したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

112ミケ:2018/06/22(金) 14:32:21 ID:hmI6xcyU
>>108参照
「メカニズムとしての自然選択説の反証可能性」
「自然選択による進化の個別事例の反証可能性」についてのお話。

>>111の続きです。
中立説が成立するまでの過程で発展した数学的モデルと、
現在では当時よりもさらに進んだ分子生物学的知見をあわせて
さらに自然選択説を反証したり検証したりする手法も出てきています。

たとえば同義置換(アミノ酸の変化を起こさない=中立だと確定している塩基置換)や
偽遺伝子(何らかの要因で今では遺伝子として発現しなくなった=どう変化しても中立な遺伝子)がある
ということが明らかになっていますので、いわば比較対照として用いることができるようになり
それと前述の数学的モデルを合わせ
実際に自然選択による進化だと示された事例や、
逆に自然選択であることが否定された事例もあります。
以前第一掲示板で似たようなことが話題になりました。
ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/17681

字数が余ったので…、ついでなのですが
「科学と疑似科学とを判別する」スレッドのレスNo.77において
「ダーウィニズム(自然選択説)は反証不能ではないか」と発言したKenさんは
数年前に自然選択説に対抗するID論を述べておられました。
同スレッドNo.28参照
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/28

当時、自然選択であり得ないような変化速度であれば
つまり自然選択の反証ができれば、(品種改良のような)IDの証拠になるのではないか
とか何とか述べておられましたが、
上記で述べたさまざまな数学モデルや
さまざまな自然選択の反証・検証法に照らせば、IDの証拠にはなりません。

まずそもそもとして、
「自然選択を否定するだけではIDの肯定にならない」という当たり前の指摘は当時もありまして
それに対して当のKenさんは何やら反論を述べていたような気がしますが、
上記のように自然選択を部分的に否定してさらに数式モデルを示して自説の正しさを示した中立説の前では
その言い訳もむなしく響くのみでありましょう。
自然選択を否定するだけでは、IDを選ぶ理由になりません。
自己組織化かもしれないし、遺伝的浮動かもしれないし、未知の宇宙線の作用かもしれません。

また、数学モデルに関連して…
たしかshinok30さんが既に指摘しておられたかと思いますが
正の自然選択がかかったときの自然選択での変化ってものすごく早いんですね。
ものすごく速い進化があったところで、
強い自然選択圧がかかったのだなという解釈こそすれども、自然選択であり得ないということにはなりません。

またブタを例として「生き残り得ないものが見つかったとしたら〜」
という話題も出しておられましたが、
生きているのが不思議なくらいの変な生物なんてものはいくらでもあり
またそんな変な生物の生存を許すような特異な環境も数えきれないほどあるため
一つの生き物をもってきて「〜はあり得ない」などとは到底言えるものではありません。
解説はしませんが示唆的な例を検索ワードとして置いておきます。【マルハナバチ レイノルズ数】で検索してください。

またそもそもの話として…、当時指摘していた方はいなかったかもしれませんが、
品種改良は、人為選択などと呼ばれますが、
原則として良い個性を持つ掛け合わせ、良い性質を受け継いだら次世代に残す、
これ要するに自然選択と同じ工程なんですね。
つまり、きわめて強い自然選択がかかったときと結果は同じなんですよね。
(ベーエの述べた還元不能な複雑さが、もし自然選択でない証拠となるのなら、人為選択もまたそれを達成できない)
そうすると還元不能な複雑さをデザインするには、遺伝子操作するようなラボが必要となるでしょう。
そのようなものがあれば痕跡があるはずですよね。

いずれにせよ
人為的な品種改良を行ったという結論を導きたいのならば、
どのような品種改良を行ったのか
掛け合わせなのか、放射線で突然変異を誘発したのか、遺伝子組み換えをしたのか等をきっちり想定し、
自然選択の構成要素を反証するように
人為選択IDが成立するための構成要素を明らかにせねばなりません。
それができないのが「反証不能」というやつです。

