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新・鉄道綜合スレ

3411チバQ:2021/02/05(金) 08:40:12
■羽田アクセスの新線構想はほかにも

 1つは、「蒲蒲線」としても知られる「新空港線」だ。東急線・JR線の蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶことで羽田空港アクセスを改善しようという狙いで、現在は蒲田止まりとなっている東急多摩川線を矢口渡駅付近から地下化して京急蒲田まで延ばし、さらに京急空港線の大鳥居駅に接続するという構想だ。
 東急と京急の線路幅が異なるといった課題はあるが、矢口渡―京急蒲田間については事業計画が進んでおり、地元である大田区は積極的だ。また、東急多摩川線と東横線、副都心線などの直通により、新宿方面や東武東上線・西武池袋線沿線からの羽田空港アクセス改善も期待されている。

 もう1つは、京成線の押上と京急線の泉岳寺間に新線を整備する「都心直結線の新設(押上―新東京―泉岳寺)」だ。両線は現在も都営地下鉄浅草線を経由して直通運転しているが、新たに東京駅近くを通る新線を建設して都心部へのアクセスを改善し、さらに成田空港・羽田空港を直結するルートにする構想である。
 また、既存の路線を改良して列車の増発を可能にするのが「京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅引上線の新設」だ。京急電鉄の羽田空港第1・第2ターミナル駅は1面2線の島式ホームで、2線がそれぞれ行き止まりとなっている。ここを掘り進めて引上線を設け、待機可能な車両の本数を増やして運用しやすくするというものだ。

 既存の空港アクセス鉄道である京急の改良も含め、いずれもJR東日本のプロジェクトと競合する。そもそも、羽田空港アクセスにそれだけの需要はあるのだろうか。
 2019年の羽田空港利用者数は、日本空港ビルデング発表の旅客ターミナル利用実績によると国内線が6838万2811人、国際線は1871万5998人で、合わせて8709万8809人だった。だが、コロナ禍によって2020年の国際線利用者は激減し、同年11月の旅客数は前年のわずか2.6%だった。国内線旅客数も大幅に落ち込んでいる。

 現在の利用者激減はコロナ禍の影響によるものであり、収束すれば利用者数は回復に向かうと思われるが、訪日客の急増が続いていた近年も、京急電鉄と東京モノレール、それとバスで羽田空港へのアクセスはさばけていたのも事実だ。羽田空港の発着便や利用者数が今後も増えるのでなければ、単純に交通手段だけを増やしても意味がないだろう。

■「共存共栄」を大切に

 また、アクセス交通に求められるのは必ずしも拠点間の大量輸送だけではない。筆者のように東京の郊外エリアに暮らしていると、最寄り駅から空港へ直行し、必ず座れるリムジンバスのほうが便利といえる。2015年3月には首都高速道路の中央環状線が全通して車による空港アクセスが改善され、たとえば新宿―羽田空港間はバスで約25分に短縮された。

 JR東日本の羽田空港アクセス線の鉄道事業認可により、羽田空港への鉄道アクセスは増えることになる。しかし、コロナ禍で現在ある空港アクセスの交通機関は大きな影響を受けており、航空需要の先行きがどうなるかも見通しが立たない。需要が旺盛であれば競争による発展も見込めるものの、今後は既存の交通機関もあわせて維持・発展を確保できるようにしなければ共存共栄が図れずに列車の本数減やバスの減便などを招き、かえって不便になる恐れもあるだろう。
 JRの羽田空港アクセス線以外の空港アクセス路線プロジェクトがどのように進展するかはわからない。だが、今後は単に新たな路線を整備するよりも、鉄道やバスなどそれぞれの交通機関の特性を生かし、全体的な空港アクセスの利便性を向上させる方策が重要になるのではないだろうか。
小林 拓矢 :フリーライター


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