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鬼和尚の仏教購読会 別館

890避難民のマジレスさん:2020/08/09(日) 17:57:05 ID:OIJS2RiY0
おまけ①
商山早行 温庭筠  商山のそうこう おんていいん (Web漢文大系HPより)

晨起動征鐸 あしたに起きて 征鐸を動かす
客行悲故郷 かくこう 故郷を悲しむ
雞聲茅店月 鶏声 ぼうてんの月
人迹板橋霜 じんせき ばんきょうの霜
槲葉落山路 こくよう 山路に落ち
枳花明驛牆 きか 駅しょうに明らかなり
因思杜陵夢 因りて思う 杜陵の夢
鳧雁滿迴塘 ふがん かいとうに満つ

くま訳
早朝に、旅立つ
故郷を離れるのは悲しい
木賃宿の萱葺き屋根を照らす有明月の光を見て鶏が鳴く
足跡が橋におりた霜につく
かしわの落葉が、春が近づくのをしらせる
駅舎の土塀のからたちの花を見れば、春到来は明らかだ
それで思うのは、長安の杜陵の景色である
野鴨や雁が湾曲した池たくさんいるのである。

『三体詩』、『全唐詩』巻581、五言律詩。
*商山:漢代の初めに、四人の隠士が乱を避けて隠れ住んだことで有名。四人とも鬚ひげや眉が皓白こうは
 く(真っ白)の老人であったので、「商山の四し皓こう」と呼ばれた。
*早行:早朝に旅立つこと。
*温庭筠(おんていいん): 812〜?。晩唐の詩人。

*晨:朝早く。早朝。
*征鐸:旅の車の鈴。馬の首につけた鈴。「征」は旅行くこと。「鐸」は大きな鈴。
*動:出発の合図に鈴を鳴らすこと。あるいは鈴を鳴らしつつ車を進めることか。
*客行*故郷を離れ、旅路にあること。旅する身。
*故郷:都長安を指す。
*鶏声:鶏の鳴き声。
*茅店:茅かや葺ぶき屋根の宿屋。「店」は粗末な旅館。木賃宿。
*人迹:人の足あと。人が行き来したあと。
*板橋:木の板を渡しただけの粗末な橋。通常は石橋。
*槲葉:かしわの葉。落葉樹であるが、冬の間は枝についたままで、春の新芽が出るときに落ちる。
*枳花:からたちの花。春に白い花が咲く。
*駅牆:駅舎の土塀。
*因思:そこでふと思い起こされる。それがきっかけとなって思い出される。
*杜陵:長安城の東南の郊外にある高台。当時有名な行楽地であった。
*鳧雁:野鴨と雁。
*迴塘:回るように湾曲した池。「塘」は池の堤。または堤に囲まれた池。曲江を指すと思われる。
*迴: 『三体詩』では「回」に作る。同義。
(´・(ェ)・`)


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