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科学と疑似科学とを判別する(2)

98diamonds8888x:2021/07/24(土) 16:49:20 ID:Qix9q/lA
>>80
 「光は粒子∧光は波動」というか、「光の粒子説 vs 光の波動説」の話です。これを語るにはまず、粒子と波の定義が必要です。
 参考[>>2]
>この理論がどういう具体事象を予測するかを考察するには、まず、なにをもって「粒子」とみなし、「波動」とみなすかの定義が必要になります。


 【粒子の定義は極めて小さい物体としておけば観測的には明確でしょう。】小さいとは何センチ以下なんだ、とは野暮な問です。観測には誤差もあるし概念としても定量的曖昧さは許容しなくては不便です。厳密な理論展開のためには「1つの空間座標を持つ存在」とすれば厳密な数学理論に使えます。力学では"質点"という言葉がスタンダードでウィキでは「位置が一意的に定まり質量を持つが、体積等は持たない」としていますね。

 ここで質量が定義に入るのはニュートン力学以降のことで、それ以前の運動学的理論(力などの運動の原因は)においては「位置が一意的に定まり体積等は持たない存在」「1つの空間座標を持つ体積等は持たない存在」が点粒子の定義にできます。実際にはこんなもの実在しないけれども近似的には観測できるからいいのです。
  *)運動学的理論:運動の原因(力などの)は考えずに運動の様子だけ観測する。
   少なくとも運動の原因の定量的考察はしない。

 で、古代以来の天文学では太陽と月以外の天体(星々)は点とみなして十分に正確に観測事実を述べることができました。太陽と月でさえ観測像は円なので(実体が球か円板かは必ずしも明らかではなかった)、その中心を点とみなして十分に正確に観測事実を述べることができました。つまり太陽と月にも位置を一意的に定めることができたからです。


 【波の定義は粒子よりは複雑です。】複雑だと認識してもらわないと困ります。

 電磁波の予言以前には、波の実例は物質の運動(振動・揺れ・回転)が伝わる波だけでした。この、波を伝える物質は媒質と呼ばれました(定義されました)。最も観測がしやすい水面の波を例に、波の特徴を列挙します。固体内部の波のように、今でも観測できない特徴もありますが、その話は省略。

  1)媒質自体は位置を変えない。つまり同じ範囲で周期運動をするだけである。
   波の運動は媒質の運動とは別物である(一致しない)
    =>視覚的に観測可能(ちょっと工夫は必要そう)
    =>「質量を運ばない。物質を運ばない。」とも表現できる。
  2)波自体は一定方向に進む
    =>視覚的に観測可能。
    =>これが単に「波の運動」と呼ばれ、粒子の運動と区別し難くも見える
  3)常に直線進行ではなく、遮蔽物の影に回り込む
    =>視覚的に観測可能。
    =>波の回折と呼ばれる
  4)媒質以外の物体にぶつかると、その物体を動かす
    =>視覚的に観測可能。
    =>(ニュートン力学の概念で言えば)エネルギーや運動量は運ぶ
  5)2つの波が交差(衝突?)しても、その後の進行に変化がない
    =>視覚的に観測可能。
    =>波の独立性と呼ばれる(*1)。高校物理必須用語。
  6)2つの波が交差中に、振幅の強い部分と弱い部分が縞状に現れる。
    =>視覚的に観測可能。
    =>波の干渉と呼ばれる

 この中で粒子にはなく、波にしかない特徴とされていたものは、1),3),5),6),です。

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(*1)ウェブから以下を紹介
 [ttp://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/gennri/kasane.html]小学生向け。1次元波の動画がわかりやすい。
 [ttp://m.sc.niigata-u.ac.jp/~prtana/digital/digital_pt_0605.pdf]大学向け。しっかりした定義。
 2つの波が重なる現象は,2つの物体が衝突する現象とは異なり,媒質の各点に2つの波の振動状態が同時に伝わるだけで互いに他の波の進行を妨げたり,他の波に影響を与えたりすることはない。
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