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【場】『 星見スカイモール ―展望楼塔― 』

1 『星見町案内板』 :2016/01/25(月) 00:02:24
今世紀に建造された『東海地方』を対象とする集約電波塔。
低層エリアには『博物館』や『ショッピングモール』が並び、
高層エリアの『展望台』からは『星見町』を一望出来る。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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746 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/06/30(火) 01:46:13
>>745

「まあ〜っ、そうなんですか!
 よく調べて……というか、よく待てるんですねえ。
 私ならきっと、知っててもすぐ買っちゃいますよう」

「その方が『コスパ』が良いかなあ、って……」

劇的に変わるなら別だが……
コンビニのソレが『規準』になっていると、
店で作ってさえいれば『余程でないと』分からない。
少なくとも関は、待つ気にはなれないだろう。

「そうですね……カロリーも、お高くって。
 ……って、ご飯代わりにしてるんですか!? 
 だめですよう、栄養が偏っちゃいますよ。
 まあラーメンも、別に身体に良くはないでしょうけど」

買い物袋の中からは、
ちょうどその『ラーメン』も覗く。
袋麺……安くて、幾つも入っているものだ。

「ええ、家計簿をちょっと……
 ここ最近あまりバイト代も稼げてなくて、
 あんまり大盤振る舞いは出来ないんですよねえ。
 特に困窮してる、ってわけではないんですけど」

ノート……『市販品』では、なさそうだが、帳簿のようだ。
手を表紙に添えて閉じており、中は窺えないが…………

「それで……ほら。Sサイズなら50円安いでしょう?
 今日はそっちにしておこうかな……と、迷ってまして」

それでも飲むのは飲むあたり、困窮はしていないのは事実なのだろう。

747 霜降 寒夜『ヘパティカ』 :2020/06/30(火) 02:19:13
>>746

>「……って、ご飯代わりにしてるんですか!?」

「 …ウッ」
ちょっと苦い顔をした。

「 …お昼ごはんって食べちゃうと…こう…ボヤーってするし…」
「 …放課後に『運動』するとお腹痛くなっちゃうし…」
「 …朝と夕はお米五杯おかわりするし…」

言い訳をしている。量は十分だが、バランスの面には不安が残るようだ…


「 …オトナびている…
  …わたしも中学のうちから、そういうの書いた方がいいのかなぁ…」


>「今日はそっちにしておこうかな……と、迷ってまして」

「 …大きいのにした方がよくない…?」
「 …食べ物に使うお金は、『贅沢』じゃないし」

「 …オトナは飲み過ぎたら太っちゃうけど…
  …今の私たちは『成長期』なんだし むしろ、たくさん食べないほうが……『損』、じゃない?」
「 …あと、そうだ せっかくの『茹でたて』、沢山食べないのも『損』じゃない?」

進言。『利害』に絡んだ用語を使うあたり、霜降なりに『家計』の手伝いをしようとしているのかもしれない。

748 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/06/30(火) 02:48:01
>>447

「えっ、5杯も!!」

「……ほ、他の食事でちゃんと栄養取れてるなら、
 問題はないんでしょうけど…………ああ、それに、
 背もお高いですしねえ、勝手な心配してすみませえん」

関はいま座っているためわかりにくいが、
年下であろう『霜降』と背丈はほぼ変わらない。
肉のつき方も、どちらも健康的な範疇だろう。

「ふふふ、子供ですよう……私なんてまだまだ。
 ……だから、あんまり誘惑されると、揺れるんですけど」

霜降の進言に耳を傾ける。
たしかに……そうかもしれない。

「あなたは……どれをいつも飲んでるんですか?
 せっかく『ぜいたく』するなら、
 一番美味しいのを飲むのがコスパが良いと思うんです」

とはいえ、タピオカドリンクは嗜好品で、
嗜好品は『ぜいたく』だとは思っているが……

「やっぱり、あの、アイスが乗ってるやつが美味しいんですかねえ?」

749 霜降 寒夜『ヘパティカ』 :2020/06/30(火) 03:29:58
>>748

「 …アイスが乗ってるやつなら…マンゴー味とか、いいよ…」
「 …掛かってるマンゴーソースが、マンゴーって感じで…」


「 …私は今日は…『焦がし黒糖』…
  …ミルクティーに黒糖入れて黒糖で煮たタピオカ入れてミルクの泡を乗せたのの上に黒糖かけて炙ったやつ…」


「 …モールが涼しくて体冷えちゃった…
     …ホットにしようかな…
               …………」
                    …グイッ ニュッ

 
おもむろに霜降は体を伸ばし、甘味屋のほうに顔を向けた。


  フ ワ…

「 …匂いがする…鍋から揚がったタピオカの匂い 」


「…そろそろ頃合いかぁ」
「…どうする?ツルツルもちもちの『ぜいたく』を味わえるのは『今だけ』だけど」
「…買い物袋で動きにくいなら、私がタピオカ買ってベンチまで持ってくるよ」

霜降は、上着のポッケから財布を引っ張り出し、目を爛爛とさせて店を睨んでいる。
今にも駆けだしそうな感じだ。

750 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/06/30(火) 05:05:42
>>749

「あぁ、いいですねえ。マンゴー。
 『タピオカドリンク』って甘あ〜いですし、
 フルーツソースがかかっていると、
 さわやかになって最後まで楽しめそうで」

           ゴソ

「『におい』……? 私ったら向こうのお店の、
 『ソースの匂い』しか分からないです」

『粉もの』を売る店が、視界の端にある。

「鼻がいいんですねえ〜・ええと、じゃあ」

                ゴソ
     チャリ

「お金はお渡しするので……ご厚意に甘えます。
 買い物袋から、出来たら目を離したくないので……」

食料品が主な買い物だったが、
総額を考えれば安くはない。
走り回っている子供等も多い中、
あまり目を離したくはないのは確かだ。

「これを……お役立てください〜」
                        スッ

『タピオカマンゴーミルク』『アイストッピング』『Mサイズ』――『650円』。
モスグリーンの財布から、500円玉に加え、『100円玉二枚』を、包むように握らせる。

