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【場】『 大通り ―星見街道― 』
1
:
『星見町案内板』
:2016/01/25(月) 00:00:31
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。
---------------------------------------------------------------------------
ミ三ミz、
┌──┐ ミ三ミz、 【鵺鳴川】
│ │ ┌─┐ ミ三ミz、 ││
│ │ ┌──┘┌┘ ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
└┐┌┘┌─┘ ┌┘ 《 ││
┌───┘└┐│ ┌┘ 》 ☆ ││
└──┐ └┘ ┌─┘┌┐ 十 《 ││
│ ┌┘┌─┘│ 》 ┌┘│
┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘ 【H城】 .///《//// │┌┘
└─┐ │┌┘│ △ 【商店街】 |│
━━━━┓└┐ └┘┌┘ ////《///.┏━━┿┿━━┓
┗┓└┐┌──┘ ┏━━━━━━━【星見駅】┛ ││ ┗
┗━┿┿━━━━━┛ .: : : :.》.: : :. ┌┘│
[_ _] 【歓楽街】 │┌┘
───────┘└─────┐ .: : : :.》.: :.: ││
└───┐◇ .《. ││
【遠州灘】 └───┐ .》 ││ ┌
└────┐││┌──┘
└┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
---------------------------------------------------------------------------
942
:
比留間彦夫『オルタネイティヴ4』
:2020/02/28(金) 02:09:27
>>941
「どうも恐縮です。
趣味でやっているだけですので、
そうバリエーションがある訳ではありませんが」
『手品』にはタネがある。
しかし、『これ』にタネは無い。
何故なら、手品というのは『嘘』だからだ。
実際は『神秘的な能力』の産物。
だから説明のしようがない。
「『どこに行ったか』ですか?
そうですね。『ここ』か、それとも『こちら』か……」
「いえ――恐らくは『この辺り』ではないでしょうか?」
スッ
何かを探しているかのように、
ジャケットのポケットを上から軽く叩く。
そして、おもむろに片手を首の後ろに回した。
手を引き戻すと、そこには再び『カード』が現れていた。
「いや、見つかって安心しました。
もし消えたままになっていたら困る所でしたよ」
シャッ
『カード』を扇状に広げて見せる。
四隅に四つの『スート』が配され、
中央に『道化師』の顔が描かれたデザインだ。
その裏面は、『トランプ』に酷似していた。
「今は、この辺りが限界といった所でしょうか。
お付き合い頂き、感謝致しますよ」
そう言って『カード』を懐に収め、同時に『解除』してしまう。
あまり突っ込まれると、誤魔化し切れなくなるからだ。
だから、更に追求される前に切り上げる事にしておいた。
943
:
日下部『アット・セブンティーン』
:2020/02/28(金) 02:50:47
>>942
「わ〜ッ、すごいねえ、すごいよお〜」
感心した表情で再び手を打つ。
「どうやってそんなところに入れてたんだろう」
「さっきのとは別のカードだったりとか〜?」
「んふ、『タネ』があるってわかってても凄ぉ〜い」
「むしろ、わかってるからすごいって思うのかな〜?」
などと褒めたおしていたが、やがてカードの絵柄に視線を移す。
それが懐に収められると、顔を上げた。
「『ジョーカー』がメインみたいな絵柄だったよねえ〜。今のカード」
「なんだか珍しいなって」「トランプ自体が『マジック用』だったりとか?」
「んふふ、まあいいやなんでも〜」
引っ掛かりはしても不思議ではない。
そして、別に不思議でもかまわない。
目に見えるものを信じるだけだ。目に見えないものを暴きたい気持ちはない。
目に見えないものは、嫌いとかイヤとかじゃあなく、どうでもいいのだ。
「だって楽しかったもんね、私が〜。んふふ……」
「相手してくれてありがとね、手品が得意なお兄さ〜ん」
そして自分の席に戻る。自分の感情は、はっきりそこにある・・・コーヒーを飲んだ。
彼女の方から、これ以上深く何かを追及したり、話しこんだりする様子は無さそうだった。
944
:
比留間彦夫『オルタネイティヴ4』
:2020/02/28(金) 03:22:09
>>943
「こちらこそ『楽しい時間』を有り難うございました。さて――」
ガタッ
「仕事が残っていますので、一足お先に失礼します。
この店のコーヒーは、値段の割には中々質が良いですからね。
私も時々、立ち寄っているんですよ」
「もしお会いする事があれば、また何かお話が出来ればと。
ご都合が宜しければ、ですが」
「――――では、これで」
椅子から立ち上がると、会釈して会計に向かう。
心の中には、小さな満足感があった。
『嘘をつく事』が、自分にとって何よりの楽しみだからだ。
(もっとも『同じかどうか』までは分かりませんが――)
ザッ
(――今日の所は良いでしょう)
『力を持つ者の反応を見る』というのが当初の意図だった。
それは果たせなかったが、別に構わない。
いずれにしても、『価値ある時間』であった事は確かなのだ。
945
:
日下部『アット・セブンティーン』
:2020/02/28(金) 03:52:35
>>944
「わかるよお。私もたまに来るからね、ここには」
「待ち合わせとかにもちょうどいいし〜」
騙されている。
それが事実――――だが『分からない』。
