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Key Of The Twilight

1イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2014/07/01(火) 19:01:24
移動してきました。

現在、参加者の募集はしておりません。

419シャム ◆Hbcmdmj4dM:2015/12/07(月) 00:24:28
【群青の街】

「…りょーかい」

暗がりの通路で鉢合わせた相手…シャムの姿を見据えながら、アグルはメイヤの言葉に短く応え、通路を駆け抜ける。

一方で、シャムは二人を前に怪訝そうに眉を潜めた。

「あぁ?なんだテメー等?」

つうか誰だ、と。

しかしよくよく見れば、その顔は昨夜何度も目にした覚えがある。

…ああ、そうだ。確か酒場でメルツェルに虐められてた奴等だ。
どうやらまだこの辺りをうろちょろしていたらしい。
そう言えばその時に、"ゲーム"がどうこうと話していたような気がする。

いま偶然通りがかっただけのシャムにとっては、彼らに個人的な因縁もなければ興味もない。
メルツェルの居城にねずみが入り込み、何をしでかしたところで正直マジでどうでもいい。
が、しかし…

出し抜けに放たれた刃の軌道。それを紙一重のところで躱し、シャムは不敵に笑った。

「喧嘩を売られたからには買うしかねーよなァ
!?」

言葉尻と同時に、二丁のデザートイーグルがメイヤの超至近距離で火を吹いた。
二発、三発、四発…バックステップで後退しながらも、銃口は相手を狙い次々とマグナムを吐き出していく。

420メイヤ ◆.q9WieYUok:2015/12/12(土) 16:51:02
【群青の街/城】

「喧嘩の大安売りだ、安売りだけど買って損はさせないさ」

超至近距離で放たれる弾丸を、メイヤは剣の腹を盾にして防ぎ、そのまま前進。
バックステップで距離を取ろうとするシャムへ肉迫し、銃の間合いを強引に潰していく。

そして、距離を潰したと同時に攻勢一転。
真白の刃が半弧を描き、銃口を斬り落とす。

更に返す刃でもう一丁の銃身を斬り捨て、振りかざした刃で渾身の兜割を打ち込んだ。

ーーーーー

近くに聞こえる銃声に、バッハはのそり
と巨体を起こす。

(近いですね、誰かが戦っている……?)

酒場で酔い潰れたのは自らの酒臭さでわかるものの、何故牢屋に捕らわれられているのかはわからない。
目が醒めた時には冷たい石畳の上で、装備品は取り上げられていた。

状況が掴めないが、これは好機かもしれない。
鉄格子を両手で掴み、バッハは近付いてくる足音に耳を澄ませた。

「誰か、来ますね……?」

421ヤツキ ◆.q9WieYUok:2015/12/31(木) 23:41:28
結局イラスト出来ずで申し訳ない……

来年もよろしくお頼み申し上げます!

422シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/01/04(月) 00:26:05
【群青の街】

「…ッち」

斬り落とされた銃を放り投げ、シャムはすぐさま左腕を盾状に変化させる。
そしてそれで一刀を防ぐと、すかさずその場から飛び退き蝙蝠のように天井に逆さに張り付いた。

「うッぜぇなぁ、ちょろちょろ動くんじゃねーっつの!
弾が当たんねぇじゃねーか!」

分かっていたことだが、この様な狭い場所では飛び道具は不向きだ。
しかも相手は素早く、間合いを詰めてくる。

(クッソムカつくがナメてかかってる場合じゃねぇ…!)

シャムの腕が盾の様な形状から今度は鋭い剣状のものへと変わる。
足場を強く蹴り、天井から一気に降下。急所を狙った刺突が放たれた。

「そんなに近接がしたいなら付き合ってやるよォッ!」



…………


近くで聞こえる銃声と、そして足音。
バッハ同様、何事かと顔を上げたイスラの前に、ちょうど人の影が立ち止まった。

「…無事か?」

アグルだ。

「アグル…?これは…」

「説明はあと。取り合えず逃げるぞ」

説明を求めるイスラの声を遮り、アグルは牢屋の鍵を槍の刃で壊す。
そして外に出るように仕草で二人を促した。

「急げ、今メイヤが敵を引き付けてくれているんだ」

423シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/01/04(月) 00:27:23
明けましておめでとうございます(´ω`)
今年もよろしくお願いします!

424メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/01/08(金) 22:53:54
【群青の街/城】

変化する異形の左手、盾と剣を兼ねたソレを武器に、迫るシャムの一撃。
重量落下も合わさった、放たれる上方からの刺突は予想以上に速い。

「ーーッ!!」

急所を狙うソレを、捌けなければ死は免れない。
メイヤは目を細め、真白の刃を振るった。

そして。

ーーーーーー

すぐ隣で聞こえる話し声と、そう大きくは無い破砕音。
イスラに続き、牢から脱したバッハはアグルの説明に頷いた。

そして、自身の装備が取り上げられている事を伝える。

「私は軽装だったので、大して困りませんが……イスラさんはどうですか?

大事な刀、お持ちですか?」

昨夜は情報収集の為に街へ出た為、本格的な戦闘用の装備では無かった。
しかし、普段から帯刀しているイスラが刀を取り上げられているならば、取りに行かなければならない。

ーーーーーー

交錯する刃と、一拍遅れで舞う僅かな粉塵。
シャムの一撃は、メイヤの左胸部を縦に切り裂いた。

それに対する、急降下してくるシャムへとメイヤは剣を横薙に。
斬撃と言うよりは打撃に近いその一撃は、刃に引っ掛ける形でシャムを廊下へと叩きつけた。

「肉を切らせて骨を断つ。だけど、切らせる肉は鎧の下だ。」

相討ち上等のカウンターだが、きっとシャムは受け身を取って凌ぐだろう。
そんなシャムへとメイヤは剣の切っ先を向け、続ける。

「風魔装束、闇烏」

シャムに切り裂かれた左胸。
上着から覗くは血の赤では無く、鎧の黒。

剣を握る右とは逆。
左手で掴む薄い長方形の箱は、瞬く間にその姿を大きな手裏剣へと変える。

「風魔手裏剣、黒鷲」

それは、飛行艇に積まれて居た装備品。
世界政府の闇、処刑人の剣が収集していた異能の逸品であり、バッハが見繕い艇へと積んだ物。

「とことん、付き合ってくれるんだろう?


425シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/02/13(土) 00:11:14
【群青の街】

バッハの言葉を聞くまで、すっかり失念していた。
イスラは今更ながら己の身を確認してみるも、案の定、武器は取り上げられていた。

「すまない…、二人は先に行っててくれないか。俺は少しこの辺りを探してみる」

あれを置いて逃げる訳にはいかない。
そう言うイスラに対し、アグルは呆れ半分に言葉を返した。

「いやいや、丸腰の人間一人置いていけるわけないだろ。
仕方ないけど…手分けして探そう」

アンタもそれでいいよな?と言わんばかりに、アグルはバッハに同意を求めるような視線を向ける。


…………

「ハッ…、面白ぇッ!」

相手の様相はシャムにも少しばかり興味を唆らせたらしい。
向けられた刃に怯むことなく、シャムはそれを片手
で掴むや、力で強引に刀ごとメイヤを引き寄せた。

「俺様に剣を向けたこと、後悔させてやるよォッ!」

当然の如く多少の出血は気にしない。そして相手を手繰り寄せたのと同時に、今度は右腕の剣を勢いのままに突き立てる。

が、メイヤには紙一重で避けられてしまった。

しかし剣は空振ったものの、代わりに一撃を食らった壁面にはその威力でぽっかりと穴が。

「…今度はテメーの面に大穴開けてやらァッ!」

そうしてシャムは間髪入れずに剣による連撃を放った。


【最近レス遅くて申し訳ないです…(´`;)
リアルも落ち着いてきたので、暫くはもう少し早くレス出来る、はず…
この機に絵も描きたいなー…

426メイヤ+etc ◆.q9WieYUok:2016/02/20(土) 22:51:20
【群青の街/城】

思った通り、イスラの装備も取り上げられていた。
バルクウェイからの道中で聞いた話によれば、彼の所持する刀は神刀とも呼ばれる異能の逸品。

そんな刀を置いて城から脱出する訳にはいかない。
戦闘力の低下もあるが、何より刀に込められたら想いをおざなりになどは出来ない。

アグルの向ける視線の意図に頷き、バッハも周囲を探索する為に歩き出した。

「押収物の保管庫など、近くにありそうとは思いますが……」

直ぐ側で聞こえる激しい戦闘音が、余計に気を焦らせる。


ーーーーー

刃を引き寄せ、力任せに放たれる一撃の威力は壁に開いた大穴が物語っている。
身に纏う魔装の防御力を持ってしても、直撃は避けたい所だ。

刃を掴まれたままの剣から手を放したメイヤは、繰り出される連撃を避け続け、巨大な手裏剣を縦に一閃。

シャムが放つ刺突を手裏剣で上方へと逸らし、逆の手で短刀を抜き放つ。

「疾さには、自信がある!」

そして、大きく踏み込むと同時に、左手に握る短刀で刺突を繰り出した。

ーーーーー

長老の中でも、特に気配の探知に長けているだろうと自負するフィアは、真っ先にその異変に気付いた。

(ゴッソリ、消えたわね……!)

城内への侵入者は直ぐにアグルとメイヤだと判別出来、シャムと戦い始めた事は敢えて黙って居たが……
メルツェルの部下、彼の眷属の気配が一瞬で、それもかなりの数が消失したのだ。

昨夜、DDを襲った者達の仕業である事は間違いないだろう。
彼女……もとい、彼の頬を傷つけた銀の剣の調査結果を記した紙を手に、フィアはどう動くか思案する。

(メルツェルと合流するか、シャムと合流するか……)

しかし、ゆっくり考える暇はなさそうだ。
広間に居るであろうメルツェルとDDの元に、異質な気配が現れたのだ。

ーーーーー

フィアが異変を察知したのとほぼ同刻。
広間の玉座にふんぞり返るメルツェルもまた、自身の眷属が消えた事を感知した。

(おいおい……来やがったのかよ!?)

一瞬で消えた第三世代の眷属の気配と、空間を歪めて姿を現したフードをかぶった謎の存在。

「……ケッ、誰に喧嘩売ってるかわかってんだろうなァ?」

フードの人物を中心に陣を組む騎士達へメルツェルは啖呵を切り、立ち上がる。

「俺達長老様を舐めてんじゃねーぞ!」

そして、傍らに居るDDへ目配せすると同時に、空間を跳躍。
小柄な騎士の背後に現れ、その背中を手刀で貫いた。

「皆殺しだ、わかってんだろーなァ!?」

その声を皮切りに、対吸血鬼に特化した騎士達がメルツェルとDDの二人へ一斉に襲い掛かった。

427ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/02/20(土) 23:03:55
【レス返そう思ってたらいつの間にか一週間経ってた……
月一連載的な感じでも俺は気にしないんで、自分のペースでレスしてくだせぇ!

なんだかんだ皆忙しそうだし……リマの就活ははたして無事に終わったんだろうか。

とと、すっごい私事なんだけど、子供が出来ました。秋口出産予定なんで、春先以降顔出す暇が無くなる気がする……ので、ついったからいんか連絡先置いとこうかと思うけど、どうでしょう
?】

428シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/02/24(水) 18:50:19
【城】

素早い動作で抜き放たれた短刀が、シャムの胸部を刺し貫く。
傷口から滲み出た血が、刃を伝って地面に落ち、数滴染みをつくった。

「おい、小僧。ちょっと待て」

しかし、彼はそれを見ても微動だにしなかった。そもそも差し迫る刃を避けようともしなかったのだ。

何かがおかしい。
シャムは一旦の中断をメイヤに言うと、意識を目の前の戦闘とは別のところに向けた。

…間違いない。
城内の同胞達の気配が一瞬にして消失した。

一体何があった?
まさか、こいつらの仕業か?…とメイヤに疑いの目を向けるが、直ぐに違うだろうと結論する。
ただの勘だが、彼らは恐らく自分達の仲間を助けに来ただけだ。

だとすれば、心当たりは昨夜、DDを襲った何者か。
シャムは言った。

「昨日、てめぇらも騎士風の男共に襲われたらしいな。…まさか奴等とグルだっつー訳じゃあねぇだろうが…」

シャムは短刀の柄を握り、胸から引き抜く。それを手の内でクルリと回し、刃をメイヤに突きつけた。

「奴等のこと、何か情報とか持ってんじゃねーのか?」


…………………

昨夜の頬の傷は翌朝になれば回復していた。
どうやらあの剣、治癒に時間はかかるものの、吸血鬼の再生能力を完全に無効果するものでもないらしい。

その時は鏡の前で小躍りしたものだが、あれが吸血鬼達にとって十分な驚異であることは間違いない。

そして今…、眼前に現れた騎士達を見据え、DDはそっと眉を潜めた。

(まさか真っ向から攻めてくるなんて…)

同胞達を一瞬で葬り去ったのもそうだが、信じられないと言った心持ちだ。
DDはメルツェルの目配せに小さく頷き、彼に続く。

「メルちゃん!お城壊れちゃっても勘弁してよね!」

迫る相手に飛びかかり、勢いよく巨大メイスを振りかぶった。

429シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/02/24(水) 18:52:11
【おぉ、おめでとう!宴じゃー!とか祝いたいけどそう言う訳にもいかないので…w、元気な子が無事に産まれるのを草葉の陰から祈ってます…産まれたら教えてね!←
にしてもヤツキさんも等々パパさんか…(´ω`)しみじみ

リマさんの近況も気になるし、レス返とかいいから、たまには顔だしてくれたら嬉しいなぁ

じゃあツイッターで、(^^)dツイッターの使い方いまいち分からないけど←】

430ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/03/02(水) 09:42:16
【群青の街】

まるで吸い込まれるかの様に、短刀はいとも簡単にシャムの胸へ突き刺さった。
手に伝わる感触は、何の手応えも無いモノで、それはシャムが避けようとしなかった事を如実に表している。

「……グルだったなら、昨夜の時点でアンタ達と派手にやりあってるさ。

あの騎士達は、俺達も攻撃の対象にしていた。」

己の胸に突き刺さる短刀を抜き、それを脅す様に向けるシャム。
突き付けられた刃を手の甲でゆっくりとそらしながら、メイヤは答える。

「敵の敵は味方じゃなくて、敵の敵は敵だ。

ただ、今は仲間の救出を優先したいだけなんだが……そうも言ってられないみたいだな……」

言葉通り今はイスラとバッハの救出が優先であり、メイヤはその時間稼ぎの為にシャムへ刃を向けたのだ。
しかし、この膠着状態の原因を考えると、自体は面倒な事になりつつ……否、なったようだ。

小さく短い耳鳴りが止み、それと同時に聞こえる無数の足音。
音の聞こえる方へ顔を向け、メイヤは小さく舌を打つ。

視線の先には、昨夜襲撃を掛けて来た騎士の一団。
その先頭に立つ男は、疵痕が目立つ顔を歪め、剣の切っ先を此方へ向けた。

「長老クラスとの戦闘は初めてだが、如何なる犠牲を持ってしても滅しよう。」

そして、銀の剣を掲げたのを合図に、一斉に騎士達がメイヤとシャムへと殺到する。

「……敵の敵は敵、だけど。

今はそうも言ってられないみたいだ!」

ーーーーー

メイスをブン回し、騎士達を次々と肉塊……ミンチへ変えるDDは、流石と言った所か。
しかし彼女……もとい彼の本気はこの程度では無い。

別に壊しちまっても構わねーよォ!と、返しながらメルツェルも騎士達をその能力、全てを融解させる力で見るも無惨な姿へ変えていく。

高温による融解、特殊溶液による溶解、そして全力を出せば概念にすら感触するその力は、防ぐ術など無い。

ものの数秒、そして秒刻みで騎士達を惨殺しながら、メルツェルはフードを被った謎の人物を睨み付けた。

(この軍団は確かに強えェ……第四、下手こいた第三世代なら簡単に倒せるだろうが……)

彼ら、騎士達だけでは先程の様な、瞬間的に大規模かつ多数の吸血鬼を消滅させる様な真似は出来ない筈だ。
ならば、やはり注意すべきは……

「DD!あのフードの野郎を狙う!援護しろ!」

メルツェルは狙いを定め、空間跳躍。
現れた先、フードを被った謎の人物に防御不能の手刀を繰り出した。
しかし、メルツェルの予想に反し、フードの人物は外套から伸ばした白く細く、そして小さな手でその攻撃を受け止めた。

「なんっ……だと!?」

防御不能、必殺の一撃を防がれメルツェルは驚きの表情を浮かべる。
しかしそれも一瞬、掴まれた手を振り解こうと横に薙ぐも、それは叶わず。

まるで力を吸い取られたかの様な、いや実際に吸収され、急激な脱力感にたまらず膝を着いた。

(コイツぁ……やべぇ……!!)

431ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/03/02(水) 09:47:21
【名前間違えてたww

5月末に式やって、9月に出産とバタバタな予感……(笑)
そこはもう草葉の影から飛び出してもらっても良いんですよ?ww
ありがとー!籍入れて2年、今年で27だし丁度良い時期かなーとかとか。

リマさん半年位姿見てないから心配なんよなぁ、生存確認だけでも!

とと、んだらばTwitterのID置いときやすぜ!

@yatuki0509 す!】

432イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/02(水) 23:49:34
やっさん見つけた!
取り合えずフォローしとけば良いのかな?IDはpaのやつです。たぶん絵とか上げるぐらいしか使わないと思うけど…w

え、もう二年も経つんだ!?年が過ぎるの早いなぁ…;しかし本当バタバタなスケジュール(笑)身体には気をつけてください^^

433リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/03/07(月) 19:28:21
壁|ू・ω・` )
お久しぶりです、リマです
気付けば長らく消息不明な状態に・・・・
就活が延びに延びまくって気づいたら国試間近で勉強に明け暮れてました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

就職先は病院に決まり、国試も一応自己採点上は基準点越えてたんで、マークミスしてない限りは合格出来そうです。
ご心配おかけしました(╥ω╥`)ただね、私の場合マークミスは勿論なんだけど、受験番号書き間違えてたり、名前書き忘れてたりする可能性があるから怖いんだよ・・・・・

この1年は私に依存してた我侭な友達にブチ切れて他の友人に協力してもらって縁切りしたり(向こうはまだ諦めてないみたいだけど)、何となく「これだけは好きになりたくない」と敬遠してた「うたの〇〇さま」のアニメをひょんなことから見ちゃって、とあるキャラに一目惚れしたりと色々ありました|´-`)
一応、何だかんだ元気でした、心配かけちゃってごめんなさい(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

そしてヤツキ!パパになるんだね!おめでとう!!
初めて会った(?)のは確かお互い高校生の時だったから・・・・・時の流れとは早いねぇ(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)
私の友達も今年2組結婚するんだよ。私なんて彼氏もまだなのに、皆ずるい( ˘• ₃ • )笑

本編の方はぼちぼち書いてるので、近いうちに更新します。
お二人共リマを忘れずにいてくれてありがとう(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)

434ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/03/08(火) 10:41:54
【イスラさんフォロバしましたぜ!フォローありがとうございやす!俺もゲームかプラモかの話しかしてないんで!ww

式から出産の間で車の免許取らないといけないから、ホント忙しそうだ……(苦笑)

ホント月日の流れって早い、イスラとも出会って四年程じゃないかな?

そしてリマきたー!音沙汰無くて心配だったけど、無事(?)で良かった!

試験も就活も、友達関係のいざこざもなんとか終わったみたいで良かった、お疲れ様やでー!試験もきっと大丈夫でしょ、記入漏れもきっと無いはず!

レスの方は急いてもないんで、時間に余裕がある時で良いよー!

とと、ありがとうございやす!まさか俺がパパになるなんてなぁ、って感じだったよ(笑)

確か18の時に出会ったから九年程?ネットの友達って括りには出来ない位の年月よな……!

リマもこれから良い出会いがきっとあるよ、焦らなくて大丈夫大丈夫!

試験受かってしたらお祝いせんとね、マジラブ1000%なら歌えるぜ!←】

435シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/09(水) 22:06:16
【城】

通路の暗がりから姿を見せた騎士の一団。そして剣を掲げる強面の男。
シャムはその銀の剣へ視線を移し、目を眇める。

(あれが例の剣か…)

DDの話し通りなら、一発でも致命傷を喰らえばアウト。
もし戦いになるようなら、今までのような適当な応戦ではなく、細心の注意を払えとのこと。

「めんどくせぇ…、要はやられる前に全部ブッ壊しちまえば良いってことだろ!」

言うが早いか、シャムは向かってきた騎士達を破壊力抜群の剣で横凪ぎに一掃する。
そしてそのままの勢いでリーダー格の男に飛びかかり、兜割りを叩き込む。

「くたばれやァッ!」

…………

(あれは…!?)

