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第25回参議院議員選挙(2019年)
1674
:
チバQ
:2019/07/17(水) 10:16:52
150年前の禍根
さらに、にわかには信じがたいが、東北出身の複数の閣僚経験者が「奥羽越列藩同盟VS長州」という、150年近く前の戦いの禍根を口にする。
奥羽越列藩同盟とは、明治政府を樹立した長州や薩摩などの新政府軍と旧幕府勢力が戦った戊辰戦争(1868〜69年)で、旧幕府方を支えた東北と越後諸藩による軍事同盟を指す。戊辰戦争では、「東北戦争」の別名が付くほど激しい戦闘が乱発し、戦争後は列藩同盟の諸藩が「賊軍」の汚名を着せられ、厳しい処分を受けた。
一方、安倍首相は旧長州藩の衆院山口4区が地元。長州出身のトップが率いる自民党を苦々しく思う東北人が多いというのだ。
「首相は『景気は好転した』と宣伝するが、東北でそれを実感できる人は限られている。明治維新以来の気質なのか、もともと『取り残されている』という肌感覚を持つ東北人は少なくない。現代に生きる首相に責任はないが、『長州出身』という一面があらぬ反発心を呼ぶ面もある」
ある閣僚経験者は、歴史に刻まれた東北の傷に触れながらこう分析する。
もっとも、首相はこうした歴史的な背景はよく理解しており、これまでも配慮を重ねてきた。
平成19年に福島県会津若松市で街頭演説した際には「先輩がご迷惑を掛けたことをおわびしなければいけない」と謝罪したこともある。昨年1月の通常国会で施政方針演説した際は、戊辰戦争で自刃した会津藩の少年兵組織「白虎隊」唯一の生き残りである東京帝大(現東大)元総長の山川健次郎にも触れた。
もっとも、党内には「東北は甘えすぎ」という厳しい声もある。離党した大物議員の呪縛を断ち切るため、東北各地の自民組織がコツコツと足場固めを重ねたりしなければ、自民党は東北で勝ち切る日は永遠に来ないのではないか。
(政治部次長 水内茂幸)
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