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【個】『学生寮 清月館』

1『星見町案内板』:2016/01/24(日) 23:51:17
月面を連想させる『灰色』のレンガで出来た『洋館』。
親元を離れた子供達だけでなく、一般学生もしばしば遊びに来る。
『自立心』、『向上心』を培う為、多くの『家事』は学生自身で行っている。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
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★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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206ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/20(水) 01:46:41
>>205

「ううん、大丈夫ですよー」

《重そうに見えるかもしれないが、
 いつも背負ってる『ランドセル』程じゃあないさ》

現代の小学校三年生のランドセルは、
中身入りで『5kg』近くあるらしい。
近頃は入れるものが増えて、重さが問題になっているそうだ。
いつだったか『テレビ』で言っていた。
うろ覚えだが、俺の体重は『3kg』以下のはずだ。
ヨシエはまだ一年生だから、
その分ランドセルの中身も軽いだろうが、
それでも俺の方が軽い。

《『先生』――だったな。ああ、そうしといてくれ》

『スタンドと会話をする』というのは、
考えてみれば妙な気分だった。
少なくとも、『犬と会話する』程度には奇妙と言ってもいい。
今は『スタンド』と『犬』が会話しているのだから、
尚更風変わりな光景だろう。

「あっ、ちゃんと『おやつ』持ってきてますー」

     ゴソ

「これはー、みんなも食べられるんですよー」

           ゴソ

「おいしいですよー」

ヨシエがリュックから取り出したのは『無添加クッキー』だ。
一応『犬用』ではあるが、人間も食べられるように出来ている。
人間が食べると、『素朴な味』がするらしい。

《まさか『犬用ミルク』なんてものは置いてないだろうな?
 気持ちは有り難いが、人間用の牛乳は、ちょっと都合が悪い。
 栄養がありすぎて、俺達には『度』が強すぎる》

《まぁ、『水』でいい。人間じゃあないが、『お構いなく』ってことさ》

人間用の牛乳も、『味』は悪くない。
だが、あまり宜しくないのも確かだ。
もちろん、『チョコレート』よりはマシってもんだが。

207今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 14:36:43
>>206

           『ゴ家庭ノ "方針"ハ 尊重スベキデスカラネ』
 
「……」

《牛乳ダメなんですか! 覚えておきますね》
《猫にミルクあげたりするお話、よく聞くので》
《大丈夫なのかな〜って勝手に思ってました》

「やっぱり、牛乳は良くないかな〜」「お水にしよ」

ジュースと、それから水道水。
コップと……お皿がいいよね、犬だし。
ちょうどいい深さのお皿があってよかった。

「なるほど〜。確かに教科書とかの方が重たいもんね」
「絵の具とか、ある時もあるし」

習字は、一年じゃなかった気がする。

「ディーンさんそんなに大きくないしっ」
「言われてみたら、フツーに運べそう」

           『今泉サン、足元二 コードガ アリマス』
           『引ッカカラナイヨウニ。コボシタラ 大変デス』

《どうもどうも、気を付けます!》

     ヒョイ

先生はよく見てるなあ。
一人と一匹に答えながら、スマホの充電コードを跨ぐ。

「へえ〜っ、クッキー!」
「見た感じはフツーのクッキーと同じだね」
「味が、やっぱり違うのかな」

           『キット 人間ノ体ニモ 良イノデショウ』
           『普通ノクッキーガ "悪イ"トハ 言イマセンガ』

お砂糖とか、もちろんチョコチップとかも入ってない。
『赤ちゃんのお菓子』とか、こういう感じだっけ。

「さ、どうぞ!」

            コトン
 
で、写真たてを横にどけて、コップを机に置いた。
水は……床に直置きでいいのかな。ディーンさんに失礼?

208ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/20(水) 20:00:47
>>207

《『毒』って程じゃあないが、あんまり良くはないな。
 もしも俺が衰弱しきってて、
 今にも飢え死にしそうだったら喜んで貰うところだが》

《ありがたいことに『栄養』は足りてる。
 だから――――『水』で十分さ》

  ジッ
        ピチャ ピチャ

俺は、目の前に置かれた皿を見た。
少し眺めてから、それに舌をつける。
安全に飲める水――これが手に入らない連中も大勢いる。
俺も一時期そうだった。
これ以上を望むのは『贅沢』が過ぎるだろう。

「ありがとー!」

  スッ

「……ございますー」

ジュースの入ったコップを持ち上げてから、
ヨシエは思い出したように付け加えた。
ヨシエはしっかりしている方だが、
『背伸び』をしている部分も多々ある。
こういうところも、その一つと言っていい。

           ゴクッ

「おいしいですー!」

「――未来のお姉さんも食べますかー?」

                  サクッ

『クッキー』を齧りながら、ヨシエは未来に袋を差し出した。
『人間が食べた時の感想』について、
ヨシエに意見を聞いたことがある。
それを纏めると、『優しい味がする』らしい。
ただ、『優しい味』というのがどういう味なのかは、
今一つ分からなかったが。
『優しくない味』があるとすれば、
それがどんなものかは少しばかり興味はあるな。

209今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/20(水) 23:10:46
>>208

「あは。えらいねヨシエちゃん」
「礼儀正しくって」

「おかわり欲しかったら言ってね」
「買い込みすぎちゃってたくさんあるからっ」
 
まだ小一なのにね。
フツーに立派だと思うんだ。
出来なくても、やろうとしてるのが。

「わ、貰っていいの?」
「食べてみたかったんだ、それ」「美味しそうだし」

クッキーを一枚貰った。
食べてみる。

       ザク…

「わあ」

           『今泉サン』

・・・フツーに、『薄い』よね。
や、分かってたんだ。分かってますよ先生。
まあ私はほら、顔に出さなきゃ出ないからさ。

       ザク… ザク…

あ、でも噛んでたら味がしてきたかも。
これは、こういうものって思ったら……

                 ゴクン

「ほんとだ」「フツーに美味しいねっ」
「ディーンさん、いいもの食べてるんですねえ〜」

甘すぎないし、いいかも。
でもこう、口の中の水分が取られるよね。かなり。
美味しいけど、犬は大丈夫なのかな。口の中。

「あは、お水飲んでる」
「ディーンさん、こうして見るとかわいいですね」
「実際お喋りしてると、大人な感じですけども〜」

          『実際大人デスカラ、ネ』

水を飲んでるディーンさんを見て、そう思うんだ。
大人の人っていうか、まあ、成犬だもんね。人間で言う20代だっけ。

210ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/21(木) 00:07:57
>>209

「おいしいですよねー」

      ニコッ

「『ほんのり甘い味』がしてー」

            サクッ サクッ

ヨシエは、既に何度か食べていて、この味に慣れている。
だが、他の人間はどうか知らない。
美味いと思うかはともかく、
体に入れて悪いものは入っていないはずだから、
気分が悪くなるってことはないだろう。

《そうだな。野良じゃあ考えられない『豪勢』な代物だ》

そう言われて、ふと気付いた。
今、俺は『良いもの』を食ってるということに。
要するに、恵まれた生活をしているわけだ。
当たり前になっているせいで、そのことを忘れかけていた。
皿から顔を上げ、水面に映る自分の顔を見下ろす。

《――いつの間にか、俺も『贅沢』を覚えちまったか……》

捨てられて飢え死にしそうだった時、俺はヨシエに拾われた。
そして、『メシが食える』ということに対して、
心の底から感謝の念を抱いた。
だが、その生活が続くと、感動ってやつも徐々に薄れていく。
今の言葉で、それを思い出した。
最初の頃の気持ちを忘れちゃあいけないってことだ。

《この『水』のお陰で目が覚めた。礼を言っておかなきゃあな》

           ブンッ ブンッ

短い尻尾を左右に揺らす。
意図的というより、無意識の行動に近かった。
『本能』と呼ぶことも出来るだろう。

《フ……ヨシエが未来と同じくらいの年になった時には、
 俺は『爺さん』になってるだろうな》

いつまで生きられるかなんてことは、誰にも分からない。
ただ、ヨシエが大人になる頃には、俺の寿命は尽きてるだろう。
それは確実だし、どうしたって避けようもない。
だが、そうなる前に死ぬ気はない。
少なくともヨシエが一人前になるまでは生きていなきゃならない。

《……そういえば、俺は前にも『ここ』に来たことがある。
 この部屋じゃあないし、建物には入らなかったんだが》

《いつか、ヨシエがここで暮らすことになるかもしれないからな。
 どんな場所なのか、少し見ておこうと思ったんだ》

俺が来た時は、『二人組の男』がいた。
確か、片方は『スタンド使い』だったか。
あいつらも、ここに住んでいる様子だったな。

211今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/21(木) 01:40:01
>>210

「そうだね、噛んだらじわじわ甘くておいしい」
「いやな甘さじゃない、っていうのかな〜」
「何枚も食べられそう」

          『食ベスギハ ヨクナイデスヨ』
          『バンゴハンガ 食ベラレナク ナッテシマイマス』

《もののたとえですよ、先生〜っ》

私がたくさん食べすぎちゃうのも、悪いしね。
体にはいいのかもしれないけど。

というか、ディーンさん、野良だったんだ。
先生の視線を感じる。分かってる。口には出さない。
チワワの野良。『最初から野良だった』とは限らない。
そういうところに簡単には、踏み込んじゃ、いけない。

《ディーンさんには、ヨシエちゃん思いで》
《ヨシエちゃんは、ディーンさん思い》

《それって、すごく素敵だと思いますっ》

ずっとそうあったら良いな、って、思うんだよね。
そう思うのって、フツーだと思うよ。

《あは…………お礼なんて、とても》

《へえ〜っ。じゃあ今日は、下見みたいなものってことですね!》
《私も最近住みはじめたから、あんまり説明とかは出来ないですけどっ》

私も何回か下見とか来たよね。
住む部屋の事だし、気になるのは分かる。

《ちなみに、前に来たときは……ヨシエちゃんとお散歩とかです?》

そういえば小学部で住んでる子っているのかな?
中等部の子は、いるけど。

……そろそろ、ほんとに喉が渇いてきちゃった。

「よいしょっ」

               スッ……

「私、自分のジュース入れてくるけど」
「ヨシエちゃんは、おかわりいる? ディーンさんはどうです?」

212ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/21(木) 08:13:49
>>211

「ディーンも食べるよね?」

  ソッ

ヨシエが俺の足元にクッキーを置く。
俺は遠慮なく、それに牙を立てた。
『犬用』なんだから当たり前といえば当たり前だが、
俺達にとっては素直に『美味い』と思える味だ。

         ガリッ ガリッ

俺は『愛玩用』として生まれてきた。
世渡りを知らない犬が『野良の世界』で長生きは出来ない。
だから、俺には人間達の中にしか生きられる場所はない。
たとえ、どれだけ人間という生き物に嫌気が差したとしても、
生まれ持った『しがらみ』からは逃れられない。
変えたくても変えようのない『サガ』ってやつだ。

「みんなで一緒に食べるとおいしいねー」

           ニコッ

だが、まだ俺は人間に失望しきっちゃいない。
一時期は、もう二度と心を許すまいと誓ったこともあるが、
結局そうしなかった。
それはヨシエがいたからだ。
初めて俺を見つけた時の寂しそうな目。
その奥底に、俺は自分と同じ『孤独の匂い』を感じ取り、
ヨシエを支えてやりたいと思った。

