レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
ID再考 & 科学と疑似科学とを判別する
-
まだ終わりではありません。次はメンデルの法則を考えましょう。19世紀のメンデルがマメ科の植物を観察して得た結論です。優性遺伝子と劣性遺伝子が交配すると、「子」の世代ではすべて優性遺伝子の表現型が現れ、「孫」の世代では3対1で優性が現れるといいます。これも確率の法則に立脚したもので、「孫」の世代が受け継ぐ遺伝子の組み合わせには、
[1]父親から優性、母親から優性
[2]父親から優性、母親から劣性
[3]父親から劣性、母親から優性
[4]父親から劣性、母親から劣性
の4通りがあり、[4]の場合のみ劣性遺伝子の表現型を示すからです。高校(中学でしたか?)の授業で教える、基本中の基本です。
では、メンデルの法則の反証とはどんなものでしょうか? 「孫」の世代が3対1ではなく2対1になる事象が、十分なサンプル数で観測されたら、反証になりますか?
ならないはずです。やはりサイコロやエントロピーと同様に、そうなる原因が探索されるでしょう。その形質に影響する遺伝子が複数あるのか。遺伝子以外の環境的要因が働いているのか。そして、結局サイコロやエントロピーと同じ問題に行き着きます。法則どおりにならない原因を発見できなかったとき、どうするかです。
結局メンデルの法則も事情は同じです。確率の法則を数学の問題として否定しないことには、メンデルの法則を否定はできず、原因の探索が無限に続くだけです。
サイコロ、エントロピー、遺伝という3つの事例にまつわる法則を考察し、事象の観測だけでは反証できないことを述べてきました。3つとも確率論に立脚しているのが理由ですが、実のところ、確率論とは関係のない法則でも、結局は同じ問題に行き着くのです。
どんな法則であれ、一見、反証と思える事象が観測されても、実はそれを説明する理由があるかもしれません。(いかさまサイコロのように)。そんな理由はないことを明らかにしなければ、反証を反証として受け入れることができません。これこそ、最初に持ち出した元素周期表で起こったことで、新しいレアアースがどれだけ見つかっても、それを説明する理由が、つまり後世の電子殻理論のようなものが、存在しないといえなければ、反証はできないことになります。その法則が確率論に立脚していようが、いまいが。
ですが、「存在しない」ことを証明するのは「悪魔の証明」です。誰にもできません。そして、ここまでくると、反証不能な理論の数は著しく増大するのです。
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板