メルツェルがフードの男に飛びかかって行ったと思えば、どういう訳か、次に彼は全身の力が抜けたようにその場に項垂れてしまう。

援護に向かっていたDDは、フードの人物に向かってメイスを降り下ろし、与えた一瞬の隙にメルツェルを抱えて後方に退避。

「ちょっとメルちゃん!?しっかりしなさいよ!」

メルツェルを気遣いながらも、追撃に男の周囲の空間を圧縮する。
無数のバスケットボールほどの大きさの空気の膜がビー玉以下にも縮まり、限界まできたところで一気に弾けた。
男を中心に巻き起こる無数の爆発。手応えはしたが果たして通用したかどうか…。

436イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/09(水) 22:09:38
ヤツキ》なんと、車の免許まで(^^;)頑張ってください!

確か自分が二十歳の時にスレに参加したからもう4年所か6年ちかくの付き合いのようなw
知り合いのいない地での初めての一人暮らし、寂しさのあまり掲示板を覗いたのが皆さんに出会うきっかけでした(笑)あの頃が懐かしい…^^


リマ》リマさんおかえりなさい!もちろん忘れるわけないじゃないですか(^ω^)
就職決まったようで良かった!あと試験やら色々お疲れ様です!
そしてとうとう歌プリの餌食になったようで…(笑)誰に一目惚れたんですか?←

437 ◆wxoyo3TVQU:2016/03/10(木) 00:04:22
【過去】

「あ、いたいた」

そんな声が不意に掛かったと思えば、その声の主は何の断りもなく隣に座る。
声の主は誰か、顔を上げ確かめずとも分かる。
その男は気の抜けた伸びをし、これまた気の抜けた笑みを浮かべた。

「いい天気だね。絶好の・・・・・読書日和?」

何故そこで疑問を浮かべるのか。
自分が読書する姿は今となっては珍しくもないだろう。それとも場所が不満なのか。

「学舎の庭で読んではいけない決まりでも?」

決して本から目を離すことはしない、けれど無視するには些か納得のいかない疑問に、とうとう言葉を返してしまった。
俺はまたコイツの流れに乗ってしまったのだ。
返事を得たことに満足したのか、相手からは軽い笑い声が届く。

「いいや、僕も所かまわず読んじゃうから一緒だなぁって思って。」

一緒なものか。コイツと自分は身の上からしてまるで違う。
一流とも言える名門の御曹司と、一族としては名が通っているものの分家の出であり、さして秀でた特色もない家柄の息子。
そもそも、本来コイツ程の身分の者は自身の屋敷に教師を招き学ぶ場合が多いのだが、それをせずわざわざ学舎に通う意味が分からない。
・・・・・もっとも、コイツは端から変わり者だが。
長男でありながら、家系を継ぐ気はないと言う。弟がいるから良いのだと。俺が欲しくて堪らない物を持っているくせに、簡単に手放す。まるで興味がないのだ。

「・・・・・ヨハン?」

読み進めていたはずの手が止まった事を不審に思ったのか、相手から名を呼ばれた。意識が別のところへ飛んでいた。

「・・・・・用がないのなら消えろ。邪魔だ。」

「うわ、直球。酷いなぁ。」

遠回しに言ったところで分かりはしない。しかし、コイツは言葉で示す程傷ついた様子はなく。
ただヘラヘラしたまま座り続けるのだ。

「・・・・・。」

やがてこちらの方が居心地が悪くなる。これがコイツの策略だ。
溜息混じりに本を閉じると、コイツは嬉しそうに手を叩いて見せる。

「やった!遊ぼう、ヨハン」

「子供か、お前は・・・・・」

「今日は街に出たい気分なんだ」

「・・・・・午後の講義は?」

「そんなの、受ける必要なんてないよ。君も受けなくて大丈夫でしょ?」

無論。此処での学びの内容はレベルが低すぎる。こちらがそう感じるのだから、コイツにとっては尚更だろう。
問題はそこではないのだ。
俺は本家に認められる必要がある。
母を日陰に追いやり、俺の存在を消し去った一族を見返すために。
本家には跡取りが居らず、娘が一人。好都合だ。娘はまだ幼いが、成人するまでに親の目に留まれば婿の座に収まることも夢ではない。さすれば、一族の頂点に立つことも出来る。
その為には学を積み・・・・・素行の悪さなどもってのほかだ。

「断る。」

「気分転換だと思って!」

「必要ない。」

「そう言わずに!」

「消えろ。」

「まぁまぁ。」

438 ◆wxoyo3TVQU:2016/03/10(木) 00:04:58


埒があかない。その場を離れようとすると、相手は慌てた様子で止めてきた。

「うそうそ!サボリじゃないよ!許可は貰ってるから!」

「は?」

「先生から用事を預かってるんだ。まぁ別に済ますのは僕じゃなくてもいいんだけど、折角だから引き受けてきたんだ。君も一緒でいいって。」

「・・・・・。」

コイツは本当に・・・・・。
端的に事実のみを伝えれば良いものを、回りくどいやり方をする。
人を馬鹿にしたような態度が気に入らない。

「ついでに散策もしよう。街に移動サーカス団が来てるらしいんたけど、見に行く?」

「興味ない」

「OK、じゃあ古書店に行こう」

「サーカスからの繋がりが見えない」

「前にヨハンが話してた本、店のおじさんに聞いたら探してくれたんだ。絶版だから手に入らないって言ってたじゃない?あぁ言うのって街の方が入手しやすいんだよ。」

「サーカス発言は何処に・・・・・」

「寄り道出来れば何処でもいいんだ。さ、行こう?」

結局いつもの流れだ。多くの案を出すものの、最後は俺の返事も聞かずに連れ出そうとする。

「そんな怖い顔しないでよ。」

俺がどんな態度を取ろうとも動じない、余裕そうな笑顔がいけ好かない。
コイツには気に入らない事ばかりだ。

ただ、

「・・・・・その本が無くなっていたら承知しないぞ。」

「大丈夫、売らないでってお願いしてあるから。」

何もかも気に入らないのに、決して嫌いではないのだ。
俺はそんな自分自身の気持ちが、更に気に入らなかった。

439ナディア ◆wxoyo3TVQU:2016/03/10(木) 00:05:45
【過去】>>394

アブセルはまだ幼く、純粋だ。
リトの置かれている状況など理解出来るわけはなく、自分の選択が正しいと疑わない。
とても特殊で、本来ならば有り得ない、あってはならない状況であるため尚更理解することは難しいだろう。

「ごめんな・・・・・」

結局、上手い言葉が見つからずナディアは謝罪の言葉を述べるしかなかった。
アブセルの頭を撫で、身をかがめて視線を合わせてやる。

「お前がどんなに頑張ってくれても、今はまだ、リトが外に出るのは難しいんだ。リトが自分から出たわけじゃなくても、あの人(父)はリトを叱るんだよ。お前の気持ちは分かるし、嬉しく思うけど、リトの為にも今は我慢して欲しい。」

自分でも理不尽な事を言っている自覚はある。
この状況に納得がいかないのは自分も同じだ。このまま終わらせる気は無い。しかし、事を起こすにはまだ早い。
ポセイドン邸での最高権力者は母であるが、彼女が心を病んでしまった今、実権を握っているのは父なのだ。いずれ一族の主導権は長子でる自分に引き継がれるが、それは「何の問題も起きなかった」場合。父に睨まれ、敵と見なされれば自分は後継者から外されるだろう。だから今のうちは逆らうことは出来ない。

「なぁ、アブセル」

ただ、そのせいでリトは孤独なのだ。
護ってやらなければいけないのに、根底では父に逆らうことが出来ないから。

「お前は、何があってもリトの味方でいて。リトを護ってやって。いつか、リトをこんなクソみたいな環境から開放する。そん時は、お前が率先してリトを助けるんだ。その為に、あんたには強くなって欲しい。爺の孫なんだろ?お前は知らないだろうけど、お前の祖父さんは凄い人だよ。一族や関係者含め闇の能力持ってる奴の中で今一番強いのはあんたの祖父さんなんだからね。お前はその才能を持ってる。」

きっと、味方であれば、リトにとって最強の剣になるだろう。

「お前が父さんに睨まれないよう、私がフォローしないとね。頼りにしてるよ、アブセル。」

440リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/03/10(木) 00:29:51
ヤツキ>>
【いやぁ、ほんと申し訳ない(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)

うん、合格信じて3月中は羽伸ばすんだ!

ありがとう、ぼちぼち更新します(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

月日の流れを感じたよ(∩´ω`∩)
私の周りら今は結婚ラッシュだけど、次は出産ラッシュが来るんだろうなぁ・・・・・

9年!長いなぁ(笑)
ネットの友達がここまで長い付き合いになるのは凄い!

うん、焦らず頑張る(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)
とりま就職先で出会い探すんだヽ(•̀ω•́ )ゝ
つか、大学内でも実は出会ってたっぽいんだけど、私が鈍すぎて気付かなかったって事がつい最近判明して戦慄(笑)
何年もやたら絡んできてた先輩がいたんだけど、友達いない可哀想な人だと思い込んでた(笑)残念(笑)

おー!歌えるんだ!凄い!!
是非とも歌ってもらいたい(笑)】


イスラ>>
【ただいまです!ご心配おかけしました(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)
ありがとうございます(ˊᗜˋ*)

友人があの作品は沼だと言ってました(笑)
さぁ、問題です。誰だと思いますか?(笑)
まさかあんな刺客が用意されていたとは・・・・・←
アニメで言うと2000%からそれなりに登場してるかな??キャラクター分かりますかね?
第一印象は「性格がアイドルっぽくない、親の借金の肩代わりに売られたのかな?」でした←】

441アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/13(日) 22:44:08
【過去】

アブセルにとって母は"世界"だった。母だけが自分の味方であり、母だけが自分を愛してくれていた。
だがその母がいなくなった時、アブセルの世界は足元から崩れ落ちた。
それは虚無の中に一人放り出された気分であり、その感覚はこの屋敷に来てからも変わることはなかった。

しかし今、アブセルはその虚無の中に一つの光を見つけた様に思った。

自分を必要としてくれている人がここにいる。
母さえも忌み嫌った闇の力を、ナディアは肯定してくれた。
初めて、そのままの自分の存在を受け止めて貰った様な気がした。

凄く嬉しかった。
けれどアブセルはその感情をナディアに伝える術が分からず、ただ、「分かった」と頷いた。


その後はヨハンに謝りに行く前に、鬼の形相をした祖父に捕まった。早々に別館にあたる使用人用宿舎の自室に追いやられ、
もう二度と馬鹿な真似はするな、ともの凄く叱られた。
そうして、暫くここで頭を冷やせと部屋に鍵をかけられたかと思えば、祖父は忙しなく何処かへ行ってしまった。

何らかの罰を覚悟したが、驚くことに、結局その日アブセルはお咎めらしいお咎めを受けることはなかった。
それなら全ての責任をリトが被ってしまったのだろうか。ずっと部屋に閉じ込められていたアブセルには、その後の経過は分からなかった。
ただリトが心配で夜もまともに寝付けなかった。

………

翌日、謹慎を解かれたアブセルはリトの部屋を訪れた。祖父には暫くリトに会いに行くなと言われたが、そんなのきいちゃいられない。

今日は昨日のお詫びにと手土産も持ってきた。
四つ葉のクローバーだ。しかも一つや二つではない。
両手で掴めるぐらい沢山摘んできた。

以前、四つ葉のクローバーは幸せを運んでくるという話を聞き、朝早くから頑張って探してきたのだ。
これだけあると有り難みも半減してしまいそうだが、アブセルは気にしていない。

部屋の扉にそっと手をかけると、そろそろと部屋の中を覗き込んだ。

442アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/13(日) 22:45:43
リマ>沼wハマったら抜け出せない的な?w
聞いといてなんですが、キャラクターほぼほぼ分からないです(笑)

でも調べた限りでは黒崎蘭丸ってのが、それっぽいけど…勝手ながら外見は「あれ!?何かリマさんにしては意外な感じ!」って思いましたw
どうでしょう?あってます?

そしてヨハンとトーマの過去話し、待ってました!└(゜∀゜ )┘←

443メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/03/14(月) 21:44:52
【群青の街】

剣の一振りで騎士達を薙払い、強烈な兜割りを繰り出すシャム。
その一撃を疵面の男は銀の剣で受け止め、一瞬の停滞の後に剣を横薙に。

そう短く無い距離だが、シャムを弾き飛ばし、剣の間合いを確保したと同時に剣による連続突きを放った。
それはさながら驟雨の如く、シャムの視界を埋め尽くさんとばかりに打ち込まれていく。

その様子を横目に、メイヤは襲い来る騎士達を相手に巨大な手裏剣を、刃を振い続ける。
だが、如何せん数が多い。

昨夜に比べれば頭数は少ないものの、一人で捌くのは中々厳しい所だ。

(アグル達はまだなのか……!?)

ーーーーー

空間圧縮からの無数の爆発。
直撃すれば相手は文字通り木っ端微塵になる筈だが……

(そう簡単にはいかねぇか……)

DDに助けられたメルツェルは、離れた位置で爆発を眺める。
しかし、予想通り敵は無傷で現れ、その様子にメルツェルは舌打ちを一つ。

「クソが、本気の本気でやるしかねーじゃねぇか……!」

青白い顔で立ち上がり、自身に宿る力……呪いにも似た、長老だけが持つ力を解放させる。

「全てを融解させる赤熱と紫毒、魅せてやるよ。

冥途の土産になァ……」

解呪の言葉は僅か一瞬。
超高温の熱気と毒素を撒き散らしながら、黄金にも漆黒にも見える鎧に身を包み、メルツェルは咆哮を上げた。

そして、先程までの弱った姿からは想像も出来ないスピードで敵との距離を詰め、鋭く伸びた赤熱する爪を一閃、二閃。

赤色の残光に添って大気が燃え上がり、崩壊しつつある広間内を一気に猛火が包み込む。
謎の人物はメルツェルの攻撃を寸の所で避けたものの、熱波でフード諸共外套が燃え尽きた様だ。

炎の朱に照らされる銀髪の下、幼く見える相貌は中性的で、見る者が見れば息を呑むだろう。
しかし、今のメルツェルには関係無い。

臀部から伸びる尾の先、鋭い毒針と両肩に生えた巨大な螯鋏で周囲の騎士達を皆殺しにしつつ、謎の人物……吸血鬼の姫であるノワールと同じ顔をした敵へ烈火の如く攻撃を叩き込んでいく。

その姿は、まるで怒りに燃える蠍だろうか。

「死、に、さ、ら、せえぇぇぇえ!」

444リマ、ノワール ◆wxoyo3TVQU:2016/03/17(木) 01:44:26
【ポセイドン邸】
>>398

「とても、不思議な感じ。」

アブセルから話があると言われついてきたものの、何故かお茶会の席となった。
正直セナ達のことが気になってお茶を楽しむ余裕などないのだが、何処か落ち着かない気持ちでいたリマはアブセルからの問いに虚をつかれた表情を浮かべる。
大事な話があるのかと思っていたが、彼の口から出たのは申し訳ないがこちらからしてみればとても囁かな疑問だった。
が、隣で眉間の皺を深くするノワールから唯ならぬ気配を感じ、場を取りなそうとリマは言葉を返した。

「そっくりだから、セィちゃんの血を引いてるんだなぁって一目で分かるの。そんなリッちゃんは私にも関係してるんだなぁって思うと、とても不思議。」

そして、とても嬉しい。セナは自分を大切にしてくれるが、それでも二人の間にはたしかな溝がある、そう感じることがリマにはあった。セナの生い立ちを考えれば仕方の無いことだが、セナは幼い頃の印象とは違い、心を閉ざしてしまっている。リマにとってリトの存在は大きかった。いずれセナとの絆が完全に戻る日が来るのだと分かったから。・・・・・少し恥ずかしいけれど。

穏やかな笑みを浮かべるリマのそんな心情を察してか、対するノワールはその眉間の皺を更に深くする。

そんな中「お前は?」とアブセルに促され、ノワールはリマに向いて意識を無理やり引き戻される形で、何故自分も応える必要があるのかと不満そうな態度を示しながらも口を開いた。

「愚問よの。」

正直、初めてその存在を知った時には快さは感じなかった。自分に対して全くの感情を示さず、単なる務めとして扱っていた男が、望んで得た血筋があるのだと知ったから。自尊心が台無しである。
しかしリトは封印を解き自分を開放した云わば恩人であるし、自分を欺いた、かの組織との直接の繋がりもない。セナの血筋であることを除けば、リトに何ら不満はない。潜在的な闇の力も惹かれるところがあり、その力を秘めた血の味は上質で価値がある。

「不本意ではあるが、わらわの本来の力はリトに制されているからの。リトはわらわの主であるぞ、嫌う理由もない。して小僧、わらわと娘にリトへの情を問いかけることに何の意味がある?」

先程までの不機嫌さは何処へ行ったのか、ノワールは意地の悪い笑みを浮かべたかと思えばアブセルに疑問を返す。
ノワールはアブセルが自分達を連れ出した事に何ら意味は込められていないことに気づいていた。現ポセイドンがこちらを気にしてアブセルに何かを吹き込んでいたのを知っている。さしずめ、セナを連れ出すことに自分達の存在は不都合があったのだろう。
時間を稼ぎたいのなら、協力してやろうではないか。もっとも、自分が楽しめる方向でな。

「寧ろ問うべきは己の胸のうちではないか?リトは今や無機質な人形。あような姿にしたのは、そなたじゃ。そなたがあやつを裏切ったばかりに・・・・・無様よの。」

445リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/03/17(木) 02:05:42
イスラ>>

抜け出せない、プラスお金が際限なく剥ぎ取られる的な意味で(*゚∀゚)

ぶぶー(≧ε≦)
実は、第一印象はあくまでイメージなので、実際の設定は全く関係ありませんでした(笑)
たしかに、蘭丸って没落貴族だから設定上ではビンゴでしたね、気づきませんでした|ू・ω・` )

自分の一目惚れしたキャラは藍って子ですヾ(●´∇`●)ノ
顔はバリバリのアイドルですけど、性格素っ気ないですし、電波ですし、アイドルやりたくてやってる感まるでないから親に無理矢理業界入れられたのかなと思ったんですよね(笑)

この子、なんて言うかとんでもなく可愛いんです。同じグループにいる嶺二を鬱陶しそうに扱って「煩い」「邪魔」「黙って」とか言うくせに、そう言う割にはいつも一緒にいるし、何だかんだ嶺二の発言にちゃんと反応示すし、他のメンバーが嶺二の事無視してる中でも藍ちゃんだけは返答するしで、何だかんだ嶺二に懐いてる感じがたまらなくいじらしいと言いますか(*´﹃`*)「何だよ、嶺ちゃんの事大好きじゃん!」って(●´ω`●)
んで、この藍ちゃん。喋ってる時は普通に男の子なんですが、歌声が物凄く可愛いんです!そのギャップが更にいい!!
声優さん男性なんですけどね、女の子みたいな声で歌うんですよー(*/ω\*)

あれ、待っててくれたんですか(笑)
ヨハンとトーマの話なんて単なる自己満ですし、サイドストーリーも甚だしいのに(笑)

446シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/20(日) 13:42:55
【城】

連続突きによる猛攻が視界を埋め尽くす。
シャムはその一つ一つを剣で捌いていくも、相手の勢いにじりじりと後ろに押されていく。

(クッソやりづれぇ…!いつもならブスッとやらせてドーンで終いなのによォ…!)