実感がないし、気付くことも今は無い。
実害がないし、引きずる理由も無い。
だから、日下部虹子には問題にならないのだった。
「んん、また会ったらね」
「次は私も何か、面白いハナシ考えとこうかな」
ヒラ…
小さく手を振った。
「じゃあね、ばいば〜い」
会わなければそれはそれでいい・・・会いたくなれば探せばいい。
946
:
三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
:2020/03/09(月) 21:32:24
トッ
トッ
トッ
トッ
トッ
その日、千草は『歩道橋』を上っていました。
両手には、大きめの手提げ鞄を持っています。
中には、図書館から借りてきた本が詰まっていました。
将来のために、今から色々と勉強しておきたいのです。
でも今回は、『それ』が悪かったようです。
ガ ッ
「あッ――――」
ド シ ャ ァ ッ
気付いた時には、最上段の段差に躓いて転んでいました。
両手が塞がっていたので、そのまま倒れてしまいました。
そのまま階段を転がり落ちていかなくて幸いでした。
「ッ…………!」
少し体を打ったようですが、『死ぬ程』ではないです。
でも、一歩間違えたら死んだかもしれません。
『九死に一生を得る』というやつでしょうか。
とにかく立ち上がりましょう。
いつまでも倒れていると、他の人の迷惑になってしまいます。
「――――痛い…………」
ただ、もう少しだけ時間が掛かるかもしれません。
思ったよりも『痛かった』からです。
あと、ほんの少々待って頂けますでしょうか。
947
:
ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』
:2020/03/15(日) 19:25:33
>>946
「……………(ムカッ)」
だれも助けへんのかい。
なんかあるでしょ、声かけるとかさ。
「……はぁぁぁ〜〜〜っ……」
「この町は糞糞の糞ねッ 地獄に落ちるわよッ!」
どうも。末石まゆです。
職業:占い師(偽)です。
ラフィーノうんとかとかいう芸名もありますが
今はオフなので、ただの末石まゆです。
「オチビさん 立てます?」
「おぶってさしあげましょうか?」
「痛いでしょう…大丈夫、大丈夫ですから」
チビっこの前にしゃがんで目を合わせ。
周りに落ちてるものとかあったら拾ったりとかしちゃう。
948
:
三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
:2020/03/15(日) 21:01:05
>>947
「はっ――――いえ、あの」
「大丈夫……ですから……」
…………ザッ
声を掛けられて、何とか起き上がりました。
この方は、見ず知らずの千草を気遣ってくれています。
なかなか出来る事ではないでしょう。
とても『立派』です。
こういう良い部分は、どんどん見習っていきたいです。
「お気遣いありがとうございます」
ペコリ
きちんと姿勢を正して、お礼を言いましょう。
両手に持っていた鞄は落としてしまっていました。
中に入っていた本が散らかっています。
これでは通行の迷惑になります。
早く片付けないといけませんが、
お礼を疎かにしていては『立派な人』にはなれません。
949
:
ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』
:2020/03/15(日) 22:08:49
>>948
「ほんとうに大丈夫です?膝とかすりむいていない?」
「絆創膏あるから 貸してあげますよ 貸すだけですけれど」
そんな感じに声を掛けながら、チビっこが落とした物を拾う。
「…いろいろ読んでンのね」
「立派ね」
本か。
私の事務所にもいっぱいあるわね。
風水とか星とか心理学とかFXとか漫画とか。
こんなにたくさん、この子は何を読んでるのかしら。
お勉強の本とかかしらね。
950
:
三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
:2020/03/15(日) 22:33:18
>>949
散らばった本には、色々なジャンルのものがありました。
特に多いのは、『社会勉強』に関係した本です。
『社会の仕組み』や『職業の解説』や『資格の取り方』などですね。
「あっ、ありがとうございます」
拾っていただきながら、自分でも本を集めます。
二人だったので、すぐに片付きました。
お陰様で、とても助かりました。
「いえ、とんでもないです。
知らない相手を気遣える方こそ立派だと思いますから」
「――――『膝』、ですか?」
見下ろして気が付きました。
言われた通り、擦り剥いていたようです。
少しだけですが、そこから『血』が出ていました。
グラリ…………
『それ』を見た瞬間、体が大きく傾きました。
血を見たせいで、意識が『飛んでしまった』ようです。
気絶したまま、ゆっくりと後ろに倒れていきます。
951
:
ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』
:2020/03/15(日) 23:13:18
>>950
年相応ではないものを読んでいてびっくりした。
このコ、まだ小学生くらいでしょ。
「立派… そんなことないと思うけど 実際、気まぐれよ。」
>グラリ…………
「エッ うわっマジ? 『ミスティカル・ガイド』!」
両手に本を抱えている状態なので、
仕方なく『人型スタンド』で素早く受け止め、ゆっくり倒してやる。
こういう時も周りの連中は遠巻きに眺めてるだけなのよね
くそッ 腹立つ。
「オーーーイ 聞こえる?大丈夫ですよ」
「『怪我』が怖かったのですか? 」
「…とりあえず絆創膏貸しますよ 貸しですからね」
自分の鞄から水玉模様の絆創膏を取り出し、チビッ子の膝に張っておく。
「大丈夫 もう怖い事はありませんから」