「えっとー」

「……じゃあ、お願いしまーす」

           スッ

《俺はいい。これで十分だ》

ヨシエは遠慮がちにコップを差し出した。
それを横目で見ながら、俺は思う。
無理をする必要はない――と。

《いや、前は『俺だけ』で来た。
 面倒なことになりそうだったから、
 なるべく見つからないようにな》

《まぁ、見つかっちまったが……。
 ここに住んでる男二人に見られた》

《名前は知らないが、片方は『スタンド使い』だ。
 もう一人は違ったらしいが、知識は持ってるように見えた》

《――ここの住み心地はどんな感じだ?》

213今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/21(木) 23:15:52
>>212

「あは、食べてる食べてる」

「……」「そうだねっ。一人で食べるより、美味しいね」

きっとそうなんだと思う。
少なくとも、ヨシエちゃんがそう思えるのが、良い事なんだ。

「遠慮しなくていいよ〜」
「それじゃ、入れてくるね」

コップを受け取り、席を立った。

≪あ、そうだったんですねっ≫

冷蔵庫を開いてジュースを注ぎながら、振り返らずに答える。

ディーンさん、鎖で繋がれたりはしてないのかな。
これくらい賢かったらいらないのかな。

≪スタンド使い! ですかっ。意外とよくいますよねえ≫
≪男子二人組……私も心当たりはないです≫
≪『スタンド使いじゃないのに知識だけある』のは……≫

             『スタンド使いノ 側ガ モウ片側ニ 教エタノデショウ』
             『ソレダケ、信頼シテイル 間柄ナノデショウカ』

≪なるほど〜、それならありえますね≫

寮に他のスタンド使いがいる、っていうのはちょっと気になると思う。
名前も顔も分からないんだし、気にしてもしょうがないけどね。

≪住み心地は、いいですよっ。お部屋もフツーに広いですし。学校近いですし≫
≪それに≫≪いつでも学校のお友達と会えるので≫≪いろいろ助かりますっ≫

214ディーン『ワン・フォー・ホープ』&ヨシエ『一般人』:2020/05/22(金) 00:09:21
>>213

《『犬も歩けば』と言う言い回しがある。
 スタンド使いが歩けばスタンド使いに当たりやすいって所か》

《そいつらは危険な人間じゃあなさそうだったが……。
 世の中には、『そうでないの』もいるようだからな》

たとえば、あの『鎖の男』だ。
実際のところ、どういう人間なのか詳しくは知らない。
だが、あいつの体からは『暴力の匂い』を感じた。
俺の『本能』が、奴は『危険人物』だと告げている。
ああいう類の人間を、ヨシエに近付けてはならない。

《そう――か。それなら良かった
 もしヨシエが入ってきたら、その時は宜しく頼む》

《……いや、その頃には未来の方が他所に移ってるだろうな。
 やっぱり止めておこう。
 代わりに、ヨシエが一人前になってることを願っておくさ》

その頃には、俺はかなり体力が衰えているだろう。
一緒に走り回れる時間は長くはない。
せいぜい無駄にしないようにしなきゃあな。

 「ここがー、未来お姉さんの『おうち』なんですよねー……」

           キョロ キョロ

          「すごーい!」

改めて室内を見回し、ヨシエは感心したように言った。
部屋に対しての評価なのか、
一人で暮らしていることに対しての感想か。
それは分からないが、
ヨシエが未来を『年長者』として好意的に見ているのは分かる。

《あとで、この建物を案内してくれないか?
 前に来た時は、中までは入らなかったからな。
 今の内に見ておきたいんだ》

《――ヨシエも興味がありそうだし、な》

未来の背中を見つめながら、俺は思う。
十年後には、ヨシエもこんな風になるんだろうか――と。
未来を支える『先生』のように、
俺もヨシエを支え続けているのだろうか。
ヨシエが一人前になっていれば、
俺が支えてやる必要もなくなっているかもしれない。
それは俺にとって喜びだが、
少々の『寂しさ』を感じることも否定はしない――――。

215今泉『コール・イット・ラヴ』:2020/05/22(金) 01:14:55
>>214

≪スタンドは、『悪い事』にも使えますもんね≫
≪危ないことにも≫≪怖いことにも≫

              『先生ハ 手ヲ貸シマセンガ』
              『多クノ “スタンド”ハ、“本体”ノ意ノママ デスカラ』
              『改メテ 気ヲツケナクテハ ナリマセン』

≪そうですねえ、怪しいヒトには近づかないように≫
≪って、それはスタンド使いじゃなくてもフツーにそうか≫

ディーンさんの言い方は『そうでないの』を見たようにも聞こえた。
私も、そういう存在の話を、聞いたことがある。

「すごいでしょ〜」
「家具とか、選びの大変だったし」
「今も探してるし」

「もらったのもあるけどっ」

      ポッポー
               ポッポー

≪はいっ。『住むころ』には、私もここにはいないでしょうし≫
≪今の内に、『年上』として頼れるところを見せちゃいます≫

鳩時計が鳴る中、私はディーンさんに答えた。

「おまたせ、ヨシエちゃんっ」

入れ終わったジュースをテーブルに運んで、ヨシエちゃんを見る。
私は、この子にとって、フツーに頼れるお姉さんであれたらいいな。
私が人のお手本を『できる』かは分からない。けど、きっと悪い気は、しないと思うんだ。

とりあえず、これを食べ終わったら、『清月館』の案内から、はじめてみようかな。

216三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/06/20(土) 22:44:18

こんにちは、千草です。
今、清月館の入口に立っています。
足元には小さな『ホワイトボード』が置いてありました。

    処分したい不用品お引き取りします。
       
        ※生き物はお断りします。

そこには、そのように書かれていました。
今日は『思いついた事』を実行してみようと思ったのです。
だから、こうして誰かが来るのを待っているのです。

217三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/06/22(月) 21:35:21
>>216

今日は『店じまい』です。
また今度、お目にかかりましょう。
それでは――――。

218常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 01:35:23

この学生寮は、『自立心』、『向上心』を培う為、
多くの『家事』は学生自身で行わせる方針となっている――


    バサッ バサ


とはいえ、家事に乗り気な学生が、
ほかの人のぶんを纏めてやってしまう、という事も、ままある。

中庭で、誰かが洗濯物を干している。
どうやってか集めた、生徒たちの制服や靴下、ハンカチなどを、
まとめて日に当てているようだ。

219関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 01:43:27

清月学園の『通信制課程』に属する『関』は、
しかし『学生寮』の暮らしという訳では無い。
今日はあくまで、『知人』の様子を見に来ていた。
『家』では『大家族』が、彼女の帰りを待っている。

――――と。

>>218

「……?」

家事をしている誰かが、目に入った。
なんとなくそちらに近付いたのは、果たして『正解』か。

その『誰か』にも、エプロンを付け髪をお団子にした、
温和そうな少女の姿が目に入る……かもしれない。

220常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 02:12:45
>>219
君が目撃したのは、『男』だった。
体格がいい。学生ではなく大人のように見える。

  バサッ    バサ

「…ズボンにハンカチが入ったまま」
「まったく…男子の皆さまはだらしがないです」


男の服装は『異常』だった。
フリルのついたエプロン、頭に付ける白いふわふわした奴、、
黒いワンピース。
―――『メイド服』だ!

221関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 02:43:27
>>20

「えっ!!」

思わず声が出た。
エプロンを付けているのは自分もだが、
言ってはなんだが『フリル』は少ない。
あれではまるで……

「ふふっ、メイドさん……ですよう。ねえ?」

            タラ〜ッ

頬を伝った汗は暑さのせいだろうか? それとも。

「あのう……………『メイドさん』ですよねえ?」

自分に言い聞かせ、呑み込むような一度目と違い、
二度目は、その不し……『男』に、問いかける形になった。

222常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 02:59:48
>>221

 「こんにちは!」
 「はい、『メイド』ですよ……見ての通り!!」

『メイド服』はフリルが結構たくさん付いててふりふりだった。
季節に合わせてか、ワンピの丈は短めだった。逞しい脚が覗く。
胸元も涼しげだ。おっぱいが大きい。

 「お洗濯をしております」
 「俺は『家政婦』なのでお気になさらず、どうぞごゆっくり…」

丁寧な口調でそう言うと、青年はまた洗濯物を始めた。
女子のスカートとかも皺を取りながら干している。

223関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 03:24:18
>>222

「ふふ、そうですよねえ、私ったら分かりきった事。
 どう見ても……メイドさんにしか見えませんよう。
 ……その。男の人もするんですねえ……メイドさん」

          じー ・ ・ ・

思わずまじまじと観察して……自分と見比べる。
彼は、なんという堂々とした着こなしだろうか?
自分が『貧相』な体格だとは考えはしないが、
誇示するにして……やるだろうか? あの脚の出し方。
後ろめたさをまるで感じない……コスプレではないらしい。

「あぁ〜、お仕事なんですね!
 それはええと、お疲れ様です〜。
 ここ最近は暑くなって来て大変ですよねえ」

        「……あら?」

口に出す。……家政夫か? どちらにしても。

「……そのう、つかぬことをお伺いするんですけど、
 ここ、家政婦さんを雇うようになったんですねえ?」

「家事は学生が自分で……って、聞いたような」

スカートを洗う様子に手慣れたものを感じつつ、
関は固唾を飲んで、核心に迫る問いの答えを待つ…………

224常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 03:48:57
>>223
 「男性の『メイド』や『メイド服』は如何なものか、との意見もありますが」
 「職業の自由の時代ですから。仕事ぶりで挽回いたします。」

学園の、様々なタイプの制服、時折混ざる改造制服を、
男は丁寧にハンガーにかけている。
『下着』などのプライベートな衣服は混ざっていないようだが……。


>家事は学生が自分で

「………この寮にはそんなモットーもございます、が」
「学生とて忙しいでしょう?『疎か』になってしまう方もいらっしゃいます」

「そんなわけで、俺は見かねて……あの、『お手伝い』、を……はい!!」
「学生時代はこの寮にお世話になったので、
 恩返しをと思って その、『自主的に』、……やっております!!」

関の『雇う』という文言に対して、青年は、はぐらかすような雰囲気を醸し出している。
このメイド男、まさか……!?

225関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 20:19:21
>>224

「なるほど〜、そういう時代ですもんねえ。
 『服装の自由』 大事なことだと思いますよ〜。
 お国によっては、男子がスカートも普通らしいですし」  

改造制服とメイド服を見比べつつ、言う。
実際、そこにどれほど大きな違いがあるだろう?
見た目のインパクトを除けば……除ければだが……
しかも、ヤバいのは見た目だけではなさそうだが……

「そっ……そうなんですね〜っ
  
    『見かねて』……!
   
        ・・・
       『自主的』にい〜っ……!!」

『関 寿々芽』には、悪癖がある。
それは、『なあなあにしてしまう』事だ。
『見て見ぬふり』と言っても良いかもしれない……
ものすごく美化して言うならば、『慈悲』!

「それはきっと、み、皆さん助かってますよう、きっと。
 その……お手際も、とっても良いですもんねえ。さっきから……!」

不審者が不審者だと、完全に確定させることを拒んだ…………!

226常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/28(日) 22:48:57
>>225

「……」
「………いやあ、いい天気です!」
「絶好の洗濯日和ですね!!!!」

メイド男は君から目を逸らしながら洗濯をしている。
(ちなみにこの男、片目が眼帯だ。)
誤魔化せている気でいるのだろうか。

「…学ランがほつれている。あの方はすぐヤンチャをするんですから」
「む、こちらはポケットに飴玉が入ったままです 返してあげないと」


 「お嬢様は『寮生』ではございませんよね
   ……どなたかの『お友達』ですか?」


―――関だけでなく、生徒たちが『なあなあ』だから、
不審者がこうして寮に出入りできてしまうのだ。
危ないのでは?年頃の女子がいるんだぞ?
君のお友達のために、この不審者をなんとかしたほうが良いのでは?


