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▲▲▲エジプト ギザ ピラミッド関連情報スレ▲▲▲
192
:
在カイロ スルタンホテル 塾長まる。
:2011/06/28(火) 05:48:22 ID:VWcPnrgY
>>191
ナグ・ハマディはエジプト南部にある小さな村で、そこにあった修道院の遺跡から、膨大な量のコプト語で書かれたパピルス写本が発見された。発見された写本のほとんどはグノーシス派の教義について書かれた文書であり、これによって初期キリスト教の研究は飛躍的に進んだ。この文書の考古学的価値は、1947年に発見された死海文書に匹敵するとも言われる。
ユダの福音書が書かれたのは、約1700年前だと考えられている。この写本は1970年代にエジプトのミニヤー県付近の砂漠で発見された。ユダの福音書は全66ページに上り、ナグ・ハマディ文書と同じコプト語のパピルス文書として残されている。
そこに書かれていたユダの記述は、新約聖書に書かれていることとは大きく食い違う。その内容があまりに衝撃的なため、発見当時は捏造を疑う声もあり、写本発見から20年以上も買い手がつかない状態が続いた。その間にも文書の劣化は進み、2002年に復元作業に着手したときには、文書は崩壊寸前の状態となっていた。
ユダの福音書によれば、イエスの真の教えを理解しているのはユダだけであり、イエスに最も信頼されていた信徒でもあった。イエスはユダを他の使徒よりも一段上の存在だと考え、皆を導いていくのは彼の仕事だと語っている。
そして、「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になるだろう」と話し、イエスから物質である肉体を取り除くことによって、内なる真の自己、つまり神の本質を解放するように言うのであった。これは、グノーシス派の典型的な考え方であり、肉体は牢獄で、その牢獄からイエスを解き放ったのがユダであったことを表している。
また、イエスを売り渡したことでさえ、イエスの言葉に従ったからに過ぎないという記述も存在する。イエスは、ユダが他のすべての使徒たちの非難の的となるだろうという言葉も残している。
なぜユダに関する記述がこれほどまでに違うのか、そこには初期キリスト教会のユダヤ教の一分派を脱却したいという意図が見え隠れする。その過程において、ユダ=ユダヤ人として描き、イエス処刑の責任をユダヤ民族に負わせることが教会にとって都合が良かったのだ。その傾向は時代を追うに連れ強まっており、福音書の中で最初に書かれたとされるマルコ福音書からヨハネの福音書にいたるに連れ、ユダの邪悪性は増していく。
福音書には、12人の使徒の名前が付けられているが、その作者は明確ではなく、現在正典として認められている4つの福音書でさえ、その作者は不明の状態だ。しかし、はっきりしていることは、初期のキリスト教では、多様な福音書が読まれ、その教義もさまざまであったということだ。ユダの福音書はキリスト教の発展の道筋を知る重要な資料であり、この発見によって、新約聖書に収められた正典福音書の内容に対する理解がさらに進む可能性があると言える。
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