「……生きてる?救急車呼びますよ?」
952
:
三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
:2020/03/15(日) 23:37:31
>>951
遠くの方から、誰かが呼んでいる声が聞こえました。
どなたでしょうか。
そんな事を考えていると、
少しずつ目の前が明るくなってきたようです。
「――――う…………」
まだ頭がぼんやりしています。
でも、生きているようですね。
一安心です。
「大丈夫……です。ちゃんと生きてます……」
「だから……救急車は結構ですので……」
最初に見えたのは、先程の親切な方でした。
そして、『絆創膏』が目に留まりました。
血が見えなくなったので、もう意識が飛ぶ事もないと思います。
「……絆創膏、『お借りします』。ありがとうございます」
「この御恩は、いつか必ずお返ししますね」
ペコリ
「あっ――」
お辞儀をして、また頭を上げた時に気が付きました。
その人の近くに、見慣れない姿の『スタンド』がいる事に。
だから、そちらに視線が向く事は避けられませんでした。
953
:
ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』
:2020/03/16(月) 00:04:16
>>952
「生きていてよかった。安心ですね。」
> 「あっ――」
「んっ」
職業柄、人の視線とかよく見ちゃうから。
…その視線移動。わかっちゃったわ。
正体が子供にバレた。これはよくない
「……『御恩』……そうね、恩ですね」
「絆創膏……あげるから」
チビっ子の肩をつかんでグイっと迫る
「『内緒』にしていただけませんか……」
顔面を近づけ小さな声で喋る。
「『スタンド使い』ってのは知恵が回る
…ズル賢い。裏をかく。油断ならない。
さらにオカルトに耐性がある。
そういうわけで、わたしの商売にはちょっぴり厄介なのです」
「しかし、自身の心情、ルールに逆らうことはしない」
「そういう傾向がある。『奇妙』な人々です。」
「あなたもそうなのでしょう」
「でも……立派な人間なら『恩返し』、できますよね?」
「あなたはしっかりした子だから」
「『内緒』に。ね?できますよ、あなたなら」
954
:
三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
:2020/03/16(月) 00:25:32
>>953
「ひッ――――」
後ずさる暇もなく、瞬く間に肩を捕まれました。
その素早い動きに、圧倒されるような『迫力』を感じます。
喉の奥から悲鳴に近い声が漏れてしまったのは、
そのせいかもしれません。
「は、はい。誰にも言いません。『絶対』に」
「『内緒』にします。約束します」
スタンド使いは知恵が回るというのは本当でしょうか。
千草は自分の事を賢いとは思いません。
でも、きっとこの方は賢い人なのでしょう。
態度や言葉の節々から、
『強さ』が滲み出ているような気がします。
そういう部分は、是非とも見習いたい所です。
「千草は『立派な人間』ではないですけど、
『そうなりたい』と思っています」
「だから――『約束』は守ります。
『恩返し』しますから……」
コクッ
小さく頷いて、ハッキリと宣言します。
恐いからではなく、
そうする事が『立派な人』になるために必要だからです。
『立派な人間』なら、恩返しをしなければいけません。
955
:
ラフィーノ石繭『ミスティカル・ガイド』
:2020/03/16(月) 00:54:55
>>954
『あの占い師さん!知ってる人です!スタンド使いです!』
などと他のスタンド使いに言いふらされれば『神秘』の『格が落ちる』。
そういうわけでちょっと圧を掛けてみたのだ。
「………『約束』ですからね」
最後に、眼が水晶となった、岩のような体を持つスタンドで睨みを利かせ、
チビッ子から離れてあげる。
「…ふふ、……怖がらせ過ぎてしまいました ごめんなさい」
「別に『地獄に落ちろ』とか『死ね』とかではなくて…
ただ、『オカルト』というのは厄介なものだな、という、」
「それだけの話です。とって食べたりなんてしませんから 安心して」
「もう怖い事はありません 絆創膏もあります」
ちょっと怖がり過ぎじゃないこのチビっこ。
この臆病さで『スタンド使い』か。逆に怖いやつね。
かわいい子だけど要注意。
とはいえ可哀そうなものは可哀そうなのでちょっとフォローはしておいた。
956
:
三枝千草『イッツ・ナウ・オア・ネヴァー』
:2020/03/16(月) 01:17:50
>>955
『水晶の眼』を見ていると、
何だか考えを見抜かれているような気がしてきます。
もしかすると、本当にそうなのかもしれません。
『人の心を読み取る能力』――
『スタンド』には、そんな力もあるのでしょうか。
「は、はい。よく分かりました」
「――『約束』です」
千草は誰からも尊敬されるような『立派な人間』になりたいです。
立派な人間になって、『素晴らしい最期』を迎えたいのです。
そのためにも、この秘密は『墓穴』まで持っていく覚悟です。
「あの……『勉強』があるので、これで失礼します」
「色々と親切にして頂いて、ありがとうございました」
ペコッ
最後に、もう一度だけ頭を下げて、歩き出します。
いつか、あんな風に『賢くて強いスタンド使い』になれるでしょうか。
それは分かりませんが、
この『出会い』も、きっと『肥やし』になってくれると信じます。
957
:
ディーン『ワン・フォー・ホープ』
:2020/03/20(金) 18:29:43
>>853
時々、こう考える事がある。
俺が『人間』だったなら、
ずっとヨシエの傍にいてやれたのかもしれないと。
だが、俺が犬じゃなければ、ヨシエと出会う事はなかっただろう。
(――『発想』を変えてみるか)
もしヨシエが『犬』だったらどうだ?
