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神の存在/不在と科学の範囲

411Josef:2007/02/01(木) 22:50:47 ID:uPoVYQoU
>>409
>少なくとも「偶然性」については一部ではあるけど既に科学で扱う対象となっているという点は把握しておいて欲しいと思います.

その通りですね。
ただ偶然性という言葉は科学よりも哲学の土俵で論じられているはずです。本質的偶然というのは、本質的に何ら法則性が無いということですから、法則性を見出すことを旨とする科学の対象にはならないのですね。もちろん少なからぬ科学者が「本質的偶然など無い」と言うでしょうが、その場合「偶然」の意味が違っています。
たとえば「何の必然性もなく存在しているこの私」のような「実存」などは本質的偶然に数えられます。これを本質的偶然だと認めるならば、「あなた」もまた偶然であり、「あなた」と「私」の出会いも偶然です。

ヴィトゲンシュタインは「世界の在り様が神秘なのではない、神秘なのは世界があることだ」という有名な言葉を残しました。これに絡めて言うなら、科学に扱える「偶然」は「世界の在り様」に属するものであって、「世界があること」という本質的偶然性を扱うものではない、ということになるでしょうか。

ついでながら、ヴィトゲンシュタインは「因果」というものを認めていません。AとBという2つの事象の間の「因果」法則は常に事後的解釈であらざるをえず、そこに論理的必然を見出すことはできない。明日も同じ「因果」法則が観察できる保証はどこにもないのです。この点では、Mさんの「ニンゲンの意識は、その偶然性をいとも簡単に必然性に転化してしまうわけだにゃ」(>>107)とかなり近い。「前世からの因果」というふうな思想も科学的な因果関係も、この意味では一種の信仰であって、大して変わらないともいえます。


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