751 霜降 寒夜『ヘパティカ』 :2020/06/30(火) 22:21:31
>>750
「…炭水化物が出来上がるにおいって、独特じゃない?」
「…ほら、ご飯が炊けるにおいか…それと似たようなにおい…」

  ストトト…

霜降は君から受け取った硬貨を握り、店へ早歩き。
店員に注文を告げ、お釣りの一部を財布に放り込み、
すぐに出てきた二つの容器のうち、片方を持って、またベンチに寄ってくる…


「はいこれ と、『お釣り』」

左手のオレンジ色の『マンゴーミルク』、右手の『50円玉』を同時に差し出してくる。





関が両方を受け取り次第、また店先まで歩いていき、
自分の『黒糖ミルク』を改めて受け取り、また帰ってくる…

  ズ…
    「 …うん、甘い…すごい甘い…上のホイップもカワイイ…」


「 …でも熱いな…思ったより熱いやこれ…
  …上のホイップが『断熱』してるから…」


「 …どうしよっか…ちょっと冷めるのを『待つ』なら……」

…そう呟き、何故か鞄から『ポケットティッシュ』を取り出す霜降、その隣。
『ネコ科動物』の『氷像』のような…そんな『ヴィジョン』が、いつの間にか…

      『korrrrrrrrrrrrrrrrrr…』

752 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/06/30(火) 22:45:48
>>751

「そう言われてみたら〜……『良い匂い』なような?」

それは『甘いドリンクの匂い』だ。
ともかく、ドリンクを受け取って傍に置き、

「まあ! これはこれはご丁寧に……
 はあい、ありがとうございます」

        スッ

「たしかに……『50円』受け取りましたよ」

それから両手で包むように、お釣りを受け取る。
『貰っておいてくださいよう』とは言わない。
貰うつもりなら渡すつもりだった……それだけ。

「あぁ〜、本当……甘いですねえ。
 タピオカドリンクの甘さって、こう、
 舌と喉だけじゃなくて『脳』に響きますよね。
 糖分の処理に脳の容量を割かれる甘さっていうか、
 甘さのことしか、考えられなくなりますよう」

「ふふ……それが良いんですけどねえ」

実際はカロリーの事とかも考えているが……
だが、それ以上に強く、『考えを引かれる』物が見えた。

「……………………!」

      シャッ―

帳簿を片手で開く。
名を、『ペイデイ』と言う。

「……あのう。見えますよ? 私」

端的にそう告げる。そうするのが『無駄がない』からだ。

753 霜降 寒夜『ヘパティカ』 :2020/06/30(火) 23:27:25
>>752

容器を分解し、タピオカドリンク特有の太いストローの先に
ポケットティッシュの口を引っ掛け…緩慢に動く『ヴィジョン』の鼻先に差し出す。

  『korr…』

      パキッ 
        コッチーーz___ン


そしてポケットティッシュは唐突に…『凍り付いた』。


>「……あのう。見えますよ? 私」
「 …ムムム」
  「 ……『初めまして』?」


凍ったポケットティッシュを無造作に『黒糖ミルク』に放り込み、呑気に啜る。

「 ……割と『いる』のかな…『見える』人…」
「 …あなたがその…『敵』なら、今これって、危ない状況なのかなぁ…」


「 ………ウン、良い感じにヌルイや」
「 …甘さって冷たければ冷たいほど甘くなるって言うし…」
「 …甘さでなんも考えらんない…どうしよ……」


観念しつつ、タピオカの甘さに現実逃避。

「 …せめてタピオカ無くなるまでは、襲い掛からないでくれると嬉しいなぁ……」

754 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/01(水) 00:20:45
>>753

「まあっ、『敵』だなんて、そんな――
 ……味方、かどうかはわかりませんけれど、
 私そんな、『襲う』ような真似はしませんよう」

スタンド使いは『ひかれあう』。
実際にそれを実感したのは、初めてだ。
あまりに唐突……内心、冷静とは言えない。
氷像のような姿をゆっくりと眺める。

「『脅かす』ような言い方になっちゃいましたねえ」

       ズズズ…

「まだ、見るの、慣れてなくって。
 つい……驚いちゃってるんだと、思います。
 私ったら、自分の事ながら曖昧なんですけど」

ノートを閉じて、タピオカを啜り、一息ついて答える。

「『スタンド』……『はじめまして』ですねえ」

そうだ。はじめまして、だ。
物理世界に大きく依存する『ペイデイ』とは違う……『スタンド体』。

「便利な能力、ですねえ。あのう……
 その『氷』 ……食べても、平気なんですか?」

      「だとしたら、製氷機いらずですよう」

気になったのは、そこだった。『ごく普通に』食べ物に入れているが……

755 霜降 寒夜『ヘパティカ』 :2020/07/01(水) 01:18:20
>>754

   ズ…

「 …普通の氷みたいなものだけど…」
「 …食べたり、触っちゃったりすると、すぐに融けちゃうし……」
「 …こうやって『ストロー』越しに触ったり飲んだりするから大丈夫なの…」


「…あと…隠しときたい…んだけど、」
「あなたは触らないほうがいいよ、この氷」

霜降はチラリと『スタンド体』のほうを見て、

  「…『ヘパティカ』。ここまで。戻りなさい…」

    『rrr…』 スーーッ…

『ヴィジョン』を消した。


唸るだけで、凍ったようにじっとしていた『ヴィジョン』…
しかし、獣らしいしなやかな体と、つららの如く鋭い牙や、爪を持っていた。
『スタンド』は、その人の『精神性』を表すとは言うが…




