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( ^ω^)_______のようです
1
:
名も無きAAのようです
:2011/11/08(火) 22:54:23 ID:bwtyxfCA0
レベルが無いからスレ立て無理と言われて来ました!
234
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:18:40 ID:.wU4MnIE0
J( 'ー`)し「はいはい、それじゃ飛び出しには気をつけなさいね、あと局長にもよろしくね」
( ^ω^)「うん、んじゃ、行ってきますお!!」
こうして、内藤はまるで遊びに行くかのような挨拶を経て、
玄関へと向かうと、庭先に止めてある車へと駆け寄った。
尚、車には遮光マットが被せられている。
内藤はその中へ潜り込み、車に触れながら何かを呟いた。
微かに青い輝きが漏れ、次の瞬間には、マットがふわりと浮き上がり、
青色の車が姿を現し、ぶぉん、と一度大きくエンジンを噴かせ、
そのまま市街地を抜け、ブルーホールへと駆け抜けていく。
時刻は、ちょうど9時を過ぎた頃のことだった。
―――――――――。
235
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:20:31 ID:.wU4MnIE0
―――――――――。
( ;゚Д゚)『間違いじゃねえのか!? 今何時だと思ってんだよ!』
『(*゚ー゚)しかし、実際に強大な反応があります、それも、もしかすると、今まで一番……』
ギコは悪態をつきながらも、自室で横になっていた姿勢を起こし、
いくつかの着替えを羽織って、廊下へと飛び出した。
以前にも語ったように、イーバはあくまで、人間を標的とする。
そのためか、人の動かない夜間において、彼らの動きは非常に鈍いものとなる。
特に残党を狩るようになってからは、それは特に顕著に現れ、
これまで、夜にイーバが発生した事案は限りなく少なく、無いに等しい。
ゆえに、このタイミングでの襲撃に、ギコは何だか嫌な予感を得た。
( ,,゚Д゚)『カーズに連絡は?』
『(*゚ー゚)すでに現場に向かってます』
( ,,゚Д゚)『相方と違って仕事はぇえな、てか、そのツーはどうした?』
236
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:21:49 ID:.wU4MnIE0
『(;*゚ー゚)ええと……よく聞いてないです、けど、お休みらしいです』
( ,,゚Д゚)『休みぃ? アレが?』
『(´<_` )それよりギコ、変だと思わないか?』
( ,,゚Д゚)『思ってるよ、だが、行くしかねぇだろ?』
『(´<_` )違いない……何か分かったらすぐに連絡する、通信、また切るなよ?』
( ,,゚Д゚)『ヘイヘイっと』
ギコは以前にも内藤が使用した、地上行きのエレベーターへと向かった。
そして三角マークが示すその場所へやってくると、重たい扉が開かれ、
中にはベルト付きの椅子が一つ、だが入り込もうとした瞬間、小さな影が割り込んだ。
( ;゚Д゚)「っと……って何してんだお前」
川 ゚ -゚)「私も行く」
心なしか饒舌な、近頃話題の少女だった。
クーは脇を抜けて中へ入るとすぐさま椅子に腰掛ける。
237
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:23:07 ID:.wU4MnIE0
( ,,゚Д゚)「あのなぁ……」
川 ゚ -゚)「一緒に行かなきゃ、早く」
先に行きたくてそうしたのか、と思いきや、
クーは呆れた素振りで立ちすくむギコを手招きした。
そして二人は、狭い中に詰め込まれ、圧に耐えながら上を目指す。
( ;゚Д゚)(……ん?)