肉を斬らせて骨を断つ。それがいつものシャムのやり方。
しかし今回ばかりはどうしようもない。細かい裂傷はもはや目を瞑るしかないが、致命傷だけは何としても避けなければならないのだから。

最終的にじり貧も覚悟したそんな時、不意に敵側の後方から火の手が上がった。
それは数人の騎士達に燃え移り、火柱をつくる。

「悪い、遅くなった!」

イスラ達だ。
取り上げられていた武器を見つけ出し、今ようやく駆けつけたようだ。


…………

その相貌。フードの下から覗いたそれを見て、DDは目を見張った。

「メルちゃんっ!待ちなさい!」

そして…。
咄嗟にその場から空間跳躍をしたDDは、敵を庇う形で二人の間に割り込んだ。

メルツェルの尾が肩を掠め、螯が身体に食い込む。
肉が焦げ、傷口から流れ出た血は一瞬にして蒸発した。
恐らく吸血鬼にとってしても致命的なダメージであったろう。それでも彼は辛うじて立っていた。

「……誰、なの…?」

不意に血塗れの口から切れ切れと言葉が発せられる。
その問いは、例の謎の人物に向けて投げかけられていた。

「なぜ…姫と同じ顔をしているの?」

そこまで言って、DDは堪えきれずに地面に崩折れた。

447メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/03/20(日) 18:55:39
【群青の街】

臆病の殻を融解させ顔を覗かせるは、赤熱と紫毒に染まる狂気。
今のメルツェルには、視界に映るモノ全てが敵に見えるだろう。

「長老が長老と呼ばれる由縁、長老だけが持つ12の鍵……黄金の蠍。

その力、返しても「うるせぇよ、死ね」

それはノワールと同じ顔を持つ人物が現れても、その人物をDDが庇い、倒れたとしても変わらない。
崩れ落ちたDDを一瞥する事も無く、メルツェルは謎の人物へ再び攻撃を叩き込んで行く。

「もう止めるヤツぁ居ねぇ!死ね死ね死ね死ね死ね死ね!!」

尾の一振りは紫毒を撒き散らし、螯鋏は赤熱の炎を燃え上がらせた。

ーーーーー

不意に上がる炎と響く仲間の声に、メイヤは小さく安堵の息を吐いた。
それと同時に、疵面の男へと手裏剣を投擲。

連打を防ぐべく飛来するソレは、メイヤの思惑通りに疵面の男とシャムの間に割って入った。
その間を逃さず、イスラと共に現れたバッハが疾走。

その巨体からは想像出来ない程の速度で廊下を駆け抜け、跳躍。
疵面の男へと拳を振りかざし、落下と同時にその拳を男へ叩き付けた。

その一撃はまるで隕石の落下の如く。
剣の腹で拳を受け止めた疵面の男の足元が大きく陥没する。

「……まさか吸血鬼と肩を並べる事になるとは思いませんでしたが、宿敵と言っても過言では無い相手が居ますので。」

疵面の男の薙払いをバック宙で回避し、シャムの隣に着地したバッハは、低い声でそう言った。

「私が壁になりましょう、後は分かりますね?」

そして、シャムの返事を待たずに再び跳躍からの叩き付けを放ち、無駄の無いコンパクトな動きで掌打を、肘鉄を、蹴りを繰り出して行く。

それを見、メイヤは声を挙げる。

「イスラ!アグル!雑魚を片そう!」

ーーーーー

腕の一振りは炎を、尾の一刺しは猛毒を。
狂気に染まるメルツェルの攻撃は破壊の渦を巻き起こし、城、眷属諸々を粉砕して行く。

その渦中、絶対零度の結界を張ったフィアはDDを介抱していた。
ノワールと同じ顔、そしてその口から出た言葉の意味。

それらを繋ぐ単語、それは……

「……DD、生きてる?」

448アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/20(日) 21:13:01
【ポセイドン邸】

「それは分かってる。俺が馬鹿だったんだ」

二人にリトへの情を尋ねた理由はあった。
いや、正確にはたった今、"理由が出来た"。

アブセルはノワールの言葉に対し、僅かに表情を沈ませて言った。

「俺、お前らに嫉妬してた。
ちょっとだってリトが他の奴のこと気にかけるのが気に入らなかった。
リトのこと取られた気がして、それが悔しくて、だから他人に対していつも邪険な態度ばかり取ってた」

悪かったと思ってる。とアブセルは続けた。

「お嬢と話して気づいたよ。
いつもリトのこと"大好き"とか、"大切"とか言ってるくせに、俺って結局自分のことしか考えてなかったんだって。
一方的に自分の気持ちばかり押し付けて、リトの気持ちは全く分かってあげようとしなかった。
…それで友達面してんだもん。死にたいぐらい恥ずかしくなったよ」

ずっとリトの味方でいたつもりだった。
でもそうじゃなかった。結局自分も彼を虐げていた、大嫌いな屋敷の大人達と変わらなかった。
本当の友人なら、リトに屋敷の中以外での繋がりが出来た時、喜んであげるべきだったのだ。

「リトが目覚めてくれるなら、何だってやる。
そんで、もう二度とあいつのこと傷つけたりしない」

目覚めた彼が、まだ自分を側にいさせてくれるかは分からないけど。

そこで不意にアブセルは言葉を切った。リマとノワールを見つめ、そして頭を下げた。

「良かったら二人も力になって欲しい。俺の力が及ばない時は、二人がリトのこと支えてあげて欲しい」

今更になって調子の良いことを言っているのは分かっている。
でも彼女達なら、リトのことを親しんでくれている二人なら、彼を任せられる。

449アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/20(日) 21:28:31
リマ>お金まで絡んでくるとは恐ろしい…w

違ったか〜、でもその子なら納得です(笑)人気がありそうな容姿をしてらっしゃる
ちょっとキャラソン聞いてみましたが声優さん声高いですね、すごい!(>.<)
でも実はロボットって書いてあるんですが…w

サイドストーリー大好きですから(笑)
ヨハン達ってこういう性格でこういう関係性なのか…
、って楽しく読ませていただいています^^

自分もだいぶ前にヨハン母と爺やのラブストーリー書くとか言っといて全然書いてないなー…
ぼちぼち考えてはいるんてすが、どうもしっくりこなくて…(^-^;

450ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/03/20(日) 22:07:53
【イスラとは6年、リマとは9年の付き合いになるとか驚愕の表情を浮かべざるを得ない!ww

つかこのお話も前作?含めて6年経つのか……スゲェなぁ、しみじみ思うね!

てんでバラバラな所に住んでるけど、スレが無事完結したお祝い兼ねて会ってみたいな、マジラブ歌わねーといけないしさ!(笑)

きっとそんな日が来る頃にはリマもばっちし良い彼氏ゲットしてる筈!】

451リト、ヨノ ◆wxoyo3TVQU:2016/03/25(金) 18:48:22
【ポセイドン邸/過去】

リトは部屋の中で床に膝をつきうつ伏せで何かをしていた。
その対面では彼の2番目の姉であるヨノが楽しそうにその手元を見ている。
リトの手元、ヨノの視線の先にはスケッチブックのような物が。どうやら絵を描いているらしい。

昨日はあれ程の騒ぎがあったにも拘らず、いつもなら罰と称してリトに暴力を奮うヨハンは何の行動も起こさなかった。リトを連れ帰ってきてくれたトーマがヨハンを伴って行くのを見たが、二人の間に何の会話が交わされたかは分からない。しかしきっと、トーマが何かしら動いてくれたのだろう。

(おじ様はお優しい方だから・・・・・)

トーマが来てくれて良かった。リトとアブセルが二人だけで帰ってきていたら、きっと二人とも無事で済まされなかった。

「リトくん、何を描いているの?」

ヨノは自分の中に浮かんだ「起きていたかもしれない恐ろしい事態」を頭から消し去ろうと、意識をリトに戻す。
問いかけても返事はくれない。いつもの事だ。
ヨノは苦笑いしながらリトの頭を撫で、そしてふとドアの方に気配を感じて顔を上げた。そこにいる人物、アブセルの姿を見つけるや優しく目を細める。

「アブセルちゃん、おいで。」

452シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/27(日) 00:48:06
【城】

助っ人に現れたイスラとアグルはメイヤの指示通りに下っ端の相手を。そしてバッハは疵面の男に拳を向ける。

「…けっ、わかんねーッつの」

シャムは余計なお世話とも言いたそうに顔をしかめるも、接近戦では不利な筈の、しかし扱い慣れた遠距離型の武装へと腕を変形させる。

見えるは巨大な砲身。
重々しい音と共に腕を構え、こちらに背を向けて戦うバッハの背中に照準を合わせる。

「…………」

そして、砲口から高出力のレーザー光線が照射される。
普段のシャムならバッハ諸とも敵を撃破しようとするだろう。しかし照射された光線は、バッハの脇を掠め敵のみに撃ち込まれた。

二人の動きを先読みしたシャムが、ご親切にもバッハが軌道から外れた際を狙ったのか、はたまたただの偶然か、気まぐれか。月並みだが、真実は本人のみぞ知る、である。


…………

「…ええ、なんとかね…」

短い失神から目覚めると、そこにはこちらの顔を覗き込むフィアの姿があった。
DDは彼女に礼を言って上半身だけを起こすと、再生する傷口に手を触れた。

(メルちゃんったら…、随分容赦なくやってくれたじゃない…)

今、彼の全身には金色のタトゥーが浮かび上がっていた。
これは今まで他者から吸い取ったエナジーを元に、己の身体能力と治癒力を極限まで底上げした証。正直、これがなければ危なかった。

「て言うか…、この状況はどういうことなの?訳が分からないわ…」

オリジン。
その単語が脳裏に浮かぶ。

「その人、てっきりアタシは死んだとばかり思っていたんだけど…」

453シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/03/27(日) 00:52:31
ヤツキ>ほんと、スレが賑わってたあの頃が懐かしい…^^
しかし完結した頃には一体何歳になっているんだろうか…(笑)
じゃあ自分もその時に備えてマジラブ歌えるように練習しとこうw

454ナディア ◆wxoyo3TVQU:2016/03/28(月) 01:59:27
【ポセイドン邸】

母はやはりセナとリトの見分けを付けることが出来なかった。
ただでさえ父を亡くし錯乱している彼女の前に「リト」を突き出すべきでない事は分かっていたが、葬儀で鉢合わせることになる以上、仕方が無かった。

セナはふと自身の頬を指でなぞる。血が滲んでいた。「リト」に怯えた母が手当り次第物を投げつけたため、うち一つが掠ったようだ。

「・・・・・驚いただろう?」

ナディアは気遣わしげにセナを見る。
セナは特に気にしていないようだが、とても申し訳ない。
傷を治してやろうと手を伸ばすも、必要ないとばかりに逸らされてしまった。

「リマは?」

そして遮るようにリマの行方を聞かれる。

「ん?リマならアブセルが庭に連れていったみたいだけど。」

ナディアが庭の行き方を教えるとセナはすぐにそちらへ向かってしまった。何だろう、迷惑かけてる立場である以上こんな感覚を持つことは間違っていると思うが、こっちが折角心配してるのに無視されると何か腹立つ。

しかし彼のそんな態度にも慣れてきた。やれやれと言った具合に後を追うべく歩き出した所、自分の方は母の部屋から出てきたヨノに呼び止められた。

「お姉さま、あの・・・・・」

「ごめん、母さん落ち着いた?」

「えぇ、なんとか。あの、お姉さま・・・・・」

ヨノは何か言いたけだった。しかし言って良いものかと言い淀む仕草。どうやら、母親の件とは別に用があるらしい。

「言ってみ?」

「あの、昨晩・・・・・ジルが来たんです。」

ジル?誰だっけ?

「ほら、お父様のご友人のトーマおじ様がよく連れていらしたご子息の・・・・・」

言われてぼんやりと思い出した。たしかにそんな子がいた気がする。妙に口が達者で、自分も下手すりゃ言い負かされそうになるくらい頭の回転が早い小生意気な餓鬼が。
両親が事故にあい、一時は妹と共に父方の親戚に引き取られたが、その後その兄妹は行方不明になったと聞いた。当時何だか不可解に感じてはいたものの、こっちの事情で手一杯ですっかり忘れていた。

ところでジルと言う名前、最近何処かで聞いたことがある。気のせいだろうか。

455リマ他 ◆wxoyo3TVQU:2016/03/28(月) 02:00:05


----------------

「もちろん!」

アブセルの申し出にリマは快く頷いて見せた。

「私に出来ることなら何でもするよ。大丈夫、アブくんの気持ち、きっとリッちゃんも分かってる。リッちゃんが早く目覚めるよう、一緒に頑張ろうね?」

一体何を頑張るのかは不明だが、リマはそう言ってアブセルを励ます。アブセルの手を両手で包みながら「ね、ノワールちゃん」などと同意を求められても困るのだが、悪意のない笑顔に返す言葉もなく、ノワールは居心地の悪そうに目を逸らした。あからさまに拒否をしないと言うことは、ノワールも少なからず協力する気ではあるようだ。

「リマ。」

ちょうど良いタイミングで、別行動をとっていたセナがリマ達のもとへやって来る。アブセルの手を握っていたリマの手をセナが自身の手で絡め取ると、リマは嬉しそうに握り返した。

「セぃちゃんおかえり」

此処はリマの言えでもなければ、別行動に至った始点でもない。よってリマから発せられた言葉は些か不適切であるように思うのだが、セナは何の疑問も持たず「ただいま」などと言葉を返している。

「セぃちゃん、リッちゃんのお母さんはどうだった?」

言ったところで、リマはセナの頬にある傷に気付く。

「セぃちゃん、怪我してる・・・・・」

どうして?リマはそっとその傷に触れる。
リマはミレリアの状態を知らない。リトを忌むように術をかけられてしまっていることは先程知ったが、それがどのような事態を招いているかまでは理解出来ていないのだ。しかし、無理に知る必要もないと思う。セナはリマの問いに答える代わりに「心配するな」と笑みを返した。

「あの娘(リト母)・・・・・」

一方、1度ミレリアに会ったことのあるノワールは察した。
我が子を認識出来ないばかりか、危害を加えるほどとは・・・・・。

「あーいたいた!」

そこへ、ナディアが遅れてやって来る。
セナの傷を気にするリマにヒヤリとしたものの、その様子からは大事にはならなそうだと判断しそのままアブセルに声をかけた。

「おうアブセル、女の子に囲まれたお茶会は満喫出来たか?」

456リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/03/28(月) 17:01:51
結果発表、自分の受験番号見つけました(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)

イスラ>>
本当、いい商売してますよね|ू・ω・` )イベントごとに限定イラスト出すもんだから沼にハマったら破産しますよwww

藍ちゃんは世のお姉さま達に人気があるイメージです(๑ÒωÓ๑)
実際人気ありまくりでヤフオクでグッズ競り落すの大変なんです( •́ .̫ •̀ )付録で付くようなブロマイドでさえ千円以上の値がつきますからね(´・×・`)
私は顔と歌声と性格にポロッと来ちゃいました(๑ÒωÓ๑)たまたまCD買った時に付いてきたカード財布の中に入れっぱで忘れていたところ、研究室の友人が私の財布弄って見つけてしまい、以来藍ちゃん好きとしてからかわれるように(´・×・`)国試前に貰ったキットカットには「受かって稼いで藍ちゃん買うんだ!」って落書きされてました( •́ .̫ •̀ )
藍ちゃんはソングロボットです(๑ÒωÓ๑)ボカロと似たようなもんですねwww
まぁロボットだろうが可愛ければ問題ないのです(๑ÒωÓ๑)

あー、自分もサイドストーリー好きです(笑)
なんかヨハンの若い頃書いてると、何だかんだ性格がリトに似てるなぁって思えてきます(笑)

ラブストーリー楽しみにしてます(*´﹃`*)構想は浮かんでるのにイマイチしっくり来ないってことありまふよね|ू・ω・` )


ヤツキ>>
ほんと長いね!物語もここまで続くとか本当感動!

マジラブひっぱるねwww

彼氏ゲットせな!取り敢えず同期に期待したんだけど皆女の子だった(笑)

457メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/03/28(月) 22:38:23
【群青の街】

その一撃は、言動共に粗暴に見えるシャムからは想像も出来ない程の精密さで、放たれた。
タイミングを合わせたのか、はたまた偶然なのかは分からない。

しかし、針の穴を通すかの様な光線は、確かに疵面の男の胸を貫いた。
白磁の鎧が砕け、仰向けに倒れる男。

「……呆気なかったな、最後は。」

アグル、イスラの二人との連携は思った以上に上手くいき、苦戦したのが嘘かの様に騎士達を倒したメイヤは、刃に付いた血糊を払いながら呟いた。
考えるのは、倒すべき吸血鬼との共闘を終え、本来の目的である吸血鬼討伐に取り掛かるかどうか。

……答えは、否だ。
騎士達とそれを率いる男は倒れ、戦うならば四対一と此方が圧倒的に有利だろう。

しかし、今日は此処に来た最重要目的はイスラとバッハの救出だ。
少なからず消耗している今、無理に戦う必要性は無い。

そう、自らの中で理由を付けてメイヤは武器を収納する。

「なん、だ……!?」

その時だった。
城が大きく揺れ、破壊音が轟き響いたのは。

音と共に揺れは増し、頑強な筈の石畳が、積層壁が割れ、廊下は崩落の兆しを見せた。

「拙いですね、急いで脱出しましょう!」

地下にあるこの廊下が崩れれば、全員生き埋めになるだろう。
バッハの声にメイヤは素早く駆け出そうとし……思わぬ不意打ち、空間歪曲を利用した衝撃波によって吹き飛んだ。

「……まだ、終わりではないぞ?」

床に叩きつけられ、痛みに顔をしかめるメイヤは、進行方向、出口へと繋がる方へ視線を向ける。

「吸血鬼の長と戦うには、人の身では力不足でな……

毒を持って毒を制す、吸血鬼の血肉を取り込んだこの身は既に人ではないのだ……」

そこには、シャムの砲撃により倒れた、疵面の男が立っていた。
貫かれた筈の胸元は血に濡れているものの、傷口は塞がり。

黒の瞳は爛々と赤く輝き、口元には牙が覗く。
更に、その背には蝙蝠の翼が二対。

「本気を、出させてもらおう……!」

滅するべき吸血鬼の力を宿し、疵面の男は一行へと再び立ちふさがった。

458フィア ◆.q9WieYUok:2016/03/28(月) 22:45:04

ーーーーー

「死んだんじゃない、生きてなかっただけ……」

呼び掛けに応じ、上半身を起こしたDD。
彼女、もとい彼の無事を確認し、フィアはホッと安堵の息を吐く。

身体に浮かぶ黄金の模様、彼の秘策と言っても過言では無さそうな術式を見るのは長らく振りだ。
しかし、それは紛れも無い回復の証し。

「何故ノワールと同じ顔をしているのか、それは至極簡単よ。」

結界内部から、外の激しい戦いを瞳で追いながら、フィアは続ける。

「思い出してみて、私達が生まれ落ちた時の事を……」

記憶の奥底、遥か昔の事。
自分が自分である事を認識した、あの時。

「私達はオリジンを見た事が無い。

何故なら、私達はオリジンと言う存在を12分割して生まれたから……」

そう、あの時。
朧気な記憶に浮かぶのは、幼き12人の姿。

「オリジンを12分割して生まれた私達が、それぞれ血と肉と魂を寄り合わせて生んだのが吸血鬼の姫、ノワール。」

考えてみれば簡単な事だ。
ノワールとオリジン、それは限り無く近い存在なのだ。

「私達と言う血肉を失った器がオリジン、そのオリジンが血肉である私達を取り込もうとしている……つまりはそう言う事。」

思い出せば、自分を含めた幼き12人の中にジーナの姿は無かった。
しかし、彼女の魂の波長は紛う事無く自分と同じ長老だけが持つ独特の波長だ。

だが、今はそれを問い出す時では無い。
元々在ったモノを取り戻す事は決して間違えではないが、はい、わかりましたと首を縦に振る自分達ではない。

「私の命は私のモノ、そう易々と渡しはしない。」

メルツェルが放つ極大の火球が城を飲み込み、猛火が燃え盛る中、フィアは立ち上がる。

「相性は最悪だし、鬱陶しい奴だけど……メルツェルを援護するわ。」

そして、結界の中にDDを残して空間を跳躍。
メルツェルと同じく黄金にも漆黒にも見える鎧、12の鍵の一つ、黄金の水瓶の力を権限させ、謎の人物……オリジンの背後に現れた。

それと同時に、メルツェルは再び極大の火球を。
それに合わせてフィアは絶対零度の凍気の嵐を巻き起こす。

相反する二人の力は互いに打ち消し合う事無く相乗し、オリジンを中心に凄まじい大爆発を起こした。

轟音と閃光は止まず、灼熱の熱風と極寒の吹雪が吹き荒れ、メルツェルの居城は秒刻みで破壊されていく。

そして。
一瞬にも永遠にも思える破壊の嵐が止んだ後。

メルツェルとフィアの視線の先に浮かぶのは……

「……ケッ、あれでまだ死んでねーとはな……」

身体の七割程を失いながらも、宙に浮かぶオリジンの姿だった。

「……流石、ね。」

459リト ◆wxoyo3TVQU:2016/03/31(木) 12:36:32
【???】

正直、自分の今の状況が未だ分からない。
リトは戸惑いながら自分の膝の上に視線を落とす。

「・・・・・・・・・・。」

何故、

「お花!」

自分へと差し出される一輪の花。
リトがそれを受け取ると、先程から断りもなくずっと人様の膝の上を陣取っている幼児が嬉しそうに笑う。

自分は何故、見ず知らずの子供のお守りをしているのか。

「ジタン。」

どうでも良いが、そろそろ膝が限界である。
そんな頃、漸く子供の保護者が姿を現した。

「おいで、お客さまに面倒をかけちゃ駄目。」

保護者は子供を抱き上げてそのままリトの隣に腰掛ける。そして保護者・・・・・リトと同じ年頃と思しき少年は、軽く謝罪の意を述べた。

「・・・・あんた、アンヘルだっけ?」

戸惑いはしていたものの、特に迷惑をかけられていたわけでもない。
謝罪を軽く流したリトは、手遊びを始めた幼児を横目に見ながら少年に問う。

「ここが特殊な所だってのは理解した。けど、あんた達は地上に自由に出られるんだろ?あんたとは前にも会ったはず。」

「そうですね。」

「じゃあさ、あんた達と同じようにすれば俺も戻れるんじゃないの?」

リトはヨハンに連れられ謎の穴に落とされた。そこまでの記憶はある。しかし、その後気づけば「この場所」にいた。
場所と言うよりは世界と言うべきか。ここは自分が当たり前に生きていた世界とは別物らしい。なんともキテレツな話ではあるが、長い時を経て眠らされていた吸血鬼がいたり、その吸血鬼の故郷である世界に飛ばされたり、しまいには先祖なる存在が現れたりなど、最近意味の分からない出来事が多すぎて感覚が麻痺してきているようだ。不思議と受け入れられる。
落とされた穴の中で、闇に飲まれた。そして、自分は死ぬのだと理解した。しかし、この心臓は止まることなく今ここにいる。目を覚ました先の光景は一変しており、城のような空間で立たされており、目の前には偉そうに椅子に座りこちらを見据える男がいた。自分はその男を知っている。吸血鬼の世界に現れた、ルイと名乗る男。
男は呆れたように溜息を吐き、「お前を買いかぶっていた」だの、「情けない」だの散々嫌味をぶつけてきたと思えば、「ここからは簡単に出ることが出来ない」などと言ってきた。「元の場所に戻れるかはお前次第だ」と。連れてきたのなら帰せと抗議したが、「知らん」と一蹴。まったくわけのわからない男である。帰さないのは向こうであると言うのに、「ここにずっと居られるのは迷惑」「早く出ていけ」とまで言われた。腹立たしい。

