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【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』

1『星見町案内板』:2016/01/25(月) 00:02:24
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

---------------------------------------------------------------------------
                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------

385稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2018/11/25(日) 04:50:29
>>384

「…………まあ、それもそうだわな。
 ………………『美作くるみ』……ふぅん」

   (聞いた事ない……事も無い気がしてきたな。
    ラジオ……『巣ノ森』が聴いてた気がする。
    タイトルまでは覚えてないけど、声が似てる)

       (内容…………あんま覚えてないけど)

ハッキリ言ってしまうと覚えていない名前だ。
イラストは良い出来だが……番組名も知らない。
そもそもラジオを聴く、という習慣がないし、
グループのメンバーや知人が聞いていたとして、
正確に名前を憶えていられるほど印象深くはない。

・・・キライとかじゃなくて、『琴線』に触れないジャンルだ。

「僕、オフで自分の名刺とか、持ち歩いてないしぃ……見るだけで頼む」

ラジオパーソナリティーとアイドルでは、
オフの気軽な話というのもけっこう難しい。
名刺を受け取ったらなおさら、後はもう仕事になるだろう。

「……でもまあ一応、改めて言うけど、僕は『稗田こいひめ』だぜ」

    「あー、よろしく…………それと」

                スッ

           「本名は、『稗田』……『恋姫』」

               「ってのは別に隠してもないし、
                オフならそっちで呼んで良いよ。
                えひ、特別扱いとかじゃなくて、
                ほとんどのやつにそうさせてるから」

帽子を下ろし、膝の上に載せる。
メガネの上に溢れ出した長い髪を指で払い、向き直る。

「……ラジオのパーソナリティーって、トークが仕事なんだろ」

「世間話のレベルも高そうだな……えひ、ついてければいいんだが」

         「政治とか……環境とか、スポーツも全然わかんないぞ僕」

386美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/11/25(日) 22:44:48
>>385

「あぁ、それは平気よ。
 そういう『社会派の話』は、別のパーソナリティーがやってるわ。
 私はリラックスして聴ける『カジュアルな話題』がメインだから」

「朝起きたらスマホが見当たらなくて、探したら冷蔵庫の中に入ってた――とか。
 私がドジやった事とか、最近の気になる事とか、そんな話をしてるわ。
 真面目な話と真面目な話の間の『端休め』って感じね」

「例えるなら、『スポンジケーキの間に挟まったホイップクリーム』よ。
 できれば、その上に乗ってる『イチゴ』を目指したい所だけど――
 なかなかそこまでは行けないわね。
 私も未熟者だから」

名刺を引っ込め、名刺入れに戻す。
何も、『出演交渉の前に根回しをしておこう』などとは考えていない。
そんな企画も持ち上がっていないし、持ち出す気も今の所ない。

「そういう訳だから、気軽にお喋りしましょう――『稗田恋姫』さん」

彼女がオフの時間を過ごしていることは分かっていたはずだ。
それなのに、『仕事中の呼び名』を意識してしまったのは、
直前までチラシを眺めていたせい――だけではない。
知らず知らずの内に、『アイドルとしての彼女』に注意を向けていたからだろう。

「実は、今あなたとバッタリ出会って思い出した事があるの。
 昔、私もアイドルに憧れてた時期があったのよ。
 まぁ、見ての通り、結果は『お察し』ってヤツなんだけど」

「さっき、このチラシを見てて、その時の事を思い出しちゃったのよね。
 『ちょっと羨ましいな』って。
 まさか、その直後に『ご本人』に出会えるなんて思ってもみなかったけど」

387稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2018/11/25(日) 23:38:29
>>386

「あぁ、そういうのなの……すまん、勉強不足だった。
 ……ってのも、『リラックス』出来てないわな。えひ」

           「……」

(は、反応しづれぇ……どうリアクションすりゃいいんだよ……)

リラックスを志す矢先に『アイドル志望』の過去。
一回り年上の……『同好の士』とも言えない気はする。
どれくらい憧れていたのか、結果としてどこまでいったのか。

「あ〜……うん、気軽に、ね」 「えひ……」

(…………やばいなこれ。
 こいつはそういう気じゃないんだろうけど、
 僕からしたら……何言いだすのもベリーハード……)

ラジオ局でパーソナリティーをやっているくらいなわけだし、
声もキレイだし、『素人でくすぶってました』って感じはしないけど。

「え……っと」

(羨むほどのもんでもない……なんてのは、
 口が裂けても言えないぜ……失礼すぎるし……)

美作にも、ファンにも、アイドルをやっている自分にも。

「…………ラジオって、『ハガキ』とかで話すイメージなんだけど。
 けっこう、パーソナリティーのトークが入ったりもするもんなんだな」

             「その辺も、カジュアルさって感じぃ……?」

アイドルの話を続けるのは流石に気が引ける。
どういうスタンスで話してくるのかも予想できないし、
とりあえず『ラジオ』の方の話から……気軽に、いけないだろうか……?

388美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/11/26(月) 01:30:43
>>387

アイドル志望の過去を語りながら、軽く笑ってみせる。
ごくごく自然な表情――に見えるはずだ。
上手くできていればいいけど。
普段通りなら、どうってことのないこと。
でも、この時は何だか妙に固くなってしまっていた。

(『リラックス』って言いながらこれじゃあ、パーソナリティー失格ね)

心の中で、ほんの少し自嘲する。
しかし、それを表には出さない。
出してしまったら、それこそ失格になってしまう。

「『ハガキ』――いいわね。『クラシックなスタイル』って感じで。
 最近は、なかなか見られなくなったわ」

話題の転換を受けて、あっさりとアイドルの話からラジオの話に乗り換える。
話題を作るのもパーソナリティーの仕事だが、話に乗ることも仕事の一部だ。
そして、相手の気持ちを察することも。

「今は色々あるものね。メールとかSNSとか……。
 あぁ、『ファックス』っていうのもあるわね。
 番組のサイトやSNSのアカウントからも投稿を受け付けてるわ」

「でも、その中でも私が一番大好きなのは『電話』ね。
 リスナーと直にお喋りできるっていう所が好きなのよねぇ」

「元々お喋りするのは好きだし、
 だからパーソナリティーやってるっていうのもあるわね」

内心で落ち着きを取り戻し、しみじみと語る。

もしかすると、それは『アイドルだった頃』を感じられるせいかもしれない。
だけどそれ以上にリスナーとの対話は『パーソナリティーとしての喜び』を感じる。
応援の言葉を送り、それが喜んでもらえた時は、自分のことのように嬉しくなる。
それは、『昔の自分ではない今の自分』だからこそ感じられるものだと思う。

以前は自分が『応援される側』だった。
最初の頃は、その頃に対する未練も強かった。
だけど、『今の喜び』を思うと、『応援する側』になった自分も好きになれる。

389稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2018/11/26(月) 03:19:27
>>388

「え……ラジオって今時、ハガキじゃないんだ。
 なんか……『そういうもん』だってイメージしてたわ」

      「SNS……」

          「あー、そういえば……
           それっぽいタグ見たことある」

                    「……気がする。えひ」

恋姫が想像しているのは、
夏休みのラジオ番組の『実況』で、
ラジオの投書そのものではないが……まあともかく。

「………………電話かぁ。
 僕は……電話、苦手なんだよな。
 だいたいメールですませちゃうぜ……」

「電話越しだと、なんつーかさぁ……
 コミュ力にデバフがかかるっていうか……」

         「……喋りづらくなるんだよな」

元々、コミュ力がある方ではないけど。
表情や手ぶりがわからないし、
こちらのそれを伝える事も出来ない。

普段から滅茶苦茶意識して苦手ってわけじゃないけど、
言われてみると・・・無意識で、あまり使っていない気がした。

「僕もファンと喋るのは嫌いじゃない。
 というか…………あー、好き、だし。
 画面越しとか、対面なら話せるんだけど、
 …………電話越しだと、なんかむずいんだ」

「美作サンは、なんか……『電話で喋る練習』とか、してんの?」

いつのまにか、緊張感のようなものは無くなってきていた。
やはり喋るのが上手な相手だからか……いい具合に、乗せられてきた感だ。

390美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/11/26(月) 20:45:24
>>389

「そうね……当たり前だけど、ラジオって耳で聴くものでしょ?
 だから電話とラジオって、何だかシックリくるのよ。
 まるで『ミントの入ったチョコレート』みたいにね」

ファンと喋るのが好きという気持ちは分かる。
自分もそうだったから。
だけど、この話は頭の中だけに留めておいた。

「そういう子は私の周りにもいるわ。
 ここだけの話だけど……最初の内は私も得意じゃなかったし」

声を潜めるが、これは冗談だ。
あまり大っぴらにする話でもないのは確かだが。

「――かといって、大層なアドバイスができるって程でもないけどね。
 私の場合は、多分『慣れ』の部分が大きいと思うから」

始めたばかりの頃は、苦労したことも多かった。
お喋りは好きだったけど、実際にやってみると上手くいかないこともあるのを、
その時に知った。
以前と比べると、今はしっかりしている――と思う。

「でも、強いて言うなら……。
 例えば――『ラジオを聴いてみる』と良いんじゃない?」

        フフッ

「ラジオって声だけで伝えるメディアだから、
 電話で話す時の参考にもなるんじゃないかしら。
 『どうすれば声だけで上手く伝えられるか』っていう事は、
 私達みたいなパーソナリティーも常に考えてる事だから」

「――あ、これは別に『宣伝』って訳じゃないわよ?」

弁解するように言ってから、軽く微笑する。
これも冗談の範疇だ。
敢えて言うなら『業界全体の宣伝』ではあるが、今そこまでの意図はない。

391稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2018/11/26(月) 22:31:43
>>390

「……チョコミント好きなの? 僕は好き。
 えひ、それはあんま関係ないか……
 まあ、そうだな、どっちも『声』だもんな……」

アイドルは全身で表現する。
時には言葉より雄弁に、
踊りやしぐさで『魅せる』仕事だ。

それは簡単な事ではないけれど、
声だけですべてを伝えるのも、
それとは別の意味で難しいものだろう。

「えひ、宣伝上手ぅ……って、
 言おうとしたのもお見通しだったか」

          「手ごわいな……」

   ニタ

「でも……そういうのも、いいかもな。
 なんかの作業用BGM代わりにさ……
 役に立つアドバイス、な気がするな……」

「あ……片手間に聴くだけ、ってわけじゃないよ」

一応弁明のようなものを添えた。
全身全霊で聞くわけでもないけども。

そして。

「…………それじゃ、僕はそろそろ行くけど」

「今日は…………あ〜、話せて良かった、と思うぜ」

一応買い物の途中で、この後も用事がある。
話題が途切れた時を見計らって、変装を直して席から立った。

392美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2018/11/26(月) 23:05:32
>>391

「参考になったなら良かったわ。まぁ、気が向いたら聴いてみて」

「――っと、これじゃあ宣伝になっちゃうわね」

       クスッ

『アイドル』――それは彼女にとっての『今』であり、自分にとっての『過去』だ。
だけど、稗田恋姫を羨ましく思う気持ちは、今は目立たなくなっていた。
そりゃあ、全然ないのかっていうと嘘にはなっちゃうけど。

でも、それ以上に彼女を応援したいという思いの方が大きかった。
何というか――『自分の分まで輝いて欲しい』と思った。
それも私の勝手な言い分かもしれないけど、そう思ったのは確かだ。

「うん、私も話せて楽しかったわ。アリガトね」

「それじゃ――『Have a good day!!』」

別れの挨拶と共に、恋姫を見送る。
しばらくして自分も立ち上がり、別の方向へ歩き出す。
心なしか、先程よりも軽やかな足取りだった。

393稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2018/11/27(火) 00:15:06
>>392

「とりあえず……番組とか調べてみる。
 好きな感じのやつがあったら、
 それが一番良いわけだからな……」

美作の心情は分からないが、
それが悪い物ではないのは分かる。
だから恋姫としても、悪い思いはしない。

「ああ、んじゃ、また…………」

       トコ

      「…………ありがとな」

                トコ

別れを告げて、恋姫もまた自分の行き先へ歩き出す。

394三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/05(土) 21:47:43

小柄な人影が歩いています。
小銭入れを開いて、中身を確認しているようです。
と、その時。

   「あ――」

         ジャララララ――――ッ!!