だがその途中、クーが止まる階を示すボタンの一つを押した。
ややあって、速度が緩み、ポーンと鳴って停止する。
ドアが排気音を立てて開かれ、先には暗闇の空間が広がっていた。
エレベーターから漏れる光がうっすらと内部を照らせば、棚とダンボールが見える、
それも相当な数で、資料室か、倉庫か、そういった類の場所のようだ。
( ;゚Д゚)「は? 何やってんだよこんな時に…!?」
川 ゚ -゚)「奥のほう見て」
( ,,゚Д゚)「奥? 何かあr」
言いかけた所で、ギコは背中を何かで押された。
突き飛ばすような力ではなく、まるで、壁が迫ってくるような。
238
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:24:27 ID:.wU4MnIE0
振り向いてみれば、クーが腕を銃剣に変質させており、
その大きな武装によって、押し出されたのだと分かる。
分かるが、なぜ剣先がギコへと向けられているのかは、わからなかった。
故に反応が遅れ、リボルバーの回転に伴う小さな破裂音が、暗闇の空間に反響する。
溢れた光も小さなもので、威力としてはそう高いものではなかった。
だが、それでもギコを外へと弾き飛ばすには充分だった。
( ;゚Д゚)「……てめ、何しやがる!?」
よろめきながら何歩か進み、棚を支えに振り返れば、
今度は銃剣を上にむけ、壁へと突き立てるなり、
先とは比べ物にならない量の光と音が、空間を埋め尽くした。
次いで大きな亀裂が壁を縦横無尽に走り回り、青光を漏らしながら天井まで到達。
瓦解した。エレベータの入り口を落下してきた瓦礫が埋めていく。
239
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:25:40 ID:.wU4MnIE0
見れば少女はすぐさま中へ乗り込んでおり、再び上を目指し、急速に上昇していった。
そしてついには、その箇所を山盛りの瓦礫が埋め尽くしてしまった。
ちなみにギコは呆然とそれらの犯行を見ているばかり。
だが、少女が何故あんな真似をしたのか、狙いも考えもわかっている、
分かってはいるが、まさか実行されるとは夢にも思わなかったギコはただ。
「や……やりやがった……」
「あんの……クソガキィィィィィィィィ!!!!!!!!!」
自分の姿さえ見えなくなった、真っ暗闇の中、
閉じ込められた怒りをひたすら叫んでいた。
――――――――。
240
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:26:36 ID:.wU4MnIE0
その日は、やけに月の映える夜だった。
珍しく一番乗りで、現場である荒野へとやってきた内藤は、
すぐさま人型へと姿を変え、敵の姿を探した。
だが、ここに来るまでにも、辺りにも、その姿は見当たらない。
(;^ω^)「あれ……居ない」
背後には夜景、遠目には海のせせらぎが月に照らされている。
潮騒の音がゴォと小さく響き、風は穏やかに吹いていた。
だが本来であれば違和感があった、しかしそれはあくまで人の身においての話、
機械化しているゆえに、内藤はそれに気付くことができなかった。
しばし呆然と立ちすくんでいると、通信が届く。
『(*゚ー゚)どうしたの?』
(;^ω^)『しぃさん、えっと……居ないんですけど』
『(;*゚ー゚)ええ? でも反応は確かに……うん、あるよ、すぐ近く』
(;^ω^)『近くって……でも……』
241
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:27:44 ID:.wU4MnIE0
見渡したところで、やはり姿は無い。
ただ、ふと、海の音がおかしい事にようやく気が付いた。
音は、空気を揺らすかのように、ゴォ、と響いている。
『( ´_ゝ`)もしかしたら、姿を消しているのかもしれん、気をつけろ』
(;^ω^)『それ、どう気をつければいいんですお!?』
『( ´_ゝ`)目に頼るな、感じるのだ、敵が持つ悪しきエネルギーを…!』
( ^ω^)『感じ取る…!!』
『(´<_`;)真に受けない方がいいぞ、兄は先ほどまでダイの冒険という漫画を読んでいた』
(;^ω^)『空裂斬かお…!!』
『( ´_ゝ`)だが、潜んでいる可能性は高いぞ、注意したほうが……え?何?』
と、そこで通信先がなにやら騒がしくなった。
聞き取りづらいが、出られないとか、出口がどうとか。
242
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:28:43 ID:.wU4MnIE0
そのまま立ち呆けていると、やがて視界の中に妙なものを見た。
月が照らし、地表に落ちる影だ。
雲の流れに合わせて動いていた影の中に、一つ、動かない大きな影がある。
それが、移動する影の中にいつの間にやら生まれていた。
ハッとして、内藤は空を見上げた。
ぼんやりと見える星空の中、それは居た。
(;゚ω゚)『……鳥…!』
『(*゚ー゚)どうしたの?』
(;゚ω゚)『鳥だお、上に、馬鹿でかい鳥が居るんだお…!!!』
内藤が鳥といった姿は、まさに翼を大きく広げた鳥の姿が、空に浮かんでいる。
それにしても異様な光景だった、飛ぶというにはあまりにも動かない、
あたかもそれは、たまに見かけるトンビを巨大化させて、空に固定したような。
243
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:30:05 ID:.wU4MnIE0
『(;´_ゝ`)空を……イーバが、飛ぶのか!?』
(;^ω^)『ていうか、そうだとして、アレどうすりゃいいんだお!?』
