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新・大中華世界的話題

21とはずがたり:2015/08/22(土) 21:00:07
>>20-212
 欧米や日本等の先進国が同時に実行している大胆な金融緩和策が、これら市場における株高を演出し、何がしか景気を支えている事実を、中国当局が参考にした面もあろう。先進国のほうが、多少はもっともらしい化粧を施しているとはいえ、苦しい時の緩和頼みという政策の本質は変わらないように見える。しかも、中国の場合、金融政策面でも財政政策面でも、伝統的な意味でその発動余地が十分にあるだけに、ともすると当座の苦しさをしのぐために、マクロ政策に頼る誘惑にかられやすい。

 ここに落とし穴がある。まず、中国が現在極めて大事な過渡期にあるという事実を忘れてはなるまい。人口動態等からみて、中国は高度成長期から安定成長期に向かいつつあるというのが定説だ。その潜在成長率は、従来の7%台から5〜6%になったのではないかとみられている。成長力が落ちているにも関わらず、従来通りの高成長の夢を無理に追いかければ、物価の高騰、資産バブル、あるいは過剰投資を呼び込むことは必定だし、中国自身の近年の歴史が証明するところでもある。

構造改革路線の後退は、世界経済に悪影響

 習近平政権は、そうした過去の反省をもとに、投資主導の早すぎる成長からよりバランスの取れた安定成長を志向する「新常態政策」を経済政策の柱に掲げてきた。そしてそのために「市場」の力を一段と活用することを目指す一方、従来中国経済をけん引してきた鉄鋼、石油化学、造船、セメント、地場自動車等の重化学製造業の過剰設備問題に果敢に対応してきた。その方向性は正しい。

 株式市場をめぐる今回の騒動は、対応を過てば、習政権の新たな経済政策運営に水を差しかねない動きだ。不動産市場と異なり、中国の経済全体に対する株式市場の影響は、さして大きくない。企業の資金調達の主たるソースは銀行借入であり、株式市場のウエートは限定的だ。客観的に見れば狼狽する必要はないように見える。しかし、今回の一連の動きを見ていると、今回のバブルが官製バブルであったこともあり、中国当局の慌てぶりが伝わってくる。

 ここは、中国の踏ん張りどころだろう。これまでの経緯はともかく、株式バブル崩壊の影に過度におびえ、金融をどんどん緩め、財政支出を闇雲に増やすようなことは断じてすべきではない。それにより一時しのぎはできても、「新常態政策」のモメンタムが、大きく後退することは必至だ。そうした状況は、持続的成長を目指す中国はもとより、世界経済全体のためにならないことは、明らかだ。


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