うっかり手を滑らせて、小銭入れを落としてしまいました。
そのせいで、中身が辺りに散らばっています。
これは、なかなか大変な状況です。

      「――やってしまいました」

その場にしゃがんで、小銭を拾い始めます。
それなりに入っていたので、かなり広い範囲に飛び散っています。
全部集めるのは骨が折れそうです。

395小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/05(土) 22:41:02
>>394

ヤジ「さっぶぃ〜な、オイッ」

相方と共に星見の街並みに足を運ぶ。

 吐息が白を空気に描いて無色の筋が口元から昇るのを見つつ
金属の雨音が耳の中を小気味良く打つのを聞いた。

 コロコロコロ……

ヤジ「ぉーっと。っそこの嬢ちゃん、派手にぶち撒けたなっ」

彼と共に転がって来た硬貨を屈んで拾い上げる。
 特に心に刻まぬ、些細な日常で起こり得る遭遇だ。

「どうぞ」

私も彼と共に女性の元に近づき硬貨を差し出す。

396三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/05(土) 23:23:11
>>395

お二人の前にいるのは一人の子供でした。
全体的に細い身体つきで、顔立ちは中性的です。
長い睫毛はクルンとカールしています。
見た目からは性別が分かりにくい容姿です。
年齢は、小学生と中学生の間くらいに見えます。

「ありがとうございます」

     ペコリ

小銭を受け取って頭を下げます。
親切な人達みたいです。
こんな人達ばかりだと世界も平和になると思います。

「――失礼します」

お二人の周りに落ちている残りの小銭を拾います。
あらかた拾い終わりました。
それから立ち上がります。

「失礼しました」

    ペコリ

もう一度お辞儀をします。
挨拶は大事です。

397小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 18:55:32
>>396(レス遅れ失礼しました)

小林は175後半と言う、細身だが背丈だけはある……三枝を見下ろす形と
少々無礼であるがなってしまう。
 服装は、清月の高等部ブレザーをバンカラ風に身に着けてる為に
高校生である事は一目でわかるだろう。

琥珀の目は、揺るぐ事なく何処か乾いたような 静かな眼で貴方を映す。


 「えぇ、お気をつけて」  ペコッ クルッ カツカツ

 そして、私も同じく礼をし立ち去るため歩く。
日常のセピアが彩りを見せる中で今の巡り会いもいずれかの琴線を
微弱でも震わしたモノが文章の中に埋め込む事が出来るかと考え……






 ヤジ「(; ・`д・´) 待った待った待ったーーーー!!!」

……と、そこで恰好だけは茶色のメッシュで耳にピアスも付いてる
ヤンキー風味の連れが慌ててストップをかけた。

 「はい?」

ヤジ「いや、もうちょい話を広げろよ!!? どんだけ人と人との
関係をうすーくしてんだよっ! お前、これで仮に俺がだぞ!
お付き合い有難う御座いました、また宜しくお願いしますとかメ欄で
打ち込まれたら、軽くプッツーン…… って擬音と共に切れるからな!?
てめぇも作家志望なら、ある程度ここから世間話で掘り下げろよ!」

「……あのね、初対面のお嬢さんですよ 親友?」

ヤジ「初対面もクソも! お前はミッションで偶然知り合った
吊り橋効果の友人以外は喋れないのか!? イベントのある時しか
メルアド交換して必要時以外には何も送信しないのか!?
 心冷えすぎだろ! もっと熱くなってみろよ!」

堰が切ったように言葉の嵐をぶつけるヤンキー風味の若者は
貴方にクルッと振り向き、必死な顔つきで訴える。

ヤジ「(´・ω・`) ……すんません
出来ればで良いんで、こいつに人としての会話ってのを教えて
やってください。でないと将来が心配です」

無茶振りが飛んできた。
 小林は、解せぬと言う感じで小首を傾げて佇んでいる。

398三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/06(日) 20:08:20
>>397

落とした小銭は全部拾いました。
お金は大事です。
ちゃんと集められてよかったです。

「?」

お別れしたので歩こうとしたら、声が聞こえたので立ち止まりました。
お兄さんが、もう一人のお兄さんに何か言ってるみたいです。
こっちにも言ってるみたいです。
それを聞いて、小首を傾げます。
内容が難しかったのです。

「ありがとうございますは言いました」

「失礼しますは言いました」

「失礼しましたは言いました」

「他に忘れてることありましたか?」

「分からないので教えてください」

       ペコリ

分からない時は質問しないといけません。
だから、お兄さんに質問してみます。
そうしたら、きっと分かると思います。

399小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 20:34:04
>>398

 ――ズルッ! と言う感じで貴方の言葉にヤンキー風味の若者は
ずっコケそうになる、が辛うじて転びはせず重心を戻した。

ヤジ「(;゚Д゚) ……ま、まぁ子供だし仕方がないよな。
いや、正しいんだよ。そりゃ普通は一般ピーポーが小銭落としたら
拾って、気を付けて下さいね それじゃあ。で、立ち去るのは正解だよ!?
 けどよ……けど、此処って『場スレ』じゃん!??
みんなが知り合う為の『場』じゃんっっ!!?
 そこは、もっとーこうっ そこで、何だか面白そうな人だな
ちょっと色々と身の上話を聞いてみようって感じになるべきでしょ!
 何時会話すんの!? 今でしょ!」


「……済まない、親友。君の話す内容の大まかな意味合いが
本当に 理解が及ばなくて」

ヤジ「(; ・`д・´) あー はいはい いいですよ!
メタってんのは解ってんだよ! でも、そうでもしねーと
こう言う時に話が末広がないの! お嬢さん! こいつの名は
小林 丈! 俺の名は 今日の気分は宮田 陣って事でヤジと
気軽に呼んでくれ! はい! それじゃあ君の名は!!?」

「勝手に人の個人情報を独白するの止めてくれないかな」

別に今日の今この場面では不思議と不快感はないが。親友とは言え
勝手にプロフィールを言われるのは心外だ。

400三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/06(日) 21:01:41
>>399

お兄さんの話を黙って聞きます。
人の話は静かに聞かないといけません。

「分かりました」

お互いのことを話したり聞いたりすればいいみたいです。
何となく分かりました。

「三枝千草です」

「三つの枝に千の草と書きます」

      ペコリ

宮田さんは面白そうな人だと思いました。
だから、宮田さんの身の上話を聞いてみようと思います。

「宮田さんのお話が聞きたいです」

「してくれますか?」

宮田さんを見上げてお願いしてみます。
お話をしてくれるでしょうか?

401小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 21:10:30
>>400


ヤジ「(; ・`д・´)……え? 此処で俺の身の上話に移行すんのっ?
いや、まあ良いけどよ」

小林「そう言えば、私達が親友になる条約として
『過去について詮索しない』と言うのがあったね。親友」

 チャラけた雰囲気を打ち消し、ヤジと言う青年は三枝と相方に対して
交互に一瞥しつつ、参ったなーとぼやきつつ呟く。

ヤジ「……んー、俺の身の上ってよぉ。かいつまんで
結構ぼかして言っても、重たい空気になるからさ」

小林「止めておくかい?」

ヤジ「いや、別にいいさ。俺はよ『アリーナ』って所から
『証人保護プログラム』ってのを受けてるって言った所で。
お前は信じるかも知れないけど、三枝の嬢ちゃん。
あんたにとっちゃあ、行きずりの俺の過去が胡散臭くて
作り話にしか聞こえないだろ? ……ってか、嬢ちゃん。
『普通の人には見えない力』とか持ってたり?」

 苦笑い気味に、ヤジが三枝に聞いてきた。小林も、目線を
貴方のほうに向けてくる。

402三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/06(日) 21:35:02
>>401

アリーナ、証人保護プログラム。
聞いたことのない言葉です。
難しすぎて分かりませんでした。

「普通の人には見えない力ですか」

それは持っています。
きっと『墓堀人』のことだと思います。
でも、『恐竜人』を持っているスズさんの言葉を思い出しました。

『……そうなると、あまり見せびらかすのは不味いな、これは』

この前お話したスズさんは、そう言っていました。
だから、すぐに見せたりするのはよくないと反省しました。

「それは何ですか?」

首を傾げて、宮田さんと小林さんに聞いてみます。
確認は大切です。
もしかすると、違う力のことを言っているのかもしれません。

403小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 21:44:42
>>402

小林「……そうだね。今日は凄く冷える
暖かいものは、どうですか?」

貴方の質問に、違った質疑応答が返された。
はぐらかすつもりなのか? と邪推する前に小林は腰にある
野球ボールサイズの水槽らしきものを出した……。

「マスカットティー ココア コーヒー お茶
どれが好きなのでも、御ひとつ」

 ……その中の一つを注文すると、小林がおもむろに
携行していたカップに水槽のボールを近づけた。

        シュン  チャポンッ!

 ! 水槽が解除されると、湯気が漂う。今淹れたばかり
らしい飲料水が瞬時に現れた。

小林「私は、液体をボール状に閉じ込める力を持ってるんですよ。
インスタント飲料水が入用の時は重宝しますが……元となる飲み物は
別個でいったん用意すべきですし」

 そこまで便利とは言えませんけどね、と小林は説明をした。

404三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/06(日) 22:16:56
>>403

「いただきます」

ココアをもらいました。
飲みます。
温かいです。

「――凄いです」

素直に感想を言いました。
スズさんの『恐竜人』も凄いですが、小林さんの『水槽』も凄いと思います。

《………………》

いつの間にか、足元に人影が座り込んでいます。
フードを目深に被っていて、表情は見えません。
杖のように立てたシャベルを両手で掴んでいます。

   スウッ

人影が幽鬼のように立ち上がりました。
立てていたシャベルを肩に担ぎました。
その姿は『墓堀人』のように見えます。

「ココアをもらったお礼です」

「喜んでもらえたら嬉しいです」

   ペコリ

頭を下げます。
『墓堀人』も同じようにお辞儀をしました。

405小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 22:22:49
>>404

「いえいえ、これ位の事は何でもありません」

ヤジ「ん? ……あぁ、発現してんのか」

「こう言う時、話しに入れなくなるのは 少々気まずく感じる事は?」

ヤジ「なーに。ジョーが誰かと知り合う切っ掛けの呼び水になるんだ。
別に感謝と思ってくれるんなら、何時かどっかでスタンドアイテムを
オープンする店舗でも出来たら、見えるアイテムでもプレゼントしてくれよ」

「考えてはおくよ……三枝さんの、そちらの名前を伺っても?」

『ヤジ』は、どうやら一般人のようだ。スタンドが見えてない

小林は、貴方のスタンドの名を聞きたいようだ。

406三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/06(日) 22:44:45
>>405

《『イッツ・ナウ』――》
               
               《――『オア・ネヴァー』》
         
    《そういう名前の『墓堀人』です》

フードを被った『墓堀人』が、自分の名前を名乗ります。
名前を聞かれたら答えるのが礼儀です。

「小林さんは『妖甘さん』ですか?」

「それとも『道具屋さん』ですか?」

「僕は『妖甘さん』です」

スズさんは『道具屋さん』でした。
小林さんはどっちでしょうか。
『同じ人』なので、ちょっとだけ気になりました。

「よかったら、小林さんの『水槽』のお名前も教えてください」

質問が多い気がします。
欲張るのはいけないことです。
これからは気を付けようと思います。

407小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 22:51:31
>>406

「『今この好機を逃すな』……ですか
少々不思議な御縁がありますね。『リヴィング・イン・モーメント』
 『今この瞬間を生きる』と言うのが、私のスタンドです」

 「私は、『音仙』と呼ばれる場所でスタンドを承りました。
道具屋? 妖甘?」

ヤジ「結構、この街には色んな供与者が居るようだからな。
その内の一つだろ」

 「成程ね……」

親友の言葉に相槌をうつ小林。三枝の複数の質問に気分を害した様子はない

「いえ、私も楽しいですから お構いなく。
供与者とは沢山いるものなのですね……何時か、他の方とも
お話すれば、私の啓蒙も深まり 視野も広がれば良いのですが……」

408三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2019/01/06(日) 23:28:16
>>407

「本当です」

「もしかしたら心の中が似てるのかもしれません」

「見た目はあんまり似てないですけど」

小林さんを見上げます。
この前計った時は150cmでした。
小林さんは随分大きいです。

《こっちの姿も全然違います》

『墓堀人』が口を開きます。
『水槽』とは似ても似つかない姿だと思います。
何となく、面白いと感じました。

「『音仙さん』ですか」

「他にもいたのは知らなかったです」

また違う名前が出てきました。
思ったよりもたくさんいるみたいです。
驚きました。

「『同じ人』に会ったのは、小林さんで二人目です」

「小林さんはたくさんの人に会ってるんですか?」

「――凄いです」

409小林『リヴィング・イン・モーメント』:2019/01/06(日) 23:39:31
>>408(おつきあい有難うございました。ここで〆させて頂きます)

「以前、温泉旅行に言った時は。プロレスラーの方で
よく喋る外交的なスタンドの持つ方が」

「もう一人は同じく人型スタンドを持つ方がいましたね。
アレは寡黙な方でした」

他にも、海岸沿いで見かけた方や。合コンと言う特殊な中では
多くのスタンド使いも見かけた。

 ありとあらゆる経験が、私の糧となる。それを苗床に
いつか花咲けば 私も一人前な作家とも胸張れる文章を書けるのだろうか?

