑いを零す。早見の余裕が羨ましかった。

 今だって、数百円のドリンクや煙草一本に振り回されている自分とは違い、
 彼はそつなくスーツを着こなし、後輩のために喫煙席まで用意して、
 これからなにかスケールのデカい話を始めるのだろう。

 追加の注文は頼まなかった。胃がすっかり縮んでしまっていた。


「……『猫』ォ?」

 しかし、流石に眉を顰める。
 『お金を作り出す猫』。
 頭に『招き猫』や『ド〇えもん』が一瞬過るが、当然そういう意味ではないのだろう。

 ―――『スタンド能力』。
 その言葉に、素早く視線を左右に動かす。

「それ、絶対ヤバい話ですってェー……」

 金を生み出す能力を持った猫がいて、背景に『いざこざ』がある。
 そして、その情報が一般人の記者である早見に漏れてしまうところまでは、問題が膨らんでいる。

 情報とは、人が集まるところで生まれるものだ。
 一人二人で共有しているだけの事実なら、それは『知識』だ。
 そうではなく、多くの人間が共有した事実だから、網の目の粗いところから漏れて『情報』になったのだ。

「先輩には耳タコでしょーけどねッ、忠告させてもらいますよ!」
「十中八九、裏に何かしらの『組織』があります」

 特に『スタンド使い』たちで構成された組織については、いくつか心当たりがあった。
 噂程度に聞いただけのものもあれば、実際に対峙したものもある。
 いずれも、自分から近付きにいくようなものではない。

「先輩、まさか……『稼げる』って、その猫に手ェ出すつもりじゃあないでしょうね」

125硯 研一郎『RXオーバードライブ』:2018/07/14(土) 07:10:35
>>118>>121(スミノフ)(GM)

「硯、金髪、お面、オレンジ。
 スミノフさん、君の好きなように呼んでくれて構わない」


         カランッ  ゴクゴク

炎天下の中立ちっぱなしだったので正直、喉はカラカラだ。
オレンジジュースを冷えたグラスに並々と注ぐと、
そのまま一気に飲み干し、身体の渇きを癒す。



             「プッハー!」


「マナビさん、あまり彼を攻めないでやってくれないかい?
 紛らわしい恰好で突っ立っていた俺にも非はあるし、
 いや、どう考えても全部俺が悪いんじゃあないかい。
 それに話を聞く限り、君達は仕事仲間なんだろう?
 俺のせいで君達が険悪な雰囲気になる必要なんてないんだ」



スタンドという単語を聞き、反射的に眉をひそめたが、
お面のお陰で、悟られないだろう。
頭の中で言葉を慎重に選びながら、口にする。



「そうだ。なんで気付かれたかはわからないが、
 実は俺も持っているんだ。その、『インチキ超能力』。
 …もっとも『足が速い』とか『寄り目ができる』とか、
 そのレベルの児戯に等しいものだから、1度しか使った事がないがね」


「マナビさん、ポンコツさん、スミノフさん、
 誰でもいいと言うなら俺にその仕事を手伝わせてくれないかい。
 ご迷惑をおかけしたせめてもの罪滅ぼしをしたいんだ。

 親戚の方は多分、お母さんがなんとかしてくれるだろうし、
 それに俺は、こう、見えても、結構な変わり者なんだ」

126宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/14(土) 09:13:50
>>122

「状況が込み入った状態にあることは分かった。
 現在、『カーバンクル』を狙う複数の勢力が存在する。
 そして、俺達も『その一派』という訳だな」

『藤原しおん』の説明を聞き、頭の中で全体の構図を思い描く。
今、同じ獲物を狙った抗争が起きようとしている。
これから、その渦中に飛び込んでいかなければならないようだ。

「――『殺し』か」

感情の篭らない声色で、静かに呟く。
相手が猫とはいえ、かつて殺しを経験した俺が、
こうして殺しを依頼されるとは因果な話だ。
こういった因縁は、どこまで行ってもついてくるものなのかもしれない。
それを考えると、表情に乏しい顔に、皮肉めいた笑いが浮かぶ。
しかし、すぐに唇を引き締め、元通りの冷淡な顔つきを取り戻した。

「常識で考えれば、自分を殺そうとする相手に、
 自ら命を差し出す者などいない筈だ。
 当然、抵抗するだろう」

『あの時』も、そうだった。
自分が殺した男も、自らの命を守るために、
激しく抵抗してきたことを思い出す。
その抵抗を握り潰し、俺は奴の命を奪い取った。

「だが、あんたの言う通り、確かに俺の能力は『それ』に向いている」

以前、謎めいた『少年』に対して能力を使った時のことを回想する。
あの時は、少年の片腕を切り落とし、
命にも関わりかねない重傷を負わせた。
もし食らった相手が人間ではなく猫であったとしたら、
『重傷』程度では済まないだろう。

「そちらの『希望』は承知した。
 その意向に沿って、『殺処分』よりも『生け捕り』を優先することにする」

軽く頷いて同意の意思を示してから両目を閉じて、
行動の方針について考えを巡らせる。
同じ目的を持つであろう『アリーナ』とは、手を組める見込みがある。
事前に『アリーナ』と接触できれば、
『仕事』をスムーズに進めることもできるだろう。

