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トンデモネタに対する突っ込み用情報ソース備忘録

1ミケ:2006/02/03(金) 20:48:10 ID:zcGeqzE6
表の議論を見てて立てたくなりました。
探すのに苦労したソースや頻出するネタに対する突っ込みソース(著書、論文、ウェブページ)
を簡単な解説と引用をつけて列挙するスレ。

表は、メインとミラーの入れ替えで、過去ログを探しにくくなりましたし、
Yahoo!とか再評価掲示板とかで示したことがあるソースをまた探すのはきつい。

これを引用するようにすれば既出ネタで血圧を上げる心配もありません。
また、同じネタに対して異なる複数の論点での反論がある場合も、
ここのNo.○○と××と△△を見よ。
見たいな感じで『フクロ状態』を軽減できるかもしれません。

111ミケ:2018/06/22(金) 14:22:07 ID:hmI6xcyU
>>108参照
「メカニズムとしての自然選択説の反証可能性」
「自然選択による進化の個別事例の反証可能性」についてのお話。

次は、方法はややこしいですが
自然選択説が反証可能であることが一目で分かる事例を挙げましょう。

「分子進化の中立説」
勉強していて、勘の良い人であれば、この一言だけで十分でしょう。
この中立説そのものと、その周辺の研究成果が、
自然選択説が反証可能であり実際部分的に反証されてしまっていることを示しています。

しかしこれだけではこのスレッドの趣旨に添いませんので解説します。
Wikipediaより「中立進化説」
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%AB%8B%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AA%AC

分子進化の中立説は
「分子レベルの進化は自然選択に対し有利でも不利でもない中立なもので、それが集団中に広まるのは偶然によって決まる。」
というもの。
分子レベルの変異は、偶然によって集団に広まる:遺伝的浮動による進化であるというもの。
Wikipediaより「遺伝的浮動」
ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E7%9A%84%E6%B5%AE%E5%8B%95

中立説は、発表当時ダーウィンの自然選択説を否定するもののように受け取られて論争を引き起こし、
結果として
「分子レベルの進化は遺伝的浮動が主因(中立説)である一方、表現型レベルの進化は自然選択説があてはあまる」
「自然選択による進化が起こることを否定するものではない」
というところに落ち着きますが、
これはとどのつまり、
「分子レベルの進化も自然選択によるものである」という仮説が反証され敗れ去ったことを意味します。

自然選択説そのものが反証不能な理論であれば、
中立説がいかに分子データを集めてきたところで
「分子進化も自然選択によるものである」と強弁できるはずです。
反証不能であるとはそういうことです。だからこそ反証不能な理論は科学的には価値がないのです。
ところが実際には、
分子レベルの進化のメカニズムにおいては中立説(遺伝的浮動)に譲ることになったわけですから
この点だけでも自然選択説が反証可能な論理構造であることが分かります。

さて、といっても具体的にどのように反証されたのか?
その方法論はやや複雑です。
ちょうど今、
第一掲示板でハーディ・ワインベルグの法則がどうのこうのという話が出ていますが、
メンデルの法則の再発見ののち、
その遺伝法則に基づいて集団の中の遺伝子が世代を経てどのようにふるまうか、
この記述に数学が大きな役割を果たしまして(H・W法則はその先駆けと言ってよいでしょう)、
木村資生の頃には自然選択とメンデル遺伝を織り込んだかなり高度な数学モデルが登場していました。
そして木村の時代には分子(アミノ酸)配列のデータもそろい始めたところであり、
大体の分岐年代の分かっている生物同士の配列の違いを比較することで、
配列の変化速度が推定できるようになってきたところでした。
そうして集めた変化速度のデータを前述のモデルに当てはめると
自然選択がかかって「いない」と仮定しないとデータに合わなかったわけですね。

そうしたデータを積み重ねて、
最終的には中立説、
形態はともかく分子レベルの進化のほとんどにおいては自然選択ではなく遺伝的浮動が大きな役割を担っている
という主張が認められるに至り、
分子進化までも自然選択による変化であるという仮説は反証されたことになるわけです