「私もまだまだ若輩者です」

「これから、三枝さんが この街を練り歩けば
私以上の出会いを 経験を積み重ねるでしょう」

彼女へ目線を合わせるように屈みこみつつ告げる。

「その時は、また一緒に街でココアでも飲みかわしましょう
此処は冷える場所ですから、店内にでもね」

ヤジ「おぅおぅ、そりゃジョーにしちゃあ気が利くぜ!
何かあれば、俺達を頼ってくれよ三枝の嬢ちゃん。
俺達は『ジョジョ』を目指す者!
 何時だって、困った時は手助けするからよ」

 黄金の精神を追う二人組みは、貴方と出会う。

この交錯は、いずれまた新たな出会いの契機を作り上げる入口なのかも
知れないし、違うかも知れない。
 ただ、年は明けたばかり。これからの道筋は未だ誰にもわからない

410『三つで答えな 殺人犯を』:2019/01/21(月) 12:56:40
(※先着一名のみ。能力詳細とかいりません)

「ぜってー チャラ男だよ、このチャラ男だって!」

「いや、隣にいる女じゃないの?」

・・・星見スカイモール 展望楼塔高層エリアには若者の財布に優しい
フードコートが存在している。その一角で、何やら若い男女達が
わいわいと話しているのが聞こえる。

「まぁまぁ、質問は『三つ』だって事は理解して貰えてるよな?
それ以外は何も答えない。賞金は予め決めた通り三万だ」

 「前もって確認するが、後だしで犯人が代わっても問題ない
形式だったら、どうなるかわかってるな?」

「おぉ 怖い怖い。大丈夫だよ、ちゃんと推理に基づいたものだからさ
――さぁ 星見町で我こそはと言う頭脳明晰 灰色の頭脳の皆さま!
 冬山の仲睦まじきサークルで起きた殺人事件の真犯人!
それを、一枚の写真と三つの質問で答えた方には早い者勝ちで
三万を支払いましょう!」

何やら、結構スケールの大きい催しを勝手にフードコーナーで
している若者がいるようだ。

411宗海『エトセトラ』:2019/01/21(月) 18:26:00
>>410
「ん?」

買い物の途中で人混みを見つけた。
何事だろうかと、近づいてみる。

412『三つで答えな 殺人犯を』:2019/01/22(火) 09:52:35
>>411(参加受理)

フードコートの隅で、フレンチなり色々と各自好みのものを
食べてる若者達の中心で、サングラスをかけてる洒落た三日月の
ルアーのようなブレスレットを身に着けてる男子がニヤニヤと
一枚の写真を机に置いて喋っており、それに円陣を組んで他の者達も
覗き込んでいる。貴方に気付いた一人が声をかけた。

「お? あんたも飛び入り参加希望? まぁ、ちょっとこいつの
クイズを聞いてみてよ。それにちゃんと答えられたら三万贈呈だって」

どうやら、ある程度大金をかけたクイズイベントのようだ。
問題を提出してる若者も貴方に気付き、ニヤッとしつつクイズを始めた。

「よぉ、チャレンジャーさん。それじゃあ改めて問題を説明始めるぜ。
これは数年前に星見町の隣接した町の〇〇大学の登山サークルで実際に
起きたって言われる事件の事である。
 そのサークルが冬山に登った後、宿泊してる山施設で事件が起こった。
切っ掛けは、所謂痴情の縺れってやつ。犯行現場も、サークルメンバーと
関係のない奴が殺人の瞬間を目撃した事で直ぐに逮捕された。
 それじゃあ、こっからが肝心だ。
その殺人の犯人を、登山達成の記念写真から割り出してくれ」

周りの仲間たちは、無理だろ どんだけ難問なのさと口々に勝手に
感想を言い合っている。写真には大まかな特徴として

・人以外の風景としては、かなり吹雪く絶景の冬山頂上。
・左から 肩を組んで仲良く写る女性二人 それに強い視線を送るチャラ男
カップルらしき男女一組 大柄なポーズを決める男 少々目つきの危ない女

と、言うのが登山頂上達成した瞬間に写したものだった。

「それじゃあ、この写真から犯人を割り出してくれ。……おっと!
殺されたのは、左端の仲良さそうな女子二人の内の一人だ。
  因みに死因は、突き飛ばされた事による脳挫傷。
これが普通の場所なら、直ぐに病院に搬送すれば助かったんだけどねぇ」

犯人からすりゃ、過失致死傷罪って奴さ。と同情する感じで付け加えるが
そんな態度を関知せぬ様子で、周りの仲間は こんな写真からじゃ
特定出来ないだろうと口々に文句が上げられている。

「こんな写真じゃ無理に決まってるじゃん。犯行現場の写真とかじゃないし」

「だから、質問を『三つ』までOKだ。〇〇が犯人ですか? って質問も
当然受け付ける。ただし、飛び入り参加者限定だ。お前らは駄目だ」

「チッ……本当に答え合わせで、ちゃんとしたものだって納得出来るだろうな?」

「ちゃんと頭を捻ればな」

仲間同士で軽口を叩き合い、出題者は自信に満ちた顔で貴方に再度
挑戦的な笑みを浮かべる。

ルールは簡単。写真から真犯人が誰かを割り当てる。
殺されたのは、仲が良さそうな女性一組の内の一人。動機は
痴情の縺れと言う事から、犯人には恋人がいたか、被害者に
告白を迫って断られたりしたのかも知れない。

……出題者が、自信に満ちてる事からも相当に難問そうだ。
彼の言う通り、消去法と勘だけでは犯人を当てる事は難しいだろう。

413宗海『エトセトラ』:2019/01/22(火) 20:33:02
>>412
「よろしいかしら?」

群衆の中心にいる男性へ声を掛ける。
濃紺のダッフルコートを身に纏い、スクールバッグを肩掛けした、
いかにも『学校帰り』といった恰好だ。

「ルールの確認としての『質問』なのだけれど、

 『はい』か『いいえ』で答えられる、質問のみが許される。
 ……そうじゃないと、ゲームとして成立しませんよね?」

唇に薄い笑みを乗せ、気取らない仕草で問い掛ける。
先程の会話では、ハッキリとは言及されていないが、
この手のゲームの『お約束』として、ほぼ間違いないだろう。

    「(大学のちょっとした同好会、かしらね。
      ……折角だから、少しだけ付き合ってみましょうか。)」

不平を漏らす観客達を尻目に、ほくそ笑む。
回りくどい表現もあるが、それは問題の『前提』を隠すためだろう。
余計な情報に紛れさせて、回答者に有利な『ヒント』が隠されている。

   「(この事件、死因は『突飛ばし』による『脳挫傷』、
    そして、『過失致傷罪』だと出題者は口にした。
     ……この時点で、『共犯』は有り得ません。

     示し合わせて『犯行』に及ぶなら、『殺意』の証明に他ならない。
     つまり、その時点で『殺人罪』として、出題者は語るはず。
     答えを知る『神の声』で語る以上、これを『事実』であるとみなし、
     ―――――『犯人』は『単独犯』、つまりはおおよそで『7パターン』に絞られる……)」

唯一のヒントであり、徹底した探りが許されてる『写真』をじっと見つめる。
具体的には『順番』だ。『カップルらしき男女』は、どちらが『左側』か。

414『三つで答えな 殺人犯を』:2019/01/22(火) 21:23:16
>>413

>『はい』か『いいえ』で答えられる、質問のみが許される。
>……そうじゃないと、ゲームとして成立しませんよね?

「最初の『質問』としては、その回答は『はい』だ。残りの質問権利は二回」

「おいっ」ゲシッ

「痛っ! 何だよ、ちょっとした可愛らしいジョークじゃん
はいはい、真面目にやるよ。そりゃあ、この手の質問で
犯人の名前は? って聞かれて、俺が馬鹿正直に山田 太郎ですって
言ったら、もう名前からの連想ゲームじゃん」

隣にいた仲間に軽くツッコミの蹴りを受けた膝をさすりつつ
軽そうな口調で、貴方のルールの条件を明確化する。
ウミガメのスープとか同様、YESorNOの思考ゲームらしい。
あと当たり前だが、質問権利は三回ちゃんと残っている。

貴方は写真を細やかに観察する。冬山を登るのだから当然の事だが全員防寒着。
左側より、少しギャル風の女と 黒髪で人受けしそうな顔の女が肩を組んでる。
出題者は、その黒髪の女が被害者だと語った。
次に、金髪で防寒具越しにもアクセサリーが耳や首に見え隠れする男が
品定めするように目線を二人の女のほうに向けてる。その視線の先は
被害者かも知れないし、もう片方の可能性もありそうだ。
次に貴方が注視するカップル。
左側に日焼けした男がピースをしており、その腕に寄りかかって同じく
舌を出して笑ってる女も一緒のポーズをとってる。女は写真の右側にいる。

写真の中で一番図体が大きい男はボディビルダーか、それに近い趣味を
持ってるのがマッスルポーズを強調してる。そして右端には
少し目つきの悪い女が、余り楽しくなさそうな顔で映っていた。

「どうだい  質問は決まった? 『良い質問』を期待してるぜ」

出題するグラサンの男性は、貴方の回答を楽しそうにニヤッと待ち受けている。

415宗海『エトセトラ』:2019/01/22(火) 22:07:13
>>414
>「最初の『質問』としては、その回答は『はい』だ。残りの質問権利は二回」

      「えっ!?」

『スクールバッグ』内に『エトセトラA〜V』を発現。
バッグ内にある『純アルミ製』の『ヒートシンク』を――――

>「おいっ」ゲシッ

      「……ああ〜〜〜〜ッッ、びっくりした。

        .私、身体が弱い方ですから、
       .あまり脅かさないでくださいね?」

『エトセトラA〜V』を解除する。
そう、唯の『ゲーム』なのだから、スタンドが必要なはずがない。
ついうっかり、不幸な事故を起こしてしまうところだった……。

気を取り直して、『写真』の観察を終える。
正確に言えば、『観察』ではない。『ラベリング』だ。

      「この『写真』、別にどうしてもいいのでしょう?」

スクールバッグの中から『スケジュール手帳』を取り出し、
裏表紙に用意された『日付シール』を引き抜く。

      「『誰』がどうなんて解りにくいですから、
       こうやって、『ナンバリング』させて頂きます。

       左から、ネオギャルが『1番』、被害者が『2番』、
       アクセの男性が『3番』、日焼けの男性が『4番』、
       ベロっ娘が『5番』、マッチョが『6番』、不機嫌さんが『7番』」

      「―――――それと、『カヤの外』は可哀そうですし、
       『カメラマン』の方も『0番』にして、仲間に入れてあげましょうね」

目に入った特徴を淡々と述べながら、次々にシールを貼っていく。
『奇数』が『4人』、『偶数』が『4人』。作業を終えたのを確認し、一息つく。

      「――――では、質問を。

       『1.犯人に張られたラベルに書かれた数字は偶数ですか?』」

質問を省けば『貼られたラベルの枚数』を回答されかねない。
ゆっくりと、しかし『理』を押し付けるような、朗とした口調で問い掛ける。

416『三つで答えな 殺人犯を』:2019/01/22(火) 22:36:10
>>415

>ああ〜〜〜〜ッッ、びっくりした。

「はははっ! 驚いてくれたようなら、何よりっ」

「性格悪いんだよ、お前は」

宗海のリアクションを、お気に召したように笑う男性は
中々良い性格をしてるようだ。

>誰』がどうなんて解りにくいですから、
>こうやって、『ナンバリング』させて頂きます。

「あぁ、あぁ。構わないぜ 焼き増ししたのもあるし、幾らでも
好きなように加工してくれ」

>――それと、『カヤの外』は可哀そうですし
>『カメラマン』の方も『0番』に

『――ぁ』

「……ちっ」

貴方の言葉に、囲んで各自誰か犯人か考えていた者達も少しハッとした
顔つきになる。出題者の男も、余裕そうな笑みを消して露骨な舌打ちをした。

>1.犯人に張られたラベルに書かれた数字は偶数ですか?
 
「……『YES』 0、2、4、6の中に犯人はいるぜ。
――『見事』だ。くれてやる」

最初の質問だけだが、出題者は既に理解していた。
こうなれば、被害者を除けば残り三名。カメラマン、カップルの日焼け男
そしてマッチョの男だけが容疑者となる。残る回答権利は二つ……
消去法でも十分通用するのだ。出題者の敗北は明らかだから

「…………俺からも質問させてくれよ。
あんた、この手の問題を以前にもした事ある?」

「そして、あんたの予想では……いや、十中八九カメラマンだって
解ってそうな面してるから、こう聞くが。
あんたの想像では、カメラマンは何が動機で被害者を結果的に殺したと思う?」

三万を貴方のほうに滑らすように渡しつつ出題者は尋ねてきた。

417宗海『エトセトラ』:2019/01/22(火) 23:13:50
>>416
空気の変化を如実に感じる。
『詰み』の質問だから、出題者は容易く『投了』をした。
『写真』に触れていた手を両膝に置いて、静かに一礼をする。

     「では、折角ですから。
      頂いたお金は『ひなどり募金』に寄贈させて頂きます。

      本当、可哀想ですよね。
      国有の土地に『相談所』を建てるだけで、
      心の狭い『富裕層』に邪魔立てされるなんて――――」

手渡された『三万円』を恭しくも両手で受け取り、
手帳に挟み込みながら、出題者からの『質問』に耳を傾ける。

     「そう、ですね……。
      『秤』を3回使って『偽貨』を暴くクイズですとか、
      そういったものが近いのかしら。

      昔から『入院』が長くて、
      患者のおばあさんから貰う『懸賞雑誌』に、
      色々な知恵比べパズルが載っていたのよ」

此方の質問は当たり前のように答えられる。
淀みのない声調で語り掛け、静かに微笑んだ。

     「そうね。……『地上の縺れ』なのでしょう?

      この吹雪では、雪原に『カメラ』を設置しても、
      シャッターチャンスを『遠隔』で計るのは難しい。

      私はシャトルランが『10回』も出来ないくらい、『体力』がないから、
      真冬の登山なんて、……見ただけでも怖気が走るわ。

      それでも、『カメラマン』が登頂記念の写真に映らなかったのは、
      ――――愉しそうな彼女がいる『空間』を残したかったから、かしらね」

本当に『事件』があったから解らない。
だから、『核心』には触れず、一人だけ省かれた『集合写真』に思いを馳せた。
省かれたのではなく、自ら身を引いた、と信じるかのように。

      「――――それだけ、よ。
       細かい『動機』なんて解らなかったけれど、
       彼は、この場では『見る側』を選んだから、と」

      「これでいいかしら。
       無理に『動機』を当てはめるのは、趣味じゃないの」

手帳をスクールバッグに滑り込ませ、そっと立ち上がる。

418『三つで答えな 殺人犯を』:2019/01/22(火) 23:32:45
>>417(有難う御座いました。またいずれ、別の舞台での活躍を)

「――プッ   ははははっ!! あははははははっ!!」

あははははははははははははははははははははははははは
ははははははははははっっっ!!!!!


