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【場】『 大通り ―星見街道― 』

1 『星見町案内板』 :2016/01/25(月) 00:00:31
星見駅を南北に貫く大街道。
北部街道沿いにはデパートやショッピングセンターが立ち並び、
横道に伸びる『商店街』には昔ながらの温かみを感じられる。

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                 ミ三ミz、
        ┌──┐         ミ三ミz、                   【鵺鳴川】
        │    │          ┌─┐ ミ三ミz、                 ││
        │    │    ┌──┘┌┘    ミ三三三三三三三三三【T名高速】三三
        └┐┌┘┌─┘    ┌┘                《          ││
  ┌───┘└┐│      ┌┘                   》     ☆  ││
  └──┐    └┘  ┌─┘┌┐    十         《           ││
        │        ┌┘┌─┘│                 》       ┌┘│
      ┌┘ 【H湖】 │★│┌─┘     【H城】  .///《////    │┌┘
      └─┐      │┌┘│         △       【商店街】      |│
━━━━┓└┐    └┘┌┘               ////《///.┏━━┿┿━━┓
        ┗┓└┐┌──┘    ┏━━━━━━━【星見駅】┛    ││    ┗
          ┗━┿┿━━━━━┛           .: : : :.》.: : :.   ┌┘│
             [_  _]                   【歓楽街】    │┌┘
───────┘└─────┐            .: : : :.》.: :.:   ││
                      └───┐◇      .《.      ││
                【遠州灘】            └───┐  .》       ││      ┌
                                └────┐││┌──┘
                                          └┘└┘
★:『天文台』
☆:『星見スカイモール』
◇:『アリーナ(倉庫街)』
△:『清月館』
十:『アポロン・クリニックモール』
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2 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/28(木) 17:55:46

――星見街道。

何をするでもなく道を歩く、若い男一人。
正しくはさっきラーメンを食べた帰りなのだが。

      (ラーメンで熱入れても、
        またすぐ冷えてきやがるなァ〜……)

ともかく、今は何もしていない。
緑髪と赤いカラー眼鏡が特徴的すぎる、その男。

   「……」

         ポロッ

ハンカチを落とした。
どうやら、気づいていない。

          ・・・・拾って声をかけてもいいかもしれない。

3 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 00:21:28
>>2

    「ん……」

落ちたハンカチに気づく。
長身、鋭い目つき、赤みの強い茶髪のオールバック。
少々『いかつい』青年だったが、スムーズにハンカチを拾い上げ、前を歩く男に声をかけた。

   「おい!」

低いが、よく通る大きな声だった。

      「……落としたぞ」

ひらひらと、ハンカチを軽く振る。
鋭い目つきがギロリと光る。……生まれつきだ。

4 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 00:30:03
>>3

「……ッ!?」

           ビクッ

やや大きく背中を震わせた。
この『スミシー』・・・・『喜屋武 角』は臆病な男だ。

   クル

「あぁッ……!?」

やや威圧的に振り返る、と。

        ヒラヒラ

「アッ」

            ゴソゴソ

ハンカチに気づく。
ポケットに手を突っ込むと、やはりというか、ない。

  「拾ってくれたのか……
    わ、わりぃな、ありがとよ。」

            ボリ

        (なんだその目つきはよォ〜〜……
          ガン飛ばしてるわけじゃ、なさそうだが。)

頭を掻きながら、歩み寄る。

5 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 00:43:56
>>4

      「気を付けるんだな。
       なにせ街中だ。下手すると二度と戻ってこないぞ」

    「……まぁ、ハンカチ程度なら大した被害でもないかもしれんが」

小言を言いながら、ハンカチを差し出す。
……妙にエラソーというか、歯に衣着せぬ物言いだ。
皮肉を言っている、という風でもないが。

       「……しかし、喧嘩でも吹っかけられたと思ったか?」

      「期待してたなら悪かったな」

……皮肉を言っているという風でもないが。
鋭い目つきで、真顔で、そんなことを言うのであった。

6 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 00:58:58
>>5

「コイツはヤスモンだが……
 気に入ってるからな。次から気をつけるぜ。」

     「ありがとな。」

        パシ

ハンカチを受け取る。
笑みを浮かべていたが――

     「……」

        「期待はしてねェけどよ。」

片目を細めて。

「その物言い! お節介を言うとだが……
 相手によっちゃあ、キレられてもおかしかァねえぜ?」

        「それが望みなら知らねえけどよ……」

星見町は平穏な町だ、が。
その裏には、危険も息づいている――

             ・・・・スミシーも、それを知っている。

7 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 01:11:50
>>6

    「ん……そうか?」

言われて、少しキョトンとした顔を見せて。

     「……そうかもしれんな。
      感覚がマヒしたか……気をつけよう。助かる」

顎に手を当てて、眉をひそめて少しものを考える顔をしながら返答する。

   「喧嘩はもうたくさんだ。一生分はやったからな。
    そもそも、怪我でもしたら『ペット』がやれなくなる」

目をやるのは、片手に下げていた黒い楽器ケース。
しっかりとした高級品だ。中身は、本人の言葉通りなら『トランペット』。

8 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 01:23:15
>>7

「まあ、オレも人のことは言えないが……」

フォローするように付け加えて。
それから。

「喧嘩はイテェし、怖ェから、な。
 オレも、最近めっきり、足ィ洗っちまったぜ。」

     (洗いきれてもねえが、な……)

喧嘩。学生のそれではない。
スミシーには、いつでも『敵』が思い出せる。

  「……ペット?
   あー、ってえと……」

      チラ

楽器ケースに気づき。

「あぁ!ナルホド、トランペット……だよな?
 そりゃあ、迂闊に怪我もしてられねェわな。」

得心した、という顔で言う。
もっとも、楽器の種類には自信がないが。

「オレもバンド――
 の、真似事みてーなのはしたことあるが……」

「本格的に音楽ヤれる奴は、イカすと思ってるぜ。」

    ウンウン

             ・・・・二度ほど頷くスミシー。

9 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 01:33:46
>>8

    「あんなもの、やらないに越したことはないさ」

本当に、痛いし、怖いだけだ。
ロクなもんじゃない。頷きながら、そう返す。

     「ああ、『トランペット』だ。吹奏楽部でな」

言いながら楽器ケースを撫でる。
軽くでも叩きはしないのは、それほど大事にしていることの表れか。
冷静な雰囲気だが、音楽への熱意は本物らしく……

    「ほう……軽音楽か?」

           「『文化祭』辺りでやってみたクチか?」

   「パートは? ボーカルか? ドラムか? ギターかベース? それともキーボード?」

        「曲は何をやった?
         やはりJ-POPか?」

……本物らしく、すごいグイグイ来た!
ニィと笑いながら、矢継ぎ早にまくし立てて来る!

10 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 01:39:10
>>9

「そりゃそうだ。
 んで、吹奏楽部かァー。そいつァ――」

何か他愛のないことを言おうとした。
が、そこに。

   「オッ」

       「オオオッ……!?」

(な、なんだァ〜〜こいつはッ!
 音楽の話だからか? グイグイ来すぎだぜッ……!!)

            ・・・・板踏の熱意。

「お、落ち着けっての……!」

「だいたいそれで合ってるがよォ……
 まっ、J-POPじゃなくて、カッコつけて洋楽だったがな。」

あまりウケなかったが、青春の記憶だ。

「しかし……
 よっぽど音楽好きか? おめーは。」

                ・・・・怖いもの見たさ半分、聞いてみる。

11 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 01:48:39
>>10

      「ほう……」

    「文化祭でやる洋楽と言うと、やはり7〜80年代のロックか?
     あの辺りの曲は有名どころも多いしな」

        「あれを目標にバンド始めるやつらも未だに多いし、練習用の資料もいくらでも……」

と、止まらないッ!
明らかに『落ち着け』の一言が耳に入っていないッ!

  「……ん、『音楽が好きか』だと?」

が、問いは届いたようだ。
一瞬「何を言ってるんだ」ぐらいの調子でキョトンとする。

      「当たり前だろう。大好きだよ」

   「というか……音楽が嫌いな人間なんているのか?」

      「『音楽の好み』はあるだろうが……嫌いなんて奴はそうそういないだろうに」

12 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 01:55:12
>>11

「正確な年代は忘れたが、それで合ってるぜ。
 相当、昔の曲だがよォ〜〜、
 イカスのは現代でも通じるもんだよな……」

             (なんなんだッ、こいつはァ〜〜!)

かろうじてそう返しつつも、
勢いに押し込まれそうになるスミシーだが……

(な、なんとか……止められたぜ。
 こいつ、ほっときゃ一日中音楽トークしてんじゃねえか……?)

    ホッ

            ・・・・間一髪、届いた問い。

「……だ、だよな。」

一呼吸おいて。

「オレも音楽は好きだぜ。
 にしたって、おめーの音楽への勢いは半端ねえからな……」

               「『好き度』が高ェな、って話だぜ。」

13 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 02:08:54
>>12

    「良い音楽に時代は無いさ」

本当に、放っておけば壁相手でも一日中話していられそうだ。
まぁ、それも、

   「『好き度が高い』、か」

       「……かもしれんな」

それだけ音楽が好き、ということなのだろうが。

    「……しかし、そんなに勢いがあったか?」

なお、自覚は薄いらしい。

   「…………そういうお前は、なにかないのか。
    特別好きな何かとか……お前にもあるだろう?」

14 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 02:16:01
>>13

「特別かァ……」

     (……釣りか?
       音楽聴くのか?
         いや、そこまででもねえよな。)

疑問は残るところ。
眼の前の『音楽好き』ほど、胸を張って言えるか?