「 …『はじめまして』とはいうけど…」
「 …あなたにも、あなたの力になる『何か』があるのよね…?」

「 ……いや、はじめましての人に、興味本位で変な話を聞いちゃったね…」
「 …迷惑だし、危ないよね、ごめんね…」


   ズ…
     スポ スポポポポ…

   「 …飲み辛…底のタピオカ飲み辛い… 『氷』が邪魔で…」


「 ……『はじめましての人』のまんまも、失礼か…」


  スッ

「 …私は、『しもふり かよ』。霜が降る、寒い夜、で霜降寒夜…
  …雪の降ってる寒い夜に…『デキた』から、寒夜なんだって……」

「…失礼じゃないのなら、『あなたは』?」

756 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/01(水) 01:52:36
>>755

「はあ〜、そうなんですねえ。
 私の『ペイデイ』とは、
 何もかも違うんですねえ、やっぱり」

        パララ
             ララ

   ―――『マンゴーミルク 650円』

ノートをおもむろに開くと、『記述』が増えている。
筆記具を使った様子すらなく、だ。

「少しだけ教えてくれたので……お返しです。
 『帳簿』なんですよう、私のスタンドは。
 ふふ、私ったら能力まで『ケチ』なんですよねえ」

        ニコ〜

「あなたは『クール』だから『氷の能力』……
 なあんて、単純な話では無いですよね。
 これから知っていけたらいいなあ、って思います」

温和な笑みを浮かべて、タピオカドリンクを一旦置く。

「『デキた』……まあっ! そうなんですねえ……」

    セキ スズメ
「私は『関 寿々芽』っていいます〜
 関は『関所』の関……寿々芽は『寿(ことぶき)』に、『芽吹く』
 前向きな名前ですよねえ。ふふ、兄弟姉妹みんなそうなんですよう」

            「スタンド使い同士。
             仲良く、しましょうねえ」

       スッ

握手を求め、手を差し出されたなら両手で握り返す。

757 霜降 寒夜『ヘパティカ』 :2020/07/01(水) 02:42:33
>>756

スポポポ…スポ…

「 …帳簿がケチ…ケチかなぁ…」
「 …しっかり者って感じで、素敵だと思うけど。」

底に残った丸くて甘いタピオカまで味わい尽くした後、
右手に残った『黒糖ミルク』の空容器を見つめる。

底に残ったタピオカを吸うのはケチ臭いだの、
そもそも全部飲むのがアホらしいだのいう女の子もいるが…
お金を払った美味しいものを全部食べようとするのは、変なことじゃないよね。


>握手

右手の空容器を地面に置き…


               サッ

「 …『すずめ』さん…」
「 …『すずめ』さんね…これでもう失礼じゃないや…」

「 …兄弟がいるんだ…だから…しっかり者なんだねえ…」

差し出された手に、自分の右手を返し、握る。

同じ性別、近い年齢と似た嗜好を持つ『スタンド使い』と、
願わくば、良き関係を築けることを願い…


   ヒョイ

  「 …容器、わたしが捨てとくよ…」
  「 …袋たくさんだし、大変でしょう?」
  「 …私はほら、身軽だからさ…この後に用事も無いし…」


兄弟の為の買い物をしているのかな、すずめちゃんは…
あんまり足を止めさせるのも悪いし…


  「 …そろそろ帰らなくちゃ
    …モールに用事もないし、あと宿題をやんなきゃだし」


   「 …次は私も、マンゴーの頼もっかな」
   「 …じゃあ、また、」

   「 …また、会ったら、その…よろしく。」



帰ろう。『機会』があれば、きっとまた会えるだろう…

758 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/01(水) 04:25:03
>>757

「素敵だなんて……ふふ。
 買いかぶりですよう、『かよ』さん。
 確かに、この帳簿は『しっかり者』ですし」

完全にカラになった容器に目を細める。
無駄がない、というのは良い事だ。

「ふふ……『長女』なので。
 しっかりしなきゃとは、
 思ってはいますけどね」

          ギュ

「そんなに『いい子』では、ないんですよう」

握手を終えると、拾い上げられた空容器を見る。
持って行って貰えるなら、そうしてもらおう。
それが一番『むだがない』。

「あら……どうもご親切に!
 それじゃあ、お願いします。
 私は、もう少しだけお店を見てから帰りますので」

         「はあい。それじゃあ、またどこかで〜」

759 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/08(水) 23:38:24

          ガヤ   ガヤ …

「……」

     スッ スッ

エプロンを付けたお団子ヘアの少女が、
モール内フードコートの一角に座っていた。

            スッ

注文は既にしている――――
が、まだそれが出来上がっていない。
待ち時間を『スマホ』の『ポイントアプリ』で潰している。

   スッ

また、卓上には『格安スマホ店』の『紙袋』が置かれている。

760 比留間彦夫『オルタネイティブ4』 :2020/07/09(木) 00:35:07
>>759

いつからだろうか?
足元に一枚の『カード』が落ちている。
誰かの落し物かもしれないが、
落とし主らしき人間の姿は見えなかった。
少し離れた席には、一人の男が座っている。
モノトーンのストライプスーツを着て、中折れ帽を被った男だ。

761 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/09(木) 00:46:21
>>760

アプリの日課を済ませ、ふと顔を上げると、
見覚えのない『カード』らしき物が見えた。

「ん」

      グ…

手を伸ばしてみたが、
座ったままでは届かない。

…………一円玉を拾うためのエネルギーは、
一円以上かかっている……という話がある。
が、『一円玉を見逃したこと』を思うと、
それは拾う以上のエネルギーがかかる気もする。

      ガタ

もっとも落ちてるのは金銭ではないが……
得にならないとしても『見逃すのも気になる』。
椅子から立って、それを拾ってみる事にした。

なお、中折れ帽の男には今の所、気を払っていない。

762 比留間彦夫『オルタネイティブ4』 :2020/07/09(木) 01:10:38
>>761

     ――――ポンッ

指先が『カード』に触れた瞬間、代わりに『兵士』が現れた。
黒い鎧を身に纏う『黒い兵士』。
これは『スタンド』だ。
お互いに至近距離。
不意打ちを仕掛けてくる――というような事はなかった。

          ジッ

『兵士』は動かない。
襲ってはこないが、それ以外の動きも見せていない。
少なくとも、今のところは。

(触れられましたか……)

(――さて、今回はどうでしょうね?)