つまり、俺にとって敵となる可能性があるのは、
『残党』と『フリーランス』だ。
この二者とは、なるべく接触を避けるべきだが、
狙う獲物が同じである以上、そうもいくまい。
出くわした相手が『フリーランス』の場合は、自分も同じ立場を装うことで、
ある程度の誤魔化しが効くが、それが『残党』だった場合は、
おそらく争いは避けられないだろう。

『アリーナ』にしても、こちらを信用するという保証はない。
味方の振りをして近付き、土壇場で裏切るというのは、
十分に考えられる話だ。
そうった疑いを抱かれたとしても、何の不思議もない。
向こうの信用を得るためには、『行動』で示す以外にないだろう。
最低でも、『敵ではない』ことは理解して貰わなければ、
『仕事』に支障を来しかねない。

127宗像征爾『アヴィーチー』:2018/07/14(土) 09:15:41
>>126

「――幾つか『質問』がある」

おもむろに両の目を開き、正面の『藤原しおん』を見据える。
他の連中も既に動いている筈だ。
早く行動しなくてはならないが、その前に確認したいこともある。

「まず、『カーバンクル』の大よその『現在位置』と『外見的特徴』だ。
 それが分からなければ探しようがない」

「そして『危険』と言うが、それは『凶悪』というような意味か?
 『カーバンクル』が抱える『危険』の『種類』と『規模』を聞かせてくれ」

自らの精神の象徴である『アヴィーチー』も『危険』を秘めたスタンドだ。
その『危険性』は、凶悪な『殺傷力』として表れている。
『カーバンクル』の持つ『危険』は、それとは違うように感じられた。

「それから、『アリーナ』の概要を教えて欲しい。
 あんたの話し振りからすると、
 『エクリプスとは別の犯罪組織』ではなさそうだが」

仮に『生け捕り』にした場合、『カーバンクル』は『アリーナ』の手に渡る。
万が一それによって新たな混乱が起こるとすれば、
『殺処分』の方が街のためになるとも言える。
最も、『藤原しおん』のような思慮深い女が、
そのような相手と関わりを持つとは考えにくいが、念のためだ。

「これは『一応』聞くが――仮に『殺した』場合、
 その『亡骸』を持ち帰る必要はあるか?
 確実に『仕事』を果たしたという『証明』のために」

『処分した』という言葉だけでは安心できないということも有り得る。
『実物』を持ち帰れば、それは明確な『証拠』になるだろう。
ここまで話してから、若干の沈黙を挟んで再び口を開く。

「……余計な心配かもしれないが、俺には気を遣う必要はない。
 あんたは仕事を依頼し、俺は仕事を引き受けた。
 それだけの話だ」

何とはなしに、『藤原しおん』の態度に引っかかるものを感じた。
本来なら、他人に依頼せず、
自分の手でやるべきことだと考えているのかもしれない。
俺は『藤原しおん』という人間について、詳しくは知らない。
だから、そう見えただけかもしれない。
だが、それが気に掛かったことは事実だ。

128スミノフ『デマーケイション』:2018/07/14(土) 23:45:37
>>121

「喧嘩すんな」

スミノフに口を付けながらそう言った。
喧嘩をされても参加する以外にすることがない。

「そういうのはナシにしようや。俺は困らねぇが、割食うのはごめんだ」

「猫探し……だっけかな」

>>125

「じゃあ硯ちゃんだ」

「よろしく頼むぜ。変わり者のあんちゃんよ」

へらっと笑ってそう言った。

「俺もインチキちょーのーりょくってのを持ってる。俺のもそんなにすげぇもんでもねえさ」

「そういえば、ラッパーって言ってたな、そう言うの好きなのか?」

129『金融永久機関カーバンクル』:2018/07/15(日) 03:37:38
【早見】

>>124(高天原)

「こっちは社会人だし、気にしなくたっていいよ。
 僕も学生の時分はセンパイに相当おごってもらったし。
 ここが『高級フレンチ』とかだと流石に困るけど、
 まあ……タダで話を聞いて貰おうとも思ってないからね」

こういう態度を大人の余裕、と言うのだろうか。
あるいは先輩風というやつか。それらは同じ物なのか。
いずれにせよ――落ち着いた態度に見えた。しかしそれは、
彼が『スタンド使いの世界』を良く知らない故にも見えた。

「まあ、十中八九ヤバイ話だとは思うんだ。『組織』はよく分からないけど、
 僕が知らないヤバさもそこに絡んでくるんだろう。ただ、『面白い』話だと思う」

     「猫がどうやって『お金』を招いてくれるのかも気になるし、
      この町の裏側でどういう事が起きているのかも気になる。
      ……それに、もしかすると大金にありつけるかもしれない」

             「でも、まあ、『金は命より重い』とは思わないし。
              『ジャーナリスト魂』で死ぬ気もないんだけどね。
              ただ、最初に言ったけど……一人で忘れるには面白い」

そんな『一般人』が半端に『スタンドの世界』を知ったが故か、その言葉には妙な熱がある。
とはいえ危険性を説かれれば、高天原が知る、普段のそこそこ常識がある早見の顔に戻る。

彼は今『境界線上』に立っている。それはものごとの表と裏のはざまであり、死線にもなり得る。

130<削除>:<削除>
<削除>


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板