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信仰は役に立つか

166パンナコッタ:2008/02/22(金) 16:24:45
【法則 3】 宗教も進化する。
  宗教も、社会の発展とともに変化してきた。
  そして、それぞれの時代や社会のニーズに応えられない宗教は衰退していく。

宗教の起源については、従来から多くの説があり、これといった決定版があるわけではありません。
宗教がいったいいつごろから存在するのか、という疑問についても、よくある質問でふれたように、約6万年前のネアンデルタール人の化石から、
葬送のあとが発見されているものの、人類がいつごろから信仰や宗教らしきものをもったかという、明確な年代はわかりません。
とはいえ、理論的に考えて、直立二足歩行と大脳の発達、言語の誕生、道具の発明などが、宗教の誕生に重要な意味をもったということはできます。
 つまり、大脳が発達したことによって、人類は、目の前にないものを想像する力(イメージ能力)を身につけました。このことは、神という超自然的な存在を想定する、宗教の本質に大きく関わります。
言語の誕生は、主観的な考えを伝達し、共有することを可能にしました。さらに、道具の発明は、考えを具体的な形に表現し、伝達することを可能にしました。
このように、人類進化の過程のなかで、イメージ能力の発達とコミュニケーション技術の発達が、宗教の誕生に重要な役割をはたした、といってもよいでしょう。
 さて、人間が進化して宗教を生みだしたように、宗教も社会の発展にあわせて進化してきたといえます。では、どのように進化してきたのか。
それは、人間につきまとう「不確実性」、つまり、先行きの見えない不確かさに対応して、進化してきたといえます。
生命体としての人間には、常に不確実性(不確かさ)がつきまといます。その不確実性は、以下の三つに分けられる。
  自然的不確実性
   災害をはじめとする自然環境に関する不確実性。
   →いつどのような自然災害がおこるかわからない。
  社会的不確実性
   自己の社会的・経済的位置づけに関する不確実性。
   →いつどのようにして、社会的地位を失ったり、生活がかわるかわからない。
  根源的不確実性
   疾病・障害や老化・死に関する不確実性。
   →いつどのようなかたちで、病気にかかったり死んだりするかわからない。
 宗教は、これらの不確実性に対応し、それぞれの時代に姿を変えてきたといえます。原初の社会においては、自然的不確実性の度合いが高く、
自然の脅威を超自然的な存在によるものと考え、予測不可能な自然環境に対応する宗教のかたちが生まれました。たとえば、雨乞いや豊作・大漁祈願などです。
しかし、技術の発達とともに、自然環境の予測や制御がある程度可能になると、宗教も様変わりしてきます。社会の形態が複雑になると、社会的不確実性が増大し、
それに対応する宗教があらわれてきました。たとえば、ストレスの多い社会のなかで、いかに生きるのかといったことを教える宗教です。
 もちろん、自然環境に対する不確実性は常に存在しますから、このような移行は、不確実性に対するウェイトの置き方が変化してきたと考えたほうがよいでしょう。
また、根源的不確実性も、生命体としての人間には、常につきまといます。これについても、宗教は、病気や生死についての意味づけをあたえてきました。
また、人間がかかえる不確実性の変化は、生産技術の変化とも関わってきたといえます。狩猟・採集→農耕・牧畜→産業化という変化のなかで、不確実性のタイプも、「自然的」から「社会的」へと変化してきた。
以上のことを簡単にいえば、それぞれの時代や社会のニーズにあわない宗教は生き残れない、ということです。
    (岩井洋 関西国際大学人間学部助教授 宗教の法則より引用)


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