『兵士の視界』を通して、相手の姿を観察する。
『比留間彦夫』は、スタンドの理解を深めるため、
時々こうした『実験』を行っていた。
その中で、『槍を持った騎士』のスタンドと、
『恐竜化させる植物』のスタンドを目撃した事がある。
もっとも、相手が『一般人』だった事も多かった。
その場合も、全くの無意味ではないが。

763 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/09(木) 01:47:20
>>762

「…………!」

         サッ

正中線を隠す姿勢、つまり『半身』になる。
そして『後ろ側』になる手に『それ』を発現する。

(…………私を狙った『刺客』!?)

可能性が頭をよぎるが、
すぐに打ち消した。
それは『ほぼありえない』。

――――後ろ手に、『帳簿』の存在を意識する。

「……」

(動きませんか〜……まあ、そうですよねえ。
 刺客なら最初の一瞬で攻撃出来たはず。
 『本体』が見当たりません……
 狙いは何なんでしょう? 『スタンドは囮』?)

                パララ …

(……私ったら、冷静に冷静に。
 ただの『いたずら』かもしれませんよう)

エプロンのポケットから『ボールペン』を1本抜き出し、
椅子を挟んで『黒い兵士』と向き合うように位置取りを作りつつ、
周囲を油断なく見渡し、『こちらを見る存在』を探す。

         ――――という様子が、『比留間』には全て見えている。

764 比留間彦夫『オルタネイティブ4』 :2020/07/09(木) 02:16:05
>>763

(『何か』出したようですが……。あれは――?)

(『ノート』――――でしょうか?)

相手は『スタンド使い』だった。
まずは『当たり』という所だ。
この場にいる客は一人ではなく、
『本体』の自分もあからさまに彼女を見てはいない。
おそらく見つかる事はないだろう。
しかし、『そういう能力』がないとは言えない。

《――驚かせて申し訳ありません》

不意に、『黒い兵士』が言葉を発した。
『スタンド会話』だ。
落ち着いた成人男性の声に聞こえる。

《『これ』を見つけた方の反応を確かめたかったものですから》

寿々芽を見つめていた『兵士』が『ボールペン』に視線を移す。
『ボールペン』は『筆記具』だ。
この状況で取り出すという事は、
あの『ノート』に関係しているのだろうか。

765 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/09(木) 02:43:16
>>764

《……『攻撃』のつもりじゃ、ないみたいですねえ》

         ジ…

それらしい影は見当たらない。
なら、スタンドを注視する事にした。

《『反応』……つまり》
《ちょっとした『いたずら』……ってこと、ですか》

        スッ

椅子に視線を落とし、
ボールペンを一旦『しまう』。

(……『私をピンポイントで狙った』と、
 そういうわけではない……みたいですねえ。
 『かよ』さんや『ユキシラ』ちゃんと同じ、
 偶然……『スタンド使いはひかれ合う』ですか)

《ふふ……私ったら、すっごく驚いちゃいましたよう》
 
《あのう……今の、『録画』とかしてないですよね〜?
 SNSに上げようとか……まあドッキリっていうよりは、
 自主制作のCG映像か何かと思われちゃいそうですけど》

そういう『ドッキリ企画』なら……けっこう恥ずかしい。

ともかく、こちらの望みは『戦闘』には無い。
警戒を示すためにも『ペイデイ』は解除しないが、
表情には笑みが入り、探るようにだが会話を返していく……

766 比留間彦夫『オルタネイティブ4』 :2020/07/09(木) 03:05:55
>>765

《『悪戯』というと少々御幣がありますが――
 客観的には似たようなものかもしれません》

《『否定』はしませんよ》

挙げられた名前に聞き覚えのあるものはない。
しかし、何人かの『スタンド使い』と出会っている事は分かる。
あるいは、『手馴れた相手』なのかもしれない。

《いえ、あくまでも私の個人的な興味の範囲です。
 他人に見せるつもりはありませんので、ご安心を》

《失礼ながら、『オルタネイティブ4』と名乗らせて頂きます。
 私は、ごく最近『スタンド使い』になった者でして……》

《『スタンド』については、まだまだ分からない部分が多い。
 それで、自分なりに色々と調べているのです》

『嘘』はない。
スタンドを手に入れたのは最近というほど最近でもないが、
『スタンド使いとしての経験』が浅いのは事実なのだ。
だからこそ、『知る必要』があると考えている。

