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第25回参議院議員選挙(2019年)
1604
:
チバQ
:2019/07/15(月) 14:00:52
https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=551225&comment_sub_id=0&category_id=1146
【選挙区を歩く】(2)広島<下>政治安定か1強打破か
2019/7/10
個人演説会で支持者に手を振りながら登壇する候補者(広島市中区)
個人演説会で支持者に手を振りながら登壇する候補者(広島市中区)
参院選は、政権の「中間評価」の色合いが濃いとされる。今回、安倍晋三首相(自民党総裁)は「政治の安定」を前面に支持を求める。野党は「安倍1強」打破で共闘し、暮らしを守るなどと説く。構図は広島選挙区(改選数2)の候補者の訴えにも投影される。
「自民党が2人通ってこそ勝利だ」。自民党新人の河井案里氏(45)は8日夜、広島市中区のホテルで開いた個人演説会で宣言した。推薦する公明党の田川寿一・県本部代表は「政治の安定へ、自民党の2人を何としても当選へ押し上げてほしい」と同調した。
自民党現職の溝手顕正氏(76)=公明推薦=は「地方の心を大切にしたい。市町としっかりと連携する」と訴える。4日の中区の出陣式では、党県連の宮沢洋一会長(参院広島)が「地方議員を長くやり、何ら実績のない候補者に負けるわけにはいかない」と、元県議の河井氏を当てこすった。
自民党は今回、1998年以来21年ぶりに、2人の公認候補を立てた。党県連所属の国会議員や県議たちの支えで組織戦を展開する溝手氏と、党幹部や閣僚の応援を受ける河井氏で、訴えは対照的となっている。
例えば昨年7月の西日本豪雨。河井氏は初動体制に課題があり、現場の自治体が混乱したのが原因と説く。災害時に国がトップダウンで物事を決める仕組みを築くとするなど、将来の国づくりをアピールする。
溝手氏は防災担当相を務めた経験から、単なる復旧ではなく、被災前より良い状態にすると誓う。連続5回の当選を重ねて、国と地方のパイプ役を担ってきたなどと、実績を強調する。
一方の野党は、自民党による2議席独占の阻止を重視する。憲法改正などを掲げる安倍政権に対し、支持政党がない無党派層を中心に潜在的な批判票があるとみて、取り込みを図る。
立憲民主、国民民主、社民の野党3党の推薦を受けて無所属で戦う現職森本真治氏(46)は「政治への信頼を取り戻す選挙だ」と主張する。県民の暮らしと安全・安心を守り、年金を守り、子どもの未来を守り、平和を守ると繰り返す。
東広島市での6日の個人演説会では「中央集権、官邸主導のトップダウンの政治を象徴する候補者が出ている」と、河井氏を暗に批判した。地域の多様な意見を国政に届けるため、幅広い支持を集めて野党の改選1議席を守ろうと訴える。
共産党新人の高見篤己氏(67)は、消費税率10%への引き上げ中止や年金制度の抜本改革など党の政策を街頭で披露する。「『暮らしを応援する政治』に切り替えるための戦いだ。安倍政権の暴走をこのまま許していいのか」と投げ掛ける。
共産党は、改選1人区では野党が共闘し、改選複数区では競い合うことで、与党を少数に追い込むという戦術を取る。高見氏は、被爆地広島の願いがこもっているとして憲法9条の改正反対を掲げ、政府に核兵器禁止条約への署名も迫る。
諸派の「労働の解放をめざす労働者党」新人の泉安政氏(66)は労働者の待遇改善をアピールする。無所属新人の玉田憲勲氏(61)は国会議員の定数削減を唱える。諸派の「NHKから国民を守る党」新人の加陽輝実氏(69)も立っている。(中川雅晴)
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