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【ジャンルは】注目のニュース 2巡目【何でもあり】

1名無しさんは神戸学院大:2014/04/14(月) 00:25:47 ID:WWjpu.jY0
過去スレ
http://jbbs.shitaraba.net/study/446/#5

97名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:37:32 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

「『人間やめますか』と言わないで」――。今年初め、薬物依存症の専門家や支援者らが、厚生労働省の記者クラブで記者会見を行った。内容は、報道各社に対して薬物報道に関するガイドラインを求めるもの。有名人が薬物使用で逮捕されるたびに繰り返される大バッシングや、間違いを含む報道、専門知識のないコメンテーターが感情的に口にする偏見、配慮のない当事者取材――等々。精神科医の松本俊彦さんは、WHOの提唱する薬物対策との隔たりを指摘する。なぜ今、問題が指摘されているのか。なぜ、「ダメ。ゼッタイ。」だけではダメなのか。薬物報道の問題点を、松本さんとダルク女性ハウス代表の上岡陽江さんに聞いた。(取材・文/小川たまか、プレスラボ)

▼▽▼▽▼│関連情報│▼▽▼▽▼
・第8回 “普通の人”を誘う「脱法ドラッグ」の真実
(ダイヤモンドオンライン)2012年9月11日(火)09:00【第8回】 2012年9月11日開沼 博 [社会学者]
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/446/1353519388/57-70
このうち58から59まで

98名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:39:39 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

▼薬物乱用防止教育と報道の問題点
「薬物報道ガイドライン」を発表

 「報道は影響力が大きいし、有用です。それならば現在の知見水準に合わせて、いい方向に使ってほしいのです」
 国立精神・神経医療研究センターでの取材中、精神科医の松本俊彦さんは、そう語気を強めた。同センターで薬物依存研究部の部長を務める松本さんは以前から薬物乱用防止教育と報道についての問題点を指摘してきた。「『ダメ、ゼッタイ』だけではダメ」。なぜなら、一度薬物を使ったら決して立ち直れないかのようなキャンペーンを繰り返すことで、依存症患者の孤立を深め、回復を阻害するからだ。有名人が薬物を使用した際に起こるマスメディアでの大バッシングや過剰な報道は、このような「厳罰キャンペーン」の意識が下地となっていないか。
 今年1月、松本さんは、薬物依存からの回復を支援するダルク女性ハウス(※)代表の上岡陽江さんや評論家の荻上チキさんらと、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブで記者会見を行った。(※ダルク全国薬物依存症者家族連合会 DARCはDrug、Addiction、Rehabilitation、Centerの頭文字を組み合わせた造語)
 会見では17項目にわたる薬物報道ガイドラインを発表。ガイドラインの内容は、「依存症については、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実を伝えること」「薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと」などだ(記事末尾に全文掲載)。

▼▽▼▽▼│関連情報│▼▽▼▽▼
・薬物乱用は"ダメ、絶対"厚木LCが南毛利中で講習会2011年9月30日号
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/446/1280339927/78
・薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ - 薬物別データベース、薬物依存の症状や薬物がらみの事犯など、財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/446/1280339927/104
・「ダメ。絶対。」の先のお話
http://www.kobegakuin.ac.jp/~kp4uc/pdf/120204yakubutsu.pdf

99名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:43:16 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

▼「報道ガイドライン」には
自殺報道での前例も

 ガイドラインをつくったきっかけは、同じように以前から問題を感じていた荻上さんのラジオに出演したことという。このような報道ガイドラインについては、WHOが2000年に発表した自殺事例報道のあり方に関する勧告がある。2008年には「自殺予防 メディア関係者のための手引き改訂版」が発表されている。この中で提唱されているのは、「自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない」「自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない」など。センセーショナルな自殺報道は特に若年層の模倣自殺を招く危険性があるためだ。
 「日本では2006年に自殺対策基本法ができたときに、ガイドラインが翻訳されました。もちろんいろんな批判がありました。ジャーナリストの主体性を無視するのかとか、国民の知る権利はどうするのかとか、お上から一方的にガイドラインを与えるのではなく、話し合いのプロセスが重要ではという話も。ただ現在では、スポーツ新聞や週刊誌を除いて、大手のテレビ局や新聞は、ある程度このガイドラインを踏まえるようになっています。同じことが薬物事件に関しても重要ではないか」(松本さん)
 松本さんや薬物依存症に関わる支援者らは、「覚せい剤やめますか、人間やめますか」「ダメ。ゼッタイ。」といった薬物乱用防止に関するキャンペーンのあり方、さらに有名人が薬物事件を起こすたびに、「薬物依存からは回復不能」「復帰させるべきではない」といった報道が繰り返されることを危険視する。薬物を使用した人を責め立て、孤立させるキャンペーンや報道は、国際的な流れと逆行するという意見もある。