嫌な記憶を思い出しているのか、どんどん苦い顔になっていくリトにアンヘルは苦笑いを浮かべた。

460リト ◆wxoyo3TVQU:2016/03/31(木) 12:37:16

「それは難しいです。」

彼はきっとルイの発言に腹を立てているのだろう。無理もない。ルイ、我が父は兎に角言葉が少ない。理由を述べることを面倒がって結論のみを口にするため、言葉を向けられる側は意味を理解出来ず機嫌を損ねてしまうのだ。

「僕とあなたは、今こうして話も出来るし、触れようと思えば互いに触れることも出来ます。でも、今あなたは少し特殊な存在なんです。僕達とはまた違う存在。」

今のリトは簡単に言ってしまえば霊体である。身体は今でも元の世界にある。しかし魂と身体を長い間切り離してしまえば死んでしまうので、意識だけをこちらに連れ出した。地上のリトから言えば夢を見ている状態に近いだろう。
あの時、闇に飲まれたリトを救うには一時的にでも身体と魂を切り離す必要があった。闇の力の核となる魂を喰われれば、あの世界は終焉を迎えることになったかもしれない。魔玉をその身に封じたセナの魂を引き継いだリトには、それ程の災厄をもたらしかねない威力があるのだ。よって、何としても魂だけは護る必要があった。

しかし、その魂は生きる気を失っていた。身体と引き離し、魂をルイの魔力を込めた宝玉に封じ護っても、魂が消滅を望んでしまってはいずれ跡形もなく消え去ってしまう。どちらにせよ災厄は防げただろうが、リトは危険な存在であるのと同時に、世の闇を制するには必要存在であり、失うには惜しい価値があった。故に少々強引ではあるが、身体と魂を引き離した上で、魂から意識をも切り離すことにした。今のリトの意思はその魂にとって毒でしかない。

「あなたは帰りたいと言っていますが、自覚していないだけで、戻ることを拒否しているのはあなた自身なんです。あなたが心から生を望めば、きっと帰ることが出来ます。」

リトを護るには致し方のない処置だった。ルイは口が裂けても言わないだろうが。

「ここにはいくら居ても構いません。自分の心に問いかけて見てください。ここは、もとより自分を省みる為に存在する場所です。」

「もっとも、省みるのは自分じゃなくてパパなんだけどね。」

アンヘルの説明に突如割って入る声。いつ来たのか、背後から少女が仁王立ちで見下ろしていた。
この少女にも一度会ったことがある。たしか、アンヘルの姉で、名前はアネスだったか。

「自分じゃないって?」

「ここは魂を選別する場所。あんたも聞いたことあるでしょ?閻魔とか、天国とか地獄とか。あれ、迷信じゃないから。生涯を終えた魂がどちらに行くか、生前の記録を辿って決めるのがパパの仕事。」

「は?」

「あ、あんたは死んでないから安心していいよ。ここにいるのは死者だけじゃないから。私もアンも、末っ子のジタンもちゃんと生きてるし。」

なんだかとんでもない情報を押し付けられた気がする。
トンデモ状況が多すぎて感覚が麻痺してるとは言え、流石に衝撃的すぎるのではないか。自分は本来死んだ後にしか会うことのない存在を目の当たりにしているのか。

「姉様、何か用事?」

「あー、そうそう。ティータイムだって、ママが呼んでる。」

言ってアネスはある方向を指さす。
視線を向ければ、庭の奥の方で先に席についているのであろう女性が笑顔で手を振っている。

「あんたも参加ね。パパを呼んでも来なかったから、このままだとママが落ち込んじゃう。」

色々な情報が一気に押し寄せてきて処理が追いつかないところを勝手に欠員の穴埋めにされ、リトはわけもわからないまま促されるままに従うこととなった。

461ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/04/02(土) 01:22:48
【イスラ》板組も消滅したぽいしなぁ……

色々やりたいネタは沢山だけど、話まとめないと収拾着かなくなりそうだww三十路までにはきっと完結……してるハズ!

リマ》感動の涙は完結まで取っておこうぜ!
ww

同期の女子と合コンしたり、同期の友人の友人とかでこう捜して行けば出会いは沢山あるはず〜!

と言う訳でマジラブはイスラとデュエットするのでwwww←】

462アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/02(土) 19:14:29
【過去】

不意に名前を呼ばれ、アブセルは飛び上がった。ヨノが居るとは思ってもみなかったのだ。
なぜ自分だと分かったんだ、とでも言いたげな面食らった表情で入室するや、直ぐに床に這うリトの姿が目についた。

「リト…、昨日は大丈夫だった?」

リトはやはり応えない。代わりにヨノが頷いてくれた。
彼はどうやらスケッチブックに向かって絵を描いているようだ。
傷だらけだったらどうしようと思ったが、見る限りは元気そうで、アブセルはほっと胸を撫で下ろす。

次いで、渡したいものがあったと後ろ手に隠したクローバーの存在を思い出す。
しかし、いざ渡すとなると何やら恥ずかしくて中々切り出せない。
アブセルは暫しモジモジと逡巡した後、ついに意を決した。

「あの…これ…、昨日のおわび…」

照れくさそうに言って、緑の束をリトの目の前に差し出す。

「これからはリトが外に出られるようになるまで、俺が代わりに外のものを持ってきてリトに見せてやるから」

463アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/02(土) 19:16:05
【ポセイドン邸】

小さくて柔らかい女の子の手。リマの手はまさにそんな感じ。
彼女の手に触れるのはなにも今回が初めてではないが、不意に手を握られた時、アブセルは一瞬ドキリとした。

おかしい。普段なら何とも思わないのに。
何だか顔も火照ってきたような気がするし、風邪でもひいたのかもしれない。
そんな疑念を自分に抱いていると、丁度セナとそしてナディアが戻ってきた。

「うん、まあね。そっちはどうだった?
…てかセィちゃんさんのあの顔の傷ってもしかして奥さまが…?」

アブセルは二人の分の紅茶を淹れながら、ナディアに小声で問いかける。
しかし彼女の表情を見れば、返答など聞かずとも分かった。

どうしたものかと考えている内、ふと前々から思っていた疑問が口をついて出た。

「奥様のアレって本当に精神的な病気なのかな…。
リトに対する態度のこともあって、俺あの人のこと好きになれないけど、ほんとは凄い優しい人だってことは分かるよ」

あの人は身分に拘ったりしない。使用人に対しても変わらない態度で接してくれる。

だからこそリトに対してのみ、別人のような振る舞いを取る彼女に違和感を覚えていた。
まさかそれが実の祖父の洗脳によるものなど、アブセルは夢にも思っていない。
今回の騒ぎの一件で、ミレリアの件もヨハンの陰謀の一つではないかと疑い始めていた程だ。

464DD ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/02(土) 19:17:51
【城】

DDはメルツェルやフィアとは考えが違った。

「つまりは…って、そんなんじゃ納得できないわ…」

今から何百年前か…。
あの日、自我が芽生えた瞬間は奇妙なものだった。
そこがどこで、自分が何者なのかも分からなかった。
ただぼんやりとした意識の中、理解していたことがある。
自分がとある一つの存在から生まれ落ちたことと、周りの子供達も自身と同様の存在であるということだ。

そしてDDは、自分を含んだ12人を兄弟と、そして顔も名も知らないそれを親のようなものだと捉えていた。

メルツェルからオリジンを庇ったのは、DDにとってそれがノワール同様、貴い存在であったから。
自分達に力を与え、血と肉をくれた。
だからこそ、オリジンが自分達の存在を消すべく現れたと知った時、ショックを感じずにはいられなかった。

自分の命は自分のもの。確かにフィアの言う通りだ。
本来ならばフィア達に加勢するべきなのだろうが、しかしDDは動けなかった。

ただ知りたかった。何故、今更になって自分達の前に姿を見せたのか。そして自分達が生まれることになった経緯、元々ひとつだった存在が12個に分かれた利用を。

465イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/03(日) 22:42:55
リマ>おめでとうございます!受かって稼いで藍ちゃん買えますね!(笑)

マジかー…、うたプリ恐るべしww
確かライヴとかもあるんですよね?チケットとかも直ぐ売り切れそう…
ロボットでも問題ないんだw何でもロケットパンチとかも出来るらしいですね。強い(笑)

自分も思いましたwやはり親子ってことですかね

書く書くって言って、結局諦めて書かないってことも有り得ますので期待はしないでくださいw


ヤツキ>完結…できるといいなぁ…
自分はネタとか全く思いつかないのでヤツキさんについていきます!(*`・ω・)ゞ⬅

466メルツェル ◆.q9WieYUok:2016/04/10(日) 01:44:48
【群青の街】

二人で七割削れたならば、後一押しか。
頭部と僅かに残った上半身だけで宙に浮かぶオリジンの姿を見つめながら、フィアは声を挙げる。

「DD、貴方の援護が有ればオリジンを倒せるわ!」

しかし、援護を求める言葉に対する返事は無く、DDが動く気配も無い。
それはフィアに取って予想外の出来事であり、思わず視線をDDへと向けた。

その瞬間、オリジンは自分自身とその周囲に流れる時を巻き戻し、傷付いた身体を元通りに。
それはほんの一瞬の間だったが、オリジンに取っては充分過ぎる間だった。

元の小柄な身体からは想像出来ない速さで宙を駆け、腕の一薙で周囲の空間そのものを引き裂くと同時に、背後のメルツェルが放った熱波を振り向き様に発生させた重量波で相殺。

更に、そのまま高速で横回転しながらフィアへ突撃。
フィアが張る凍気の障壁を薄皮の如く破り捨て、黄金期にも漆黒にも見える鎧を砕き、彼女を吹き飛ばした。

そこでオリジンは一旦動きを止め、空間跳躍によって死角から現れたメルツェルの首筋を小さな手で鷲掴みにし、先程地に叩き付けられたフィアの隣へ投げ捨てる。

単純な物理的な攻撃に見えるも、その一撃一撃、一挙動毎にオリジンは自身のみぞ知る異界の術式を絡ませていた。
それは吸血鬼の最上位種、長老にすら決定的なダメージを与えれるモノだ。

その直撃を受けたフィアとメルツェルは何とか立ち上がるも、反撃の手が出ない。
動かない二人を見下ろし、オリジンは両の腕を大きく広げる。

小さな掌の先に超高密度の魔術紋が集積し、空間が、時空が歪む。
そして、二つの魔術紋が合わさり、雷光とも極光とも見える眩い光の雨が周辺一帯に降り注いだ。

ーーーーー

砕け散った模倣の世界を集め合わせ、生まれたこの世界は言わば紛い物。
その世界は、傷付いた身体を癒やす隠れ蓑にするには丁度良かった。

世界そのものと言っても過言ではない中枢システム、黄龍が動き出す前に十字界を世界の裏側に仕込み、血肉を分けた種を蒔き、育った長老と言う実を収穫する。

そして先ずは、歪な世界をリセットしようとしている黄龍を滅ぼし、遥か古に敗れた白焔の龍皇へ再び戦いを挑もうではないか。

467メルツェル ◆.q9WieYUok:2016/04/10(日) 01:47:20
ーーーーー
12に分かれた黄金と漆黒の力、その一片すら取り戻して居ないが、それでもオリジンの放つ攻撃は凄まじい。
一粒一粒が大爆発を巻き起こす圧倒的な破壊の雨は、城を、その周囲一帯を、群青の街を焦土に変える。

美しく輝く死の雨が降り止み、焦土と化した城の跡で、フィアは何とか立ち上がった。
全身全霊で張った絶対零度の結界は、あの四霊のキールの全力に勝るにも劣らない堅固さを持っていた。

しかし、その結界を持ってしても即死を免れる程度であった。
黄金にも漆黒にも見える鎧は見るも無惨に砕け散り、五体満足ながらも無傷な部位は見えない程に傷付いている。

その隣で、同じくボロボロの状態で膝を着くメルツェルは、血反吐を吐き捨てて立ち上がった。

「……くそったれが、これじゃァもう勝てる見込みは無ぇ……」

3人で畳みかければ勝機は合ったが、死んでないだけと言うのが正しいこの状態では撤退する事すらままならないだろう。

「冷血女、オカマ野郎を連れて退け。

ガラじゃねーが俺が囮になってやらァ……」

ならば、と立ち上がったメルツェルはオリジンを睨み付け、空間を跳躍。
宙を浮かぶオリジンの眼前へ姿を現す。

そして、その小さな身体を確と抱き締めた。
それは恋人同士の熱い抱擁では無く、真逆の死の抱擁か。

「ガキと心中なんて全く、何の楽しみも無ぇじゃねーか……クソが。」

諦めの声をぼやき、メルツェルは残る全ての力を、その魂を燃料にしーーーー

ーーーー起こるべき爆発は起きず、その存在全てを吸収され、消えた。

宙へ浮かぶオリジンの姿は無傷で、変わった所を挙げるならば、銀にも白にも見える髪が一房、赤に染まっただけだった。

「12に分かれた内の一つ、燃える毒蠍の力……回収した。」

靡く髪はそのままに、オリジンは無機質な声でそう呟いた。
そして、立ち尽くすフィアの姿を睥睨し、彼女へと手を伸ばす。

「極凍の水瓶よ、毒蠍に免じて今回は見逃そうか。」

伸ばした手の先、浮かぶ魔紋を握り潰し、オリジンは身を翻してその姿をゆっくりとフェードアウトさせた。

468リト ◆wxoyo3TVQU:2016/04/10(日) 18:45:07
【過去】

目の前に差し出された緑の束を、リトは不思議そうな顔で見つめる。
ついでヨノへと視線を移すと、それは幸せを運ぶものだと教えてくれた。
手を差し出すとアブセルが四つ葉を握らせてくる。

「リト、ありがとうは?」

ヨノが促すも、やはりリトは答えない。
しかし今回ばかりは少し違った。

リトはスケッチブックを手に取ると、描いていた絵を切り取る。そしてそれをアブセルに差し出した。

「・・・・・あげる」

それまでリトに隠れて見えなかったが、スケッチブックには猫や花、そしてクレープのような物を持った人間の絵などが描かれていた。
色々な物が乱雑に描かれていたが、それは昨日リトが初めて目にしたものだった。人間は色合い的にアブセルを描いているのだろう。

「それ、アブセルちゃんに渡すために描いていたの?」

リトが言葉を口にしたことにも驚きだが、それ以上にリトのとった行動には更に驚かされた。
ヨノの問いかけにリトは頷く。

「要らないならあげない。」

469シャム ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/10(日) 23:32:45
【城】

人の身でありながら、自ら吸血鬼の血肉を取り込んだというのか。

「そのイカれっぷり、逆に感心するぜ」

シャムは人外のモノに変貌した相手の姿を、まるでお面白いものでも見るような目で見据える。

直後、周囲の壁が本格的に崩壊を始めた。
ひび割れ、崩れ落ちる壁面や天井。このままでは生き埋めになる…。そう思った時、不意にそれらの決壊がピタリと止まった。まるで時間が止まったかの様に。

「早く…、何とかしてくれ…。長くは持たねー、から…」

誰の仕業かと見れば、珍しく険しい顔で汗だくになったアグルが、トールの力を発動させていた。
どうやら周囲一体に特殊な磁場を発生させ、城全域を浮かせているらしい。

「へぇ…意外とやるじゃねーか」

シャムは言う。
そして、要望通りに何とかしてやるとばかりに、その場にいる疵面の男を除いた全員を空間跳躍で移送した。

………、

「え」

目の前に広がるは黄昏の空色。全身を包む冷たい空気。
転移した先は何と上空だった。

「悪ぃ、悪ぃ。俺様、空間跳躍とか苦手なんだわ」

「ちょ…っ、ふざけんなし!」

バッハ、メイヤ、イスラはまた別の地点に飛ばしてしまったかもしれない。
眼下に見える群青の街に落下していくアグルを目の端で見送りながら、シャムは別の方へ意識を向ける。

「やっぱ無事だったか。来いよ。ここなら思いっきり、暴れられる」

シャムの右腕に寄生している蟲は、今や背面、そして左腕にも影響を及ぼしている。
両腕を剣に変え、背から奇怪な翼を生やし飛ぶ彼は、同じく地下から脱出し、対面する疵面の男に向かって不敵な笑みを送った。

470メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/04/11(月) 22:44:00
【群青の街】

「吸血鬼の長でありながら、異形の蟲を宿すキサマも中々のイカレ具合だ。」

崩壊どころか焦土と化した城跡から姿を現した疵面の男……バルドは、紅瞳を歪めて凶笑を浮かべた。
そして、宙へ浮かぶシャム目掛けて漆黒の翼を広げ、空を駆ける。

その速度は並みの吸血鬼とは比にならない程速く、ほんの数秒でシャムを射程圏に捉え、突撃。
大翼で身体を包み、高速で横回転するその様は黒い砲弾か。

頂点部品から銀剣の切っ先を突き出し迫るそれは、シャムの胴を掠めて更なる高みへ登り、翼を広げて急停止すると共に黒羽の弾丸を眼下へと撒き散らし、空間転移。

シャムの眼前へと姿を現したと同時に、鋭い刺突を繰り出した。
吸血鬼に致命傷を与えうるその刃はシャムの頬を掠め、鮮血を散らす。

「血沸き肉踊る戦い、嫌いではないが今はその時では無い。
見るが良い、周りを。
我が主は目的を達し、キサマの同胞……一人の長老はその存在を消した。」

シャムの返り血を一舐めし、バルドは続ける。

「騎士団はほぼ壊滅したが、さほど問題は無い。
主と我が居ればな……
もう一度言おう、この街へ来た目的は達した。」

そう、長老達の血肉と魂の器、オリジンとその部下である騎士団がこの地に来た目的、メルツェルの討伐、吸収は達成された。
ならば、もうこの場に留まる必要は無い。

刺突を繰り出した姿勢のまま、悪鬼にも見えるバルドの姿は、ゆっくりとフェードアウトしていく。

「次に会いまみえる時は、全力でキサマを滅してしんぜよう……!」

そして。
その姿が消えたのと、メイヤら三人が城跡へ辿り着いたのはほぼ同刻だった。

「……城どころか街のほぼ全域が焦土だ。

一体何があったんだ……!?」

シャムによってメイヤらが転移したのは街の外れ。
そこから中心部の城へと走って来たのだが……

471ナディア他 ◆wxoyo3TVQU:2016/04/12(火) 22:13:57
【ポセイドン邸】

(・・・・!!)