こうしてお互い動かないまま、もうしばらくの時が流れた。
そして、遅れてクーが現場に到着し、内藤が伝えようと指を差した、その時だった。
空の鳥が、突然青い光を広げた翼から噴出させた。
そして旋回するように空を回りはじめた。
(;^ω^)『何なんだお…?』
川 ゚ -゚)「内藤さん、とりあえず合体を」
(;^ω^)『え…いきなり?』
川 ゚ -゚)「何をしてくるか分からない、整えておくべき」
(;^ω^)『それはまあ、確かに……』
と、空の鳥はまたしても動きを変え、今度は急降下。
市街地側の空から、内藤たちへと向け、凄まじい速度で迫ってくる。
244
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:31:02 ID:.wU4MnIE0
(;^ω^)『来た…!!』
川 ゚ -゚)「合体を、早く…!」
(;^ω^)『……』
するべきだと、内藤自身も分かっている。
何より考えた末に、そうしようと決めたはずだった。
しかし、何を話すよりも先に要求を続ける姿を前にして、
内藤は聞いたことを思い返し、ためらってしまう。
頼っているのではなく、利用しているだけ。
その様と、存在は、どこか恐ろしいものに思えたのだ。
しかしそんな葛藤は通じるはずも無く、鳥が迫る。
だが、突撃でもしてくるかと思えた姿は二人の上を通過し、
海を背に、ぐるりと身をひねって一回転すると、そのまま低空にて停止した。
245
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:32:27 ID:.wU4MnIE0
次いで、おかしなものが聞こえてきた。
『どうした、早く見せてみろよ』
言葉、そして人の声だ。
不意のことに、思わず周囲を探ってしまうが他に姿は無い。
その声はやはり、あの鳥から聞こえてくる。
『それとも、三人揃わないとあの変身はできないのかい』
川 ゚ -゚)「内藤さん…!」
(;^ω^)『っ……な、何言ってんだお…!! お前は何なんだお!!』
『私が何かって? お前こそ何を言っているのだ?』
(;^ω^)『お前、お前も……イーバ、なのかお!?』
『イーバ、か……ふふ、だとしたら、どうするんだ?』
(#^ω^)『なら、戦うだけだお…!!』
『なぜ?』
246
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:33:49 ID:.wU4MnIE0
(;^ω^)『なぜ…? 何故って、お前らが……イーバが、僕らを、人を襲うからだお!!』
『私はしていないぞ、それでも私を倒そうと言うのか?』
問われ、内藤は動けなかった。
だがお構いなしに、鳥は更に言葉を続ける。
『いや、そればかりか、お前たちが殺してきたイーバ達とてそうだ』
『まだ人を襲ってはいないのに、お前たちは殺してきたんだろ?』
『おかしいじゃないか、何故殺されなければならなかったんだ?』
(;^ω^)『でも、イーバは、お前たちは、実際にそれを行ってきた…!!』
(#^ω^)『街を破壊し、たくさんの人の命を奪ってきたじゃないかお……!!!』
『なら何故、お前は人間を殺さない?』
(;^ω^)『…はぁ!?』
247
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:34:47 ID:.wU4MnIE0
『壊されるかもしれない、殺されるかもしれない、それを理由とするなら』
『人間だって同じじゃないか、他人を傷つけ、物を壊す』
『お前の言い分はおかしいな、狂っているとしか思えない』
やはり、内藤は動けなかった、そして答える事もできなかった。
あの鳥の言い分を認めるわけでも、納得するつもりも無かったが、
それでも、返せる言い分は、一つしか無かったからだ。
川 ゚ -゚)「……うるさい」
そしてそれは、代わりに隣に佇む少女が代弁した。
川 ゚ -゚)「私は……私はイーバを許さない……」
川 ゚ -゚)「だから壊す、絶対に壊す、一つだって逃がさない」
対し、鳥はしばしの沈黙の後。
空に響くほどの音量で、笑い声を上げた。
『ははははは!!!! 流石は紛い物、人間の玩具だけあって言う事が違うぜ!!』
248
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:35:57 ID:.wU4MnIE0
『やはりこうだ、やはりそうだ!! これが人間というものだよなぁ!!!』
『だから私も、お前たちが同胞に対してするように、人間と、それに組する物を殺すよ』
告げて、鳥の全身を青い光が衣のように包んだ。
そして行く道に光の粒子を残しながら、再び空へと昇った。
声は遠いが、言葉はまだ続く。
『横の大きい方、そんな人の姿の真似はやめて、考え直したほうがいい』
『でなければお前もいつか、こういう人間に殺されてしまうぞ!?』
『もっとも――――今この場で、死んでしまうかもしれんがなあああああああああああ!!!』
鳥は空中にて縦に旋回し、内藤たちへと向けて飛翔した。
巨体とは思えないほど速く、そして縦横無尽で、
そして、空から内藤たちへと向けて翼を振るった、
すると無数の青く輝く羽根がばらまかれ、まっすぐに地表を穿つ。
249
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:37:07 ID:.wU4MnIE0
二人が立つ前方、数メートル先にまず着弾した羽根は、
地に触れた瞬間、青い閃光と、大きな爆炎を上げた。
内藤は咄嗟に少女をつかむように抱き上げ、その場を離れた。
直後、降り注いだ羽根が背中で爆発、凄まじい衝撃が背を打った。
(; ω )(……こいつ…まさか!)
