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新・鉄道綜合スレ

3218とはずがたり:2020/08/22(土) 22:56:14
>>3217
一方、留萌市は、定期外利用者が多いので、廃線となっても学生の通学問題に対処する必要があまりありません。また、2020年3月には深川・留萌道が全通し、札幌方面への定期外利用者は、ますますバスや自家用車が便利になっています。

留萌線は留萌市内の走行区間が長いこともあり、全線存続を求めると、留萌市は年9億円のうち6億円を負担する必要があるとみられています。留萌市としては、そこまでの費用負担をしてまで残す必要はない、と判断したのでしょう。

運行経費をどう分担するか
要するに、留萌線は石狩沼田以南が通学主力の区間で、以北は観光・用務が主力の路線になっています。石狩沼田を境に、路線の性格が異なるのです。

では、深川〜石狩沼田間だけを部分存続することは可能なのでしょうか。

ポイントとなるのは運行経費です。JR北海道は留萌線全線を存続する場合は年9億円の負担が必要と試算しています。深川〜石狩沼田間に限った場合、その金額がいくらになるかは不明ですが、距離に比例するなら約3億円となります。固定費を考えれば、それより高くなる可能性もあります。

3億円と仮定して、これを深川市、秩父別町、沼田町で均等負担すれば各自治体で1億円ずつです。

各市町内の走行距離に比例させれば、路線が町内を横断している秩父別町が約2億円程度と過半を負担しなければならなくなる一方で、沼田町の負担は数千万円で済みます。

石狩沼田止まりにした場合、沼田町の駅は1駅だけで、町内の走行区間は1kmあまりにすぎません。そのため、距離に応じた負担では、沼田町が有利で、秩父別町が不利になります。

秩父別町が廃止を受け入れた理由は定かではありませんが、深川市に隣接しておりバス代替しやすいことのほか、存続を要求した場合に応分以上の費用負担を求められかねないと判断した可能性もありそうです。

更新費用は軽減
JR北海道は、留萌線全線を存続させる場合、今後20年間でトンネルや橋などの鉄道設備の更新費用が約30億円必要とも見積もっています。たとえば第三留萌川橋梁は1919年建造で経年100年を超えており、架け替えや大規模修繕が必要になりそうです。

これについては、石狩沼田〜留萌間の山間部を廃止するなら、だいぶ負担は軽くなりそうです。深川〜石狩沼田間は平坦でトンネルはありません。大きな橋梁は雨竜川橋梁だけで、同橋梁は1978年建造です。設備更新費用については、大幅な負担軽減となるでしょう。

実際に存続できるのか
「深川〜石狩沼田存続案」は、留萌線のうち、距離が長く輸送密度が低く維持費用が高い区間を切り離すものです。実現すれば路線の赤字が減ることは確かでしょう。しかし、単価の高い留萌までの定期外利用者を失うことになります。

深川〜留萌間の客がバスに移れば、深川〜石狩沼田間の利用者数も減少します。そう考えると、輸送密度は2018年度の137から大きくは改善しないでしょう。

今後、4市町は、JR北海道と具体的な協議を始めるとのことです。留萌市内の廃線については結論が出ましたが、深川〜石狩沼田の部分存続については、JR側が改めて運行費用負担の金額を提示することになるとみられます。

その費用負担を沿線3市町が受け入れるのか、受け入れるとしてどう分担するのかが、次の議論になりそうです。

仮に存続すれば、14.4kmのローカル線が道央に残されることになります。ただ、地方の基礎自治体にとって、年間1億円規模の財政支出の負担は大きすぎるとみられます。国や道が費用分担をする姿勢を示していないこともあり、実際に存続できるかは不透明です。(鎌倉淳)


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