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鬼和尚の仏教購読会 別館
531
:
避難民のマジレスさん
:2019/05/10(金) 02:18:35 ID:LC3de7YgO
>>529
黄金の華の秘密
スワミ・アナンド・モンジュ訳
第十四話 空観くうがん、仮観けかん、中観ちゅうがん(つづき)
そうなると 過去全体がそれに抵抗する。
過去全体が山のようにあなたの上にのしかかり、あなたを押し戻し、 あなたが
大空へ――無限なるもの、永遠なるもの、神、 にゃはんニルヴァーナへと翔け
昇るのを許さない。
これはすばらしい寓話だ。
ひとりの師がこの世を去ろうとし、 もうひとりの師が別れを告げにやって来る。
だが、なんという別れの告げ方だろう!
死という機会が使われる。
そう、ごくごく意識的な人々だけが 死によって開かれる機会を使うことがで
きる。
無意識に見られる死は敵であり、 意識的に見られる死は最大の友達だ。
無意識に見られる死は、 あなたのすべての夢を、 あなたのすべての生活様式
を、 あなたが築きあげてきたすべての世界を、 あなたが元手をかけてきたあら
ゆるものをこなごなに打ち砕いてしまう ――すべてが崩れ落ちる。
だが、意識的に見られた死は 新たなる生の始まり、 神に到る扉になる。
蜷川にながわが息を引き取ろうとしていたとき、 一休は尋ねた。
「私が道案内をいたそうか?」
彼は、死は始まりであって終わりではないと言っている。
「私の手引きはいらないかね?私の助けはいらないかね?あなたは 新しい存在
のありようを学ぶことになる。
新しい光景が開かれてくる。
あなたは 新しい次元、新しい地平に入ってゆこうとしている ――私の手引きは
いらないかね?私の助けはいらないかね?」
蜷川は答えた。
「私はこの世に 独り来て、独り去ってゆくのです。 どんな手引きができると言
うのです?」
その通り、私たちは独りで来て、独りで去ってゆく。
そしてこの二つの独りあることのあいだに、私たちは ともにあること、関係性
、愛、家族、友人、仲間、国家、教会、組織など すべての夢をつくりあげる。
私たちは独りで来て、独りで去ってゆく。
<独りあること>が私たちの究極の本性だ。
だが、その二つのはざまで、私たちは どれだけ多くの夢を見ることだろう!
人は夫や妻に、父や母になる。
人は金、権力、威信、社会的地位をかき集めるが、 空手で生まれ、空手で死ん
でゆくことをよく知っている。
この世のものをもってゆくことはできない―― それでも人は集めつつ゛け、そ
れでも人はしがみつき、執着心をますますつのらせ、 いずれ去らねばならない
この現世にもっともっと深く根をおろそう
とする。
この世界を旅籠はたごとして使うのはいいが、そこに家を建ててはいけない。
それを使うのはいい、だが、 それに使われてはいけない。
ものを所有してもしかたがない。
何かを所有しはじめたとたんに、人は それに所有されてしまうからだ。
所有すればするほど、いっそう 所有されてしまう。
使うがいい!
だが、 死がやって来つつあることを、 死がいつも途上にあることを心にとめ
て、 それを忘れてはいけない。
いつなんどき死が扉を叩き、 何もかもそのままにして 立ち去らねばならない
かもしれない。
いつもあなたは中途半端 のままで立ち去らねばならない。
人は生で何ごとも完結させることはできない。
蜷川は抜かりなく答えた。
「私はこの世に独り来て、独り去ってゆくのです。 どんな手引きができると言
うのです? 死を前にしてどうやって私を助けることができるでしょう?
生きているあいだは助け合うという幻想を抱くこともできますが、 死を前にし
てどうやって?」
彼は深遠な真理を語っているが、真理はまだまだ奥が深い。
一休はさらに高い真理をもって答えている。
これを覚えておきなさい―― 真理と虚偽のあいだに葛藤があるのではない。
真の葛藤は より低い真実とより高い真実のあいだにある。
虚偽はどこまでも虚偽だ。
虚偽に何ができるだろう?
真理をどう損なうことができるだろう?
虚偽と真実を選び分けるという問題ではけっしてない。
問題はつねに 低い真実と 高い真実の はざまにある。
蜷川が言ったことは確かにすばらしい真理だ―― 私たちは独り来て、独り去っ
てゆく。
だが、それよりもまだ高い真理がある。
一休は答えた。
「本当に来ては去ってゆく のだと思っているなら、それは君のまぼろしだ」
誰が来て、 誰が去ってゆくのか?
すべてはあるがままにある。
来ては去ってゆくというのもまた夢だ。
例えば、夜になって、 眠りにつくと、夢がはじまる。
朝になると、夢は消える。
自分はどこかに行って、 そこから帰ってきた と思うだろうか?
ふと気つ゛くと、いつもの部屋のいつものベッドの上にいる。
それはすべて夢だった!
あなたは遠くの場所まで旅をしていたかもしれない―― 月や惑星や恒星を訪れ
ていたかもしれない。
(´・(ェ)・`)
(つづく)
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