 「仲良くしてあげてください…
  この寮のご子息方はみな、いい子たちなので」
 「親元を離れて、大変な方います、
  差し出がましいようですが、助けになってあげてください……!」


    ペコリ
 
矢継ぎ早にそう言うと、不審者は君にお辞儀をした。

227関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/28(日) 23:35:53
>>126

「そうですねえ、お日様がよく出ていて……
 これならシャツもすぐ乾きそうですねえ……」

         スイッ…

「朝からこれくらい晴れてくれてたら、
 いっそ、お布団でも干したかったのにい……」

関もまた男からゆっくり目を逸らす。
眼帯、は……気にはなるが……
メイド服など着ているために、
それも、『そういうもの』と捉えていた。

「まあっ、お嬢様だなんて……ふふふ。
 私、そんな、大層なものではありませんよう。
 友達……というか知り合いが住んでまして、
 ちょっとだけ〜、様子を見に来てたんです」

       「けど」

そうしたら、この不審者がいたのだ。

「…………」
「そ、そうですねえ〜。
 同じ町……同じ学園の生徒同士ですし、
 いろんな形で、助け合えればいいですねえ〜」

どういう目線なのだろうか……?
いい子たちはこの男について知っているのか?
いずれにしても……頭を下げて。

「あ、私、そろそろ帰らなきゃ……!
 お家で待ってる人がいますのでえ……」

「手を止めさせてしまいまして、すみませんでした。
 そのう…………『お仕事』頑張って、くださいねえ」

その場を立ち去ろうとする。深入りはヤバイ気がした。

228常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/29(月) 00:03:33
>>227
「なんでも、さいきんこの辺りに『ガタイのいい変態不審者』が頻繁に現れるとか…」
「危ない人に会ったらすぐに『逃げて』くださいね!!!!!」

「あっ、お知り合いが不審者とかに悩まされていないか、それとなく聞いてあげてください…」
「本当に、心配なんです………」

メイド男は、君を引き留める様子はない……優しいまなざしで洗濯物を干している…

「俺としたことが お客人に厚かましかったですね…お気をつけて。」

229常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/06/29(月) 00:05:10
>>227

230関 寿々芽『ペイデイ』:2020/06/29(月) 00:27:12
>>228

「怖……怖〜いですねえ、気を付けますよう。
 『知人』にも、気を付けるように言っておきます」

         ニコ ・・・

「……あの」

「こんなに天気がいいという日は、
 『日射病』や、『熱中症』がありますので。
 お体とか、いろいろ、お気を付けてくださいねえ」

             「……それでは〜」

どこまで『本気』なのか……
どこまで『自覚的』なのか……
『悪いひと』では、ないようだけれど。

謎はナアナアのまま、曖昧な笑みを浮かべ、その場を去った。

231三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/05(水) 22:28:56

         ピン
                ポン

「――――はい?」

            ガチャ

チャイムが鳴って、ドアを開けました。
もしかすると事前に約束をしていた方かもしれません。
そうでない方かもしれませんが。

232小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/06(木) 19:56:32
>>231

「こんにちは」    

私が入室する。何時もの微笑を模りながら 
 片手には、甘い香りを放つ紙のバックを引き提げて。

 ヤジ「よぅ、千草ちゃん。元気?
ジョーが、ケーキ持ってきてさ。一緒に食べないかって、お誘い」

背後から、ひょこっと私の親友(ヤジ)も顔を出し挨拶をする。


「シロップスポンジプディング……宜しければ
一緒に召し上がりませんか? 多忙でなければ」

233三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/06(木) 22:41:11
>>232

「あっ、お二人でしたか」

「どうぞ、上がって下さい」

部屋は綺麗に片付いていました。
机があり、ベッドがあり、テーブルがあります。
机の上には小さな『人形』が置いてありました。

「今、飲み物を用意しますね」

        トッ トッ トッ

キッチンに歩いていきます。
季節柄、麦茶にしようかと思いましたが、
ケーキに合わせるならコーヒーの方がいいでしょうか。
そう考えて、アイスコーヒーを出す事にしました。

「お久しぶりですね」

「先輩達は、いかがお過ごしでしたか?」

「千草は、最近『新しい事』を始めようと思っているのですが……」

手を動かしながら、口も動かします。
こういうのを『近況報告』というのでしょうか。

234小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/06(木) 23:28:00
>>233

出された冷たいグラスに入った氷も一緒に口の中に含みながら
アイスコーヒーを不良風の彼は先に半分程飲み干す。

ヤジ「おー、悪いね。丁度喉渇いてたんよ、今年は特別
猛暑って気がするし」

「貴方、何時も同じ事言ってる気がしますね」

ヤジ「いいじゃんかジョー。
 俺は、色々自由にやりたい事をやってるよ。
『新しい事』か。
 いいね。何でも出来る事ならやってみるもんだ!」

「私は、今は手探りです。新しい執筆は、頼まれればしてますが。
……最近の近況では、アリーナの『エクサーツ』と言う方に挑戦して
敗北を喫しましたね。あぁ、怪我はもう無いですしご心配なく」

ヤジ「それと、『関』って言うスタンド使いの嬢ちゃんにも会ったな。
なんとなく、あの子 商人(あきんど)って感じだったよ」

小林「随分、君の話を熱心に聞いてましたよね。
それと、千草さんの知り合いにも出会いました。
『斑鳩』と言う名の男子ですが……千草さんの御友人で間違いないです?」

話しつつ、小林は何やら白い感じの液体の入った丸い『水槽』を取り出す。

235三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/06(木) 23:43:26
>>234

「『斑鳩先輩』――――ですか?」

「高等部二年生の先輩ですね。
 はい、確かに何度かお会いしています」

白い『水槽』を、じっと見つめて答えます。
最初にお会いした時も、その後にお会いした時も、
見かけた事がありました。
これが小林先輩の能力なのでしょう。

「斑鳩先輩が何か?」

       ズズ…………

千草の背後から、『影』が現れます。
フードを被り、シャベルを担いだ『墓堀人』。
小林先輩のスタンドを見たせいか、
無意識に表に出てしまったようです。

236小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 12:31:07
>>235

小林は、視線や発現された『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』に
動じる事なく、食器の上に置いたシロップスポンジプディングに
『カスタードソース』。そう、先程の白い水槽を解除して振りかけた。

「イッツ・ナウ・オア・ネヴァーさんも、どうぞ。まだ幾つかあるので
別のもので良ければ『ゴールデンシロップ』もあります」

そう言って、テーブルに琥珀入りの水槽。蜂蜜シロップ入り水槽を置く。

ヤジ「千草ちゃんのスタンドって飲食出来るの? 
いや、まぁスタンドにも可能なものってあるらしいけど」

「人型のスタンドですし、問題ないのではと思いますけどねぇ。
あぁ、斑鳩さんが何があったと言う訳でないんですがね。
 話の延長線上で、知人の話が出て。千草さんの名称も偶然挙がったので」

御友人が多いのですね、と小林は微笑を濃くする。
 そして、おもむろに自分が菓子につけるマスカットジャム入り小瓶を
自然な流れでテーブルに置いた。

ヤジ「……千草ちゃん、君に聞きたい事があるんだ」

そのマスカットジャム小瓶を一瞥した親友は、重々しい口調と
真剣な顔つきで千草さんに声を掛ける。

……? 親友(ヤジ)が特に何か尋ねる事などあっただろうが?

237三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 20:45:40
>>236

「いただきます――――」

     スッ

          「――――おいしいですね」

                 ニコリ

ケーキを一口食べて、千草は笑いました。
『墓堀人』は、その様子を背後から見下ろしています。
何も言わず、動こうともしません。

「そういえば最近、
 『先輩の知り合い』が増えたような気がしていました」

「小林先輩、鉄先輩、斑鳩先輩、日沼先輩、
 猿渡先輩、今泉先輩、成田先輩……」

指を折って数えながら、
一人一人の顔を思い浮かべていきます。
皆さん立派な方ばかりです。
そういった所を、これからも見習っていきたいと思います。

     「 ? 」

              「はい、何でしょう?」

『マスカットジャムが好きかどうか』の質問でしょうか。
さっぱりしていて美味しいと思います。
でも、質問を聞く前に答えるのは失礼なので、
ちゃんと聞いてから答えましょう。

238小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 20:59:09
>>237

彼(ヤジ)の目には真剣さが伴っていた。
 数秒、重いとも感じる沈黙が過ぎた。 そして、言葉が放たれた。

ヤジ「……素麺(そうめん)とか、山菜なり天ぷらとかあるじゃん?」

何か酷く重要な事を聞くのかと思ったが。私の予想に反し、どう言う
意図なのか奇妙な言葉が流れていく。

ヤジ「普通、アレってどう言うもので食べる?
まず、素麺とかは薬味プラスめんつゆで。山菜はさっと塩振ったり
天つゆとか、レモンとかだよな?
 …………マスカットジャムは、普通つけて食べないよね?」

 ガタッ

「親友、ちょっと待ちなさい。素麺には、伊予柑なりイチゴを練った素麺がある。
山菜に天ぷらもレモンをかけて食べる方もいます。
 ――マスカットジャムはそこまで可笑しくないでしょう??」

ヤジ「いや、無いと思うぞジョー。
それは、そう言う風にアレンジしてるから美味しいのであって。
お前は普通の素麺に天ぷらにマスカットジャムで包んで食べてるだけだろ。
今日のケーキに関しては、百歩譲って許すわ。
 ケーキだから果実類は普通に合うしな。

――だけど、てめぇ……たまに御飯にマスカットジャム掛けてるよな?」

俺は見逃したりしないぞ? と昏い視線が彼の中に宿っている。
 この論争には、負けてはいけない気がする……。

「――御飯の甘味と、ジャムの風味が合わさって意外と美味しいですよ?
食べてみればわかります。
 ……そう思いません? 千草さん???」

ヤジ「( ゚Д゚) 千草ちゃんを巻き込んでんじゃねぇよ!!!
おめー、これに関しては友達巻き込んで2対1の多数決で
ジョーの勝利とか無いからな!!?」


「千草さん……マスカットジャムは合いますよね??」

真剣な顔つきで、千草さんに聞いてみる。
 親友が喧しく、都合よく俺の声を無視するな! と騒ぎ立てているが
重要では無い……筈だ。

239三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 21:36:01
>>238

    「…………」

             「…………」

                      「…………」

どちらの意見も間違っていないと思います。
小林先輩は好きで、
宮田さんは好きじゃないという違いがあるだけです。
千草も肉や魚は食べられません。

「…………『ご飯』と『マスカットジャム』を、
 一緒に食べた事がないので、はっきりとは答えられません」

「でも、ご飯には何でも合いますから。
 『納豆』や『梅干』や『ノリの佃煮』が合うのと同じように」

「『納豆』を選ぶ人もいれば、『梅干』を選ぶ人もいますし、
 『ノリの佃煮』を選ぶ人もいます。
 『マスカットジャム』を選ぶ人がいても、いいと思います」

「同じ『納豆』でも、『醤油』をかける人もいれば、
 『マヨネーズ』をかける人もいます。
 『からし』を混ぜる人もいれば、
 『わさび』を混ぜる人もいます。
 『マスカットジャム』を混ぜる人がいても、いいと思います」

「ケーキに『わさび』や『からし』を乗せるのが好きな人も、
 いるかもしれませんし」

                ニコ

感覚は人それぞれ。
それでいいと思います。
お互いにケンカしないでいられたら、
それが一番だと思います。

240 小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/07(金) 22:23:31
>>239

「――親友 そう言う訳だ。謝罪してくれ」

ヤジ「(#゚Д゚) 何がそう言う訳、だ!!
おれ、絶対に謝んないからな!? ぜってー謝んないからなっ!」

「君は人の自由意思を著しく乏したんだよ?
それは『ジョジョ』と言う道を目指すとしても、ルールに反してるのでは?」

ヤジ「この論題で引き合いに出す事では無いってのー!
馬鹿、この馬鹿っ! マスカット馬鹿が!!」

罵倒はなされるものの、千草さんの前だし拳の応酬は無い。
少なくとも親友のTPOは私と同等で、友人の前で喧嘩をする気はないだろう。

ヤジ「ぜぇ ぜぇ……とりあえず、平行線を辿りそうだし話変えるか。
千草ちゃん、その先輩達って全員スタンド使いなの?」

「話題転換が急すぎるんじゃないか」

ヤジ「話の腰折らないでくれって。
まぁ、どうしてスタンド使いなのか聞き出そうとしてんのかって言うとな。
……『引力』って事しか言えないな。
スタンド使い同士が一緒にいると、自然と他のスタンド使いも
知らず知らず近くへ寄せ合うって言う説があるからさ。
千草ちゃん、多分だが大分スタンド使いの知人多いだろ?」

今は良い奴ばかりでも、先の中では悪人に出会う確率だって
高まるかも知れないからな。と彼(ヤジ)は不安さを少し口にする。

ヤジ「……千草ちゃんは、スタンド使いの組織とかどう思う?
自分に危険が及んでたら保護とかやっぱり必要かも知れないかい?」

親友は、先程の時と同じ真剣さだが。今度は至極冗談さを打ち消して尋ねてた。

241三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/07(金) 22:58:08
>>240

「ご飯に『マスカットジャム』をかける人がいれば、
 『納豆』を乗せる人もいます」

「無理に好きになる必要はないと思います。
 千草も肉や魚を食べられませんが、
 無理に食べると戻してしまうので……」

「大切なのは、相手を尊重する事だと思います。
 自分を尊重するように、
 相手の事も尊重するのが一番だと思います」

好きなものは好き、嫌いなものは嫌い。
無理に変えたり変えさせる必要はないと思います。
多分、それはとても難しい事でしょうから。

「――――答えられません」

「あの……宮田さんが信じられない訳ではないです。
 ただ、『話してもいい』という許可を頂いていません。
 ですから、お話する事は出来ません」

「ごめんなさい」

           ペコッ

「だけど……『全員』ではないと思います。
 千草が知らないだけかもしれませんが……」

「…………分かりません」

「『優しさも真面目さも、それだけでは毒にも薬にもならない』」

「――これは『猿渡先輩』に言われた言葉です」

「『一人の力なんて大したものじゃないんだから、
 もっと周りに頼った方がいい』」

「――これは『成田先輩』に言われました」

「もし誰かが困っているなら、その人を助けたいです。
 そうじゃなければ、『毒』にも『薬』にもなりません。
 でも、『一人の力』だけだと出来ない事も多いと思います。
 そんな時に、誰かと力を合わせる事が出来れば、
 きっと『解決の道』も見えてくると思います」