              ・・・・それより。

「俺は……この町だな。」

「いくらでも語れるとか――
 何でも知ってるとか――
 そういうのじゃあ、ねえし……
 他の町に負けてるとこも、あるだろうが……」

上を見る。
星が隠れ、お天道様が、見ている今でも。

       「オレは、この町を愛してるぜ。」

                ・・・・それは自信を持って言える。

15 板踏甲賀『ウィズイン・サイレンス』 :2016/01/29(金) 02:29:08
>>14

    「……『町』、か」

言われて、なんとなしに周囲を見渡す。
するとぽつぽつと人がいて、見上げれば空がある。
なるほど、と得心が行った。

      「なるほどな。
       そりゃあ、確かに、『いい趣味』だ」

ニィと笑う。
嘲りとか、皮肉の意味は一切込めない笑み。
その時、びゅうと風が吹いた。
思えばこの寒空の下、立ち話というのも妙な話で。

     「……さて、俺は行くよ」

    「じゃあな、星見好き。
     そのハンカチ、もう落とすなよ」

ひらひらと手を振って、別れを告げる。
元より袖触れあった縁だ。惜しむ別れでもない。
白い息を吐きながら、音楽好きは去っていく。

16 スミシー『ザ・ウィズ』 :2016/01/29(金) 02:33:59
>>15

『S県H市星見町』――
この小さな町には、スミシーの好むものが、いくらでもある。

「ああ……ここは、良い町だからよ。」

       ニヤ

スミシーは笑う。
そして、ハンカチをポケットにしまって。

          クル

「おう、じゃあな『音楽好き』ッ。
 余計な野郎にケンカ売られんじゃあねえぜ。」

      「ありがとな。」

                ヒラ ヒラ

          ・・・・振り返って、手を振りながら歩き去る。

17 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/02/02(火) 00:57:18

「よいしょっ……」

       ギュウ

          『ニャー』

猫を抱いて歩く少女。
いやそれより特徴的なのは、その服装。

     ジャン!

インバネスコートに、鹿撃ち帽。
まるっきりフィクションの名探偵だ。

(ふふ、こういう依頼をしてこそ探偵に近付けるというものだ。)

自信満々の表情で猫を抱えているが、いつ逃げられるか分かった物ではない。

18 紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』 :2016/02/02(火) 02:27:37
>>17

   ニャー
          ニャー

     「はいはい、ご主人様が首を長くして待ってますからね」

トレンチコートに、ハンチング帽子。
茶色の長髪を一つ結びにしたスレンダーな女が、猫の入ったケージを持って歩いている。
仕事帰りというか、仕事中というか。
ともあれそんなところで……

        「……おや?」

ばったり、見知った顔に遭遇した。

      「おやおや」

            「まぁまぁ」

     「ごきげんよう、宝梦ちゃん」

ウィンクひとつ、ご挨拶。

          ニャー

……ケージの中の猫も、小角に対してか猫に対してか、ご挨拶。

19 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/02/02(火) 02:35:41
>>18

「……あっ!」

     「め、名探偵どのっ……!」

         ニャー

知人に気づき、猫を離しそうになる小角。
しかしそこはかろうじて耐え――

「……お、おほん。」

「ごきげんよう、名探偵どの。
 そちらも……猫さがしの依頼かい?」

            パチン★

ウィンクを返すが――

      ニャー ニャー

「こ、こらっ、暴れるのはよせきみ……!
   ……ううむ、わたしもケージを買うべきか。」

猫を取り押さえるのに、悪戦苦闘。

20 紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』 :2016/02/02(火) 02:47:37
>>19

    「ええ、ええ」

     「お察しの通り、猫探しですとも。
      わざわざお金を払って迎えを寄越すんですから、愛されてますねぇクローバーちゃん?」

         ニャー

……クローバーちゃん、と言うらしい。
ケージの中の猫がどこか誇らしげに鳴いた。

   「かく言う宝梦ちゃんも、といったところですが……」

視線を猫に。
……今にも飛び出してしまいそうだ。

      「……ケージが無いなら、可愛そうですが手足を縛ってしまうのもひとつの手ですよ?
       キツく縛ると危険ですが、少しの間なら大丈夫ですし」

     「あと、持ち運びの面で言うならリード付きの首輪をひとつ買っておくと楽なのでオススメです。
      私は今回、依頼主がケージを持参してくださったのでそれを使っていますがね」

21 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/02/02(火) 02:56:45
>>20

「ふふ、似た依頼とは奇遇だね。」

「この子は『ワラビ』というんだ。
 すぐ逃げるし、暴れん坊だから、いつも頼まれて――」

          ニャーーォ

        バリッ

「わぎゃあっ!
 こ、コートをひっかくんじゃあない!」

        ・・・・悪戦苦闘する。

「し……縛る、かあ。
 それはなんだか、かわいそうな気がするけれど……」

          ニャー

そもそも、縛れるのか?
小角は本当にこの猫より強いのだろうか……?

「首輪か! ふむ、そちらの方が、ケージより便利そうだね。」

      ニャー

        「あっこら」

             ギュゥ     ジタバタ

               「……じ、次回から参考にしよう。」

しゃがんで『ワラビ』を抑え込みながら、顔だけ上げて言う。
これはどうにも頼りない感じだが、まあなんとか……逃がしてはいない。

22 紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』 :2016/02/02(火) 03:08:56
>>21

     「……なるほど、『お得意様』でしたか」

…………その割には懐かれていなさそうだが。
まぁせっかく家出したのに連れ戻しに来る人物になど、懐きようがないような気もするが。

……しばらく悪戦苦闘を見守る。

   「…………ところで、猫は袋の中を好む習性があるのですが」

見かねてか、一度ケージを地面に置いて、懐に手を入れる。
ごそごそと取り出したのは、折り畳まれたショッピングバッグ。いわゆる『エコバッグ』という奴だ。

        「良ければお貸ししますよ、これ。
         少なくともそのまま抱えておくよりはマシかと思いますし」

23 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/02/02(火) 03:22:46
>>22

「これで何度目だったかなあ……」

(そういえば……
 前にもリードがなくて困ったんだったか……)

      (あのときは犬だったが……本当にリードは必要だな。)

      ニャー

        「ううむ。」

何とか小角が勝ったらしい。
再び腕の中に、『ワラビ』を捉え込んだ……と。

「袋の中?」

「そうなのかい? 流石は名探偵どの。
 わたしも、猫知識ももっとつけなくちゃあね……」

しかし肝心の袋がなくちゃあな、と思ったが。

      「あっ!」

「あ……ありがとう、名探偵どの!
 貸してもらっていいかい? ふふん、これでなんとか……出来そうだよ。」

              スッ

エコバッグを片手で受け取り、口を広げる。
そして、そこに。

        「ほうら、この中に入っていたまえ……」

                  ニャー

      スルリ

もう片手でぎりぎり保持していた『ワラビ』を、ゆっくりと入らせる・・・・
 
                 ドヤ    チラ

何か自信ありげな顔で、紫の方をチラ見する。

24 紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』 :2016/02/02(火) 03:40:28
>>23

        「迷い猫探しも仕事の内ですから、初歩ですよ」

     「もしものために、と持ってきていたのですが、正解でしたね」

袋を手渡し、しばらく見守る。
危うげな手つきではあったが、どうにか問題なく『ワラビ』を袋に移動させることに成功したらしい。
これで一安心、こちらが胸を撫で下ろしていてもしょうがないのだが。

           「…………」

……ほっと胸を撫で下ろしていると、小角の自信ありげな顔。
思わず苦笑、破顔する。

       「……お見事、これで一安心ですね」

        「袋はそのうち返してくだされば結構ですので。
         今度事務所に遊びに来てくださいな。その時ついでに返せばいいでしょう」

25 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/02/02(火) 03:52:56
>>24

「しょ、初歩か! うーむ……」

      ニャー

ややくぐもった鳴き声。
エコバッグごと、抱き上げる。

            ギュウ

「ふふん、もう逃がさないぞ。
 ……ありがとう、名探偵どの。助かった。」

少しだけ真面目な顔になり、そういって頷く。

「ぜひ……うん、ぜひ行きたい!
 名探偵どのの探偵事務所、一度行ってみたかったんだ……」

            「結局、行けてなかったもんね。」

が、すぐにいつもの表情になって、笑う。
別にいつも不真面目な顔という事ではないが。

             ・・・・そして。

「……じゃあ、今日のところはこの辺りで失礼しようかな。」

    ペコ

          「近いうちに返しに行くよ。
           ……それじゃあね、名探偵どの。」

    ニャー
          ニャー

「ふふん、暴れてももはや無駄だぞきみ……」

        ・・・・そうして。
        一礼した後、小角はその場を去ろうとする。

26 紫 斜六『アームチェア・トラベラーズ』 :2016/02/02(火) 04:03:47
>>25

     「ふふ、紅茶とスコーンでも用意してお待ちしておりますよ」

どうせ客の多い事務所でもない。
いつも暇を持て余しているのだから、来客は大歓迎だ。

   「まぁ大した事務所じゃありませんがね」

これも本当。
駅前のコンビニの上の、大して広くも無い事務所である。
まぁ、個人の探偵事務所にさほど広さも必要ないが。

      「ええ、では、お互い一刻も早く依頼人を安心させてやるとしましょうか」

            ニャー

地面に置いたケージを拾い、帽子を軽く取って礼。

    「また会いましょう、小さな名探偵さん」

涼しげにウィンクひとつ。別れを告げて、去っていく。
二人の名探偵の、ちょっとした邂逅。短編未満のクロスオーバー。

         「……なんて、ね」

                  「ふふっ」

27 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/02/23(火) 00:44:18

街道を歩く恋姫。帽子に眼鏡で変装済み。
この辺りは学生も多いし、バレンタインで増えたのか? カップルも多い。

「…………」

      トコ   トコ

(周りのリア充オーラヤバいな……
  爆発したらどうするかな……えひ……)

  ツルッ

       「あっ」

              ズデェ

あまり派手じゃなくこけた。
足元が濡れていたらしい。周囲に気を取られ過ぎたか?

