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第25回参議院議員選挙(2019年)
1359
:
チバQ
:2019/07/02(火) 10:19:44
「選挙はタイミングだ」
74年6月6日朝、党本部の一室。角栄は全候補者に総計6億5000万円の公認料を手渡す前、訓示を垂れた。
「選挙がスタートする時には票読みを教えます。私は25年もやってきた選挙の商売人だ。誤差は2%しかない」
この決起大会に集められた95人中、現在も永田町に生き残るのはただ一人、参院議員の山東昭子(72)だ。
選挙の1年前、衆院二回生の渡部恒三(82)は、一度だけ食事したことのある山東に声をかけた。幹事長の橋本登美三郎からこう迫られたからだ。
「総理が今回の全国区は『女』だと言うんだ。女を探すなら、渡部君しかいない。そう、みんなが言っている」
人気投票に似た全国区では、前回、キャスターの田英夫(社会)が1位、歌手の安西愛子(自民)が2位だった。組織力で革新勢力の後塵を拝する自民党は、浮動票の受け皿を求め、今回も有名人を担ごうとした。渡部は、その目玉候補として若き知性派女優の山東に照準を定めたというわけだ。
数日後、山東は角栄と向き合った。
「どうだ、政治をやってみないか?」
「政治学すら学んだことありません」
「どの道だって最初からプロはいないよ。しかし、選挙はタイミングだ」
山東は出馬を決断したが、「選挙の商売人」の角栄は知名度だけで勝てるほど選挙は甘くないと知悉していた。
だが、山東は芸能活動を続けた。
NHKアナウンサーの宮田輝や女優の山口淑子も出馬すると聞いていたが、かたや紅白歌合戦の司会を射止め、こなた「3時のあなた」の司会を続けているではないか――。
後日、山東は角栄に呼び出された。
「君の演説は女優が喋っているようにしか聞こえないぞ。早く引退して候補者として、国民に語りかけなさい」
その話を信じ、山東は引退した。
中村の言う通り、角栄は自らの流儀に従う人間には支援を惜しまない。陣営に副幹事長の竹下登や渡部を指南役として送り込み、角栄の署名入りで彼女を宣伝する葉書の束も用意した。
さらに、彼女のお披露目も設けた。
経済界の人と金を注いだ
パタパタパタパタ……。
選挙戦序盤、茨城県日立市に2機のヘリコプターが轟音と共に現れた。
野球場の客席を埋める5000人が一斉に見上げると、アナウンスが響く。
「ただいま総理が到着しましたー」
角栄は街宣車の上で山東を隣に立たせ、あのダミ声でがなり立てた。
「戦時中、働き口がなく、海外へも飛び出した。しかし、戦後30年、働きたい者は職にありつけ、月給も上がったじゃないですか!」「社会、共産は公害などを出す工場を潰せと言うが、働く所がなくなったらどうする!」
白い手袋で握り拳を作り、激しい手振りと同時に足を勢いよく踏む。街宣車は縦に揺れ、聴衆は圧倒される。
1時間以上の独演会が終了すると同時に万歳三唱が巻き起こる。その中を角栄は得意満面で退場していく。
しかし、舞台裏の角栄は恐ろしく冷静に票読みを周囲に説くのだった。
「集まった人の3分の1は我が党の支持、あとの3分の1は浮動票、残りは、まあ、反対票でしょうな」
実は、聴衆の大半は電機大手・日立製作所の社員であった。なぜなら、社を上げて山東を応援していたからだ。
当時、狂乱物価の影響などで内閣支持率は低迷。そこで角栄は奇策に打って出た。幹事長名で2000社に支援を要請し、角栄のコネで就職した企業人で作る「誠心会」もフル回転させた。そして、組織が脆弱な候補者に、経済界の人と金を注ぐ戦略を実行していく。
前出の宮田にはトヨタ、元全日本女子バレー監督の大松博文には東芝や出光など、山東には日立の他、コカ・コーラ、ヤクルトが全面支援した。
一方、公示直前まで芸能活動を続けた山口には大企業を付けなかった。
「やっぱり足りない。日程表出せ!」
二十数年後に「参院の天皇」と呼ばれることになる村上正邦(81)も、角栄の忠告に背いた一人だ。
「キミ、1万5000票足りないよ!」
全国区の新人候補だった村上は山東と並んで座り、そう説教を受けた。それでも、宗教団体・生長の家の票をもう一人の候補者と折半し、当選ラインとされた55万票は取れると高を括っていた。一方の角栄は「投票率が上がるから当選できない」と踏んでいた。
「やっぱり足りない。日程表出せ!」
公示後も、角栄は各地遊説中の村上を探し当て、電話をかけ続けた。
「ところで、福岡にはいつ入る?」
それは、福岡出身の村上に九州電力の支援をつけようという意味だった。
だが、自民党内で田中派と対立する福田派に属していた村上は派閥の体面を気にし、折角の申し出を断った。
最終的に山東は120万票を獲得し、全国区(改選議席54)の5位で当選、山口はギリギリの46位。村上は2万票ほど足りず、落選した。
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