12人の長老の血肉によって生まれたノワールは、その根底で長老達と繋がっている。故にノワールの身に異変が起きれば長老達は察知することができ、ノワールもまた然り。
メルツェルが消えたその時、突如としてノワールの身に悪寒が走った。

誰の身に?何が起きた?最悪の事態でなければいいが・・・・・

自分が何百年もの眠りに就いている間、十字界は印象が変わった。
一見して変わりないように見えるが、皆がいくら平静を装っていてもその位分かる。しかし、それを隠されている以上自分には知る由もなく、自分はまず、皆が待ち望んでいる我が子、新世界の吸血鬼を見つけ出すことを優先するべきだと考えた。

「・・・・・」

ノワールは思案げな表情を浮かべた後、席を立つ。
そしてセナの腕を引いた。

「話がある」

------

「あんたの言う通りだよ」

アブセルの漏らした疑問に、ナディアは苦笑しつつ頷いてみせる。
嘘はつけない。だが、それがアブセルの祖父の仕業だとはとてもじゃないが言えない。アブセルをこれ以上傷つけたくはなかった。

「母さまは、術にかかってる。リトを恨むようにね。全く呆れた話だけど、あの人(ヨハン)はリトをもともと人柱として母さまに生ませたんだ。一応、母さまのことは愛してたから、我が子を奪って傷つけたくなかったんだろうね。」

そしてナディアは溜息をつく。

「長い間洗脳を受けてたから、もう術を解くことは出来ないらしい。今後リトに心を開いてくれるかは母さま次第だね。セナに対しても態度は変わらなかったよ。取り敢えず、顔合わせは済んだから葬式はまぁ何とかなると思う。」

472シャム他 ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/15(金) 20:20:06
【飛行挺】

熾烈を極めた戦いから数時間後が経過し、日もすっかり暮れた頃。
飛行挺内部は収拾がつかない状態に陥っていた。

「アタシがメルちゃんを殺したのよぉっ!
ごめんねぇメルちゃん!成仏してぇ!」

「るっせぇんだよックソカマ!
いつまで泣きゃあ気がすむんだボケッ」

掌で顔を覆い、おいおいと泣き叫ぶDDに。
オリジンの出現、それによる同じ長老であるメルツェルの死、敵を仕留め損なったことと、様々な要因が原因で荒れるシャム。
そして…

「……何でこの人達ここに居んの?」

アグルはアグルでそれに対し不満を洩らしていた。

イスラ達が崩壊した城跡にたどり着いた時、そこで発見したのが負傷したフィア達だった。
当初、彼女らの傷は深くとても立ち上がれるような状態ではなかった為、何となく放っておくのは忍びないという理由で、彼らを匿うことになった訳だか…。
上空から落とされ、何とか無事だったアグルはそんな話は聞いてないとばかりに、むすりとしていた。

「アタシもうどうしたら良いか分からないわ〜!」

もはや聞き苦しいと言うか、相手にするのも鬱陶しくなってきた。シャムはイライラしながら言った。

「どうもこうも別に悩むような話じゃねぇだろ。ヤツ(オリジン)をブッ殺す。それだけだ」

「それは駄目よぉ!」

しかしそれに対し、DDは間髪入れず言葉を返した。

「そんなことしたら、残った長老VSオリジンの戦いが幕を広げちゃうじゃない!
そんなの嫌よぉ!悲しすぎるわぁ!」

DD曰く、"親子"で争うのは、見るのも堪えられないらしい。
しかしだとしたらどうしたいと言うのか。

「ならテメェはヤツに大人しく喰われても良いっつーのかよ」

「そんなのわからないわ…、そうした方がいい気もするし…。
でもアタシまだやりたいこと沢山あるのよォ!
気になるオトコのコも山ほどいるし、まだ女の幸せ掴んでないし!」

オリジンの意思で生まれたのなら、オリジンの意思で消えるのもまた道理である、とDDは考える。
メイヤちゃんアタシを慰めて!と叫ぶ彼に、シャムはいい加減うんざりし匙を投げた。

473アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/15(金) 20:21:44
【過去】

「い、いる…っ!ちょうだい!」

リトが自分の絵を描いているとは驚きだった。
それ以上に、彼が自分のことを想ってしてくれたであろう、その行為と気持ちが嬉しかった。

アブセルはリトから絵を受け取ると、それを改めて眺めてみた。

「ふふっ…ヘタクソ…」

そうは言うが、昨日はアブセルにとって特別な日になった。
そこに描かれた絵は確かに、昨日の出来事が夢でないことを語ってくれた。
本当は涙が出そうなくらい嬉しかったのだ。

しかし、その絵には一つ足りないものがあった。
何を思ったか、アブセルは黄色いクレヨンを手にすると、貰った絵に何かを描き足し始めた。

やがて出来上がったものを二人に見せる。
そこにはトウモロコシに手足が生えたような奇妙な物体が描かれていたが、アブセルはそれを指し"リト"と言った。

絵の中のアブセルとリトはクレープを手に、二人で笑っていた。

「………」

その絵を描いている間…、いや四つ葉を探していた間も、もしくは昨夜からずっと、彼の脳裏にはとある二人の言葉が反芻していた。

一つはジルの「リトの側にいてあげればいい」という言葉。
そしてもう一つは、ナディアの「リトを護ってあげて欲しい」という言葉だ。

アブセルはぽつりと口を開いた。

「俺…リトと仲良くなりたい…」

子供ながらにリトと自分は立場が違うことを何となく理解していた。
彼は名家の子息で、自分はその家の使用人。こんなこと、本当は言っちゃいけないのかもしれない。
でもずっと言いたかった。言いたくて、そのつど呑み込んでいた言葉。
アブセルは等々それを口にした。

「俺と友達になってほしい…」

474アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/15(金) 20:26:36
【ポセイドン邸】

「何だよそれっ!最悪じゃんか!」

半分は予期していたにも関わらず、やはりナディアの口から聞かされたものはアブセルにとって信じ難いものだった。
思わず大きな声を上げてしまう。

どれだけリトを卑しめれば気がすむんだ。
ミレリアを傷つけない為だとはいえ、彼女の気持ちは蔑ろにしてもいいというのか。
愛する人に精神干渉の術を施すなんて正気の沙汰とは思えない。

「ねえ、何とかなんねーの?
ここには今、最強の癒しの守護神ポセイドンが二人もいるんだよ。それにセイちゃんさんやノワールだっているし、あと一応俺も…。絶対イケるって!」

これだけの面子が揃えば、解けない術なんてもはや存在しないのではないだろうか。
アブセルは同意を求めるように「なっ」とセナ達の方へ視線を向けるも…

「って、いないし…」

いつ抜け出したのか、そこにセナとノワールの姿はなかった。

475リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/04/17(日) 20:11:23
薬剤師名簿登録通知来ました!これからは正真正銘の薬剤師です(๑ÒωÓ๑)

ヤツキ>>うん、完結するまで泣かずに耐えとくわ(笑)

病院が激務すぎて合コン言ってる余裕ないから、取り敢えず仕事慣れるまで出会いはなさそうだ(笑)

マジかwww個人的にアニメ2期から登場した主人公達の先輩グループの歌がセクシーで好きなので、そっちをマスターしてもらって聞きたいな|ω・`)チラッ笑

イスラ>>
稼ぐようになったら沼にハマるwwwでも初任給は5月らしいので、まだ藍ちゃん買うのは難しそうです(笑)
そう言えば自分もうすぐ誕生日でして、友人がプレゼント買うから欲しいの教えろって言ってくれたのですが、思いつかなすぎて、欲しかったけど引きに行く機会がなくて手に入らなかった一番くじの藍ちゃんのキュンきゃらなる物の画像をふざけて貼り付けてみたら、Amazonで見つけたとかでマジでプレゼントされそうな気配(笑)

ライブあります!チケットは抽選みたいですね|ू・ω・` )
藍ちゃんは中の人も美形なので見応えがありそう(笑)
ゲームやってる人で当初から人間だって疑わずに好きだった人にとっては衝撃かもですが、自分は藍ちゃん気になってwiki調べた時に知ったので特に何も思わなかったですね(笑)
へー本当はロボットなんだーふーん可愛い
みたいなwwwただ、親の借金のせいで事務所に売られたドリームが消え去ったのは残念でした(´・ω・`)笑
そして藍ちゃんは事務所社長が制作費を出してコーディネートした、理想のアイドル像を具現化した存在らしいので、つまりは藍ちゃんは社長の好みそのものなんだって思うとちょっとモヤモヤしますね(笑)
ロケットパンチ凄いですよね!怒ると攻撃してくるらしいですよwwwもー可愛い!

親子なんですねー、ちゃんと血がつながってた(笑)
ヨハンはミレリアのことが無ければトーマとの関係も崩れなかったと思いますし、育った環境が違ってたらあそこまで性格歪んだりしなかったでしょうから、少し可哀想な人なんですよね(´・ω・`)
本当はリトのこともちゃんと愛してたって感じに持っていきたかったのですが、ヨハンの行動にリトを愛する要素がなさすぎて諦めました(笑)まー始めから人柱にしようと思って生ませた子なので、情が分かないように虐めてたってことにしておきます(´・ω・`)

え、残念ですが私もそんな感じなので期待せず待ってます(笑)

そしてDDが面白すぎてツボです(笑)

476イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/17(日) 23:52:02

今、吸血鬼編がアツいので…オリジン描きたい!長老達の絵描きたい!と思って挑戦してみたのですが、見事に挫折しました…
とりあえず誰トクか不明ですがルドラ&ラディック、DDのイラスト描いたのであげときます
他の方々はまた今度リベンジしてみよう…!
imepic.jp/20160417/853730
imepic.jp/20160417/853740


リマ>いいなぁ、薬剤師って給料いいんでしょう?⬅
5月までの辛抱ですね(笑)ファイトです^^

いや良かったじゃないですか、優しいご友人で羨ましい。それより自分は欲しいものが思い付かない、ってとこに驚きを隠せません⬅

へー抽選なんだ
自分の同級生に歌プリファンがいますが、結構頻繁にイベントとかに行ってるみたいで(恐らく一人で)真面目だなぁ、と感心してます
もう何でも可愛いんですねww
何ですかそのドリームwまぁ気持ちは分かりますけども…、不幸設定って何かそそりますよね(笑)
モヤモヤしますね(笑)社長は男なのか女なのか…
それは可愛い…のか?いえ、可愛いんでしょうきっと(錯覚)

少しどころか相当可哀想です(T-T)
そもそも自分がリトを人柱に深淵を開けて方舟がどうたらとよく分からん設定を考えて、それをヨハンの目的にも直結させてしまったから、こんなことになってしまった訳でして…

ワヅキもヨハンを利用しただけで、ヨハンの野望とは一体…って感じであやふやなまま終わっちゃったし、色々勿体なかったですねー(--;)
それにあの話のくだり、ヨハンの野望からはちょっと外れた感じでしたし、ほんと終始訳わかんなかったですね!誠に申し訳ない…

あ、そうだ。ヨハンも世界政府に脅されてたとかどうですか?協力しないとポセイドンの一族潰すよ?的なことを言われてて、ヨハンは一族を護るため頑張ってたとか。まぁポセイドンの一族を政府が潰せるかは甚だ疑問ですがw


ちょっとラブストーリー閃いた…!かも
そこで相談なのですが…
ヨハン母は生まれつき声が出せない、とのことですが、魔物に声を取られたってことにしても良いでしょうか?

んー…DDなぁ…、こんな女々しいキャラにする筈じゃなかったんですけどねーw自分からしたら「やばい、面倒くさい人になっちゃったよあーあ…」って感じですが…面白いなら良かったです(笑)

477メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/04/19(火) 11:35:31
【飛行艇】

泣き叫ぶDDと、声を荒げるシャム。
そんな二人とは対称的に、沈黙したままなのはフィアだ。

三者三様、吸血鬼達の様子にメイヤはどうしても良いか分からず、無言のまま先の戦闘で負った傷の処置をしていたのだが……

「とりあえず、一旦落ち着いてくれ。

船内はそう広くないから声が響くし、苛々を物に……壁なんかにぶつけられても困る。」

そろそろ我慢の限界だろうか。
言葉通り船内、一同が集まる広間兼食堂は決して広くはない為、声は響き、正直な所騒がしいを通り越して煩い。

ましてや苛々を発散する為に壁に大穴でも開けられてしまえば大変だ。
これ以上続けられると、収集が着かず面倒になるだろう。

DDとシャムを宥める声を掛けながら、これらどうするべきかとメイヤは考える。
するとそこで、椅子に腰掛け俯いたままのフィアが顔を上げ、沈黙を破り口を開いた。

「私はシャムと同意見よ、黙って喰われるつもりなんて無い。

何より、私はまだ死ねない。

レオの敵を討つまでは絶対に死ねないの……」

そう、十字界での争乱、激闘の末に命を落としたレオの敵討ちの為に、フィアはこの人間界へ来たのだ。
ノワールの護衛や異質な存在の調査、そして人間との共闘で日和っていたが、先のオリジンとの戦いで一番の目的、復讐の炎は再び確と燃え上がったのだ。

だが、だからといってオリジンの存在を無視する訳にはいかない。
放っておけば他の長老が、眷族が、そして娘であり姫であるノワールにまで魔の手は伸びるだろう。

「ジーナに頼まれていた異質な存在の調査、一応は終わりね。

異質な存在はオリジンで、かの存在は私達長老に害を成す。

先ずは十字界に戻り、どうするか早急に話し合うべきだわ。」

DDとシャムの二人へ声を掛け、フィアは立ち上がる。
泣き続けるDDと匙を投げたシャム、声を掛けなければ二人はきっとこのままだろう。

「私達もバルクウェイへ、師団の元へ戻りましょうか。」

その様子に合わせ、バッハもまた、イスラとアグルへ声を掛ける
討伐対象であった吸血鬼の長、メルツェルはその命を落とし、奇しくも依頼された任務は達成された。

目的を果たした今、生存者0、廃墟と化したこの街に留まる理由も無い。
幸いにも自分を含めた四人全員無事であり、今すぐにでも出発出来る状態だ。

「吸血鬼の皆様方もこの街を発つようですし……まさか一緒に行動する訳もないでしょう?」

一応は確認の声を掛け、バッハは全員の顔を見回した。

478リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/04/20(水) 16:51:57
イスラ>>

ルドラ美少年!ヤバイ!足!足!!!
てかまた画力あがってませんか!?ヤバイ!足!!!
そしてDD!なんかすごいwww思わず二度見三度見しちゃいましたwww
ラディックはどうゆうわけか自分の想像と全く同じな容姿をしていますwww


残念ながら自分は病院薬剤師なので給料は高くないんです( •́ .̫ •̀ )
稼ぐならドラッグストアですかね|ू・ω・` )

5月までお金ない・・・・・交通費も支給されてないから出費しかないです(笑)

本当にプレゼントは藍ちゃんになったみたいですwww
2人の友人が割り勘で買ってくれましたwww
実用性のあるものはもう持ってますし、ゲームとかもしないので遊具も必要ないし、もう学生じゃないんで可愛い洋服とかも持ってても使い道ないしって感じで今は欲しいもの見当たりません(´・ω・`)
ミイラの飼い方と言う漫画のヘンテコな生き物達が最近クレーンゲームでぬいぐるみ化して、聞かれた当初はその漫画のミイラのぬいぐるみが欲しかったのですが、普通に自分で仕事帰りにゲーセン行って取っちゃいました(笑)

たしか抽選だったと思うんですが・・・・・あれ?違ったかな??
真面目wwwそれだけ好きなんでしょうね(●´ω`●)なんか、ネット見てるとキャラクター宛に開店祝いに送るような花とか贈ってる人達が結構いて、凄いなぁと思ってます(笑)私なんて溺愛してやまないシエルにすらバレンタインとか誕生日とかお祝い送ってない←←
そそりますよね、何故か(笑)まー、藍ちゃんは別の方向で不幸を背負ってるのでゲームでは涙なしにはプレイ出来ないみたいですよ( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )

社長は変なオジサンです←
可愛いです!(確信) 怒って攻撃してくるなんて子供過ぎて鼻血出ます(*´﹃`*)いつもは冷静で周りの大人(25歳男児)を冷ややかな目で見つめ、毒を吐き、後輩達(皆年上)に振り回されてる子なのに、何だかんだで子供っぽいところが堪りませんね(/ω\*)そして馬鹿にしまくってる25歳のその人に「一生懸命憎まれ口を叩くアイアイが好き」とか何だかんだ包容されてて、自分の素になった子が25歳のその人の親友だったことを知って、「ボクにちょっかいをかけるのは、あの人とボクを重ねてるから」とか嫉妬しちゃうところとか、「レイジといるとろくな事がない」とか言いながらいつも一緒にいるところとか、肩に担がれながら「嫌だ嫌だ」と足をばたつかせながら連行されていくところとか、めちゃくちゃ子供で可愛いです!!(鼻息)

479リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/04/20(水) 16:53:07
ごめんなさい、藍ちゃん語ってたら長くなっちゃいました( •́ .̫ •̀ )

え、相当ですか|ू・ω・` )?
いやいや、自分的にもヨハンはあくまで「母と自分を虐げてきた一族への復讐」が第一目標で野望とかよく考えてなかったのであやふやになってしまって申し訳なかったです(٭°̧̧̧꒳°̧̧̧٭)

お、そのネタいいですね!
多分政府如きに潰せはしないでしょうが、ポセイドンの長であるナディアとかはヨハンにとっては庇護すべき我が子ですし、護るために頑張ってもおかしくないと思います(๑ÒωÓ๑)
じゃあトーマを殺したのも本当はヨハンではなく、ヨハンがおかしくなった事を気にかけた彼が色々調べていくうちに政府の闇を知ってしまい、そのことで政府に消された設定にしてしまおうかな|ू・ω・` )
そんで人柱としてリトが生まれたけど、渡したくなくて隠してた(監禁してた)ことにしようかな|ू・ω・` )トーマが知ったことで協力を得て、存在が相手にバレる前にリトを彼に託そうとしたけどその前にトーマが殺されて、そんでもってリトが17になって外に出られるようになったのは存在がバレたリトを逃がすためだったとか。
あれ?ヨハンいい奴じゃん。不器用なだけでちゃんと皆を愛してるじゃん。めっちゃ可哀想な人じゃん(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)←

やったー!ヨハンの母の設定は好きに弄っちゃって大丈夫ですヾ(●´∇`●)ノ

大丈夫です、こうゆうキャラも必要だと思います(笑)
面白いのでこのまま突き進んじゃってください!(笑)

480リト ◆wxoyo3TVQU:2016/04/20(水) 23:35:37
【過去】

友達って何だろう?
リトが首を傾げると、横からヨノが笑顔で教えてくれた。

「お友達はね、手と手を取り合って、色々な事を一緒に頑張っていくんだよ。」

例えばこんな感じ、とリトの所持する絵本を広げて見せる。
そこには手を握りあって楽しそうに笑う動物がいた。

「りとはどうぶつじゃない・・・・・」

「例えば、だよ。動物にも人間にも、友達はいるんだよ。」

リトがこんなに言葉を口にするのは初めてだ。全く喋らないものだから、言葉を理解出来ていないのかと思っていた。良かった。
アブセルの存在は、確実にリトにとって良いものとなっている。

ヨノはアブセルの手を取りリトの手に重ねる。

「はい、友達!」

ナディアが以前、アブセルが来てくれて良かったと言っていた。本当だ。
この屋敷では皆がリトを遠ざける。けど、アブセルは違うのだ。
まだ幼いから理解出来ないのかもしれないけど・・・・・、いや、アブセルならきっと、これからもずっとリトの傍にいてくれるだろう。

「リトを宜しくね、アブセルちゃん。」

481DD ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/24(日) 17:40:29
【飛行挺】

バッハの問いにイスラやアグルは"まさか"と言うように顔を見合わせる。
その一方で…

「うう…、ぐすっ、分かったわフィア…」

一先ず引き上げると言うフィアに従い、DDは悲しみを引きずりながらも素直に腰を上げる。
そして飛行挺の持ち主である四名に向けて、幾分か平静を取り戻した様子で別れの挨拶を述べた。

「取り乱しちゃってごめんなさいね。一時でも落ち着ける場所を提供して貰えて助かったわ。
それから…メルちゃんがあなた達に対して行ったイジワルはアタシの方から謝らせてちょうだい。

あのコ、昔は本当にイイ子だったのよ。臆病で小さな虫も触れないような子でね。皆が面白がってからかうからきっとグレちゃったのね…」

思い出したらまた涙が出てきた。
正直どうでもいいような思い出話を聞かされ微妙な表情をするアグル達を残し、DDは目元をハンカチで隠しながら飛行挺を後にした。

そして外に出たのち、じゃあ十字界に帰ろうかという時、出し抜けにシャムが口を開いた。

「とりま俺は姫ちゃんに今回のことの報告に行ってくるわ。
んで、そのまま姫ちゃんの近辺を警戒しつつ、オリジンの居場所やら情報やらを探る。
何か掴んだら知らせるからよ」

あわよくば闇討ちをしてでもオリジンを倒す気だったが、それを口に出すことはない。言えばDDが口煩く止めるのは目に見えているからだ。
シャムはじゃあな、と軽く腕を上げ二人の前から姿を消した。

482アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/24(日) 17:41:42
【過去】

「うん!」

重ねられる二つの手。
アブセルはリトのその手をぎゅっと握り、ヨノの言葉に力強く頷いた。

そして、時が流れるのは早いものでー…


「たっだいまー‼」

数ヶ月後、アブセルは学校に通うようになっていた。
学校から帰宅するや、鞄を置きに自室に向かうこともなく、そのままリトの部屋へ直行する。

「リト帰ったよー!遊ぼー!」

そして、そこにリトの姿を見つければ、嬉しそうに彼に飛びついた。端から見れば飼い主に戯れつく犬のようにも見える。

初めはリトとの接し方もたどたどしかったアブセルも、今ではすっかり…、と言うか異常なほどに彼に慣ついているようだった。
朝は必ずリトにおはようと言ってから屋敷を出て、午前で終わる学校から戻れば、直ぐ様リトの部屋に行き、仕事の時間までそこで過ごす。
もちろん夜も彼が寝つくまで一緒にいる。

「今日は何する?オセロ?神経衰弱?レースゲーム?
お、いいもの見つけた」

おもちゃ箱を漁っていたアブセル。そう言って彼が取り出したのはジェンガだった。

「負けたらバツゲームな。負けた方がディア姉かヨノ姉のスカートをめくる」

うしし、と悪ガキがするような笑みを浮かべ、アブセルはリトの返事も待たず遊びの準備に取りかかった。

483イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/24(日) 20:01:31
リマ>足がどうしたww
たぶん画力は上がってないんじゃないかなー…(;´д`)なかなか上がりません…
DDはもっとカマカマしい方が良かったかな?⬅髪型IKKOさんみたいにしようかと迷ったけど止めといたw

ドラッグストアの方が高給なんだ!病院の仕事の方が大変そうな気がするけど…;