自然選択がその構成要件を否定することで反証できるように、
ID論も、構成要素や成立条件を否定すればID論が成り立たなくなるような、反証可能性
いうなれば、詳しい具体的な説明があるでしょうか。

113ミケ:2018/06/26(火) 02:03:01 ID:hmI6xcyU
一応の補足として……、
>>111-112で述べた中立説が肯定された例は
ID論の場合と異なり
自然選択を否定することで遺伝的浮動が正しいとしているわけではないことを付け加えておきます。

>>111で述べているように

メンデルの法則の再発見ののち、
その遺伝法則に基づいて集団の中の遺伝子が世代を経てどのようにふるまうか、
この記述に数学が大きな役割を果たしまして(H・W法則はその先駆けと言ってよいでしょう)、
木村資生の頃には自然選択とメンデル遺伝を織り込んだかなり高度な数学モデルが登場していると述べましたが
(集団遺伝学の発展のことです)
このモデルの中には、遺伝的浮動と自然選択の両方が織り込まれています。

そのうえでデータと比較して
遺伝的浮動のみのもののモデルのほうが実際のデータに合いそうだ
と、こうなるわけであって
単に自然選択を否定することで遺伝的浮動が正しいとなっているわけではありません。
遺伝的浮動が正しい場合の数学モデルが先にあるのです。

114diamonds8888x:2018/06/27(水) 05:21:54 ID:XYloaAbM
>>113
 淘汰係数というパラメータを使いますから、これが0だとわかれば(着目するひとつの具体的進化過程が)自然選択によるという仮説が反証される。でも進化は起きているので、自然選択以外の原因がある。それが何かは、淘汰係数=0という観察事実だけからはわからない。でも他の状況証拠から、遺伝的浮動が有力な仮説である。

 こんな感じでしょうか? 反証といっても完全否定というよりは連続的数値がゼロに近いということで、自然淘汰の要因は極めて少ない、ということになるのでしょうが。

115diamonds8888x:2018/06/28(木) 05:57:54 ID:XYloaAbM
>>114
>完全否定というよりは連続的数値がゼロに近いということで

 そういえば、「ほぼ中立説」というのがありました。

  太田朋子『分子進化のほぼ中立説―偶然と淘汰の進化モデル(ブルーバックス)』(2009/05/21)

116ミケ:2018/06/30(土) 09:49:29 ID:hmI6xcyU
>>114
返事遅れてすみません。

×
自然選択のモデルに照らして
自然選択の要素をゼロとしないと合わないので
しかし変化しているから自然選択以外の何らかの力が働いている


自然選択+遺伝的浮動のモデルに照らして
自然選択の要素をゼロとしないと合わないので
その変化は遺伝的浮動によるものである

ということです。


>反証といっても完全否定というよりは〜

これは実のところ、他の科学理論の“反証”も同様かと思います。
地動説にしてもプレートテクトニクスにしても
理論丸ごと完全否定できる科学理論のほうが少ないように思います。
このあたりはより高度な科学哲学の範疇で、
私の守備範囲でないのでちょっと自信ありませんが。

117diamonds8888x:2018/07/07(土) 09:32:09 ID:P3QJtzNA
>>116
>理論丸ごと完全否定できる科学理論のほうが少ないように思います。

 そもそも理論に一致する膨大な観測事実が積み上がっているはずなので、それを説明できる新たな理論が確立できないことには従来の理論を簡単に放棄することはできませんよね。新理論というものは旧理論が説明できていた膨大な観測事実をも説明できなければならないのです。地動説や相対性理論が良い例ですね。

118たこ焼き帝国:2018/11/01(木) 11:43:54 ID:W5O20kzQ
ノーベル賞を授かった本庶氏は「ネーチャー」「サイエンス」に載っている論文の9割は嘘で、10年後に残っているのは1割程度だと仰っていました。