「千草は『立派な人』になりたいです。
 『立派な人』というのは、
 ただ心で思ったり口先だけであってはいけません。
 『立派な人』というのは、自分から行動し、
 必要な時には力を合わせる事の出来る人だと思います」

猿渡先輩と成田先輩。
お二人の言葉から、それを学びました。
それらは、きっと大事な事なんだと思います。

242 小林『リヴィング・イン・モーメント』:2020/08/08(土) 21:54:56
>>241(レス遅れ大変申し訳ありません。次レス程で〆させて頂きたいと思います)

親友(ヤジ)は、千草さんの瞳を僅かに鋭い視線で射貫きつつ
無言で、その言葉を聞き終えた。

ヤジ「――そうか」

そして、満足気に歯茎を出しながら笑った。その笑顔は何処となく
眩しそうなものを見てるかのように、羨ましさや侘しさも入り混じっている。

ヤジ「じゃあ、俺からも一つ。千草ちゃんにlessonを教えるよ。
――『立派』ってのはさ。案外自分の視点からじゃ判らないもんさ。
既に完成してると周りから思えても、自分自身じゃ不十分に思っちまうから。
だから、向かう道筋に不安を感じて立ち止まりそうな時はさ」

――目指す過程で、認められた時の事、目指す切っ掛けになった気持ちを
思い出すんだ。

ヤジ「そうすれば、また力強く一歩踏みしめられるよ。
……へへっ、らしくもねぇ事を言っちまったな」

 ってか、千草ちゃんベジタリアンか。なら、今度美味い
わらび餅とか土産にするよ。と、雰囲気を何時もの飄々とした感じに戻る。

その横顔を一瞥しつつ、私も千草さんの前に跪き、視線を合わせて告げる。

「目指す方角は、未だとても高く首が疲れるようでしたら。
一度その場所を見ずに、肩の力を抜いて周りの広さを見る事も良いのかも知れません」

「一先ず、今はプディングを食べましょう
冷めてしまえば味が勿体ありません」ニコッ

 目指す場所、望みたい願い。人それぞれだ

『ジョジョ』と言う頂きが何処へ向かうかは知れないけれど
今はこの、安らぎと言う表現が相応しい席での茶会に魂の洗濯をなそう。

243三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』:2020/08/08(土) 22:43:58
>>242

「…………そうですね」

目標を目指すきっかけになった時の事。
始まりは『死体』を見つけた事でした。
千草はベジタリアンになり、『死ぬ』のが怖くなりました。

「とても、いい事だと思います」

いくら嫌でも、人はいつか死にます。
だから、せめて『素晴らしい最期』を。
いつも、そう思っています。

「その時は、今日お二人と会った事も思い出そうと思います」

           ニコッ

誰からも尊敬されるような立派な人に。
そうすれば、きっと『素晴らしい死に方』が出来る。
それが千草の『目標』です。

「小林先輩、マスカットジャムを少し頂けますか?
 ケーキには合いそうなので……」

          パク

「――美味しいですね」

勉強も大切ですが、こうしてのんびり過ごすのも、
価値ある時間だと思います。
きっと『墓堀人』も、同じように感じている事でしょう。
小さな積み重ねが、
先に進むための『一欠けら』になってくれると、
そう信じています。

244三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/03(木) 21:52:15
ある休日の午後
部活帰りの学生や暇を持て余した学生がまばらにうろつく時間帯
スーツ姿の成人男性がデジカメを片手にうろうろしている

「学生寮の割りにすごくしっかりした建物だよねぇ
まあ、僕はずっと実家通いだったから、普通の学生寮なんて知らないんだけどねぇ」


時折、パシャパシャと建物や掲示物などを無遠慮に撮影している
腕の陰に隠れてよくは見えないが『腕章』のようなものをつけているようだが・・・・

245ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 19:28:00
>>244

離れた場所から、その姿を見つめる視線があった。
訝るような眼差し。
それを向けていたのは『人』ではなかった。

「…………」

(ここの人間――には見えないな)

(『匂い』が違う)

(――――怪しいヤツだ)

三刀屋を見ていたのは、一匹の『チワワ』だ。
『ブラックソリッド』と呼ばれる黒い毛並み。
野良ではないらしく、首輪が付いている。
名前が入っているようだが、距離があるせいで、よく見えない。
首輪には、細い『リボン』が結んであった。

246三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 21:19:33
>>245
「・・・・・?」

      キョロ   キョロ

視線を感じてあたりを見渡す
『大人』の自分がここにいる事で周囲からは好奇の目が向けられている
しかし、ここまでの『警戒心』は・・・・?

「む・・・・? なんだい、君?僕の事が気になるのかな?
気になるだろうねぇ〜〜・・・・よそ者、だからねぇ、僕は」

きょろきょろと周囲を見渡すうちに『チワワ』の存在に気が付いた
その男はズンズンと遠慮のない足取りでディーンに向かう
近づくに従って、『匂い』の違いがはっきりとし始める
『学生寮』の住人は『若者』がほとんどであるのに対し、この男は明らかに年齢が上だ
ここに来たのは初めてであるため、まったく匂いに覚えがないだろう

247ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 22:39:14
>>246

俺達から見ると、人間の年齢というのは分かりにくいが、
大体の区別ぐらいはつく。
俺が感じた『匂いの違い』というのは、それとは違っていた。
こいつの『雰囲気』は、この辺りにはそぐわない。
例えば、『教師』なんかとは種類が全く違う。
『匂い』というのは、要するに『胡散臭い』という意味だ。

(『不審者』か何かか?
 だが、その手のヤツが堂々と歩いてる事は少ない)

          スン スン

(――――だからこそ引っ掛かる)

黒いチワワは立ち止まり、鼻をひくつかせて三刀屋を見つめる。
近付いた事で、首輪に入っている名前が見えた。
『DEAN』という名前のようだ。
リボンタイのようにして、リボンが首輪に結ばれている。
首輪に比べると、リボンの方は新しかった。

248三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 22:56:41
>>247
「ワンコかー、いいねぇ
 小さくて可愛らしい動物は層を問わずに受け入れられやすいからねぇ
 ここの生徒さん達の飼い犬なのかな?」

近づいていくと、首輪に入っている名前が目に入った
首輪が付いて、誰かからの贈り物だろうか、リボンも巻かれている
『飼い主』からは随分と可愛がられていそうだ

「出来れば君も撮影しておきたいところだけど・・・
 うーん、やっぱり飼い主の許可もいるよなぁ」

近づいてみると男の『腕章』に書かれた文字が見える
『見学者』・・・・と書かれているようだ

「うーん・・・・どうかなぁ?」

手持無沙汰そうな感じで男はディーンの頭に手を伸ばした
どうやら頭を撫でようとしているようだが・・・・

249ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/04(金) 23:27:00
>>248

飼い主は見当たらなかった。
当然といえば当然の事だ。
ここで飼われている訳ではないのだから。

(『外部の人間』なのは間違いない
 大手を振って歩き回っている所を見ると、
 『許可』されてるのか……)

         スス

頭を撫でようとすると、チワワは軽く後退した。
視線は三刀屋に向けられたままだ。
露骨に攻撃的な態勢ではないが、
距離を置こうとしているように見える。

(ただ――――念の為に、
 『どんなヤツ』なのか確かめておきたい)

後ろに下がったのは、反応を見るためだ。
『万一』って事もある。
ここで暮らしている訳じゃあない俺に、
この場所を守る義務も義理もない。
だが、隣にある学校には『大事な人間』が通っている。
そいつに危険が降りかかるかもしれない可能性は、
ほんの僅かであろうと見過ごせない。

250三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/04(金) 23:43:19
>>249
    スス
         ヒョィ・・・

「おっと ハハハ、警戒されてしまったみたいだね」

伸ばした手はあえなく空を切る
なんとなく伸ばしただけの手だ、簡単に逃げられてしまった
空を泳ぐ手を見つめながら男は乾いた笑いを漏らす


「フフフ・・・」   ニヤリ


しばらく手を泳がしていたが、男の口元が少し意地悪な感じに歪んだ
ちょっとした悪戯を思いついたぞ、というような顔つきだ

「あ〜〜、残念残念、君に嫌われてしまったみたいだねぇ
 ちょっと意地でも捕まえてみたくなってきたよ」

手掌を空に向けて大げさに肩を竦めてみせる
そして・・・・・・   最後の言葉を呟き終わると・・・・

        ズギャンッ!

              ヴィジョン
おもむろに男の体から人型の『 像 』が出現した!
スタンドはゆっくりとディーンに近づくと丁寧な手つきで抱きかかえようとする ス精CB

251ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 00:27:25
>>250

          「 ! 」

『この手のヤツ』には前にも出くわした事がある。
目の前にいる男より、もっと危険なヤツだ。
驚きが少なかったのは、そのせいかもしれない。

(……『確認』するだけの価値はあったな)

     ポウッ……
              シュルルルルルルルッ

首輪に結ばれている『リボン』が淡い光を発した。
次の瞬間、『リボン』が独りでに解け、
首輪との接続を維持したまま、『人型スタンド』の足元に走る。
『高速』だ。

(俺達と人間の違いは少なくない)

(『その内の一つ』が――――)

         シュルルルルルルルルッ

発光する『リボン』が、『人型スタンド』の片足に向かう。
蛇のように絡み付こうとしているようだ。
それが成功したなら、
引っ張ってバランスを崩させたい(パス精CBC)。

(――――『安定性』の違いだ)

252三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 00:40:30
>>251

     ポウッ……
              シュルルルルルルルッ

「えッ? このワンコ・・・・・・ッ! まさかッ!」

   スッテ―――――――ンッ!

            「あ、痛―――ッ!」

男は完全に油断しきっていた!
同様のあまり、『リボン』が異様な動きを見せる様を眼で追いかける事しかできなかった
『ブラック・アンド・ホワイト』の足に絡みついた『リボン』が力を込めると
驚くほど容易にバランスを崩し、後ろ向きに尻もちをついた姿勢となる!

「ちょっ  ちょっとストップ!」

         ブォンッ!


スタンドの手が地面につくと同時に一瞬だけ地面に何か『四角い図柄』が浮かび上がった
―――――――――――その次の瞬間!

      シュタ―――――――――ンッ!

『人型スタンド』の姿勢が一瞬で変化した
先ほどまで確かに尻もちをつき、無様に体勢を崩していたスタンドだったが
一瞬にして『新たな姿勢』を取る・・・・・・ッ!


    ゴゴゴゴゴゴ・・・

両手を揃えて地面に置き、頭を床にこすりつける
人間たちの言葉でいうトコロの『土下座』・・・・最上位の謝意を示す姿勢である!

「すいませんでした―――――ッ!」

253ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 00:57:56
>>252

(『何か』出してきたな……)

     バッ

スタンドが姿勢を崩した瞬間、飛び退いて距離を取る。
それと同時に、足に絡んでいた『リボン』も、
『ブラック・アンド・ホワイト』から離れていく。
よく見ると、『リボン』の先端は『手』のような形に変化していた。

(コイツ……『一瞬』で……!?)

           ヒョイ

(どういうトリックだ……?)

近くに転がっていた小石を、『ワン・フォー・ホープ』で拾う。
『次の攻撃』に備えるためだ。
『スタンド使い』相手に油断は出来ない。

(さぁ――――『次』は何をしてくる?)

チワワは『リボン』の先に小石を握らせ、
三刀屋の様子を窺っている。
まだ警戒を緩めていないようだ。
やはり人間と犬では意思が伝わりにくいのか?

254三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 01:29:27
>>253
「うーん・・・ 困ったねぇ、この状況」

三刀屋はこうなってしまった原因について思いを馳せる
一体どうしてこんな事になってしまったのか・・・・運気の巡りあわせか、前世からの因縁か・・・
何が悪くてこんな状況に陥ってしまったのか・・・・!?