マジか…(・・;)
てかミイラの飼い方…!?どうしよう、可愛さが分からない…!⬅てか自分で取ったの凄い(笑)
自分は欲しいものいっぱいですよー;しかも値の張るものばかりだから誕プレに友人にねだると怒られますw

自分もキャラクター宛にプレゼントを送ったことはないですねー(笑)だってあれ…どうせ最終的には捨てられるんでしょう?⬅

社長オジサンなんだw
そして25歳児ww
いえいえ、どんどん語ってくれて構いませんよ^^面白い(笑)
てかリマさん、刀剣乱舞はやらないんですか?リマさんああいうの好きそうだけどな(適当)

なるほど、いいと思います!(^ω^)
まぁ政府はポセイドン一族の爵位や領地を取り上げられるぐらいの権力はあったんでしょう、きっと⬅
しかしヨハン気の毒ですね…、ジルに復讐の相手と勘違いされて亡くなってしまったことになる訳ですし…
リトに暴力ふるってたのも、恨まれてた方がリトと別れる時辛くないから…とかですかね?なんて不器用(--;)

ありがとうございます!
閃いた!と思ったけど、ヨハン母と爺が結婚できなかったのも政府のせいにしたくなったので、また設定考え直しです⬅一体いつ出来上がることやら…

面白いキャラで続けられるよう頑張りますw
何ぶん本体自身が面白くない性格なので…wちゃんとオネェキャラ出来てるか心配

484ナディア他 ◆wxoyo3TVQU:2016/04/25(月) 06:59:13
【ポセイドン邸】

母の病に気づいた時、自分の能力を知った時、ナディアは幾度も母への治癒を試みた。
しかしどう言うわけか全く改善の兆しなく、初めは自分の力不足と感じていたが、歳を重ねて力をフルに使いこなせるようになっても尚、事態を好転させる事は出来なかった。
何故か分からなかった。しかし、母の病が人為的なものと知った今、その理由に納得が言った。
自分の力はまだアブセルの祖父に敵わない。おそらくそう言うことだろう。
しかし、自分には無理でもリマならどうだろうか。純粋なポセイドンの力を持つリマなら・・・・・
アブセルの言葉にふと思い当たってリマを見るも、リマは申し訳なさそうな顔をして首を横に振った。彼女の力をもってしても母を救う事は出来ない。術を掛けた当人ですら解くことが出来ないのだ、致し方ないのだろう。

「母様のことはおいおい解決するとして、今はあの人の葬儀の事を考えないとな。正直あんま気は乗らないけど・・・・・つかセナは何処行ったよ?アブセル、セナ見つけてからリトとしての身支度を済ませてきて。」

ナディアがそう言うとリマがすかさず立ち上がり、アブセルの横に並ぶ。

「私も行く!アブくん、一緒に行こ?」

485ノワール他 ◆wxoyo3TVQU:2016/04/25(月) 07:00:11

ポセイドン邸は邸も大きければ庭もかなりの広さだ。
適当に数分歩けばすぐに人目のつかない場所に行くことが出来る。
ノワールはセナを伴い暫し庭の中を進み、手頃な場所を見つけるや、セナの方へ向き直る。
そして口を開いた。

「そなた、わらわを知っておるな?」

セナは答えない。ノワールはセナを睨んだ。

「忘れたとは言わさぬぞ。闇の王子よ。」

「・・・・・吸血鬼の住まう十字界、その種族の姫、名はノワール。」

言い逃れは許さない、ノワールのその視線を受け、セナは漸く答えた。
その言葉にノワールはふんと鼻を鳴らした。

「やはり、気づいておったか。よくも今までわらわを無視してくれたな。」

「お前は突如姿を消した。その後の行く末など興味無い。再び見えようと、私に関係のないことだ。」

「"姿を消した"と?"関係のないこと"?わらわにあの様な仕打ちをしておいて・・・・・」

セナの言葉にノワールは怒りを顕にするが、ふとジュノスの言葉を思い出す。
あぁそうだ、あの男は水面下のことをセナに何も知らせてないと言っていた。水面下・・・・・利用するだけしておいて、目的を果たした後には人知れず消した、コケにされたものだ。

「あぁ、そうじゃ。そなたは所詮黒十字宗主の人形・・・・・何の疑問も持たず言われるままに動き、多くは知らされぬ。その行動がどのような結果をもたらそうと、己の意思のないそなたが気に止める謂れはない。」

ノワールは最大限の嫌味を投げたつもりだったが、セナは顔色一つ変えなかった。あの時と同じ、幾ら挑発しても動じなかった過去のあの時と。自分は彼の感情を動かす価値もない、取るに足りない存在なのだと見せつけられているようでとても悔しかった。
最悪な気分だ。セナを苦しめてやりたい。いっそ生まれた子の存在を明かしてやろうか。しかし、それはジュノスとの取引で口止めされている。

「名をリマと言ったか。あの女子に影響を受けているかと思えば・・・・・そなたはあの頃と何ら変わらぬ。わらわとの関係も、宗主に命じられただけじゃと申すのじゃろうな。」

その言葉に、ノワールの言わんとしていることを察する。

「宗主の命に従ったのは事実だが、それを盾に言い逃れをする気はない。しかし、あれは黒十字と十字界の利が一致してのこと。一方に非を求める謂れもない。」

「そなたに誠意は求めておらぬ。そう、そなたの組織と我が種族、互いに利があったはずじゃ。じゃが、実際に利を受けたのがそちらだけだとしたら?」

ノワールはセナに歩み寄り、続けた。

「黒十字との契約は我が十字界には害でしかなかった。が、それを責めても最早意味の無いこと。ならば今ここで与えた分を返してもらうぞ。」

ノワールにとって有益なものと引き換えに。

「十字界について、そなた達黒十字の握る情報を全て教えろ。わらわも知り得ぬ事情が、なにか分かるかもしれぬ。」

486メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/04/26(火) 14:08:34
【飛行艇】

長老の幼き時の話など誰得だったが、それはDDにとっては必要な話、自身に一区切り着ける為のモノだったのだろう。
別れを名残惜しむ様にも見えたDDを含めた三人の長老を見送り、メイヤはホッと一息着いた。

「結局の所、俺達は大して何もしなかったな……

でも、全員無事で何よりだ。」

任務である吸血鬼討伐は成功したかと言えば何とも微妙だが、結果だけを見れば
完了だろうか。

「ここを発つのは明日にしよう、無事だけど多少の負傷と疲労もある。

一晩休むのが無難だと思う。」

時刻は夕暮れから夜に。
師団の元へ戻るのは夜が明けてからで良いだろう。

ーーーーー

数日振りに戻ったバルクウェイは不穏な空気が漂い、ざわついていた。
バッハと共に師団長のレオールへ任務の結果報告、事の顛末を話した後。

不穏な空気の原因を……自分達が吸血鬼討伐の任に着いていた間に世界で起こった事を聞き、メイヤは目を見開いた。

「今先程説明した通り、四霊を率いて黄龍が大々的に動き出した。

いよいよ世界が終わる時が見えて来たかもしれん。」

師団の母艦より奪った特殊鉱石を核とした、超大型光学破壊兵器により南部の大陸が消滅。
巻き上げられた地殻は成層圏まで上昇し、殻の様に世界を包み込もうとしている。

また、世界各地を巡る龍脈、レイラインと呼ばれる世界そのものの動かすエネルギーの流れが活性化しており、ソレをコントロールする龍穴なる遺跡も黄龍によって押さえられていた。

「偵察隊によれば、世界を覆う殻は加速度的ににその面積を広げている。

情報を照らし合わせた結果、龍穴の遺跡が一つ起動する事に比例し、殻……外郭もまたその面積を広げている様だ。」

そして、遺跡を奪還しようとするも敵部隊は強く、奪還作戦はほぼ失敗続きであった。

「敵戦力は個よりも数。

超再生能力を備えた兵を大量展開し、圧倒的な兵数で攻めて来ている。」

各自に配られた資料と、会議室中央に置かれた立体映像装置から浮かぶ映像を見ながら、レオールは説明を続ける。

「現在、師団が抑えている龍穴はマルトが抑えている一カ所のみ。

周辺国と情報を共有し、連携を取ろうとしてはいるが……中々な。」

そして、一通りの説明を終え、一息着くと再び口を開いた。

「そこでだ。

帰還したばかりで申し訳無いが再び出撃をお願いしたい。」

新たに配布した資料を横目に、そして皆の返事を待たずに続けた。

「メイヤとイスラ、レックスとアグルで二人一組を作ってくれ。

後は今の資料に書いてある通り、二カ所の龍穴を強襲する。

強襲、制圧後はどちらか片方が残り、後続の部隊と合流し龍穴の防衛を。

防衛に回らなかった二人は合流し別の
龍穴を強襲し……と、上手く行けば三カ所の龍穴遺跡をこちらが抑える事が出来る。

現状考えられる最善の一手、どうだろうか?」

487リト ◆wxoyo3TVQU:2016/04/27(水) 17:28:39
【過去/ポセイドン邸】

最近、五月蝿い訪問者が増えた。
もともといたのは姉のナディア。そして増えたのがアブセルと言う名のこの少年。

「・・・・・。」

リトは本を読みながら、楽しそうに木製のブロックを弄るアブセルを横目に見る。二人の関係はトモダチと言うらしい。まだその関係性を上手く理解出来ない。
一緒にいる時間は増えたと思う。この少年は暇さえあればこの部屋に来る。真似っこが好きなのか、食事が運ばれてくれば自分の分を持ってきて一緒に食べ、ナディアやヨノがリトに勉強を教えに来れば"宿題"と言うのをやり始め、リトが絵を描いていれば隣で同じように描き始めたりする。ただ、リトは本が好きだが、アブセルは好きではないらしくこれだけは真似してこない。代わりに邪魔をしてくる。夜になり就寝時間になるとベッドに入ってこようとするし、風呂にも付いてきて鬼の形相をした爺に引き攣られて行く。隙を見ては抱きついたり、頬に擦りついてきたり、とにかくベタベタしてくる。そして再び爺に引き摺られていくの繰り返し。
これがトモダチなのか、トモダチと言うのは暑苦しい存在なんだな。正直なところ、リトにとってアブセルは"よく分からない存在"だった。
実姉である二人を除き、リトと親しくすることは禁じられている。禁じているのは使用人の長であるアブセルの祖父本人であるため、アブセルはそれはもう大層こっ酷く扱かれているようだが、何ど連行されようと頭にたん瘤をつくってヘラヘラしながら戻ってくるアブセルを見て、馬鹿なんじゃないかと思う。

「どうせ・・・アブセルが負ける。」

準備が終わったらしい。
早く始めようと急かしてくるアブセルに、リトは本から目を離すことなす答えた。

488リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/04/27(水) 21:58:28
イスラ>>
生足素敵(*´﹃`*)
いやいや上がってますって!いいな|ू・ω・` )←
カマカマしいってwwwこれでIKKOヘアだったら完全ツボに入って笑い死ぬところだった・・・・・危ない危ないwww

ドラッグストアだと調剤以外に商品並べとか普通の仕事もしますからね、それもあるんじゃないでしょうか|ू・ω・` )
病院はどこも仕事量の割に・・・・・って感じです( •́ .̫ •̀ )ただ、薬剤師としてのスキルアップには1番適しているとは思います|ू・ω・` )

いやいや、名前で検索してみてくださいwww普通に可愛いですからwww多分今イスラさんの頭の中にはピラミッドに住まうミイラが浮かんでるwww
友達にねだっちゃうんですねwwwやはり友達からの誕プレだと値段考えちゃいますし、難しいですよね:(´◦ω◦`):

どうしよう、夢が無さ過ぎて笑えたwww
たしかに、食べ物だとスタッフが美味しく頂けると思いますが、物だとそうなっちゃいそうですよね( •́ .̫ •̀ )

しかも、かなりインパクトのあるオジサンですwww
25歳児です(笑)何だかんだ包容力のあるお兄さんなんですが、三枚目キャラ演じちゃってて周りからの扱いが酷いですね( •́ .̫ •̀ )そして何かこのキャラの性格や立ち位置って(リーダーポジと言うところを除いては)自分に似ていてどうも気になっちゃいますね|ू・ω・` )そして「頑張ルンバー♪♪」とか、「宜しくマッチョっちょ☆」とか、口調が昭和臭いのですが、この前自分も研究室に入る時「ただいマンボウ〜」って自然に口走っちゃって、物凄く悲しくなりました( •́ .̫ •̀ )

え、本当ですか(☆∀☆)そしたら遠慮なく語りまくっちゃいますよwww

あー、刀剣乱舞人気ですよね|ू・ω・` )自分はやってないんです(´・ω・`)友達に凄くハマってる子がいたので何となくは知ってるんですけど、キャラが多すぎてちょっとプレイする気にはなりませんでした(笑)

よし、そうしよう!
政府の設定雑www
設定ちょっと弄っただけでヨハンが物凄く可哀想な人になってしまいましたね(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)と言うかジルも可哀想ですね( ´•̥̥̥ω•̥̥̥` )根は優しい子なので、勘違いで殺したなんて知ったら立ち直れないかも|ू・ω・` )まージルはヨハン以外にも色々殺っちゃってるんで今更感もしますけど←
不器用だ・・・・・リトが読んでる本とかも実はヨハンが用意していたりして。ナディア達も色々持ってくるけど、時々おもちゃ箱に見覚えのない新しいおもちゃが増えていたりするんだ。子供だからナディアもヨノも疑問に持たないだけで←
家族を守るために自ら恨まれにいくなんてヨハンめ(╥ω╥`)手記か何かが何処かに残っていて、いずれ誤解が解けるといいな|ू・ω・` )きっとヨハンの本性は爺だけが知っている←

マジかwww
気長に待ってます(●´∇`●)

まさかのwwwいやいや、充分オネェ出来てると思います(笑)てかイスラさん変な性格のキャラ作るの上手な気がします!←失礼

489イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/30(土) 07:18:50
【バルクウェイ】

バルクウェイに戻って早々に聞かされた情報は、いよいよ世界の危機に不安を覚えるものばかりだった。

龍穴やレイラインなど聞きなれない単語もあったものの、レオールの説明を一通り聞き終えたイスラは、静かにそして誰に言うでもなく口を開いた。

「もはや異論を唱えている状況でもないのだろうが…、やはり戦力的には心許ないな…」

なんせ四神の内の二名が不在なのだ。
こんな時にも関わらず、未だバロンは戻ってこないし。

次に、こんな時にも危機感ゼロな男アグルが、手を上げて質疑を投げる。
南の大陸が消し飛んだと聞かされた時も、彼は顔色一つ変えなかった。

「敵、強いんだろ?俺らに制圧できる見込みなんてあんの?
つーか、そんな危険な遺跡なら防衛なんかせずに、さっさとぶっ壊した方が良いんじゃねーの?」

それから、と彼は続ける。

「メイヤの兄貴達は今何してる訳?
援軍とか待った方がまだ勝機はあると思うけど」

490ルドラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/30(土) 07:20:05
【ポセイドン邸】

アブセルとリマがセナを捜しに立ち去ったその直後、一人残ったナディアの元に一羽のムクドリが飛んできた。

「おい、そこの人間」

その小さなクチバシから人の言葉が飛び出してきたかと思えば、それは突如人の姿へと形を変えた。

軽やかな動作でテーブルの上に着地する元ムクドリ、改めルドラ。
ルドラは足元の菓子を踏んづけようが、ポットが倒れて紅茶が零れ落ちようが知らん顔で、偉そうに腕を組んでナディアを見下ろした。

「ここ暫くノワールの周囲の人間共を観察していた。
見たところお前がここのボスのようだ。よって、お前に姫へのメッセンジャーを頼むことにする。有り難く思え」

シャム達とは別行動を取っていたルドラは、姿を見せずともずっとノワールの護衛役として彼女のことを見守っていた。
そう、ただ見守っていたのだ。断じてストーカーなどではない。

そしてナディアに伝言を頼むのも、ノワールと直接顔を合わせるのが恥ずかしいだとか、昔の負い目があって気まずいだとか、そんな意味が含まれている、なんてことも決してない。

ルドラは一方的に、そしてぞんざいな態度で言葉を続けた。

「(ノワールの)娘の行方の手掛かりを手に入れた。
どうやら龍穴と言う遺跡を起動させる鍵として、黄龍だとか四霊だとかいう奴等に使われているらしい。
調べてみたところ龍穴は幾つか存在しているようで、その内のどこかに娘が匿われている可能性がある。

それから…メルツェルがやられた。
やったのはオリジンだ。奴は我々長老の命を狙っているんだそうだ。詳しいことは未だ不明だが、姫も十分注意されたし。

…以上だ。ちゃんと覚えたな?」

そう言うとピシリと腕を伸ばし、犬などに命令するかの如く、ノワールのいる方向を指し示した。

「さあ姫に伝えに行け、くれぐれも失礼のないようにな」

491アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/04/30(土) 18:56:30
【ポセイドン邸】

了解、とナディアの言葉に頷いたのが数分前。
アブセルとリマは庭を並んで歩き、セナを捜している最中だった。

「セイちゃんさん、どこ行ったんだろうな」

その疑問に答えられる人間は勿論ここにはいない。
尤も、セナと共にノワールの姿も消えていたことから
、大方ノワールが彼を連れ回しているのだろうとは思うが…。全く困った奴だ。

しかしそれはそれとして…。アブセルはちらりと隣のリマを盗み見る。

(忘れてたけどこの人、リトや姉ちゃん達のご先祖様なんだよな…。
そんでもって初代ポセイドンの後継者で、闇の王子と世界を救ったとか何とか…)

改めて思うと凄い人が目の前にいたものだと思う。
失礼な話、見た限りではとてもそんな英雄的な人物には見えない訳だが。

「そう言えばさ、ポセイドンの姉ちゃん…は長いから、これからは"リマ姉"でいいや」

リマ姉でいいよね?と半場強引に許可を貰い、アブセルは改めて本題に入る。

「リマ姉とセイちゃんさんって付き合ってんの?それとももう二人結婚してるとか?」

492イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/01(日) 18:31:05
リマ>そうなのかー…(--;)
まぁスキルアップは大切ですよね^^頑張ってれば昇給するかもしれないですし!

いやいや検索した上での感想でしたよアレはww
何か…普通なんですよ、別段可愛いとも感じなければ嫌とも思わないような(笑)
これ、よく見るフォルムにただ包帯巻いただけじゃね?的な(笑)

ですよねー、だから誕プレは大体いつもご飯おごって貰うとかそんな程度で済ましてますね

人気キャラによってはバレンタインとかもスタッフだけじゃ食べきれないぐらい貰ってるだろうし、多分人によっては捨ててる所もあるんだろうなー、とか思うと何かね…⬅


口癖移ってる(笑)面白いじゃないですか、もうこの際とことんそう言うキャラでいっちゃいましょうよ(^ω^)⬅
はい、語り尽くしちゃってかまいませんよ。ただ自分の反応は薄いかもしれませんが(笑)何ぶん知識がないのでw

ああ言うのはキャラの多さが売りみたいなとこありますしw
まぁ自分もやってないんで有名どころのキャラぐらいしか知らないんですけどねw
でもやりたいなーとはずっと思ってるんですよ、艦これとかも。何か面倒くさくて手出さず仕舞いなだけで(笑)艦これの島風とかもう最高ですから、Tバック堪りませんから⬅


やー…ジルが心配ですね…、誰か支えて上げなければ…。
それにヨハンも健気で…(T_T)
結構前のレスなんで忘れてるかもしれませんが(笑)爺がヨハンの手記をナディアに渡してたし、それにヨハンの本当の気持ちなんかが書いてあることにしちゃえば良いんじゃないですかね?

いや自分なんて本当普通ですよ(--;)
なんせ車の免許とる際の適性診断?的なやつの結果に「あなたは特徴のない性格です」って書かれてましたから。何故かすごくショックでしたね(笑)
だから多分変な人に憧れてるんだと思いますw

あ、少し相談なのですが、今リトが不思議な空間にいますよね?そこにサンディも登場させたいのですが良いでしょうか?
サンディって今現在、爆発に巻き込まれて生死不明状態なんですよ。どうやって復帰させようか迷ってたので、リマさんさえ良ければ是非…!

493ナディア ◆wxoyo3TVQU:2016/05/01(日) 21:30:45
【ポセイドン邸】

アブセル達がセナ達を連れて帰ってくるまで、取り敢えずお茶でも飲んで待っていよう。
ナディアは未使用のティーカップを手に取るが、中にお茶が注がれることは無かった。
何やら鳥が飛んできたかと思えば、それが人間の姿となって卓上のポットを倒したのだ。ポットだけではない。菓子から何までめちゃくちゃだ。

「・・・・・。」

クムドリ、もとい、少年は何やら偉そうに、声高々に用件を述べると、これまた偉そうに何やら命令してくる。

は?ノワール?誰それ?あ、もしかしてリトが連れてきたあの幼女?

