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素朴な疑問
3507
:
犀角独歩
:2007/08/04(土) 08:38:18
少し信じられない気分ですが、中国天台初期文献には「現当二世」の使用はありませんでした。『伝教大師全集』では、『六天講式』の「大黒天講式」に1カ所のみでした。
「祈現當二世悉地 其旨趣如何者 爲父母孝養 奉仕師長 興隆佛法 濟度衆生也」
真蹟遺文では、『下山御消息』に1カ所のみ。
「教主釈尊より大事なる行者を、法華経の第五巻を以て日蓮が頭を打、十巻共に引散て散々に[足+(日/蛺)]たりし大禍は、現当二世にのがれがたくこそ候はんずらめ」(定1343)
写本、疑偽書では『真言見聞』『当体義抄』、富士方では馴染みのない『末法一乗行者息災延命所願成就祈祷経文』に、その使用がありました。
先の検索も同様ですが、祈祷文に使用される語彙であり、これが「本尊」に書き込まれれば、祈祷本尊の意味合いは強いことになりますが、彫刻本尊からの転載が、日調以降、一般化するとも見ることもでき、はたまた他門影響の与/受など、ご賢察を窺えればと存じます。
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