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非自民非民進系保守

3679名無しさん:2025/12/24(水) 17:46:56
 選挙と支持率の低調だけでなく、党内ガバナンスの欠如による離党者や脱落者の続出というピンチが続いていたとき、自民党政権から連立入りの誘いが届いたのだ。

 第2の事情は、反対に24年11月から始まった本格的な多党政治での「新しい実験」である。この点で先行して動いたのは、国民民主党であった。政策協議方式を自民党にのませ、与党でも野党でもない「ゆ党」の立場で政策実現という果実を手にした。維新はそれを手本に、24年暮れから同じ方式に乗り出し、石破政権下で同様の成果を上げることに成功した。

 第3の事情は、維新が主導してきた大阪・関西万博の閉幕である。政党として万博後の次の達成目標や将来のビジョンをどう描くかが、万博終了前からの維新の宿題であった。その局面を、大阪の地域政党から国政政党に脱皮する好機と見て、連立政権入りを決断したに違いない。

■「大阪」から「日本」へ、真価問われる第2ステージ

 吉村氏は維新の低迷にピリオドを打ち、再浮上の勝負に出るときの切り札として、国政での連立政権入りというカードを使った。党発祥の大阪の人たちは「吉村流政治」をどう受け止めているのか。8期30年、大阪市会議員を務める無所属の松崎孔氏(市会の会派は「自民党・国民民主党・市民とつながる・くらしが第一」)が25年11月、維新の連立入り後の大阪の空気を解説した。

「大阪市は維新の横山英幸市長で、市会も維新が過半数。税も潤沢で、どんな政策でもできる。吉村さんはこれから副首都構想を、と唱えているけど、やりたいのは過去に2回、否決された大阪都構想でしょう。だけど、維新の市議の皆さんは、みんなが都構想をやらなあかん、と思ってはいないと思うんです」

 吉村氏はまず連立合意の「一丁目一番地」と唱えて、国会議員の定数削減法案の25年臨時国会への提出を強く主張し、12月5日に一応、法案提出を果たした。もう一つの大きな挑戦目標は副首都構想だ。

「いざというとき、首都機能や国の中枢機能をバックアップしていく形態を副首都と定義付けしている。それには大阪府と大阪市を一つにした強力な行政機構が必要」と説く。大阪都構想を今も想定しているのは疑いないが、一方で、国政政党として維新が目指すべき方向は「次の世代に『強い日本・成長する日本・豊かな日本』を残す。それが僕の根幹のワード」と強調する。

 吉村氏は府知事、党代表に加え、連立政権の与党党首の「3足のわらじ」を履き、それぞれの役割をこなさなければならなくなった。「27年4月の知事任期満了までは、任務を全うする。国会議員になることは思っていない」と言い切るが、視界、視点、視座とも「大阪」よりも「日本」へ、重心を移す気構え、と映る。

 前述のように、「連立ノー」から自維連立へ、大きく方針を転換した前歴がある。「君子豹変」の決断だが、政治指導者にとって必要不可欠の場合があり、評価を下げる事例ばかりではない。問われているのは、大阪だけでなく、日本のリーダーとしての覚悟と力量と手腕である。

 少数政党並存政治での政策実現力と、維新の政党としての機能をさらに高めるリアルパワーを自ら掌握・発揮できるのか。26年、真価が問われる第2ステージを迎える。(ノンフィクション作家・塩田潮)

※AERA 2025年12月29日-2026年1月5日合併号


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