        「…………」

(はっず……僕の方が爆発しそうだなこれ…………)

               ・・・帽子を拾いつつ、呆然とする。

28 球良 楽人『ストーン・サワー』 :2016/02/23(火) 23:12:58
>>27
ところでコケた先には浮浪者的なものがいたそうで。

「……よッ、こんちは。何コケてんの?」

ニヤニヤ

ニヤニヤ笑いながら茶化してくる『浮浪者』風の青年。
衣服はヨレヨレ、ひどく痩せこけていて、目の下には深いクマ。
どっからどう見ても『不健康』そーな風体だ。

「この辺、ちょっと濡れてっからさァ……気をつけなよ」

そういう男の周りには、『ペットボトル』が何本も置かれている。
中身が満タンに入ってるのから、空っぽのものまで色々だ。

29 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/02/23(火) 23:29:53
>>28

濡れた帽子を、もう一度被る気にもならない。

「…………」

   イラッ

     (何笑ってんだ……)

       (なんだこいつ……マジキチか?
         もしそうだとしたら……こわちかすぎる……)

男に敵愾心を向けかけるが・・・・
その『ヤバ気』な風貌にややひるむ恋姫。

                 ジロ ・・・

「……気をつけるよ……乙らない程度に……」

        「……」

(なんだ……?ペットボトル……
 猫避けフル装備……ねこあつめアンチ勢か……?)

       (…………えひ、なんだそれ。
        つーか……濡れてんの、こいつのせいか……?)

ペットボトルに視線を向けつつ、ゆっくり立ち上がる。
もちろんだが、再度こけないように気をつけて――だ。

30 球良 楽人『ストーン・サワー』 :2016/02/23(火) 23:42:11
>>29
『ペットボトル』を見ながらゆっくり立ち上がろうとする……と、
そのうちのいくつかに、違和感を覚えるかもしれない。

『金魚』だ。
奇妙な外見の『真っ白』な金魚が、ペットボトルの中を『回遊』している……

「立ち上がるかい?」
「じゃあそこで『バァン』だ」

青年がそう口走ると、ペットボトルのうち、
満タンに水が入った二本が――

パ  ァ  ン

――『弾け飛んだ』。
水やら破片が辺りに飛び散る。
距離があるから、恐らく『恋姫』のところまでは到達しないだろう……

ビス! ビスッ!

青年の皮膚も、飛び散った破片であちこち『切れ』ているが、
全然ちっとも気にしちゃあいない様子だ。

31 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/02/24(水) 00:01:29
>>30

(なにあれ……金魚……?
 何考えてんだ……金魚すくいの準備……?)

      (つーか……あの感じ……)

             イラ   イラ

「……は? 何言ってんだお――――」

パ  ァ  ン

      
   ビクッッ
 
        「ま ッ……!?」

              ステンッ

                    「う、ぐ……」

いきなりの『破裂』に尻もちをつく。
そして確信する。

           (マジキチらしいな……
             常識的に考えて……)

       (しかも……)

(刃物よりやばいの……装備してやがる、
  っていう……えひ、まじかよ最低……何それ怖い……)
 
               ベチャ

再び立ち上がろうとする。
『青年』に向ける瞳は……敵愾心より、『危機感』だ。

                      ・・・危険な目に会いたくはない。

32 球良 楽人『ストーン・サワー』 :2016/02/24(水) 00:22:33
>>31
「ははは……ははははは!『ジョーク』だよ、『ジョーク』!
まさか本当に『爆弾』なワケねーだろうがッ!」

水浸しになりながら、青年は腹を抱えて笑う。

「――――そう、爆弾なんかじゃあないんだ」

……その笑顔が、急に消える。塞ぎ込むように
『三角座り』をすると、下を向いて何かぶつぶつ言い始めた。

「こんなものをいくら作ったって、僕の求める『インパクト』は得られない……
やっぱり素材か?いやサイズか?中身の『液体』だってもっと――――」

ひどい早口でまくし立てると、不意に言葉を止め、

ギロ

顔をあげて『恋姫』に目を向けた。

「――何見てんだよ。お前もアレか……『見えて』ンのか?
だから大したことねーって、そう思ってるクチか?
なあ」

青年の側に……先ほどの『金魚』が現れる。
こいつは――『スタンド』だ。

33 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/02/24(水) 00:33:23
>>32

「…………!!」

      ゾ ォ ッ ・ ・ ・


(やばいやばいやばい……こいつ……
  『マジキチ』どころか……まじで厄すぎる……!)

             ジリ

反射的に身を引く。
スタンドを傍らに発現する――――

   オォォ
               『ボボ』
        『ボ』

青い焔を灯す、黒衣の烏面。人型のスタンドヴィジョン。

     フイ

目を逸らす。

「知らねえよ……こっちはこけてイライラしてんだよ……
 お前がそう思ってんならお前の中ではそうなんだろうけど……」
 
        「向こう行くから……
          お前、僕にかまうなよ……!」

    『パチ』
 
                  『ゴウ』 『ゴォ』


震える心こそがその炉であると言わんばかり、『青い焔』の火勢は強まる。
戦う気などみじんにもない……そもそも、ここは町中だ。

34 球良 楽人『ストーン・サワー』 :2016/02/24(水) 00:58:22
>>33
「ッひ」

『恋姫』が発現したスタンド――『ブルー・サンシャイン』を見て、
青年が小さく声を漏らした。

「ひィいいいいいッ……『やっぱり』かよォ!?
だよなァ――中々逃げねーし、遠巻きから見てるわけでもねーし、
そんな気はしたんだよなァ……」

青年のリアクションは、『恐怖』だ。
『ブルー・サンシャイン』に対して、恐怖している。
腰を引きながら、『フタ』の開いたペットボトルを、一本取り出す。
やはり――『金魚』が、回遊していた。

「い、行くんならサッサと行けよ……
こ、こっちに来なけりゃあ、何もしねー……そんな
『おっかねえ』のと、この距離でやり合おうなんてとんでもないからなッ」

脅すように、青年は言う。
膝がガクガク行っているが、虚勢を張ったつもりのようだ。

35 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/02/24(水) 01:11:31
>>34

          『ゴォォ』

     『ボ』 

               『ボシュ』

青い焔が緩まる。
ひとまずの、停戦協定。

「……回り込んだりするなよ……」

     トコ   トコ

滑らないよう遠ざかる。
烏面の奥の瞳は、青年の『金魚』を警戒する。

           ・・・遠ざかっていく。

(……何なんだこいつ……どういうあれなんだ……?
  詳しく知りたいとも、思わないが……色んな意味でヤバすぎ……)

              (ドッキリより……
                よっぽどビビるわ……)

    (マジキチこわいわー……)

                    奇妙な交差だった。
                    いずれまた、交わる日が来る……のか?

36 球良 楽人『ストーン・サワー』 :2016/02/24(水) 01:26:21
>>35
「…………」

『恋姫』が立ち去るまで、固唾を飲んでその動向を見ていた。
完全に姿が見えなくなったのを確認し、大きく息を吐く。

「ふうううう……こ、コワかった……いや違うッ!
あーいう体験が『インスピレーション』になるに違いないッ……
僕はもっと『スタンド使い』とやらを知る必要があるんだ。
こいつ――『ストーン・サワー』のこともなッ」

……

「でもやっぱ怖ェえよォ――z__ッ!」

一人で一しきり騒いだあと、住みか(家ではない)へと帰っていった。
次の遭遇があるのならば、どんな形になることやら。

37 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/02/29(月) 02:47:12

ゲームを買いに走った帰り。

「…………」

     パチャ

          パチャ

髪から滴り落ちる雨粒。
急に降られて、屋根のある店先で雨宿り。

       イラ
    イラ

(天気予報、かすりもしてねえ……外しすぎだろ気合玉かよ……)

     (ってもけっこうみんな……
       傘持ってるし……僕が情弱だったか……?)

          イラ

やり場のない苛立ちを抱えつつ、空を見上げる。
太陽は欠片も見えない曇り空。

               (あークソ、はよやめ……)

38 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/01(火) 23:35:20
>>37
「・・・I'm Singin' in the Rain♪」

雨宿りをする恋姫。と……
なんだか、場違いに陽気な歌声が、
軒を打つ雨音に混じって聞こえてきた。

「・・・Just singin' in the rain♪」

水玉模様の雨傘を片手に、
見知った顔が、鼻歌交じりに歩いてくる。

39 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/01(火) 23:46:37
>>38

(誰だよ歌なんか歌ってんの……クソが……
  BGMまで空気読めねえクソゲーとか終わってんだろ……)             

         イライラ

              (……ん?)

