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福島の甲状腺がんの諸問題の考察〈おもに過剰診断と検診有効性〉

828NATROM:2018/09/16(日) 10:18:32 ID:9GSsx8w2
小児甲状腺がんの予後が成人と比較して予後が良好なのは、この議論に参加しようかって人はすでにご存じだと思っていました。よく言われるのがStage分類。小児(正確には45歳未満)の乳頭がんにはstage III以降がありません。遠隔転移があってもstage IIです。これは遠隔転移があっても予後がいいことを反映しています。ほかにもインターネットでの記述を拾うと、

>小児の乳頭癌は診断時に進行した状態にあることが多く、再発も多いが、生命予後は成人と比較すると良好であり、死亡率は低いと報告されている。
ttps://www.shouman.jp/disease/details/01_05_060/

進行が早いとか再発が多いとか言われていますが、それらの多くは、「臨床症状を呈して発見された甲状腺がん」であることに注意してください。あって触診で触知可のものです。潜在的に小さな甲状腺がんを有するものの中から急速に増大したがんのみを観察すると、小児甲状腺がんはすべて「進行が早い」ように見えます。レングス・バイアス(length bias)とも関係してきます。一方で、成人の甲状腺がんは、検診が行われていない国でも、偶発的に症状がないうちに発見されることがあり(良性の甲状腺疾患に対する検査など)、成人の甲状腺がんの成長が遅いように見える一因になります。

それはともかく、進行が早く再発が多くても、小児甲状腺がんは予後がいいのです。それでも「生存率が100%ではないので何らかの対応は必要だ」という議論はありですが、検診の有効性が自動的に認められるわけではありません。ましてや「小児甲状腺癌の予後は悪い」という主張は誤りです。

PASSさんが持ち出した「予後は、5年生存率96.1%、10年生存率86.7%、20年生存率56.2%、30年生存率20.0%と報告されている」というお説の根拠は1986年の和文論文の参考文献で1976年と1981年のものですよ。1981年時点での30年生存率って、診断・治療されたのは1950年以前ですよ。70年前の医療水準です。参考になりますか。

探せばもっと新しい「小児甲状腺がんの予後が良い」という情報がいくらでもあったはずなのに、PASSさんは、おそらくは無意識に、ご自分に都合のよい情報のみを選んでいたんです。インターネットで医療情報を集めることの危険性が出ています。


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