112ミケ:2018/06/22(金) 14:32:21 ID:hmI6xcyU
>>108参照
「メカニズムとしての自然選択説の反証可能性」
「自然選択による進化の個別事例の反証可能性」についてのお話。

>>111の続きです。
中立説が成立するまでの過程で発展した数学的モデルと、
現在では当時よりもさらに進んだ分子生物学的知見をあわせて
さらに自然選択説を反証したり検証したりする手法も出てきています。

たとえば同義置換(アミノ酸の変化を起こさない=中立だと確定している塩基置換)や
偽遺伝子(何らかの要因で今では遺伝子として発現しなくなった=どう変化しても中立な遺伝子)がある
ということが明らかになっていますので、いわば比較対照として用いることができるようになり
それと前述の数学的モデルを合わせ
実際に自然選択による進化だと示された事例や、
逆に自然選択であることが否定された事例もあります。
以前第一掲示板で似たようなことが話題になりました。
ttps://6609.teacup.com/natrom/bbs/17681

字数が余ったので…、ついでなのですが
「科学と疑似科学とを判別する」スレッドのレスNo.77において
「ダーウィニズム(自然選択説)は反証不能ではないか」と発言したKenさんは
数年前に自然選択説に対抗するID論を述べておられました。
同スレッドNo.28参照
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/5329/1524257541/28

当時、自然選択であり得ないような変化速度であれば
つまり自然選択の反証ができれば、(品種改良のような)IDの証拠になるのではないか
とか何とか述べておられましたが、
上記で述べたさまざまな数学モデルや
さまざまな自然選択の反証・検証法に照らせば、IDの証拠にはなりません。

まずそもそもとして、
「自然選択を否定するだけではIDの肯定にならない」という当たり前の指摘は当時もありまして
それに対して当のKenさんは何やら反論を述べていたような気がしますが、
上記のように自然選択を部分的に否定してさらに数式モデルを示して自説の正しさを示した中立説の前では
その言い訳もむなしく響くのみでありましょう。
自然選択を否定するだけでは、IDを選ぶ理由になりません。
自己組織化かもしれないし、遺伝的浮動かもしれないし、未知の宇宙線の作用かもしれません。

また、数学モデルに関連して…
たしかshinok30さんが既に指摘しておられたかと思いますが
正の自然選択がかかったときの自然選択での変化ってものすごく早いんですね。
ものすごく速い進化があったところで、
強い自然選択圧がかかったのだなという解釈こそすれども、自然選択であり得ないということにはなりません。

またブタを例として「生き残り得ないものが見つかったとしたら〜」
という話題も出しておられましたが、
生きているのが不思議なくらいの変な生物なんてものはいくらでもあり
またそんな変な生物の生存を許すような特異な環境も数えきれないほどあるため
一つの生き物をもってきて「〜はあり得ない」などとは到底言えるものではありません。
解説はしませんが示唆的な例を検索ワードとして置いておきます。【マルハナバチ レイノルズ数】で検索してください。

またそもそもの話として…、当時指摘していた方はいなかったかもしれませんが、
品種改良は、人為選択などと呼ばれますが、
原則として良い個性を持つ掛け合わせ、良い性質を受け継いだら次世代に残す、
これ要するに自然選択と同じ工程なんですね。
つまり、きわめて強い自然選択がかかったときと結果は同じなんですよね。
(ベーエの述べた還元不能な複雑さが、もし自然選択でない証拠となるのなら、人為選択もまたそれを達成できない)
そうすると還元不能な複雑さをデザインするには、遺伝子操作するようなラボが必要となるでしょう。
そのようなものがあれば痕跡があるはずですよね。

いずれにせよ
人為的な品種改良を行ったという結論を導きたいのならば、
どのような品種改良を行ったのか
掛け合わせなのか、放射線で突然変異を誘発したのか、遺伝子組み換えをしたのか等をきっちり想定し、
自然選択の構成要素を反証するように
人為選択IDが成立するための構成要素を明らかにせねばなりません。
それができないのが「反証不能」というやつです。

自然選択がその構成要件を否定することで反証できるように、
ID論も、構成要素や成立条件を否定すればID論が成り立たなくなるような、反証可能性
いうなれば、詳しい具体的な説明があるでしょうか。


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