     …イラ

苛立ちの向こうから、見覚えのある顔。
視線をそちらに向ける。

「あ……」

前に会ったのは湖畔公園だったか――
あの時の『探索行』は、残念ながらうまくはいかなかったけど。

  「……」

        「……おーい。」

   フリ
       フリ

やや抑えた声で、小さく手を動かしつつ呼びかける。
町中で大声も出す気にはならないし。

40 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/02(水) 00:02:05
>>39
「…………what a ♪...なんだったかしらぁ」

>   フリ
>       フリ

「あら?」

 鼻歌の途中で歌詞をド忘れして、首を捻る……
と、そこで視線が恋姫を捉えた。

「あっ、また会ったわねぇ。は〜い」

 ひら
       ひら

 笑いかけながら、のんびりした様子で手を振り返す。

「今日は降られちゃったわねぇ…………
ツイてなかったわぁ」

 全然ちっとも『不運』を嘆く雰囲気ではないが、
そう言いながら屋根の下にやって来て、雨傘をたたんだ。
水玉の表面を、しとしとと水滴が滴り落ちる。

「うふふ……久しぶりねぇ。
その後、お変わりないかしら?」

41 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/02(水) 00:17:20
>>40

「えひ……よう、おひさ…………」

         ニヤ

陰気な、湿っぽい笑みを浮かべる。
ジメジメした外気で3割り増しって感じだ。
焼けるような苛立ちは、収まりつつあった。

「僕のがついてないだろ……状況的に考えて。
 昨日の天気予報……明日は晴れだ!キリッ って……えひ。」

          「釣られちゃった……
           僕ってば情弱おつ……」

今朝の天気予報では、雨に変わっていた。

    ス

少しだけ横によって、
一人分のスペースを作って。

水滴に触れないためもあるが、距離感というのも、ある。

「僕は何も……変わってないぜ。
 お前も……特に変わってない感じか……?」
  
            「あ……モールには……
              あのキャンドル、無かったよ……」

あの後も、ときどきあのキャンドルを探すが、どうも見つからないものだ。

42 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/02(水) 00:46:24
>>41
「あらぁ……カサ、用意してなかったのねぇ。
まあ、私も、降られたから慌てて『デパート』で買っちゃったんだけどねぇ」

だから、やっぱりツイてないのよ、と笑う。

「私の方も、進展ナシって感じねぇ。
なんだかんだ、代わりのキャンドルを用意してはいるんだけど、
見劣りするのは否めないわぁ…………はぁ」

 物憂げに溜息をつく。
 いつものんびりしてる人吉にとっては、珍しいアクションだ。

「雨は嫌いじゃないんだけど……
こうやってじっと『雨宿り』してると、何だか『憂鬱』な気分に――」

「――むにゃ」

 ……『憂鬱』よりも、雨だれの音で『眠気』を覚えるほうが強かったらしい。
ちょっと首が前に垂れて、目が半開きになっているのが見て取れるだろう。

43 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/02(水) 01:11:03
>>42

「あ……買うってのも、あったな…………えひ、凡ミスだぜ。」

焦り過ぎていたか。
苛立ち過ぎていたか。

笑みにほんのり、深くはない自嘲の色が混じる。

          ・・・まあ、それより。

「星見町には……ないのかな……アレ。
 リア充っぽい店も……がんばって入ってみたんだ、けど……」

          「……ネットでも、
           もうちょい調べてみようかな……」

希望は捨てたくない――
というほど、大げさなことでもないか。

けれど、あれは見つけたいし……手に入れたいのだ。

「……僕は……雨は、微妙だ。
 じめじめした感じだし……好きじゃないかな……」

         「……」

              ユサ

傍に近付き、小さく腕をゆする。

                「……寝ちゃだめ……だぜ。」

44 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/02(水) 19:43:44
>>43
「…………………………はっ」

パチッ

 恋姫に揺すられて、顔を上げる。
しばしポケーッとしたあと、はにかんだ笑みを浮かべた。

「あら、ごめんなさい……私ったら、ついウトウトしちゃって……」
「そうねえ…………私も方々探したけれど、手掛かり一つ無かったわあ……
こうなったら、あの『雑貨屋さん』に、どこから仕入れてたのか、直接聞いてみても良いかしら……
でもあの『店主』のおじさん、とっても口が堅いのよねぇ」

うーん、と悩む。

「まるで……探せば探すほど、逃げていくような……
お空の『雲』みたいなものよねぇ」

そう言って、空を見上げ、

「……あらぁ、あれ見て、雲が途切れそう」

と、空の一角を指し示す。
雲の切れ間が、上天の端に見え隠れしている。

45 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/02(水) 23:07:51
>>44

「そうそうないイベントだぜ……僕とさぁ……
 一つ屋根の下で……二人ぼっち。こりゃ寝落ち厳禁だ……」

             「えひ」

         ニヤ

冗談っぽく口をとがらせて、笑う。
ただの雨宿りに過ぎないけれど。

            ・・・空を。雲を見る。

「……なんか秘密あんのかもな……」

        「レアアイテム……
          素材集めが大変とか……」
 
「流通しない理由がさぁ……職人がいて……
 一個一個手作りとか……えひ、魔女の窯みたいなので混ぜて……」

     「えひ、ゲーム脳おつ……かな……?」

やや迷走したようなことをつぶやく恋姫。
もっともあれだけの効き目、マジック・アイテムでもおかしくない。

           「あ……」

「……そろそろ……雨、弱くなってくるかな。」

                ス

       パチャ  パチャ

屋根の下から手を出すと、雨粒が小さな掌を打つ。
すぐに引っ込めて、陰気な笑みを浮かべる。

46 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/02(水) 23:36:50
>>45
「『魔女の窯』…………うふふ、何だかファンシーね。
でも、そうやって作っている、って言われても、
私は驚かないわぁ」

実感のこもった調子でそう言い、
なお降る雨に、空を仰ぐ。

「そうねぇ……もう少し待てば、
雨脚、きっと弱くなるはずだわ。
急ぐ用事がなかったら、しばらくのんびりしていれば……」

そういうのは得意だわ、と言って目を細める。
空の雲の流れ、こればっかりは『魔女』だって、
『スタンド使い』にだって、どうすることも出来ない。

47 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/02(水) 23:57:43
>>46

「…………えひひ。
 僕だって驚かないよ。
 ……あれ、魔法みたいだもんな。」

          「……」

店の壁に、背を預ける。
雨の匂いは好きではない。
早く帰ってゲームがしたい。

・・・それでも今は、苛立ちは薄い。

「まあ……えひ、この軒下は……
 なんつーか……そんなに、居心地も悪くないし……」

       「ここの店、Wi-Fi入ってるから……
        まあ……電波的にも、捗るしさ……」

             クル   クル

      「……」

濡れた毛先を小指で巻く。
少しだけ、視線を横に向けて。

            「お前も、…………急がないの?」

48 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/03(木) 02:25:02
>>47
「…………………………うふふ」

 恋姫に倣って、店の壁にそっと寄りかかる。
水滴で壁を汚さないように、傘を離して置きながら……

「私は、いつだって急がないわよぉ………………
でも、ここに長居すると、また眠くなっちゃうかも」

 のんびりとそう言うと、目を閉じる。……眠るワケじゃないが。

「あなたと一緒にいると、何だか……落ち着くわぁ。
気分の波が無くなって……すごく『平穏』になるの」
「うふ、でも……帰るなら、傘に入っていく?
この傘、大きいから……『一人分』のスペースなら、あると思うわよぉ」

49 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/03(木) 23:04:34
>>48

「…………」

     クル ・・・

指に巻いた髪が、ゆるりとほどける。

       「……あ……」

「急がないん、だろ……じゃあ……」

    「僕、ゆっくりしながら……帰りたいからさ……
      なんつーか……全力Bダッシュで帰んのも、しんどいし……」

雨の日は好きじゃない。

       「……」

少しだけ近づいて。
一人でいるのは、べつに、嫌いじゃないけれど――

「僕も……さあ……なんつーか……
 あー…………お前といると、なんか落ち着く……し。
 お互いあれだ、ウィンウィン関係……協力プレイみたいな……」

           「えひ。……いてやんよ。
             二人ぼっちで……もうちょっと……」

そう言って。
傘の下に、入れてもらうことにする。
スキャンダルなんてのは、濡れ鼠になるよりは――それに。

            ・・・幸い今日は雨。
               見咎める通行人も、少ない、から。

50 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/03(木) 23:39:12
>>49
「うふふ、それじゃあ――」

 ふわっ、と水玉の雨傘を広げ、楽しげな笑みを浮かべる。

「帰りましょ。のんびりしながら……
そうしたら、きっともっと楽しいわぁ」

 そう言って、傘の下に招き入れ、ゆっくりと歩き出す。
 
 言葉通り、のんびり帰ることだろう。

 雨の日は嫌いじゃないし……
気を許せる人と歩く道は、もっと素敵に映るはずだ。

51 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/03/03(木) 23:56:18
>>50

「…………えひ、ひ。」

       ス

雨の音は遠くに聞こえた。
ゆっくりで良い・・・

「僕と相合傘なんて……Sレア以上……
 世のロリコンどもが……えひ、黙ってない……」

         「……」

               パチャ

            「なあ……」

         パチャ

   「……キャンドルじゃなくてもさ、
     また……いっしょに………………」

             ――今はゲームのことより、
                 安心できる相手と過ごせる、この時間を。

52 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/06(日) 01:29:22



  バサ


      がらがらがら〜〜〜っ
                     チリンチリン

                  「らっしゃーせーっ」



 ここは行きつけの『理容室』だ。


  「……ふぅ」


 特に、何かこれといった理由があったわけではない。
 ファッションなどと言える柄じゃないし、願をかけていたわけでも。
 強いて言うなら、『心境の変化』だろう。

 結ばなければ腰ほどまであった、長い黒の髪を、短く切り揃えた。

 軽くなった頭。
 露わになった首元を擦り、首を傾げ、床に落ちた自分の髪を見つめる。


  「……切り過ぎたかな」


 このあと、『シャンプー』と『ドライヤー』がある。
 しばらくは、席に座ったままだろう。

53 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/06(日) 23:58:44
>>52
 散髪を終えた『牡丹』の隣の席に、ふんわりした感じの若い女がやってきた。

「……そうねえ、もうすぐ春だからあ……
全体的に短くして……『ふわっ』とした感じに仕上げて欲しいかしら」

 理容師と話しながら今日のプランを決めると、
リクライニングシートの背もたれに体重を預け、
リラックスした様子で深く腰掛ける。

「あらぁ……ずいぶんばっさり切ったわねえ」

 そこで隣席の『牡丹』に目をやって、声をかける。
深い理由はない……散髪前で、手持ち無沙汰だったからだ。

54 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/07(月) 00:23:00
>>53

「ン……どーも」

 隣に腰掛けた人吉に会釈する。

「そうね、心機一転というか……アタシも一足先に春を感じたくって」

 軽くなった頭を軽く振り、細かな毛を落とす。

「ここ最近、良い日和が続くねえ」

 無難に、天気の話で返してみる。

55 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/07(月) 00:38:54
>>54
「こんにちわぁ」

