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第25回参議院議員選挙(2019年)
1361
:
チバQ
:2019/07/02(火) 10:22:44
最高権力を監視するはずのウォッチドッグたちも……
最新鋭のヘリを単なる移動手段で終わらせないのが、「選挙の商売人」たる所以だ。
前方5列目の総理席にある窓だけが半球状になっていた。そこに首を突っ込めば、大パノラマが望める。窓に釘付けになった角栄は指を差し、「ここはアイツの選挙区だ」と呟く。河川、道路、鉄道、用水路、工場、学校などを上から眺めれば「データ」が浮かび、現地の実情が一目瞭然になるのだ。
そして、演説会場に着くと、
「空から見るとこの町が一番良い!」
と唱え、聴衆の愛郷心に寄り添う。
世代を超えた娯楽にもなった。ヘリには少年たちが物珍しげに群がった。
鳥取の遊説中には、地元の女子高生が「会いたい」と申し出てきた。
おかっぱ頭の15歳はお小遣いの大半を費やし、角栄の写真が載った新聞や雑誌を買い集め、自慢のスクラップブックを作っていた。
「これだけの資料は官邸にもないね」
気を良くした角栄は、突然言った。
「お姉ちゃん、ヘリに乗るか?」
鳥取から松江まで45分間、女の子は晴れて総理の傍で景色を楽しんだ。
一方、角栄を追う番記者用のヘリでもお祭り騒ぎが繰り広げられていた。
記者たちが演説会場からヘリに戻ると、機内の所々からダミ声が上がる。
「ソ〜ウデショ、ミナサン」
「いいや、こうだよ。ン、ソウデショ」
角栄のモノマネ大会である。最高権力を監視するはずのウォッチドッグたちも仕事を忘れてすっかり魅了され、角栄の戦略に欠かせない従順な情報源として取り込まれていく。
こうして握手や対話を通じた「接近戦術」を採り入れる一方、その舞台を整えたのが党職員の精鋭部隊である。
今でも自民党では国政選挙が近づくと、部署の壁を越える形で若い党職員による総裁遊説班が立ち上がる。角栄のヘリにも男女6〜7人が送り込まれ、第一秘書の田中利男や官邸から来た秘書官と特命チームを形成した。
それは、ゲリラ戦の最前線を髣髴とさせるものだ。河川敷にヘリが着陸するなり、一人は総理を会場まで先導する。一人は全力疾走で公衆電話を探し回り、党本部の司令塔に連絡する。
その間、メンバーはトランシーバーでやり取りし、懸案事項が生じたら随行している総理秘書官を経由して「最高司令官」に判断を仰ぐ。すると角栄は細かい指示を出すのだ。
「おい、水出せ」「リポビタンD出せ」「おしぼり!」「手袋!」……。
角栄が言い出せば、黒革のトランクから取り出す人員も一人必要になる。
「水は、瓶入りのミネラルウォーターです。それを冷やしておくために、トランクには小型のジャーが入るよう板で仕切りを付けました。銀座のカバン屋で特注したものだったと思います」(遊説班の一員だった佐野邦雄・67)
地方の宿に着けば、遊説班は翌日の日程を党本部と詰める。ヘリが飛ばなければ、別ルートを練る。そこに、角栄が秘書官を通じて晩酌に誘ってくる。その際に嗜むお気に入りの銘酒も、事前に仕込まなければならない。
遊説班には特製の白いブレザーが配給されたが、日が進むにつれて黒ずんでいく。それが彼らの勲章だった。
顔面麻痺と下痢症
「最後まで負ける気がしなかった」
全国で角栄フィーバーを体感した遊説班の老兵たちはそう口を揃える。
ところが、147回分の遊説経路を丹念に調べ上げると、順風満帆ではなかったことが明らかになった。舞台裏の目撃証言からは、超人然とした宰相とは別の顔が浮かび上がってくる。
角栄は公示日、新宿での第一声を終え、本土復帰3年目の那覇から鹿児島に回り、2日目に川内、本渡、3日目に熊本、福岡、北九州で演説した。
その帰り際、ヘリが待機する人気の少ない広場で撮られた貴重なオフショットには、背中を丸め、オーラを感じさせない「56歳」が写っている。
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