《そのお二人の名前は存じませんが……。
 お見受けした所――既に、
 『多くのスタンド使い』と会われていらっしゃるようですね?》

『多くの』を付けたのは、確認のためだ。
彼女が出会っているのが『数名』なのか、
それとも『大勢』なのか。
その辺りを見極めようという意図があった。

767 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/09(木) 03:38:22
>>766

《『オルタネイティブ4』さんですねえ。
 スタンド越しではありますけど……
 はじめまして、よろしくお願いします〜》

《さっきは恥ずかしい所を見せてしまいましたけど……安心しました。
 ぜひあなたの心の中だけに閉まって……いずれ忘れちゃって下さい〜》

一安心、といった所だろう。いろいろな意味で。

思考に浮かんだスタンド使いの名を試しに挙げたが、
反応は無かった。『彼女らは知らない』と見て良いか。
よほどの狸、という可能性はあるが……置いておく。

《……まあ! スタンドについて、お勉強を!
 それは……素晴らしい事だと思います。
 本当に、この『力』は分からない事だらけ……》

確かにスタンドは謎が多い。
あまりにも、あまりにも……
彼の姿勢には、共感できる。

《でも……私もまだまだ『成り立て』ですからねえ。
 スタンドの『タイプ』もあなたとは少し違いそうで、
 他に会ったことがある『使い手』もほんの、数人だけ》
 
《その人ちに連絡が取れたりも……『しません』し、
 勉強のお役には、あまり立てないかもしれませんが……》

『嘘』だ。
まずユキシラには、連絡出来る。
関『も』嘘をそれほど忌避しない。

《それでも良ければ、お話くらいは……付き合わせていただきますよう?》

嘘をつく理由は多少、他にも混ざるが……
主に『ユキシラは多分、知らない』と思われるからだ。
引き合わせても、さほどお互いのためにならないだろう。

768 比留間彦夫『オルタネイティブ4』 :2020/07/10(金) 06:02:07
>>767

《では、お互いに『入門したばかり』という事になりますね》

『嘘をつく』のは自分だけではない。
当然、相手も同じ事をする可能性は常に存在する。
相手は初対面の他人なのだから当然だ。
それが『スタンド使い』となれば尚更だろう。
ゆえに、この少女の言葉が『真実』であるとは限らない。

《『ビギナー』同士、よろしくお願い致します》

比留間彦夫は『嘘』を好む。
『嘘をつく』だけではなく、『嘘をつかれる』事も。
だからこそ、比留間は『今の状況』を楽しんでいた。
『真実』は『一つ』しかないが、『嘘』は『無数』にある。
その『楽しみ方』も『無限』に存在しているのだ。

《『なりたて』――という事でしたが、
 何か『きっかけ』などがおありで?》

《例えば『朝起きたら目覚めていた』というような事など……》

《私の場合は、『ある人物』と出会いましてね……。
 その方に『引き出して』頂いたのですよ》

比留間にとって、『嘘』は『人生の楽しみ』だった。
同時に、『他者に危害を加える事』は好まない。
また、『損害を与えかねない嘘』もつかない。
そのラインが、比留間を悪人にしない『最後の一線』だ。
比留間彦夫は『嘘つき』だが、『詐欺師』ではない。

769 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/10(金) 23:55:45
>>768

≪はあい……よろしくお願いしますねえ。
 初心者同士、分からない事も多いですし、
 お互いの知識を分け合って、助け合えたら≫

       ニコ …

≪それはステキですよねえ≫

信用できるかは分からない。
『かよ』や『ユキシラ』と違い、
スタンドで最初から干渉してきた相手。

だが、信用できないと決め付けもしない。

≪私も、『ある女の人』に見つけて貰いましたね。
  朝起きたら……なら、きっとすごくびっくりしますよう≫

温和なのは、『元々そういう顔だ』。
だが、『温和な笑みを浮かべる感情でもある』。
うそをつくことはあるが、うそをつくのが好きという訳では無い。

≪『同じ人』……ですかねえ。
 それとも『複数人』いるんでしょうか? 『スタンドを目覚めさせる人』≫

770 比留間彦夫『オルタネイティブ4』 :2020/07/11(土) 00:39:57
>>769

《『女性』に――ですか……》

《私も『ある女性』が『事の起こり』でして……》

《いや、何とも『奇遇』ですねえ》

『黒い兵士』は、所々で人間的な手振りを交えながら語る。
『スタンドを目覚めさせる女性』――
真っ先に『音仙』が思い浮かぶ。
この少女の力も、『出所』は同じなのだろうか。
興味はあるが、深くは追究しない。
こちらから尋ねるという事は、
こちら側も『明かす』流れになるだろう。
それは出来る限り避けたかった。
『音仙』に対する義理立てというよりは、ただ単純に、
『あっさり明かしてしまうのはつまらない』と思ったからだ。

《『その方』には、少々『ゲーム』に付き合って頂きましてね。
 何しろ、まだ勝手が分からないものですから》

《ここでお会いしたのも何かの『縁』です。
 不躾な提案で大変恐縮ですが、
 もし宜しければ、
 ちょっとした『テスト』にご協力願えませんか?
 いえ、決して『危険』なものではありません》

《先程の『カード』の『四隅』には、
 『四つのスート』が描かれていたのを覚えておいでですか?
 『カードの表面』には、
 『ある絵柄』が入っていたのですよ》

《その『表面』――つまり、
 『私の絵柄』を言い当てて頂きたいのです。
 もし『正解』なら、『私』は自動的に『解除』されます》

《――――如何でしょうか?》

少女に対し、ささやかな『ゲーム』を持ち掛ける。
この言葉の中に『嘘』はない。
ただし、『一つの情報』が意図的に伏せられていた。

771 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/11(土) 01:21:58
>>770

≪ふふ、そうですねえ……≫

(……明かさない、踏み込まない。
 『探っている』という感じはしませんけど)

≪『テスト』……まあ、トランプみたいですねえ。
 ええ、危なくないことみたいですし、喜んで。
 助け合えるところは助け合うべきですよう≫

           ガタ

≪あ、でも〜……≫

椅子に腰かけ直し、
改めて『兵士』をまっすぐ見る。
座った状態から素早い回避は難しい。
だからこそ、言外に『信用する』と示す。

≪質問。が、あるんですけど。
  ひとつだけ……先に、答えて貰えますか?≫

              スッ

卓上に『ペイデイ』を閉じた状態で置き、
兵士の目をまっすぐに見つめる……

≪あのう……じゃあもし、『不正解』だったら、どうなるんです?≫

772 比留間彦夫『オルタネイティヴ4』 :2020/07/11(土) 01:58:19
>>771

《いや、ありがとうございます。
 なかなか付き合って頂ける相手がいないものでして。
 『引き出して下さった方』の所にも、
 しょっちゅうお邪魔する訳にはいきませんのでね》