 ふわっとした挨拶を返す。体勢的に頭を下げられないので、
変わりに手を小さく振って応えた。

「春って良いわよねえ……身の回りの環境も
色々変わるけど……気分がワクワクするわ〜」

 あまりワクワクしてそうに感じない、肩の力の抜けた声だ。

「そうよねぇ。
ポカポカしてすっごく『お昼寝日和』だわ〜」
「でも会社でお昼寝しちゃうと課長が睨んでくるから……」

はああ、と溜め息。

「お昼寝してもいい法律があれば良いのにねぇ……」

56 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/07(月) 22:50:34
>>55

「あはは」

 ふわふたとやわらかい『わたあめ』のような印象を受け、力が抜けたように笑む。

「まあ確かに……昼時は眠くなっちまうね。
 けど、春って本来は『目覚め』の季節じゃないか」

「草花も芽吹くし、動物も冬眠から起きてくるし。
 アタシら人間も、負けずに頑張って起きてないと、む、……」

「……ふわぁ〜〜〜っ」

 と、言った直後に関わらず、あくび。

「……」

 少しバツの悪そうな顔をする。

57 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/07(月) 23:01:50
>>56
「うふふ……あくびは正直ね。『春眠暁を覚えず』とも言うし、ねぇ…………ふわぁ」

つられたように、あくびを一つ。

「それにしても……髪を切ってもらう時って、
なんだか不思議と眠くならないかしら?」

気温も、暑くもなく、寒くもなく。
実に『快適』な室内環境に、既に目がトロンとしてきている……

58 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/07(月) 23:35:13
>>57

「むぅ……そうだね」

 あくびした後で、眠気を誤魔化すのもおかしな話だ。

「椅子も刈布も肌触りがよくて……
 はさみの音が耳に心地いいし……
 シャンプーしてもらうとスッキリするし……」

「まあ、眠くなるよなぁ……と」

                      センメンダイマエニドウゾー>

 洗髪スタッフがやってきた。
 ここからシャンプーらしい。

 少しの間、人吉と話せなくなりそうだ。

59 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/08(火) 00:06:19
>>58
「そうねえ……あら、噂をすれば『シャンプー』。
うふふ、ごゆっくり……あら、こっちもかしら?」

と、こちらも『洗髪』→『散髪』の準備が整ったようだ。
しばし、初春の日差しの中で微睡みながら、
鋏が歌うメロディに耳を傾け……

…………………………………………………………

「……………ZzzzZ」

 ……『散髪』完了である。ほぼ『熟睡』しているようだが……

60 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/08(火) 00:33:02
>>59

「ふぅーっ……スッキリ!」

 あとは乾燥機で乾かすだけ、なのだが……

「……ね、寝ているッ」

「…………」

 せっかくだし会話を続けようと思っていたのだが。
 声をかけて起こしてしまうのも気が咎める。
 しかし、こうなってしまうと手持ち無沙汰だ。


(ちっとくらい、いいかな)

 『ウェイト・アンティル・ダーク』を発現!
 それを人吉の方へと向かわせ……


    ゴ   ゴ          ゴ ゴ ゴ ・ ・ ・


 掌から『蜜蝋』を出して、人吉に嗅がせるッ!


   ┌─────────────────────────┐
   │ セルフミッション:不快感を与えずに人吉を起こせ!     .│
   └─────────────────────────┘

 場所にそぐわない『蜂蜜』の香りで……
 うたた寝ている人吉の脳に違和感を起こさせて、覚醒を促す算段だ。

61 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/08(火) 01:02:22
>>60
「……………すぅ……」

スン

 『熟睡』しつつ、漂ってきた甘い香りに、反射的に鼻をひくつかせる。

「んむ……?
…………………んぅ」

スン スンスン

 匂いを辿るように、その手がひらひらと中空を彷徨い――

パチ

「………………いい香りねえ……あら?」

 見事、『目覚め』させることに成功したッ
(報酬は出ないけど)

「……ええと……おはよう、かしら。
……あら? 『この子』は……?」

 まだ寝ぼけ眼のまま、『牡丹』に挨拶する。
と――その傍らの『像』に『気付いた』。不思議そうに、それを見つめる。

62 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/08(火) 01:26:15
>>61

「あ、えーと……」

 見えている、ということは、スタンド使いか。

「き、気持ちよさそうに寝てたからさ!
 『アロマキャンドル』の真似事でも、と思って」

 誤魔化すための小さなウソだ……。


「それは、『ウェイト・アンティル・ダーク』。アタシのスタンド」
「色々な『蝋』を作れるんだけど……」

 見えている相手には、説明が省けるのでイイ。

    と、

              ブ〜〜ン・・・


 『蜜』の匂いに誘われてか……
 蜜蜂が、どこから迷い込んできた。

 人吉の周りで、匂いの元を探して飛び回り始める……。

63 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/08(火) 01:49:02
>>62
「『アロマキャンドル』……いいわねえ、わたしも大好きよ〜」

 のほほんと返事をしてから、やってきたミツバチを
寝ぼけ眼で見る。

「『蝋』……なるほど、『蜜蝋』ねえ……
でもこの子たち、なんだか迷ってるみたい」

『メヘェェェェェ』

 ポン、と、人吉の傍らに『像』が現れた。
『羊』と『枕』のあいの子のようなデザインだ。

「ええっと……どうなるのかしら……?」

64 牡丹『ウェイト・アンティル・ダーク』 :2016/03/08(火) 22:41:30
>>63

>『メヘェェェェェ』

「かっ……!」

 かわいい。

 衝撃を受けたように、ヴィジョンを見たまま少し固まっているが……



  ヴ〜〜〜ン・・・


「……まあ、そうだね。
 いきなり刺してくる! ……なんてことは、ないだろうし。
 一足早い春の報せってことで、好きに飛ばせてやればいいんじゃない」


 蜂は所在無さげに、店をうろついている。

 その様子をほほえましく眺めながら、席を立つ。

65 人吉 佐和子『クラウド・ボーイ』 :2016/03/08(火) 23:04:13
>>64
「あらぁ……そうなの?
うふふ、それじゃあねえ」

刺さないなら、まあ良いかな……と、のん気に佇み、『牡丹』を見送る。

……店内を飛ぶ『蜂』に、店員が軽くパニックになったとかならなかったとか、
その辺りは、まあ、別の話である。

『メヘェェェェェ』

66 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 14:50:30

「…………むむむ。」

ここは街道に面する『おもちゃ屋』だ。
最新式のデジタルゲームからアナログな物まで取り揃えている。

        カチャ
             カチャ


鹿撃ち帽を被った銀髪の少女――小角は今、知恵の輪をしている。
お試し品として、いくつか開封して置いてあった物を。

           カチャ

   カチャ

         しかし一向に外れる気配がない。
         なので、このように悩んでいるわけだ。

(力づくじゃなきゃ外れないんじゃあないか……
 いや、そういう考えはあまりにも知性に欠ける……ううむ。)

67 朝山『ザ・ハイヤー』 :2016/03/30(水) 15:48:52
>>66

「うおおおおおおぉぉ!! とぉぅ!! っス!!」

 クルクルクル シュッ タン!


 例え市井の『おもちゃ屋』であろうと雨の中火の中あの子のスカートの中でも
颯爽華麗魅惑に参上!! 悪の首領モーニングマウンテンっス!!

 「悪の組織の首領モーニングマウンテン! 困っている人間を前に
ズバッと参上!!」

 シャキーン!!

 ポーズも完璧! 今日は星見町のマスコットの『ほしみまくろう』の
お面も付けているっス! 誰にもバレない完璧な変装っス!!

 「そこの少女!! どうやら、お困りのようだっス!
この悪の組織の首領のモーニングマウンテンなら、貴方の困ってる
トラブルも水道管修理よりもパパっと解決してあげるっス!
 さぁ、解決する代わりに悪の組織へ加入するっス!
今なら加入するのに特典としてシャーペン上げるっス!」

 この少女はシャーペンを結構使いそうな顔してるっス!

悪の首領としては知的なプレゼントをあげて仲間を募る!
 これぞ悪の首領の話術っス!!

68 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 16:35:55
>>67

「うわっ!? ……な、なんだ……!」

          「あ……悪の組織!?」

   ヒキッ

やや引いて、後ずさる小角。
なにせここは――おもちゃ屋。公園とかではない。

(な、なんなんだこいつは……悪の首領!?
 このお面は『こぜにくろう』……の仲間だったろうか?)

      (と、ともかく、関わり合いになりたくないぞ……)

奇行に走る仮面の女。
小角の目にはそう映って、それはこわいことだ。

「い……いや、結構だ。
 知恵の輪は自分で解かなきゃ意味がないし……」
 
        「ほ、ほうっておいてくれたまえ……」

    プイ

                    カチャ  カチャ 

目を逸らして、知恵の輪に戻る。
これでどこかに行ってくれればいいのだが……どうか?

69 朝山『ザ・ハイヤー』 :2016/03/30(水) 17:09:36
>>68

>い……いや、結構だ。知恵の輪は自分で解かなきゃ意味がないし……

 「む……そうっスか。それならば仕方がないっス」

 と、意外や意外。悪の首領モーニングマウンテンは小角の思惑通りに
向こうへと……。


     ……ジーーーー

 い、いや行ってない!

ゲームコーナーの陳列棚から頭だけ出して伺うようにして小角の
挙動を見守っている!! まだまだ苦戦して解けないようなら
颯爽とまた華麗に参上して小角を悪の組織に加入させる気満々だ!!

  チラ チラ

 (悪の組織の首領モーニングマウンテンは一度断られたぐらいでは
諦めないっス……どこかしら勧誘ポイントが見つかる筈っス!!)

 物陰から見つからず(と本人は思ってる)小角が知恵の輪を解こうと
するのを見守る。さぁ……悪の組織の誘惑に耐えれるか! 小角!!

