種の多様性 - 1372674605 - したらば掲示板

1：風呂：2013/07/01(月) 19:30:05 ID:lUCCvpiU: 　いつも楽しく拝読しております。しかし私はレベルが低いので進化の過程とやらを詳しく説明しているのを読んでも何を解説しているのかすら分からず読み飛ばす体たらくですが。
　すみません。何しに来ているんだとかあんまり突っ込まないでやってください。

　さて質問です。
　よくブラックバスやブルーギルが放流されたので在来種の魚が減った、他の魚を絶やしてしまうようなのを放すのはよくない、という話を耳にします（ブラックバスは生態系に悪影響ではない、という方もいらっしゃるようですが、私の能力ではその点よく分かりません。ただ在来種を駆逐する外来種の話題でよく出てくるので引きました）。
　こういう時に反対派の説として、「種の多様性が失われるのは良くない」というのを聞きます。
　私個人としては近所の小川に昔はうなぎが遡上していたのに、今はフナくらいいない、というのを寂しがったりしているので絶滅とか減少とかは嫌なのですが、種の多様性の維持をなぜ守らなければいけないのか、というのもいまいち分からないのです。
　個人的には人間が他の動物を次々に滅ぼしていく資格などないだろう、とも思うのですが、種の多様性とかとはあまり関係ないですし、やがては人間に影響があるからいけない、というのはあまりに人間中心的ではないかと思います。
　知っている人は、人間に滅ぼされるのも自然淘汰の一環じゃないか、といっていたのですが、ちょっと違うように思いますし。

　ここに来る皆様なら、種の多様性について一家言あるのではないかと思って書き込みました。
　あと、進化論とはあんまり関係ないようなら遠慮なく言ってください。
2：ゆんゆん探偵：2013/08/11(日) 13:00:26 ID:IOlsj.hc: 情緒的な面から言えば「一度失われた種は二度と戻らない。それを人間の手で絶滅させるなんて！」。
実利的な面から言えば「生態系破壊は結局のところ人間の生活自体に害を及ぼす」。
究極的に言えば、情緒的なメリットも実利的なメリットも人間にとってのメリットで、我々が人間である以上人間にとってのメリット・デメリットを軸にしか語れないのは仕方ありません。

種の多様性を維持する必要があるのは、それが直接「生態系の維持」につながるからです。
種の絶滅と言うのは、単にその種単体の問題では済みません。
何故なら、ある種が絶滅したら、「その種を食べていた捕食者である別の種」もまた、食べる物がなくなって絶滅の危機にさらされるからです。
捕食能力の（相対的に強い）外来種の移入が、生態系の崩壊を招き、地域一帯を不毛の地と為さしめたと言うような事例は歴史上枚挙にいとまがありません。

同一地域に住む多数の種と言うのは、何十万年も「軍拡競争」を続けています。
「軍拡競争」に敗れた種は歴史から消滅しているので、おおよそ現存する種間では「軍事バランス」が取れているわけです。
ところが、ここに「軍事バランス」を壊す突出した能力を持つ外来種が侵入すると、一気に猛威を振るうことになります。

石器で戦ってる世界にいきなり鉄器が持ち込まれたらどうなるか…というような話でもありますね。

ブラックバスやブルーギルと言う種は「どんな環境でも生きて行けて」「なんでも食べて」「よく殖える」と言う、この「軍事バランスを壊す」力の強い種なので大きく問題視されているのです。
3：ゆんゆん探偵：2013/08/11(日) 13:04:07 ID:IOlsj.hc: 「自然環境」と言うのは、放っておけばそのままの形に維持される物では無く、「生態系」によって維持されているものである、すなわち「生態系」自体が「環境」の大きな一部なのだと言うことを認識すれば、外来種による生態系の破壊の怖さがよくわかるかと思います。
4：風呂：2013/08/13(火) 21:59:31 ID:lUCCvpiU: ＞ゆんゆん探偵様
分かりやすい説明ありがとうございます。
ここに来ている方々の知識と専門性には頭が下がります。
5：名無しさん：2013/09/13(金) 15:43:27 ID:???: 放鳥される中国産トキは生態系に良い影響を与える外来種と言えるだろうか

ニホンザルと交雑してしまうくらい近縁で、性質の似たタイワンザルなら生態系のバランスは崩さないだろうか