そうしたら、俺はヨシエを支え続ける事が出来たかもしれない。
そこまで考えて、俺は軽く頭を振った。
(いや……我ながら馬鹿な思い付きだったな)
こうして自分だけで歩いていると、
どうでもいいような事が思い浮かんでしまう。
もっとマシな時間の使い方がある筈だ。
そう思って、俺は周りを見回した。
クゥーン
ここは『公園』だ。
コンビニが近いせいか、『人間』は程々にいる。
『犬』は俺だけだ。
今頃ヨシエは、『人間の友達』と遊んでいる。
ヨシエは『人間』であって『犬』じゃあない。
だから、『犬』ばかりではなく、
『人間』との付き合いも大事にするべきだ。
958
:
ディーン『ワン・フォー・ホープ』
:2020/03/28(土) 19:11:28
>>957
トッ トッ トッ
しばらくして、俺は歩き出した。
こういう時には、場所を変えてみるのも『一つの手』だろう。
俺にあるのは『前足』であって、『手』じゃあないが。
トッ トッ トッ
959
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/28(土) 21:34:48
バァァァァァ――――ッ
軽快な走りで颯爽と通りを駆け抜けるスクーター。
その上に乗っているのが私。
風を切って進む感覚が心地良い。
プスンッ
「――――あら?」
徐々にスピードが鈍り、ついには路肩で停車した。
また『ご機嫌』を損ねてしまったのだろうか。
そう思い、シートから降りて各部を点検する。
「しょうがない子ね」
カチャッ
これくらいのトラブルなら、少し構ってあげれば直るだろう。
シート下のスペースには車載工具が入っている。
その中から六角レンチを取り出して、車体を弄り始めた。
960
:
<削除>
:<削除>
<削除>
961
:
名無しは星を見ていたい
:2020/03/31(火) 00:46:05
>>959
『コツコツコツ』
そこへ、小さな靴音が近づいて来た。年齢は中学生くらいだろうか。髪は背中まで届くセミロングだ。
華奢な身体に、所々和装の趣が入った黒いドレスを身に纏い、足元には厳つめのブーツを履いている。
「ねえ、ねえ」「これは何をしているの?」
訊ねながら、美作の隣で座り込んだ。興味深そうに、二輪と六角レンチを眺めている。
962
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/31(火) 01:16:12
>>961
「――――ん?」
『足音』が聞こえてくる。
てっきり、そのまま通り過ぎるのだろうと思っていた。
しかし、どうやら違ったらしい。
「これはね、ちょっとした『トラブル』っていうか――」
カチャ
「まあ、そんな大変なものでもないんだけど――」
カチャ
「たまに調子が悪くなっちゃうのよね。今みたいな感じで――」
カチャ
「――でも、慣れてるから大丈夫よ」
作業を続けながら、隣に言葉を返す。
一段落してから、相手の方に視線を向けた。
そして、その服装を軽く観察する。
「なかなか個性的なファッションね。
『和洋折衷』って言うのかしら?」
こちらの格好は、ラフなアメカジスタイルだ。
化粧っ気のある二十台半ば程の女。
対照的という程でもないが、イメージはだいぶ異なる。
963
:
名無しは星を見ていたい
:2020/03/31(火) 01:46:22
>>962
「『トラブル』」「ああ、この『二輪車』、動かなくなっちゃったのね」
美作の言葉を反芻しながら、うんうんと頷く。
慣れている、と言った彼女の言に偽りなく、会話をしながらでもその動きに淀みはない。
「お姉さんは、普段からこういったお仕事をされているの?」
「それとも、この子がちょっと『問題児』なのかしら?」
首を傾げながら、スクーターを指差した。
そして美作の視線に気付き、肯定する。やや広がったデザインの袖口に手を隠し、自分でもそのドレスを眺める。
「『和ゴス』って言われているらしいわ。あたし、よく知らないのだけれど」
「それでも、似合っていると言ってくれたから。ねえ、お姉さんからは、どう?」
白い肌に対照的な、黒いドレス───和ゴスの子は立ち上がり、くるりと回った。
裾の長いスカートがふんわりと舞い、一回転すると、笑顔で美作に問いかける。
964
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/31(火) 02:19:30
>>963
「あはは、『仕事』って訳じゃあないかな。
これは何というか――趣味みたいなものかしら?」
「本当にどうしようもない時は、
修理屋さんに出さなくちゃいけないんだけどね。
ちょっとした故障くらいで持っていくのも考え物だから。
それで『応急処置』の仕方を覚えたの」
「まあでも、『問題児』なのは確かね。
でも、それなりに長く乗っていて愛着があるから」
ポンッ
「それに、『手が掛かる子ほど可愛い』とも言うし――ね。
私が『親バカ』なだけかもしれないんだけど」
鮮やかなイエローの車体を軽く叩き、明るく笑う。
その目に映るのは、白と黒のコントラスト。
あまり見かけない珍しいファッションなだけに、
自然と興味を引かれた。
「そうね……うん、『綺麗』だと思うわ。
『可愛い』って言うべきかもしれないけど、
どちらかというと『綺麗』の方がしっくり来る感じ。
ブーツがアクセントとして効いてるわね」
「――なぁんて、何だか偉そうな事を言っちゃった。ごめんね。
でも、感想の方は本当だから」
そう言いながら、少しだけ昔の事を思い出した。
『ステージ衣装』を着ていた頃の事を。
ただ、『和ゴス』ではなかったが。
965
:
名無しは星を見ていたい
:2020/03/31(火) 02:33:58
>>964
>「それに、『手が掛かる子ほど可愛い』とも言うし――ね。
> 私が『親バカ』なだけかもしれないんだけど」
「──────────」
それは、数秒にも満たないほんの僅かな間。