119ミケ:2018/12/08(土) 13:38:08 ID:KK8Tfcvg
>>118
それは本庶氏の【研究者としての心構え】です。
それを素人さんが事実であるかのようにそのまま信じ込むのはマズいと思いますよ。

本庶氏はインタビューで研究に対するモットーを問われ、
「マスコミの人はネイチャーに載ったからどうこうなどと言うが、自分は自分の目で確信が出るまでやる」
という文脈の中でそう言ってるわけです。

それを一部分だけ取り出して
「本庶氏が言ってるからネイチャーに載ってるのは9割嘘なんだ」などと信じ込むのは
本庶氏の批判しているマスコミの人たち、、、
「ネイチャーに載ってるから正しいんだ」と信じ込む人たちと同じ間違いを犯しています。

本庶氏の主張の核は、

科学研究に携わる者は
【科学的には、どんな理論もひっくり返り得るのだから
権威ある論文に書いてあるからと言って信じ込んではいけない。
場合によっては自分で確かめなければ。】
それを実践するにあたっての心構えとして
ネイチャーに載っているのは9割嘘だと考えておくということです。

もちろん本庶氏自身、実際そう(9割嘘)だと信じているかもしれませんが、
それは本人が実際に確かめる気概を持っているからこそバランスが取れる見方なのです。

自分で研究も実験もせず、ましてや論文の中身を読みさえしない人が、
単に本庶氏(ノーベル賞受賞者等)が9割間違ってると言ってるからという理由だけで
論文に書かれた内容を嘘だなどと断じたところでそれこそ9割がた間違っていることでしょう。

さて、ところで
たとえば10年前、2008年12月のネイチャーにArticleとして載ったものとして
以下のものがありますが、これらは本当に1割しか残っていないでしょうか?9割は嘘だと判明したでしょうか?

たこ焼き帝国さんに限らず、
このレスを読んでいるあなたはそれを自分の目ならずとも、
文献を追ってどれがいまだ正しくてどれが間違いになったか
それともほとんどが正しいとされているままなのか
確かめる気概があるでしょうか?
ぶっちゃけ私はありませんw

腫瘍:単一のヒトメラノーマ細胞による効率のよい腫瘍形成
Efficient tumour formation by single human melanoma cells

細胞:加齢に伴う中心体の方向性のずれが幹細胞分裂を抑制する
Centrosome misorientation reduces stem cell division during ageing

細胞:mitofusin 2が小胞体をミトコンドリアに結びつける
Mitofusin 2 tethers endoplasmic reticulum to mitochondria

細胞:Ktu/PF13は細胞質での軸糸ダイニン前駆体形成に必須なタンパク質である
Ktu/PF13 is required for cytoplasmic pre-assembly of axonemal dyneins


神経:脳の代謝がアストロサイトによる細動脈調節の方向性を指示する
Brain metabolism dictates the polarity of astrocyte control over arterioles

免疫:ランブル鞭毛虫の抗原変異はRNA干渉によって制御されている
Antigenic variation in Giardia lamblia is regulated by RNA interference

細胞:酵母のシグナル伝達系における情報伝達を改善する負のフィードバック
Negative feedback that improves information transmission in yeast signalling

遺伝:レプリソームはRNAポリメラーゼと衝突後、mRNAをプライマーとして用いる
The replisome uses mRNA as a primer after colliding with RNA polymerase

物性:座屈したコロイド単層における幾何学的フラストレーション
Geometric frustration in buckled colloidal monolayers p.898

神経:神経のパルミトイル化されたタンパク質のプロテオミクス解析から明らかになったシナプスの動的なパルミトイル化
Neural palmitoyl-proteomics reveals dynamic synaptic palmitoylation p.904

遺伝:スプライソソームの切断によってテロメラーゼRNAの3′末端が形成される
Spliceosomal cleavage generates the 3′ end of telomerase RNA p.910

細胞:SUMO化はRad18の仲介する鋳型切り替えを調節する
SUMOylation regulates Rad18-mediated template switch


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板