《あぁ、これは失礼しました。
 うっかりして肝心な事を言い忘れていましたね。
 もし『不正解』だった場合は――――》

        トッ 
             トッ 
                  トッ

《――――『私』の『射程距離』が『向上』します。
 ええ、『そういう能力』でして》

ゆっくりと歩きながら、『黒い兵士』が答える。
これも『嘘』は言っていない。
もし言い当てられなかった場合、
『射程距離の向上』は起こり得る。
ただし、それはあくまでも『可能性の一つ』に過ぎない。
その中から『射程距離』を選んだのは、
『他の三つ』よりも『分かりにくい』からだった。

《他に『ご質問』はおありですか?》

773 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/11(土) 08:55:39
>>772

(クイズをして当てられると解除……
 外れたら射程を伸ばすことができる、
 それを繰り返して射程を伸ばし続けられる?
 だとしたら本体はこの場にはいないのかも……)

《いいえ、ルールの質問は一つだけですよう。
 少なくとも、今のところは…………》

改めて兵士の姿を見ても、
スートを類推出来る要素は無い。
あるとしてもそれは『活かせない』情報だ。
『黒い』事が『クラブ/スペード』を象徴していても、
赤い兵士を見ない限りはそれは有益なヒントではない。

《普通にやれば、1/4の確率…………
 『くじ』なんかよりはずっと高いですけど、
 じゃんけんで勝つよりは低いですよねえ》

《うーん、悩むところではありますけど……》

          チラ

《まあここは…………『ダイヤ』にしてみましょうかあ》

     《ふふ、憧れますよねえ、ダイヤモンド》

視界の端に入った、同フロアの『宝飾店』。
そこから直感的に答えを出す……果たして、どうなるか。

774 比留間彦夫『オルタネイティヴ4』 :2020/07/11(土) 11:29:00
>>773

《『ダイヤ』――――ですか?》

        ス
           ゥ ゥ ゥ
                 ッ

《いいえ、『私』は『ハート』です》

その言葉通り、『黒い兵士』の胸に『ハート』が浮かび上がる。
しかし、それは『真実』ではない。
伏せていたカードは『ジョーカー(>>760)』だ。
『ジョーカー』は、任意の絵柄に『成り済ます』事が出来る。
少女の前にいるのは、
『ハートの兵士に化けたジョーカー』だった。

《お陰様で勉強になりました。改めて感謝を申し上げます》

《何か『お礼』をさせて頂きたいと思うのですが…………。
 あぁ、そうそう…………》

《『ラフィーノ石繭』という名前をご存知ですか?
 最近よく当たると評判の『占い師』です》

《実を言うと、私も占って貰った事がありましてね。
 今の悩み事に対する的確な助言を頂きましたよ》

《ご本人も実に『楽しい方』でして。
 『歓楽街』に事務所を持っていらっしゃいますが、
 時々『辻占い』もやっているようですね》

《占いにご興味がおありかは存じませんが――――
 『話のタネ』としてお教え致しますよ》

お礼と称して、『ラフィーノ石繭』の『宣伝』を行う。
この少女はスタンド使いだ。
もし二人が出くわしたら、
何か『面白い事』が起こるかもしれない。
その中で、あの占い師が、どのような対応を取るか。
実際に見られないのは残念だが、
想像するだけでも『面白い』。

775 関 寿々芽『ペイデイ』 :2020/07/11(土) 23:34:32
>>774

≪ああ……そうだったんですねえ≫

特に違和感などは『ない』。
『ダイヤでは無くハートだっただけ』。

外したことで何かが起きたようでもない。
研究の一環――というだけだったらしい。
何か見落としが、無いとも限らないが。

≪ラフィーノ……覚えておきますねえ。
 私は占いには凝ってませんけど、
 そういうのが好きな知人もいますし……≫

        ピピピピ …

と、そこで『フードコート』に特有の『呼び鈴』が、
注文が出来上がったことを知らせて来た。

≪……あ、すみません。ちょっと取ってきますけど≫

≪オルタネイティブ4さんはどうします?
 ご一緒……は、出来ませんよねえ。
 お話はお上手ですけど、お口があるようには見えませんし≫

776 比留間彦夫『オルタネイティヴ4』 :2020/07/12(日) 10:30:40
>>775

《『口を動かさずとも会話が出来る』というのは、
 全く便利なものですねぇ。
 その『ノート』が口をお持ちのようには見えませんのでね》

《どうぞ、お構いなく。
 お付き合い下さってありがとうございました。
 非常に参考になりましたよ》

こちらも、そろそろ『時間切れ』だ。
『オルタネイティヴ4』の発現時間は『三分間』。
会話を交わしている内に、その時間が過ぎようとしていた。

         《お会い出来て本当に良かったですよ》

  《では、良い一日を――――》

            シ ュ ン ッ

その言葉を最後に『黒い兵士』が消える。
持続時間を越えた事で、自動的に解除されたのだ。
直後、手の中にある『四枚のカード』が一枚増えて、
『五枚』になった。

(――――『騙す事』に関して『ジョーカー』は強い。
 その代わり、『ジョーカー』で勝ったとしても『報酬』はない)

(今後は、この点について考えていく事にしましょうか)

              フ ッ

さながら手品のように、掌中から『五枚のカード』が消失する。
そして椅子から立ち上がり、出口に歩いていく。
ストライプスーツの後ろ姿は、モールの雑踏の中に消えた。

777 斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』 :2020/08/01(土) 14:22:05
夏の陽気に木陰でスマホを弄る男の姿ありけり
名を『斑鳩 翔』といふ

