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福島の甲状腺がんの諸問題の考察〈おもに過剰診断と検診有効性〉

587NATROM:2018/08/01(水) 08:38:51 ID:RzTrYzBo
>>582
>大半が経過観察で何もしませんので「医療介入」と言うのは違和感を覚えます。

PASSさんが違和感を覚えるのはよくわかりました。ただ、大半が経過観察で何もないとしても、そうではない人たちもいるわけですよね。

Q-7 甲状腺がん検診を受けた人たちは全員が経過観察になったんですか?
Q-7' その点を踏まえて、もう一度お尋ねします。甲状腺がん検診は医療介入ですか?

PASSさんが「検診が介入というのは違和感を覚える」としても、甲状腺がん検診が医療介入ではなくなるわけではありません。


>>Q-8 成人の甲状腺がん検診を行うべきですか?
>分かりません、人それぞれなのでは。

では聞き方を変えます。乳がん検診や子宮頸がん検診は公的に推奨されています。その意味において成人の甲状腺がんは推奨をすべきかどうかという問題です。公的に推奨されている検診を受けるかどうかは人それぞれです。

Q-8 成人の甲状腺がん検診を公的に推奨すべきですか?
Q-8' 成人の甲状腺がん検診を公的に推奨すべきではないとお考えだと仮定して、「死に至るような癌でも症状が出るまでは何もするなと言うのか。症状が出るまで医者にかかるなって事か」という指摘にどのように反論しますか?


>検査を行わず福島の子供が癌を発症しても自己責任ではありません。
>「放射性毒」を漏らした者の責任だと思います。

検査をしようとすまいと、被ばく由来のがんが発症したら「放射性毒」を漏らした者の責任でしょうに(私は被ばく由来であろうとなかろうと検診で発見されたがの責任の少なくとも一端は東電にあると考えますが、それはそれとして)。検診をすれば甲状腺がんの予後が改善する(有害なアウトカムを減らせる)なら検診をすべきで、検診をしても予後が改善せず害の方が大きかったら検診をすべきではありません。『「放射性毒」を漏らした者の責任』だったら、害のほうが大きい検査を受けさせてもかまわない、と言っているように聞こえます。


>>(反回神経麻痺)どれぐらい減りますか?減るというエビデンスはありますか?
>分かりません。被曝量が確定しなければ誰も分からないと思います。

被曝量が確定すればわかるのですか?たとえば現在推定されている被ばく量だと、どれぐらい減りますか?推定が誤りでたとえば実際の被ばく量は推定の10倍だったとしたら、どれぐらい減りますか?

実際には被ばく量が確定しても、検診が反回神経麻痺を減らすかどうかはわかりません。放射線治療といった住民レベルよりも桁違いの被ばくを受けた人たちですら、エコーによる検診はやめようかという話が出ているぐらいです。一方で成人集団に甲状腺がん検診をすると反回神経麻痺は確実に増えます。被ばくを受けたとはいえ、甲状腺がんの有病割合が成人集団より低い福島県小児集団に対して甲状腺がん検診を行うと、反回神経麻痺は減るよりもむしろ増えると考えるのが妥当です。


>私は最初に「仮に甲状腺癌の摘出が100%行われたと仮定すると」と言いました。
であるならば
>「潜在的に未分化がんに変化する能力のある分化がんは、分化がんの段階からリンパ節に転移している」
>この仮定は含んでませんし、未分化癌へステップする前の段階での仮定です。]

Q-9 どうやって「甲状腺癌の摘出を100%」行うのですか?

全例全摘しても「甲状腺癌の摘出を100%」行うのは無理です。未分化がんにステップする前にリンパ節に転移することはご存知ですよね?


>医療介入は投薬、手術などの医療行為で、2年後のスクリーニング検査を待つだけのA判定の
>子供にまで医療介入がなされていると言うことに違和感を覚えます。

たとえば検診の効果を評価するランダム化比較試験を行ったとして、検診群に組み入れられた人は全員、介入を受けたことになります。こうした考え方に違和感を覚える人がいるというのはもっともなことで、そのことに気づかせてくださった点に感謝します。それはそれとして、PASSさんが違和感を覚えようと覚えまいと、検診は介入です。


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