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疫学とは何か

8diamonds8888x:2009/09/05(土) 16:06:15 ID:jC5pDkG6
 NATROMさんの日記の議論で一点気になったのが、分野外の人間が疫学データを正しく評価しようすとるきに要求される能力(疫学リテラシーとでも言いますか)はどんなレベルのものか? という点です。逆から言うと、専門家が分野外の人間にも正しく理解できるように説明しようとするときに、相手にはどんなレベルの事前理解まで要求できるものなのか? ということにもなります。まあ、日本語とか四則演算の事前理解は確実に要求できると思いますが、それ以上どこまでなのか。
 データを作る側と同程度の能力は無理として、どうしても「疫学」とタイトルのある本で勉強しなきゃならんのか? 「実験○○」とか「統計学」とタイトルのある本だけじゃ不十分なのか? 
 私は、疫学データを正しく評価するためのリテラシーとしては「疫学固有」とされることよりも「疫学」「統計学」「生物実験」「社会調査」といったものに共通のことの方が重要と考えていて、「疫学固有」を強調することは無駄に敷居を高くすることではないかと危惧しているのです。

 むろん共通のことの理解のために「疫学」を事例としてもいいのだし、そこで学んだことは「生物実験」や「社会調査」にも通用するでしょう。

 ということで「疫学入門」を読んでしまって後出しになる前に、共通のこといくつかを書き出しておきましょう。

1.世の中0と1だけじゃない
 ・正しさには誤差がある
 ・因果は確率的である

  (>>1)で指摘したことですが、特に第二点目は結構根が深くて確率的理論も科学的だと広く認められたのは18世紀以降のことらしい。

2.母集団は何か、分母は何か、と注意する
3.相関と因果の区別に注意する
4.対象と測定による諸々のバイアス
 ・野外ゆえに。生物ゆえに。人間ゆえに。

  これは個別に色々あるが、例えば次の本などに例がある。

  ダレル・ハフ「統計で嘘をつく法」講談社(1968/07)
  (日記のコメントでも紹介されていたが今や古典)
  谷岡一郎「データはウソをつく」筑摩書房 (2007/05)
  (事例には疫学に入りそうな例が多数ある)

5.測定対象の定義は明確か
  不明確な可能性があることを頭において、後は経験と練習

6.データの出典ははっきりしているか。そしてしっかりしているか。

  本当は一番最初に来るべきかもしれないけど、どういう出典ならしっかりしているかという知識は分野限定のことも多いから。


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