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Key Of The Twilight

418メイヤ ◆.q9WieYUok:2015/11/24(火) 19:56:49
【群青の街】

「行くしか無いだろうな、夕刻までにあの城へ向かわないと二人はきっと処刑される。」

ほんの僅かな時間、三秒程の間だが、その間のアグルの表情からは思案と苦悩の色が見て取れた。
確かに、アグルの言う通りだ。

提示された内容は無理難題、端っから勝たせるつもりは無いルール。
しかし、挑まなければイスラとバッハは殺されてしまうだろう。

かと言って、救援を呼ぶも待とうも時間が圧倒的に足りない。
昨夜の襲撃者達、吸血鬼狩りの一団が城へ攻め込むのを待つのまで粘れるか問われれば、それも難しいだろう。

ならばどうするか、打つ手は一つだ。

ーーーーー

バルクウェイを出立し、群青の街へ到着する間は全くと言って良いほど穏やかだった。
その間、メイヤは何もしていなかった訳でも無い。

船の積み荷、処刑人の剣から押収したであろう数々の異能の品々を確認していた。

自身に宿っていた筈の闇の悪神、その力が使えない今。
それらの品々は大きな力になる筈だ。

ーーーーー

打つべき一手。
それは先手を取っての潜入だ。

示された時間は夕刻。
ならば真昼の内に城へと潜入し、イスラとバッハを救出する。

メイヤにとって、隠密行動は得意分野だ。
アグルを先導しながらでも、侵入するのは朝飯前だ。

「……そう思っていたんだけどな。」

場内へ侵入し、小一時間程。
吸血鬼と全く遭遇する事無く、順調に捜索を進めていたその時。

十数メートル程はある長い通路の真ん中で、メイヤは足を止めた。

進行方向の先、通路へと続く曲がり角から現れた男の姿に、メイヤは小さく舌を打つ。
遠目でもわかる銀髪と眼帯。

吸血鬼達の中でも最上位の存在であろうその男。
シャムと出くわすとは流石に驚きと焦りの色が顔に出てしまう。

どうするべきか。
……迷っている暇は無い。

「アグル、街の住人から手に入れた見取り図からすれば、この通路の先。

二股に分かれたその先、右側が牢屋らしい。」

メイヤは腰に差した剣の柄に手をやり、視線をシャムへ向け。

「俺があの男を引き付ける、その間に牢屋へ向かってくれ。」

そして、言い終わると同時にメイヤは疾走。
地を這う蛇の如く通路を駆け抜け、シャムを刃の射程圏内へ捉え、鋭い斬り上げを放った。


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