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なぜエスペラントは普及しないのか?

265松戸彩苑:2008/10/11(土) 12:28:24
>>264 の続き)

また『シンポジウム「いま、国際交流の言語とは?」講演録』(1988年)という、1987年8
月30日に行なわれたシンポジウムの講演録があるんですけれども、このなかに田中氏の

  問題は、言葉は、やさしいから広まるのではない、ということであります。私は前にいつ
  か、エスペラントを広めるにはどうしたらいいかということを講演の場でたずねられたの
  でありますが、これからほかの講演者もでられまして討論をしますけれども、これは最
  後に言うべきことであるかもしれません。しかし、もう1回、いいことは繰り返して言いた
  いと思いますが、エスペラントは、やっている人が魅力的であれば、ほかの人も学ぶと
  いうことです。私は田舎で生まれた人間ですが、子供のときに、親戚のすてきな女医さ
  んが一所懸命ドイツ語やフランス語をやっていたから、私もあのお姉さんがやっている
  ような言葉を勉強してすてきになりたいと思った記憶があります。それと同様に、エスペ
  ラントをやる人はやっぱり魅力的であってほしいのです。

  (同書17〜18ページ)

という発言が載っているんですね。

さらに『対論 言語学が輝いていた時代』のなかにも

  【田中】(中略)いま、函館に、ロシア極東大学の分校ができているんです。そこの教授
  でロシア語の先生なんだけれどもエスペラント語がすごいうまい人がいて、彼と付き合っ
  ているうちに、エスペラントのことをもっと理解してあげようという気持ちになったんです。

  (同書109ページ)

などと書いてあるんですね。

これらの発言・文章を総合しますと

(1) 田中氏は、以前はエスペラントに批判的であった。
    しかし、エスペランティストと付き合うようになって、考えが変わった。

(2) ここで重要なのは、「理論的な知識」によって考えが変わったというよりは、むしろ「エ
    スペラントを使う人との付き合い」によるところが大きかったということである。

(3) そういう個人的な体験があったからこそ「エスペラントをやっている人には魅力的であ
    ってほしい」と何度も言っている。

(4) 以上のことを簡単に言えば、「理論」などよりも、「エスペラントをやっている人の魅力」
    という「理論とは関係のない部分」のほうがよっぽど重要だということである。

(5) 田中氏のような、1970年代から社会言語学の本を書いてきた学者でさえもそうなの
    ですから、世間の人たちなんかは、余計そうなんですね。

ということで、鈴木氏や田中氏などを見ても、やはり「理論や理念でエスペラントを理解させ
るのはムリ」だということが言えると思いますね。

それから「むしろ、エスペラントを遊びとしてやろうと考える人のほうが、よっぽど頼りになりそ
うだ」という私の持論も、こういった考察から導き出されるわけです。

学者より遊ぶ人のほうが頼りになるというのは矛盾しているように見えますが、しかしエスペ
ラントというのは現代の常識をはるかに超えてるものですので、現代の常識にしばられてい
る人間よりも、そうでない人のほうが良いという事なんですね。

(終わり)


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