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新・鉄道綜合スレ

4416OS5:2023/07/28(金) 08:10:17
■特快と快速の差がない中央線

 ■JR中央線快速

 続いてJRの主要路線を見てみよう。中央線快速は、その線路構造や高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪の「杉並3駅問題」などの歴史的背景により、複々線区間にもかかわらず三鷹まで追い抜きができず、この区間では快速と特快の差がほとんどない。

 新宿を基準にすると、杉並3駅に停車する平日の快速は6駅目の吉祥寺(12.2km)まで15分、3駅を通過する土休日の快速は7駅目の三鷹(13.8km)まで15分。一方、同3駅に加えて荻窪・吉祥寺も通過する中央特快は三鷹まで14分で、土休日の快速と平日の特快がほぼ同じである。平日の快速も、せめて半数だけでも土休日の快速と同じ停車駅にできないものだろうか。もう半数は引き続き杉並3駅に停めれば「複々線化用地提供の見返りに平日の快速停車」の約束破りにはならないはずだ。

 ■JR常磐線

常磐線は快速が時速120km、特快は130kmで運転する区間があり、首都圏でも運転速度の速い路線だ。北千住を基準にした場合、各停だと柏(10駅目)の1つ手前、南柏(19.4km)まで26分。一方、快速は各停の駅数でいえば13駅目(快速線では4駅目)の天王台(28.8km)まで25分、特快はその隣の取手(32.2km)まで24分だ。具体例でいうと、日中毎時16分北千住発の各停が南柏に着くのは41分。その3分前の13分に発車した快速はその頃終点・取手(42分着)の手前だ。

 だが、実は各停もけっこう速い。上記の区間の表定速度は44.7km。本記事で取り上げた路線・区間でいうと小田急線の急行や東横線の相鉄直通急行を上回る。北千住―取手間の平均駅間距離は2.3kmである。同線は複々線で同じ線路上での追い越しがないため、快速・各停がお互いに影響を受けないほか、各停の電車の加速性能が地下鉄区間に合わせて高めに設定されているという特徴がある。

■各停と優等列車「到達距離の差」は何倍? 

 さて、ここでこれまで挙げた各線・各区間について、同じ所要時間で優等列車が各停の何倍の距離を走っているのか、「到達距離倍率」をまとめてみた。

■小田急線 急行:1.66倍 快速急行:2.17倍
■京王線 特急・区間急行(笹塚乗り継ぎ)1.37倍 (調布乗り継ぎ)1.84倍 京王ライナー:2.41倍
■京急線 特急:3.08倍
■東急東横線 急行:1.38倍 相鉄直通急行:1.11倍 特急:1.48倍
■東急田園都市線 急行:1.57倍

■中央線快速 特快:1.13倍(土休日快速:1.13倍)
■常磐線 快速:1.48倍 特快:1.66倍
 いかがだったであろうか。比較してみると、京急の特急や京王ライナーは各停と比べた場合の速さが突出している一方、東横線の相鉄直通急行は大差なかったり、中央線の特快は土休日の快速と変わらなかったりすることがわかる。

 一部の例外や、都心からの距離によっても多少の違いはあるにせよ、「到達距離倍率」でいうと1.5倍あたりが各停と優等列車の利便性のバランスが取れているといえるのではないかと筆者は考える。1.5倍から下に行くほど快速・急行利用者が割を食い(待避できる駅が少ない・列車が詰まるなど)、1.5倍から上に行くほど各駅停車利用者が割を食う(待避時間のほか、駅間距離が短く駅数が多いなど)と言えそうだ。

 都心に近い駅は便利そうだが、実は急行や快速でやや離れた郊外に行ったほうが時間的には早いこともある。「各停と急行の到達距離の差」、これからどこの沿線に住むか考える1つの要素に加えていただければ幸いである。

北村 幸太郎 :鉄道ジャーナリスト


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