笑顔を浮かべる少女が、まるで一時停止ボタンを押されたかのようにフリーズした。
が、すぐに動き出し、袖で口元を抑える仕草をする。
「うふふ。お姉さんって、モノをとても大切にする人なのね」「いい人ね」
「あたし、そういう人は、好きよ」「要らないからって、すぐに手放したりしない人って」
美作の衣服に対する感想に、少女はとても嬉しそうだ。ドレスの裾をつまむと、軽く広げて頭を下げた。
「ありがとう」
「あたしはお姉さんを信じるけれど。これが仮にお世辞だとしても、嬉しいわ。あたしもこのドレス、とても気に入っているの」
「お姉さんも、そのスポーティなファッション、とても似合っているわ。活動的な大人の女性って感じで、カッコいいもの」
手を後ろに回して、上体を曲げながら美作の衣服を眺める。
「お姉さん、今日は『オフ』なの?それとも、お仕事の時もそういう格好なの?」
966
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/31(火) 03:00:55
>>965
(『何か』――――あるみたいね)
唐突に固まる少女を見て、内心は驚いていた。
しかし、それを表には出さない。
かつて『アイドル』だった時代に、
自分自身の『舵取り』をする訓練を積んで来ているからだ。
「ありがとう、お嬢さん。そう言ってもらえると、とっても嬉しいわ。
自分でも気に入ってるの」
フフッ
少女の言葉に笑顔を見せる。
褒められるのは嬉しいものだ。
それは『立場』が変化しても変わらない。
「そうね、こういう服装でいる事が多いかしら。
やっぱり動きやすいのが大きいから」
「しっとりした雰囲気なのも、
たまには良いかなとは思うんだけど……」
「だけど、あなたみたいなファッションは、
さすがに似合う年は過ぎちゃってるわね」
クスッ
ドレスを見つめる視線の奥に、
一瞬だけ『憧憬』のような色が現れた。
過去の栄光を懐かしむ気持ちが、心の中を過ぎった。
それを隠すために、悪戯っぽく微笑んだ。
「今日はお休み――だから『オフ』の日よ。
ちょっと軽く街を走ってみようかと思ってね」
「――あなたは?」
967
:
名無しは星を見ていたい
:2020/03/31(火) 03:15:22
>>966
「あら、あたしの見立てなら、お姉さんは今でもお似合いになると思うわ」
「元がいい人はね、化粧とファッションでどんな風にでも変身できると思うの。あたしがそうだもの」
「いつでも気が向いた時は相談してね。お姉さんに似合うお洋服、探してあげるわ」
過去を思い出し懐かしむ美作に対して、それを知ってか知らずか
少女はつかつかと歩み寄り、首を傾げてみせた。どうやら割と頭が動くクセがあるらしい。
「そうなの。うふふ、きっとその子もお姉さんとお出かけできて、喜んでいるわね」
「張り切り過ぎて、ちょっと失敗しちゃったみたいだけれど」
「あたし?あたしはね、『お仕事』の前に散歩をしているの。宣伝も兼ねているのだけれど」
968
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/31(火) 03:29:54
>>967
「あはは、ありがとう。もし必要な時はお願いするわね。
お嬢さんなら、安心して任せられそうだから」
この少女はセンスが良い。
だから、もし本当に相談する事になっても信頼出来そうだ。
もっとも、その機会はすぐには巡って来ないとは思うけど。
「喜んでる――そうね、きっとそうだと思うわ。
元気が良すぎるのも問題なのかもね」
フフ
スクーターを人のように表現する言い回しに、思わず表情が緩む。
実際、自分もそういう風に愛車を扱う事がある。
だから、彼女の言い方に共感を覚えたのだろう。
「『宣伝』?どういうお仕事をしているのか聞いてもいいかしら?」
彼女の言葉が気になった。
見た所は中学生くらいだが、
その年でする仕事というのは何だろう。
とはいえ自分も少女と同じくらいの年頃から『仕事』はしていたが。
969
:
名無しは星を見ていたい
:2020/03/31(火) 03:47:30
>>968
「ええ、もちろんよ。あたしね、『名刺』を持っているのよ。『名刺』」
「なんだか大人みたいじゃない?カッコいいわよね、ふふ」
美作の問いに二つ返事で頷いた少女は、袖の中から一枚の名刺を取り出した。
彼女の洋服にもよく似た和柄の背景、そして大きな文字で『Bar 黒猫堂』、その下に『林檎』と記されている。
その名刺を両手で持ち直すと、賞状でも手渡すかのように、そっと美作に差し出した。
「あたしね、『林檎』って言うの。もちろん本名じゃないけど。これを言うってことは、本名は言えないってことなの」
「でも、お姉さんみたいな人はあまり来ないわね。やっぱり男の人がほとんどよ。あたしはそういう人とお喋りするの」
「だから、お姉さんの知り合いの人で、そういう所に行きたい人がいれば渡してあげて。お姉さんの紹介なら、少しサービスしてあげる」
唇に指を当て、じっと目の前の美作の顔を見上げた。
「お姉さんのお名前は?」
「ああ、もちろん本名でなくてもいいのよ。あたしが違うもの。フェアじゃあないものね」
970
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/31(火) 04:11:33
>>969
「――――『名刺』?これは、ご丁寧に」
表情の上では平静を保ちながら、両手で名刺を受け取る。
しかし、心中では少しばかりの戸惑いもあった。
予想もしていなかった答えだったからだ。
(……もしかすると、見た目よりも大人なのかしら。
世の中には童顔の子もいるし……。だけど……)
(いえ……きっと考え過ぎね)
まさか中学生がバーで働いているとは思わない。
労働基準法とか風営法というものがある。
だから、そういう場で働ける年齢なのだろうと解釈した。
「ありがとう。じゃあ、せっかくだから『名刺交換』しましょうか」
