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第25回参議院議員選挙(2019年)
1056
:
チバQ
:2019/05/26(日) 20:14:55
玉城知事への不満も増幅
だが、オール沖縄内部の火種が完全に消えたわけではない。高良氏の擁立をめぐるドタバタ劇は、沖縄県内の野党共闘を支える仕組みそのものが遠因となっているからだ。
沖縄県内の国政選挙では、衆院沖縄1区が共産党、2区が社民党、3区は国民民主党(旧自由党)などと住み分けが確定しており、今年改選を迎える参院選沖縄選挙区は社大党の「指定席」だった。100人委の主要メンバーは「なんで少数政党の既得権益みたいになっているのか。せめて予備選挙を行うぐらいでないと民主的とはいえない」と不満を募らせていた。
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こうした不満に加え、オール沖縄内部の勢力争いも従来の野党住み分けを脅かす可能性をはらむ。
衆院沖縄1区は共産党の赤嶺政賢氏、2区は社民党の照屋寛徳氏が議席を保有しているが、両氏はそれぞれ71歳、73歳と高齢だ。オール沖縄内部には世代交代を理由に1区と2区の候補者差し替えを狙う動きもある。オール沖縄系県議の一人は、100人委の動きを歓迎した上で「これで政党の既得権益化を解消できるかもしれない」ともくろむ。
不協和音を解消する上では玉城氏のリーダーシップが不可欠だが、肝心の玉城氏にも不満が鬱積(うっせき)している。
「だったらもう、あなたの自己責任でやってくれ!」
4月上旬、オール沖縄の幹部県議は知事公舎で玉城氏に声を荒らげた。3区補選の選挙期間中、中国への出張を決めた玉城氏に再考を促したが、玉城氏は「選挙を理由に公務をおろそかにしていいものか…」と煮え切らない態度を示したからだ。玉城氏は結局、中国出張の期間を短縮したが、屋良陣営の関係者は「自分の後継者を選ぶ選挙なのに緊張感がなさ過ぎる」と不信感を隠さなかった。
3月下旬、那覇市内で杯を酌み交わした共産党と社民党の県議2人は「デニーさんはわれわれのことを一体どう考えているんだろうか…。納得できない」と語り合った。
玉城氏は那覇市の米軍那覇港湾施設(那覇軍港)を浦添市の米軍牧港補給地区沿岸に移設するための埋め立て計画について容認の姿勢を示している。共産、社民両党にとって移設計画は受け入れがたく、玉城氏は革新政党に配慮が欠けるというわけだ。
参院選で高良氏有利との見通しは、敵方の自民党県連幹部の口からも漏れる。しかし、オール沖縄内部では確執が続き、玉城氏もまとめ役を果たし切れていない。沖縄県が野党共闘のモデルケースだとしても、その内情は決してバラ色とはいえないのが実情だ。
(那覇支局長 杉本康士)
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