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新・鉄道綜合スレ

4569OS5:2023/12/05(火) 12:03:16
IRいしかわも敦賀延伸で状況一変
IRいしかわ鉄道のウェブサイト(画像:IRいしかわ鉄道)

 石川県を走るIRいしかわ鉄道は、並行在来線を引き継いだ三セクのなかで突出した営業成績を上げてきた。2022年度は

「8712万円」

の当期純利益を出している。石川県から受けた約6700万円の補助金を差し引いても黒字だ。

 2015年の北陸新幹線金沢延伸で引き継いだ区間は、ハピラインと同じ北陸本線だが、路線は津幡町の倶利伽羅(くりから)駅から金沢市の金沢駅まで17.8km。富山県境付近を除けば、沿線人口が大きい金沢市内。石川県によると、輸送密度はコロナ禍前の2017年度で約1万3000人あった。

 しかし、敦賀延伸で状況が一変しそうだ。石川県がまとめた2017年度の1日当たり駅間通過人員を見ると、金沢駅から野々市市の野々市駅までは2万人を超えているものの、小松市の小松駅以西は1万人を下回る。路線も金沢〜大聖寺間46.4kmが加わり、64.2kmに延びる。その分、経費がかさむ。

 石川県の経営計画は、延伸後10年間で

「42億円」

の赤字が出ると試算した。この状況を打開するため、現在20億円の資本金を石川県と沿線の地方自治体が増資して30億円に増やす一方、運行支援基金の規模も金沢延伸時の30億円を50億円にする計画。金沢駅以西の運賃は延長5年目まで現行の1.09倍、6年目以降1.14倍程度に引き上げる。

 石川県並行在来線対策課は

「北陸新幹線や七尾線特急列車とのダイヤ調整、地域で支えるサポーター制度の導入、駅前の整備などを進め、利用促進を図りたい」

としている。

2022年度決算で営業損益黒字は2社だけ
福井市内を走る福井鉄道の路面電車。ハピラインふくいと連携を予定する(画像:高田泰)

 全国に整備新幹線の並行在来線を運行する三セクは8社ある。IRいしかわ鉄道のほか、

・道南いさりび鉄道(北海道)
・青い森鉄道(青森県)
・IGRいわて銀河鉄道(岩手県)
・えちごトキめき鉄道(新潟県)
・しなの鉄道(長野県)
・あいの風とやま鉄道(富山県)
・肥薩おれんじ鉄道(熊本、鹿児島両県)

だ。

 8社のうち、2022年度決算で営業損益が黒字だったのは、

・IRいしかわ鉄道
・青い森鉄道

だけ。肥薩おれんじ鉄道が9億6105万円、えちごトキめき鉄道が4億4951万円、IGRいわて銀河鉄道が4億1013万円の赤字を計上するなど、厳しい経営が続いている。

 このうち、青い森鉄道の黒字には“からくり”がある。青い森鉄道は青森県が施設を保有し、青い森鉄道が運行に専念する上下分離方式だが、本来青森県に支払わなければならない年間5億円程度の線路使用料のうち、2億円が減免されていることだ。青森県交通政策課は

「コロナ禍の影響が残るだけに、やむを得ない」

と話した。

 並行在来線にとって、最大の収入源は「貨物列車の線路使用料」だが、これにも問題がある。三セクに入る収入は

「貨物列車と旅客列車の割合」

で決まるため、三セクが旅客列車の本数を増やせば増やすほど線路使用料が減ることになる。福井県など沿線自治体は国土交通省に制度見直しを求めているが、経営を取り巻く状況は厳しさを増している。

 並行在来線はJR各社が運行しても採算が合わないとして経営分離されている。自治体が路線を残すという強い覚悟で支援を続けなければ、赤字が膨らむ一方だ。人口減少の加速で自治体財政は今後、さらに細る見込み。沿線自治体の覚悟が問われている。

高田泰(フリージャーナリスト)


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