ジーンズのポケットから名刺入れを取り出す。
その中から一枚を抜き出し、少女に差し出した。
『<Electric Canary Garden> パーソナリティー・美作くるみ』――
名刺には、そのように記載されている。
他に、ラジオの放送局名や番組放送時間、
問い合わせ先などが書いてあった。
『電気コードが付いた小鳥』のイラストが、隅の方に添えてある。
「私は、こういう者よ。
詳しくはそこに書いてあるけど、『ラジオ』をやってるの。
『パーソナリティー』っていうやつね」
「お暇な時にでも聴いてくれると嬉しいわ。
リスナーとお喋りするコーナーもあるから、
もし良かったら気軽に電話してきてね」
971
:
名無しは星を見ていたい
:2020/03/31(火) 04:30:17
>>970
「─────『名刺交換』!」
「とっても素敵ね、それって。うふふ、大切にさせて頂くわ、お姉さんの名刺」
手を胸の前で合わせ、林檎はきらきらと目を輝かせた。
両手で名刺を受け取ると、まじまじと興味深そうに眺める。意味もなく、日に透かしてみたりしている。
「可愛らしいデザインね。特にこの小鳥さんが可愛いわ。くるみさんというお名前なのね」
「…ラジオ?」「確か、おばあちゃんが持っていたかしら」
「ねえ、これはスマートフォンとかでも聴いたりできるの?」
まだ幼い少女にはあまり馴染みのないもののようだ。しかし興味はあるらしい。
「トーク番組の司会を務めてる、みたいなものよね?すごいわ、くるみさん」
「ぜひお邪魔させて頂くわ。でも、それってあたしたちのお話が他の人にも聞こえてしまうのよね?」
「なんだか少し緊張してしまうかも」
972
:
美作くるみ『プラン9・チャンネル7』
:2020/03/31(火) 04:54:31
>>971
「実は、この小鳥は私が描いたのよ。
番組のイメージキャラクターなの。
名前は『電気カナリア』ね」
フフ
「大丈夫よ。最近はラジオが聴けるアプリもあるから。
今はラジオを聴く機会も少なくなってるから、
きっかけが増えるのは、関係者としてもありがたい事ね」
「そうね――最初は緊張するかもしれないけど、
話し始めると落ち着いてくる事も多いから。
もちろん、話しやすいような雰囲気作りには、
私も気を遣っているしね」
「だから、林檎さんも気が向いたら掛けてきて。
いつでも待ってるわ」
ザッ
「――さてと……調子はどうかしら?」
シートに腰を下ろし、慣れた動きでキックレバーを蹴る。
三回目のキックで、無事にエンジンが始動した。
一安心し、小さくため息を漏らす。
「何とか元気になってくれたみたいね。
次は張り切り過ぎないように言っておかないと」
「でも、この子が失敗したお陰で林檎さんと出会えたんだけど」
クスッ
スクーターに乗ったまま、少女に笑い掛ける。
故障がなければ、会う事はなかっただろう。
だから、ある意味では幸運だったのかもしれない。
973
:
猫柳 柚子『カーマ・カメレオン』
:2020/03/31(火) 05:21:04
>>972
「『カナリア』って、あの美しい声で唄うっていう鳥の?いいえ、直接聞いた事はないのだけれど」
「くるみさんは電気のカナリアで、その声を電波に乗せて届けるのね!なんだかロマンティックだわ」
『カッ』『カツッ』
自分の推理が当たっていると思い込んだのか、感極まったかのように林檎はくるくると回った。
ブーツの底がアスファルトの地面にぶつかり、音を立てる。
「そうなのね、それはとてもありがたいわ。今度お家で聴かせてもらうわね」
「他の人と話しているところを聴けば、どんな雰囲気かも分かりやすいでしょうし」
「うふっ。くるみさんにリードして頂けるなんて、とても光栄だわ、あたし」
美作がスクーターの上に乗り、レバーを蹴る様をまた興味深そうに見つめる林檎。
そしてエンジンが点火したのに驚き、一歩後ろに下がった。
「そうね、あたしはその子に感謝したいけれど。その子がやきもちを妬いてないといいわ」
「それじゃあね、ばいばい。くるみさんとのドライブ、楽しんできてね」
スクーターのヘッドライトの辺りを覗き込み、小さく手を振る。
そして改めて美作へと向き直り、ドレスの裾をつまんで一礼をした。
「ありがとう、くるみさん。また今度、その時は電波でお会いしましょうね」
そうして林檎は背中を向けると、靴音を鳴らしながら去っていった。
その小さな姿も、やがて人の中に紛れ込んでいく。
「…あの人は、いい大人だったなぁ」「できれば『ボク』の時に会いたかったかも」
「うーん、でも『ラジオ』でお店を宣伝させてもらうのはいいアイディアかな?」
「でもでも、目立ち過ぎるとボクは働けなくなっちゃうしなぁ」
誰もいない所でセミロングのウィッグを外し、『少年』に戻った少女は一人呟く。
自分が歩いてきた道を振り返り、あの優しいラジオパーソナリティの人を思い出していた。
はぁ、とため息を吐くと、ウィッグをかぶり直し、『少女』へとなった少年は、己の戦場である夜の街へと歩いていく。
974
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/12(日) 21:36:59
商店街の中にある、スポーツ用品店。そこから買い物袋を手にした一人の少年が出てきた。
竹刀の手入れ用品を買い足した彼は、そのままの足で和菓子屋さんへと向かう。
今日は何を買って行こうか、そんな事を考えながら、時折反対側の歩行者へチラリと視線を送る。
何の変哲もない、平和な通りだ。そうあるべきな、望み通りの光景だ。
「・・・・・」
考え事をしながら、横を見て歩く少年は前方に注意を向けていない。誰かにぶつかってしまうかもしれない。
975
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/13(月) 18:53:06
>>974
>誰かにぶつかってしまうかもしれない。
どん! ばらばらっ!