70 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 17:42:18
>>69

「まったく……」

(春になると変なやつが出るというからな……)

     カチャ

            カチャ

  カチャ



(ううむ、やはり解けないな……
  だめだ、さっきから同じことばかりしている気がする。)

思考が堂々巡りする。
それになんだか、見られている、ような――

「……あ!」

        「な、何を見ているんだ!
          用がないなら向こうに行きたまえ!」

やや遅れて物陰にいる朝山に気づき、少しだけ声を荒げる。

「……おほん。」

       カチャ

       (お、落ち着かなくては。わたしは知性派だからな……)

              ・・・ジー

そして咳払いをしてから、知恵の輪に戻る。
目を細め、輪と輪のつながりをつぶさに観察する小角・・・

71 朝山『ザ・ハイヤー』 :2016/03/30(水) 18:01:48
>>70

>な、何を見ているんだ! 用がないなら向こうに行きたまえ!

 (うーむ 手強いっス!)

悪の首領モーニングマウンテンは小角の態度に頭を捻る!
 どうすれば、この少女を悪の組織に勧誘出来るのか! それを考える!

一番目に考えるのは、知恵の輪の何処らへんを弄れば解けそうなのが
教えてあげるという方法だ。
 (けど、私もよく知恵の輪の事はわかんないっス)

では二番目の方法。『ザ・ハイヤー』を発現し、『再分配』で
精度を上げてあげて知恵の輪を解かせてあげ、その助力をした
悪の組織モーニングマウンテンを彼女は尊敬し加入する。

(いや、スタンドが見えないだろうから、やっても気味悪がるだけっス)


ならば三番目は……と、言うところで朝山は 考えるのを止めた。

 (ん〜〜〜〜〜〜!!! 難しく考えるのは疲れるっス!!
こう言う場合は ――パワフルにいくっス!!)

 「ぬお〜〜〜!!!」

 クルクルクル シュッ タン!

 小角の横へダッシュして、その開封済みの置いてある『知恵の輪』
小角が持ってるのとは別のものを持つ! そして!!

 「むおおおおおおお!!! パワフルっス パワフルっス!
パワフルにいくっス〜〜〜!!!!」

 ギリギリとパワフルに『知恵の輪』を解いてみるっス!!
持ち前の力で『知恵の輪』を解く! この悪の首領の力ならば……!!


 「うおおおおおおおおおーーーーーーーーー!!!!!」



 ――数秒後。



 「ぜぇ   ぜぇ……ぜんっぜん解けないっス……!!?」


 だが、知恵の輪を前に膝をつくニュー・エクリプスの首領
モーニングマウンテン! 人並みのパワーじゃ引きちぎる力技でも
解く事は無理そうだ!!

72 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 18:43:13
>>71

「…………」

 クルクルクル シュッ タン!

       「!? こ、こんどはなん――」

言いかけたところでパワフルさが始まった。
元から丸い目を丸くする小角。

(な、なんなんだこいつは!! 
 ま、まさか本当におかしいやつなのか……!?)

       (そ、それとも……
         わ……わからない!)

無視しようともしていたが……
思わずそちらに振り向いてしまって。

「よ、よせめちゃくちゃなことは……!
 これは『知恵の輪』なんだぞ! 知恵を使いたまえ知恵を!」

        ビシ

無理やり引かれてもびくともしない知恵の輪を指さす。
こいつは知恵でなくては倒せないのだ……それを改めて知らされる。

73 朝山『ザ・ハイヤー』 :2016/03/30(水) 19:09:10
>>72

>よ、よせめちゃくちゃなことは……!
>これは『知恵の輪』なんだぞ! 知恵を使いたまえ知恵を!

 「クッ た、確かに言う通りっス。『知恵の輪』は知恵を使い破る為の道具!
力技ではどうにも太刀打ちできないっス!!」

 立ち上がり構えるモーニングマウンテン!
だが悲しきがな! モーニングマウンテンは、はっきり言って頭を使った
ものは苦手である!! これは、生まれながらの悲しき性分である!!!

 ――カッ!!

「人間は、いや原始人は火を使い始めて『文明』というものを築き上げたっス!」


 ゴォォォォ!!!

 呼気を高め、『知恵の輪』を掲げモーニングマウンテンはじっと見つめ
ズボンのジャージのポッケに手を入れて力を込める。

 「ならば……私も先人の『知恵』に則り……こいつを倒すっス!!」


  ――うおおおおおおおおおおぉぉぉ!!




 ヒョイッ  パシ

 「このペンチを使って、思いっきりグイッ……と」 

 何故か持ってたペンチで、知恵の輪を思いっきりひんまげようとするー!!

いまにもペンチは知恵の輪の金具を切りそうである。

74 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 20:07:25
>>73

「あ、当たり前だろう……
 さあ、分かったら向こうに行きたま――」

       「え?文明?な、何の話だい?」

                        「えっ……?」

ジャージから出された道具――
それはどう見ても『ペンチ』。なぜ? いや、分かるが。

             ・・・本気か?

「わ、わああっ! 何をしてるんだきみは!
 しょ……正気じゃあないんじゃあないのかっ!?」

(ほ、本当にまずいぞ、この女……わ、わたしでは止めようがない!)

            「て、てっ……」

この後に続く言葉は――

1.天才
2.テクニシャン
3.店員さん

         「てんっ」

どうやら2分の1確率で修羅場が待っていそうだが――『どうする』?

75 朝山『ザ・ハイヤー』 :2016/03/30(水) 20:19:01
>>74

 >てんっ

 「んん? てん……??」

 ベンチで思いっきり『知恵の輪』の金具を切ろうとしたら
何時の間にやら焦った顔で何やら言い募ろうとしてる少女『小角』

 あまりにも必死な顔だったので、ベンチを離し、その顔を見つめる。

 「てん、てん、てん……っ解ったス!! そちらの言いたい事が!」

   ビシ!!


「―ズバリ! 天津飯が食べたい!! そう言う事っスね!?」

 『ほしみまくろう』の仮面が無ければドヤ顔が目に浮かびそうな
オーラ―を纏いながら人差し指を向けて宣言する!

 そして、小角の両手を握って回る 回る 回る!!

 「やったっス! ハッピーっス!! 天津飯は私も大好きっス!!
炒飯 麻婆豆腐 肉まん 桃まん 餃子にラーメン 
中華は美味いっスーー!!」

 なに、話に整合性がない? そんなのはパワフルの前では意味ないっス!!

「天津飯仲間にこんな所で出会えるとは思わなかったっス!
 ここは感激と感謝の『エクリプス・ダンス』で共に祝うっスー!!」

 と、小角の手を取りながら店の中である事に構わず踊り出そうとする。

ノリと勢いで、言葉の中にやばいワードを混ぜたのに気づいてない。

76 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 21:05:52
>>75

朝山はパワフルかもしれないが……
小角は『クレバー』なタイプを自認している。

          ・・・まあ、そうでなくとも。


「……は?」

              「よ、よくわからないが――!」

     タッ

手を握られる前にその場から飛び退く。

「てっ、店員さん! こっちに! 
 こっちにお、おかしな事をするやつが……」

             「うわっ!」

     ガシッ

・・・が、逃げきれずににぎられて、回る。回る、回る!
もっとも今の声で、店員がすぐにでも来てもおかしくないけれど――

「ええいっ、な、何をわけの分からないことを……
 あ、あ……頭がおかしいんじゃあないのかきみは!?」

      グルン

               「うわああ離せっ!
                 ま、回るのはよした――」
 
           グルン

      「エッ――
        エクリプ……わあっ!?」

                   ・・・今は小角も混乱している。
                       『面倒がない』最後のタイミングだ。

77 朝山『ザ・ハイヤー』 :2016/03/30(水) 21:19:59
>>76

 パッ!

回るのも、ある程度満足して手を離すモーニングマウンテン!
 パワフルっス! 全てにおいてパワフルは不可欠なんっス!

 「天津飯仲間に出会えて嬉しいっス!
けど、天津飯ばかりじゃ飽きもするんで偶にはカレーやオムライス
 鮭に御飯に色んなものを食べる事をモーニングマウンテンは勧めるっス!」

 シュパ!! シャキーン!!

 悪の組織のポーズと共に、天津飯仲間へ指導するっス!
健全なる悪の活動には、健康な食事が欠かせないっス!!

 「では! 名もなき天津飯の友よ!! 次に会う時は
他の食べ物で語らうっス!! さらばっス!!」

 タッ!!

 食べ物の話で腹もそこそこ空いたモーニングマウンテンは
はやる気持ちを抑えつけ、御飯のまつ家路へと華麗に走る!

 だが、悲しきがな!!


 彼女の帰る家で待つ食事は、恐らく彼女にとって嫌いな
ピーマンの入った料理とは、モーニングマウンテンには知る由もない……。

78 小角 宝梦『イル・ソン・パティ』 :2016/03/30(水) 23:25:41
>>77

「あっ、ど、どこに行く!?」

        ・・・

     ・・・


              ・・・

取り残された小角。
店員に事情を説明した後――


        「う……ううむ……」

「ま、まるで意味が分からなかったが……
 て、天津飯? ……エクリプス、というのは……」

           「き、聞き間違いかな。
             うん、きっとそうだろう。」

小角は呆然としたまま、ずれた帽子を直して。
知恵の輪を、容器へとしまいこみ。
 
     「……」

             「か、帰ろう。」

よく分からない気持ちになったけれども――
ともかく、家に帰ることにしたのだ。

                  ・・・ちなみに知恵の輪は買った。

79 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/21(木) 23:26:06

カチャ
  
           ピピピピ

        ピピピピ

   ピ ピ ・・・

「…………」

ゲーム筐体に向かう恋姫。


   ピコン★
 
       「えひ」

ここは星見街道に面するおもちゃ屋。
その店先には、玩具を賞品とした『ルーレットゲーム』が置かれている。
 
            ・・・それを回しているのだ。

(このインフレマシマシの当てさせる気のなさ……逆に面白いわ……)