空に見えた青をまとう姿に、内藤は圧倒されるような迫力を感じた。
同時に、その力にはどこか覚えがある、似通った物がある事に気付く。
それは、まさに自分自身の。
超過駆動を行った際のモノと、よく似ていた。
更にもう一つ気がかりな事がある。
250
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:38:20 ID:.wU4MnIE0
『ザ、−−−−』
(;゚ω゚)『しぃさん…!? 誰か…! 返事してくれお…!!』
(;゚ω゚)(何だお…!? なんで、なにも返事がないんだお!?)
それは、あの鳥が降りてきた辺りからだっただろうか。
本部との通信が、ノイズにまみれて全く聞こえなくなってしまったのだ。
.
代わりに内藤は走りながら、抱えた少女の声を聞いた。
「どうして…? 約束……嘘だったの……?」
空からは、降り注ぐ羽根の奥から、あの声が聞こえてくる。
『おい、どうした勇者様!! なってみせろよ、あの姿に!!!』
そして何故か、両者共に、自分に対して一つの行動を望む。
251
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:39:10 ID:.wU4MnIE0
先ほどの言葉と、この状況、二つのことから混乱状態の内藤だったが、
とにかく、今はこの場を切り抜ける事だけを考えるべきだと結論付け。
(; ω )「…! クーちゃん、行くお!!」
川 ゚ -゚)「!」
飛ぶように駆けながら放った言葉に、少女が強く頷く。
次いで青い空間が内藤を中心として、風になびく黒髪の姿を包み込んだ。
そして内藤は、青い世界の中。
奥から溢れ出てくる、赤色を見た。
―――――――。
252
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:43:32 ID:.wU4MnIE0
「おいおい………」
「何だよ…なんなんだよあれは……っ!!!!」
( ;゚Д゚)「あの……馬鹿、まさか…!」
都市部と荒野の境目で、ギコは遠方に見える光景に目を疑った。
まわりには見送りの防衛隊の人間が並ぶが、皆一様に言葉を失っている。
先の方に、二つの輝きが見える。
空にある大きな青い光と。
地上から煙のように立ち昇る――――赤い光だった。
『――ううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
そして声が聞こえる。
それは内藤のものだったが、ただ叫んでいる、なんて代物ではなく、
鬼気迫るような雄叫びは、まるで気が狂ったように続く。
そして、その場に居た誰もが、夜の闇に浮かぶ赤色に、
何か得体の知れない、恐怖を感じていた。
253
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:48:07 ID:.wU4MnIE0
ttp://boonpict.run.buttobi.net/up/log/boonpic2_313.jpg
254
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:49:45 ID:.wU4MnIE0
「……あの子、遅いわねぇ……」
すっかり冷めてしまった料理と、壁の時計を見比べて女性は呟いた。
現時刻は九時三十分、帰りの遅い息子のことを、母はただ、待つことしかできなかった。
そして、これから起きる事になる大きな事件を。
ギコだけが"知っていた"
つづく
255
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/11/16(金) 02:53:16 ID:.wU4MnIE0
長い眠い、お疲れ様でした。
次回 第五話 「赤い焔とライオン」
今度こそ短くまとまりますように。
256
:
名も無きAAのようです
:2012/11/16(金) 03:07:47 ID:Vh06of.Y0
長時間乙
257
:
名も無きAAのようです
:2012/11/16(金) 03:07:47 ID:UUj9zZGsO
長時間おつかれさまでした
258
:
名も無きAAのようです
:2012/11/21(水) 19:36:50 ID:Tt8q6OW.0
王道で燃える
乙
259
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:28:46 ID:QfJIXxGs0
第五話 赤い焔とライオン
260