 『・・・・・・やっぱりさぁ』

彼は二重人格であった
大抵の場合それは彼のスタンドの頭部から会話を交わしていたが
それは知らない人が見れば奇妙な独り言であった。

具体的に言うと『』で囲われた台詞が切り抜かれて聞こえるのだ。
 
 『ピアノが元凶だっつーんならbonfire lit(隠語)すればいーんじゃねーの?お高いのだと4桁万円いくらしいけど、命は星より重いというのが凡人共の価値観だろ。』

 「……いやぁちょっと2000万する焚き火は豪華すぎるなぁ。弁償も出来ないし。」

 『俺なら愛する家族の為なら何年かけてでも払うんだがなぁ?でも『彼』は出来なさそうだし……やはりここは親切心でbonfire lit(隠語)すべきなんじゃねぇ?』

 「そんなどす黒い親切心を持ったBJは現実にいないんだよ コミックじゃあるまいし。」

安い味付けのペットボトルティーを飲み干すと
数メートル先のゴミ箱に放り投げた。

セミの声がやたらうるさい夏であった。

778 斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』 :2020/08/02(日) 11:22:08
>>777

 『それで?どうすんだ。』

 「ま、約束はしているのだし。必要なら呼んでくれるだろ。」

 『その時にくたばってなきゃいいけどなぁ? 通り魔から集団犯行へ繋がる以上氷山の一角だぜありゃあ。』

 「ところで何歌う?『津軽海峡冬景色』とか駄目だぞ?」

 『チョイス演歌かよ……。』

そんなことを呟きながらその場を後にした。

779 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/13(木) 22:39:15

「お゛ー……」

長い金髪を投げ出した子供が、モール内のベンチの一角を占領し、だらーっと横たわっている。
ベンチの足元の通路には、新聞紙で折られたカブトやハリセンが並んでいた。

780 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/13(木) 23:38:18
>>779

「あ゛ー…………」

少し、逡巡する。
別に普段なら、子供が公共のスペースを派手に占拠しててもそこまで思うところはない。
そりゃあだって、子供ってそういうものだろ?
俺にだって心当たりはあった。子供はベンチとか、占拠するものだ。

だからベンチの一角を占領する子供がいたって、本来なら「かわいいもんだ」でスルーするところ。
いや、もしも迷惑だったら「ちょっといいかな」なんて言うかもしれないけどさ。
まぁともかく、今は迷惑には感じていないのでそれもないわけだ。

……でも。
スルーしようとして、ちょっと考えたんだけど……時期的にさ。
『ある』……よな。可能性。
考えすぎなら、いいんだけども。

「……なぁ、キミ」

だから俺は、意を決して話しかける。

「大丈夫か? 『水』とか……ちゃんと飲んでるか?」

……『ある』よな。
時期的に、『熱中症』とか。

781 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/13(木) 23:51:24
>>780

「お?」

子供は寝転がったままごろりと顔を向け、十字路を認識すると、ゆるやかに上体を起こした。
体調が悪そうといった感じは無い。モール内は冷房が入っていて涼しかった。

「いらっしゃい。
 水? 水は無いんじゃ。
 お茶ならあるぞい。飲むか?」

微妙に質問に答えていないが、見た感じ大丈夫そうではある。
子供はどこからともなく水筒を取り出し、お茶を注ぎ始める。

782 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 00:00:49
>>781

「ああ……いや、俺は自分のがあるからいいよ」

ポケットから『スポーツドリンク』のペットボトルを出して見せる。
涼しい店内だが、それでも水分補給は重要だ。
……外出ると暑いし。

「ごめんごめん、ぐったりしてたから、体調でも悪いのかと思って」
「しかし、『いらっしゃい』って……」

視線を下に。
新聞紙の『工作』の数々。

「…………もしかして、『お店屋さん』かい?」

ああ、そういえばこういうの、俺も小さいころにやったなぁ……なんて。

783 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 00:11:32
>>782

「なんじゃいらんのか」

そう言って自分でお茶を飲む子供。
入っていた氷をがりがりと噛み砕く。

「そうじゃ。ここは店を並べるところじゃろ?
 涼しむついでにわしも店を開こうと思ったのじゃ。
 何か買ってゆくか?」

そう言うと子供はベンチの横に置いてあったリュックから、どんどん新たな折り紙を繰り出してきた。
ベンチ前に置いてあるのは新聞紙で折った大型のものだが、普通の小さな折り紙もあるらしい。
ただ、それほど複雑な形のものは無いようだ。

784 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 00:15:29
>>783

テナント料……と思ったが、口には出さなかった。
子供に言っても仕方ないし、マズければ店員が注意するだろう。
しかし古風な言い回しの子だな。

「おー、色々出てくるな……」
「…………ちなみにこれ、それぞれいくらぐらいなんだい?」

値札のようなものがあるなら、それを確認してみるが。
元手は限りなく0に近かろうに、さてどのくらい『ボって』来るのかな……と、興味本位で。

785 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 00:26:48
>>784

「む? いくらか?」

折り紙を見ると、使っている紙が折り紙のものではなく、
チラシだったりと材料費は限りなくゼロに近いというか、実際ゼロのようだった。

「そうじゃな。金ではなく交換じゃ。
 おぬしは何か持っておるか?」

金銭のやり取りは発生しないらしい。
お店屋さんごっこだからだろうか。

786 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 00:39:47
>>785

「ああ……『物々交換』ってワケね」

なるほど、なるほど。
微笑ましいじゃないか。お店屋さんごっこだ。

さて、自分が何を持っているのか考えてみる。
飲みかけのペットボトル……は流石に論外だし。
それ以外で、子供にとって価値がありそうで、いい感じに価値がなさそうなものとなると……