しゃがみこんでコインを投入する。
黒いパーカーのフードを目深く被ったその姿は、やや怪しい。

80 流星 越『バングルス』 :2016/04/25(月) 23:49:35
>>79

   「………………」

その後ろで――――パンキッシュなファッションの小柄な少女が立っていた。
尾のように垂れた栗毛の三つ編み、赤ブチの眼鏡、能面のような無表情。
そんな少女が恋姫の後ろに立ち……

      シャーッ

         パシッ

      シャーッ

         パシッ

……なぜか黙々と『ヨーヨー』で遊んでいた。
視線はずっと『ルーレットゲーム』に向けられている。

      シャーッ

         パシッ

      シャーッ

         パシッ

81 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/26(火) 00:05:42
>>80

      シャーッ

         パシッ

      シャーッ

         パシッ

              デレレーン(これは悲しいSE。)

「………………」

      イラッ・・・

嫌な音に前後を挟まれた恋姫はささやかな苛立ちを覚える。
もっとも、ゲーセンのギャラリーよりは静かだが・・・

         (後ろで……何やってんだよ……)

   (この音……意味わからん……)

           ボ ボ

謎めいた――空気を切るような音?
思わず『ブルー・サンシャイン』の顔を発現し、後方を――

「…………」

         ビクッ

(な……なんだこいつ……えひ、こわ……『帰っパ』しそう……)

ヨーヨー。
能面顔。
派手な装い。

恋姫は警戒を深めつつ、手を止めて振り返る――しゃがんだままだが。

    「な……なんだよ……お前。
      ……順番待ち? 代わってくれって……?」

            「何か言いたいなら……日本語でOK……」

                        ・・・桜色の瞳を、やや逸らす。

82 流星 越『バングルス』 :2016/04/26(火) 00:20:25
>>81

   「えっ」

   「……えーっと」

……恋姫が振り向いたことか、話しかけてきたことか……別のことか。
いずれか、あるいは全てが予想外のことだったようで、少女は僅かに硬直した(表情は不動だったが)。

   「ぷ、ぷるぷる。私は悪いギャラリーじゃありませんよ」

   「陽気でお茶目で無害な妖精さんみたいなものだと思って頂ければ……」

   「その……」

   「…………」

      シャーッ

    ヒュン

         シャッ

       スッ

   「す、『ストリングプレイスパイダーベイビー』」

      バァァァァーーーン

……なんか『テクニック』を披露し始めた。
何の意味があるのだろうか……?

83 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/26(火) 00:54:49
>>82

「………………………えひ。」

     「えひ」

           「えひひ」

  エヒヒ

ひとしきり笑ってから、恋姫はヨーヨーを目で追いつつ立ち上がる。

「……『ドラクエ』好きなの……?」

        「……」

ごまかしのセリフがよかった。
恋姫は口元を薄くゆがめて。

「……こんなゲーム、見てて面白いか? えひ。
 まあ……べつに……ニフラム唱えたりは、しないけど……」

    チャリン

          「……見とくの……か?
           見物料は……タダでいいぜ。……えひ。」

またコインを入れて――ルーレットが、回り始める。
ちなみにだが、当たったとしてももらえるゲーム機はもう持っている……
                    
          ピピピピピヒ

                   ・・・当たるだろうか?

84 流星 越『バングルス』 :2016/04/26(火) 01:10:47
>>83

   「ほっ……と露骨に安堵しまして」

   「……一般教養程度にはゲームも嗜んでおりますので。
    これからの高度に電脳化が進んだ社会に適合するための淑女の嗜みです」

   「とか言い出す人がいたら淑女という言葉の意義をいちから見直さなくてはなりませんね」

『ストリングプレイスパイダーベイビー』を解き、無表情のままほっと胸を撫で下ろすジェスチャー。
そして立て板に水と言わんばかりにつらつらと言葉を紡ぎ出す。

   「……ともかく」

   「あまりこう言ったゲームに興じる人は昨今見なくなりましたが、見ていてなかなか飽きないと言いますか」

   「このあまりに渋い排出にはそそるものを感じます。
    なのでやる分にも嫌いではありません」

      「……あまりやりませんが」

   「まぁそこは賞品が無くとも『すごろく場』が楽しいみたいな話ということで。
    なので見ているだけでも十二分に」

    シャーッ

   シュッ

        ヒュン

      ヒュン

   「…………」

口は流暢に動きつつ、手は滑らかに『ヨーヨー』を操る。
その間も常に無表情。
……どことなく、言いたいことを飲み込んでいる雰囲気も感じられるような……いや、まったく感じられないような……

85 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/26(火) 01:25:46
>>84

       デレレーン

外れた。
ちなみに、一度当たっただけではだめなのだ。

            ・・・ズルい商売だ。

「…………」

「お、おう……」

(電波……ゆんゆん出てそう……
 えひ、まあ……わるい電波じゃないかもだしな……)

       「……すごろく場ってより、課金ガチャかな。
        リアルマネーで殴るゲーム……直球すぎか。えひ。」

   チャリン

想像を上回る流星のペースに面食らいつつも、コインを投入する恋姫。
別に浪費が趣味というわけではないが……

(なんとなく……もうちょい引けない感じするな……
 まあ……でも、あと500円……ワンコイン以内がリミットかな……)

       ピピピピ

「…………」

   ピピピピ

      「…………」

          デレレーン
  
             「…………なんだよ……
               僕の顔に……スライムでも付いてる……?」

     イラリ

何となく、視線に意図を感じて――恋姫はやや口をとがらせて聞いてみる。

86 流星 越『バングルス』 :2016/04/26(火) 01:42:14
>>85

   「悪名高い『ボックスガチャ』と言う奴ですね」

   「……違法ガチャこと『コンプガチャ』の方が近いかもしれませんが」

       スッ

     クルッ

         バァァァン

『ヨーヨー』を操りながら、淡々とコメントする。
いわゆる『ソーシャルゲーム』に関しては、そこまで詳しいわけでもない。

   「あ」

   「いえ」

   「その……なんと言いますか」

そして再び、咎めるような問いかけにバツの悪そうなジェスチャーを返す。
次いで思案するポーズ。……当然のように無表情。

   「……『顔』は、出てらっしゃいましたね。さっき。鳥っぽいの」

   「こんな時どんな顔をすればいいのかわからなくて……笑えばいいんでしょうか?」

   「がはは」

笑い方のチョイスが無駄に豪快だった。

87 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/26(火) 23:13:09
>>86

「……返金騒動には、ならなそうだな、こんな景品じゃ……」

     チャリン

         「射幸心をじゃぶじゃぶ……
          えひひ、煽られやしないもん……」

ダウナーな笑いをこぼしつつ、取り出したコインをさらに投入。
射幸心ではない何かを煽られているのか?

              ・・・それより。

「……」

      ボボ  ボ!