「完全に僕が悪いなぁ・・・・これ
 調子に乗ってスタンドを使っちゃったせいだよねぇ」

小石を拾うディーンの姿を見る
道具を使うとはなかなか賢いワンコだ
『土下座』に反応がないのは、絶対ぇ許さないという意思の表れか
それとも、人間の慣習なんて知ったこっちゃねぇというわけか

「仕方がない・・・・・やるしかない、か!」

        ゴロン・・・


三刀屋は尻もちをついた姿勢からさらに大きく後ろにのけぞる!
背中を地面につけ、四肢を空中に浮かばせる・・・・・この『ポーズ』は・・・・!?

「腹出し降参・・・・これが僕に出来る最大の謝意だ・・・・!」


    クスクスクス・・・・・ナニアレー

傍から見ると犬に向かって急に腹出し降参する怪しいおっさんだ
遠くの方から聞こえる嘲笑が耳に痛い
スタンドは三刀屋とディーンの間で土下座姿勢を続けている・・・・

255ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 20:25:23
>>254

(さぁ、次は……)

          (何を…………)

                    (………………)

ポーズを変えた三刀屋を油断なく見ていたが、
妙な雲行きになってきた事を悟る。
『地に伏した姿勢』は『何かの準備』で、
そこから仕掛けてくるのかと考えていた。
だが、そうではない……のか……?

     トトトトト…………

三刀屋に近付く。
そして、その周囲をゆっくりと回る。
危険がないかどうかを確かめているかのように。

        《――――――おい》

唐突に、三刀屋の死角から『声』が聞こえた。
肉声ではなく、『スタンドを通した声』だ。
視線が届かない頭の上の方から聞こえてくる。

256三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 20:49:26
>>255
(さて・・・・どうくるかな・・・・?)

『B&W』はどんな姿勢からでも『次の行動』を起こせるスタンドだ
例え『土下座』をしていたとしても次の瞬間には行動を起こす事ができる
もし・・・・『このワンコ』が攻撃態勢を崩さずに、本格的なスタンド攻撃をするようなら
身を守るために次の『コマ』を用意する必要があるが・・・・・

(とはいえ・・・流石に人様の『飼い犬』をいじめるのはコンプライアンス的にヤバイからねぇ
 その手は最後の手段にしておきたいけど・・・・お?)

「見てるねぇ・・・僕に君をいじめる意思はないよぅ・・・
 ほら、スタンドもこの通り『身動きが取れない』からねぇ・・・」

――――嘘だ
この姿勢からでも攻撃が出来る事を隠し、ディーンに語り掛ける
この言葉が犬に届くかどうかは知らないけれども

>        《――――――おい》

『おっと、なんだい? 僕は今、ワンコに謝るのに忙しいのだけどねぇ』

死角から声が聞こえた スタンドを使って言葉を返す
犬の飼い主かな、などという事を思いながら首を後屈させて視線を向けた

257ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 21:10:56
>>256

《『身動きが取れない』だと?》
 
《縛られてもいないのにか?》

《いや、それより――――》

目線を向けた先にいるのは、先程のチワワだった。
飼い主の姿など、どこにもない。
他に『スタンド』がいる気配もない。

《俺は、お前が『一瞬で体勢を変えるのを見た』》
 
《見え透いたハッタリだな》

『チワワ』だ。
この言葉は『チワワから』発せられている。
正確には、『リボン』から聞こえてくるようだが……。

《『四速歩行を捨てて得たモノ』がソレじゃあ、割に合わないぜ》

258三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 21:21:03
>>257
『ハハハ・・・・・やっぱりバレてたか』
「よっと!」

ずっと『降参のポーズ』を取るのは腹筋がつらい
前に向かって重心を倒し、胡坐姿勢をとる
同時にスタンドを手元に戻して同じような体勢をとった

『この言葉は・・・・君が話していると判断していいのかな?
 凄いね、超能力、ワンコと会話することもできるなんてね
 まるで「漫画」みたいな状況だよ』

犬と会話をする、という異常事態をすんなりと受け入れているのは
フィクション慣れしているおかげだろうか
ディーンと向かい合うように話をし始める

『急にスタンドを使って悪かったね、ごめんよ
 よければ・・・・これ以上攻撃をしないでくれると嬉しいのだけどねぇ』

259ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 21:46:24
>>258

《お前が何もしなけりゃ俺も手を出さない》

《『相互不干渉』ってヤツだ》

『話し方』から見て、このチワワはオスの成犬らしい。
その『声』は、外見とは真逆の印象を与える。
明確な意志を感じる『声』だ。

《普段からそんな事をしている訳じゃあないだろうな?》

《前にも『同じような目』に遭った事がある》

《街中で『妙なスタンド使い』に出くわした》

以前、『妙なスタンド使い』に追いかけられた事がある。
あの時は『ヨシエ』が一緒だった。
だから、余計に悪かった。

《その時に比べれば、さっきのはマシな方だ》

《もちろん『やっていい』って意味じゃあないが》

260三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 22:01:17
>>259
(可愛らしい外見に見合わず、随分と・・・ハードボイルドな感じの声だね
 ま、可愛いかどうかなんて人間様の主観でしかないわけだけどねぇ)

ディーンの口調に対して『寸評』を思う

『へぇ、それはまたお気の毒な事にね
 僕たちのような「スタンド使い」は変わり者が多いみたいだから・・・・災難だ』

今までに出会ったスタンド使い達を思い出す・・・
自分の原稿を燃やす男、暑さに倒れるアリス・・・・うん、変な連中ばかりだ

『僕は「まともな方」だよ、たぶん
 さっきのは・・・・そう、君の姿を撮影したくて、ね』

手に持ったカメラを掲げる

261ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 22:31:23
>>260

《あまり見かけないが、持ってるヤツを見た事はある》

《『撮る』のは『それ』じゃなくてもいいらしいな》

持ち上げられたカメラを一瞥する。
人間は『機械』という道具を使う。
街で一番多く見かけるのは、片手で持てるサイズのヤツだ。
そこら中で、それを弄っている人間を目にする。
『ヨシエ』も『それ』を持っている。

《それで気が済むんなら好きにしろ》

《撮られると寿命が縮むんじゃなければ勝手に撮ればいい》

《そういうのは初めてじゃない》

以前、公園で『トモヨ』という『筆のスタンド使い』に出会った。
その時も、何枚か写真を撮られたのだ。
『デジタルカメラ』ではなく、『スマホのカメラ』だったが。

        シュルルルルルッ

再び『リボン』が独りでに動き、元のように首元に結ばれた。
『ワン・フォー・ホープ』は『実体化スタンド』だ。
『撮っていい』とは言ったが、『スタンド』を曝すつもりはない。

262三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 22:40:48
>>261
『警戒心が強いねぇ
 人に飼われているならもう少し気を抜いてもいいんじゃないかな?
 疲れるでしょ、そんなに肩ひじ張ってると』

お言葉に甘えてカメラを構える
さて・・・先ほどまではディーンの可愛らしい様を撮ろうとしていたけれど、
その人柄(・・・犬柄?)を知ってしまうとそうもいかない

『ご本人の許可も得られたみたいだし、それじゃあ遠慮なく』

         パシャッ!

精悍なオーラのようなものを写真から感じる
他者の評価はともかく、少なくとも三刀屋にはそんな雰囲気を感じた

『オッケー! ありがとう、大事に使わせてもらうよ』

263ディーン『ワン・フォー・ホープ』:2020/09/05(土) 23:22:09
>>262

《『野良の身』は自分の事だけ考えてりゃあいい》

『野良』は強い者だけが生き残れる世界だ。
元々『売り物』だったヤツが、
その世界に適応できる筈はなかった。
捨てられた俺は衰弱し、くたばる一歩手前だった。

《だが、今の俺はそうもいかないんだ》

《俺の警戒は『俺自身のため』じゃないのさ》

それに比べれば、今の生活は恵まれてる。
『ヨシエ』に救われると同時に、俺は一つの『使命』を得た。
『守るべき者のために注意を払う』というのは、
野良には不要な事だ。

    《余計な事を話しちまったな》

              《俺は帰る》

    トトトトト…………

そう言い、チワワは三刀屋から離れていく。
その方向は、清月館とは逆の方向だった。
ここで飼われているのではないらしい。

              ピタ

  《もし『鎖のスタンド使い』を見かけたら気を付けろ》

      《そいつからは『妙な匂い』がした》

          《――――じゃあな》

その言葉を最後に、『リボン』から光が消えた。
『スタンド』を解除したようだ。
そして、チワワは敷地内から立ち去っていく――――。

264三刀屋『ブラック・アンド・ホワイト』:2020/09/05(土) 23:38:02
>>263
『ほうほう、それはやはり君の主人の・・・・おっと』

歩き去るチワワの後姿を見送る
会話はこれで終わり、といった感じか

「ハードボイルドなワンコだったねぇ・・・
 ハハ、まるで『騎士』のような武骨な強さだ」

      ピタ

チワワの歩みが止まる、その姿を視線に留めながら
『捨て台詞』を聞き留めた

『「鎖のスタンド使い」・・・・・・?
 僕はまだ遭遇した事はないけど・・・まあいい、ご忠告に感謝するよ!
 「君たち」の今後の安全を祈ってる!』

「さて・・・・僕もそろそろ行こうか・・・・あ」

今度こそチワワを見送ると立ち上がり、この場を離れようとする
立ち上がった瞬間に先ほどまでの三刀屋の『奇行』を遠巻きに見ていた学生たちと目が合い・・・

気まずい思いをしながらこの場から去っていった

265?????『??ー?・??ー?ー』:2020/10/29(木) 00:27:41
午後。部活に熱心な学生や、素行の悪いやつでもなければ、
ぼちぼち清月館に帰っている時刻……

 「皆様、ハロウィンでございますよ」
 「お菓子をつくりました 
  シフォンケーキがあります タルトも焼きました」
  チョコレートのクッキーもたくさん! 」
 「紅茶とソーダ水も!」

食堂から学生ではなさそうな『漢』の声。焼き菓子の香り。

 「さあ俺に『トリックオアトリート』と!!!!」

 「いたずらをするぞと、脅すのです!俺を!!!!!!!!!」
 「かかってきてくださいませ!!!!………にゃ!」

266夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 01:08:19
>>265

初めて『ヤツの存在』を知ったのは、
いつかの『パーティー』の時だ。
その後、我々は懸命に『ヤツ』を追い続けた。
しかし、手掛かりは一向に見つからない。
半ば諦めかけていた時、
匿名の提供者によって有力な情報がもたらされる。
微かな希望を胸に秘め、我々は現地に飛び立った!!

  ババッ

   「トリック――――」

      ダダダダダダダダダッ

          「オア――――」

             ダダダダダダダダダッ

       「――――トリートォォォォォォォォォォッ!!」

適当に調達してきた『白い布』を頭から被って、
全力で声の方向へ突っ込む。
ビビれ!!
ここであったが100ねんめ。
たとえソラからウサギがふってこようとも、
きょうこそはゼッタイににがさん。
この『マフラー』と『テブクロ』のレイをしてやるぜ!!

267常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/29(木) 01:52:58
中央のテーブルに、
小麦粉とか砂糖とかバターで作るタイプの洋菓子がたくさん並べられている。
奥の厨房では、オーブンがごぉんごぉんと音を立てながら何かを焼いている。

顔には『眼帯』。
頭には、『白い猫耳』。
小麦粉やらで汚れたエプロン、
フリルでふりふりのワンピース…
…『メイド服』。

そんな服装の『筋肉質で大柄な漢』が皿や飲み物を並べている。

>>266(夢見ヶ崎)
匿名の提供者から噂を聞いたりしただろうか?
『学生寮に、変態メイドムキムキ怪人が出る』と。

そんなわけで、君の視線の先には、お目当ての『ヤツ』が。

 「……わあッ!!!!危ないですよ!!!!!!!」
 「そんな恰好で走って……転んだら大変です」
 「心配しますよ俺は!!!!!」

268夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 02:26:28
>>267

それは『たまたま』だった。
いつも通り、
『ドクター・ブラインド』を出して『情報収集』していたら、
ある『噂話』を耳にしたのだ。
この『匿名情報』を元に、手近な布を引っ掴み、
『現場』に急行したという経緯だった。

「『ころぶ』だとォ〜〜〜??
 いいや!!わたしにかぎってソレはないね!!」

「ナゼなら――――わたしが『アリス』だからだ!!」

布で視界が利かない状態ではあるが、
『見えない世界』には慣れている。
さらに、突撃を敢行する前に、
『ドクター・ブラインド』を発現しておいた。
たとえ見えていなくとも、『超人的聴覚』によって、
『距離感』は完璧に掴んでいるのだ。

          ピタァッ

「『アリス・イン・ハロウィンスペシャル』!!
 『ナゾのカイキセイブツ』をおえ!!
 チョウサハンのカメラがとらえた、
 ショウゲキのエイゾウとは!?
 こんせいきさいだいのミステリーが、
 こんやときあかされる!!」

           ――――ガバァッ!!