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:29:26 ID:QfJIXxGs0
青色の壁が、赤色に染められていく。
既に互いの姿は見えないが、その存在は強烈なまでに認識される。
寄り添うように、手を繋ぐように体が連なり、やがては感情までも。
まず感じたのは、強烈なまでの全能感。
想像し得るあらゆる物が、触れただけで容易く潰せてしまうような、
そう錯覚させるだけの自信と力が、全身から溢れ出てくる。
けれど、視界を染めていたもの全てが赤に染まる頃、
( ^ω^)「……?」
不意に内藤は、何も無い空間に自分の存在を見た。
世界は目も眩むような真っ赤に包まれ、先には一人、誰かの姿がある。
261
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:31:37 ID:QfJIXxGs0
川 ゚ -゚)
意味の分からない状況。
だがこれに対して、疑問は一つも沸かなかった。
どこか現実味の無い世界は、まるで夢を見ているよう、
そして夢を見ている最中に、何かを不思議に思うことがないように、
あたかも当然のことであるように、二人は対面する。
( ω )「…………」
内藤は少女と顔を合わせているうち、胸焼けのような感覚を得た。
堪えきれず上を見れば、そこには赤枠で切り取られたいくつもの鏡が並ぶ。
形は大小まばらなステンドグラス、絵はそれぞれ違う柄を象っているがどれも見覚えがある。
平穏な日々、大切に思える人、自分の居場所と、それを支える沢山の人々。
そこには、今ある様々な記憶が映されていた。
( ^ω^)「そうだお、僕は、これを守るために、ここに居る」
262
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:32:36 ID:QfJIXxGs0
川 ゚ -゚)「でも、それを壊すやつが居るよ」
言って、少女は天を指差した。
するとそこに小さな亀裂が生まれ、一息で広がっていく。
破片が割れ落ち、いくつもの赤い穴が開いた。
更に、穴から細長い脚のような物が出てきた。
機械仕掛けの蜘蛛だ。
それは穴から這い出てくると、鏡にいくつもの傷を生んだ。
その度に、内藤は胸を抉られるような痛みを得た。
通う校舎に穴が開き、知人の顔が傷だらけになっていく。
亀裂はいつしか至る所に生まれ、破片がパラパラと舞い落ちる。
そして降り注ぐ欠片の中、内藤は苦しそうに膝をつく。
( ω )「うぅぅ……」
もやもやとした感情が胸中渦をまき、ぐるぐると眩暈がする。
胸焼けのようなものは更に酷くなり、何かを吐き出したい衝動に駆られた。
263
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:34:14 ID:QfJIXxGs0
これらの感覚の正体は、抑圧された苛立ちの感情からくるものだ。
そして、あとからあとから沸きあがる全ては、その想いが与えている、
自信も力も、そういった錯覚の全てが一度蓋を開けば、詰まる所、我を忘れるほどの、
川 ゚ -゚)「あいつらだよ、あいつらが、全部壊したんだ」
( ω )「……あいつ、らが……」
(# ω )「ああ……そうか、そうなんだお……」
(#゚ω゚)「あの、蜘蛛が、何もかも……!!」
川 ゚ -゚)「うん」
怒りと。
264
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:35:38 ID:QfJIXxGs0
(#゚ω゚)「許さない……許すもんかお……!!」
川 ゚ー゚)「うん」
(#゚ω゚)「…思い知らせてやる、奴らがした事がどういう事か!」
川 ー )「うん、同じめにあわせてやろうよ」
憎しみと。
265
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:36:57 ID:QfJIXxGs0
(#゚ω゚)「そうだお、ぶっ壊してやる」
(#゚ω゚)「潰して、苦しめて、苦しめて、苦しめて、苦しめて! そして」
川 ゚ー゚)「あいつらがそうしたように」
「殺してやる」
殺意によるモノ。
――――――――――。
266
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:38:10 ID:QfJIXxGs0
市街地とクレーターの境目。
ギコが遠く先を眺めながら声を荒げた。
( ,,゚Д゚)『内藤、おいこら返事しろ!! 内藤!!』
『ザ―――――ザ、ザ――』
( ;゚Д゚)(なんも聞こえねえ…! どうなってんだ!ジャミングでもされてんのか!?)