恋姫は困ったように小首を傾げて――その動きに遅れて『顔』。
ペスト医師の仮面、黒い帽子、ほんのわずかに浸み出す『青色の炎』。

「見えるんだ……伊達に『受信』してないか。
     …………えひ。こういうの、言ってみたいセリフだった。」

   「こういう時は……
    フラグ折らないように〜……」

         「選択肢は慎重に〜……」

   クル

少しだけ、髪を指で巻いて。
何となく――ほころぶ表情。

「……えひ。なんだその笑い方。
 お前のキャラ……それこそ笑えばいいのか……」

      「……えひ。」

             エヒ…

息を漏らすような――静かでくらい笑みと共に、恋姫は言った。

          ボ  ボ
 
                ・・・凶鳥の『青焔』も、笑った。

88 流星 越『バングルス』 :2016/04/26(火) 23:49:29
>>87

   「ふっ、まさかこんなところでご同輩に会うとはな。
    その力……いや、何も言うまい。いずれ語る時も来るだろう……」

   「……みたいなセリフ、確かに一回言ってみたかったところです」

顎に指を当て、思案のジェスチャー。

   「…………選択肢間違えるとバットエンド直行だったりします?」

   「『はい』でも『いいえ』でも同じ質問に戻るタイプだと気兼ねなく答えられるのですが」

   「ほら、私、せっかくなので赤い扉を選んでしまうほうなので」

そんなことを言いながら、右手をポケットに突っ込んだ。

89 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/27(水) 00:28:39
>>88

「えひ……分かり手だ…………それ。」

    グルン

『顔』が消失する。

         デレレーン

また外れたルーレットから目を逸らし。
口に緩やかな曲線を作る。

     ニタァ

「ノーセーブ、残機ゼロで死に覚えゲーとか……えひ。ねーよ。
 プラクティスモード気分で……ネタ選択肢でもいいんじゃね……」

     パチ…

俯き加減に瞬きして。

    「あ……変なフラグとか……
     立っちゃうかもだけど……えひ。」

思い出したように、そう付け加えて穏やかな笑みを深めた。
視線は、ポケットに入れた右手へ、ゆっくり。

        チラ…

「……てっててー、てっててー、てって―♪
 なんちゃって……そろそろ制限時間。時間切れしたらぁ……えひひ。」

          「おお、こわいこわい……」
    
                          ――冗談っぽく身振りする。

90 流星 越『バングルス』 :2016/04/27(水) 02:52:25
>>89

   「『遅延バッドエンド』はノーセンキュー、です」

   「……というかチュートリアルと見せかけてルート分岐に関わってくるとか、新機軸なクソゲーですね?」

   「それこそ訴訟も辞しませんが」

表情は相も変わらずの鉄面皮。
楽しんでいるのか、訝しんでいるのか。

   「……さて、ともあれこの手の選択肢は時間切れが最もマズいと相場が決まっておりますので」

   「――――そうですね。とりあえず」

          スッ

   「てってれてってってー」

ポケットの中から、『スマホ』を取り出す。
液晶がロック画面のままに光を放ち――――そして、消失する。

       ズ
        ギ
         ャ
         ン

   「一方的になんかカッコイイのを見せられて屈辱なので、ここは私も『出して』みましょう」

                            バングルス
   「『顔』はありませんが――――自慢の『 腕 輪 』を」

スマホが消え、少女の腕を鎧が覆う。
手には盾。そこから伸びる剣――――『ランタンシールド』。

   「どやっ」

……無表情だが、どことなく自慢げだ。

91 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/27(水) 23:12:40
>>90

「お前……ノリいいのな。さっきから思ってたけど……」

視線が動く。スマホを追って。
そこに何か意味があるというのは、分かるから。

「セルフSEとかうける……
 えひ、僕も嫌いじゃないぜ、『ネコどら――」

       ズ
        ギ
         ャ
         ン

      「…………!」

現れた『鎧』に、目が細まる。
恋姫は首を動かし、笑みを浮かべながらそれを観察する。

      「……」

    「おぉ……」

「……かっこいいじゃん。
 伝説の武器って感じ……レア度高そう…………」

などと、やや喜色を帯びた感想を述べる恋姫。
それから。


   「……どや声、むかつくな。……えひ。」


たいしてムカついちゃあいない顔で、そう言って笑った。

92 流星 越『バングルス』 :2016/04/27(水) 23:34:20
>>91

   「ふふん。陽気で素敵でゴキゲンな女学生、『流星越(ながれぼし・えつ)』と申します。
    どうかお気軽にエッちゃんとでもお呼びください。ぶい」

左手でピースサインを作った。
ご機嫌だ。

   「どうでもいいですけど、『女学生』っていうとちょっとフェティッシュな感じしますよね。
    『女子高生』以上に背徳的な響きが、ほのかに」

……ご機嫌だ。

   「ともあれこちらは自慢の『バングルス』。
    ええ、ええ、イカしてるでしょう、クールでしょう」

   「強くてカッコよくて、しかも光るのですから」

      「破滅の呪文をくらえっ」

表情をピクリとも動かさずに、しかしどことなく喜びのオーラを振りまきつつ。
『盾』を脇に向けた。
次の瞬間……『バングルス』が光を放ちながらボロボロと崩れていく。
内側から漏れ出すように、盾が崩れて光へと変わっていき、最後には元通りの『スマホ』が手中に戻る。

   「まぁ……ご同輩に会う機会はあまりなかったので、レアかどうかはわかりませんが」

93 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/28(木) 00:01:56
>>92

「……別に名前は聞いてないし……
  えひ、お前のフェチも聞いてないよ……」

    「……」

      「『恋姫(レンヒメ)』……稗田、恋姫。
        ……あんま変な呼び方は、NG。」

少し俯きつつ、名前を返した。
それからまた、視線を『バングルス』へと戻して――

「光るの……?
 っ! うおっ、まぶしっ……」

       キュ

目を細めて、光――もとい『破滅の呪文の光』を、睫毛越しに見る。

     「あ、いや……目がぁ、目がぁ……」

            「……えひ。」

などとやっていると、『スマホ』に戻っていて。
細めていた目を、ぱちぱちと二度ほど。

「僕も……まあ、そこまで詳しくはないけど……
 ……武器、で……しかも『物を武器に変える』のはレアなのかな……」

           ボ   ボ

    「人型のが……一番多い気がする。
      ……えひ、漫画みたいな話してるよな、ほんと。」

         背後に現れた、ヴィジョンの全身。
         青い焔を揺らめかせる黒衣、朽ちた翼――

94 流星 越『バングルス』 :2016/04/28(木) 00:21:19
>>93

   「稗田恋姫さん」

   「……くっ、名前の可愛い指数での敗北を喫しました。不覚」

なんか勝手に負けて勝手にダメージを受けた。

   「…………稗田さんも、結構色々とノリノリでいらっしゃいますね?」

ともあれ、『スマホ』をガンマンがホルスターに銃をしまうようにポケットに入れる。
本人は、こてんと小首をかしげる。

   「……ああ、それにしても」

   「やっぱりズルいですよ、稗田さん」

   「なんですかその『ダークファンタジー』の世界からやってきた感じのは。
    飾りっ気ありまくりじゃないですか。ぷんすかぷん」

腰に手を当て、怒ってますというポーズ。
もちろん、本当に怒っているわけではない。無表情なので色々とわかりづらいが。

   「もちろん私の『バングルス』がダサいとかそういう話ではありませんが。
    そこはほら、『隣の芝生は青い』という奴ですので。
    ええ、ですので私の『バングルス』の方がカッコ悪いとか、そういう話ではないのです」

95 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/28(木) 00:47:32
>>94

「…………えひ。
 別に……可愛くはなくない……」

          ェヒ

笑みの色が変わったけれど、それは『不快』ではない。

「……こういう……の、あんまり、通じないからさ。」

          「…………嫌か?」

    クイ

『流星』より少し浅く、小首をかしげる。
それから。

「……」

   チラ

後ろに立つ、『ブルー・サンシャイン』を見て。

「……えひ……嫉妬乙……」

振り向いて、そう言った。
青い焔がゆらゆら揺れる。

            ニマ…

「……えひひ。ジャンルが違うんだ。
 僕の『ブルー・サンシャイン』と……お前のは。」

          「比べても……しょうがないぜ。」

声の調子がやや上ずっているので――恋姫は喜んでいるのだ。

96 流星 越『バングルス』 :2016/04/28(木) 01:05:54
>>95

   「……私は嫌なことがあるとおなかを食い破ってエイリアンが飛び出て来る難病なのですが」

   「今日は出て来る気配がありませんね、エイリアン」

つまり、そういうことだった。

   「……まぁ、なんといいますか」

   「率直に申しまして、気分が高揚しております」

   「私も、その、普段あまり通じませんので」

ピクリとも表情を動かさず、所在なさげに手を胸の前でぎこちなく動かしながら。
視線をどこかに逸らし、淡々と。

   「ですので、ええと」

   「ええと……なんて言えばいいんでしょうか、こういう時。
    口下手なので、困ってしまいます」

   「あるいは……どうすればいいんでしょうか、こういう時。
    控えめなので、困ってしまいます」

……流星には、友達が少ない。
最近ようやく友達ができたが……それでさえ、本人からして見れば奇跡のようなもので。
だから、こういう時に伝える言葉やするべきことが思い浮かばないのだ。

   「ええと、もちろん贅沢な困り方なのですが……」

97 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/28(木) 23:12:37
>>96

      ジリ…

なん、となく。
恋姫はもどかしい気持ちになったけれど。
それは多分、必要なもどかしさだと思った。

「……」

     ジリ   ジリ

「僕、も……基本、あんまり……
 えひ、あー……ぼっち、だから……いつもは。基本……」

独りぼっち――
でいる時間は、昔よりは減ったと、そう思う。

けれど、相変わらず日々は、一人で過ごす事の方が多いから。

「言わせんなよな恥ずかしい……
 えひ、別に、いないわけじゃないけど……」

            「……なんて、言いわけ乙。えひ。」

   クシャ

服の裾をゆるくつかむ。

恋姫に近付いてきてくれたひとたちは、みんな、向こうからだ。
それにだって――そう、応えているだけだ。たいていは、曖昧に。
そういうひとたちだって、恋姫を受け入れてくれるし、それは心地いい、けど。

「えひ……控えめで口下手な……お前に代わって……」

     ジ リ・・・

お腹の辺りが熱い。たぶん自分は今顔も熱いのだろうと思った。

「……」

「…………なってみる、か……あー……うー……」

            「……友達、ってやつを、ひとつ……」

98 流星 越『バングルス』 :2016/04/28(木) 23:42:57
>>97

   「あ、う」

   「その……」

   「……ひゃ、百人ぐらいいますが。
    私には富士山のてっぺんで一緒におにぎり食べるようなマストなアレが百人ぐらいいますので。
    その、アレですが」

   「……嘘ですが」

切れ味が悪い、という自覚があった。
……普段の切れ味が鋭いかどうかという問題は、ともかくとして。
どことなく、歯切れの悪さが拭えなかった。
左右に泳がせていた視線を、恋姫に向ける。
手を胸の前に置く。
まるで敬虔なシスターが神に祈るように、手で手を包みこんで。

   「…………この通り、嘘つきで口下手で話下手で」

   「変な事ばかり言ってしまって、そのくせにこりとも笑わない私ですが」

言葉を切る。
一度、瞠目する。
深く吸って、深く吐く。
目を開ける。

   「それでもいいと、そう仰っていただけるのなら……」


      「……お友達に、なりたいです」

99 稗田 恋姫『ブルー・サンシャイン』 :2016/04/28(木) 23:56:45
>>98

「…………えひ。」

「そういう嘘は……いいよ。
 むしろ……えひ、好きだ。
 でも、ひとつだけ……あー……」

恋姫は、流星の顔を見上げて、少し俯きがちに。
長い髪が、影を作る。

      「……」

「『バッドエンド』には……ならないで、ほしい……」

        「……僕の事、裏切るなよな。」

少しだけ陰気な笑いが混ざった声で、そう言って。
すぐに顔を上げるけれど、どうしても見上げるのは変わらないまま。

「……えひ。なんて……」

        「じゃあ……なろうぜ。
          えひ……友達、に。」

    ニタァ

あまりからっと明るくはない、恋姫らしい笑みで、そう言った。

                   「……えひ。なったよな?」

100 流星 越『バングルス』 :2016/04/29(金) 00:19:30
>>99

   「……」

言葉をかみしめ、飲み込む数瞬。

   「…………かしこまりました」

   「そして、ご安心下さい」

誇るように胸を張って、手を当てる。
盾になり、剣になる手を。
未開の荒野を切り拓く手を。輝く光を。誇りを。

   「この流星越、タフでクールなスーパーヒロインとして巷じゃ噂の憎い奴」

   「誠実さに関しましても他社製品より67%ほど優れておりますカッコ当社比カッコトジ」

   「ですので……ええ」

   「…………少々お待ちを」

    グイッ    グイッ

      ニ   ァ
        マア 

両手の人差し指を口元に。
無理矢理口角を上げて、強引にスマイルを作った。
……流星なりの親愛の表現。

   「――――もう、『お友達』です。えへ」


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