疑問は色々あるが、今は"どうでもいい"。

ナディアはむくりと立ち上がれば言われた通りノワールの元へ、行くはずもなく、目の前の少年の襟首を掴んでそのまま地面に薙ぎ倒した。

「おいガキ。食べ物は粗末にしてはいけませんってママから教わらなかった?」

そして続けざまに頭を掴むと、グリグリと地面に押し付ける。

「あんたみたいに躾のなってないガキは初めてだよ。このテーブルの上の惨事どうしてくれんの?え?あんた弁償してくれるわけ?全部でいくらすると思ってんだ?答えてみな?つかあんた誰だよ?誰に向かって生意気な口きいてくれちゃってんの?この世からサヨナラしたいの?」

494リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/01(日) 22:05:47
【ポセイドン邸】

「え、付き合うだなんてそんな・・・・・!け、けけけけ結婚・・・・・!?」

声が裏返る。
居なくなったセナとノワールを探していたはずなのに、何ということだろう。
アブセルの何気ない疑問にリマは瞬時に顔を赤らめた。

「セィちゃんは幼なじみで、一緒に育ったからお兄ちゃんみたいなもので、たしかに小さい頃は結婚しようねって約束したことこともあるけど・・・・・っ」

リマの反応からは明らかにセナを意識していることが伺えるが、何故か気持ちを否定しようとする。

「でもナディアさんやリッちゃんがいるってことはリマはセィちゃんのお嫁さんになったってことで・・・・・でもでもセィちゃんはリマを妹くらいにしか思ってないだろうし・・・・・!リマのこと子供扱いするし!!」

セナはよく頭や頬を撫でてくれる、嬉しい。ギュッとしてくれる、凄く幸せ。しかしリマは、セナのそのような行動はすべて年下の存在に向ける慈愛のようなものだと感じているらしい。
リマはセナの気持ちを知らない。リマへの想いを、自分の抱えた罪の重さから懸命に抑えていることを知らない。

リマの記憶の中にあるセナは10歳の純粋な少年のままだ。見た目は成長していても、そのような浮ついた感情とは縁遠いように感じていた。そしてリマ自身もまた、神の子として崇められ、清い存在として育てられたため、恋とは無縁に生きてきた。

アブセルの発言にあーだのうーだの声を漏らしながら悩む姿は恋に憧れる年頃の少女そのものだが、リマ本人が自分の気持ちに気づかず、処理出来ていないようだった。

「と、とにかく!そんな関係じゃないよ!残念だけど・・・・・」

ごにょごにょ。

495リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/01(日) 22:39:21
イスラ>>
ありがとうございます、病院薬剤師は憧れでしたし、出来るところまで頑張ろうと思います(●´ω`●)

なんですとー(OдO`)
これはあれですね、実際に漫画を読んでみるべきだと思います(笑)
あの丸っこいフォルムがたまらないのに←

あー、なるほど!ご飯奢ってもらうのもありですね(●´ω`●)
昨日その友人二人とお世話になった大学院の先輩と一緒に焼肉食べ放題行ってきたんですが、まじで藍ちゃんをプレゼントとして貰いました(笑)
取り敢えずホコリかぶると嫌なのでシエルのフィギュア入れてるブースに居候させてみたのですが、シエルはガチの奴で藍ちゃんはちまキャラなものですから不釣り合いすぎてどう見ても異物混入にしか思えない(笑)藍ちゃん用のケースを探すことにします(笑)

あー・・・・・たしかに、そう考えると捨てられてる気がしてきました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
やっぱ自分は送るのやめとこう←

移っちゃいました(笑)まー、もともと自分も似たようなキャラってこともありますが← え、嫌ですよメッチャ変な人じゃないですか(笑)
てか、「新曲出たよ、このPV見て!この瞬間のレイジがめっちゃカッコイイ!」「ねぇこれ見て!このレイジめっちゃセクシー!」「ねぇこのレイジさ!」的な感じで、友人に話を振る時は藍ちゃん差し置いてやたらその25歳児を褒める発言が多いので「あんた藍ちゃんが好きなんだよね?え?こっちが本命なの?」って疑われたことがあります(笑)
反応薄くても大丈夫です!語りたいだけですから!←
自分漫画好きとか殆ど世間に公表してないので語る場が無くて困ってるんです←

数撃ちゃ当たる感がして何とも形容し難い気持ちになります|ू・ω・` )←
あ、自分もあのキャラなら知ってます。頭になんかぶら下げてる黒髪の←
自分はもしハマったら悔しいのでやめとこうかな(笑)
艦これも何か凄まじい人気ですよね(笑)TバックwwwTバックなんだwwwwww

一応ヨノの存在が支えになる予定だったのですが、加害者と被害者の娘の恋って許されるのだろうか|ू・ω・` )ヨノもジルと同じように恨むべき相手に恋情抱いた自分を許せなくなりそうですね|ू・ω・` )しかもヨノの場合相手は直接の加害者ですし。
ヨハンはリト以上のツンデレかもしれない←
あ!すみませんすっかり忘れてました(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)そう言えば貰ってた!思い出した!
自分を罰してくれって言った爺に「罪の償い方は自分で決めな」って言ったのは覚えていたのですが←
じゃあそうしようかな|ू・ω・` )

特徴のない性格wwwたしかに地味にショックですねwww
じゃあその憧れを存分に発揮しちゃいましょう←

おー!どうぞどうぞ(●´ω`●)
あの空間は簡単に言っちゃえばスカイ・ハイみたいな所なんでウェルカムです←
城主のルイは面倒ごとが嫌いなので間違いなく迷惑がってるかと思いますが嫌味に耐え抜いてください←←

496リト他 ◆wxoyo3TVQU:2016/05/01(日) 23:40:12
【??】

魂を選別する場所、少女はそう言った。
しかし、この場所の訪問者は必ずしも生涯を終えた者ばかりではないらしい。

リトは先程までいた殺風景な城内とは打って変わった、何故だかとても温かみのある庭園内で、勧められるまま茶を口にする。
まだ処理が追いつかない。そんな彼を察してか、このお茶会を開催したらしい女性が色々と説明してくれた。

「死した者の生前の記録を見返し、極楽の場で転生を待つ天の国へ向かうか、自身の罪を悔い改める地の国へ向かうかを決めるのが主人の務めとなります。この場所は魂を選別する場所として、俗に裁きの間とも呼ばれますが、生死の狭間にいる方が迷い込むことも少なくありません。貴方のように生に迷いのある方も中にはいらっしゃいます。そのような方の魂を癒し、ご自身の人生を見つめ直す機会を差し上げるのが私の役目です。」

言って女性は柔らかに笑う。成程、たしかにこの女性には何処か気が安まる雰囲気がある。

「何かご不便がありましたら仰ってくださいね。うちの子達がご迷惑をお掛けしてはいませんか?」

「いや、大丈・・・・・」

ん?子供?

「うちのママだって言ったでしょ?」

女性の発言にリトが驚き顔を上げると、隣に座していた少女アネスが呆れたように言ってきた。
たしかに先程「ママが呼んでいる」的な事を言っていた気はする。しかし、

(若くないか・・・・・?)

目の前の女性は、とてもじゃないがこんなに大きな子供がいるように思えない容姿をしている。少女と形容する見た目ではないが、少なくともうちの長女と同じくらいには見える。
そう言えばルイと言う男も見た目は青年だ。どうなっているのだろう。

「私達は人間ではないので、人とは時の流れが違うんですよ」

奇怪な者を見る表情でもしてしまったのだろうか、女性は可笑しそうにクスリと笑った。
とても柔らかい、優しげな人だ。リトは自分の心が絆されるのを感じた。

「あんた、誰かに似てる・・・・・」

誰だろう、考えた末、一人思い当たる人物を見つけた。
自分の母親だ。人を慈しむ優しげな表情が、母のミレリアの雰囲気と合致する。自分には向けられたことの無い、優しい眼差し。それに気づいた途端、胸のあたりが痛くなった。隠すようにもう一口、茶を口に含む。
そんなリトの姿を見て、女性は目を細める。

「貴方の心が癒されますように・・・・・」

そして何か呟いたが、とても小さな声でよく聞こえなかった。
顔を上げると女性は先ほどと変わらぬ笑みを浮かべていた。

「そう言えば、ママ。」

「お母さまと呼びなさい、もう幼子ではないのですよ。」

「あー、はい、お母さま。カップが一つ多いみたいだけど、パ・・・・・お父さまが来るの?」

アネスの言葉にリトも視線をそちらに向けると、確かにティーカップが一つ余っている。
あの男が来るのか?とてつもなく居心地が悪くなりそうなのだが。

「いいえ、あの人はお忙しいようだからいらっしゃることが出来ないと。別のお客様をお呼びしたのですよ。」

「お客様?」

「えぇ、貴女と同じくらいの女の子ですよ。何があったかは存じませんが、色々と彷徨られた末にこちらへたどり着いたようで。ルイ様に託されました。仲良くなさいね?」

497レオール ◆.q9WieYUok:2016/05/02(月) 09:54:14
【バルクウェイ】

確かに、アグルとイスラの言葉通りだ。
後続の部隊が居るとは言え、会敵必至の遺跡に乗り込み、制圧からの防衛を任せれるのか。

戦略を練り、戦略を整えてから動くべきではないのか。
援軍は期待出来ないのか。

「すまない、イオリとの連携も、他の援軍の期待も出来ない。」

アグルの質問に、レオールは申し訳なさそうな表情で答え、説明する。

「遺跡の破壊、それは真っ先に考えたがそうする訳にはいかなかったんだ。」

まず、レオール率いる108空挺師団のスポンサーは、世界政府に反する多数の中小国家である。
宿敵とも言える世界政府が倒れて以降、その後釜を狙うべく我こそはと中小国家は動き出した。

世界そのものを動かすエネルギーライン、その重要地点である龍穴を抑えるべきだと声を揃える中小国家の意向に反すると言う事は、支援が打ち切られてしまう事を意味する。

「それに、破壊するとしても周囲の影響を予測し、下準備が必要になる。

残念ながら準備をしている暇もない、今は一刻を争う非常事態なのだ。」

遺跡は七つ、内一つは空挺師団が。
三つは黄龍の軍勢が抑えている。

残るは四つだが、手付かずなのは三つだ。
そ今回制圧しようとしているのはその三つだ。

「4/7、半数以上を制圧し、防衛出来れば何とか、世界が闇に閉ざされるのは防げるだろう。

余る一カ所は……闇の巣、ありとあらゆる闇が集まるあの場だ。

あそこならば黄龍もそうそう手を出せないだろう。」

498アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/03(火) 09:18:00
【過去】

「それはどうかなー、なんたって俺修行したからね!
いつもと同じだと思って甘く見ない方がいいよ」

ただの遊びごときで一体なんの修行をしたと言うのか、アブセルは得意気に鼻を鳴らす。
しかも彼のこの台詞、今回が初めてではない。いつも似たような口上と共に自信満々でゲームに臨み、敗北。「あれ、おかしいな?こんなつもりじゃなかったのに」がお決まりのパターンである。
それでもアブセルは何度負けても、今度は勝つ、としつこくリトに挑むのだった。

それは兎も角として、いくら急かしてもリトは読書をしていて中々乗ってきてくれない。
痺れを切らしたアブセルは、彼の背中に被さってのしかかり攻撃を始めるも…
不意に「あ」と言って動きを止めた。

「そう言えばさー、ずっと前に二人で街に出かけたことあったじゃん?
そん時助けてくれたオンジンのこと覚えてる?」

"恩人"。
以前、街でリトが倒れてしまった時、助けてくれたジル達家族のことを彼はそう呼んでいた。

「さっき学校の帰りにちょっと寄ってみたんだけど、あそこの家…何かなくなってた。
道間違えたのかと思って探してみたけど、やっぱり見つかんなかったし…もしかしたら引っ越したのかもしれない」

あそこの兄妹とは、また一緒に遊ぶ約束をしていた。ただその条件が"ちゃんと親に許可を貰ってから"と言うことで、自分は兎も角リトが外に出して貰えないため、結局今の今まで機会に恵まれずにいたのだが…。

裏切られた、と感じたのかもしれない。アブセルはむくれた様な表情を見せる。しかし次には少し不安気な顔になり、肩越しにリトに言った。

「…リトはいなくなったりしないよね」

アブセルは恐れているのだ。
昔の母や可愛がっていた子犬と同じように、大切な人が自分の前からいなくなることを。
リトの肩に触れた手に、知らずと力が入る。

「黙って勝手にいなくなったら怒るからな」

499アブセル ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/03(火) 09:19:14
【ポセイドン邸】

なんというか…予想外の反応だ。
普段の仲睦まじい様子を見ている側にとっては、二人が「付き合っていない」という事実の方が驚きだと言うのに。
真っ赤な顔をして慌てて否定するリマを見て、アブセルは思わず吹き出してしまった。
何かこの人すごく可愛いぞ。

「リマ姉、そんなんで良いの?そんなことじゃセイちゃんさん誰かに取られちゃうよ?」

二人は俗に言う、友達以上恋人未満な関係らしい。
リマは現状に満足していないようにも見えるが、それ以上の関係を望むのは贅沢なのではないかと、そう思っているようにアブセルは感じた。

「リマ姉はセイちゃんさんが好きなんだろ?で、好かれたい、とも思ってるんだろ?
ならもっとガンガンアピった方が良いって。
例えば意味もなく抱きついてみるとか…、1日一回は大好きって伝えるとか」

良いこと教えてあげようか?と、アブセルはニヤリとして言った。

「夜中、セイちゃんさんの部屋に夜這いに行くんだよ。そんで、「お願い、私をめちゃくちゃにして!」って言ってみな。トントン拍子に上手くいくから…って、雑誌に書いてあったから」

もっとも、自分がリトにやったときはベッドから蹴り落とされてしまったが。

500ヨハン、トーマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/03(火) 23:01:06
【過去】

「ヨハン様、お客様がいらしております。」

学舎を卒業して数年後、ヨハンはその才能と努力の甲斐あって着々と権力をつけてきた。
最近では本家当主の目に留まり、仕事を任されるようにもなってきた。全て当初の計画通り。このまま上手く事が運べば、本家の跡継ぎである娘との婚姻も夢ではない。

「やぁ、ヨハン!」

全ては順調なのだ。ヨハンの人生の中で、この男の存在を覗いては。

「・・・・・」

「露骨に嫌な顔をするね君は。まぁ、感情を隠さなくなったのはいい事だと思うよ。」

学舎以来の付き合いであるこの男、トーマは卒業後もやたらとヨハンを訪問してくる。因みにトーマの住まいとヨハンの屋敷は決して近い距離ではない。にも関わらず、トーマはその距離を物ともせずに足しげく通ってくるのだ。わざわざヨハンに会うためだけに身支度を整えて。
トーマはやんごとなき家系の御曹司ではあるが、本人はその権力に全くと言って良いほど興味がない。そして財のある暮らしにも未練はないようで学舎を卒業して間もなく庶民街で一人暮らしを始めていた。以前ヨハンが用事で街に出た際に会ったことがあるが、庶民に紛れて暮らすトーマはそれはもうみすぼらしく、目も当てられない程だった。ボサボサの髪に、何処から調達してきたのか不明である品のない瓶底メガネ、ヨレヨレのシャツと言った具合に、庶民と言うよりスラムから抜け出して来たのかと勘違いするような見た目で、一瞬誰だか分からなかった。いや、認めたくなかったのかもしれない。こんな芋男と知り合いだと。あれは庶民に扮しているのではない、この男の素のだらしなさがもたらした結果だろう。
だが今はどうだろう。頭の天辺から爪先まで整い、どこからどう見ても育ちのいい好青年だ。もっとも、これが学舎時代から知っている彼の姿なのだが。屋敷に訪問するのだからと、トーマは芋男を脱してドレスコードを完璧にしてくるのだ。とても同一人物だとは思えない。

「この詐欺師め・・・・・」

「あはは、ヨハン、口が悪いのは相変わらずだね。」

ヨハンはトーマがここへ訪問した用件を聞くが、やはり理由など無かった。用がないのならとその場から立ち去ろうとするも止められる。結局世間話に付き合ってやるのがいつものパターンだ。

501ヨハン、トーマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/03(火) 23:03:35
「あ、そう言えばさ。最近面白い子に会ったんだ。」

どうでもいい話を長々と聞かされいい加減嫌気が差し始めたところでトーマは思い出したように話を変える。クッキーを手に取りながらクスリと笑う。

「良いところのお嬢様なんだけどね、民街に興味があるみたいで頻繁にお屋敷から抜け出してくるんだ。でも見るからにお嬢様な子だから街に出たら浮いてしまってね、実際初めて会ったときはやっぱりお金目的の怖いおじさん達に絡まれてたよ。」

この男が女の話をするなんて珍しい。ヨハンは思わず耳を傾けてしまった。

「だからね、庶民っぽい格好をしておいでって言ってみたんだ。ちゃんと庶民っぽくなれたなら、街を案内してあげるよって。その子、結構頑張ってくるんだけど、やっぱり育ちの良さは抜けなくって・・・・・」

「お前が化け方でも伝授してやればいいだろ」

「化け方って失礼だな。んー、手伝ってあげてもいいけど、これは彼女と僕のゲームだからね。」

言ってトーマはイタズラな笑みを浮かべる。まったく悪趣味な奴だ。
しかしヨハンはこの話で一つ気づいたことがあった。

「気に入っているのか、その娘を。」

「気に入っている、かな。けど、これが恋愛感情と聞かれれば、答えは"ノー"だ。」

僕は誰かを愛するつもりはない、トーマはそう続けた。

「・・・・・」

その理由を、ヨハンは知っている。

「お前の父親は、随分と好色な方だな。以前社交の場で見かけたが、多くの女に囲まれていた。」

「君のその何事も包み隠さないところ、すごく好きだよ。うん、そうだね、もういい歳なのに、未だに"お遊び"をやめられないみたいだ。」

恵まれた環境にありながら、何故自分の立場を嫌うのか。以前のヨハンは理解が出来なかったが、社交界に出るようになった今では分かる。
トーマの父親は底抜けの女好きで、お抱えの女が数多くいることで有名だった。トーマは正妻の子だが、その下にいる弟は第二夫人の子であるらしい。二人は歳が近い為幼い頃から比べられ、意図せず権力争いの波に飲まれていたようだ。特に第二夫人は気性が荒くトーマ母子への対抗心が強い。争い事を好まない性格のトーマには辛い環境だったのだろう。

「僕にはあの人と同じ血が流れているから、女性を幸せにする自信がないんだ。それに、あの子は貴族だから、仮に妻に迎えるとしたら自分の身分を戻さなきゃいけない。幸い僕の母親は権力とかに興味がない人で僕を自由にさせてくれてるのに、愛の為に窮屈な暮らしに戻るなんてごめんだよ。」

「庶民に憧れる物好きな娘なら、庶民として嫁がせる事も可能だろう。」

「その子の親が赦すわけないよ。可哀想だけど、女の子は権力を維持する道具に使われやすいからね。」

「お前は社交の場にも出ないからな、どうせどの家系の娘なのかも知らないんだろう。」

「よく分かったね、その通りだよ。にしても・・・・・」

ヨハンがここまで話にのってきてくれるのは珍しいね、そう言ってトーマは笑みを浮かべた。

502ヨハン、トーマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/03(火) 23:04:32


無自覚だった。たしかに、自分は何故ここまでトーマの話を真剣に聞いてやっているのだろうとヨハンは気付き、顔が熱くなる。

「僕はいいんだ、あの子とこのまま遊べるだけで満足だよ。それよりさ、そっちはどうなの?本家筋のお嬢様。」

何だか気恥ずかしくなった気持ちを誤魔化すかのように咳払いしていたヨハンは、続くトーマの問いに眉をひそめる。またこいつの"聞きたがり"が始まった。

「何度か見かけた事はあるが、一度正式に挨拶したきり会ってはいない。俺が訪問する時は決まって部屋に閉じこもっている。」

「可愛いね、その子。何となく君が旦那様になるって気づいているんじゃない?それで恥ずかしがっていると見た。」

「婚約の話は1度たりとも出ていない。父親の信頼を得る為にはまだ時間がかかりそうだ。」

「君ならやってのけるよ。ここまで頑張ってきたんだからね。ただ、一つお願い。その子と結婚出来たら、ちゃんと大事にしてあげてね?政略
の末に不幸になった僕の母親と同じ目に合わせないであげて。」

まぁ、君は大丈夫だと思うけど。
応援しているよ、トーマは楽しそうに笑った。

二人は知らないのだ。
庶民に憧れるお嬢様と、ヨハンの狙う本家筋のお嬢様が、同じ人物であることを。


【長くなっちゃった・・・・・(´・ω・`)】

503フィア ◆.q9WieYUok:2016/05/04(水) 13:54:56
【十字界】

シャムと別れた後、フィアはDDと共に十字界へ、ジーナの元を訪れていた。

「と、言う訳よ。

私としては今すぐにでも他の長老を集め、オリジンを討伐するべきだと思うわ
。」

群青の街では後一歩の所まで追い詰めた。
メルツェルを吸収したオリジンが如何に強くなろうとも、五人……いや、六人居ればオリジンを滅する事が出来る筈だ。

ノワールに害を及ぼすであろう、と声を掛ければマゼンタとヴェントは釣れるだろうか。
だが、そうそう勝手に動く訳にはいかない。

「だけど、その前に。

ジーナ、貴女に聞きたい事があるの。」

この世に生まれ出た長老はジーナを含めず12人。
しかしながら、ジーナは自分達と同じく長老であり、同じ魂の波長を持っていた。

「貴女、何者?