( ,,゚Д゚)「くそ、しょうがねえな…!!」
「な、おい!?」
「ギコ、おま、どこ行く気だよ!!」
( ,,゚Д゚)「あ? 通信が駄目なんだから、直接行くしかねえだろ!!」
「バカヤロ死ぬ気か!! どうみたってあれ、まともじゃねえぞ!?」
「止めろ止めろ!!」
( ;゚Д゚)「てめ邪魔すんなゴルァ、この、離せ!!」
267
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:39:40 ID:QfJIXxGs0
そんな騒ぎが起こる一方、彼らの視線の先、広がる荒野に二つの大きな姿がある。
一つはブルーホールの上空、鳥を模した大型の機械が空にシルエットを映す。
月光と、自身が放つ青光に照らされた全身には、いくつもの可変式噴射口がある。
特に広げた翼部位には大型の物が仕込まれ、今も粒子状の輝きを放出していた。
だが、鳥は空に固定されたまま、動かない。
つい先ほどまで、凄まじい速度で旋回していたが、
地上にて、青い塊が赤く染まるのを見るなり、飛行を止めたのだ。
???『……あの輝き…嘘だ…』
???『これは、これではまるで………!!』
そしてもう一つは。
(#゚ω゚)『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』
全身から蠢きたつ赤い光を纏う、人型の大きなロボットの姿。
268
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:40:44 ID:QfJIXxGs0
だが片腕は人間の代物ではなく、幾度か見かけた少女の手にした銃剣。
だが全容は今も揺らめいたまま、赤いシルエットだけが夜闇に映える。
やがて遠方、市街地側から眺める人々は、空に輝く青に向かって、
うごめく赤い光が強く輝き、空をも色付けながら飛び上がった姿を見た。
速度はまるで流星のよう、瞬く間に距離が詰まる。
だが、鳥型ロボットはそれを視認するなり、大きな残光を放ちながら、
更に上空へと昇り、遅れて、残った青の粒子を巨大な銃剣が貫いた。
鳥はその場で縦旋回、上昇しながら、首の部位だけを背後へ向ける。
その先には、赤いロボットが火の玉のような輝きを纏わせ空を行く姿がある。
両肩から展開された大きなウイングと、脚部に多数あるスラスターにて姿勢制御を行い、
空中にて、あらためて鳥へと向きなおす姿はその巨体とも合わさり、異質な物に映る。
特に異様なのは、右椀部。
ロボットの全長にも迫る大きさの、巨大な杭打ち銃剣、のようなもの。
ギコとの合体がそうであったように、相方のクオリティを形とした物ゆえ、
それがクーの持つ武装である事はわかるが、見た目には大きな違いがある。
269
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:42:37 ID:QfJIXxGs0
何故なら、ロボットの姿は形として見えるにも関わらず、
腕の途中から銃剣にかけては、未だぼんやりとした赤い塊のまま、
纏わり付くような輝きを放ちながら、輪郭を留めない。
密かに、鳥はその存在に恐怖した。
アレにだけは、決して触れてはならないと。
(#゚ω゚)『おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!』
そして巨大は再び吼え、更に鳥を追撃する。
???『…わざわざこっちの領域へやってくるとは愚かな! 落ちろぉ!!!!』
対する鳥はちょうど下降の軌道へと差し掛かり、更には身を捻って正面へ。
次いで、両翼から粒子と共に大量の青い羽根をばらまいた。
270
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:43:42 ID:QfJIXxGs0
それも一度ではなく、飛行に伴い継続したもの。
鳥の通った後を花びらのように舞いながら、青色が埋めていく。
しばしの追いかけっこの間に、気付けば空は晴天と化していた。
内藤は依然として、狂ったように雄叫びを上げて突っ込む、
あの羽の事はすでに知っている筈だが、迷いは無く、止まる様子も見られない。
次いで、青空の中に飛び込んだロボットの姿が、閃光と爆煙の中に消えた。
――――――。
若干の間を置いて、地上を爆音が殴りつけた。
打ち上げ花火の音というにはあまりにも大音量。
ついには市街地にまで衝撃は届き、見上げた人々は空の光を見た。
「びびったー、何だよ今の、地震?」
「まさかまた何か落ちてきたんじゃないだろうね……」
「おいおい、冗談でもやめろよ……てか」
271
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:44:49 ID:QfJIXxGs0
「ザワザワッ」