100名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:46:05 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

▼日本は薬物に厳しく
アルコールに寛容の指摘も

 WHOでは2014年に規制薬物使用の「非犯罪化」を推奨するガイドラインを出した。これは、厳罰化では「薬物戦争」は終結しないという結論からの推奨だ。例えば、ポルトガルでは2001年に規制薬物の所持を非犯罪化。その結果、薬物依存症の治療を受ける患者が増加し、薬物使用者のHIV感染率は低下した。
 厳罰化ではなく、非犯罪化を。「北風と太陽」の童話で言えば、北風ではなく太陽を。この国際的な傾向に、日本は乗り遅れていることを松本さんは指摘する。国際的に見て、日本は違法薬物の生涯経験率が非常に低い。「薬物使用に関する全国住民調査」(国立精神・神経センター精神保健研究所/2005年)によれば、違法薬物の生涯経験率は、アメリカが46%、タイ16%、日本は2.4%だ。だからこそ、厳罰化を問題視する空気が、これまで生まれづらかった。
 「(生涯経験率を見れば)『覚せい剤やめますか、人間やめますか』ってコピーはそれなりに効果があったと言えるかもしれない。しかしだからこそこの国で一度薬物を使うと、本当に孤立してしまうのです。オバマ前大統領のように、若い頃やんちゃしましたけど大統領になったなんていう話は日本ではありえない」(松本さん)
 オバマ前大統領は大麻吸引がたびたび報道され、自身もインタビューで「吸ったことがある」と認めている。また、「健全な行為ではないが、アルコールほど危険ではない」とも語っている。こういった海外の風潮に比べて日本は違法薬物の取り締まりが厳しい一方で、アルコールには非常に寛容という指摘がある。

101名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:48:54 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

▼依存患者を孤立させてしまう懸念
コメンテーターの偏見、やめて

 松本さんが繰り返し訴えるのは、薬物を使った人をバッシングし孤立させることこそ、依存症患者が再度薬物を使う可能性を高めてしまうということだ。「アディクション(依存)の反対はコネクション(つながり)」と松本さんは言う。
 薬物に関する専門知識を持たないコメンテーターの一言が、偏見や誤解を助長することもある。昨年、元俳優の高知東生さんが覚せい剤取締法と麻薬取締法違反容疑で逮捕された際、ワイドショーではあるコメンテーターが、高知さんが逮捕時に「ありがとうございます」と言ったことを批判した。
 「『ありがとうございます』なんて軽い言葉だ、ふざけるなと。でも薬物依存を治療する側からすると、これは重い言葉なんです。薬物をやっと止められるという気持ち、悩み苦しんでいたことの表れです。コメンテーターの方には専門的な知識がないから発言を責めることはできないけれど、こういう発言があったときに、専門家がその場で『それは違うんです。これは重い言葉なんです』と言うことができれば、依存症への理解度はかなり変わります」(松本さん)

102名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:52:01 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

▼マスコミは表面的な、
上澄みの部分だけを取ろうとする


 薬物やアルコールは、こころやからだの痛みを一瞬忘れさせてくれる、強力な助っ人。そして、痛みのもとが消えないかぎり、なんどでも使ってしまう。いけない、このままじゃまずい、やめなくちゃ、と、本人はわかってる。それとひきかえに、生活も健康も、すべてがめちゃくちゃになってしまうからね。でも、そうこうしているうちに、それらを手ばなすことができない依存症になってしまう。頭ではわかっていても、からだがもとめてしまうようになる。意思が弱いからやめられないんだろうって思っている人もたくさんいるし、専門家ですらそんなことを言う場合もある。でも、はっきり言ってそれは、ちがう。(『生きのびるための犯罪(みち)』上岡陽江+ダルク女性ハウス・著/イースト・プレス刊)