オリジンについて何か知っているわよね?」

彼女は一体何者なのか、どう言う存在なのか。
ジーナに詰め寄るフィアは静かに、しかし力の籠もった声で、問う。

「答えによっては、オリジンより先に貴女と戦う事になるかもしれないわ。」

交錯する紅瞳、フィアの眼光を眼鏡の奥で受け止め、ジーナはゆっくりと、口を開いた。

「……話始めたら長くなるけど、良いかな?」

ーーーーー

元々、オリジンと呼ばれる存在は三人居た。
その内の一人が、とある者との戦いに敗れ、放浪の末辿り着いたのか再構築が始まったばかりの世界だった。

生まれたばかりの世界を隠れ蓑にし、十字世界を作り上げ、長老を創った。
オリジンの目的はただ一つ、育ち切った長老を吸収し、自らを破った者と再戦を果たす事。

メルツェルを吸収し力を付けた今、オリジンは容赦なく長老達を、そしてノワールを狙って来る筈だ。
特に、言うなればオリジンと同じ存在であるノワールは必ず消されるだろう。

選択肢は二つ。
決別し戦うか、素直に吸収されるか。

戦い、オリジンを打ち取れば存亡の危機は免れるだろう。
また、後る二人のオリジンはこの世界に干渉する事も無い。

ーーーーー

「それと、ボクは君達の従姉妹みたいなモノなんだ。

君達の元となったオリジンとは別個体の、オリジンから生まれたのがボク。

ついでに言うと、オリジンとの戦いで鍵になるのはノワールだよ。

あの娘はオリジンと同じ存在でありながら、オリジンには無いモノを……ボクの血肉を、七大魔王の因子を持っている。

もう一つ言えば、ノワールの近くに居るであろう闇の王子もボクとは別の七大魔王の加護を受けれる筈さ。

とまぁ、聞きたい事とそれに対する答えはこれ位かな?」

504ルドラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/04(水) 17:53:54
【ポセイドン邸】

「イタイイタイイタイっ!ちょっ、何すんだ!止めろ無礼者‼」

地面に頭を押し付けられるなんてあり得ない。しかも愚かで下賤な人間なんかに。
ルドラは屈辱に顔を歪ませ、怒りのままに吠えた。

「ラディック!誰か!もう何でもいいからコイツを今すぐ殺せ!」

そこでハッと思い出す。
そうだ。今、配下の者は誰もいないのだ。全く揃いも揃って役立たずばかり。

頼れる者がいないと分かるや、途端ルドラからは威厳のいの字もなくなった。
駄々をこねる子供のように手足をバタつかせる。

「くそっ、くそっ!人間のくせに!
離せよ肉だんご(胸の辺りが)!×××女!××××!×××××
ッ‼」

そして放送禁止級の罵声を口汚く浴びせるが……。

その数分後…

「すみませんでした…。」

そこにはボロボロの姿で土下座をしているルドラの姿があった。
ナディアに余程酷い目に合わされたのか、顔色が真っ青だ。

「僕は姫の臣下でルドラと言うものです。訳あって姫には会えないので、伝言を…お、お願いしたいのですが…」

その口調は若干棒読み気味だが、先ほどとは売って変わった弱腰な態度である。
屈服という文字が彼の背景に浮かんで見えてきそうな程だ。

505サンディ ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/04(水) 17:55:19
【??】

どうも此処に来る以前の記憶が曖昧だ。
確か自分はバルクウェイの闘技場にいた筈だったと思う。
最後に覚えているのは、闘技会中に賊が侵入してきて大会が滅茶苦茶に荒らされたこと。
クロスと言う少年の力が暴発して、彼そのものが暗黒の虚に変貌してしまったこと。

そして自分はそれを封じるべく、あろうことか無策で虚の中に飛び込んだ。

そして…、気がついたら此処にいた。

初めはついに天国に来てしまったとばかり思ったものだが、聞いた話ではどうやら違うらしい。
ここは死者の魂を選別する場所だと、一番偉い人に教えてもらった。
では自分は死んだのだろうか。そう訊ねると男は首を横に振る。"正確にはまだ死んでいない"、と。

まだ、とはどう言うことだと疑問に思ったが、その時のサンディの感想は…「ふーん」だった。
自分でも驚くほど他人事で、不思議なことに危機的感情が全くわいてこなかった。まるで不安とか恐怖とか、負の情報を伝達する脳の回路が切断された感じ。

現に今だってお茶会に誘われたものだから、呑気にそこに足を運んでいる。しかも割りとルンルン気分で小さくスキップしながら。

「ごめんなさい、お待たせしましたー…」

お茶会の席には既に人が集っていた。席に腰かける面々を順に眺め、そこでふとサンディは目を見張った。

「あれ?あなた…セナさん…?
いや違うな………あ!もしかして姉御の弟くん!?えっと確か…そう!リト君!」

彼を見たのはバルクウェイで深淵から救い出された後の姿だけ。ずっと眠ったままだったから直接喋ったこともないが。
少しの間だけ行動を共にしていたセナと顔がそっくりだから、直ぐに分かった。

「良かった!目、覚めたんだね!」

サンディは嬉々とした様子でリトに駆け寄り笑顔を向けた。

506イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/04(水) 17:56:47
【バルクウェイ】

(闇の巣…)

レオールの口からその言葉を聞くや、アグルは思案気な面持ちでそれきり黙りこんでしまった。

代わりにイスラが言葉を挟む。

「こんな時でも自国の利益か…。
失敗すれば世界そのものがなくなるってのに…」

何だかやるせない様な気持ちになる。

しかし、それも仕方がないことだと思う。
自分達のように前線に出て戦う役割の人間もいれば、それを指揮する人間、今の戦いよりももっとずっと先を見据えて動く役割の人間もいる。

適材適所と言うやつだ。
全ての戦いが終わった後、社会を立て直していくには、むしろ彼らのような人間の力こそが必要となるのだろう。

「…状況はキツいがやるしかないな。なんせ世界がかかってる」

ここにいる数名で背負うには余りにも重すぎる荷物だが。
そこまで言うとイスラは不意に一同を見渡し、重い空気を吹き飛ばすかの様に破顔した。

「皆、自分の力を信じて全力を尽くそう。そして必ず生きて帰ってこよう」

507リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/08(日) 22:30:17
【ポセイドン邸】

いきなり抱きつく・・・・・のは結構無意識にやっている。大好き!って言葉もよく発言している気がする。
しかしセナは動じていない。微笑み返してくれることもあれば、無反応な時すらある。

だがアブセルの言葉の中に一つ実践したことのない事柄があった。

「よばい・・・・・?」

リマは首をかしげる。
ヨバイとはなんだろう。めちゃくちゃ?

「それやると上手くいくの?夜中に?セィちゃんきっと寝ちゃってるよ??」

あ、添い寝的なものだろうか。

「小さい頃は、セィちゃんとよく一緒に寝てたなぁ。リマ、雷が怖くて夜眠れなくなっちゃうから、心配してセィちゃんがいつも来てくれるの。リマが寝るまで傍にいてくれるつもりで来てくれるんだけど、いつもいつの間にか二人で寝ちゃってるの。懐かしいなぁ・・・・・」

リマは昔を思い出して楽しそうに笑う。
そう言えば・・・・・

「今もやっぱり夜の雷は怖くて、どうしても怖い時はセィちゃんのお布団に入っちゃうの。セィちゃんは背中ポンポンしてくれるから安心するんだ・・・・・」

そこまで話してリマはハッとする。さすがに恥ずかしい事を口走ってしまったことを自覚したのだ。

「・・・・それで・・・・・朝起きていつもジュノスさんに怒られるの・・・・・」

しかしここまで言ってしまえば引くにも引けず、声は小さくなりながらも最後まで言い切った。

508イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/08(日) 23:02:21
リマ>漫画かぁ…、機会があれば読んでみます⬅

おぉ、良かったですね^^
しかし異物混入ってwwちゃんと別のケース用意するのが偉いwあ、誕生日おめでとうございます!(^ω^)

いや、ただの自分のネガティブ妄想ですので、本当のところは分かりませんよ?(笑)ああ言うのは気持ちの問題なので、リアルの事情は気にしちゃ駄目なんだと思いますw

いやいや大丈夫大丈夫、変じゃない変じゃないw
てか本当に本命レイジなんじゃないの?(¬_¬)⬅
公表すればいいじゃない(笑)

頭になんかぶらさげてる黒髪……誰だ(笑)情報がアバウトすぎて分からんww
悔しいって(笑)まぁ秋ぐらいにアニメ化するみたいなので、見ましょうよ(^ω^)⬅
そう、あんなロリロリしいくせにTバックなんですよ。はー可愛い⬅

うーん…、自分的にはジルヨノで引っ付いて欲しいですけど。ただそれはそれで二人とも辛くなりそう…。その感情を乗り越えて幸せになってくれれば良いのですが…(--;)
このぉヨハンめ!可愛いじゃないか!( σ´∀`)σ⬅
そうしましょう!⬅

スカイハイw
ありがとうございます!頑張ります(笑)

509DD ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/08(日) 23:03:41
【十字界】

十字界に着いた頃には、少なくともジーナの話に大人しく耳を傾けられる程度には、DDの精神状態も回復していた。
そして、オリジンについての一連の話を聞いたのち、彼は大きな溜め息を吐いた。

「何だか…正直がっかりだわ。
あの人は本当に自分のことしか考えてないのね…」

なんというか、愛がない。とDDは言う。

オリジンが長老達を造った理由も、そして己の消滅を逃れる為、長老達がオリジンに反旗を翻すのも愛がない。

「分かる?ラブが足りないのよラブが!
アタシ達の心に愛がないばっかりに、こんなことになってしまったの!」

また面倒くさい高説が始まりそうである。
しかし続くのは長いため息だけ。どうやらそれだけの元気もないようである。

「とにかく…ごめんなさい。アタシは話を聞いてもまだ踏ん切りがつかないの…。
少し時間をちょうだい。他の長老達の意見も参考にしたいの」

消滅か決別か。DDは未だ決断を決めかねていた。
とは言え、気持ちは傾きつつあるようで。
ノワールに害が及ぶのだけは何としても避けたいと考えていた。

510レオール ◆.q9WieYUok:2016/05/10(火) 14:21:19
【バルクウェイ】

質問に対する答えに応えず、口を閉ざしたアグル。
そして、アグルとは対称的に声を挙げるイスラ。

彼の言葉に一同……アグル以外の面子、レオール、バッハ、そしてメイヤも頷く。

「すまないな……出来うる限りの援護、支援はさせてもらう。」

確か世界の命運を背負うには人数的にも重過ぎるかもしれない。
だが、一騎当千と言う言葉もある。

「出発は明日の朝にしよう。

皆の力を、無事を信じている。」

ーーーーー
「と、言う訳さー。

側近のマルトは戦争孤児、バッハはエクソシストの家系、どっちも異能者だ。

世界政府に追われる異能者や敗残兵やらを取り込み、師団は大きく成ったってこった。

まぁ、その中でも一番おっかなくてヤバい奴が裏切ったのは色々と不味いかもな。」

バルクウェイを発って二日、東南地域の大河を進む船の上、ウエスタンハットを被った男は調子外れな口笛を吹いた。
そろそろだな、と帽子の男……ビリーは船を泊め、前方を指差す。

「東南地域の龍穴遺跡はジャングルの奥に眠るピラミッドの中。

激しい戦いになる様なら退いた方が良さそうだ、側の大河から水が流れ込んで来たらお終いだからな。」

男の指差す方、そう遠くはなく見えるピラミッドに、レックスは目を凝らした。
大河のほとり、密林の先。

「手はず通り、僕とアグルの二人で遺跡へ侵入。

制圧の合図は無線機で、制圧後は後続の部隊と合流。

中継連絡は任せました。」

短く、最低限の作戦事項を口にし、レックスは歩き出す。
その歩調は速く、次第に早足、駆け足となり、レックスは一陣の風となって密林を駆け抜けた。

511レックス ◆.q9WieYUok:2016/05/10(火) 14:23:30
【東南地域/龍穴遺跡】

遺跡の中はカビ臭く、澱んだ空気が充満していた。
風を操る力で気流を生み出し、侵入口から絶えず新鮮な空気を送り込んでいるものの、如何せん臭いが鼻につく。

(澱んだ空気。

侵入痕も見受けられませんね……)

バルクウェイからの道中と同じく、アグルとの会話は必要最低限だ。

「アグル、そろそろ最深部の筈です。

今の所は僕達以外の侵入者は居ない様ですが、用心を。」

そして、自身もまた三叉鎗を構え、進んだ先。
淡く光る幾何学模様が張り巡らされた広い部屋、遺跡中枢へと辿り着いた。

燐光に満ちた部屋は、驚く程空気が澄んでおり、やや肌寒い。
広さは野球場程か、高さも有り、円柱形の様だ。

光る模様が走る床をゆっくりと踏み、レックスは最深部中央、台座の様な何かへと歩を進め……止めた。
眼鏡の奥、黒瞳が見据えるのは台座に腰掛ける小柄な女性。

「……先回り、されていた様ですね。」

くすんだ金髪と鮮やかな碧眼、身を包む鎧は重厚だ。
謎の人物、恐らくは敵であろう女性にレックスは鎗の矛先を向け、問い掛ける。

「貴女は、何の用で此処に?」

しかし、その問いの答えが来るのを待たず、疾走。

「私はラセツ。

黄龍の使いで、此処に来る者を皆殺しにしろと言われたの。」

女性が答えると同時に、勢いの乗った刺突を繰り出した。

「きっと、私は貴方達の敵。

貴方達も私の敵でしょう?」

風を纏ったその一撃は、台座から降り立った女性の片手、たった二本の指で止められてしまった。
その様にレックスは僅かに苦い表情を浮かべ、口を開く。

「そうですね、やはり敵の様です。

申し訳無いですが、容赦はしません!!」

そして、ラセツの名乗る女性が黄龍の軍勢、敵である事を確認出来たと同時にレックスは突き出した鎗を更に前方へと押し込む。
穂先でラセツの手を、腕を絡め取り、身を捩って反転。

中枢入口に居るであろうアグルへと投げ飛ばし、返しの穂先を横薙に一閃。
投げ飛ばしたラセツへと、巨大な風の刃を追い打ちにと放った。

「アグル!!任せましたよ!!」

512ヤツキ ◆.q9WieYUok:2016/05/11(水) 16:44:31
【ここにきて二人のレス速度が上がってて驚愕orz

レックスアグル組には新キャラあてがったんだけど、イスラメイヤ組にはどうしよう、既存の誰かを出すかはたまた……

一応出せる新顔は居てるんだけど、シデンさん出てきます?

とと、遅なりましたがリマさん資格試験合格おめおめ!社会人一年目ガンガレ!】

513イスラ ◆Hbcmdmj4dM:2016/05/11(水) 17:37:08
大丈夫また遅くなるもよう(´∀`)b⬅
ゴールデンウィーク明けてから忙しくなっちゃったぃ
レスはポツポツ返していきますー

シデンさんはー…、ちょっとまだ待機で。すいません、新顔さんお願いしますm(_ _)m

514リト ◆wxoyo3TVQU:2016/05/13(金) 18:46:41
【過去】

「・・・・・リトは此処から出られない。」

"リトはいなくならないか""勝手にいなくなったら許さない"……おそらくアブセルはリトから"自分はいなくならない"などの意思をもった返事を求めているのだろうが、リトはただ事実のみを口にする。
リトはこの部屋から、一族の監視の目から逃れることが出来ない。勝手にいなくなるなどの行為は、自由が赦される者にのみ出来ることなのだとリトは暗に示していた。

「いなくなるのは、アブセルの方。」

リトとアブセルが離れることがあるとすれば、それは自由の赦されるアブセルの方が自分の意志でこの屋敷から出ていく時だろう。今一緒にいるのだって、アブセルが勝手に近づいてくることによる結果なのだから。

それにしても、

「・・・・・。」

重い。
暫く大人しくアブセルによるのしかかりを受けていたリトだが、不意をついて後頭部を上げアブセルの鼻頭に頭突きを食らわす。

出会った当初は何をしても反応を示さなかったリトであるが、最近では極稀に、このような感情のある仕草を見せるようになっていた。
それだけアブセルによるスキンシップが鬱陶しいとも言える。

515リマ ◆wxoyo3TVQU:2016/05/13(金) 18:49:26
ヤツキ>>
ありがとう!
自分もイスラに同じく、頻度がまちまちだから早い時もあればめっちゃ遅い時もあって、分からないよ(笑)

516メイヤ ◆.q9WieYUok:2016/05/14(土) 10:28:13
【東南地域/遺跡付近】

レックスとアグルが遺跡へ向かった後。
船の甲板で煙草を吹かすビリーは、無線機を、会敵の信号を受信したソレを握り締める。

空挺師団長のレオールを筆頭に、参謀、両翼共に異能力者だ。
非能力者の隊長分隊長も多々居るが、やはり戦力として上がるのは異能力者だろう。

(こんな時こそあの野郎、裏切り者のビカが居りゃあ良かったんだがなー…)

中でも、マルトと共に師団の両翼として武勇を馳せた男、ヴィカルトの強さは筆舌しがたい程だった。
強さをだけを追い求め、強者との闘いを楽しむ凶戦士ではあったが……

「まっさか黄龍側に着いてる訳無ぇよな、流石にビカ相手じゃ団長以外に勝ち目は……」

ーーーーー

【砂漠地帯/龍穴遺跡】

指定された遺跡は砂漠地帯にあり、夜の内に侵入を果たした遺跡内は静まり返っていた。
何者かの侵入痕はあるものの、数は一人分だけであり、予測していた大多数の敵勢力との戦闘は回避出来そうであった。

否、大多数の敵との戦闘は回避出来、呆気ない程簡単に遺跡の最深部へと到着したのまでは良かったのだが……

口腔内の血を吐き捨て、メイヤは再び剣を構える。
構えた剣の切っ先には長い銀髪の男。

(強い、強過ぎると言っても過言じゃない……)

イスラと共に到着した最深部には、一人の男が佇んで居た。
黄龍の使い、ヴィカルトと名乗る男は遺跡の装置を起動させるが、止めたければ剣を抜けと、イスラとメイヤに剣を抜かせた。

そして、十数分後。
圧倒的な強さを見せるヴィカルトに対し、メイヤは攻め倦ねていた。

イオリにも勝るとも劣らない、寧ろ上回っているであろう剣術、体術。
そして結晶……珪素を操る異能は絶対的な防御力を見せ、闇の力を失ったメイヤでは突破は不可能。

会敵し、剣を抜いたからには退く訳にも行かない。
しかし、この敵を倒せるかと言われれば……

「どうにか、攻撃を通せないか……

イスラ、イスラの炎ならあの結晶の鎧を破壊出来るだろうか?」

517ナディア ◆wxoyo3TVQU:2016/05/15(日) 18:07:08
【ポセイドン邸】

「は?嫌だよ面倒臭い」

ルドラが大きく出ようと小さく出ようと、ナディアの答えは始めから決まっていた。
彼女は基本的に誰かの為に動いたりしない。その相手が知り合いでないのなら尚更。

ボロボロになりながら屈服するルドラを前にしてもナディアは全く動じず、全く興味無い様子で手をヒラヒラ振りあしらう。

「今こっちも立て込んでんの。自分で会えないんだったら諦めるか・・・そうね、あんた私たちのこと覗き見してたなら知ってるでしょ?今さっき目付きの悪い不良みたいな奴と女の子が席を外したの。あの二人があんたの姫?とやらと一緒に消えた男の子探しに行ってるから、追いかけて伝言頼んでみたら?」

518リト ◆wxoyo3TVQU:2016/05/15(日) 22:03:24
【???】

「は?誰・・・・・?」

客がもう一人来る。女性の言葉通り、まもなくして1人の少女がやって来た。それはいい。
驚いたのは、その少女が自分を知っていると言うことだ。そして馴れ馴れしい。
いつか会ったことがあるのだろうか?記憶がない。リトは考えを巡らせた所で、少女の言葉からある単語を拾った。

「姉御?あんた、ナディアの知り合い?」

彼女はリトのことを姉御の弟と言った。姉は二人いるが、そう呼ばれる可能性があるのは長姉の方だろう。

それより、目覚める目覚めないとは一体・・・・・

「あんた、"あっち"では眠った状態なんじゃない?良かったね、体は無事みたいだよ。」

リトの疑問を察してか、アネスがクッキーを食べながら口を挟む。
なるほど、元の世界に実在する自分の現状を知っているということは、深淵に落とされた自分の体は救い出されているのだろう。

納得しつつ、リトは少女を見た。
それにしても・・・・・

「あんた、此処で会ってる時点で俺が無事じゃないって分かんないの?あんたも死にかけてるんだろ?馬鹿なの?」

この場所が普通の世界でないことは聞かされているはずだ。女性の話によればこの少女も死んではいないようだが、少なくとも生死の境くらいにはいるのだろう。


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