宗海の言葉に静かに耳を傾け、彼女が立ち去ったのを視認して
暫くの間の後に、出題者は大爆笑した。
笑いの洪水だ。喧しい筈で、他の客にも迷惑になるのに関わらず
『不思議と』誰も注意しようとしない。

「して、やられたじゃないか? あんな小娘に完全敗北に関わらず
どう言う風の吹きまわしだ?」

「ぷっ くくくっ!! ふっ ぷっ っく……!
いや、失礼失礼! 余りに完敗でツボに入っちゃったよ!
それでも、彼女は最後の最後に真の凶悪犯を当てれなかっただろ?
 ――『エクリプス』って言う、僕ら今世紀最悪の存在をさっ!」

自信満々の宣言に、再度鋭い蹴りが襲う。

「出題と全く関係ないだろ」

「痛いっ!! ったく、もっと人生を愉しもうよ!
公園の砂場で、城を作る時も 必死で半日作ったソレを足で踏み潰す時も
盛大に笑って 嗤って 哂って愉しむ 楽しむ 娯(たのしむ)!
これから、もっともーーーっと愉快な事を巻き起こすんだから!」

「前半後半の与太話は置いといて、まあ これからが私達の本領発揮」

「――『予言』を元に この街に破滅を」

「――『工場』を下に この街に崩壊を」

「――『弓矢』を基に この街に再生を」

 『それじゃあ 始めよう 始めようっ 始めよう!』

……若者達は去る。騒いでいた彼らを視界に入れていた群衆は
今日を過ぎれば、彼等の姿形を記憶に残すものは誰一人おらずカメラ等の
記録にも残る事はなかった。

ただ、一人 正しい回答をした貴方(宗海)以外に……

419小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/12(火) 00:44:05

一つの人影が、音もなくベンチに腰を下ろす。
黒い帽子と喪服を身に纏った細身の女。
手にしたハンドバッグを、おもむろに開く。

  「――あっ……」

うっかり手を滑らせ、口の開いたバッグを床に落としてしまった。
細々とした中身が足元に散乱する。
その場から立ち上がり、身を屈めて小物を拾い集める。

420稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/12(火) 01:26:42
>>419

ベンチからやや離れた壁際から・・・

            トコ トコ

   スッ

「…………小石川サン」

近付いて来て、小物を拾いだしたのは『稗田恋姫』。

           「えひ……手伝うぜ」
 
   サッサッ

前に会った時とは違い、全身冬服装備で固めていた。
その手にはゲームセンターのものらしき『景品袋』がある。

421稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/12(火) 01:27:16
>>420(メール欄消し忘れです)

422小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/12(火) 01:55:10
>>420

声に気付いて、そちらに向き直る。
その顔には見覚えがあった。
何度か出会ったことのある、桜色の瞳の少女。

  「稗田さん――」

  「ありがとうございます」

穏やかな微笑みと共に、会釈を返す。
元々、それほど物は多くなかった。
それらを拾うのに、長い時間はかからない。

  「――……」

ベンチの下に転がっていた包帯を拾い上げ、顔を上げた。
それから、不安げな視線で辺りを見回す。
大事なものが見当たらなかった。
少女は気付くかもしれない。
ベンチの脚の陰に、木製の鞘に収まった果物ナイフが落ちていた。

423稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/12(火) 10:13:38
>>422

「えひ、気にすんなし…………
 知り合い……が物落としてたら、
 拾うのは常識的に考えて普通だし……ほら」

         サッサッ

それなりに手際よく拾い集め、
小石川に渡していく恋姫。

「……ん」

あらかた拾い終えたと思ったのだが……

「なんかまだある感じか……おっ。これじゃない?」

         スッ ・・・

「なんだこれ…………?」

ベンチの陰に、もう一つ何かあるようだった。
それを拾って……小石川に渡すために持ち上げる。

「うおっ、ナイフか……!? 事件の予感……!
 ……なんてな、えひ。これも小石川サンのだろ?
 あー、マイ箸とかの流れってやつなのかな……?
 鞘に入ってるとか本格的ぃ……名刀っぽいぜ」

         「…………はいこれ」

・・・もしあったとしても、その刃の意味を、
小石川の人柄とすぐに結び付けられはしないだろう。

やや疑問符を浮かべながらも、陰気な笑みと共に手渡す。

424小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/12(火) 19:45:54
>>423

持ち上げられたナイフに視線を向ける。
その瞳の奥には、大きな安堵の感情があった。
差し出されるナイフに向かって静かに手を伸ばす。

  「ええ、とても大事なものです……」

          スッ

  「ありがとう――ございます」

果物ナイフを受け取って、バッグの中にしまう。
他には、もう落ちているものはない。
それで最後だったようだ。

  「お陰様で助かりました」

  「もっとしっかりしないといけませんね」

        クス

ベンチに座り直し、少女に笑いかける。
その表情に浮かぶのは、どこか陰の残る微笑み。
ただ、思いがけず知人と出会えたことで、その陰も今は少しばかり薄れていた。

425稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/12(火) 22:52:00
>>424

「あ……そーなの……なんか高そうだもんな」

(…………つーか、銃刀法とか大丈夫なのか?
 いや、そんなにデカイわけではないか……でも、
 マイナイフ……って、普通持ってるもんなのか?
 マイ箸とかですら持つ気しないんだけど……
 小石川サン……潔癖症のケあったりすんのかな)

恋姫は『大人』に憧れる気持ちが薄い。
化粧の仕方もなんとなくしか分かっていないし、
カバンに何を入れるべきかも、考えていない。

「えひ、十分しっかりしてそうだけど……
 小石川サン、意外と抜けてたりすんの……?
 物めっちゃ落とすとか……? ギャップだな……」

凶刃の真意にはもちろん気付かないまま、
別の『へんな印象』を抱きつつナイフを返す。

「よいしょ…………」

            ドサドサ

同じベンチの、やや離れた位置に腰掛け荷物を下ろす。

「あ、そういえば何してたの…………買い物帰りとか?」

426小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/13(水) 00:08:58
>>425

ナイフを持ち歩く人間は、きっと少ないだろう。
そして、それは良いことではないと思う。
それでも、自分にとってなくてはならないものなのも確かだった。

  「時々……散歩の途中で道に迷ってしまうこともあります」

  「――失敗するのは珍しくありませんよ……」

        ……ニコ

  「ええ、新しくできたお店に……」

傍らに置いていた小さな紙袋を、軽く持ち上げる。
ロゴの入ったアロマテラピー専門店の袋だった。
そこから、ラベルの貼られた小さな瓶を取り出す。

  「――ラベンダーのオイルです」

  「私は、この香りが好きなもので……」

  「とてもリラックスできますから……」

おもむろに蓋を外すと、芳しい香りが辺りに漂う。
フローラル調の柔らかな芳香。
この香りに包まれていると、気持ちが落ち着く。

  「――稗田さんもお買い物ですか?」

まもなく蓋を閉じて、アロマオイルの瓶を袋に戻す。
それから少女の持つ袋に視線を向けた。
それが景品であることまでは分かっていない。

427稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/13(水) 00:33:53
>>426

「へぇ……なんか想像したら面白いな」

         ニタ…

「『地図アプリ』とか使っても迷っちゃうの?」

『しっかりした大人』にもおかしな面はある。
それは分かっていても、イメージが繋がらない。

「というか小石川サン、ラベンダー好きだな。
 ……えひ、まあ、似合うんだけどさ……
 このニオイ=小石川サンってイメージになってきた」

ラベンダーの芳香は普段から嗅ぐものではないが、
小石川と遭遇するたびに違う形で嗅いでいる気がする。

「僕も『アロマキャンドル』とか……たまに、買うし。
 こういうの、結構好きだ……今日は買い物じゃないけど」

            ガサガサ

「…………ゲーセン行ってたんだ」

袋の中にはよく分からない『箱』が入っている。

「プライズ……あー、UFOキャッチャーが、ここは多いから」

          「……結構調整はハードなんだけど、
            ここにしかないヤツもあるんだよね」

428小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/13(水) 01:22:06
>>427

ゲームセンターという場所には、あまり馴染みがない。
それもあり、やや不思議そうに箱を見つめた。
失礼に当たらないかという考えが浮かび、緩やかに視線を外す。

  「稗田さんは、お上手なんですね……」

  「――私も小さい頃に挑戦したことがありました」

  「……大きなぬいぐるみが欲しかったんです」

           クス

  「でも……ほんの少し動いただけでした」

幼少期の一幕を思い出す。
あれはデパートの店内だっただろうか。
忙しかった父が、珍しく遠出に連れていってくれたのが嬉しかったことを覚えている。

  「――コツがあるのですか……?」

  「それを聞いたら……私も上手くなれるでしょうか?」

少しばかり冗談めいた口調で告げる。
口元には穏やかな微笑があった。
それは、知人との会話を心から楽しんでいる表情だった。

429稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/13(水) 03:04:13
>>428

「小さい人形とかは取りやすいんだけど……今日は大物だった」

箱の上面には『アニメキャラ』風の絵が描いていた。
恋姫もそれについて、あえて説明をする気はなさそうだ。

「まあ……僕もプロとかじゃないけど……
 ゲーセン通ってたらエンカするの避けて通れないし……
 UFOキャッチャーも……素人じゃあないぜ」

        ニヤ

「コツは……うーん、取れそうな台探す事だから、
 あと課金額? なんというか、もともこも無い訳だけど」

          「えひ」

あまり詳しいというわけでもないので、
あいまいなアドバイスだけして袋を閉じた。

「でかいの取れた事たまにあるけど……
 なんだろうな、なんか……急にぽろっと取れるんだよな」

        「アーム……途中から強くなったりしてるのかもな。
         ……そういう『都市伝説』もあるくらいなわけだし」

430小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/13(水) 22:49:19
>>429

  「……選び方ですか」

  「新鮮な野菜にも見分け方があります……」

  「――同じですね」

      ニコ……

彼女と自分は違う人間であり、歩んできた道筋や生活範囲は異なる。
ただ、その中には共通する部分が垣間見えることもある。
それを見つけられることは、きっと楽しいことなのだと思う。

  「私の実家は……トマト農園なんです」

  「――ジャムやジュースも作っていますよ」

  「私も学生の頃は手伝いを……」

それは、クレーンゲームの記憶よりも少し近い時代の記憶。
自分自身が、隣に座る少女と同じくらいの年齢だった頃のこと。
泥に汚れながら、忙しく立ち働く父の仕事を手伝っていた。

  「あ……ごめんなさい」

  「私ばかり話してしまいましたね……」

  「昔の懐かしいことを思い出してしまったもので……」

431稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/13(水) 23:07:07
>>430

「『収獲』しどきの目利きってやつだな……野菜?
 ラベンダーは知ってたけど……へえ、トマト農家……」

なんだか意外な感じだった。
恋姫的にも『農家』は大事な仕事だと思うが、
小石川のどこか垢抜けたイメージとは違うように思えた。

「前は僕も自分語りした気がするし……
 えひ、ここはおあいこってことでひとつ」

他人の人生に深い興味はない。
自分の人生だけでせいいっぱいだ。

だが、聴かせてくれる分には、面白い。

「というか……トマトジュースは分かるけど、
 トマトジャムって……『ケチャップ』じゃね」

「えひ、情弱でわるいんだが……
 やっぱり……ジャムの方は甘かったりするの?」

        「トマトトークもうちょい聞かせてくれよ」

特に農業なんていうのは全く知らない話だし……
動画サイトやネット番組で『ドキュメンタリー』を見るような好奇心はある。

432小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/14(木) 00:06:47
>>431

  「――ええ、喜んで……」

        クス

  「トマトのジャムは甘いんです」

  「グラニュー糖やレモン汁を入れるので……」

  「酸味があるので普通のジャムとは少し違いますが、美味しいですよ」

どちらかというと、自分は街育ちではなかった。
客観的に比較すると、田舎で育った方なのだろうと思う。
街の暮らしに慣れたのは、今は亡き『彼』の影響が大きい。

  「――他には……フルーツトマトも育てています」

  「肥料や水分量を減らすと、普通よりも粒の小さなトマトができるんです」

  「その代わりに栄養が凝縮されて、イチゴよりも甘いトマトになるんですよ」

普段よりも、いくらか饒舌に言葉を続ける。
農園の娘として生まれたこともあり、何かを育てることは昔から好きだった。
趣味で行うラベンダーの栽培も、幼少期の経験が関わっているのかもしれない。

  「何だか……たくさん喋ってしまいました」

         ニコ……

  「――楽しんでいただけましたか?」

433稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/14(木) 00:33:49
>>432

「へぇ……ちょっと興味出て来たわ。
 僕、どっちかというと辛党だけどさ。
 ……ジャムとかフルーツトマトとか、
 甘いトマトってのは面白そうだな……」

(まあ、そこまでして食いたいとは思わんけど……
 小石川サン、楽しそうだし……えひ、空気読んどこ)

       (…………でも、どんな味なんだ?
         もしかして『ダイマ』されちゃったか……)

意外にノリノリな小石川のトマトトークを聴き、
多少なり興味を煽られる恋姫だった。
ちなみに、トマト自体は特別好きでも嫌いでもない。
甘い物……それこそジャムなどは好きではないのだが。

「楽しかったよ……えひ、まじでギャップって感じ。
 トマトにめっちゃ詳しい知り合い、他にいないし…………」

「……僕もなんか語りたいとこだけど、今日はこの後用事あるんだよね」

腕時計に視線を向ける。ゲームキャラらしきデザインだ。

「また今度聞かせてやんよ。……まあ、いやじゃなければ……だけどさ」

434小石川文子『スーサイド・ライフ』:2019/02/14(木) 01:18:22
>>433

  「――はい」

  「またお話できる時を楽しみにしていますね……」

      ニコ

少女――稗田恋姫とは、これまで何度か顔を合わせてきた。
それらは偶然ではあったけれど、嬉しい偶然だった。
彼女との会話は、いつも楽しいものだったから。

  「その時は――景品の取り方を教えてくれますか?」

      クス

ほんの少し冗談めかした、やや明るめの微笑を少女に向ける。
そして、立ち去るらしい彼女に合わせてベンチから立ち上がった。
少女を見送るために、深く頭を下げる。

  「……ありがとうございました」

  「――また、いつか……」

435稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』:2019/02/14(木) 01:26:48
>>434

