したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

新・鉄道綜合スレ

3111とはずがたり:2020/06/03(水) 18:00:00
>>3110
積極的に解決するべき課題
その後、2012年1月〜3月に開催された整備新幹線小委員会では、北海道新幹線速度向上問題が改めて議論され、4月のとりまとめ(整備新幹線未着工区間の「収支採算性及び投資効果の確認」)では、以下のように記されました。

「整備新幹線の整備区間における新幹線列車の最高設計速度は、現時点では、昭和40年代の検討に基づき、時速260kmと設定されている。しかしながら、我が国や諸外国においても、線区によっては既に時速300kmもしくはそれ以上の速度で営業運転が行われている。最高設計速度の向上には、相応の環境対策の検討が必要となるが、全体としては、収支採算性や投資効果を高めるものと期待される。このため、最高設計速度の向上に向け、制度的・技術的な制約要因を整理し、できるだけ早期かつ積極的に課題を解決していく必要がある。」

つまり、2012年の段階で、北海道新幹線の320km/h化は、国交省で「積極的に解決するべき課題」として認識されたわけです。それから7年を経て、ようやく、最高設計速度の向上が実現に向け、具体的に動き出すわけです。やっとという感じでしょうか。

東北新幹線でも速度向上
議論の過程で課題とされた「費用」の問題については、今回、JRが負担をすることで決着します。一方「着工が大幅に遅れる」ことについては、すでに着工済みなので、直接的な影響はありません。速度向上の追加工事により、開業時期が後ろ倒しになるとの発表もありません。

前述したように、北海道新幹線とつながる東北新幹線では、宇都宮〜盛岡間で320km/hでの営業運転がすでに行われています。整備新幹線区間となる盛岡〜新青森間についても、正式発表はありませんが、JR東日本が320km/h運転を実現する方針を固めたとの報道がなされています(朝日新聞2019/01/13)。

東京〜札幌4時間半
JR北海道は、長期経営ビジョンで「東京〜札幌間4時間半」を目標にすると記しています。今回の記者発表でも、JR北海道の島田修社長は「札幌〜東京間4時間半に挑戦したい」と改めて意欲を示しました。

東京〜札幌4時間半、というのは、北海道新幹線着工前から意識されていた数字です。第8回新幹線小委員会配布資料(2012年3月15日)では、盛岡〜札幌間の全線で320km/h運転を実施した場合、東京〜札幌間は4時間33分で結ばれると試算しています。

現状では、盛岡〜新青森間と、新函館北斗〜札幌間について320km/h運転の方向が固まったものの、青函共用区間の最高速度向上がどこまで可能なのかは見通せません。島田社長も記者会見で、「青函トンネル内は勾配がきつく、260km/hが限界だろう」と述べ、北海道新幹線全区間での320km/h運転には悲観的な見方を示しました。

360km/h運転は実現するか
一方で、JR東日本は360km/hでの運転を目指す新型車両「E956(ALFA-X)」の開発を進めています。開発が順調に進めば、近い将来、東北新幹線では360km/h運転が実現する可能性が高くなっています。

今回、JR北海道は、320km/h運転を目指すとしていますが、将来的には、当然360km/h運転も視野に入っているはずです。青函共用区間を除く、北海道新幹線全線で360km/h運転が実現すれば、共用区間の速度が遅くても、4時間半に近い所要時間で、東京〜札幌間を結ぶことは可能でしょう。

今回の発表内容だけを見れば、「5分の短縮」です。しかし、整備新幹線全体で見ると、昭和時代に決められたカビの生えたルールを改める大きな一歩になりそうです。(鎌倉淳)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板