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新・鉄道綜合スレ

1179とはずがたり:2017/01/15(日) 14:16:35
>>1177-1179
ドル箱区間には2本目の新線計画も

フランス国内では、引き続きLGV路線の整備計画が進められており、その計画の総延長は約2000キロ、28路線に及ぶ。一部はすでに建設が進められ、このうちトゥール-ボルドー間302キロのLGV南ヨーロッパ・大西洋線は、2017年に開業予定となっており、試運転も始まっている。

その先のボルドー-トゥールーズ間221キロも整備計画に含まれており、LGV大西洋線パリ-トゥール間と接続されれば、パリ-ボルドー-トゥールーズ間など、パリから南西方面への所要時間は大幅に短縮される。

一方で、パリ-リヨン間の混雑は年々悪化しており、前述の通りTGVデュプレックス車両の集中的な投入と2編成併結運転を増やし、運転間隔も短縮しているが、すでに線路容量は限界に近付いており、駅の客扱い量も飽和状態となりつつある。この状況を打破するため、パリ-リヨン間に2本目のLGVを建設する計画がある。

この2本目のLGVは、パリのオーステルリッツ駅を起点とし、オルレアンやクレルモンフェランなどフランス中部を抜けて、リヨンへ至る計画となっている。我が国にも、東海道新幹線の補完的役割を果たす目的で、リニアの建設が進められているが、全く別のシステムを導入するので、相互の互換性はない。

フランスの場合、従来のシステムをそのまま用いた2本目の高速新線を建設するため、いわば通るルートが違う複々線のような形となる。万が一、沿線で事故が発生した場合、これまで在来線経由で迂回していたものが、高速新線の別線が建設されれば、所要時間のロスを最小限に抑えつつ迂回運転をすることも可能となる。

計画中のLGVはほかにも、モンペリエ-ペルピニャンの海沿いのルート、ボルドーからスペイン国境イルンへのルート、リヨンからイタリアのトリノへのルートなどがあり、いずれも2020年以降に順次開通予定とのことだ。

周辺国との高速鉄道網構築で競争力強化を

ただし、国を跨ぐルートは、相手方の状況もあるため、必ずしも計画通りに進むかどうかは分からない。実際、トリノへの高速新線に関して、モンスニ峠を貫くトンネル工事のイタリア側開口部付近で反対住民と警官隊が衝突、工事が一時中断したこともあり、計画は遅延気味となっている。

今後も引き続き、フランスはドイツと共に欧州の鉄道、とりわけ高速鉄道計画における中心的な役割を担うことは間違いない。しかし旅客・貨物ともに、オープンアクセス法が施行されたことで、すでに周辺国では同業他社の参入が始まっているほか、様々な低価格の交通機関が台頭してきていることから、SNCFにとっては今後、より厳しい経営環境に置かれる可能性が高い。

貨物輸送に関しては、SNCFが単独で輸送していた時代は漸減傾向にあったが、オープンアクセス法が施行され、民間企業が鉄道輸送へ参入するようになってから、鉄道輸送のシェアはわずかであるが増加傾向にある。

旅客輸送に関しても、他交通機関への競争力を増すためにも、高速鉄道のさらなる整備を進め、周辺各国と一体となった鉄道網の構築が求められる。


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