「ん…………勉強しとくよ」

       ザッ

「取りやすい台とか……色々な」

          トコトコ

ベンチから立ち上がり、2歩歩いて振り返る。

「んじゃ、またな……小石川サン」

            「……あ」

「……ナイフ、警官が見てるとことかで落とすなよな。えひ」

冗談のつもりでそんなことを言って、恋姫はエレベーターへ去った。

436鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/19(火) 22:56:10
(うぅん)
(やはり、無理せずもう一つ袋をもらうべきだったか…?)
(ただ両手を使って分けるほどの重さでもないからな…)

休日の午後。『テスト期間』につき、午前中だけで部活が終わった鉄は、
学生服のまま竹刀袋を肩に担ぎつつ、片手にギリギリまで詰められた買い物袋を持っていた。
もらった袋が思ったより小さくて、なんとか力技で詰め込みました、という感じだ。

(…しかし、思ったより治るのが早くて良かったな…母さんも)
(もう明日か明後日には完治しそうだ)

『ポトッ』

歩きながら、口につけた『マスク』の紐の位置を片手で直す。
その瞬間、買ったものの一部が袋から落ちてしまった。
しかし考え事をしている鉄は、気付かずに歩いていく。

437佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/19(火) 23:57:04
>>436

         ヒョイ


       「――――へい」


少し癖のあるショートカット。
ミニスカートと、そこから伸びる黒タイツ。
フライトジャケットのポケットに片手を突っ込んだ、ごく普通の少女。
それが、もう片方の手で『落とし物』を拾い上げて。
顔を上げ、若干三白眼気味の瞳を向けて――――


    「落としましたよ、お兄さん」


口の端を持ち上げて笑いながら、前を行く落とし主に声をかけた。

……ところで、彼女は高校二年生。
もしかするとキミとは顔見知りかもしれないし、そうでないかもしれない。

438鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/20(水) 00:10:55
>>437

「え?」クルリ
「ッ?!」
「………あ」

声をかけられて、振り向き。
それが女性であったので、思わず驚いて、目を逸らしてしまって。
そして投げられた言葉の内容を頭の中で繰り返し、慌てて右手の買い物袋の中身を見た。
一番上に入っていたモノがなくなっている。

「すっ、すまない」「お手数を、おかけして…」

なんとか言葉を紡ぎながら、熱くなっていく頭の中で、努めて冷静になろうとする。
拾って頂いたのだから、当然受け取るために近寄らなくてはならない。
なるべく警戒心を与えないように、自然な立ち振る舞いを意識しようとして、自然ってそもそも何だ?という問いに直面し─────。
ようやく、その声に聞き覚えがあったことに気付いた。

「・・・・・佐奇森さん?」

クラスメイトの名前を口にしながら、一瞬だけ顔を上げる。
ちなみに落とした袋の中身は、ホームセンターで買った『ポーチ』と『釘』だった。

439佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/20(水) 00:24:34
>>438

    「ええ、ええ、佐奇森さんですとも」

   「風邪、大丈夫? 顔赤いよ、夕立クン」

カラカラと笑って、『ポーチ』と『釘』を差し出す。
……ん、『釘』?
ポーチはまぁともかくとして……『釘』?

    「……テスト期間中に『日曜大工』?」

     「ってわけじゃないと思うけど、どしたのこれ?」

『ポーチ』もまぁ、変と言えば変な買い物だ。
テスト前に、風邪っぽそうな顔して、『ポーチ』だの『釘』だの買い込むかフツー?

440鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/20(水) 00:44:57
>>439

「…拾ってくれたのが佐奇森さんで良かった」「ありがとう」

ふぅ、と息をつき感謝の言葉を述べながら、マスクをズラす。
そして差し出された『釘』と『ポーチ』を受け取った。
クラスメイトなら、手で受け取る程度なんでもない。いや、なんでもないは言い過ぎたが。
やはり目は合わせられないし。

「オレは無事だよ。これは『予防』」「母さんが少し前に風邪にかかってね」
「とはいえ、もうすぐ治るだろうけど。念のために、今日の買い物はオレが来たんだ」

分かって言ってるのか、それとも素なのか。何となくからかわれているような気がしつつも、首を振る。
心配させてしまっているなら、それはそれで申し訳ない。


>    「……テスト期間中に『日曜大工』?」

>     「ってわけじゃないと思うけど、どしたのこれ?」

「・・・・・・・・・・」ビクッ

思わず、動きが止まる。しまった、せめてこれは袋の一番下に入れておくべきだった。
いや、そもそも落とさなければ良かったのだが。何か上手い言い訳を探さなくては。

「これは、その、ええと…」

「………」

「…佐奇森さんは、『非常食』とか買っておくタイプ?」

441佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/20(水) 01:00:02
>>440

     「ああ、なるほどね」

      「お大事に、ってお母さんに言わなきゃ意味ない気もするけど」

風邪は感染する病だ。
かかった本人、その身内、そしてまだかかっていない人すらも、感染を防ぐために意識するのは重要なことである。
うんうん、感心なことだ。
佐奇森も手洗いうがいは徹底しているが、体調を崩しやすい時期なのだし。

   「……お、妙な反応」

と、鉄が妙な反応を示した。
まぁ彼が挙動不審なのは今に始まったことではないのだが(失礼)。

       「『非常食』?」

    「ああうん、たくさん買い込んであるよ」

      「こないだ『乾パン』の賞味期限が切れたから買い替えたとこ」

     「それがどうしたの?」


              「……まさか……『釘』を……ッ!?」

食べるのか!?(そんなわけはない)

442鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/20(水) 01:14:44
>>441

「…いや、その気持ちだけでありがたいよ」「母さんにしっかり伝えておく」

佐奇森さんはその瞳の影響でか、やや気が強そうな女性に見えるが
責任感が強く、気配りもできる女性だ。『クラス委員長』を務めているのも納得だろう。
そういえば、『山岳部』にも所属していた気がする。


>              「……まさか……『釘』を……ッ!?」

「ないない」「それはない」

顔の前で手を振って真顔で否定する。
『釘を食べる人間!』みたいなオカルト的な話も意外と信じるタイプなのだろうか。
それならしっかり説明しても通じるかもしれないが、ひとまずは、安全策で行こう。

「そうなんだ、やっぱり佐奇森さんはしっかり備えておくタイプなんだな」
「オレもどちらかと言えばそのタイプで、色んな事態…特に自分にとって、都合のよくない事態を想定しておく方でね」
「できれば使いたくないが、いざという時のために準備しておいた方がいいもの」

「ええと」「まぁ」「『コレ』がそうなんだけれど」

そう言って、『釘』と『ポーチ』を指差す。
…何を言っているか余計分からないかもしれない。自分もよく分かっていない。
元よりウソは得意ではないが、女性相手だと尚更かもしれない。

「さ、佐奇森さんは今日は買い物でここへと?」

とりあえず話題を変えることにしてみよう。

443佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/20(水) 01:35:20

   「あはは、ジョーダン、ジョーダン」

『土』とかは聞いたことがあるが、どう考えても『釘』は食べるものではない。
ショートカットを揺らしながら、カラカラと笑う。

    「ははーん、もしもの時の備えってワケ?」

  「なるほどねぇ……」

うんうん、と神妙な顔で頷いて、

     「いやだからって風邪引いた母親に代わって買うこれ?」

   「っていうか全然説明になってませーん」

    「『コレ』が必要になる状況って何よ。ゾンビパニック? でなきゃ不良の『カチ込み』でしょ」

手首のスナップで虚空にツッコんだ。
露骨に不自然だ。それこそ日曜大工でもするんだろうか。テスト期間に?
流石にそれはこう、『テスト前に片付けが捗る』とかのレベルを超えてないだろうか。

      「私は『方程式』と向き合うのに嫌気が差して気晴らしがてらお菓子買いに来たとこだけど」

    「その言い方だとキミ、『僕は違う理由で来ました』って感じ出ちゃうぞー?」

444鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/20(水) 01:47:58
>>443

>     「いやだからって風邪引いた母親に代わって買うこれ?」

>   「っていうか全然説明になってませーん」

>    「『コレ』が必要になる状況って何よ。ゾンビパニック? でなきゃ不良の『カチ込み』でしょ」

「ごもっとも過ぎる…」

目線を合わせずに、頷いた。
仮に自分でもそう思うだろう。ここまで流暢に反論したりはできないが。
ここは覚悟を決めて話すべきか。
彼女には『頭がおかしいヤツ』と思われるかもしれないが、
仮にそうなったとしても、クラスに吹聴するタイプではないだろう。

「オレも買い物がメインではあるけど、察しの通りこれは『私物』でね」
「・・・・・そうだな」

辺りを見回して、人通りが今は少ないのを確認。
何本も束ねられている『釘』の包装を破いて、その内一本を取り出す。

「佐奇森さんは、『超能力』を信じるタイプか?」
「…いや、話がどんどんヤバい方向に向かってるのは分かってる」
「とりあえず最後まで聞いてもらえれば」

445佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/20(水) 01:57:28
>>444

    「お……」

……話が。
少し妙な方向に動き始めたのを感じる。
楽しげに口角を持ち上げたままポケットから両手を出し、その掌を上に向ける。
続けてどうぞ、のジェスチャー。

        「OK」

     「聞こう。聞くよ」

   「とりあえず最後までね」

面白くなってきた。
そんな感覚があった。

446鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/20(水) 21:26:48
>>445

「ありがとう」

頷き、釘の先端で軽く自分の指を刺す。ほんの僅かに、赤い血が一滴浮き出てきた。
その指を見せ、とりあえず、この釘は『本物』だということを伝えておく。

「先日、オレはとある人から、『超能力』に目覚めさせてもらった」

「それで自分の能力について色々と試行錯誤したり」
「目覚めさせてくれた人に対して訊ねたりしてみたんだ」

「オレの能力には、『刃』が必要なんだけど」

釘を握る右手と重なるように、『シヴァルリー』を発現。釘から『殺傷力』を奪い、『なまくら』とする。

『ビュンッ!』

そしておもむろに、左手へと勢いよく突き刺した。

「…家にある刃物は一通り試したし、『日本刀』も借りて試してみたが」
「あまり大きいものは邪魔になるし、普段から持ち歩くのは危険過ぎる」
「それに、殺傷力が高過ぎるしな」

左手を、佐奇森さんへと見せる。血どころか、傷一つない左手を。
そして彼女へと歩み寄り、その『釘』を渡す。

「それでひとまず出してみた結論が、コレなんだけど」
「…『能力バトル漫画』とか見たことある?それなら理解しやすい か も」

説明しつつも、はたしてこんな説明で理解できるかどうか、不安は残る。
傷付かない『釘』に関しても、途中で手品のように入れ替えたと言われてしまえばそれまでだ。
佐奇森さんの懐の広さに期待したいところだが、どうか。
チラリ、とクラス委員長の顔を伺う。

447佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/20(水) 23:48:00
>>446

   「……へぇー」

          「うわっ」

        「…………痛くないの? マジで?」

受け取った『釘』で、恐る恐る自分の手を刺してみる。
……刺さらない。
痛くない!

    「うへー、すごいね夕立クン」

      「『日本刀』借りられる先ってナニ? って感じだけど」

     「あ、剣道場とかだと結構置いてあるんだっけ」

すごいすごいと感心しながら、『釘』を自分のあちこちに刺そうとしてみて遊んでいる。
当然どこにも刺さらない。とても『不思議』だ。

        「……ん、OK」

       「納得した納得した」

          「『釘』よか『カッター』とか『ハサミ』でもいいんじゃないかって気もするけど」

    「にしても夕立クン、度胸あるよねぇ」

      「『自分は超能力者です』って、フツー信じてもらえないよ? ヤバい奴扱いされるって」

ケラケラ笑って――――佐奇森は、フライトジャケットのポケットに手を突っ込んで仁王に立つ。
超能力者とか、フツーは信じない。
フツーは納得しない。当たり前だ。
……けど。


            「――――『こーいう子』でも無ければね。」


傍らに、『スカイラブ』を発現する。

448鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/21(木) 00:28:34
>>447

「『シヴァルリー』は、能力の対象下に置いた刃物に傷付けることを許さない」
「そういう能力なんだ」

『スタンド』の説明を付け加える。
どうやら信じてくれたようで、一安心だ。女性にヒかれるのは慣れているが、
流石にクラスメイトにあまり距離を置かれると、悲しい。

「いや、『地下アーケード』に『骨董品屋』があってね」
「店頭に並んでいたものから、少し『殺傷力』だけ借りさせて頂いたんだ」
「顧問の先生は持っているのかもしれないけど、学生の手の届くところに置くと危険だからね」

実際振ってみて、リーチも扱いやすさも申し分なかったのだが、値段が高いしかさばるし、何より危険過ぎる。
もし仮に『そういう事態』になったとしても、相手の命を奪いたいわけじゃあない。
ただでさえ、『シヴァルリー』。その能力には、危険が伴う。