『ターゲット』の寸前で立ち止まり、
被っていた布を自ら剥ぎ取る。
フダンは1ジカンだが、スポンサーのゴコウイにより、
2ジカンのトクバンだ!!
ちなみに『ショウゲキエイゾウ』は、
ばんぐみがおわるころにCMはさんででるぞ。

「ついに……ついにみつけた……!!」

「――――『レイのオトコ』!!」

               バッ

「おっと、カンシキから『ショウコヒン』がとどいたようだ。
 キミ、『コレ』にみにおぼえがあるね??
 もういいのがれはできんぞ!!」

両手に『爪』を持つ『盲目のスタンド』を背後に立たせつつ、
首に巻いた『マフラー』と両手の『手袋』を見せる。
どちらも『手編み』らしい。
ハートマークや猫が編み込まれたキュートな柄だ。
端的に言えば、『見覚え』があるデザインだった。

269常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/29(木) 03:43:02
>>268
>――――ガバァッ!!

 「むっっ!! お顔を存じ上げておりますよ!
  以前に催し物にてお会いしましたね」

 「改めて、『常原大和(つねはら やまと)』と申します 
  お見知りおきを」

 「手袋とマフラーも、覚えております」
 「プレゼント交換のために俺が用意いたしたものですね」

謎の怪奇メイド生物は名乗ったうえでお辞儀をした。
他の生物に対する敵意はないようだ。
人間の顔を覚える程度の知能も有している様子。
『盲目のスタンド』にちらりと目をやったのが見えた、
どうやらこの未確認不明メイドもスタンド使いみたいだ。

 「………あっ忘れておりました。ごほん」

咳払い。わざとらしく猫耳を触る。
  
 「……いたずらは怖いニャ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
 「おかしをいっぱい食べていいですニャ〜〜〜〜〜!!!!!!!!」

大げさに驚いている。
声が大きい。目を見開いている。

270夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 04:13:21
>>269

「『夢見ヶ崎明日美』!!だ!!
 トモダチからは『ユメミン』って呼ばれてるけど、
 『アリス』と呼んでもいいぞ!!」

「あ!!コレ、ありがとうございました。
 これからサムくなってくるから、つかわせてもらいますね」

礼儀正しく頭を下げて、お礼を言っておこう。
頭が高い!!
ぐたいにてきに、どれくらいたかいんだろうか??
『100g5000エン』くらい??
そりゃコウキュウヒンだな!!
きっと『コクサン』だ!!
てがるな『ユニュウモノ』とちがって、
しっかりとアブラがのってるうえに、
サッパリしたクチあたりなんだろうな〜〜〜。

「どうだ、コワいだろう!!
 フハハッ!!イタズラしちゃうぞ〜〜〜!!」

       ジリッ
             ジリッ

さて、ナニをしてやろうか…………。
そのスカートをめくってやるってのはどうだ??
いや、それはコッチがコワくなるから、
やめといたほうがみのためだな!!

「――――と、おもったけど、
 きょうのトコロはオカシでガマンしてやろう。
 ウンがよかったな、コネコちゃん」

「でも、わたしはアジにはウルサイほうだぞ。
 なんつったって『グルメ』だからな〜〜〜」

              スタスタスタスタスタ

お菓子が並べられている所に歩いていって、
おもむろに手を伸ばす。
とりあえずチョコクッキーでも齧ろう。
ついでに自分に『超人的味覚』を移植し、味をチェックする。

271常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/29(木) 23:15:09
 「ふーーむ」
 「たくさん作ったのに。食べにくる人が少ないです」
 「怖いことでもあるんでしょうか?」
 「確かに俺は、ちょっぴり異様かもしれませんが。猫耳メイドですし…」
 「でも!お菓子ですよ!!!!お菓子!!!」
 「さあ俺にイタズラを!!!!!」
 「さあそこのお嬢様!!!お坊ちゃま!!」 

食堂の外に顔を出す筋肉猫耳眼帯メイド男。
もう数人来てほしいなーーーーー!!!!!


>>270
 「ええ。汚れたら洗濯機ではなく手洗いしてくださいね。
  渡してくだされば俺が洗いますが」
 
君はメイド漢ににじり寄ってみる。
常原はむちむち(筋肉)だ。おっぱい(筋肉)も大きい。
スカートの下もたいそう肉感的であることが予想できる。

 「ええ、ええ。怖いです…ニャ!!」
 「お好きなものをお好きなだけどうぞ!」

洋菓子がたくさんある。
PL的が描写を面倒くさがっているので、
君の好きなもの(あるは嫌いなもの)を
自由に描写して食べたり持ち帰ったりしていいよ。

チョコクッキーは、
『滅茶苦茶バターとかチョコが入ってる、脂がノリまくってる味』だった。
おいしいと言えばおいしいのだが、サッパリした口当たりではない。
好みが分かれそうだが、君はお気に召しただろうか?

272夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/29(木) 23:40:51
>>271

「そうだ!!
 いまなら『このコネコちゃん』にイタズラしほうだい!!
 『フリータイム300エン』でイイぞ!!」

『クッキー』を食いながら、
『メイド』の横から『アリス』が顔を出す。
今ここに、
ファンシーかつエキセントリックな世界観が構築された。
さぁ、みんな!!このセカイにとびこんでくるんだ!!

      サクサクサク

「こ、これは!!」

「イブクロにガツンとくるノウコウなアジワイ!!
 トウブンがゼンシンをかけぬけていくカンカク!!
 『アレ』とか『コレ』がテンコモリ…………!!」


「つかれたときには、このイチマイ!!
 ナントカカントカ1000mgはいごう!!
 きんじつシンハツバイ!!」

            ムッシャムッシャ

「あぁ〜〜〜おいしいなぁ〜〜〜!!
 こんなおいしいオカシたべたコトないなぁ〜〜〜!!
 コレが『タダ』で『たべほうだい』だなんて、
 しんじられないなぁ〜〜〜!!」

『ドクター・ブラインド』で取ってきた『タルト』を片手に、
外に向かって声を張り上げる。
ダレかこないかな??
さぁ、カモン!!

273霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/10/30(金) 01:19:26
>>271
>>272

食堂の外にひょっこり顔を出したチャーミーな君らのすぐ隣。
…そこに、白いウィンドブレーカーを着た少女がいた。さっきから、盗み聞きをされていたようだ。



「………………………………チッ」

「…あっ いや食べ放題とか大丈夫です 二つで十分です 」
「…あとキモイし 暑苦しいし 近寄らないで欲しいです…… 」


(甘い匂いに寄せられてやって来てみたら…デカイ変なのがいて近寄りづらかったから…)

(もう一人の変なのと楽しそうにしているウチにこっそり侵入して…適当に盗んでいく予定だったケド…)



 「…バレたなら、しょうがないや…」

    ………シュタタターーッ!!!
          「ダッシュで取って逃げよう…ッ!」


こいつらに付き合ってると疲れが溜まりそうなんで、強行突破。
不意打ちでメイド服のワキの下をくぐって、食堂中央に走り抜けようと試みる。
狙うお菓子は…とにかく一番近い所にあるから……あの『※※※※』だッ!(←※常原に任せる。マジ何でもいいよ)

274常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/30(金) 01:53:53
「さあいたずらを!!!!この俺に!!!!」

>>272(夢見ヶ崎)
 「フリータイム300円……いいえ!!!!」
 「愛はプライスレス!!!!!!」

常原、腕を広げる。
人を襲う前の熊みたいな威容だ。

 「フリーハグですよ!!!!!さあ俺の胸に!!!!」


  「……ありがとうございます!」
  「そういえば、カワイイお召し物ですね!」
 メイド男は小声で君に礼を言っている。
 ファンシーな服装も気になっているようだ。

>>273(霜降)
 「うおおおおおおおおおおおおさあ俺の胸に!!!!!!」

 腕を広げて鳴いているデカい変な生物の横を、
 
>    ………シュタタターーッ!!!

 「あれっ!?!?!?!?!?」

 君は走り抜ける!
 そして、『オレンジ色のシフォンケーキ』を手づかみに!
 大きめにカットされている。ケーキなのにズッシリ重い。
 
 「カボチャをどっさりと混ぜてあります」
 「あとその他いろいろ配合」
 「さあお食べ…お食べ…」

 「…大丈夫ですよ…近寄りません 怖くない、怖くない…」

 メイド男は猫でもあやすような口調だ。

275霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/10/30(金) 02:19:19
>>274

「…重 いや重ッ…!」

でっかい…何がシフォンケーキだ…遠近法に騙された…レンガとかコンクリートブロックのサイズ感だ…
そして重い…何が入ってるんだ…フワフワな見た目に騙された…たぶん余裕で二キロはある…

「…おやつをいただきに来たのに…これは…『レーション』…」

三時のおやつにはちょっと無理だ…空挺兵がヘリの中で食べるボリューム感だ…
誤算だった……エモノがヘビー級過ぎてマトモに身動きできない…あとメイド服の体が大きくて…逃げ切る自信無い…!


 「…どけーッ キモ耳ーッ!」
  「…………みゃーッ!」

シフォンケーキを投擲する構えで、メイド服を威嚇している。
彼女の隣にいつのまにか、氷像のような獣のスタンド。ケモミミ仲間だね。

276夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/30(金) 02:33:40
>>273-274

「フフッ、ミズくさいな。わたしとアンタのナカだろ??
 『5ねんまえ』をおもいだすな……。
 ドジふんでピンチになっていたわたしが、
 アンタにたすけられて……」

何かを成し遂げたような表情で目を閉じ、
捏造した記憶に思いを馳せる。
いつの間にか『お客』がやって来ていたようだ。
ようこそユメとフシギのセカイへ!!

「ッ!?『ヤマト』がぬかれただと!?
 あの『はやさ』は、まさか…………!!」

「――――『ダッシュしてとおりぬけた』ッ!!」

     バァァァァァ――――――ンッ!!

「クソッ!!イッパイくわされたか!!」

               ダダダダダッ

特に意味もなく、お菓子を狙う少女の後に続いて駆け出す。
狙うのは同じく『シフォンケーキ』だ。
手近なフォークを手に取り、ブスッと刺して食おう。

        ムッシャ ムッシャ ムッシャ

『超人的味覚』があるので『色々』の詳細も分かるが、
めんどくさいので説明は省く。
まぁ、ウマイだろう!!
『ハロウィン』といえば『カボチャ』。
これをくわずして『ハロウィン』はかたれない。
つまり、『カボチャをせいするモノ』こそが、
『ハロウィンをせいする』のだ!!

>>275

「――――まぁまぁ。
 コイツはたしかにみためは『アレ』だけど、
 こうみえて、いがいとイイヤツだから!!
 わたしにめんじて、
 ゆるしてやってもらうってコトでヒトツどう??」

重いケーキを口いっぱいに頬張りながら、
二人の間に割って入る。
その隣には両手にメスのような『爪』を持つ『人型スタンド』。
特に構えたりはしていないので、投擲されたら、
そのまま当たりそうだ。

277常原ヤマト『ドリーム・ウィーバー』:2020/10/30(金) 03:04:58
>お嬢様ふたり

「……」

「……にゃッ お嬢様がた、お止めください!!」
「刃物や拳銃を向けあうような行為!!あぶないです!!」
「俺のために争うのはおやめください!!悲しいです俺はにゃ!!」

「食堂は皆の場所です…
 迷惑で勝手な行為はだめですにゃ!!!」

食堂にて迷惑で勝手している眼帯猫耳がなんか言っている。


>>275(霜降)
シフォンケーキからバターの香りもする。粉砂糖も降ってある。
そもそもカボチャや小麦粉は炭水化物だ。
カロリーがめちゃめちゃ高そう。
雪山での携行食とかに良さそうだね。

「いえいえ…大丈夫です…ほら、俺は道を開けますよ…!」

キモ猫耳漢は脇に行ってくれた。
カラフルなスタンド使い女子が君の前に立ちふさがってしまったが。


>>276(夢見ヶ崎)
シフォンケーキを君は食う。
みっっっっっしりした噛み応え。羊羹みたい。
黒糖とか、無塩バターとか、シナモンとか
プロテイン、亜鉛、そういう色々が入っているのが君には解る。

「いちメイドのためにそこまでおっしゃって…」
「申し訳ありません…しかしとにかく『大丈夫』…大丈夫です…にゃ!」

278夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/10/30(金) 03:41:25
>>277

意外ッ!!
『シフォンケーキ』のフンワリした食感など皆無!!
『羊羹』のようなしっかりした歯応えが口の中に広がる!!

