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福島の甲状腺がんの諸問題の考察〈おもに過剰診断と検診有効性〉
150
:
NATROM
:2018/05/22(火) 09:29:46 ID:RzTrYzBo
>>148
>「被曝した子供たちの保護者に医師として対面で伝えるとしたらどう言うかを仮定して書いてください」
>と書きました。医師としてやってみてください。
診察室内でどう対応するのか、ってことですか。掲示板で全部やると長くなりすぎますし、患者さん側の反応で対応が変わりますので要点だけ。
・挨拶と自己紹介
・子どもの氏名、保護者の関係性についての確認
・被ばくしたことや将来の発がんの不安に対する共感の表明
・既往歴、現病歴、家族歴の聴取
・一般診察。この場合は頚部の触診はより丁寧に。
・現在の不安の程度はどのぐらいかの確認
・甲状腺がんについてどれぐらいご存知なのかの確認
・検診の有効性や害についてどれぐらいご存知なのかの確認
よくご理解している保護者の方だと、検査をしなくても「もし症状が生じたら適切な対応をお約束します」でご納得されると思います。不安が強いようなら、検診の是非の説明以前に、まずは不安を傾聴します。不安がそれほどではなく、nagayaさんぐらいのご理解の方が相手だと仮定すると、
・「もちろん、ご希望であれば超音波による検査はできます。一方で、超音波による甲状腺検査にはデメリットがあります。甲状腺がんは一般的にゆっくりとしか成長せず、超音波検査では、何年も先にしか症状が出なかったり、あるいは一生症状が出なかったりするがんも見つけてしまいます。
がんにならないかどうか不安だろうと思います。ただ、甲状腺がんは症状が出てから治療を開始しても経過が良いことがわかっています。一方で、検診で積極的に早期発見したほうがいいかどうかはわかっていません。早期発見することで、必要性に乏しい治療を受けたり、余計な不安が生じたりすることもあります。いますぐここで、検査を受けるかどうか、結論を出さなくてもかまいません」。
という感じでしょうか。さらに、
・甲状腺がんを疑う所見が発見された場合の方針の説明(私の場合は外科にご紹介して細胞診を行うかどうかの判断をしていただくことになる)
・他に気になるところ、疑問点はないかどうかの確認
・セカンドオピニオンをとることも可能であることを伝える
までご説明することになるでしょう。
>早期発見をすれば、その分ステージが軽い状態で発見できるので助かる率は高まる。
甲状腺がんについてそのような説明をすると虚偽になります。「早期発見された甲状腺がんのほうが助かる率が高い」なら虚偽ではないですが「積極的に早期発見したほうが助かる率は高まる」という誤解を招くので不適切です。
>特に保護者の苦悩はいかばかりでしょう。
もちろんその通りですが、偽陽性や過剰診断(厳密にはどの症例が過剰診断かわからないんですが)の苦悩ついてはどうしてご理解しようとなさらないのでしょうか。
●進行速度Aとか進行度Bってなんです?
●「検診外の通常診療になっている」の意味
についてはゆっくりでいいです。
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