「カッターやハサミも、あれば便利だなとは思うけど」
「まぁ『釘』はな…色々な所に刺せるのがいいんだ」


>    「にしても夕立クン、度胸あるよねぇ」

>      「『自分は超能力者です』って、フツー信じてもらえないよ? ヤバい奴扱いされるって」

「その通りだとは思う」「でも事実だからな」
「…いや、ヤバい奴ってところじゃあないぞ」

「説明して、理解してもらえなければ仕方ない。それはオレの不徳の致すところだから」

自分は、あまり嘘は得意ではない。だから単純に話して理解してもらうのが得策だと思った。
この前の風紀委員の少女とのやり取りでも思ったことだ。

「でも、キミは信じてくれただろ?─────」

と、そう語りかけた少女の隣には。自分と同じ、『超能力のヴィジョン』。

「・・・・・・・・・・」
「ここのところ、そういう機会が多かったからな…目玉が飛び出るほど驚く!ってわけじゃあないが」
「『クラスメイト』にいたのは流石にビックリだな」

改めて、自分の隣に『シヴァルリー』を発現する。

449佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/21(木) 00:46:59
>>448

     「……キミは人見知りすごいけど、素直だよね」

   「私、好きだなぁ。夕立くんのそーいうとこ」

傍らに視線をやれば、スマートな宇宙飛行士――――『スカイラブ』が『釘』を手に取る。
それから視線は『シヴァルリー』に。
……なるほど、『おそろい』だ。

      「あはは、せっかく勇気出して信用してくれたのに、悪いことしちゃったかな」

    「あ、ちなみに私は初めて見るよ、『私以外』は。けっこーいるの?」

        「結構違うもんなんだね、能力って。私の『スカイラブ』は――――」

『スカイラブ』が握る『釘』に、刻印。
宇宙船のマークが『釘』の頭に刻まれ――――浮いた。
ひとりでに、ふわりと。

       「物を『宇宙船』にできる」

     「面白いでしょ? 派手じゃないけど、縦横無尽。ある程度ね」

『釘』はそのまま無重力めいた挙動で宙を滑り、鉄の目の前に移動した。

450鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/21(木) 01:06:18
>>449

「うぐっ」「・・・あ、ありがとう」

臆面もなく好きだと言われ、また視線を逸らしてしまう。顔も赤くなっているのを感じる。
当然そういう意味でないことは分かっているが、どんな形であれ、自分が評価されることは嬉しいものだ。

「人見知りというか、単に『女性』が苦手なんだ…」「他の男子が何故緊張せずに話せるのか、不思議なくらいだ」

ぼやきながらも、こちらも改めて『宇宙飛行士風』のスタンドに目をやる。
騎士風の『シヴァルリー』とは違った雰囲気だ。そういえば、確かこの少女の夢も、同じものではなかったか。
これが所謂、心象風景的なものなのだろうか?

「…まぁ仮に佐奇森さんが信じてくれなかったとしても、この事をクラスメイトに言うとは思わなかったからな」
「どちらにしろ、その点に関しては間違っていなかったと思ってるよ」

自分以外を見るのは初めて、という彼女に少し驚く。どうやら自分は中々の偶然に遭遇していたようだ。

「学校の中でいえば、中等部二年生の松尾さん」「高等部一年生の今泉さん」
「外なら、この前会った男性の平石さん」「それに『烏兎ヶ池神社』の巫女さん、鳥舟さん」
「鳥舟さんはまだスタンドを扱えるわけじゃあないけど」

とりあえず、この四人の外見を説明しておこう。いざという時に助け合えるかもしれない。
そして、『スカイラブ』と彼女が名乗ったスタンドの動きに注目する。
そういえば、直に他人の能力を見るのは初めてかもされない。
少しワクワクしてしまう。すると、ひとりでに『釘』
が浮かび上がった。
そしてふわりとした独特の挙動で、目の前に着陸した。

「・・・念動力・・・じゃあないのか」
「『宇宙船』・・・・スゴいな、そんな能力もあるのか」

思わず笑みを浮かべながら、『釘』を手に取る。

「佐奇森さんも、誰かの力を借りて『目覚めた』のか?」

451佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/21(木) 01:39:57
>>450

     「へー……気付いてないだけで、結構いるもんなんだねぇ」

そりゃあ、普通は生きていく中で『超能力』なんて必要なものでもない。
今回みたいなケースでもなければ――――親友がスタンド使いだって気付かないまま一生を終えることだってあるかもしれない。
……というか。

   「……夕立クン、女の子ニガテーって言うけどサ」

      「その感じだと、結構女の子とお話できてるんじゃない?」

    「やるねぇ。このこのっ」

鉄の手の中で、『釘』が軽く暴れる。
と言っても乱暴に動くわけでもなく、ちょっとくすぐるようなものだが。

       「ま、素直だしね、キミ。そういうとこなんだろーけど」

     「目覚めた理由は……んー」

ふと、ぽりぽりと頭を掻いて。

         「ぶっちゃけよく覚えてないんだよね」

    「前に通り魔的ななんかに襲われてさぁ。いや怪我とかは無かったんだけど気ィ失っちゃって」

        「起きたら使えるようになってた。夕立クンは違うの?」

452鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/21(木) 20:21:19
>>451

「いや、そういうわけじゃあ…」
「松尾さんは『女性』じゃなくて『女の子』だし」「今泉さんとは、『スタンド使い』だと知る前から何度か話しているし」

妹と同い年以下の子は『女の子』に属するので平気だ。以前に『子供』と言ったら
妹に蹴られたので、とりあえずは『女の子』と分類する事で納得してもらった。
また今泉さんは、人当たりの良く交友関係の広い子だ。初対面で醜態を見せても、ドン引きせずにまた話しかけてくれた。

「鳥舟さんは…まぁ、大人の女性だったからかな」「情けないが、オレの方に合わせてもらった感じだ」

実際に口に出してこそいないが、彼女にも苦手としている事は悟られているだろう。
よく考えれば、店頭の前で日本刀をジッと見て、話しかけても返事の一つもできない男によく対応したものだ。
それとも職業柄、色々な人の話を聞く機会が多いのだろうか。

「『スタンド使い』、なんだか人格者の方が多いのでは…?」
「うおっ?」

手の中に掴んでなお、動き回る『釘』。なんだか一種の生き物のようで、ちょっと可愛く見えてきた。
ゆるキャラにしてはあまりに飾り気がないのがマイナスポイントだが。

「不思議な『マーク』…これがキミの能力下に置かれたってことか」
「ぬいぐるみとかに能力を使ったら、子供がとても喜んでくれそうだ」「いい『スタンド』だな」

手の中で暴れるソレに微笑んで、暴れる釘を袋の中に戻した。


>         「ぶっちゃけよく覚えてないんだよね」

それを聞き。ああ、生まれついての『スタンド使い』というやつか、と思って。


>    「前に通り魔的ななんかに襲われてさぁ。いや怪我とかは無かったんだけど気ィ失っちゃって」

>        「起きたら使えるようになってた。夕立クンは違うの?」


「───────────────」


鉄が、その切れ長の目を見開いた。佐奇森の顔をしっかりと見て、口早に訊ねる。

「それは、いつ頃だった?」

453佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/21(木) 22:41:46
>>452

    「お、今の『レディキラー』っぽい」

   「そこで殺し文句のひとつでも言えるとさらにポイント高いよー?」

なんて、意地悪くからかいつつ。

   「あんまり精密には動かせないけどね」

  「素敵なコでしょ、私の『スカイラブ』。私もそう思います」

笑いながら、『スカイラブ』を引っ込めさせた。
私の『宇宙飛行士』。うん、お気に入りだ。 

   「……ん。いつってまぁ、『ちょっと前』だけど」

   「なーんも覚えて無いんだよね。急だったし……」

 「…………やっぱ心配?」

  「自分とか家族とか、友達とか」

454鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/21(木) 23:11:58
>>453

>   「……ん。いつってまぁ、『ちょっと前』だけど」

>   「なーんも覚えて無いんだよね。急だったし……」

> 「…………やっぱ心配?」

>  「自分とか家族とか、友達とか」


「・・・・・・・・・・」
「少し前に」「オレの妹が腕を『切られた』」
「人混みの中で。何が起きたか分からないと言っていた」

「命に関わるほどの怪我じゃあない」「『ピアノコンサート』に一度出られなくなる程度だ」

「妹が中学生になってから泣いたのを見たのは、あの時が初めてだ」
「だからオレは、『音仙』さんの所へと赴いた」
「その人が、オレを『スタンド』に目覚めさせてくれた人だよ」

一息に説明し、深く息を吐いて首を振る。

「でもソイツは違うみたいだな」「オレの妹は『スタンド使い』にはなっていないし」

455佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/21(木) 23:35:33
>454

      「……夕立クンってさ」


    「結構『タフ』だよね。やるときはやるぞーって感じ」


     「キミは『イイヤツ』だ。そう思うよ」


にっ、と。
笑ってみせて、彼の隣を追い抜く。

   「……やっぱさぁ」

      「あぶない奴も多いんだろうね。『スタンド』って言ったっけ?」

    「人に見えない超能力とか、悪さし放題だし」

     「私を襲った『なにか』も、夕立クンの妹ちゃんを傷つけた『誰か』も」

   「……いるんだよね。この街に。きっと」

……きっと。
そのために『備えて』いるんだろう。彼は。
また、妹が泣かないように。
くるりと振り向いた。ポケットから出した手を伸ばす。

       「荷物」

   「ちょっと持つよ。また落としちゃうでしょ?」

456鉄 夕立『シヴァルリー』:2019/02/22(金) 00:14:55
>>455

「…これでも『長男』だからな」

そう言って、笑ってみせる。女性が苦手でも、あまり欲というものがなくても。
譲れないものはある。


>   「……やっぱさぁ」

>      「あぶない奴も多いんだろうね。『スタンド』って言ったっけ?」

>    「人に見えない超能力とか、悪さし放題だし」

>     「私を襲った『なにか』も、夕立クンの妹ちゃんを傷つけた『誰か』も」

佐奇森さんの言葉に、ゆっくりと頷く。

「今のところ、会った『スタンド使い』は皆いい人だった」「キミを含めてな」
「…だから本当は、妹を襲ったのも奇跡的な『カマイタチ』とかで」
「悪い人間なんか元からいなかったっていうのが、一番いい」

「けれど、そうじゃなかった時のために、こうして『非常食』を買っておかなきゃな」

そして、手を差し出してくれる佐奇森さんに驚いた。
…スゴいイケメンだぞ、この子。
いや、見た目は当然可憐な女性なのだけれど。

「じゃあお言葉に甘えておこうかな」「…顔見知り以外の女性に拾われてしまうと申し訳ないし」

袋の中からなるべく軽めなものを選び、別の袋に入ったそれを渡す。

457佐奇森 届『スカイラブ』:2019/02/22(金) 00:39:46
>>456

     「……『オトコノコ』だねぇ」

           「じゃあさ」

      「なんかあったら呼んでよ」

   「私は『長男』じゃないけど、キミの『友達』だし」

……それはきっと、戦う理由には十分だ。
生まれてこの方、喧嘩なんてそう多くしてきたわけじゃないけれど。


   「『宇宙飛行士』は、チームの仲間が困ってる時は共同で問題解決にあたるもの……だからねっ!」


                 ニ カ ッ


うん。つまり――――そういうことだ。
荷物を受け取って、街を歩く。
とりあえず今日のところは、『通り魔』とかは出てこなかった。
それでよかったのだと、そう思った。

458宗像征爾『アヴィーチー』:2019/02/22(金) 01:15:19

カーキ色の作業服を着た中年の男が、ベンチに腰を下ろしていた。
革手袋を嵌めた手の中に、小さな光る物が見える。
それは、一枚の五百円硬貨だった。

親指で硬貨を弾き、真上に放り上げる。
銀色の硬貨が宙を舞い、再び男の掌中に戻る。
しばらくの間、その動作を繰り返す。

何度目かの後で、落ちてきた硬貨を受け止め損ねた。
手から零れ落ちた五百円玉が、床の上を転がって行く。
おもむろに顔を上げ、その行き先を視線で追った。

459一抹 貞世『インダルジェンス』:2019/02/22(金) 02:13:35
>>458
行き先を視線で追うと小さく青白い手が硬貨を拾う。
血管が薄く見える透き通った肌に見覚えがあるかもしれない。

「写真の次はお金ですか?
物は大事にしなきゃ駄目ですよ」

一度はタッグを組んで戦ったが顔を忘れ去られたりしてないだろうか。
不安になりながらも宗像おじさんに微笑みかける。

「去年の1月でしたね。私達が出会ったのも。
宗像おじさんが生きてて嬉しいです。心配でしたから…」

小走りで駆け寄って硬貨を宗像おじさんに差し出す。

460宗像征爾『アヴィーチー』:2019/02/22(金) 13:40:42
>>459

「暇を持て余していたからな」

「街の景色を眺める事にも飽きてきた」

「今の所は二十九回が最高記録だ」

至って淡白な声色で、聞き覚えのある声に応じる。
硬貨を拾い上げた青白い手が、記憶の一部と重なった。

「拾ってくれた事には感謝しなければならない」

「一抹――久し振りだな」

「君も体調は悪くなさそうだ」

差し出された硬貨を受け取り、相手の顔に視線を向ける。
少年を見やる表情は、最初に出会った時と変わらなかった。

「死相でも出ていたか?」

「俺の方は特に大きな変化は無い」

「強いて言えば仕事を一つこなした程度だ」

461一抹 貞世『インダルジェンス』:2019/02/22(金) 20:36:34
>>460
「スタンドに目覚めてから大病を患う事が無くなりました。
何事も気の持ちようですね」

青白い肌は変わらずだが身長は少しばかり伸びたと思う。
それに対し宗像おじさんは変わらない。
ただ、以前より目に見えない『重さ』のようなものが増した気がする。

「昔を思い出すから見に来てしまうんですよ。
何だかんだで街が好きなんですよ、きっと」

「うーん、見た目は全然変わりありませんね。
死相とは違う。見えない何かの『重さ』が増したような?」

宗像おじさんの顔を見上げ首を傾げる。
血生臭い事件に巻き込まれたのだろうか?

