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雑談&連絡スレッド

2552無精髭:2008/11/08(土) 00:36:56
>>2548
鉄腕アトムを批判した当時のアメリカ人って、存外鋭いかも知れませんね。手塚治虫は自身の漫画に
おける身体表現の確立に際して、戦時中にも関わらず、せっせと戦争漫画の習作を書き溜めていた
とのことです。その連作では、ディズニー・アニメの影響下に描かれたキャラクターが、戦争と言う
生死を賭けた状況下において、突如として生身の身体を付与される―――つまり、銃撃や爆撃を受けて
血を流し、死んでしまう、というアンバランスでチグハグな表現上の飛躍をさらっとやってのけている
のだそうです(大塚英志氏からの受け売り)。鉄腕アトムの創作においても、もしかしたら太平洋戦争や
当時の自分の習作時代の苦労などを少しは意識していたと言えるかも。

そこらへんの事情については、多分、大塚英志氏の著作に詳しいですね。手軽なものでは、『教養としての
「まんが・アニメ」』(ササキバラ・ゴウとの共著)とか、『キャラクター小説の作り方』などですかね。
東浩紀氏の『ゲーム的リアリズムの誕生』にも大塚英志氏の手塚解釈についての纏まった記述があります。
未読ですが、伊藤剛の『テヅカ・イズ・デッド』も、とても重要な文献らしいです。

まっ、わたしにゃ、大塚氏の「まんが・アニメ的リアリズム」という概念については、明治期の自然主義
小説に対する、そのあまりに独自的な解釈については、「おいおいマジかよ」というレベルの信憑性しか
感じられなく、正直付いて行けない思いがしますが(確か、あの宮崎哲也氏が『新書365冊』の中で、
『「おたく」の精神史』を取り上げていて、その本の考察対象について、「もはや訳の分からない世界」
と言って、半ば匙を投げたような感想を書いていたのには驚きました。歳が大して離れてもいないのに、
自分と違って、いつまでもサブ・カルチャーを主戦場に生きる大塚氏に対して、絶望的な世代間ギャップを
痛切に感じたのだろうと思います。宮崎氏もかなりの漫画好きらしいのですが・・・)。


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