     ムッシャムッシャ
                ムッシャムッシャ

まるで『ヨウカン』みたいな『シフォンケーキ』……。
いや、まて……コレはホントウに『シフォンケーキ』か??
ワレワレはおおきなオモイチガイをしていたようだ。
ナゾはとけた……!!
コレは『ヨウカン』だ!!
『ヨウカンみたいなケーキ』ではなく、
『ケーキみたいなヨウカン』……!!
なづけよう!!『シフォンようかん』!!

          「 ! ! 」

   「そうだったニャ……。
    ここはミンナがつかうバショだニャ……。
    ヒトとしてたいせつなナニカを、
    わすれてしまうトコロだったニャ……」

その代わりに、
『人としての言葉遣い』を忘れてしまったようだ。
後ろに控える『メイド男』の影響かもしれない。
あるいは、このクウカンにマンエンしているであろう、
なんらかの『チョーエネルギー』がゲンインか??

「きにしなくてもいいニャ。
 ヤマトはトモダチだニャ。
 トモダチをかばうのはあたりまえのコトだニャ」

       ササッ

「あらそうのはカナシイことだニャ。
 だから、キミのジャマはしないニャ」

ヤマトに倣い、同じように横に退けた。
同時に、さりげなく投擲の射線からも逃れておく。
『アリス』は、つねに『ぬけめ』がないのだ。

279霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/10/30(金) 18:16:35
>>277-278

「…ありがと…『コレ』は、持ち帰りにさせてもらうみゃぁッ……」

キモ耳のためというか…キモ耳と戦ってるつもりだったが…
…逃げ道を空けてくれた以上……無理なケンカをするつもりはない…投擲姿勢は解く…
変人たちの気が突然変わらんとも言えないので、背中を向ける気は無いが…

どっしりした質感…表面を保護する粉砂糖…バターとカボチャとスパイスの重層的な香り…
自分のことをふわふわシフォンケーキと勘違いしたシュトーレンじゃないか?
賞味期限二か月は踏ん張ってくれそうな気配がある『コレ』は、薄切りで少しずつ頂くとしよう…


…しかしッ!

 「…二つって、言った…!」
  「…おやつ時の女子に 二言は無いッ!」

宣言通り、もう一個何か頂いていこう、近くににある何かをわし掴むっ!
たぶん今度こそふわふわスイーツのはずだッ!

 「ニゃーッ!」
        ガシッ

…!? これは…『〇〇〇〇』!(←常原に任せる。菓子どころか食べ物じゃなくてもいいよ。)

280夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/11/01(日) 03:13:11
>>279(霜降)

        ガシィッ!

宣言と共に掴み取ったのは、『何か大きな塊』だった。
これは…………『クッション』?
しかし、何故クッションが『皿の上』に…………?

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

いや!これはクッションなどではない!!
これは――――『マシュマロ』だッ!!
信じがたい程の『巨大なマシュマロ』!
確かに『フワフワ』ではあるが……
『ハロウィン』というイベントに相応しく、
『モンスター』じみた規格外の大きさだ!!
この圧倒的な体積は通常サイズの『十倍』は下らないッ!!

「フフフフフ、ユイショただしい『ハロウィンけんてい』。
 セカイで666人しかいない『じゅん2きゅう』をもつ、
 このわたしのでばんのようだニャ!!」

   ドシュゥッ!

            ドババババァ――――――ッ!!

『ドクター・ブラインド』が高速で爪を振るう!
外科手術を思わせる精密な動きで、
『お化けマシュマロ』を細切れにカットするッ!
さらに、バラバラにしたコイツをフクロにつめてやる!!
リボンでフクロのクチをとじて、
『オバケたいじ』カンリョウだ!!
ついでにイッコもらっといた!!

「――――『ひとくちサイズ』だ!!フハハッ!!」

            ズイッ

袋詰めにしてラッピングしたマシュマロを差し出す。
一個だけ取ったマシュマロの欠片を、
『ドクター・ブラインド』が投げ上げて、
それを自分の口でキャッチして食べた。
フム、なめらかなしたざわりだ。

281霜降 寒夜『ヘパティカ』:2020/11/01(日) 17:19:27
>>280
掴み取ったのは…


  ズムーーーーーーーーッッッ!

戦慄的なバケモノマシュマロだった。



「えっ…ナニコレ…イヤだ…」
夢みたいな見た目に反したリアル感のある重量が凄いイヤ。
もっとこう…お菓子には、夢が詰まっていてほしい…
コレに詰まっているのは暴力的なカロリーではないか……


     > ドババババァ――――――ッ!!

>「――――『ひとくちサイズ』だ!!フハハッ!!」


「うワッ…」
  「…おー…」

突然振るわれた『メス爪』に驚いたが…やるじゃん謎の女の子。アブナイけど見直した…
そうだそうだ、ちっちゃいほうがカワイイ。ステキな個包装の気配りが嬉しい…
とにかく盛れば良いみたいな甘い考えのキモ耳メイドも見習って欲しい。



 「サンキューNo.666…資格保有者は伊達じゃないね…」

…自分のフードに放り込んどこ。
あと、ポッケに入れてた『パインフエラムネアメ』を取り出し…

ガサ…

 「…これあげるッ」
         ヒュンッ

無防備なアリスに投擲。
個包装のマシュマロの分のお礼だ。あの素早い『メス爪』ならキャッチできるだろう…
その隙に逃走。おやつ二つの目標は達成した。さよなら。




    ノシ…ノシ…

…彼女が解除し忘れた『氷像の獣』が、逃走した主の後にゆっくり(スD)付いていく…

282夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』:2020/11/01(日) 21:51:42
>>281

「いや〜〜〜このシカクをとるのはタイヘンだったよ〜〜〜。
 ベンキョウに5ねん。テストに5ねん。
 さらに、けっかハッピョウまでに5ねん。
 おもいだすなぁ〜〜〜」

「さいごのシケンは、いちやのあいだに、
 たくさんオカシをゲットしてくるっていうナイヨウだった!!
 おそいかかるジャックオーランタンのむれ。
 コウカツなマジョたちのしかけるワナ。
 そして、おそるべきアクマのアマいユウワク…………。
 かずかずのコンナンのはてに、わたしは、
 『ハロウィンにんていしょう(じゅん2きゅう)』を、
 みごとにてにいれたのだ!!」

「ハロウィンのときにコレをみせれば、
 もらえるオカシのりょうが『30%アップ』するぞ!!
 おみせでオカシをかうときも『30%オフ』になるんだ。
 『ハロウィンげんてい』で!!」

        ヒュンッ

            ――――パシィッ

「コレは…………!!
 マボロシのイッピンといわれる『パインフエラムネアメ』!!
 あまりにもウマすぎてキケンだというコトで、
 ゼンメンキンシにするホウアンが、
 ひそかにキョウギされているという…………!!
 まさか、こんなブツをかくしもっていたとは…………」

コクミンのケンリのシンガイだ!!
セイフのオウボウにたちむかうため、ワレワレは、
『パインフエラムネアメレジスタンス』をケッセイした。
のちにおこったタタカイは、ヒトビトから、
『だいいちじパインフエラムネアメせんそう』とよばれ、
『ハロウィンけんていにんていきょうかい』せつりつの、
イチインになったともいわれている!!

           ピー ピー ピー

素早くキャッチした『パインフエラムネアメ』を吹いて、
音を鳴らす。
そうして遊んでいると、
『氷像の獣』がノシノシ去っていくのが見えた。
これは…………
あらたな『フシギ』のケハイがするな…………!!

「『アリス・イン・ハロウィンスペシャル』!!
 カメラがとらえた『ナゾのカイキセイブツ』は、
 デンセツとされていた『コオリのケモノ』だった!!
 どうじにモクゲキされたショウジョのショウタイとは!?
 うかびあがるあらたなナゾ…………!!
 われわれチョウサハンは、
 こんごもツイセキをゾッコウする!!」

          ノソ……
                 
               ノソ……

うしろからノソノソついていく!!
『ショウゲキエイゾウ』もでたところで、
きょうはそろそろ『エンディング』だ。
らいしゅうもみてくれよな!!

283甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/12/19(土) 12:51:19
「もーいーくつ寝るーとーおー正月ー…」

つまらなそうに歌いながら広間を掃き掃除している。
なんとなくボランティアで掃除しに来てみたが、これが存外つまらなかった。
もう投げ出して帰ってゲームしたい気分だ

284甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2020/12/19(土) 20:24:31
「ほな、帰るわ」

適当に散らかして帰る事にした

「やーがてーほしがふるー
  ほしがふるーころー…」

285斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/17(日) 01:43:03

 「……」

『談話室』にて『座頭市Blu-ray』を内心喜々として再生する学生は……斑鳩 翔!
めくらの男が逆手に握った刀を疾風の如く一閃すれば、後に一瞬の間と静寂が残るのみ
 
 (実践に使う機会は無いが、これが技術だけの動きというから素晴らしいな……)

休みの昼間、偶には膝上に猫を乗せながら鑑賞するのも悪くない。

 (どうにか優位に取り入れられんかな。)

286氷山『エド・サンズ』:2021/01/17(日) 21:02:05
>>285

休日の昼、学生寮の中をふらふらと歩いていた
氷山は寮に住んでいるわけではないが、ちょっとした用事のために寮に来ていた

  シャーン   ズパンッ

「あれ? この音は・・・・・」

不意に談話室の方から聞き覚えのある『音』が聞こえてきた
家にあったDVDを何度も何度も繰り返し再生した覚えてしまった『音』だ
それは、人が斬られ、障子が破られ、血が流れる、そして最後には静寂が残る、そんな『音』だ

「斑鳩先輩」

談話室にいた先輩に後ろから声をかける
猫が逃げてしまわないように小さな声で

「懐かしい映画ですね」

287斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/18(月) 01:32:19
>>286

 「――そういう君は後輩の氷山ちゃん。」

膝に乗せた猫は気だるげに欠伸を一つ、訪問者をねめあげる
猫という生き物はえてしてふてぶてしいものだ、自分の脚を
専用の座布団だと思っているに違いない

かくいう自分も談話室を占拠するのはどうかと思うが
再生機器が有るのが此処くらいしか思いつかなかった。

 「だっけ?何時ぞやは世話になったね。」

 「興味あるの、コレ?」

288氷山『エド・サンズ』:2021/01/18(月) 18:01:15
>>287

「どうも、焼き肉の時以来です」

周りの人間たちの事情など一顧だにせずに暢気な欠伸をあげる猫と目が合った
この空間の小さな主に軽く手を振り、挨拶がわりとした

テレビでは『金髪の男』がミニマルな動きで刀を抜く姿を映している

「大好きな映画なんですよ、これ
 ずっと昔の・・・・子供の頃に家で見た映画なんですけどね
 殺陣のシーンがかっこよくて何度も見ちゃいまして・・・・」


『男』が刀を振るう
軽い動きで振るわれた斬撃の軌跡が人間の身体をなぞり
ある意味コミカルな動きで、軽々しく人体のパーツが落ちていく
血が湯水のごとく流れ、命が砂のように軽く散っていく
上映当時に『R-15』指定を受けるのも納得の描写だ

「今見ると結構グロいですね」

289斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/18(月) 21:14:47
>>288

 「……ああ、君の精神の形はああだったな」
 「ひとつ納得した。」

猫は目を細めると、喉から不気味な音を発し始め
それを合図にするかのように斑鳩も顎を撫でる。

 「しかしグロさだけで目が離せないわけじゃないな
 演技という『嘘』でも、ここまで人を惹きつけるような動きとシーンを作れる」

軽く頷いて視線を戻す。

 「高い評価を受けるわけだ。」



 「そういえばどうだい、その後
 何か『そういう件』で絡まれたりとか。」

290氷山『エド・サンズ』:2021/01/18(月) 22:01:02
>>289

「私にとっては『原点』・・・・みたいなものなんですよね、この映画は」

場面は移り変わる
勢い良く流れ落ちる白雨が画のコントラストを変える
『動』から『静』へと、そしてまた『動』へと、場のテンポが変わり続ける

「『嘘』で造られているとはいえ、役者さんの想いは『本物』ですからね
 本物の想いから生まれたのであれば、皆の心を動かすような凄いものになりますよ」
「・・・・とは言っても演技が駄目だったら、心に届くこともないんですけどね」