「うーん……」
「今持ってる物、となると……ああ」


ポケットの中から、個包装の『塩タブレット』を取り出す。
もしもの時のために持ち歩いているものだ。時期的にね。

「これとかどう?」

子供からすれば、ラムネ菓子の親戚みたいなものだろう。

787 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 00:51:12
>>786

「なんじゃそれは?
 飴か?」

興味深そうに塩タブレットを覗き込む。
一見しただけではわからなかったらしい。
それ以前に塩タブレットという存在を知っているかどうかあやしい。

「それなら小さい折り紙と交換じゃ。
 大きいのも……どうしてもというならよいぞ」

新聞紙で折ったカブトやハリセンも交換できるらしい。
少し惜しそうなのは大きさに差があるからだろうか。

「これとかどうじゃ?
 シュリケンじゃ」

788 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 01:01:45
>>787

「これは『塩タブレット』って言って……まぁ、『ラムネ菓子』みたいな?」
「飲み物で言えば『スポーツドリンク』みたいな、体にいいお菓子だよ」

ざっくりとした説明。
甘いお菓子を期待すると、ちょっと裏切られちゃうかもしれないけど。
……極端にまずいってわけでもないし、大丈夫だろう。

「はは、ありがとう」
「……大きいのもどうしてもならいいんだ……」

まぁ、元手ゼロっぽいしな……気分的な問題なのかもしれない。
とはいえ、そんな大きなもの貰っても持ち帰るのに困るし。
言われる通り、小さめのやつで……

「じゃあ、そのシュリケンと交換しようかな」
「しかし器用だね、キミ」

789 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 01:12:02
>>788

「体に良いラムネ?
 甘い飲み薬みたいじゃな?」

子供用の甘いシロップの風邪薬みたいなのを想像したらしい。

「折り紙はテレビで勉強したのじゃ。
 うむ、ではシュリケンと『交換』じゃ」

十字路は器用さを褒めるが、手裏剣の折り紙はちょっといびつだった。
単に素材となったチラシがそもそも正方形ではなかったのかもしれないが。

790 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 01:20:31
>>789

「ありがとう」

お礼を言って、シュリケンを受け取る。代わりに塩タブレットを渡す。
……まぁ、俺が子供のころに作ったシュリケンはもっと出来が悪かったしな。
別に塩タブレットひとつぐらいは惜しくないし、『いい買い物』なんじゃなかろうか。
…………もしも塩タブレットが口に合わなかったら、申し訳ないなぁと思うけど。

「…………ところでキミ、いっつもこういうことしてるのかい?」
「いや、やけに準備がよかったから」

涼むついでに……とは言っていたけど、普通はこんなに『紙工作』を常備したりはしないだろう。
となると、この子は普段からこういう遊びをしているのでは?
だからどーってワケでもないけれど、ちょっとした疑問だった。

791 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 01:30:19
>>790

「どういたしましてじゃ」

そう言ってさっそく、口に塩タブレットを放り込む子供。

「ん? そうじゃ。
 わしはいつでも何か交換できるものを探しておる。
 そして『わらしべ長者』みたいにビッグになるのじゃ」

いい笑顔でそう言うが、次の瞬間には口をもにゅもにゅさせ、眉根を寄せる。

「なにか……変な味じゃなシオタブレット……
 まあええ。折り紙以外にも何か見てゆくか?」

そう言い、リュックからさらに物を取り出す。
折り紙は品切れなのか、何かのネジやらキーホルダー、パチンコ玉など、
道端で拾いました。って感じのラインナップだ。

792 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 01:43:52
>>791

「へー……『わらしべ長者』か……」

好きなのかな、わらしべ長者。
確かに、夢のある話だ。子供ながらに憧れるというのも理解できた。
やっぱ甘くはないよね、塩タブレット……と若干申し訳ない気持ちになりつつ。

「ほんとに色々持ってるね……これ全部キミの『わら』か」
「とはいえ、俺の方は『塩タブレット』以外だともう……」

あとはもうマジで財布ぐらいしかないんじゃないか。
というかその、一個ぐらいなら記念に『買って』もいいんだけど、二個目となるとさ。
率直に言って『ゴミ』だもんそのラインナップ。ちょっともういいかな……

「……そういうワケだから、もう買い物はできないかな。ごめんね」

とはいえ『ゴミはもういらない』なんて言えるわけもなく、大人の対応。

793 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 01:52:41
>>792

「うむ、そうか。またのゴライテンをお待ちしております」

意味はよくわかっていないが言う定型句なのだろう。
またのご来店も何も、また同じ場所にいる保障が無い。ベンチだし。

「でもこれでシオタブレットが商品に加わったのじゃ。
 長者へ一歩近づいたな」

リュックにネジやら折り紙を仕舞う。

794 十字路荒野『ジャンクション001』 :2020/08/14(金) 02:01:43
>>793

「今食べたじゃん」

苦笑する。
塩タブレットは食べ物だから、食べたら消滅する。
別に子供のごっこ遊びにそこまで本気でツッコむ気もないけどもさ。

「まぁ、お店の人に怒られないようにね。あんまり物広げると、邪魔になっちゃうから」

特に意味もなさそうな忠告をして、シュリケンをポケットにしまう。
さて、俺もそろそろ本来の目的地である本屋に向かおう……

「それじゃあ、俺は行くよ」
「バイバイ。クーラー効いてるとこにいても、水分補給はこまめにねー」

795 ナイ『ベター・ビリーブ・イット』 :2020/08/14(金) 02:13:43
>>794

「それはわしの特技でな……ん? もうゆくのか?」

「うむ、さらばなのじゃ」

子供は十文字を見送り、そのまま再度ベンチに横たわった。
十字路が本屋から出てくる頃には不用心にも寝てしまっている姿を見る事が出来たかもしれない。
時間によっては日が落ちて涼しくなったので去ったあとかもしれないが。


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