「そのお仕事で何か有りましたか?
人を深く傷つけるような事とか…」

462宗像征爾『アヴィーチー』:2019/02/22(金) 23:19:43
>>461

「ああ――」

「骨の折れる仕事ではあった」

投げられた問い掛けから、最初に会った時の光景が脳裏に浮かぶ。
記憶が正しければ、その時も似たような事を言われていた。

「君は少しばかり勘が良過ぎるようだ」

「やはり神父の息子だからか?」

一抹少年の言葉は事実だが、それを話すべきでは無いと考えた。
どんな理由があろうと、人殺しをした話は子供にしていい内容では無い。

「――『猫探し』だ」

「スタンドを持つ猫を捜して欲しいと頼まれた」

暴力的な部分に触れる事を避けて、仕事の内容を告げる。
嘘では無いが、少年の質問に対する答えになるかは分からない。

「スタンドに目覚めるのは人間だけとは限らないらしい」

「君も気を付けておいて損は無いだろう」

463一抹 貞世『インダルジェンス』:2019/02/23(土) 00:38:37
>>462
「スタンドを使う猫の捜索ですか。
人間並の知性を持つ猫ならスタンドにも目覚める…?」

「スタンドは本体の精神を象徴する存在。
猫が本体なら能力は攻撃性より逃走、または飼い主に益が有るスタンド?」

本体が猫だとしたら対処に苦労したはずだ。
依頼主の意向次第では傷つけることが出来ない。
私のスタンドなら猫を『沈静化』できたかもしれない。

「攻撃性の高い猫なら殺処分。益が有るなら捕獲でしょうか?
気紛れな猫がスタンドを使うだなんてゾッとします」

「害虫を駆除するぐらいの可愛いスタンド使いの猫なら飼いたいです!
益が大き過ぎると争奪戦が勃発しますね。絶対に」

それにしても会話する前に感じた宗像おじさんの『重み』。
あれは懺悔室を訪れる人々が共通して持つ雰囲気だ。
程度の差はあれど罪を犯した者が持っていた気がする。

「勘は良くないです。積み重ねみたいなものです。
懺悔に来る人々を観察する内に気がつくように…」

464宗像征爾『アヴィーチー』:2019/02/23(土) 01:26:43
>>463

恐らく一抹は感付いているのだろう。
そう考えながら言葉を続ける。

「俺も詳しくは知らない」

「分かっているのは『金銭的価値を持つ物を増やせる』という事だけだ」

単純な破壊や殺傷のような直接的な危険性とは種類が異なる。
あの猫が秘めている能力は社会自体に害を及ぼす類の代物だった。
存在するだけで抗争の原因と成り得る能力だ。

「俺は処分するつもりだったが別の勢力に阻まれた」

「最終的に猫は他勢力の手に渡ったらしい」

「今は何処かの保護下にいるようだ」

あの猫が生きている限り新たな争いの火種が生まれる可能性は残る。
しかし少なくとも最悪の結末では無い。
今の所はだが。

「君は賢い――こちらが言わずとも大方の事情を察する事が出来る」

「それなら俺が話す必要は無いだろう」

猫は殺せなかったが猫を守る人間は殺した。
それも俺にとっては仕事の一部だった。

465一抹 貞世『インダルジェンス』:2019/02/23(土) 03:09:46
>>464
「攻撃性を持たないスタンドなら『アヴィーチー』の追尾発動も難しいはず。
ダイヤは人工ダイヤのお陰で価格が大暴落したようです。残るは貴金属。
猫は無傷のまま行く先々で争奪戦の招き猫と化しそうです」

「可哀想に。死んじゃった方が楽だったのに…」

「顔を覚えた飼い主が延々と死に続けるなんて地獄だ。
どんな飼い主でも猫にとっては親みたいなもの。
捨てられた側は、ずっと『捨てられた』って『痛み』を捨てられないのに…」

不幸の連鎖を生むであろう猫を利用する無責任な者達に憎悪を覚えた。
自らを捨てた両親に似通った無責任さを連想してしまう。
自然と声に憎悪の念を込めてしまうのが抑えられない。

「宗像さんが死なずに済んで本当に良かったと思います。
そして無限の富を求めて集まった人たちも覚悟の上でしょう」

「新しく背負った『重み』を大切にしてください。
宗像さんなら途中で捨てないって信じてますから」

466宗像征爾『アヴィーチー』:2019/02/23(土) 07:43:35
>>465

少年の言葉に耳を傾けながら、無言で目を閉じる。
それに対して、俺が言える事は何も無い。
出来る事があるとすれば、彼自身の心からの言葉として受け入れる事だけだろう。

「さっきも言ったように俺自身に大きな変化は無かった」

静かに両目を開き、一抹に語り掛ける。
一人の命を奪い自分も死にかけたが、それは大きな変化とは呼べない。
俺の精神は、その前と少しも変わっていないからだ。

「これからも俺は今までと同じ考えで行動するつもりだ」

「その事を君が覚えていてくれると有り難い」

「俺も君の言葉を覚えておく」

手の中には、少年から渡された五百円玉がある。
曇り一つ無い銀色の硬貨が、日の光を受けて鋸刃に似た鈍い輝きを放っていた。
それを仕舞い、ベンチから立ち上がる。

「――君は何か用事で来ているのか?」

「邪魔で無ければ付き合う」

「何しろ暇だからな」

一抹少年は同じスタンド使いであり、一度は共に同じ場に立った事もある。
俺と彼は対照的のように見えるが、同時に何処か共通点のような物を感じていた。
あるいは、そう思うのは俺の考え過ぎかもしれないが。

467一抹 貞世『インダルジェンス』:2019/02/23(土) 09:29:33
>>446
「あっ! ちょっと引きましたか?
感情の引き金が普通と違うから反省しなきゃいけませんね」

自分は普通の人たちと感情を発露する場面にズレがある。
『インダルジェンス』の刃も歪みの一部かもしれない。
『沈静化』の能力に反してスタンドの攻撃性が高いのも歪だ。

「今に至るまで宗像さんは色々有って精神的に完成しちゃってます。
そういったところが羨ましいし、悲しく思ったりします。
いつかは私も変われるかな。大人になりたいな…」

「あっ、忘れるところだった」

スタンドを発現して背負ったランドセルから財布を取り出す。
以前の親善試合で払わせてしまったタクシー代と同じ金額を取り出そう。

「親善試合の後に擦り付けたタクシー代です。
お金の問題は後が怖いですからね!」

学校で給食費が消えた時は酷い目に遭ったものだ。
どれだけ貧乏だろうが泥棒に落ちぶれるほど切羽詰ってない。

「一応、小学生だから暇です。遊び相手も居ません。
唯一の趣味と言えるレトロ自販機の撮影で来ました」

「変わらないって意味では宗像さんと似てるような?
けど、レトロ自販機は撤去されちゃうから微妙に似てませんね」

昭和から稼働するレトロ自販機は奇妙な物が多い。
かき氷にうどん、サンドイッチのレトロ自販機まで存在する。
近年は撤去が進み残り100台の物も少なくないそうだ。

「近くにラーメンのレトロ自販機が有るそうです。
撤去が近いと聞いて駆けつけましたが…」

468宗像征爾『アヴィーチー』:2019/02/24(日) 01:57:32
>>467

目の前に差し出された金を、黙って見つめる。
あの親善試合の内容は、良く覚えていた。
だが、その後でタクシーの料金を自分が支払った事は記憶の範疇外だった。

「ああ――」

「そうだったな」

少し考えてから、手を伸ばしてタクシー代を受け取る。
実際の所、今まで忘れてしまっていた。
その点に関しては、一抹少年の方が大人だと言えるだろう。

「君も暇か」

「なら同じだな」

「俺は無趣味だが」

淡々とした口調で呟きながら、少年の隣に立つ。
第三者から見ると、親子のように見えるかもしれない。
二者の間には、その程度の年齢の差がある。

「――探してみるか」

「撤去されない内に見つける事にしよう」

少年の歩調に合わせて、緩やかな速度で歩き出す。
スタンド使いの猫探しの次は、撤去間際の自販機探しか。
少なくとも、災いの招き猫を捜すよりは平和的に済みそうだ。

469一抹 貞世『インダルジェンス』:2019/02/24(日) 12:48:21
>>468
作業服の男と制服姿の小学生。
傍から見れば奇妙な組み合わせに見えるだろう。
二人の精神的な共通点を知らなければ…

「人間は生きてるだけで精一杯なんです。
趣味は余裕がある人々のやる事ですから」

「私達も生きてる以上に、何かをするなんて余裕は無いんですよ〜」

二人が見つけたレトロ自販機は二日後、撤去されたらしい。
後日、LINEに届いたURLの先には一抹の撮影したレトロ自販機の動画が投下されていた。
ttps://youtu.be/-DDjZWOHSKU

470今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/09(土) 23:49:59

         ガヤ

             ガヤ

「……」

    キョロ  キョロ

        キョロ  キョロ

別に首が痛いとかじゃなくって人を探してるんだ。
待ち合わせ場所、ここであってると思うんだけど。

   キョロ・・・

あんまりきょろきょろしてると目立っちゃうかな。
目立って知り合いとか友だちとかに話しかけられる分には、いいんだけど。

とりあえず、待ち合わせの相手が来るか何かあるまでもうちょっと、待とう。

471芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2019/03/11(月) 21:14:08
>>470

「――展望楼塔の下から見下ろす景色よりも 
ウィゴーちゃん お前のほうがよっっぽど美しいぜ
あぁぁぁぁ!! なんて美しいんだウィゴーちゃんっ!
100億ドルの景色なんぞ霞んじまうぐらいに今日もイカしてる!
はぁぁぁうぅうぅぅぅああああぁぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……フゥ」

『アー ソウデスカ』

「? どうしたの、ウィゴーちゃん??
何時もなら わっ私はウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトですっ☆(裏声)
って可愛らしい声で訂正してくれてるのによぉ〜。
体調悪いなら、今からにでもラブホ行くかい?」

『オメェの話に何時でもツッコミ入れると思ってんじゃねぇゾ 
それとウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトですを、星マーク付けるような
キャラクターじゃない! 私はお前の望む偶像キャラにするんじゃない!!
ケツの穴に指突っ込まれて歯ぁガタガタ言わすゾ それ以上下らない事言うならナぁ!』

「……ウィゴーちゃん、やっと俺の事を掘ってくれる気になったか。
そりゃ 結ばれたいって言う許可が貰えたって事で良いんだよなぁ?」

『クソッ クソォォォオオ!!! どうやったらっっっ
どうやったら、こいつの性根を叩き直せんだ!! どんな薬を与えれば
真人間に戻るんだぁぁ!!!??! 
妖甘様!! comebaaaaaaacK!!!!!』ガリガリ!!

何かをキメてそうな危険な男と、その発言に狂乱して胃薬や精神安定剤らしきものを大量に
噛み砕いてる人型スタンドが通りかかって来た。

472今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/11(月) 22:25:28
>>471

うわ。

「うわ……」

間違えて声に出しちゃった。
それくらいフツーじゃないんだもん。

「……」

          ス  ゥゥゥゥッ  ・ ・ ・  →

目を思いっきり逸らしたけど、逸らしすぎたかな。
少なくとも私の方から、あの人たちに話しかける勇気はない。

というか私はあの『スタンド』が見えてるけど、普通は見えないよね。
警備員さんとか、呼ばれてるんじゃあないのかな。大丈夫なのかな。

473芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2019/03/11(月) 22:56:04
>>472

間違いなく正しい判断を貴方は行う。こんな危険なタッグに
勇気をもって話しかけるのは、ソレは勇気とは言えないのだから。

警備員が来る様子はないが、このまま騒げば。貴方が話しかけない限り
暫く(1〜2レス)すればやって来て、彼等? を追いかけるだろう。


「――あぁ! それにしても俺は悲しい! こんなに可憐で
空前絶後の美しさを担う、俺のウィゴーちゃんを見れるのが
限定って言うのはよぉ。『見える』派の人間以外にも俺達の
愛を見せ付けられねぇってのは こりゃアレだよな? 
女神様の僻みってやつだよなぁあ ウィゴーちゃん」

『まず間違いなく 私がアンタの側に降り立った事に関しては
邪神とか何かの介入があったんじゃないかと、心底思ってます。
それとmy name is ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト
……ウッ  ウッウッウゥウゥ……』 ポロポロ

「んおっ!!? おい、おいおいおいおいおいどうしたってぇんだ
ウィゴーちゃん?!! 突然泣き出したりなんてして?
誰が、誰がウィゴーちゃんを傷つけたってんだ? それとも腹でも
痛くなったかい? よし、仰向けになってくれ。直ぐに俺のテクニックで……」

『そう言うセクハラ発言で私のフラストレーションがMAXになってるって
事をいい加減理解しろよ!!!!』  バキィ!

「ごふっ!!!」

『痛いっっ!! クソ! やっぱ半自立ってこう言う時は呪い染みてる!
自我なんてない操縦型になるか、自立タイプになりたかった!』

「ボディーはやめとけな、ウィゴーちゃん……君の何時か俺の子を宿す
腹に傷が付くってなるとなぁ。そう思うと目の前が真っ暗に」

『医者を呼んで欲しい。主に あんたの頭を早急に改善
いや完全に改造してくれる医者をな!!!』

スタンドがボディブローを本体に仕掛け、漫才とも言いつかせぬ
やりとりをし始めた……。

474今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/12(火) 01:14:00
>>473

あの男のひととは、フツーにあんまり話したくない。
下ネタが全く無理とかそういうのじゃないんだけど。
セクハラの中身が、フツーに『良くないと思う』ものだから。
でもユメミンなら最初っから話しかけるんだろうな。不思議だもん。

ズズ

             『〝先生〟ヲ』

「あは、呼んでないですよ、先生」
「あの人たちはお医者さんを呼んだんです」
「先生は、先生ですよ」

傷に反応してでてきた先生には、帰って貰う。
先生は改造なんてできない。
私の頭もあの人の頭も『改善』なんてできない。
できるのは『元通りにすること』だけだ。

あっ、今ので、私が見てたの……バレちゃったかな?