 以上は、ダルク女性ハウスの代表、上岡陽江さんの著書にある文面だ。
 その中で、上岡陽江さんは、依存に至る背景や、自責感や孤立感がさらなる依存につながることへの理解を説く。「臭いものにはフタ」かのように社会から排除される薬物依存。その排除に、報道は大きく加担していないか。
「マスコミは表面的な、上澄みの部分だけを取ろうとする。薬物依存への理解を深めるためならと取材を受けても、面白おかしく、いいように使われることがある。(まだ回復の途中にある依存症患者の取材をと求められることもあるが)安易に当事者の取材を求めるのはやめてほしい」(上岡さん)
 どういう取材なら受けるべきか、どんな取材を断るべきか。当事者・支援者側からはその判断がつきづらい。
 ダルクは全国に施設があるが、地域によっては開設への反対運動が起こることもある。まだ厳しい目がある一方で、小さな変化も感じているという。
「2015年の秋に京都で開かれた依存症を考えるセミナーの冒頭で、荻上チキさんが『清原さんの事件に関する報道、皆さんはどう思いますか?』と言ったんです。これまでこの問題は内側から指摘してきた人がいたけれど、荻上さんのような"外側"の人が、その角度から問題に触れてくれるとは思わなかった。薬物依存を個別の問題ではなく、社会の問題として扱ってくれると感じました」

103名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:56:22 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

▼ツイッターのユーザーの方が
報道よりまとも?

「報道は影響力が大きいし、有用です。それならば現在の知見水準に合わせて、いい方向に使ってほしいのです」
 繰り返しになるが、この松本さんの言葉はマスコミ関係者にとって重いものだろう。「面白おかしく」「センセーショナルな」報道が繰り返される構造について、どれだけの報道関係者が自覚を持っているだろうか。
「清原さんやASKAさんの事件の報道で、あの報道はおかしいんじゃないかって最初に言い始めたのはツイッターのユーザーでした。ツイッターばかりやっている若者を咎める風潮があるけれど、そちらの方がよほどまともな人がいるのではないか」(松本さん)
 厳しい指摘だ。視聴率、部数、PV――。数字を追いかけるだけの姿勢は、とっくに見透かされている。薬物報道ガイドライン(下記参照)を各社がどう受け止めて報道を行うのかが試されている。

104名無しさんは神戸学院大:2017/04/28(金) 14:58:36 ID:nt/D2BE.0
薬物事件報道はなぜ「ダメ。ゼッタイ」だけではダメなのか
プレスラボ2017.4.28

■薬物報道ガイドライン
【望ましいこと】
 ・薬物依存症の当事者、治療中の患者、支援者およびその家族や子供などが、報道から強い影響を受けることを意識すること
 ・依存症については、逮捕される犯罪という印象だけでなく、医療機関や相談機関を利用することで回復可能な病気であるという事実を伝えること
 ・相談窓口を紹介し、警察や病院以外の「出口」が複数あることを伝えること
 ・友人・知人・家族がまず専門機関に相談することが重要であることを強調すること
 ・「犯罪からの更生」という文脈だけでなく、「病気からの回復」という文脈で取り扱うこと
 ・薬物依存症に詳しい専門家の意見を取り上げること
 ・依存症の危険性、および回復という道を伝えるため、回復した当事者の発言を紹介すること
 ・依存症の背景には、貧困や虐待など、社会的な問題が根深く関わっていることを伝えること
【避けるべきこと】
 ・「白い粉」や「注射器」といったイメージカットを用いないこと
 ・薬物への興味を煽る結果になるような報道を行わないこと
 ・「人間やめますか」のように、依存症患者の人格を否定するような表現は用いないこと
 ・薬物依存症であることが発覚したからと言って、その者の雇用を奪うような行為をメディアが率先して行わないこと
 ・逮捕された著名人が薬物依存に陥った理由を憶測し、転落や堕落の結果薬物を使用したという取り上げ方をしないこと
 ・「がっかりした」「反省してほしい」といった街録・関係者談話などを使わないこと
 ・ヘリを飛ばして車を追う、家族を追いまわす、回復途上にある当事者を隠し撮りするなどの過剰報道を行わないこと
 ・「薬物使用疑惑」をスクープとして取り扱わないこと
 ・家族の支えで回復するかのような、美談に仕立て上げないこと




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