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新・大中華世界的話題

256名無しさん:2015/10/03(土) 10:11:43
>>255

 そもそも、人口の20%がカトリック、成人の45%がカトリックと何らかの関係を持っていて(USA TODAY Special Edition: Francis to America参照)、かつ約5000万人がヒスパニック系(2010年調査)という米国において、フランシスコ教皇の訪問は圧倒的なまでの注目度を集めた。私もそんな空気を街中が“Pope Francis”に染まったワシントンDCの地で感じていた。「前にはPope、後には下院議長を電撃辞任したジョン・ベイナー。ニュースのヘッドラインをどうしても飾れない習近平は、哀れにすら見える」(米某シンクタンク研究員)。

 そんなフランシスコ教皇の影で訪米のインパクトが大きく薄まるのを中国政府は相当懸念していたが、だとすれば、同教皇と非公式にでも接触をして、戦略的に習近平訪米を盛り上げるという発想は生まれなかったのか。

 2つ目に、フランシスコ教皇の在米スケジュールとも関係するが、「中国外交部は、習近平のワシントンDC滞在時間は短ければ短いほどいいと考えていた」(中国政府関係者)ことである。ここには、ワシントンDCに来れば向き合わざるを得ないサイバーセキュリティや南シナ海問題を極力かわしたいという思いもあっただろう。“親中的な”シアトルにいれば、ビジネスや協力のラインで公式訪問を進行することができる。習近平がワシントンDCに滞在した時間は実質1日強であった。

 3つ目に、習近平が米国の大学での講演を回避したことである。前任者の胡錦濤はエール大学で、江沢民はハーバード大学で講演している。中国の指導者の米国大学での講演は、訪米日程の中でも比較的センシティブな分野に入ると見られるが、習近平はそれを避けた。「ワシントンDCの某大学での講演を交渉していたが、結局キャンセルになった」(中国政府関係者)。

 代わりに習近平が訪れたのは、シアトルから50キロほど離れた、タコマ市にあるリンカーン高校だった。1993年、当時福建省福州市書記だった習近平は同校を訪れている。また1994年、福州市とタコマ市は姉妹都市協定を結んでいる。その地を再訪することは、習近平にとってみれば“安全運転”以外の何物でもなかった、ということであろう。

● 中国側に見られた非戦略的な消極性 その原因をつくったのは習主席自身? 

 この、ともすれば中国らしくないとも映る非戦略的な消極性は、どこから来たのであろうか。本連載でも随所でほのめかしてきたが、私は習近平を取り巻く部下たちが、習近平が気を悪くしたり、怒ったりすることを恐れるあまりに遣いすぎている“気”の問題だと見ている。恐怖政治が蔓延する昨今の情勢下において、官僚たちは積極的な政策立案ができないでいる。今回の米国公式訪問で、そんな習近平政治の現在地が改めて明らかになったのではなかろうか。

 「でも、そんな空気をつくり出したのは習近平本人だ」

 9月24日夜、ワシントンDCに到着した習近平一行がオバマ一行とビジネスディナーをしている最中、ワシントン在住の中国共産党員がホワイトハウスからそう離れていない一角で、私にそうつぶやいた。

加藤嘉一


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