談話室を見回し、近くにあった椅子を引いてくる
いくらかの距離をあけて、斑鳩の隣に座った

「『そういう件』・・・・・?
 あー・・・・私の方はとくになかったですね
『アリーナ』の人達に誘われて『新年会』にお呼ばれもしたんですけど」

「うん、一抹くんに会ったりしたくらいでした」

291斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/19(火) 00:12:22
>>290

 「そう?」

 「僕としては、嘘でも心が動かせる…というのは良い事に思えるな
 『本物』って、時に残酷だからなあ。」

特に意味のないことを喋りながら、手元のBlu-rayボックスを見やる
思い出すまでもなく、これはあの時の景品であった。

 「でもそういう事なら、これは君のチョイスか……アリーナの…キサンドリアで。」

膝が揺れて猫が不機嫌そうに眼を開けると

 「…あれ?君あの件より前にアリーナにいたたたたた。」

爪を剥き出しにして斑鳩の肩を登る。

292氷山『エド・サンズ』:2021/01/19(火) 14:23:56
>>291

「・・・・・? あ、もしかして、それってそういう事ですか?
 斑鳩先輩のところに行ってたんですね」

視線に釣られて、置かれていたBlu-rayの外装に目を向けた
これとまったく同じものをつい最近買った覚えがある
どうやら流れ流れてこんなところに来たようだ

「こらこらー、おいたはいけませんよー」

椅子から軽く身を浮かせ、上半身を斑鳩の方に傾ける
そして、登山のごとく、人間の身体をよじ登るお猫様の両肩に手を添えて持ち上げた

「あー、なんの話でしたっけ? そうそう、『アリーナ』!
 実は私も『さんずさん』と一緒に『アリーナ』の試合に出た事があったんですよ」

抱えた猫を膝にのせて座りなおす

「結果は惨敗だったんですけどね」

293斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/19(火) 21:12:42
>>292

抱き上げられた猫は不満そうな唸り声を上げながらも
膝に座り直されると香箱座りをしなおす、命の暖かさと共にしっかりと重い。

 「おーいて……そうだな、うん この野良猫は食い意地張ってるからな。」

爪で登られた個所を撫でる
モニター1枚隔てたむこうと違い、血を流すなんてのは普通はこのくらいの事だ。

 「うん…うん 君が既に関わっているとは思わなかったが
 しかも参加者として。」

 「差し支えなければだが、どうして参加したのか聞いても?」

これはあまり想像がつかない、金とか名誉とかより、もっと別のを欲しそうだ
納得とか。

294氷山『エド・サンズ』:2021/01/19(火) 21:33:22
>>293

この時期、昼間とは言え、外では冷気を含んだ風がビリビリと窓を震わせる
部屋の中にもヒヤリとした空気が忍び込んでくる・・・・

そんな中、高い体温を持つ猫のお腹が膝上を適度に温めてくれた

「んー・・・! あ、結構ツメがざくっといっちゃいましたね、大丈夫ですか?」

そう言いながら、斑鳩に向けて、ポケットティッシュを手渡す
絆創膏とかがあれば良かったのだが、生憎手持ちがなかった


「参加した理由・・・・」
   『ソコカラ先ハ俺ガ説明スルゼ』

氷山の言葉に重なる様に、男性の声が響く
それと同時に、この空間の中にもう一人の人影が現れた
氷山の中から現れたそれは斑鳩もよく知っている存在・・・『エド・サンズ』だ

『「アリーナ」ッテェ組織ガドウニモヨクワカラネェ連中ダッタカラナ
 ソレガ「正義」ナノカ「悪」ナノカ見極メルタメニ参加シタ、ワケダ』

「そうなんですよねー
 私自身も『さんずさん』が活躍してる姿を見たかったというのもありますし」

295斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/20(水) 00:49:21
>>294

 「――『エド・サンズ』」

 「いや、流儀に則れば『さんずさん』か。座りながらで失礼
 半自律型ともなれば、そういうこともあるのだな…参考になった。」

こういう時猫はいい、自前の毛皮があるというのは
毛の無い猿からしてみれば羨ましい限りだ。

 「ティッシュはご厚意だけ受け取っておこう
 あの件で君には随分助けられた、これ以上は手に余る。
 助けられた身からすれば、聞けた理由は……驚愕ものだったが…」

肌の色が人それぞれなら何が重要かという事さえ人それぞれだ
そういう事だろう、己の感性でおかしいという前に何とか飲み込んでおくべきである。

 「まあ、あれは単なる営利団体みたいな物だし
 金が関与するからといって悪い事ばかりではないさ
 スタンドなんて手に入れて、潔癖症になる気持はわかるが」

 「いや、そういうわけでもないかな……君の場合
 どうにも腹が座っているようだからな。」

296氷山『エド・サンズ』:2021/01/20(水) 15:48:27
>>295

『・・・・・・・「さん」ハ要ラネェゼ』
『ドウセ、あきはノヤツガ勝手に呼ンデルダケナンダカラナァ』

差し出したティッシュを無言でポケットにしまう
自身のスタンドが話を続けようとしているのだ、余計な事は言わずに黙っている

『実際ニ連中ノ「興行」ニ参加シタ感じデハ、俺モ同意見ダナ
「良し」「悪し」ハトモカクトシテ、「外道」ナ連中デハナイッテ事ハワカッタ
ソレニ、実際ニ戦ッテミテ、こいつモソレナリニ満足シタミテーダシナ・・・・』

「酷い言い方ですね、『さんずさん』
 それじゃあまるで私が戦いたくてしょうがなかったみたいな・・・・ 『ソウダロ?』

氷山が語り終えるよりも前に自身のスタンドがそれを否定する
それを聞いて氷山は苦虫を噛み潰したような顔でちらりと斑鳩の顔を眺め、
無言のまま、言うべき言葉を探すように逡巡する
やがて、観念した表情でぽつりと言葉をこぼした


「・・・・・まあ、私が関わった理由はそういう事です
『ファン』なんですよ・・・・『さんずさん』、いえ、それだけでなく素晴らしい『結末』を見せてくれる方の」

297斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/20(水) 21:41:23
>>296

 「ふうん」

 「ま、アイドルのライブで最前席を確保するのは
 熱狂的なファンだと相場は決まっているからな。
 それが問題だという話を聞いた事も無い。」

膝の上の猫は、チラリと『エド・サンズ』を見上げたが、直ぐに興味を無くして目を閉じた
呑気にゴロゴロと不気味な音を立て始めている

 「あ、しまった 座頭市が終わってしまった……
 またソシャゲのスタミナ消費しながら最初から見なければ。」

リモコンを手に取り、膝を組み替える
君はこのまま彼と話を続けてもいいし、しなくてもよい

 「まあその気質に助けられた僕のいう事では無いが、その上であえて先輩として言っておこう
 そろそろ学業も軌道が戻ったであろう頃合いだし。」

 「――『テスト』大丈夫?」

猫がくあと欠伸をした。

298氷山『エド・サンズ』:2021/01/21(木) 00:47:00
>>297

「――――え?」

「あ、あはは・・・・『テスト』って
 そんな、3学期も始まったばかりだというのに『テスト』なんて」

スマホを取り出し、保存しておいた行事予定表を確認する
期末試験は3月だ、まだ遠い

「ほ、ほら、『テスト』はまだまだ先の話じゃ―――――― !?」

だが、氷山は知らなかった
3学期に行われるのが、『期末考査』だけではない事を・・・・
行事予定表にはもう一つの『試験』の存在が禍々しく刻まれていた

―――――――『実力試験』ッ!!


ちなみに、テスト勉強など全然やっていない
さらに言えば、入院やらなにやらあって勉強も遅れがちだ・・・・

「・・・・・・・・・・・・用事を思い出しました!」

血の気の引けた顔でおもむろに椅子から立ち上がる
その勢いで膝に載せていた猫が体勢を崩すが、
『エド・サンズ』が両手で抱きかかえて床に軟着陸させた

「失礼します!」

その言葉だけを残して、氷山は去っていく
嵐のような騒々しい立ち去り方であった

299斑鳩 翔 『ロスト・アイデンティティ』:2021/01/21(木) 22:34:11
>>298

 「グッバァ〜イ、センセによろしくね。」

……着地した猫が不満げに一声鳴くと
『身体が寸断され、瞬時にソファの上に移動し、再構成される』

後輩がいなくなったのを見届けてから、リモコンの再生ボタンを押した。

 「……そうだなあスリーピング、あの2人はどうなるかなあ」

 「危うくもあり、腹が座ってるようでもあり
 …どっちでも面白いと思うぜ、俺ぁ。」

尻尾を体に巻き付けて、斑鳩を見上げるその眼は
肉食獣特有のねめあげるような眼つきだった。
 
 「負けた奴が1度勝ちぐせを覚えると……忘れられねぇからな。」

300村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 01:18:57
シャッ… シャッ… シャッ…

日の高くなってきた頃、寮の中庭の隅っこで木陰に腰を下ろし、『ナイフ』を研いでいる。
先日の野営では結局、キジバト一羽、マガモ二羽、ノウサギ一羽を仕留めたが、
その際、手なりにまかせて刃先をすこし抉ってしまったらしく、切れ味が随分と落ちたからだ。

 「んん、まだかかりそうだな。
 手入れも楽しみの一つではあるんだが・・・」

研ぎの合間に砥石を濡らすかたわら、日光に刃をかざして具合を見る。

 「冬にしちゃ陽気がよすぎるなあ〜〜〜。眠くなってきちまうぜ・・・」

シャッ… シャッ… シャッ…

301ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 22:03:36
>>300

「……おう?」


中庭の茂みを掻き分けて、金髪の子供が顔を出した。
年齢的には小学校の低学年くらいか……学生寮の住民では無いだろう。


「……」


子供はだるまさんがころんだのように動きを半端な姿勢で止めると、
口を半開きにして村田をじっと見つめる。

302村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 22:26:36
>>301

 シャッ シャッ シャッ シャッ シャッ シャッ

 「・・・ふむ、どうかな」

砥ぎ水にまみれたナイフをバケツに汲んだ水で洗い、布で拭う。
磨き上げられた刃は日光をうけて静かに輝き、まだ濡れているようですらある。

 「ふふ・・・」

その仕上がりに思わずニヤリと微笑む。
もとより目つきのいいほうではないので、はた目から見ると完全にアブない人だ。

303ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 22:33:26
>>302

「うーむ、どこかで見たような気がするんじゃが」


首をひねる。
うまく思い出せなかったようだ。


「なんじゃ?
 石を切っておるのか?」


のこのこと寄ってきて作業を見つめる。
独り言なのか話しかけてきているのかわからないが、距離感が近い。
寮に侵入しているという意識は無さそうだ。

304村田 瑛壱『ディズィー・スティック』:2021/02/10(水) 22:47:50
>>303

 「ん?・・・寮の人間じゃなさそうだな。どこから入って来たんだか。
 セキュリティはいったいどうなってんだ・・・」

小声でひとりごちる。
親元から離れてここに住む人間も多いというのに、全くけしからんことだ。

 「『研いで』いるんだ。このナイフをな。
 こうして『砥石』に擦りつけてやって、切れ味を取り戻してやるんだ。」

危険のないよう距離を確認してから、手に握ったナイフを見せる。
刃渡り10cm程度、厚みのある『シースナイフ』だ。
小学生には少々手に余る大きさをしている。

 「見ててもいいが、あんまり近寄ると危ないぞ。『よく切れる』からな。」

ザパ    ゴトン

  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ  シャ―ッ

バケツの中からもう一つ別の『砥石』を取り出し、そちらでまた『研ぎ』を始めた。

305ナイ『ベター・ビリーブ・イット』:2021/02/10(水) 23:00:32
>>304

「わしか? あっちから来たぞい」


どこから入って来たんだと聞かれたと思ったのか、方向を指さした。
なんの参考にもならない。


「ほう? 石にそんな使い道が……」


感心した様子でしばらく作業を眺めていたが、
背負っていたリュックから石を数個取り出して地面に並べだした。


「石は重いんであんまり持ち歩かないんじゃが、
 どうじゃ?」


何がどうなのかはわからないが、
多分子供が面白いとか珍しいと思った形や模様の石なのだろう。


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