……案の定、誰かとぶつかってしまった。同時に、なにかが散らばる音が響く。
「おっと、ごめんよ」
ぶつかったのは、白黒の髪に黒の清月学園中等部制服、シャチのような風貌をした少年だ。
身長178cmの鉄よりいくらか低い(172cm)が、がっしりとした体格をしている。
「すまねぇ、よそ見してた。どっか汚れなかったか?」
地面には『携行補給食』の『スポーツ羊羹』が散らばっている。
976
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/13(月) 20:17:10
>>975
「ッ?!」
「いや、申し訳ない。こちらこそ、ぼうっとしていて…」
ぶつかってまず思ったのは、しっかりとした体幹だ。何らかのスポーツをやっているのだろうか。
制服からすると中学生らしいが、かなり恵まれた体格をしている。
筋肉量次第では、こちらよりウェイトは上かもしれない。
「こちらは大丈夫だ。拾う手伝いをさせてくれ」
頭を下げ、彼が床に落としてしまったものを拾おうとする。
その内の一つを手に取ったところで、思わずしげしげと眺めてしまった。
「これは…?『羊羹』か?」
977
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/13(月) 20:59:42
>>976
「いやいや、こちらこそすまない。」(ペコォー
少年は頭を下げる。
「拾わせちゃって更にすまない。助かる。」
落ちた『羊羹』を自らも拾う。
「ああ、『羊羹』さ。
『男が和菓子なんて!』と思うかもしれないが、コイツは『スポーツ羊羹』ってヤツだ。
小サイズで高カロリーだから、競技中の栄養補給にピッタリなのさ。
まぁ、競技抜きにしても好きなんだけどな。」
喋りながらヒョイヒョイと拾っていく。
978
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/13(月) 21:09:55
>>977
『ピクッ』
「このサイズで、高カロリー…?しかも、『羊羹』で?」
何という高機能食品だろう。携帯しやすいサイズでありながら、手軽にエネルギーを補給できる。
しかも、美味しい和菓子の羊羹で。
自分も拾えるだけ集めて、二人で一通り拾った所でわ改めて少年へと向き直る。
「すまないが君、この羊羹はどちらで売っているんだ?」
「ああ、申し遅れた。俺は高等部二年生、鉄 夕立(くろがね ゆうだち)だ」
「『剣道部』に所属している」
979
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/14(火) 05:35:17
>>978
「拾ってくれて、ありがとうさん」
拾ってもらった羊羹を受け取る。
「んん?『スポーツ羊羹』に興味あるのかい?
すぐそこの和菓子屋で売ってるが……一緒に行ってみるかい?」
聞いてみる。
「ご紹介ありがとう、先輩だったのか。
俺は清月学園の中等部3年、石動織夏(いするぎおるか)だ。」
「『水泳部』に所属している。」
980
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/14(火) 16:45:46
>>979
「是非、頼みたい」
「それと…『和菓子』を好きな男がいても、何らおかしくはないさ」
「美味しいものを好きな気持ちに、男女は関係ないのだから」
自己擁護も含めつつ、彼の提案に頷く。自分も『洋菓子』より『和菓子』の方が好きだ。
総じて甘いものが好きな方だ。その点に関して、男なのに、と誰かに言われようとも嗜好に関しては仕方あるまい。
「織夏(おるか)、いい名前だ」
「しかし『水泳部』か…何かスポーツをやっているのでは、と思っていたが、
それなら納得だ。良い鍛え方をしているな、石動くんは」
自分も勿論鍛錬は怠ってはいないが、剣道部の中ではやや細い方になる。
肉が付きづらい体質なので、剣筋は力で押すよりも速さで攻めるタイプだ。
981
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/14(火) 18:37:39
>>980
「おう!喜んで案内するぜ!
和菓子好きが増えるのはいいことだからな!」
案内するように、てくてくと歩いていく。
「鉄さんは剣道部か。なるほど『らしい』や。
水泳は冷えるし、鍛えなきゃ泳げないからな、適切な食事が必須なのさ。」
「しかし、『くろがね』ってことは『鉄』って字か。
『いするぎ』が『石動』って字だから、アレだな。
お互い『鉱物』に関する名字ってワケだ。アイアンとストーンだな。」
軽口を叩く。
「……さて、着いたぞ。」
そんなこんなで和菓子屋さんの前に着いた。『御菓子司 鈴○』 と書いてある。
※和菓子屋さん役のNPCはこちらが演じる、ということでいいでしょうか?