「なんだあれ!!??」
遠く、夜空に広がる異色。
雷が光り続けたような光景に、誰もが恐怖を得た。
そして群衆は、主に逃げ出そうとする者、情報を集めようとする者に分かれ、
賑わいどよめき立っていく、だがその最中に妙な姿があった。
(;-@∀@)「ぜえっ、ぜえっ、ああーーもう! 先走るなって言ったですのに!!」
アタッシュケースを持った眼鏡の男だ。
彼は白衣のようなロングコートをなびかせながら、街中を全力で駆ける。
体力のなさそうな見た目に違わず、やがてよろよろと街灯に寄りかかり、
肩で息をしながら、遠い空にみえる輝きへと目をやれば。
赤い流星が、空を裂く。
(;-@∀@)「……これは、ちょっと不味いですぞ……」
(;-@∀@)「く、せっかくここまで秘密裏にやってきたといいますのに……!」
言って、男は息を整え、再び駆け出した。
向かう先は、やはり青色の空の下。
戦場へと、向かっていた。
272
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:46:00 ID:QfJIXxGs0
―――――――――。
???『……ぐ、なんでだ、何故落ちない!!?』
(#゚ω゚)『ぐぅぅ……おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!』
上空にて、鳥は困惑していた。
当然、あの爆発で仕留められるとは思っていなかった、
しかしダメージは与えられる、あわよくば地上に叩き落せる。
そう考えていたからだ。
けれどロボットは爆発を物ともせず、赤い暴風となって青を吹き飛ばし、
見えない障壁を携えながら、傷一つないまま突っ込んでくる。
鳥は近寄らせまいと、更に羽の噴射を強め、
全速で後退しつつ、扇状に沿って青空を広げていく。
そんな青空を赤い光が貫いては、侵食するように夜闇へと返す。
けれどそこに均衡は無く、徐々にであるが互いの距離が離れていく。
273
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:47:01 ID:QfJIXxGs0
と、ロボットは先を行く鳥に向かって左手を伸ばした。
差し出した腕の奥では、瞳が赤く輝く。
(#゚ω゚)『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』
???『は、ははは…!! アホゥめ、空でオレに追いつけるわけがないだろう!!!』
鳥から見たその様は、届かぬことを悔しがる仕草に見えた。
が。
次いでロボットは飛翔したまま右肩を下げ、銃剣を溜めるように構えた。
左腕は、捕まえようと伸ばしていたのではなく、あくまで動作の延長。
振りかぶった銃剣からは、溢れだした赤い奔流が爆発めいた勢いで尾を引く。
(#゚ω゚)『ぅううううううううううううううううううううううううううう』
???『な、なんだ…何をしている!?』
(#゚ω゚)『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』
そして、ロボットが赤い銃剣にてまっすぐに空を打つ。
続けて、先端に閃光が生まれ、大気に強烈な振動が発生。
ロボットと鳥の間に広がる青い空間を、見えない何かが切り裂くように貫いていく。
鳥は、放出する羽たちが左右に断たれる光景を見た。
274
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:48:35 ID:QfJIXxGs0
瞬間、鳥型巨大イーバの胴体を、不可視の衝撃が殴りつけた。
???『が……っ!!』
鳥はその反動で姿勢を崩し、ぐらりと傾き身を捩りながら進路を変えた。
装甲板には、何か尖ったものがぶつかったようなクレーター状のへこみが生まれ、
青い火花といくつかの煙を噴出させながら、降下していく。
対するロボットは銃剣を払うように振り、ウイングから光を放ち、
落ちる姿を追撃せんとその身を飛ばした。
未だ残るいくつもの羽が行く手を阻むが、やはり進行は止まらない。
下降する鳥はその姿を見つけると、両翼を羽ばたくように一度、大きく広げ、
再び大きな青光を纏わせ、縦回転の旋回と共にかたむいた身体を立て直す。
???『こ、の野郎ォ…!! 舐めるなああああああ!!!』
続けざまに、後を追う姿に向かって飛翔する羽を放つが、
やはり赤色の障壁に阻まれ、ロボットの装甲に触れることすら適わない。
275
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:50:07 ID:QfJIXxGs0
???(……っ、相殺、いや、変質させられている……!?)
???(なんて馬鹿げたフォトンコンバートだ、まずアレを何とかしないと…!!)
