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鬼和尚の仏教勉強会 講読ゼミ 6 - したらば

963避難民のマジレスさん:2023/04/16(日) 05:49:27 ID:sBUrDyBw0
荘子 77.
應帝王第七(1)
齧缺問於王倪。四問而四不知。齧缺因躍而大
喜。行以告蒲衣子。蒲衣子曰。而乃今知之
乎。有虞氏不及泰氏。有虞氏其猶藏仁以要
人。亦得人矣。而未始出於非人。泰氏其臥徐
徐。其覺于于。一以己爲馬。一以己爲牛。其
知情信。其德甚眞。而未始入於非人。

齧缺(げっけつ)王倪(わうげい)に問ふ。四た
び問うて四たび知らずといふ。齧缺因って躍
(おど)って大に喜び。行いて以て蒲衣子(ほい
し)に告ぐ。蒲衣子曰く。而(なんぢ)今之を知
るか。有虞(いうぐ)氏泰(たい)氏に及ばざる
を。有虞氏は其れ猶ほ仁を藏して以て人に要
(もと)め。亦人を得たり。而れども未だ始め
より非人に出でず。泰氏は其の臥するや徐
徐。其の覺むるや于于(うう)。一は己を以て
馬と爲し。一は己を以て牛と爲す。其の知情
(まこと)に信。其の德甚だ眞。而して未だ始
めより非人より入らずと。

注;
應帝王;此の道を修めて応に帝王たるべし。
齧缺、王倪;cf.荘子8,25,26等に既出
因躍而大喜;(之に因りて大知は到底無知にあ
 ることを悟り)小躍りして大に喜び、
有虞氏;舜帝
泰氏;古の帝王
其猶藏仁以要人。亦得人矣;仁といふ徳を懐
 きて以て人心を己へ結びつけたり、
出於非人:人を人として扱ひたるものにあらず
其臥徐徐。其覺于于;臥する時は安寛に、覚
 めたる時は自得して、眠覚ともに無心で
一以己爲馬。一以己爲牛;人が或は馬と呼
 び、牛と呼ぶに任せた
其知情信。其德甚眞;其の知は真実にして虚
 ならず、其の徳は順一にして偽なく、
而未始入於非人;始めから人を是非するよう
 な有為の中に入らぬものである。有為;因
 縁によって生じた、生滅・変化してやまな
 い現実のありさま。

應帝王第七(2)
肩吾見狂接輿。狂接輿曰。日中始何以語女。
肩吾曰。告我。君人者以己出經式義度。人孰
敢不聽而化諸。狂接輿曰。是欺德也。其於治
天下也。猶涉海鑿河。而使蚊負山也。夫聖人
之治也。治外乎。正而後行。確乎能其事者而
已矣。且鳥高飛以避矰弋之害。鼷鼠深穴乎神
丘之下。以避熏鑿之患。而曾二蟲之無知。

肩吾狂接輿(きょうせつよ)を見る。狂接輿曰
く。日中始(じつちうし)何を以て女(なんぢ)
に語れると。肩吾曰く。我に告ぐ。人に君た
る者己を以て經式義度を出さば。人孰(たれ)
か敢へて聽いて諸(これ)に化せざらんやと。
狂接輿曰く。是れ欺德也。其の天下を治むる
に於けるや。猶ほ海を涉(わた)り河を鑿(う
が)ち。而して蚊に山を負はしむるがごとき
也。夫の聖人の治たる。外を治めんや。正し
て後行ふ。確乎(かくこ)として其の事を能く
する者のみ。且鳥は高飛(かうひ)して以て矰
弋(そうよく)の害を避け。鼷鼠(けいそ)は深
く神丘(しんきゅう)の下に穴して。以て避熏
鑿(くんさく)の患ひを避く。而かも曾て二蟲
(もう)より知無からんと。

注;
狂接輿;cf.荘子53.
日中始;古の賢人
以己出經式義度;自ら身を引き当てて、常法
 制度を布き、自ら民の模範となるならば、
是欺德也;所詮不実の徳である。
其於治天下也。猶涉海鑿河。而使蚊負山也;
 其れ(虚偽の徳)を以て天下を治めるのは、
 譬へば海を徒渉し、人工を以て大河を穿つ
 が如く(労して功無く)又、蚊に山を負はせ
 るやうなもので(到底任に耐へぬであらう)
夫聖人之治也。治外乎;眞正なる聖人の治と
 いふものは、決して外形上の経式義度など
 を以てするものにあらず、
正而後行。確乎能其事者而已矣;性命の理に
 順ひ自ら正しうして而して後に行ひ、確乎
 としてそのことを能くするのみ
矰弋;矢グルミとて、糸のつきし矢を放ち飛
 鳥を射る具なり
鼷鼠;ハツカネズミ
神丘;社壇なり、人憚りて侵すことなし
熏鑿;いぶり出す
而曾二蟲之無知;(人民を治むるに、矰弋や熏
 鑿と相類する経常義度を以てせんとするは)
 人民を以て鳥鼠よりも知なしとするか、人
 民豈鳥鼠より無知ならんや。
(´・(ェ)・`)つ


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