「……あのーっ」

「どうか、したんですか?」

だからこっちから、フツーな感じで声を掛けることにしたんだ。
知らないふりしてて話しかけられたら、ややこしいことになるかもだし。

475芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2019/03/12(火) 16:14:33
>>474

>どうか、したんですか?

貴方の声掛けに、危ない気配が発散している男は顔を向ける。

「ん? あぁ、そりゃあアレよ。仲睦まじき夫婦の
愛憎三文芝居って奴じゃねーの」 二ヒヒ

『初っ端から三下り半だよ。コッチからお断りだよ
一体全体何時から誰と誰が夫婦になったんだよ』

「そりゃーウィ」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト。ウィゴーちゃんじゃ
あーりーーまーーーせーーーーん!
……ゴホン、あちらの末期患者はお気になさらず。既に付ける薬は無きもので』

「万病に効く一番の薬効ってのーは、愛だと思うんだがなぁ、ウィゴーちゃん」

『ポケットにある喉飴でも舐めておけば? 生産業者の愛が詰まってますでしょうに』

「生産より性産の気分……へいへい、OK マイハニー 暫く口を閉ざすさぁ 俺は」ガリポリポリ・・・

男は少々つまらなさそうに飴玉を噛み始める。それに溜息をついて、少し背丈の低いスタンドは
貴方へと自己紹介する。

『改めて、私 ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。妖甘様の元を離れて
今はこの社会倫理的有害の主を矯正する為に生きています』

「矯正より、おりゃあ嬌声……」

『喋んなって言ってるだろ』

本体の口に飴玉を再度投げて封じ込めつつ、今泉に溜息を少しつきつつ話を続ける。

『……前途多難ですが、このウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは負けませんとも。
いずれ、この何処ぞの大麻畑から産まれたのか知れぬ男を社会的模範の存在にしてみせます。
えぇ! このウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトの この手でね!!』

『……私ともは散歩をしておりました。今日は散歩日和で、私はこの町を練り歩き
色々と古い物を見るのが好きなのです』

「俺は、ウィゴーちゃんとデートがてら。ウィゴーちゃんに女友達が出来れば
良いなぁって思いつつ歩いてんだけどねぇ」 ガリガリ ゴクン

「俺ってば、まぁ世間一般から見て 頭可笑しい感じだろ?
それに話しかけるってこたぁ、余程のお節介焼きの善人か。
俺の事良いように利用してポイ捨てしようとするかどっちかだろうさぁ」 ニヒッ

今泉に、病的な笑った目を男は向ける。

「あんたは、前者って感じだよなぁ〜
ま、けども俺とお近づきになるのはNO Thanksって奴だろ?
 そんでもウィゴーちゃんとは仲良しこよしになってくれよ」

ウィゴーちゃんは なーんも悪くねぇからな

『……え? 飴玉腐ってました? もう一粒ぐらい食べます?
あと、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトですから 自分』

「あぁ〜 まっ そう言う反応だろうなぁ〜よぉ」

スタンドと変な本体の掛け合いは小気味良いテンポで続いている。

476今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/12(火) 22:46:48
>>475

「へ、へぇーーーーーーっ・・・」
「ノーサンクスってわけでは、ないんですけど」

反応に、困っちゃうよね。
とりあえず私も笑うのがいいんじゃないかな。そうした。

「えーと、ともかく、よろしくお願いします」
「『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』さんっ」

でも、このスタンドの人はフツーな性格なのかもしれない。
それに――――この人、『妖甘』さんの所で生まれたんだ。
先生といいこの人といい、あそこで貰うスタンドに『意思がある』のかな。

     イマイズミ ミライ
「あ、私『今泉未来』っていいます」
「それで」

         シュルルル

                コール・イット・ラヴ
           『〝世界はそれを愛と呼ぶ〟』

「こちら、私の『先生』です」

          『ドウモ、ハジメマシテ』
          『〝先生〟カ 〝アイ〟トデモ オヨビクダサイ』

先生が挨拶したそうだし、もうスタンド使いだってわかってるし。

「仲良しになれるかは、ちょっとわかんないですけど……」
「せっかく会ったんですし、本体のあなたの方も、よろしくお願いしますね!」

それで、最後にそう付け加えたんだ。
仲良しになれるかはちょっとかなり怪しいと思うけど、フツーじゃないけど、『悪い人』じゃなさそうだ。

477芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2019/03/12(火) 23:21:21
>>476(お気になさらず)

『宜しくお願いいたします 今泉様 先生』ペコリ

『オォッ 先生も 私のように意思を持ってらっしゃるのですねっ
他のスタンドの見える方々は、これで三人目なのですが。
一人は、こちらの許容範囲外生理的嫌悪№1生物に気をとられて
どんな力かわからなかったですし。もう一人の方は、巫女様ですが
詳しい事情などは聞かなかったので……』

こうして 私と同一の存在に出会えたのは初めてですねと
はにかむように告げる。

「あーぁぁぁあ〜 カメラ欲しいな スタンドのカメラ。
それさえありゃあ、今のすげぇ萌えキュンなウィゴーちゃんを撮るのによぉ
しゃあねぇから心のフィルムだけに焼き増ししておくけどな」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。即刻ハートからデリートしろ
……ハァ もう少し強い胃薬を呑まないとやってられませんよ』

良い雰囲気を壊すなと、言外に含める諭しを。気が抜けた相槌で本体たる男は返す。

>せっかく会ったんですし、本体のあなたの方も、よろしくお願いしますね!

「え? 俺ウィゴーちゃんとしかよろしくしたくねぇし」

『鉄拳制裁!!!』 ゴンッ! 『痛イッ!! 半自立サノバビッチ!』

今泉の歩み寄る発言に対し、真顔で男は拒否り。それを諫めるべくスタンドは
跳びつつ眉間を叩くものの、DFの関係で共倒れだ。

殴られた箇所をさすりつつ、男は肩を竦め呟く。

「いや実際よぉ。ウィゴーちゃんが品行方正で、滅茶ラブリーだから
誤解されてるかも知れねぇが。俺ってば自覚ありの屑で、気に食わない奴にゃあ
平然と男女平等に怪我させる性格だしなぁ〜」 ガリガリポリ

飴を更に口に放り込み、噛み砕きつつ飲んで今泉に説明を男はする。

「もしウィゴーちゃんと出会わなきゃ、そのまま納得が心の中で整理つかねぇまま
通り魔か何かの鬱憤晴らす生き方してただろうなぁって思うしよぉ。
ただ俺がそう言う事しねぇのは、ウィゴーちゃんがそう言う事するとマジで嫌がる
からって理由だけなのよ。俺にとっての存在理由っつうか、悪い事は控えるってのは
ウィゴーちゃんの為だけなのよ」

『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトです。
……ネェ 度重なる心軋むセクハラパレードワードは あんたん中でセーフなの?』

「?? 愛情表現の何が悪い事なの?」

『無自覚の最低下劣天然かよ! 出来ればそこは意図的であって欲しかった!!』

訂正だ。この本体は『悪い奴』だ。
ただ、『スタンドに偏愛』を持ってる故に、やってないだけで最悪の部類であるだろう。

「……あぁ、あと自己紹介流れする感じっぽいから言うが。
芦田 裕(ひろし) 28歳 探偵事務所の従業員やって金稼いでるわ」

『今の流れの何処にもそんな要素ないですけど!?』

あと、かなり『マイペース』な男のようだ。

478今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/03/12(火) 23:53:58
>>477

「へー、つまり『フツーじゃない』んですねえ」

        『今泉サン』
        『コノ方ハ アマリ・・・』

「あはは、ケガさせられるのは、いやですもんね」
「それじゃあ『ウェア・ディド・ウィ……えーと」
「あ、『ゴーライト』さんとだけでも、よろしくお願いしますっ」

私は笑った。
自分が危ないって教えてくれるこの人はフツーじゃない。
フツーじゃないし、きっとどうしようもないんだろうな。
セクハラとか、ケガさせるとか、ろくでもないのかも。

でも、『愛』の『こころ』は、本物なんだろうなあ。

「芦田さんとは――――知り合いの知り合い?」

「それくらいの距離なら、フツーじゃなくても」「悪い人でも」
「『ウェア・ディド・ウィ・ゴーライト』さんに免じて、大丈夫ですかね」

笑いをもう一度作った。

「――――あ」

そうして、どうやら待ち合わせの相手が来たみたいだって気づいた。

「それじゃ、私そろそろ行きますねっ」
「『ウェア・ディド・ウィ・ゴーライト』さん、またどこかで〜っ」

だから私はそっちに歩いていくんだ。なんとなく、この人たちとはまた会う気がするな。

479芦田『ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライト』:2019/03/13(水) 19:51:20
>>478

『えぇ! 今泉さんも先生も またいずれ!
ゴーライト……フフッ 中々良い語感ですね!』

手を振り、ウェア・ディド・ウィ・ゴー・ライトは貴方を見送る。

『……ハァ 何であーいう捻くれた言葉しか出さないんです?
友達とか、親しい絆を作ろうとしないのですか』

「そー言うがね、ウィゴーちゃん。あれらが何かの神様の手違いで
一緒の事件事故や、俺の死に目に偶然合うとかじゃない限り
長くはいねぇじゃねぇか」 ヒヒ

「どーせ 人間。産まれた時は混み混みと囲まれようと
死ぬときゃー、俺のような奴は一人よ。
最後には結局一人なのに、何でそこまでなる過程で友情なり信頼なり
築こうとすんのかねぇ。無くなるもんだってのぉによぉ
そんでも俺はウィゴーちゃんが居てくれるから、寂しいどころか幸せさ。
もし、俺から完全に自立して離れられる時になったら
――そんときゃあ殺してくれ」

『……悲しい人ですねぇ』

「慰めてくれんなら 近くの安ホテルで俺のいきり勃」

『セクハラは止めろっつてっんだろ』 バキィ 『痛い!』

今泉を見送り、一人と一体 光と陰のように対極な性格の二人は
別の道を進んでいく。また何処かで、貴方が思うように巡り会うのかも

480鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』:2019/04/28(日) 00:42:15

        スタ スタ スタ

   「ふゥーーー・・・」

モール内の『小劇場』での観劇を終え、
『美術館』の敷地内を見て回る『鳥舟』。

美術館。
あまり普段来る場所ではないが、
こういう『文化の匂い』がする場所が好きだ。

(そーいうのが好きな自分が好き、
 なのかもしれないけどさ――――)

今日は休日を取っている。
スカイモールに来たのは、
観劇のためと、それから・・・

(買い物……は、後でいいや。
 もうちょっといい雰囲気味わっておこう。
 ……霧吹きって何の店で売ってるんだろ?)

今まで使っていた霧吹きが壊れたので、
ここまでちょっといいのを買いに来たのだ。
ちょっといいものはだいたいスカイモールにあると思う。

・・・なぜいいものを買いたいのだろう? そこは『気分』だった。

481鳥舟 学文『ヴィルドジャルタ』:2019/05/04(土) 01:22:11

その日はほどよい霧吹きを見つけられず、神社に帰った。

482今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/05/29(水) 14:11:41

「ふう」

        ストン

お買い物をしてるんだよね。
でも、ずっとお買い物してると疲れるから。
こうして休憩もしてるんだよね。

「……」

       キュ キュ

最近暑くなってきたよね。
今日なんて、水筒なんか持ってきちゃった。
脱水症状とか熱中症とか、フツーに怖いし。

「あっ」

        カラン  カランッ  カラッ ・・・

で、そしたらふたを落としちゃって、向こうに転がっていくんだよね。
ここって、もしかして傾いてるのかな。そういうわけじゃない気はする。

483美作くるみ『プラン9・チャンネル7』:2019/05/29(水) 20:32:55
>>482

      〜♪
         〜♪
            〜♪

その日は休日で、私はベンチに座っていた。
何軒か店を回った後だったけど、これといった収穫はなかった。
だから、窓の外にある街の景色を眺めながら音楽を聴いていた。

「――ん?」

どうやら、何かが足元に転がってきたみたいだ。
ワイヤレスヘッドホンを外して首に掛けて、それを拾い上げる。
それから後ろを振り向いて、落とし主の姿を確認した。

「あら、これはこれは……」

「今泉さん――よね?」

「こんにちは」

ニコリと笑って、私はフタを差し出した。
買い物の収穫はなかったけど、別の収穫はあったみたい。
こんな所で会うなんて、面白い偶然だから――ね。

484今泉『コール・イット・ラヴ』:2019/05/29(水) 23:05:47
>>483

立ち上がって拾おうとしたら、もう拾ってもらってた。

       キョロッ

「あっえー」「くるみさん!」「じゃないですか〜」
「そうです、今泉です。こんにちはっ」

   スッ

「どーも、ありがとうございます」

ふたを受け取った。
ラジオ聴いてるから、久々に会ったって感じはしないかも。

「くるみさんもお買い物ですか?」
「それとも映画見に来たとかっ?」

買い物袋とか、持ってないみたいだし。
フツーにいらないものは買わないってだけかもだけど。


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