鳥は更に旋回行動を続ける、縦に、横に、小さな円を描きながら、
そんな姿を、ばら撒かれた羽が追いかけ空にいくつもの道を描く。
と、更に回転が小さくなると、後を追っていた羽が一部に収束を始め、
すぐに大きな青色の塊となって宙に浮かび上がった。
(#゚ω゚)『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』
???『クソ、クソ、うるさいんだよさっきから!!!』
ノ???『空はオレの世界だ、お前なんかが居て良い場所じゃねえんだよお!!!!!』
ロボットは赤い尾を引きながら、銃剣を振りかぶって鳥に迫る、
対するは、鳥が旋回と共につくりだした青い球体、計四つ。
???『こいつで黙らせてやる!! 撃ち落せフォトンバレットォ!!!』
そして、真っ向から飛び込んでくるロボットに向かって、
鳥の羽ばたく仕草と共に、四つの球体が稲妻を纏って飛翔した。
276
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:52:25 ID:QfJIXxGs0
次いで。
(#゚ω゚)「!!!!」
球体の一つは、銃剣の先端に触れたその瞬間、凄まじい勢いで収束し、
バン、という音を空に響かせ弾き割れ、最後に炎と黒い煙を混ぜ合わせた爆炎となった。
ロボットは、自らの右腕の先、赤い銃剣が砕かれ炎に消えていく姿を見た。
続けざまに三連、先と同じ衝撃が全身を叩く。
音と光が空を幾度か染め上げ、その度にロボットの姿が損なわれていく。
???『は、ははは!! 落ちろ落ちろぉぉおおお!!!』
そして炎と煙の中、ついに内藤であるロボットは動きを止め、空中にて停止した。
炎の灯りによって照らされる姿は、全身から火花を散らし、見るも無残な姿となっている。
突き出した右腕部は根元から吹き飛び、肩の装甲も半分が融解。
胴体は大きくひしゃげ、胸部装甲が破損し傷ついた結晶があらわとなり。
脚部に至っては二つとも、第一連結部から先が存在していない。
277
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:54:06 ID:QfJIXxGs0
唯一残った左腕部はだらりと下げられ、背面ウイングからは赤い光子がまばらに落ちていく。
けれど。
???『いいザマじゃないか勇者さまよぉ! なあ、今どんな気持ちだい? 教えてくれよ!』
( ω )『…………』
???『ダンマリとか、嫌だね、少しは喚いてもよさそうなもんだが……それどこじゃないかな?』
唯一変わらない箇所があった。
???『……? いや、待て、何だ? 何でお前、まだそこに居るんだ…?』
???『気を失って…? いや、それなら余計に……』
それは、今も変わらず、全身にて揺らめく赤い光。
278
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:55:48 ID:QfJIXxGs0
???『な…!?』
(#゚ω゚)『う、』
内藤、ロボットの両目が一瞬、赤でも青でも無い色に輝いた。
そして、全身を包んでいた光子が色濃くなり、収束すると共に、
何かを象るようにして、全身の、それぞれの破損箇所へと集っていく。
次いで、内藤の雄叫びと共に赤い塊がはがれ落ち、
再びロボットが元の姿を取り戻し、銃剣を大きく振り上げた。
(#゚ω゚)『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』
ロボットが背にした空には月が浮かぶが、放つオーラに被さって、赤く染まる。
影になった正面からは、二つの目だけが禍々しく輝き、輪郭の無い全身がさらに歪む。
化物か、と鳥が言った。
そして、ロボットが行った。
279
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:57:28 ID:QfJIXxGs0
背面ウイングから大量の光子をばらまき、空を更に赤く染めながら、
憎き相手を殲滅するため、あくまでも真っ直ぐに。
鳥はその姿に戦慄を覚え、躊躇した。
迎撃するか、逃げるか。
その迷いが命取りだった。
???『っっっ!!!!!』
既に目前。ロボットが銃剣を突きこんでくる。
回避。しかし間に合わず翼部位に激突。
だが、正確には激突という表現にさえ至ることなく、
先端が触れた瞬間、その部位に大穴を穿って片翼を潰した。
280
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:58:58 ID:QfJIXxGs0
鳥が地上に降下する。
ロボットはそれを追った。
地上すれすれで、鳥はもう片翼のブースターを全開に、急激な方向転換にて回避。
真横へと旋回飛行、だが途中、その姿に変化が起きた。
鳥の全身が、青い輝きに覆われ、収縮を始めたのだ。
そしてロボットが、銃剣にて大地を穿った。
???「……!!」
低空を飛翔しながら、鳥、、、彼女は見た。
???「な…なんだよ、これ…!」
281
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 02:59:48 ID:QfJIXxGs0
そこには、地上数十メートルに渡るほどの、巨大なクレーターが生まれていた。
中心にあるのは、やはりあのロボットだ。
だが、あのおぞましい赤い光は失っており、本来あるべき姿へと戻っていた。
そして地面に銃剣を突き立てたまま、寄りかかるように動きを止めている。
???「………………」
今ならば、という思いもあったが、
それよりも今は、単純な恐怖が勝ったのだろう。
彼女はだらりと下げた右腕から、大量の血を流しながら、
やがてその腕を抱え、よろよろとその場を後にした。
だがその道すがら、彼女の口から漏れていたのは怯えの類のものではなく、
ただただ、復讐することを決意する、恨みつらみの言葉たちだった。
―――――――。
282
:
◆6Ugj38o7Xg
:2012/12/08(土) 03:02:08 ID:QfJIXxGs0
五話のプロローグ的なノリでとりあえずここまで。
以下本編、また近いうちに。
・・・そういえば挿絵忘れた。
283
:
名も無きAAのようです
:2012/12/08(土) 08:32:00 ID:r6CV67ncO
クーが
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