982
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/14(火) 19:14:52
>>981
「確かに、冷える環境というのはそれだけでカロリーを消費する」
「他のスポーツよりも、その点に関してより気を付けなければならないのか。
…しかし、『水泳』は周囲の環境に影響される所が多くて大変だな」
冬場などは、やはりそのまま泳ぐことは難しく、陸上部のように身体を鍛える事もあるのだとか。
温水プールなどが近くにあれば、練習場所としてはいいのだろうが、他の利用者との兼ね合いもあるのだろう。
…いや、『清月学園』にはひょっとしてあるのか?あの学園は大きい、自分の知らない施設があってもおかしくない。
「ふむ、着眼点が素晴らしい。気がつかなかったな」
「鉱物として同じ、好物の同じコンビとしてキミとは仲良くしたいものだ」
石動くんの言葉に、小さく微笑む。
肉体も素晴らしいものを持っているが、機転も効くタイプのようだ。
「ここにも『和菓子屋』が。気がつかなかったな」「『場所』をしっかり覚えておかなくては」
※ありがとうございます、よろしくお願いします。
983
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/14(火) 19:56:22
>>982
石動「……褒めすぎだ。照れるぜ。」
鉄の言葉に石動が照れた。
石動「和菓子屋さーん、また来たぜ〜。」
ガラガラガラ……と戸を開けて、店に入る。
京風の和菓子屋だ。バイトの女の子が店番をしている。
和菓子屋のバイトさん「あら、石動さん、いらっしゃい。さっきも来た所ですのにどうしました。」
石動「新しいお客さん連れてきたんだ。ちょっと店内見せてよ。」
店内には……
・七味せんべい
・葛饅頭
・若鮎
・羊羹
……などが並んでいる。
984
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/14(火) 20:23:24
>>983
「こんにちは」
「石動くんの友人の、鉄です。お邪魔させて頂きます」
店員さんへと一礼をする。
成る程、顔を覚えられる程に石動くんはこの『和菓子屋』を訪れているようだ。
そんな事をするつもりは毛頭ないが、万に一つも失礼がないようにしよう。
陳列されている『商品』を眺めていく。
「『若あゆ』…珍しいな」「確か元々は京都の方で作られた和菓子だとか」
この『若あゆ』と、石動くん愛用の『スポーツ羊羹』は2つずつ買っておこう。
何故2つかと言うと、羊羹はともかく、若あゆを1人だけで食べていると妹に見つかった時に怒られるからだ。
後は『団子』、それと『安倍川餅』あるいは『信玄餅』があったら買っておこう。やはり2つ。
「…そういえば、あるいは既に知っているかもしれないが」
「石動くんと同じ学年に、妹がいるんだ。鉄 朝陽(くろがね あさひ)と言う」
「もし何か関わる機会があれば、よろしく頼む」
石動くんの方を見て、言う。
985
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/14(火) 20:53:20
>>984
和菓子屋のバイトさん「鉄さんですね。よろしくお願いしますー。」
和菓子屋のバイトさん「石動さんは部活の帰りによく寄られるので覚えちゃったんですよー。」
和菓子屋のバイトさん「はいはい、若鮎とスポーツ羊羹ですねー。」
和菓子屋のバイトさん「あと、『お団子』と『安倍川餅』もー。」
和菓子屋のバイトさん「全部おふたつですね。」
てきぱきと包んでいく。
和菓子屋のバイトさん「税込1600円になりますー。」
商品8つで、お値段は1600円。そこそこ安い方にあたるのだろうか。
石動「おっと、妹さんがいるのかい。実は俺のとこにも喧しい妹がいるんだが……。」
石動「おう。関わる機会があったらよろしくされるぜ。」
よろしくされた。
986
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/14(火) 20:59:56
>>985
「ありがとうございます」
財布からお金を出して、無事購入を済ませる。買い物袋が二つになった。
家に帰って、味を確かめるのが待ち遠しい。『スポーツ羊羹』は部活動の時に持っていくとしよう。
「そうか、キミも兄だったのか」「やはり共通点が多いみたいだ」
「それで妹さんは、どんな子なんだ?石動くんと同じ『水泳部』なのか?」
お店を出ながら、訊ねる。
987
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/14(火) 21:30:01
>>986
和菓子屋のバイトさん「毎度ありがとうございますー。」
ちりんちりーん……お店を出た。
石動「妹かい、玲緒(れお)って言うんだが、変わっててさ。」
石動「カンフーが大好きなんだが、色んな部活動を転々としてるから、さながら『応援部員』って感じだなぁ。」
石動「まぁ、うちの家族は変わり者が多いから、なんとも言えねぇや。」
988
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/14(火) 21:45:42
>>987
「レオ、か。勇ましい名前だな」
「名に似て活発そうな妹さんだ。まだまだ、色々な事を経験するのも良い歳だな」
「しかし、カンフー…と言うと中国拳法かな?」「女性でありながら『武』を志すというのは、恐れ入る」
兄のオルカ、というのはシャチの別名だったはずだ。妹のレオ共々、強い子になってほしいという親の想いを感じる。
自分も妹と対になる名前だが、意味は考えずに響きで決めたらしい。…何か願いとかなかったのだろうか。
「世話になったな、石動くん」「この借りは何らかの形で返したい」
店を出た所で、改めてお礼を言う。新しい『和菓子屋』さんを知る事ができたのは、大きな収穫だ。
989
:
石動 織夏『パイオニアーズ・オーバーC』
:2020/04/14(火) 21:53:08
>>988
「うん、勇ましすぎて、女の子らしさが足りねぇんだよなぁ……。」
「借りとか、そういうこと言わなくていいって。鉄さんはマメだなぁ……。」
「この店お気に入りだから常連さんが増えたら面白いな、ってだけの話だからさ。」
「それじゃあな!妹さんにもヨロシクー!」
よろしくを言って、去っていく。
990
:
鉄 夕立『シヴァルリー』
:2020/04/14(火) 22:22:44
>>989
「オレの妹も、『ピアノ』を習い始めるまでは似たようなものだったよ…」
「もっとも、それでようやく少し変わったかな、ってところが」
女の子らしくないことがいけない事ではない、と個人的には思うが。
ただ、それで要らぬ諍いを呼んでしまうのではないかと、少し心配になってしまう気持ちもある。
「これはオレの個人的な感覚だ、キミは気にしなくていいさ」
「それじゃあまた、石動くん。キミとキミの妹さんも、お元気で」
そう言って自分も帰途につく。
なお、この後剣道部でちょっとした『スポーツ羊羹』のブームがあったとか。
991
:
『星見町案内板』
:2020/04/15(水) 13:17:40
次スレ→【場】『 大通り ―星見街道― 』 その2
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/comic/7023/1586906856/1-
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