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鬼和尚の仏教購読会 別館

352避難民のマジレスさん:2019/03/01(金) 23:49:56 ID:LC3de7YgO
>>350
黄金の華の秘密
スワミ・アナンド・モンジュ訳
第八話 昏沈こんちんと散乱の克服(つづき) 
 より抜粋

あるセイロンの僧侶が私のもとに連れてこられた。
三年間、彼は眠れない状態が続いていた。
真面目な僧侶だった……それが彼の問題だった。
ヴィパッサナのすばらしさを信じるあまり、彼は朝から晩まで一日中それをや
っていた。
寝床に入って、なかなか寝つけないときにも、ヴィパッサナをやっていた。
寝床でヴィパッサナをやれば、眠れなくなってしまう。
呼吸に繊細な注意を払っている人に眠りは訪れてこない。
試してみるといい―不眠症になりたければ、試してみるといい。
睡魔を払うには呼吸を見守るのが一番だ。
なぜなら、呼吸は生であり、眠りは死だからだ。
それらは互いに対立し合っている。
子供はまず呼吸をすることによって生きることをはじめる。
人生で最初に行なわれる行為は呼吸であり、最後に行なわれる行為は息を吐き
出して、二度と呼吸をしないことだ。
最初の行為は息を吸うことであり、最後の行為は息を吐くことだ。
息をしていなければ、死んでいるとみなされる。
これを覚えておきなさい。
眠るためには呼吸の ことをすっかり忘れてしまわなければならない。
眠りは小さな死、ささやかな死であり、美しい死だ。
眠りは休息とくつろぎを与え、人は翌朝になると溌剌として 若返り、元気にな
って死体置場からもどってくる。
瞑想中に睡魔に襲われたら、呼吸を見守りなさい。
そして、夜はけっして呼吸を見守る瞑想をしてはならない。
(p294)
経文に述べられている次に重要なことがらは、 私たちがくり返している呼吸は
本当の呼吸ではない ということだ。
それは本当の呼吸の乗り物にすぎない。
本当の呼吸とは何か?
インドではそれを「プラーナ」と呼んでいる。
いわゆる呼吸は馬にすぎず、騎手は目に見えない。
呼吸はたんなる馬 であり、プラーナ、精気、あるいはヘンリ・ベルグソンが
「生命力」 と呼んでいたものがその乗り手だ。
それは目には見えない。
息を吸うとき、あなたは空気を吸っているだけではない。
あなたは生命を吸っている。
空気がなければ、生命は消えてしまう。
生命は空気を通して存在している― それは空気の目に見えない部分だ。
呼吸は花のようであり、生命は花を包む香りに似ている。
息をするときには、二重のプロセスが進行している。
ヨーガがプラーナーヤーマに大きな関心を寄せるのは そのためだ。
プラーナーヤーマとは呼吸の拡張を意味する。
呼吸が深くなればなるほど、あなたはもっと深くから生きるようになる。
呼吸が正しいものになればなるほど、あなたは長生きすることができる。
ヨーガはその秘密に大きな関心を寄せるようになった。
不老長寿の霊薬エリクサは呼吸の仕組みのなかにある。
人は長寿を保つことができる。
ヨーガ行者は最も長生きをする。
私は不老長寿をめざせと言っているのではない。
長くても愚かな人生を送る人もあるからだ。
寿命の長さが問題なのではない。
大切なのは強烈さ、深さだ。
私は長生きすることには関心がない。
それでどうなるというのかね?
愚かであるなら、早死にするほうがましだ。
あるときチンギス・ハーンが偉大な賢者に尋ねた。
「あなたの ご意見をお聞きしたいのだが、人は長生きすべきだろうか?長生き
するために何かをすべきだろうか?寿命は天が決めるものなのだろうか?」
賢者は言った。
「閣下、それは人によりけりです。例えば、あ な た が長生きされるのでした
ら、大いに困ったことになりますが、 あなたが早死にされるのなら、それは大
いなる祝福です。 あなたが二十四時間眠りつつ゛けられるのなら、それは 実に
すばらしいことです。世界のもめごとが減るからです」
それは人によりけりだ。
だが、ヨーガは不老長寿に大きな関心を寄せるようになった。
まるでそれ自体 が目標であるかのように。
ヨーガはそこで道を踏みはずしてしまった。
ヨーガはどんどん生理学的なものになっていった― ヨーガの関心は重要ではな
いものごとに注がれるようになった。
だが、秘密はそこにある―それは呼吸のなかにある。
(´・(ェ)・`)
(つづき)


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